説明

プロテインキナーゼABLおよびSRCの阻害剤としてのアザインドール誘導体

本発明は、一般式Iの化合物、プロテインキナーゼAblおよびSrcの阻害剤としてのその使用、ならびにその製造方法に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物および医薬品にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテインキナーゼの阻害剤である化合物、その調製方法およびその治療への応用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテインキナーゼ(PK)の機能障害は多くの病気の原因である。実際、ヒト癌に関係する高い割合の癌遺伝子およびガン原遺伝子はPKをコードする。
【0003】
PKの活性の増大は、良性前立腺過形成、家族性腺腫症、ポリープ症、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症に伴う血管のスムース細胞の増殖、肺線維症、糸球体腎炎ならびに狭窄および術後再狭窄などの多くの非悪性疾患に関係していることも発見されている。
【0004】
PKは、炎症反応ならびにウイルスおよび寄生虫の増殖に関係する。PKが、神経変性障害の発病および進行において重要な役割を有することも公知である。
【0005】
慢性骨髄性白血病(CML)は、後天性遺伝子異常:染色体フィラデルフィア(Ph)22qによって産生される癌遺伝子BCR-ABLを特徴とする、造血幹細胞の悪性形質転換に起因する(Deiningerら、Blood、2000年、96、3343〜3356頁)。この融合遺伝子は、構成的に活性化したチロシンキナーゼAbl活性を示すキメラタンパク質Bcr-Ablをコードする。BCR遺伝子の様々な転座から生じるBcr-Abl融合タンパク質の発現も、フィラデルフィア染色体陽性のため、Ph-陽性急性リンパ芽球性白血病(ALL Ph+)の原因である(Chanら、Nature、1987年、325、635〜637頁;Meloら、Leukemia、1994年、8、208〜211頁;Ravandiら、Br.J.Haematol.、1999年、107、581〜586頁)。CMLは成人における白血病の約15〜20%を占める。骨髄系の細胞の過剰な増殖を特徴とするこの疾患は、多くの専門家から、造血幹細の増殖の機序を理解し、また癌に対抗する新規な医薬品を開発するための参照モデルと見なされている。
【0006】
キナーゼAblに対して活性であることが発見された最初の阻害剤の1つはイマチニブ(Gleevec/Glivec、STI-571;Novartis Pharma AG)である。これはフェニルアミノピリミジン型の分子である。イマチニブは癌の治療のために開発された(Drukerら、Nat.Med.、1996年、2、561〜566頁)。Drukerは、イマチニブによるキナーゼAblの0.038〜0.025μMのIC50での選択的阻害を実証した。
【0007】
この分子は、キナーゼAblを阻害するだけでなく、c-KIT、PDGFR(血小板由来増殖因子)の阻害剤、または他のタンパク質の阻害剤の役割も果たすことが実証された(Bantscheffら、Nat.Biotechnol.、2007年、25、1035〜1044頁;Okudaら、Blood、2001年、97、2440〜2448頁;Dewarら、Blood、2005年、105、3127〜3332頁)。臨床試験によれば、イマチニブは、Bcr-Abl融合タンパク質を発現する、慢性期における患者の迅速な寛解を誘発するが、毒性は無視できる程度にしかないことが示されている(O'Brienら、N.Engl.J.Med、2003年、384、994〜1004頁;Apperleyら、N.Engl.J.Med;2002年、347、471〜487頁)。
【0008】
イマチニブは、KITおよびPDGFRαを発現する消化管間質腫瘍(GIST)に対する第II相臨床試験においても首尾よく試験がなされており、PDGFRのキナーゼ活性の調節解除が示されている、皮膚線維肉腫、好酸球増加症候群および慢性骨髄単球性白血病を含むいくつかの数の疾患に対して有望な効能が示されている(Rubinら、J.Clin.Oncol、2002年、20、3586〜3591頁;Makiら、IntJ.Cancer、2002年、100、623〜6262頁;Apperleyら、N.Engl.J.Med、2002年、347、471〜487頁;Gotlibら、Blood、2004年、103、2879〜2891頁)。
【0009】
しかし、進行した段階でCMLまたはALL Ph+を有する一部の患者には、イマチニブに対する耐性が生じる。これは一般に、触媒部位もしくはBcr-Abl近傍の領域での変異の出現またはBCR-ABL遺伝子の増幅に反映される(Gorreら、Science、2001年、293、876〜80頁;Le Coutreら、Blood、2000年、95、1758〜66頁;Weisbergら、Blood、2000年、95、3498〜505頁;Mahonら、2000年、Blood、96、1070〜9頁;Campbellら、Cancer Genet Cytogenet、2002年、139、30〜3頁;Hochhausら、Leukemia、2002年、16、2190〜6頁)。
【0010】
SrcファミリーのプロテインキナーゼはBcr-Ablによって媒介される白血病に関係しており、イマチニブに対する耐性のいくつかのケースに関わっている。この関連で、4-アニロ-3-キノリンカルボニトリル、2,6,9三置換プリン類似体およびピリド[2,3-d]ピリミジンなどの複数のSrc/Abl阻害剤が開発され、慢性骨髄性白血病または急性リンパ性白血病を有する患者のための代替の治療法を提供している(Martinelliら、Leukemia、2005年、19、1872〜1879頁)。
【0011】
Srcファミリーのキナーゼは、接着、浸潤、細胞運動性および血管形成を含む、悪性潰瘍の転移進行の主要経路も調節する(Bruntonら、Curr Opin Pharmacol.、2008年、8、427〜432頁)。タンパク質c-Srcの過剰発現ならびにその活性の増大が、結腸直腸癌、種々の消化管癌(肝臓、膵臓、胃および食道癌)ならびに乳癌、卵巣癌および肺癌を含む複数の種類の癌において観察された(Yeatmanら、Nat Rev Cancer、2004年、4、470〜80頁)。
【0012】
さらに、結晶学的研究によれば、イマチニブは、Ablのキナーゼドメインと、後者が不活性な配座をとるときだけ結合することが示されている(Nagarら、Cancer Res、2002年、62、4236〜43頁;Schindlerら、Science、2000年、289、1938〜42頁)。これらの結果は、イマチニブに対する耐性を克服するための代替治療法の開発の発端であったが、また、活性立体配座にあるAblのキナーゼドメインに特異的に結合できる新規な分子の設計の発端でもあった(Cowan-Jacobら、Acta Crystallogr D Biol Crystallogr、2007年、63、80〜93頁;Weisbergら、Nat Rev Cancer、2007年、7、345〜56頁)。開発された新規な部類の阻害剤には、Ablの選択的阻害剤、AblキナーゼおよびSrcファミリーのキナーゼの阻害剤、オーロラキナーゼの阻害剤ならびにATPに対して非競合的なBcr-Ablの阻害剤が含まれる。
【0013】
新規な部類の阻害剤の中では、AblならびにKITおよびPDGFRβを主として阻害するニロチニブ、SrcファミリーのキナーゼならびにKIT、Bcr-Abl、PDGFRを阻害するダサチニブ、SrcファミリーのキナーゼおよびBcr-Ablを阻害するボスチニブ、ならびに、他の阻害剤と対照的に、Ablキナーゼドメインの活性立体配座で結合するダサチニブが挙げられる(Weisbergら、Nat Rev Cancer、2007年、7、345〜56頁)。しかし、ダサチニブについては、体液うっ滞(胸膜滲を含む)、下痢等の副作用が認められる。
【0014】
しかし、Weisbergらが提案しているように(Weisbergら、Nat Rev Cancer、2007年、7、345〜56頁)、イマチニブ、ニロチニブまたはいくつかの他のキナーゼ阻害剤について、患者によっては新規な部類の阻害剤に対する耐性が生じる可能性があると想定され得る。したがって、プロテインキナーゼの阻害剤である新規な分子を見出す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】WO2005034869
【特許文献2】WO2008146174
【特許文献3】WO2005039486
【特許文献4】WO2007133562
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Deiningerら、Blood、2000年、96、3343〜3356頁
【非特許文献2】Chanら、Nature、1987年、325、635〜637頁
【非特許文献3】Meloら、Leukemia、1994年、8、208〜211頁
【非特許文献4】Ravandiら、Br.J.Haematol.、1999年、107、581〜586頁
【非特許文献5】Drukerら、Nat.Med.、1996年、2、561〜566頁
【非特許文献6】Bantscheffら、Nat.Biotechnol.、2007年、25、1035〜1044頁
【非特許文献7】Okudaら、Blood、2001年、97、2440〜2448頁
【非特許文献8】Dewarら、Blood、2005年、105、3127〜3332頁
【非特許文献9】O'Brienら、N.Engl.J.Med、2003年、384、994〜1004頁
【非特許文献10】Apperleyら、N.Engl.J.Med;2002年、347、471〜487頁
【非特許文献11】Rubinら、J.Clin.Oncol、2002年、20、3586〜3591頁
【非特許文献12】Makiら、IntJ.Cancer、2002年、100、623〜6262頁
【非特許文献13】Gotlibら、Blood、2004年、103、2879〜2891頁
【非特許文献14】Gorreら、Science、2001年、293、876〜80頁
【非特許文献15】Le Coutreら、Blood、2000年、95、1758〜66頁
【非特許文献16】Weisbergら、Blood、2000年、95、3498〜505頁
【非特許文献17】Mahonら、2000年、Blood、96、1070〜9頁
【非特許文献18】Campbellら、Cancer Genet Cytogenet、2002年、139、30〜3頁
【非特許文献19】Hochhausら、Leukemia、2002年、16、2190〜6頁
【非特許文献20】Martinelliら、Leukemia、2005年、19、1872〜1879頁
【非特許文献21】Bruntonら、Curr Opin Pharmacol.、2008年、8、427〜432頁
【非特許文献22】Yeatmanら、Nat Rev Cancer、2004年、4、470〜80頁
【非特許文献23】Nagarら、Cancer Res、2002年、62、4236〜43頁
【非特許文献24】Schindlerら、Science、2000年、289、1938〜42頁
【非特許文献25】Cowan-Jacobら、Acta Crystallogr D Biol Crystallogr、2007年、63、80〜93頁
【非特許文献26】Weisbergら、Nat Rev Cancer、2007年、7、345〜56頁
【非特許文献27】Seela、F.、Gumbiowski、R.Heterocycles、1989年、29(4)、795〜805頁
【非特許文献28】Mouaddib, A.、Joseph、B.ら、Synthesis、2000年、(4)、549〜556頁
【非特許文献29】Zhu, Xiao-Qingら、Journal of Physical Chemistry B、 2008年、112(37)、11694〜11707頁
【非特許文献30】Wang, Dong Meiら、Journal of Combinatorial Chemistry、2009年、11(4)、556〜575頁
【非特許文献31】Karrer, P.、Boettcher、Augusta、Helvetica Chimica Acta、1953年、36、570〜2頁
【非特許文献32】Ku, Jin-Mo;J.ら、Journal of Org Chemistry、2007年、72(21)、8115〜8118頁
【非特許文献33】Nagarathnam, D.、Journal of Heterocyclic Chemistry、1992年、29(6)、1371〜3頁
【非特許文献34】Kanth, Sribhashyam R.ら、Heterocycles 2005年、65(6)、1415〜1423頁
【非特許文献35】Liu, Yi-Fengら、Organic Process Research & Development、2008年、12(3)、490〜495頁
【非特許文献36】Rosen, Brad M.ら、Journal of the American Chemical Society、2009年、131(47)、17500〜17521頁
【非特許文献37】Sun, Yeweiら、Bioorganic & Medicinal Chemistry、2008年、16(19)、8868〜8874頁
【非特許文献38】Ramasamy, K.ら、Tetrahedron、1986年、42(21)、5869〜78頁
【非特許文献39】Liu, Y.、Wang, Cら、Organic Process Resarch & Development、2008年、12(3)、490〜495頁)
【非特許文献40】Asaki, T.ら、Bioorg.Chem.Med.Lett、2006年、16、1421〜1425頁
【非特許文献41】Park, YW.ら、Homogeneous proximity tyrosine kinase assays:scintillation proximity assay versus homogeneous time-resolved fluorescence. Anal Biochem、269、94〜104頁(1999)
【非特許文献42】Sun, C.ら、High-throughput screening assay for identification of small molecule inhibitors of Aurora2/STK15 kinase. J Biomol Screen 9、391〜7頁(2004)
【非特許文献43】Blume-Jensen, P.ら、Identification of the major phosphorylation sites for protein kinase C in kit/stem cell factor receptor in vitro and in intact cells. J Biol Chem 270、14192〜200頁(1995)
【非特許文献44】Songyang, Z.ら、Catalytic specificity of protein-tyrosine kinases is critical for selective signalling. Nature 373、536〜9頁(1995)
【非特許文献45】Cheng, H. C.ら、A synthetic peptide derived from p34cdc2 is a specific and efficient substrate of src-family tyrosine kinases. J Biol Chem 267、9248〜56頁(1992)
【非特許文献46】Mathis, G. Probing molecular interactions with homogeneous techniques based on rare earth cryptates and fluorescence energy transfer.Clin Chem 41、1391〜7頁(1995))。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、独特(original)な骨格を有しており、プロテインキナーゼの調節解除に伴う病気の治療において治療的に使用できるキナーゼの新規な阻害剤を提供することである。
【0018】
本発明の阻害剤は、多くの癌、より具体的には、特定の白血病など慢性または急性の骨髄増殖症候群のケース、および結腸直腸癌、種々の消化管癌(肝臓、膵臓、胃および食道)ならびに乳癌、卵巣癌および肺癌のケースの治療に用いることができる。
【0019】
本発明の他の目的は、キナーゼAblおよびSrcの新規な選択的阻害剤を提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、前記阻害剤を調製する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、一般式I:
【0022】
【化1】

【0023】
(式中、Rは、
- 基NHCOR1、または
- 基NR3R4
を表し、
R1は、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、フッ素、塩素もしくはヨウ素
- ニトロ基、
- シアノ基、
- メチルチアジル基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- アリールオキシ、好ましくはフェニルオキシ基、
- トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル基、
- 置換または非置換スルホンアミド基、好ましくはN-メチルスルホンアミド、
- ハロゲン原子、好ましくは塩素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたヘテロアリール、好ましくはピリダジル基またはピリダジニル基、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- または下記の基A、B、C、DもしくはE:
【0024】
【化2】

【0025】
から選択される基
- ヘテロアリール基、好ましくは
- スルファニル、好ましくはプロピルスルファニル基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリジル基、
- チオフェニル基、
- チアジル基、
- イミダジル基、
- アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピラジル基、
- キノキサリン基、
- ジヒドロベンゾフラニル基、または
- インジル基、
- シクロアルキル基、好ましくはシクロプロピル、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはエチル、イソプロピル、あるいは、
- アルコキシ基、好ましくはメトキシおよび/またはハロゲン原子、好ましくは臭素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたC1〜C6アラルキル基、好ましくはフェニルアルキル、好ましくはフェニルメチル
を表し、
R2は、
- エステル基COOR14
- アルキル基CH2R9、CH2OCOR10、CH2NR11R12
- アミド基CONR7R8、または
- 基COR13
を表し、
R7およびR8は、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- C1〜C6アミノアルキル基、好ましくはN,N-ジメチルアミノピロピル、または
- C1〜C6モルホリノアルキル基、好ましくはN-モルホリノエチル
を表し、
R9は、
- ヘテロアリール基、好ましくはイミダジルもしくはピリル、
- 複素環基、好ましくはN-モルホリニルもしくはテトラヒドロフラニル、
- アルコキシ基、好ましくはメトキシ、または
- ヒドロキシル基
を表し、
R10は、
- ヘテロアリール基、好ましくはキノキサリン
を表し、
R11およびR12は、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはtert-ブチル、
- アラルキル基、好ましくはフェニルアルキル、好ましくはフェニルメチル、
- C1〜C6アルコキシアルキル基、好ましくはメトキシエチル、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたシクロアルキル基、好ましくはシクロヘキシル、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、
- シアノ基、
- スルホンアミド基、
- ニトロ基、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、または
- ヒドロキシル基、
- あるいはヘテロアリール基、好ましくはピリジル基
を表し、
R13は複素環基、好ましくはN-モルホリルを表し、
R14は、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、または
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基で、任意選択で置換されたアリール基、好ましくはフェニル
を表し、
R3、R4は、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- 基CH2R15
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択で置換されたヘテロアリール基、好ましくはピリジル、インジル、ベンズイミダジルもしくはピラジル、または
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、塩素もしくはヨウ素、
- トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル基、
- CONHアルキル基、好ましくはCONHメチル、
- NHCOアルキル基、好ましくはNHCOメチル、
- スルホンアミド基、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、または
- メタンスルホンアミド基
を表し、
R15は、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、塩素、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- C1〜C6トリフルオロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル、
- ハロゲン原子、好ましくは塩素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたヘテロアリール基、好ましくはピリダジニル、
- スルホンアミド基、または
- メタンスルホンアミド基、
- 上記基A、B、C、DもしくはEから選択される基、
- あるいはヘテロアリール基、好ましくは、
- チオフェニル基、
- 好ましくは上記基A、B、C、DもしくはEから選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたチアジル基、
- イミダジル基、
- 好ましくは直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたインジル基、
- 好ましくは直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはエチル、または上記A、B、C、DもしくはE基から選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピラジル基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリジル基、または上記基A、B、C、DもしくはEから選択される基、
- 上記基A、B、C、DもしくはEから選択される基、
- 好ましくは上記基A、B、C、DもしくはEから選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリミジニル基、
- 好ましくは直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたベンズイミダジル基、または
- 1-Hピロロ[2,3-b]ピリジル基
を表す)
の化合物に関する。
【0026】
一実施形態では、本発明は、一般式I:
【0027】
【化3】

【0028】
(式中、Rは、
- 基NHCOR1、または
- 基NR3R4
を表し、
R1は、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、フッ素もしくは塩素、
- ニトロ基、
- シアノ基、
- メチルチアジル基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- アリールオキシ、好ましくはフェニルオキシ基、
- トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル基、
- 置換または非置換スルホンアミド基、好ましくはN-メチルスルホンアミド、
- ハロゲン原子、好ましくは塩素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたヘテロアリール、好ましくはピリダジル基、
- 直鎖状もしくは分岐状アルキル基、好ましくはC1〜C6、好ましくはメチル、イソプロピル、
- または下記の基A、B、CもしくはD:
【0029】
【化4】

【0030】
から選択される基、
- ヘテロアリール基、好ましくは
- スルファニル、好ましくはプロピルスルファニル基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリジル基、
- チオフェニル基、
- チアジル基、
- イミダジル基、
- アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピラジル基、
- キノキサリン基、
- ジヒドロベンゾフラニル基、または
- インジル基、
- シクロアルキル基、好ましくはシクロプロピル、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはエチル、イソプロピル、あるいは、
- アルコキシ基、好ましくはメトキシおよび/またはハロゲン原子、好ましくは臭素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたC1〜C6アラルキル基、好ましくはフェニルアルキル、好ましくはフェニルメチル
を表し、
R2は、
- エステル基COOR14
- アルキル基CH2R9、CH2OCOR10、CH2NR11R12
- アミド基CONR7R8、または
- 基COR13
を表し、
R7およびR8は、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- C1〜C6アミノアルキル基、好ましくはN,N-ジメチルアミノピロピル、または
- C1〜C6モルホリノアルキル基、好ましくはN-モルホリノエチル
を表し、
R9は、
- ヘテロアリール基、好ましくはイミダジルもしくはピリル、
- 複素環基、好ましくはN-モルホリニルもしくはテトラヒドロフラニル、
- アルコキシ基、好ましくはメトキシ、または
- ヒドロキシル基
を表し、
R10は、
- ヘテロアリール基、好ましくはキノキサリン
を表し、
R11およびR12は、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはtert-ブチル、
- アラルキル基、好ましくはフェニルアルキル、好ましくはフェニルメチル、
- C1〜C6アルコキシアルキル基、好ましくはメトキシエチル、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたシクロアルキル基、好ましくはシクロヘキシル、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、
- シアノ基、
- スルホンアミド基、
- ニトロ基、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、または
- ヒドロキシル基、
- あるいはヘテロアリール基、好ましくはピリジル基
を表し、
R13は複素環基、好ましくはN-モルホリルを表し、
R14は、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、または
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基で、任意選択で置換されたアリール基、好ましくはフェニル
を表し、
R3、R4は、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- 基CH2R15
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択で置換されたヘテロアリール基、好ましくはピリジル、インジル、ベンズイミダジルもしくはピラジル、または
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、
- トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル基、
- CONHアルキル基、好ましくはCONHメチル、
- NHCOアルキル基、好ましくはNHCOメチル、
- スルホンアミド基、または
- メタンスルホンアミド基
を表し、
R15は、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、塩素、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- C1〜C6トリフルオロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル、
- ハロゲン原子、好ましくは塩素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたヘテロアリール基、好ましくはピリダジニル、
- スルホンアミド基、または
- メタンスルホンアミド基、
- あるいはヘテロアリール基、好ましくは、
- チオフェニル基、
-チアジル基、
- イミダジル基、
-インジル基、
-ピラジル基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリジル基、または
- 上記基A、B、CおよびDから選択される基
を表す)
の化合物に関する。
【0031】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式IIの化合物:
【0032】
【化5】

【0033】
(式中、R1およびR2は、式Iまたは上記したその第1の実施形態に関して上記で定義した基を表す)
で表される。
【0034】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式IIIの化合物:
【0035】
【化6】

【0036】
(式中、R2、R3およびR4は、式Iまたは上記したその第1の実施形態に関して上記で定義した基を表す)
で表される。
【0037】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式IV:
【0038】
【化7】

【0039】
(式中、
Raは、
- シクロアルキル基、好ましくはシクロプロピル、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはエチル、イソプロピル、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール基、好ましくはフェニル:
- シアノ基、
- ハロゲン原子、好ましくはフッ素、臭素、塩素、
- メチルチアジル基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- アリールオキシ、好ましくはフェニルオキシ基、
- ハロゲン原子、好ましくは塩素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたヘテロアリール基、好ましくはピリダジニル、
- アルキル基、好ましくはC1〜C6、好ましくはメチル、
- トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル基、
- 置換または非置換スルホンアミド基、好ましくはN-メチルスルホンアミド、または
- 上記で定義した基A、B、CおよびDから選択される基、
- ヘテロアリール基、好ましくは、
- スルファニル、好ましくはプロピルスルファニル基で、任意選択で置換されたピリジル基、
- チオフェニル基、
- チアジル基、
- イミダジル基、
- アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピラジル基、
- ジヒドロベンゾフラニル基もしくは
- インジル基、
- あるいは、アルコキシ基、好ましくはメトキシ;ハロゲン原子、好ましくは臭素で、任意選択で置換されたCH2-フェニル基
を表す)
の化合物で表される。
【0040】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式Vの化合物:
【0041】
【化8】

【0042】
(式中、
Rbは、
- エステル基、好ましくはメチルエステル、
- 基CH2E、
- 基CH2OCOG、または
- アミド基CONHI
を表し、
Eは、
- ヒドロキシル基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- 以下のもので置換された第二アミン基:
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはtert-ブチル、
- 非置換もしくはC1〜C6アルキル基、メチルで置換されたシクロアルキル基、好ましくはシクロヘキシル、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくはフッ素もしくは臭素、
- シアノ基、
- ニトロ基、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- ヒドロキシル基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- 第三アミン基ジメチルアミン、または
- スルホンアミド基、
- ヘテロアリール基、好ましくはピリジル、および/または
- アラルキル基、好ましくはフェニルアルキル、好ましくはフェニルメチル、
- アルコキシアルキル基、好ましくはメトキシプロピルでジ置換された第三アミン基、
- 複素環基、好ましくはモルホリル、テトラヒドロフラニル、あるいは、
- ヘテロアリール基、好ましくはピリル、イミダジル
を表し、
Gはヘテロアリール基、好ましくはキノキサリンを表し、
Iはアミノアルキル基、好ましくはN-ジメチルアミノピロピルを表す)
で表される。
【0043】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式VIの化合物:
【0044】
【化9】

【0045】
(式中、
RdおよびRcは、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- ニトロ基、
- シアノ基、
- ハロゲン原子、好ましくはフッ素、臭素、塩素、
- メチルチアジル基、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルまたはイソプロピル、
- トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル基、
- 置換もしくは非置換スルホンアミド基、好ましくはN-メチルスルホンアミド、
- ハロゲン原子、好ましくは塩素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたヘテロアリール基、好ましくはピリダジニル、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- 上記で定義した基A、B、CおよびDから選択される基、または
- アリールオキシ基、好ましくはフェニルオキシ、
を表すか、
あるいは、RdおよびRcはフェニルとジヒドロベンゾフランまたはインドール環を形成している)
で表される。
【0046】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式VIIの化合物:
【0047】
【化10】

【0048】
(式中、
Reは、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、または
- ハロゲン原子、好ましくは臭素
を表す)
で表される。
【0049】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式VIIIの化合物:
【0050】
【化11】

【0051】
(式中、
Rfは、
- 水素原子、または
- スルフェニル基、好ましくはプロピルスルフェニル
を表す)
で表される。
【0052】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式IXの化合物:
【0053】
【化12】

【0054】
(式中、
Rgは、
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、
- ニトロ基、
- シアノ基、
- スルホンアミド基、
- 水素原子、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- ヒドロキシル基、または
- アルコキシ基、好ましくはメトキシを表す)
で表される。
【0055】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式Xの化合物:
【0056】
【化13】

【0057】
(式中、
RiおよびRjは、同じであっても異なっていてもよく、
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、フッ素もしくは塩素、
- ニトロ基、
- メチルチアジル基、
- 水素原子、
- アリールオキシ、好ましくはフェニルオキシ基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- トリフルオロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル、
- 置換または非置換スルホンアミド基、好ましくはN-メチルスルホンアミド、
- ハロゲン原子、好ましくは塩素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたヘテロアリール基、好ましくはピリダジニル、
- 上記で定義した基A、B、CおよびDから選択される基、または
- シアノ基、
を表すか、あるいは、
RiおよびRjはフェニルとジヒドロベンゾフラン、インドールまたはキノキサリン環を形成しており、
Rhは、
- N-モルホリル基、
- 第一アミン基、
- 第二アミン基NHJ、または
- OK
を表し、
Jは、
- アミノアルキル基、好ましくはN,N-ジメチルアミノピロピル、または
- N-モルホリノアルキル基、好ましくはN-モルホリノエチル
を表し、
Kは、
- アルコキシ、好ましくはメトキシで、任意選択で置換されたアリール基、好ましくはフェニル、または
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルを表す)
で表される。
【0058】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式XIの化合物:
【0059】
【化14】

【0060】
(式中、
Rmは、
- ヒドロキシル基、
- ヘテロアリール基、好ましくはピリルまたはイミダジル、
- 複素環基、好ましくはトリヒドロフラニルまたはN-モルホリル、
- アルコキシ基、好ましくはメトキシ、
- 以下のもので置換された第二アミン基:
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはtert-ブチル、
- アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択で置換されたシクロアルキル基、好ましくはシクロヘキシル、
- 以下のもので任意選択で置換されたアリール基、好ましくはフェニル:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、
- シアノ基、
- スルホンアミド基、
- ニトロ基、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- ヒドロキシル基もしくは
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- ヘテロアリール基、好ましくはピリジル、または
- フェニルアルキル基、好ましくはフェニルメチル、
- 第三アミン基N,N-ジメトキシプロピルアミン、あるいは
- 基OCOL
を表し、
Lはヘテロアリール基、好ましくはキノキサリンを表す)
で表される。
【0061】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式XIIの化合物:
【0062】
【化15】

【0063】
(式中、
RlおよびRkは、同じであっても異なっていてもよく、
- アルコキシアルキル基、好ましくはメトキシプロピル、
- 水素原子、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択で置換されたシクロアルキル基、好ましくはシクロヘキシル、
- 以下のもので任意選択で置換されたアリール基、好ましくはフェニル:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、
- シアノ基、
- ニトロ基、
- スルホンアミド基、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- ヒドロキシル基、または
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- ヘテロアリール基、好ましくはピリジル、
- アラルキル基、好ましくはフェニルメチル、または
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはtert-ブチル
を表すか、あるいは
RlおよびRkはNとモルホリル基を形成している)
で表される。
【0064】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式XIIIの化合物:
【0065】
【化16】

【0066】
(式中、
Rnは、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、または
- 第二アミン基、好ましくはN,N-ジメチルプロピルアミン
を表す)
で表される。
【0067】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式XIVの化合物:
【0068】
【化17】

【0069】
(式中、Roは、
- 好ましくは以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール基、好ましくはフェニル:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素もしくは塩素、
- アルコキシル基、好ましくはメトキシ、
- 直鎖状もしくは分岐状アルキル基、好ましくはC1〜C6アルキル基、好ましくはメチル基、
- C1〜C6トリフルオロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル、
- トリフルオロアルコキシ基、好ましくはトリフルオロメトキシ、
- スルホンアミド基、
- メチルスルホンアミド基、
- 上記定義の基A、B、C、DもしくはEから選択される基、
- ヘテロアリール基、好ましくは、
- 上記A、B、C、DもしくはE基から選択される基で置換されているかもしくは置換されていない、好ましくは置換されているチアジル基、
- チオフェニル基、
- イミダジル基、
- 好ましくは直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたインジル基、
- 好ましくは上記A、B、C、DもしくはE基から選択される基または直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル、好ましくはエチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピラジル基、
- 好ましくはC1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたベンズイミダジル基、
- 好ましくは上記定義のA、B、C、DまたはE基から選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリジル基、
- 好ましくは上記A、B、C、DもしくはE基から選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリミジニル基、
- 1-Hピロロ[2,3-b]ピリジル基
を表す)
で表される。
【0070】
一実施形態では、式XIVの化合物は、
【0071】
【化18】

【0072】
の中から選択される。
【0073】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式XVの化合物:
【0074】
【化19】

【0075】
(式中、Rpは、
- ヘテロアリール基、好ましくはピリジル基、
- 好ましくは以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアルキル基:
- アルコキシル基、好ましくはメトキシ、
- ハロゲン原子、好ましくは臭素またはヨウ素、
- -CONHアルキル基、好ましくは-CONHメチル、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル
を表す)
で表される。
【0076】
1つの実施形態によれば、本発明の化合物は、式XVIの化合物:
【0077】
【化20】

【0078】
(式中、Rqは、
- 好ましくは以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール基、好ましくはフェニル:
- 直鎖状もしくは分岐状アルキル基、好ましくはC1〜C6アルキル基、好ましくはメチル基、
- 上記定義の基A、B、C、DもしくはEから選択される基
を表す)
で表される。
【0079】
一実施形態では、式XVIの化合物は、
【0080】
【化21】

【0081】
の中から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0082】
一般に、以下の定義を用いる:
- 「アルキル基」:1〜6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状飽和脂肪族基。例として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、イソプロピル等を挙げることができる。
- 「シクロアルキル基」:3〜10個の炭素原子を有する環状アルキル基。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル等を挙げることができる。
- 「アリール基」:5〜10個の炭素原子を含む環状(単環式または多環式)芳香族基。例として、フェニル、ナフチル等を挙げることができる。
- 「ヘテロアリール基」:5〜10個の炭素原子および窒素、酸素またはイオウなどの1〜3個のヘテロ原子を含む環状(単環式または多環式)芳香族基。例として、ピリジン、チオフェン、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピロール、キノリン、インドール、ピリダジン、キノキサリン、ジヒドロベンゾフラン等を挙げることができる。
- 「複素環基」:5〜10個の炭素原子および窒素、酸素およびイオウなどの1〜3個のヘテロ原子を含む飽和環状基。例として、モルホリン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
- 「ハロゲン原子」:フッ素、塩素、臭素またはヨウ素。
- 「アルコキシ基」:酸素と結合したアルキル基。例として、メトキシ、エトキシ等を挙げることができる。
- 「アリールオキシ基」:酸素と結合したアリール基。例として、フェニルオキシ等を挙げることができる。
- 「スルホンアミド基」:
【0083】
【化22】

【0084】
- 「N-メチルスルホンアミド基」:
【0085】
【化23】

【0086】
- 「メタンスルホンアミド基」:
【0087】
【化24】

【0088】
- 「アラルキル基」:アリール基で置換されたアルキル基
【0089】
【化25】

【0090】
- 「アミノアルキル基」:アミン基で置換されたアルキル基
【0091】
【化26】

【0092】
- 「ヒドロキシル基」:OH
- 「アルコキシアルキル基」:アルコキシ基で置換されたアルキル基
【0093】
【化27】

【0094】
- 「スルファニル基」:
【0095】
【化28】

【0096】
- 「置換フェニル」:以下のものでモノもしくはポリ置換されたフェニル:
- ハロゲン原子、
- ニトロ基-(NO2)、
- シアノ基(CN)、
- メチルチアジル基、
【0097】
【化29】

【0098】
- アルコキシ基、
- アリールオキシ基、
- アルキル基、
- スルホンアミド基、
- N-メチルスルホンアミド基、
- メタンスルホンアミド基、
- ヘテロアリール基、
- ヒドロキシル基、
- 第三アミン基、
- 基-CONHアルキル、
- 基-NHCOアルキル、または
- 上記定義の基A、B、CおよびDから選択される基
- 「ピリジル」:ピリジンから誘導される基
【0099】
【化30】

【0100】
- 「チオフェニル」:チオフェンから誘導される基
【0101】
【化31】

【0102】
- 「チアジル」:チアゾールから誘導される基
【0103】
【化32】

【0104】
- 「イミダジル」:イミダゾールから誘導される基
【0105】
【化33】

【0106】
- 「ピラジル」:ピラゾールから誘導される基
【0107】
【化34】

【0108】
- 「キノキサリン」:
【0109】
【化35】

【0110】
- 「ジヒドロベンゾフラニル」:ジヒドロベンゾフランから誘導される基
【0111】
【化36】

【0112】
- 「ピリル」:ピロールから誘導される基
【0113】
【化37】

【0114】
- 「インジル」:インドールから誘導される基
【0115】
【化38】

【0116】
- 「ピリダジニル」:ピリダジンから誘導される基
【0117】
【化39】

【0118】
- 「N-モルホリル」:モルホリンから誘導される基
【0119】
【化40】

【0120】
- 「ベンズイミダジル」:ベンズイミダゾールから誘導される基
【0121】
【化41】

【0122】
- 「ピリミジニル」:ピリミジンから誘導される基
【0123】
【化42】

【0124】
- 「1-Hピロロ[2,3-b]」ピリジル:1-Hピロロ[2,3-b]ピリジンから誘導される基
【0125】
【化43】

【0126】
【化44】

【0127】
表示化合物中のこのような単結合はメチル基に対応する。
【0128】
一実施形態では、本発明は、ND0009、ND0019、ND0020、ND0021、ND0029、ND0031、ND0033、ND0037、ND0038、ND0045、ND0047、ND0057、ND0072、ND0074、ND0076、ND0077、ND0082、ND0085、ND0087、ND0088、ND0089、ND0090、ND0091、ND0093、ND0094、ND0096、ND0098、ND0101、ND0117、ND0118、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、キナーゼに対して50%を超える阻害率を示すことを特徴とする。
【0129】
一実施形態では、本発明は、ND0009、ND0019、ND0020、ND0021、ND0029、ND0031、ND0033、ND0037、ND0038、ND0045、ND0047、ND0057、ND0072、ND0074、ND0076、ND0077、ND0082、ND0085、ND0087、ND0088、ND0089、ND0090、ND0091、ND0093、ND0094、ND0096、ND0098、ND0101、ND0117、ND0118、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、AbI WTキナーゼに対して50%を超える阻害率を示すことを特徴とする。
【0130】
一実施形態では、本発明は、ND0118、ND0119、ND0096からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、AbI T315Iキナーゼに対して50%を超える阻害率を示すことを特徴とする。
【0131】
一実施形態では、本発明は、ND009、ND0020、ND0021、ND0037、ND0038、ND0047、ND0057、ND0072、ND0074、ND0076、ND0077、ND0087、ND0088、ND0089、ND0090、ND0091、ND0093、ND0094、ND0096、ND0098、ND0117、ND0118、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、Srcキナーゼに対して50%を超える阻害率を示すことを特徴とする。
【0132】
一実施形態では、本発明は、ND0117、ND0118、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、キナーゼについて1.10-9Mより小さいIC50を示すことを特徴とする。
【0133】
一実施形態では、本発明は、ND0117、ND0118、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、Abl WTキナーゼについて1.10-9Mより小さいIC50を示すことを特徴とする。
【0134】
一実施形態では、本発明が関係する化合物はND0118である。以下に示すこの化合物は、Srcキナーゼについて1.10-9Mより小さいIC50を示すことを特徴とする。
【0135】
一実施形態では、本発明は、ND0072、ND0074、ND0077、ND0087、ND0089、ND0090、ND0096、ND0117、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、キナーゼについて1.10-7〜1.10-9Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0136】
一実施形態では、本発明は、ND0072、ND0074、ND0077、ND0087、ND0089、ND0090、ND0096からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、AbI WTキナーゼについて1.10-7〜1.10-9Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0137】
一実施形態では、本発明は、ND0072、ND0074、ND0077、ND0087、ND0089、ND0090、ND0117、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、Srcキナーゼについて1.10-7〜1.10-9Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0138】
一実施形態では、本発明は、ND0009、ND0019、ND0020、ND0021、ND0031、ND0037、ND0038、ND0047、ND0057、ND0076、ND0082、ND0085、ND0088、ND0091、ND0093、ND0094、ND0098、ND0096、ND0118、ND0119、ND0077からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、キナーゼについて1.10-5〜1.10-7Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0139】
一実施形態では、本発明は、ND0009、ND0019、ND0020、ND0021、ND0031、ND0037、ND0038、ND0047、ND0057、ND0076、ND0082、ND0085、ND0088、ND0091、ND0093、ND0094、ND0098からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、AbI WTキナーゼについて1.10-5〜1.10-7Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0140】
一実施形態では、本発明は、ND0096、ND0118、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、AbI T315Iキナーゼについて1.10-5〜1.10-7Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0141】
一実施形態では、本発明は、ND0009、ND0057、ND0077、ND0088、ND0091、ND0093、ND0094、ND0096、ND0098からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、Src T315Iキナーゼについて1.10-5〜1.10-7Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0142】
一実施形態では、本発明は、ND0006、ND0010、ND0011、ND0029からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、Abl WTキナーゼについて1.10-5Mを超えるIC50を示すことを特徴とする。
【0143】
一実施形態では、本発明は、ND0117、ND0118、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、K562 Bcr-Ablキナーゼについて72時間で1.10-8Mより小さいIC50を示すことを特徴とする。
【0144】
一実施形態では、本発明は、ND0117、ND0119、ND0076、ND0087、ND0090、ND0096、ND0072、ND0074、ND0089からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、K562 Bcr-AbIキナーゼについて1.10-8〜1.10-6Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0145】
一実施形態では、本発明は、ND0117、ND0119からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、K562 Bcr-AbIキナーゼについて24時間で1.10-8〜1.10-6Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0146】
一実施形態では、本発明は、ND0076、ND0087、ND0090、ND0096、ND0072、ND0074、ND0089、からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、K562 Bcr-AbIキナーゼについて72時間で1.10-8〜1.10-6Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0147】
一実施形態では、本発明は、ND0020、ND0076、ND0087、ND0090、ND0096、ND0118からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、K562 Bcr-AbIキナーゼについて1.10-6〜1.10-5Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0148】
一実施形態では、本発明は、ND0020、ND0076、ND0087、ND0090、ND0096、ND0118からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、K562 Bcr-AbIキナーゼについて24時間で1.10-6〜1.10-5Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0149】
一実施形態では、本発明は、化合物ND0020に関する。以下に示すこの化合物は、K562 Bcr-AbIキナーゼについて72時間で1.10-6〜1.10-5Mの範囲のIC50を示すことを特徴とする。
【0150】
一実施形態では、本発明は、ND0072、ND0074、ND0089、ND0009からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、K562 Bcr-Ablキナーゼについて1.10-5Mを超えるIC50を示すことを特徴とする。
【0151】
一実施形態では、本発明は、ND0072、ND0074、ND0089からなる群から選択される化合物に関する。以下に示すこれらの化合物は、K562 Bcr-Ablキナーゼについて24時間で1.10-5Mを超えるIC50を示すことを特徴とする。
【0152】
一実施形態では、本発明は化合物ND0009に関する。以下に示すこの化合物は、K562 Bcr-Ablキナーゼについて72時間で1.10-5Mを超えるIC50を示すことを特徴とする。
【0153】
一実施形態では、本発明は化合物ND0009に関する。以下に示すこの化合物は、U937 Bcr-Ablキナーゼについて72時間で1.10-5Mを超えるIC50を示すことを特徴とする。
【0154】
一実施形態では、本発明は、それらが、メチル5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、メチル5-(2-フルオロ-6-メトキシベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、N-(2-((4-ヒドロキシフェニルアミノ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-2-ブロモベンズアミド、N-(2-((1H-ピロール-2-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-2-ブロモベンズアミド、2-ブロモ-N-(2-(メトキシメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミドまたは5-(2-ブロモベンズアミド)-N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミドで構成される群から選択されることを特徴とする化合物に関する。
【0155】
本発明による化合物が1つまたは複数の不斉炭素を含む場合、本発明による化合物を異性体の形態で得ることができ、本発明はそれらのすべての形態、すなわち、鏡像異性体、ジアステレオマー体、ラセミ体の化合物またはその混合物に関する。化合物が幾何異性体を与えることができる結合を含む場合、本発明は、本発明による化合物の単離された形態または混合物としてのすべての幾何異性体に関する。
【0156】
本発明による化合物は、溶媒和した形態であっても溶媒和していない形態であってもよい。
【0157】
本発明によれば、本発明による化合物のすべての薬学的に許容される塩、特に弱酸および弱塩基の塩は、本発明の範囲に包含される。
【0158】
本発明は、プロテインキナーゼの阻害剤としての本発明による化合物の使用にも関する。
【0159】
一実施形態では、本発明による化合物は、プロテインキナーゼAblの阻害剤として使用される。
【0160】
他の実施形態では、本発明による化合物は、プロテインキナーゼSrcの阻害剤として使用される。
【0161】
本発明の化合物は、プロテインキナーゼの調節解除に伴う病気、すなわち:
-特定の白血病などの慢性または急性の骨髄増殖症候群のケース、
-肝臓癌、膵臓癌、胃癌、食道癌および結腸直腸胃腸癌のケース、
-乳癌および卵巣癌のケース、
-肺癌のケース
の治療に用いることができる。
【0162】
他の態様によれば、本発明は、本発明による化合物を有効成分として含む医薬品に関する。したがって、本発明による化合物は、プロテインキナーゼの調節解除に伴う病気、すなわち:
-特定の白血病などの慢性または急性の骨髄増殖症候群のケース、
-肝臓癌、膵臓癌、胃癌、食道癌および結腸直腸胃腸癌のケース、
-乳癌および卵巣癌のケース、
-肺癌のケース
の治療における医薬品として用いることができる。
【0163】
本発明は、有効成分としての本発明の化合物および薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物にも関する。
【0164】
「医薬組成物」という用語は、有効用量の本発明の化合物および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む任意の組成物を意味する。前記添加剤は、薬剤形態および所望の投与方法に応じて、当業者に公知の一般的な添加剤から選択される。
【0165】
本発明による組成物は、プロテインキナーゼの調節解除に伴う病気、すなわち;
-特定の白血病などの慢性または急性の骨髄増殖症候群のケース、
-肝臓癌、膵臓癌、胃癌、食道癌および結腸直腸胃腸癌のケース、
-乳癌および卵巣癌のケース、
-肺癌のケース
の治療に用いることができる。
【0166】
本発明は、メチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(Azasynth社から市販されている)から出発する化合物の調製方法にも関する。
【0167】
第1の実施形態では、本発明による方法は、スキーム1で表される。
【0168】
【化45】

【0169】
一実施形態では、本発明による方法は、スキーム1bisで表される。
【0170】
【化46】

【0171】
本発明は、少なくとも以下の段階、すなわち:
a)水素雰囲気下、活性炭担持パラジウムの存在下におけるメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの接触水素化(Seela、F.、Gumbiowski、R.Heterocycles、1989年、29(4)、795〜805頁)
b) 種々の塩化アシルとの、生成したアミンの反応であって、シリカゲルで精製した後、15〜74%の範囲の収率で、対応するアミドを得る反応(Mouaddib, A.、Joseph、B.ら、Synthesis、2000年、(4)、549〜556頁)、ならびに
c)化合物の作製および特性評価
を含む。
【0172】
第2の実施形態では、本発明はスキーム2
【0173】
【化47】

【0174】
で表される。
ここで、
【0175】
【化48】

【0176】
はアリールまたはヘテロアリール基を表す。
【0177】
一実施形態では、
【0178】
【化49】

【0179】

【0180】
【化50】

【0181】
を表す。
【0182】
一実施形態では、
【0183】
【化51】

【0184】

【0185】
【化52】

【0186】
を表す。
【0187】
一実施形態では、
【0188】
【化53】

【0189】

【0190】
【化54】

【0191】
を表す。
【0192】
このプロセスは以下のステップ、すなわち:
a)水素雰囲気下、活性炭担持パラジウムの存在下におけるメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの接触水素化(Seela, F.、Gumbiowski, R.Heterocycies、1989年、29(4)、795〜805頁)であって、ステップb、cまたはdが続く接触水素化、
b)種々の塩化アシルまたはカルボン酸との、生成したアミンの反応であって、シリカゲルで精製した後、15〜74%の範囲の収率で、対応するアミドを得る反応(Mouaddib, A.、Joseph, B.ら、Synthesis、2000年、(4)、549〜556頁)、
c)メチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートによる種々の芳香族ハライドの芳香族置換であって、対応するアミノ芳香族を得る芳香族置換(Zhu, Xiao-Qingら、Journal of Physical Chemistry B、 2008年、112(37)、11694〜11707頁)、
d)水素化ホウ素の存在下における、種々の芳香族アルデヒドでの、メチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの還元的アミノ化であって、対応するベンジル型アミンを得る還元的アミノ化(Wang, Dong Meiら、Journal of Combinatorial Chemistry、2009年、11(4)、556〜575頁)、ならびに
e)化合物の作製および特性評価
を含む。
【0193】
第3の実施形態では、この方法はスキーム3
【0194】
【化55】

【0195】
で表される。
【0196】
この方法は少なくとも以下の段階、すなわち:
a)水素化アルミニウムリチウムによる室温でのメチル5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートのエステル官能基の選択的還元(Karrer, P.、Boettcher、Augusta、Helvetica Chimica Acta、1953年、36、570〜2頁)、
b) PBr3による、THF中室温で18時間の、アルコールから臭化アルカンへの転換(81%の粗収率)(Ku, Jin-Mo;J.ら、Journal of Org Chemistry、2007年、72(21)、8115〜8118頁)。この反応に、以下の段階c)またはd)が続く、
c)メタノール中への溶解であって、室温における、ハロゲン化官能基上との溶媒の反応によって得られるメトキシアザインドールを得る溶解、
d)無水ジメチルホルムアミド中室温、18時間の、第一または第二アミンとの臭化アルカンの反応であって、対応する7-アザインドールを、シリカゲルで精製した後、9〜96%の範囲の収率で得る反応(Nagarathnam, D.、Journal of Heterocyclic Chemistry、1992年、29(6)、1371〜3頁)、ならびに
e)化合物の作製および特性評価
を含む。
【0197】
本発明の第4の実施形態では、この方法はスキーム4
【0198】
【化56】

【0199】
で表される。
【0200】
この方法は少なくとも以下の段階、すなわち:
a)水酸化リチウムによるメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートのエステルの鹸化(Kanth, Sribhashyam R.ら、Heterocycles 2005年、65(6)、1415〜1423頁)、
b)N-(3-ジメチルアミノピロピル)-N'-エチルカルボジイミド(EDCI)塩酸塩とモルホリンによるペプチド結合、
c) 触媒パラジウムによる、得られたアミドの水素化、
d)ジメチルホルムアミド中のトリエチルアミンの存在下における、種々の塩化アシルとの、得られた化合物の反応であって、所望の7-アザインドールを得る反応、ならびに
e)化合物の作製および特性評価
を含む。
【0201】
第5の実施形態では、この方法はスキーム5
【0202】
【化57】

【0203】
で表される。
【0204】
この方法は少なくとも以下の段階、すなわち:
a)室温、24時間の、アンモニア水とのメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの反応であって、アザインドールの第一アミドを得る反応、
b)得られた化合物のPd/Cでの水素化、
c)3-フルオロベンゾイルとの反応であって、所望の化合物を得る反応、ならびに
d)化合物の作製および特性評価
を含む。
【0205】
第6の実施形態では、本発明の方法はスキーム6
【0206】
【化58】

【0207】
で表される。
【0208】
この方法は少なくとも以下の段階、すなわち:
a) 種々の塩化アシルとのメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの反応、
b)水-メタノール混合液中、還流下における、水酸化カリウムの作用による、得られた化合物の鹸化、
c) 種々のアルコールまたはアミンとの、得られた化合物の反応、ならびに
d)化合物の作製および特性評価
を含む。
【0209】
第7の実施形態では、本発明の方法はスキーム7
【0210】
【化59】

【0211】
で表される。
ここで、
【0212】
【化60】

【0213】
は、その芳香環上にエステル官能基を担持する種々の芳香族アミンを表す。
【0214】
一実施形態では、
【0215】
【化61】

【0216】

【0217】
【化62】

【0218】
を表す。
【0219】
この方法は少なくとも以下の段階、すなわち:
a)芳香環上にエステル官能基を担持する種々の芳香族アミンと4-(クロロメチル)ベンゾイルクロリドとの反応であって、所望のアミンを得る反応(Ding, Qiangら、WO2005034869)、
b)N-メチルピペラジンによる塩化アルキルの置換(Liu, Yi-Fengら、Organic Process Research & Development、2008年、12(3)、490〜495頁)、このステップに、ステップcまたはdが続く、
c)メチルエステルの鹸化、およびそれに続くペプチド結合の段階であって、所望の阻害剤を得る段階、
d)水素化ホウ素リチウムによる、メチルエステルの第一アルコールへの還元(Rosen, Brad M.ら、Journal of the American Chemical Society、2009年、131(47)、17500〜17521頁)、およびそれに続く、デスマーチン試薬によるアルコールのアルデヒドへの酸化(Bonneau, Anne-Laureら、WO2008146174)、およびそれに続く還元的アミノ化の段階であって、所望の阻害剤を得る段階
を含む。
【0220】
第8の実施形態では、本発明の方法はスキーム8
【0221】
【化63】

【0222】
で表される。
【0223】
この方法は少なくとも以下の段階、すなわち:
a)酸性媒体中における、メタノール中の3-(トリフルオロメチル)-4-メチル安息香酸のエステル化であって、メチルエステルを得るエステル化、
b)メチル基のラジカル臭素化(Sun, Yeweiら、Bioorganic & Medicinal Chemistry、2008年、16(19)、8868〜8874頁)、
c)ジメチルピロリジンによるブロモ置換、
d)メチルエステルの鹸化、
e)メチル5-アミノ-2メチルベンゾエートとのペプチド結合、この段階に、ステップf、gまたはhが続く、
f)メチルエステルの新規な鹸化、およびメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンカルボキシレートとのペプチド結合の段階であって、所望の阻害剤を得る段階、
g)メチルエステルのアルデヒドへの還元、およびそれに続くメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートでの還元的アミノ化の段階であって、所望の阻害剤を得る段階、
h)メチルエステルのアルデヒドへの還元、およびそれに続く5-アミノ-2-メトキシメチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンでの還元的アミノ化
を含む。
【0224】
第9の実施形態では、本発明の方法はスキーム9
【0225】
【化64】

【0226】
で表される。
【0227】
この方法は少なくとも以下の段階、すなわち:
a)メチル5-アミノ-2メチルベンゾエートと3-(トリフルオロメチル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)安息香酸とのペプチド結合(Ding, Qiangら、WO2005039486);
b)水素化ホウ素リチウムでの、メチルエステルから第一アルコールへの還元、
c)デスマーチン試薬によるアルコールのアルデヒドへの酸化、この段階に、ステップdまたはeが続く、
d)メチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートでの還元的アミノ化、
e)5-アミノ-2-メトキシメチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンでの還元的アミノ化
を含む。
【0228】
本発明は、以下の実施例を読むことによってより良く理解されよう。本発明の化合物は、必要なら平行した合成装置を用いて、多段階での合成により、メチル5-ニトロ-7H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(Azasynth社から市販されている)から得た(「合成1」、Heidolph)。種々の合成手順を、得られる7-アザインドール型の化合物の物理化学的特性と一緒に以下に詳述する。合成および分析は以下の条件で実施した:
- 1Hおよび13C核磁気共鳴:
装置:Bruker Avance 300(300 MHz);Bruker DPX 200(200MHz)
使用条件:室温、パーツパーミリオン(ppm)で表す化学シフト、内部標準トリメチルシラン(TMS)、小文字(一重項s、二重項d、三重項t、四重項q、多重項m)で示すシグナルの多重度、ジメチルスルホキシドd6、メタノールd4、クロロホルムd1、重水素化溶媒として。
- 高速液体クロマトグラフィー(HPLC):
装置:Waters Alliance 2790クロマトグラフ装置、UV996検出器
使用条件:Thermo Hypersil C18カラム(50×2.1mm)、水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸溶離液勾配(99.9%/0%/0.1%〜19.9%/80%/0.1%)
- 質量分析(MS):
装置:Micromass Q-Tof
使用条件:正モードでの電気スプレイ(ESI)。
- 計量:
装置:Denver Instrument TP214(精度0.1mg)
使用条件:計量は直近のミリグラムで行った。
- 平行合成:
装置:Heidolph合成1(16個の反応器)
使用条件:16の反応を平行に、室温で、多重蒸発。
- 加圧下における反応:
装置:Parr 300mLオートクレーブ。
使用条件:20バールの水素下で水素化。
【0229】
(実施例)
(実施例A)
Azasynth社からの市販試薬から出発した2段階での阻害剤の合成
スキーム10は、プロテインキナーゼ阻害剤の合成の一般的方法を示す。
【0230】
【化65】

【0231】
第1段階は、水素雰囲気、活性炭担持パラジウムの存在下におけるメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの接触水素化である(Seela, F.;Gumbiowski, R.、Heterocycles 1989年、29(4)、795〜805頁)。生成物を95%の粗収率で得る。第2段階は平行合成により実施した。第1段階で生成したアミンを、種々の塩化アシルと反応させて、シリカゲルで精製した後、対応するアミドを15〜74%の範囲の収率で得る(Mouaddib, A.;Joseph, B.ら、Synthesis 2000年、(4)、549〜556頁)。
【0232】
段階1:メチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの調製
【0233】
【化66】

【0234】
オートクレーブに、2.9g(13.12mmol)のメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(Azasynth)、290mgの活性炭に10%担持のパラジウムおよび200mLのメタノールをチャージする。反応混合物を20バールの水素下に置き、室温で18時間攪拌する。次いで溶液をセライト(Celite)でろ過し、セライトを3×100mLの熱メタノールで濯ぐ。ろ液を減圧下で蒸発させる。2.38gの黄色固体を95%の収率で得る。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 11.98 (br s, 1H)、7.95 (d, 1H)、7.14 (d, 1H)、6.90 (s, 1H)、3.84 (s, 3H)。
【0235】
段階2:メチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートから出発した阻害剤の調製
反応器に、50mgのメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(0.26mmol)、試薬(塩化アシル)および5mLのジクロロメタンをチャージする。56μL(0.39mmol)のトリエチルアミンを反応混合物に加え、これを室温で18時間攪拌する。次いで、60mLの炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を反応混合物に加える。生成した沈殿物をろ過し、少量の水で濯ぐ。ろ液を3×50mlのジクロロメタンで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。沈殿物が得られ、これをろ過した沈殿物と一緒にし、次いでシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル溶離液)で精製する。Table 1(表1)は、上記合成スキームにしたがって合成した種々の阻害剤を示す。
【0236】
【表1A】

【0237】
【表1B】

【0238】
【表1C】

【0239】
【表1D】

【0240】
【表1E】

【0241】
【表1F】

【0242】
【表1G】

【0243】
(実施例A1)
Azasynth社の市販試薬から出発した2段階での阻害剤の合成
スキーム11はプロテインキナーゼの阻害剤の合成の一般的方法を示す。
【0244】
【化67】

【0245】
ここで、
【0246】
【化68】

【0247】
はアリールまたはヘテロアリール基を表す。
【0248】
一実施形態では、
【0249】
【化69】

【0250】

【0251】
【化70】

【0252】
を表す。
【0253】
一実施形態では、
【0254】
【化71】

【0255】

【0256】
【化72】

【0257】
を表す。
【0258】
一実施形態では、
【0259】
【化73】

【0260】

【0261】
【化74】

【0262】
を表す。
【0263】
第1段階は、水素雰囲気、活性炭担持パラジウムの存在下におけるメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの接触水素化である(Seela, F.;Gumbiowski, R.、Heterocycles 1989年、29(4)、795〜805頁)。生成物は95%の粗収率で得られる。第2段階は平行合成により実施した。それは、ペプチド結合によるアミドアザインドールの生成、求核的芳香族置換によるアリールアミノアザインドールもしくはヘテロアリールアミノアザインドールの生成、または還元的アミノ化によるベンジルアミノアザインドールの生成のいずれかであり得た。以下の実施例により本発明をより良く理解することができるであろう。
【0264】
第1段階は上記実施例Aと同じである:
選択肢1:ステップ2:メチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートから出発したカルボン酸での阻害剤の調製(ペプチド結合)
反応器中の1mlのジメチルホルムアミドに、25mg(0.13mmol)のメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、1当量のカルボン酸、1.5当量のヒドロキシベンゾトリアゾール、1.5当量のN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド炭酸水素塩、2当量のN,N-ジイソプロピルエチルアミンをチャージする。溶液を室温で12時間混合する。次いで溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を分取HPLCで直接精製する。以下のTable 2(表2)は、この手順にしたがって合成した阻害剤をまとめた(regroup)ものである。
【0265】
【表2】

【0266】
選択肢2:ステップ2:還元的アミノ化によるベンジル酸の調製のための一般手順
反応器に、25mg(0.13mmol)のメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2カルボキシレート、1当量のアルデヒドおよび1mlのメタノールをチャージする。1当量の酢酸を加え、次いで反応混合物を室温で2時間混合する。MS分析によりシッフ塩基が確認されたら、1.5当量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え、混合物を室温で12時間混合する。次いで反応媒体を分取HPLCで精製する。
以下のTable 3(表3)は、この手順にしたがって合成した阻害剤をまとめたものである。
【0267】
【表3A】

【0268】
【表3B】

【0269】
【表3C】

【0270】
【表3D】

【0271】
【表3E】

【0272】
【表3F】

【0273】
選択肢3:ステップ2:芳香族置換による芳香族アミンの調製のための一般手順
反応器に、25mg(0.13mmol)のメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、0.2当量のヨウ化銅および2mlのジオキサン中の6当量の炭酸カリウムをチャージする。次いで1.5当量のハロゲン化試薬、0.2当量のtrans-N,N-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンを加え、混合物を130〜140℃で2日間攪拌する。次いで反応媒体をセライトでろ過し、蒸発させ、分取HPLCで精製して予想生成物を得る。以下のTable 4(表4)は、この手順にしたがって合成した阻害剤をまとめたものである。
【0274】
【表4A】

【0275】
【表4B】

【0276】
【表4C】

【0277】
(実施例B)
実施例6からの阻害剤から出発した3段階での阻害剤の合成
スキーム12は実施例Bの反応スキームを示す。
第1段階は、室温で水素化アルミニウムリチウムによりエステル官能基を選択的還元して対応するアルコールを89%の収率で得る段階である(Karrer, P.、Boettcher、Augusta、Helvetica Chimica Acta、1953年、36、570〜2頁)。次いで生成したアルコールを、PBr3を用いて、THF中、室温で18時間かけて臭化アルカンに転換させる(81%の粗収率)(Ku, Jin-Mo., J.ら、Journal of Organic Chemistry、2007年、72(21)、8115〜8118頁)。中間体の臭化アルカンは非常に反応性が高く、分解させずに精製することはできない。メタノールに溶解すると、ハロゲン化官能基における室温での溶媒との反応によって得られるメトキシアザインドールがもたらされる(17%の収率)。それ故、所望のアミンを得るために、臭化アルカンを、第3段階および最後の段階の際に、精製することなく直接反応させる。後者の段階は、Heidolphの合成1を用いた平行合成により実施する。2当量の第一または第二アミンを無水ジメチルホルムアミド中の臭化アルカンに室温で18時間かけて加え、シリカゲルで精製した後、対応する7-アザインドールを9〜96%の範囲の収率で得る(Nagarathnam D.、Journal of Heterocyclic Chemistry、1992年、29(6)、1371〜3頁)。
【0278】
【化75】

【0279】
(実施例16)
2-ブロモ-N-(2-(ヒドロキシメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミド(ND0019)の調製
【0280】
【化76】

【0281】
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、180mLの無水テトラヒドロフラン中の4.6g(12.3mmol)のメチル5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(実施例6)をチャージする。反応混合物を冷エタノール浴で0℃に保持し、粉末状の0.7g(18.5mmol)の水素化アルミニウムリチウムを分割して注意深く加える。これをアルゴン雰囲気下0℃で15分間攪拌し、冷浴を取り外す。反応混合物を室温でさらに2時間攪拌する。次いで3mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を非常にゆっくり加え、15分間攪拌する。次いで生成した沈殿物をセライトでろ過し、セライトを3×50mLの熱テトラヒドロフランで濯ぐ。ろ液を減圧下で蒸発させ、2.38gの黄色固体を得る(粗収率95%)。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 11.50 (br s, 1H)、10.46 (br s, 1H)、8.34 (d, 1H)、8.28 (d, 1H)、7.80〜7.37 (m, 5H)、6.32 (s, 1H)1 5.30 (m, 1H)、4.60 (m, 2H)。
HPLC: 95%。MS (ESMHz): 345.8; 347.8 (M+1)。
【0282】
段階1:2-ブロモ-N-(2-(ブロモメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミドの調製
【0283】
【化77】

【0284】
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、1g(2.89mmol)の2-ブロモ-N-(2-(ヒドロキシメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミド(実施例16)、100mLのテトラヒドロフランおよび408μl(4.34mmol)の臭化リン(PBr3)を逐次チャージする。これを室温で18時間攪拌する。次いで溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を150mLの酢酸エチルに取る。有機相を3×50mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。得られた沈殿物を真空下で1時間乾燥し、最後に957mgの茶色固体(粗収率81%)を得る。MS(ESI):408.0;410.0;412.0(M+1)。
【0285】
段階2:2-ブロモ-N-(2-(ブロモメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミドからの阻害剤の調製
反応器に、アルゴン雰囲気下で、上記段階で生成した50mg(0.12mmol)の2-ブロモ-N-(2-(ブロモメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミド、0.5mLのジメチルホルムアミド(水素化カルシウムを用いて蒸留)および上記試薬をチャージする。溶液を室温で18時間攪拌し、次いで30mLの酢酸エチルに希釈し、4×10mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。次いで粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール溶離液)で精製する。Table 5(表5)は、第2段階の結果として合成された種々の阻害剤を示す。
【0286】
【表5A】

【0287】
【表5B】

【0288】
【表5C】

【0289】
【表5D】

【0290】
【表5E】

【0291】
【表5F】

【0292】
(実施例35)
2-ブロモ-N-(2-(メトキシメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミド(ND0021)の調製
【0293】
【化78】

【0294】
フラスコに、200mg(0.49mmol)の2-ブロモ-N-(2-(ブロモメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミド(段階1)および5mLのメタノールをチャージする。溶液を室温で18時間攪拌し、次いで100mLの酢酸エチルに希釈し、3×30mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。次いで粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル溶離液)で精製する。30mgの黄色固体を得る(17%)。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 11.75 (br s, 1H)、10.54 (br s, 1H)、8.43 (d, 1H)、8.38 (d, 1H)、7.80〜7.45 (m, 4H)、6.47 (s, 1H)、4.58 (s, 2H)、3.36 (s, 3H)。
HPLC: 96%。MS (ESMHz): 360.1; 362.1 (M+1)。
【0295】
(実施例36)
(5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)メチルキノキサリン-6-カルボキシレート(ND0022)の調製
【0296】
【化79】

【0297】
フラスコに、50mg(0.14mmol)の2-ブロモ-N-(2-(ヒドロキシメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミドAT2-2BF2(実施例16)、5mLのジクロロメタン、30mg(0.15mmol)の6-キノキサリンカルボニルクロリドおよび30μl(0.22mmol)のトリエチルアミンを逐次チャージする。溶液を室温で18時間攪拌し、次いで60mLの酢酸エチルに希釈し、10mLの重炭酸ナトリウム飽和溶液、10mLの水および10mLの塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄する。次いで有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。次いで粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル溶離液)で精製する。14mgの黄色固体を得る(24%)。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 12.00 (br s, 1H)、10.53 (br s, 1H)、9.10 (s, 2H)、8.77 (s, 1H)、8.45〜8.24 (m, 4H)、7.76〜7.41 (m, 4H)、6.66 (s, 1H)、5.59 (s, 2H)。
HPLC: 97%。MS (ESMHz): 502.1: 504.1 (M+1)。
【0298】
(実施例C)
5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(スキーム13)から出発した5段階での阻害剤の合成
第1段階では、エステルを水酸化リチウムで鹸化して対応するカルボン酸を52%の粗収率で得る(Kanth, Sribhashyam R.ら、Heterocycles、2005年、65(6)、1415〜1423頁)。次いでこのカルボン酸を、N-(3-ジメチルアミノピロピル)-N'-エチルカルボジイミド(EDCI)塩酸塩およびモルホリンを用いてペプチド結合によりアミドに転換させる。次いで得られたアミドを触媒パラジウムで水素化し、定量的に対応するアミノアザインドールを得る。次いで後者を、ジメチルホルムアミド中のトリエチルアミンの存在下で種々の塩化アシルと反応させて所望の7-アザインドールを得る。
【0299】
【化80】

【0300】
(実施例37)
5-(2-フルオロ-5-ニトロベンズアミド)-2-モルホリノカルボニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(ND0010)の合成
段階1:5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸の調製
【0301】
【化81】

【0302】
フラスコに、5g(22.62mmol)のメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(Azasynth)、50mLの95%エタノール、50mLの水および1.63g(67.92mmol)の水酸化リチウムを逐次チャージする。反応混合物を30分間還流させ、次いで放置して室温に戻す。溶液を減圧下で濃縮し、次いで200mLの水に希釈する。水相を3×60mLの酢酸エチルで抽出し、次いで32%塩酸でpH2〜3まで酸性化する。生成した沈殿物をろ過し、50mLの酢酸エチルで濯ぎ、次いで真空下で6時間乾燥する。2.45gの白色固体を得る(52%)。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 13.60 (br s, 1H)、13.20 (br s, 1H)、9.25 (d, 1H)、9.26 (d, 1H)、7.38 (s, 1H)。
【0303】
段階2:モルホリノ(5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)メタノンの調製
【0304】
【化82】

【0305】
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、上記段階で生成した600mg(2.90mmol)の5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸、10mLのジメチルホルムアミド(水素化カルシウムを用いて蒸留)、0.5mL(5.80mmol)のモルホリンおよび1.11g(5.80mmol)のN-(3-ジメチルアミノピロピル)-N'-エチルカルボジイミド(EDCI)塩酸塩を逐次チャージする。溶液を室温で18時間攪拌する。次いで溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール溶離液)により直接精製する。313mgの白色固体を回収する(39%)。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 13.04 (br s, 1H)、9.20 (d, 1H)、8.97 (d, 1H)、7.05 (s, 1H)、3.70 (m, 8H)。
【0306】
段階3:(5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0307】
【化83】

【0308】
オートクレーブに、上記段階で生成した313mg(1.13mmol)のモルホリノ(5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)メタノン、100mLのメタノールおよび31mgの活性炭に10%担持のパラジウムをチャージする。オートクレーブを20バールの水素下に置き、溶液を室温で18時間攪拌する。次いで溶液をセライトでろ過し、セライトを50mLのメタノールで濯ぎ、ろ液を減圧下で蒸発させる。280mgの白色固体を回収し、さらに精製することなく次の段階で使用する(定量的粗収率)。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 11.60 (br s, 1H)、7.86 (d, 1H)、7.13 (d, 1H)、6.52 (s, 1H)、4.84 (br s, 2H)、3.68 (m, 8H)。
【0309】
段階4:5-(2-フルオロ-5-ニトロベンズアミド)-2-モルホリノカルボニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(ND0010)の調製
【0310】
【化84】

【0311】
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、上記段階で生成した100mg(0.40mmol)の(5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン、5mLのジメチルホルムアミド(水素化カルシウムを用いて蒸留)、90mg(0.44mmol)の2-フルオロ-5-ニトロベンゾイルクロリドおよび85μl(0.60mmol)のトリエチルアミンを逐次チャージする。溶液を室温で4時間攪拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を100mLの酢酸エチルに取る。有機相を30mLの重炭酸ナトリウム飽和溶液、30mLの水および30mLの塩化ナトリウム飽和溶液で濯ぐ。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール溶離液)で精製し、90mgの黄色固体(53%)を得る。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 12.12 (br s, 1H)、10.30 (br s, 1H)、8.51〜8.43 (m, 2H)、8.41 (d, 1H)、8.36 (d, 1H)、7.85 (m, 1H)、6.81 (s, 1H)、3.673 (m, 8H)。
HPLC: 74%。MS (ESMHz): 414.3 (M+1)。
【0312】
(実施例D)
阻害剤実施例38(ND0005)の合成
5-(3-フルオロベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(スキーム12)を、メチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(Azasynth)から出発して3段階(一般スキーム14)で得た。アザインドールのメチルエステルを、エステル官能基でのアンモニア水の反応により第一アミドに直接転換させる(Ramasamy, K.ら、Tetrahedron、1986年、42(21)、5869〜78頁)。反応を室温で24時間実施し、精製した後、予想生成物を10%の収率で得る。このようにして得られたニトロアザインドールを水素化して対応するアミノアザインドールを定量的に得る。後者から、トリエチルアミンの存在下、ジメチルホルムアミド中での3-フルオロベンゾイルクロリド上のアミン官能基の反応により、実施例38(ND0005)の化合物が得られる。
【0313】
【化85】

【0314】
フラスコに、300mg(1.36mmol)のメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(Azasynth)、7.5mLのメタノールおよび15mLの28%アンモニア溶液をチャージする。反応混合物を室温で24時間攪拌する。溶液を減圧下で濃縮し、次いで100mLの塩化ナトリウム飽和溶液で希釈する。水相を3×30mLの酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル溶離液)で精製する。30mgの黄色固体を得る(10%)。
【0315】
オートクレーブに、先に生成した30mg(0.14mmol)の5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド、100mLのメタノールおよび10mgの活性炭に10%担持のパラジウムをチャージする。オートクレーブを20バールの水素下に置き、溶液を室温で2時間攪拌する。次いで溶液をセライトでろ過する。セライトを50mLのメタノールで濯ぎ、ろ液を減圧下で蒸発させる。25mgの黄色固体を回収し、さらに精製することなく次の段階で使用する(定量的粗収率)。
【0316】
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、先に生成した25mg(0.14mmol)の5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド、3mLのジメチルホルムアミド(水素化カルシウムを用いて蒸留)、19μL(0.16mmol)の3-フルオロベンゾイルクロリドおよび30μL(0.21mmol)のトリエチルアミンを逐次チャージする。溶液を室温で2.5時間攪拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を100mLの重炭酸ナトリウム飽和溶液に取る。水相を3×30mLの酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル溶離液)で精製し、14mgのベージュ色固体(33%)を得る。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 12.04 (br s, 1H)、10.44 (br s, 1H)、8.57 (d, 1H)、8.45 (d, 1H)、7.98 (br s, 2H)、7.89〜7.43 (m, 4H)、7.12 (s, 1H)。
HPLC: 56%。MS (ESMHz): 299.2 (M+1)。
【0317】
(実施例E)
メチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートから出発した阻害剤の合成
スキーム15は一般的合成スキームを示す。アミノアザインドールを、様々な塩化アシルをアミン官能基上で反応させてアミドに転換させる。このようにして得られたアミドを、水-メタノール混合液中での還流下で水酸化カリウムを加えて鹸化し、酸性官能基を種々のアルコールおよびアミンと反応させて、実施例39〜43に記載の化合物を得る。
【0318】
【化86】

【0319】
(実施例39)
5-(2-ブロモベンズアミド)-N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(ND0009)の調製
【0320】
【化87】

【0321】
フラスコに、425mg(1.14mmol)のメチル5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(実施例6)、20mLのメタノール、20mLの水および127mgの水酸化カリウムを逐次チャージする。反応混合物を2時間還流させ、次いで放置して室温に戻す。溶液を減圧下で濃縮し、次いで200mLの水に希釈する。水相を3×60mLの酢酸エチルで抽出し、32%塩酸でpH2〜3まで酸性化する。水相を3×60mLの酢酸エチルで再度抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。250mgのベージュ色固体を得る。これを精製することなく直接使用する。
【0322】
フラスコに、先に生成した250mg(0.70mmol)の固体、25mLのジメチルホルムアミド(水素化カルシウムを用いて蒸留)、96μL(0.76mmol)の3-(ジメチルアミノ)-1-プロピルアミン、3.28mL(23.05mmol)のトリエチルアミンおよび94mg(0.70mmol)のヒドロキシベンゾトリアゾールを逐次チャージする。これを室温で15分間攪拌し、次いで160mg(0.83mmol)のN-(3-ジメチルアミノピロピル)-N'-エチルカルボジイミド(EDCI)塩酸塩を加える。反応混合物をさらに18時間攪拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を100mLの水に取る。水相を6×50mLのジクロロメタンで抽出し、有機相を一緒にし、次いで硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール溶離液)で精製する。98mgのベージュ色固体を得る(メチル5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートから20%)。
1H NMR (300MHz, CD3OD): 8.40 (s, 2H)、7.62〜7.27 (m, 4H)、6.97 (s, 1H)、3.34 (t, 2H)、2.33 (t, 2H)、2.17 (s, 6H)、1.74 (m, 2H)。
HPLC: 95%。MS (ESMHz): 442.2: 446.2 (M+1)。
【0323】
(実施例40)
5-(3-(2-メチルチアゾール-4-イル)ベンズアミド)-N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(ND0011)の調製
【0324】
【化88】

【0325】
上記化合物を、5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートAT10-3Aの代わりに150mgのメチル5-(4-(2-メチルチアゾール-4-イル)ベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-メチルカルボキシレート(実施例8)を用いて実施例39に記載した手順にしたがって調製する。処理後、73mgのベージュ色固体を得る(2段階で22%)。
1H NMR (300MHz, CD3OD): 8.50〜8.39 (m, 2H)、7.97 (m, 4H)、7.74 (s, 1H)、7.01 (s, 1H)、3.40 (t, 2H)、2.69 (s, 3H)、2.60 (t, 2H)、2.06 (s, 6H)、1.85 (m, 2H)。
HPLC: 80%。MS (ESMHz): 463.3 (M+1)。
【0326】
(実施例41)
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルカルバモイル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)キノキサリン-6-カルボキサミド(ND0012)の調製
段階1:メチル5-(キノキサリン-6-カルボキサミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの調製
【0327】
【化89】

【0328】
上記化合物を、シクロプロパンカルボニルクロリドの代わりに55mgのキノキサリン-6-カルボニルクロリドを用いて実施例1(段階2)に記載した手順にしたがって調製する。処理後、42mgのベージュ色固体を得る(60%)。
【0329】
段階2:N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルカルバモイル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)キノキサリン-6-カルボキサミドの調製
【0330】
【化90】

【0331】
上記化合物を、メチル5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの代わりに42mgの上記メチル5-(キノキサリン-6-カルボキサミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートを用いて実施例39に記載した手順にしたがって調製する。処理後、7mgのベージュ色固体を得る(2段階で15%)。
1H NMR (300MHz, CD3OD): 8.89 (m, 2H)、8.65 (s, 1H)、8.52 (m, 1H)、8.45 (m, 1H)、8.30 (d, 1H)、8.14 (d, 1H)、6.99 (s, 1H)、3.36 (t, 2H)、2.40 (t, 2H)、2.22 (s, 6H)、1.74 (m, 2H)。
HPLC: 83%。MS (ESMHz): 418.3 (M+1)。
【0332】
(実施例42)
5-(ベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-4-メトキシフェニルカルボキシレート(ND0004)の調製
段階1:メチル5-(ベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの調製
【0333】
【化91】

【0334】
上記化合物を、シクロプロパンカルボニルクロリドの代わりに、200mg(1.04mmol)のメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートおよび121μL(1.04mmol)の塩化ベンゾイルを用いて実施例A(段階2)に記載した手順にしたがって調製する。処理後、170mgのベージュ色固体を得る(55%)。
【0335】
段階2:5-(ベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2 4-メトキシフェニルカルボキシレートの調製
【0336】
【化92】

【0337】
フラスコに、100mg(0.34mmol)の上記メチル5-(ベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、20mLのメタノール、20mLの水および200mg(3.40mmol)の水酸化カリウムをチャージする。反応混合物を60℃で30分間加熱し、次いで放置して室温に戻す。溶液を減圧下で濃縮し、次いで100mLの水に希釈する。水相を3×30mLの酢酸エチルで抽出し、次いで32%塩酸でpH2〜3まで酸性化する。水相を3×30mLの酢酸エチルで再度抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。85mgの白色固体を得、これを精製することなく直接使用する。
【0338】
フラスコに、先に生成した85mg(0.30mmol)の固体、20mLのテトラヒドロフラン、68mg(0.38mmol)のp-メトキシフェノール、90mg(0.30mmol)のN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および27mg(0.15mmol)の4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を逐次チャージする。これを18時間攪拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を100mLの水に取る。水相を3×30mLの酢酸エチルで抽出し、有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル溶離液)で精製する。17mgのベージュ色固体を得る(メチル5-(ベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートから出発して10%)。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 12.40 (br s, 1H)、10.52 (br s, 1H)、8.77 (d, 1H)、8.67 (d, 1H)、8.08 (d, 2H)、7.68〜7.60 (m, 3H)、7.49 (s, 1H)、7.32 (d, 2H)、7.08 (d, 2H)。
【0339】
(実施例43)
5-(3-フルオロベンズアミド)-N-(2-モルホリノエチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミド(ND0006)の調製
【0340】
【化93】

【0341】
フラスコに、865mg(2.76mmol)のメチル5-(3-フルオロベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(実施例5)、20mLのエタノール、20mLの水および464mg(8.30mmol)の水酸化カリウムをチャージする。反応混合物を60℃で30分間加熱し、次いで放置して室温に戻す。溶液を減圧下で濃縮し、次いで200mLの水に希釈する。水相を3×60mLの酢酸エチルで抽出し、32%塩酸でpH2〜3まで酸性化する。水相を5×50mLの酢酸エチルで再度抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。590mgの白色固体を得る。これを精製することなく直接使用する(71%の粗収率)。
【0342】
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、先に生成した280mg(0.93mmol)の固体を5mLの塩化チオニルと一緒にチャージする。反応を還流下で1時間実施し、次いで放置して室温に戻す。溶媒を減圧下で蒸発させ、10mLのジメチルホルムアミド(水素化カルシウムを用いて蒸留)、0.2mL(1.40mmol)のトリエチルアミンおよび135μL(1.03mmol)の4-(2-アミノエチル)モルホリンを混合物に加える。これを室温で2時間攪拌し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残留物を100mLの酢酸エチルに取る。有機相を30mLの重炭酸ナトリウム飽和溶液で濯ぎ、次いで3×30mLの水で濯ぐ。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させる。48mgの黄色固体を得る(13%)。
1H NMR (300MHz, DMSO d6): 12.09 (br s, 1H)、10.43 (br s, 1H)、8.55 (d, 1H)、8.46 (d, 1H)、8.44 (br s, 1H)、7.87〜7.78 (m, 2H)、7.65〜7.58 (m, 1H)、7.50〜7.43 (m, 1H)、7.09 (s, 1H)、3.58 (t, 4H)、3.42 (m, 2H)、3.31 (m, 2H)、2.42 (t, 4H)。
HPLC: 85%。MS (ESMHz): 412.2 (M+1)。
【0343】
(実施例F)
置換芳香族アミンから出発した阻害剤の合成
実施例Fの阻害剤はスキーム16に示すようにして得られる。
【0344】
【化94】

【0345】
ここで、
【0346】
【化95】

【0347】
は、芳香環上にエステル官能基を担持する種々の芳香族アミンを表す。
【0348】
一実施形態では、
【0349】
【化96】

【0350】
は、
【0351】
【化97】

【0352】
を表す。
【0353】
この合成は、エステルメチルまたはエチル官能基を担持する種々の芳香族アミンを用いて開始する(Liu, Y.、Wang, Cら、Organic Process Resarch & Development、2008年、12(3)、490〜495頁)。このアミンを4-クロロメチルベンゾイルクロリドと反応させて中間体アミドを得る。得られたアミドをアセトン還流下でN-メチルピペラジンで置換する。得られた中間体エステルを鹸化し、次いでメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートとカップリングさせる、またはアルデヒドへと還元し、次いでメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートで還元的アミノ化を施す。本発明を説明するために、いくつかの実施例を以下に示す。
【0354】
(実施例82)
阻害剤メチル5-(5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-ベンズアミド)-2-メチルベンズアミド-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0117)の調製
ステップ1:メチル5-(4-(クロロメチル)ベンズアミド)-2-メチルベンゾエートの調製
【0355】
【化98】

【0356】
反応器に、1g(6.06mmol)のメチル3-アミノ-6-メチルベンゾエートおよび25mlのジクロロメタン中の1.2g(119mmol)のトリエチルアミンをチャージする。次いで1.145g(6.05mmol)の4-クロロメチルベンゾイルクロリドを加え、混合物を室温で2時間攪拌する。次いで反応媒体を10mlの飽和NaHCO3溶液、10mlの水および10mlの飽和NaCl溶液で洗浄する。有機相を脱水し、蒸発させ、得られた残留物をエチルエーテル中、次いでペンタン中で摩砕して白色固体(1.2g、66%)を得る。
【0357】
ステップ2:メチル5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)-2-メチルベンゾエートの調製
【0358】
【化99】

【0359】
反応器に、ステップ1で得られた1g(3.3mmol)の固体、2.28g(16.5mmol)の炭酸カリウム、30mlのアセトン、0.39g(3.96mmol)のN-メチルピペラジンおよび55mg(0.33mmol)のヨウ化カリウムをチャージする。混合物を還流下で6時間加熱する。次いで溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を100mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液中に取る。水相を3*30ml酢酸エチルで抽出する。次いで有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。得られた生成物をエチルエステルで摩砕し、次いで乾燥して白色固体(700mg、56%)を得る。
【0360】
ステップ3:5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)-2-メチル安息香酸の調製
【0361】
【化100】

【0362】
反応器に、ステップ2で得られた0.5(1.3mmol)の固体、20mlの水/THF(1/1)混合液および0.55g(13mmol)の水酸化リチウムをチャージする。混合物を室温で6時間攪拌する。溶液を減圧下で濃縮し、次いで100mlの水に希釈する。水相を3*30mlの酢酸エチルで抽出し、32%塩酸(chlorhydric acid)でpH2〜3まで酸性化する。水相を3*30ml酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。250mgの固体を得る(52%)。
【0363】
ステップ4:メチル5-(5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)-2-メチルベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0117)の調製
【0364】
【化101】

【0365】
反応器に、ステップ3で得られた150mg(0.4mmol)の固体、15mlの無水ジクロロメタン、90mg(0.4mmol)のメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、0.12g(0.49mmol)のトリエチルアミンおよび93mg(0.61mmol)のヒドロキシベンゾトリアゾールを逐次チャージする。混合物を室温で15分間攪拌し、次いで90mg(0.49mmol)のN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド炭酸水素塩(EDCI)を加える。混合物を16時間攪拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を100mlの水に取る。水相を6*50mlジクロロメタンで抽出する。水相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で蒸発させる。得られた粗生成物を分取HPLCで精製し、18mg(8%)の固体を得る。
1H NMR (400MHz, CD3OD): 8.63 (d, 1H)、8.57 (d, 1H)、7.98 (d, 2H)、7.96 (m, 1H)、7.70 (m, 1H)、7.56 (d, 2H)、7.36 (m, 1H)、7.23 (s, 1H)、3.98 (s, 3H)、3.80 (s, 2H)、3.60〜3.00 (m, 8H)、2.95 (s, 3H)、2.55 (s, 3H); HPLC: 95%。MS: 541.4 (M+1)。
実施例83)
【0366】
阻害剤メチル5-(5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-ベンズアミド)-2-メチルベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-カルボキシレート(ND0118)の調製
【0367】
【化102】

【0368】
ステップ1:N-(3-(ヒドロキシメチル)-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)-メチル)ベンズアミドの調製
反応器に、5ml無水テトラヒドロフラン中の100mg(0.26mmol)のメチル5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)-2-メチルベンゾエート(実施例82、ステップ2)をチャージし、38mg(1.75mmol)の水素化ホウ素リチウムを加える。混合物を室温で16時間攪拌する。次いで混合物を減圧下で濃縮し、60mlの酢酸エチルに取り、20mlの飽和NaHCO3溶液、20mlの水および20mlの飽和NaCl溶液で洗浄する。有機相を脱水し、蒸発させ、残留物を取り出し、エチルエステルで摩砕して固体を得る(80mg、86%)。
【0369】
ステップ2:N-(3-ホルミル-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-ベンズアミドの調製
【0370】
【化103】

【0371】
反応器に、ステップ1で得られた150mg(0.42mmol)の固体および5mlアセトニトリル中の216mg(0.5mmol)のデスマーチン試薬をチャージする。混合物を室温で16時間攪拌する。不溶性化合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮する。得られた固体をエチルエーテルおよびペンタンで洗浄して所定のアルデヒド(120mg、82%)を得る。
【0372】
ステップ3:メチル5-(5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)-2-メチル-ベンジルアミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0118)の調製
【0373】
【化104】

【0374】
反応器に、ステップ2で得られた120mg(0.34mmol)の固体、15mlの無水ジクロロメタン、78mg(0.41mmol)のメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、216mg(1.02mmol)の水素化アセトキシホウ素ナトリウムおよび触媒量の酢酸をチャージする。混合物を室温で24時間攪拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を100mlの水に取る。水相を3*30ml酢酸エチルで抽出する。水相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で蒸発させる。得られた粗生成物を分取HPLCで精製し、18mgの固体を得る(10%)。
1H NMR (400MHz, DMSO d6): 12.02 (br s, 1H)、10.10 (br s, 1H)、8.10 (d, 1H)、7.86 (d, 2H)、7.69 (d, 1H)、7.64 (d, 1H)、7.39 (d, 2H)、7.18 (d, 1H)、6.95 (s, 1H)、6.90 (s, 1H)、6.05 (br s, 1H)、4.21 (s, 2H)、3.82 (s, 3H)、3.45 (s, 2H)、2.38 (m, 8H)、2.08 (s, 3H);
HPLC: 95%。MS: 527.4 (M+1)。
【0375】
(実施例84)
メチル5-(5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)チアゾール-2-イル)メチルアミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0127)の調製
【0376】
【化105】

【0377】
上記化合物を、メチル3-アミノ-6-メチルベンゾエートをエチル5-アミノチアゾール-2-カルボキシレートで置き換えて、実施例83の手順を用いて得る。
【0378】
(実施例85)
メチル5-(6-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)ピリジン-2-カルボニルアミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0128)の調製
【0379】
【化106】

【0380】
上記化合物を、メチル3-アミノ-6-メチルベンゾエートをメチル6-アミノピリジン-2-カルボキシレートで置き換えて、実施例82の手順を用いて得る。
【0381】
(実施例86)
メチル5-(2-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)ピリミジン-4-アミノメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0129)の調製
【0382】
【化107】

【0383】
上記化合物を、メチル3-アミノ-6-メチルベンゾエートをメチル2-アミノピリミジン-4-カルボキシレートで置き換えて、実施例83の手順を用いて得る。
【0384】
(実施例87)
メチル5-(4-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)ピリミジン-2-カルボニルアミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0130)の調製
【0385】
【化108】

【0386】
上記化合物を、3-アミノ-6-メチルベンゾエートをメチル4-アミノピリミジン-2-カルボキシレートで置き換えて、実施例82の手順を用いて得る。
【0387】
(実施例G)
3-(トリフルオロメチル)-4-メチル安息香酸から出発した阻害剤の合成。
実施例Gの合成は一般スキーム17で表される。
【0388】
【化109】

【0389】
3-(トリフルオロメチル)-4-メチル安息香酸を、硫酸の存在下、メタノール中でメチルエステルへ転換させ、次いで過酸化ベンゾイルの存在下、NBSの作用によって臭素で官能化する(Asaki, T.ら、Bioorg.Chem.Med.Lett、2006年、16、1421〜1425頁)。次いでハロゲン化化合物を、アセトンで還流させて3-(N,N-ジメチル)ピロリジンで置換して予想生成物を61%の収率で得る。得られた化合物を鹸化し、EDCI、ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンの存在下、メチル5-アミノ-2-メチルベンゾエートとカップリングさせる。得られた中間体アミドは2つの異なる仕方で用いることができる:これを鹸化し、アザインドール化合物(例えば、メチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートまたは5-アミノ-2-メトキシメチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン)とカップリングさせるか、またはこれをアルデヒドに還元し、次いで還元的アミノ化によってアミンに転換させることができる。以下の実施例により本発明を良く理解することができる。
【0390】
(実施例88)
メチル5-(5-(4-((3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロ-メチル)ベンズアミド)-2-メチルベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0119)の調製
ステップ1:メチル3-(トリフルオロメチル)-4-メチルベンゾエートの調製
【0391】
【化110】

【0392】
反応器に、触媒量の硫酸の存在下で、10mlメタノール中の1g(4.9mmol)の3-(トリフルオロメチル)-4-メチル安息香酸をチャージする。混合物を還流下で6時間加熱する。次いで溶媒を減圧下で蒸発させ、100mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液を混合物に加える。溶液を3*30ml酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させて予想生成物(1g、95%)を得る。
【0393】
ステップ2:メチル4-(ブロモメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンゾエートの調製
【0394】
【化111】

【0395】
反応器に、ステップ1で得られた1g(4.6mmol)の化合物、0.97g(5.5mmol)のN-ブロモスクシンイミド、133mg(0.55mmol)の過酸化ベンゾイルおよび25mlの四塩化炭素をチャージする。混合物を還流下で4時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、100mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液を加える。得られた溶液を3*30ml酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させて予想生成物(1.2g、88%)を得る。
【0396】
ステップ3:メチル4-((3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)-ベンゾエートの調製
【0397】
【化112】

【0398】
反応器に、ステップ2で得られた1.2g(4.06mmol)の化合物、0.55g(488mmol)の3-ジメチルアミノピロリジン、2.8g(20.3mmol)の炭酸カリウムおよび25mlアセトンをチャージする。混合物を還流下で6時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、次いで100mlの水を加える。得られた溶液を3*30ml酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で蒸発させて予想生成物(0.8g、61%)を得る。
【0399】
ステップ4:メチル5-(4-((3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)-ベンズアミド)-2-メチルベンゾエートの調製
【0400】
【化113】

【0401】
反応器に、ステップ3で得られた0.8g(2.42mmol)の化合物、0.5g(12.12mmol)の水酸化リチウムおよび20mlの水/THF(1/1)混合液をチャージする。混合物を室温で16時間攪拌する。溶液を減圧下で濃縮し、次いで100mlの水に希釈する。水相を3*30ml酢酸エチルで抽出し、32%塩酸でpH2〜3まで酸性化する。水相を3*30ml酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。750mgの固体を得、これを反応器に加え、25ml無水ジクロロメタン、460mg(2.84mmol)のメチル3-アミノ-6-メチルベンゾエート、0.71g(7.02mmol)のトリエチルアミンおよび540mg(3.52mmol)のヒドロキシベンゾトリアゾールを逐次加える。混合物を室温で15分間攪拌し、次いで540mg(2.82mmol)のEDCIを加える。反応物を16時間攪拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を100ml酢酸エチルに取る。有機相を30mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液および2*30ml水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。シリカカラムで精製した後、620mg(52%)の予想化合物を得る。
【0402】
ステップ5:メチル5-(5-(4-((3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロ-メチル)ベンズアミド)-2-メチルベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0119)の調製
【0403】
【化114】

【0404】
反応器に、ステップ4で得られた620mg(1.52mmol)の化合物、180mg(7.6mmol)の水酸化リチウムおよび20mlの水/THF(1/1)混合液をチャージする。混合物を室温で16時間攪拌する。溶液を減圧下で濃縮し、次いで100ml水に希釈する。水相を3*30ml酢酸エチルで抽出し、32%塩酸でpH2〜3まで酸性化する。水相を3*30ml酢酸エチルで再度抽出する。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で蒸発させる。600mgの固体を得、これを反応器にチャージし、25mlの無水ジクロロメタン、350mg(1.83mmol)のメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、0.46g(4.56mmol)のトリエチルアミンおよび350mg(2.28mmol)のヒドロキシベンゾトリアゾールを逐次加える。混合物を室温で15分間攪拌し、次いで540mg(350mmol)のEDCIを加える。反応物を16時間攪拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を100ml酢酸エチルに取る。有機相を30mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、次いで2*30mlの水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で蒸発させる。分取HPLCで精製した後、110mgの予想化合物を得る(12%)。
1H NMR (400MHz, CD3OD): 8.59 (d, 1H)、8.53 (s, 1H)、8.26 (s, 1H)、8.18 (d, 1H)、7.95 (m, 2H)、7.70 (d, 1H)、7.34 (d, 1H)、7.21 (s, 1H)、3.95 (s, 3H)、3.87 (m, 2H)、3.49 (m, 1H)、2.95 (m, 1H)、2.79 (m, 2H)、2.53 (m, 1H)、2.48 (s, 3H)、2.25 (s, 6H)、2.06 (m, 1H)、1.78 (m, 1H); HPLC: 95%。MS: 623.4 (M+1)。
【0405】
(実施例89)
メチル5-(5-(4-((3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロ-メチル)ベンズアミド)-2-メチルベンジルアミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0120)の調製
【0406】
【化115】

【0407】
上記化合物を、メチル5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)-2-メチルベンゾエートをメチル5-(4-((3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)3-(トリフルオロメチル)-ベンズアミド)-2-メチルベンゾエートで置き換えて、実施例83(ステップ3)の手順を用いて得る。
【0408】
(実施例90)
2-(メトキシメチル)-5-(5-(4-((3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロ-メチル)ベンズアミド-2-メチルベンジルアミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(ND0131)の調製
【0409】
【化116】

【0410】
上記化合物を、メチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートを実施例35にしたがって得られた5-アミノ-2-メトキシメチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンで置き換えて、実施例88(ステップ5)の手順を用いて得る。
【0411】
(実施例H)
メチル5-アミノ-2-メチルベンゾエートから出発した阻害剤の合成
実施例Hによる合成をスキーム18に示す。
【0412】
【化117】

【0413】
3-(トリフルオロメチル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)安息香酸を、EDCI、ヒドロキシベンゾトリアゾールおよびトリエチルアミンの存在下でメチル5-アミノ-2-メチルベンゾエートとカップリングさせる(Shakespeare W. C、WO2007133562)。次いで得られた中間体アミドを2段階でアルデヒドに還元し、次いでアミノアザインドールでの還元的アミノ化反応によってアミンに転換させる。以下の実施例により本発明を良く理解することができよう。
【0414】
(実施例91)
メチル5-(5-(3-(トリフルオロメチル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ベンズアミド)-2-メチルベンジルアミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0126)の調製
ステップ1:メチル5-(3-(トリフルオロメチル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ベンズアミド)-2-メチルベンゾエートの調製
【0415】
【化118】

【0416】
上記化合物を、4-((3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)-安息香酸を3-(トリフルオロメチル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)安息香酸で置き換えて、実施例88(ステップ4)の手順を用いて得る(Shakespeare W.C、WO2007133562)。
【0417】
ステップ2:3-(トリフルオロメチル)-N-(3-ホルミル-4-メチルフェニル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ベンズアミドの調製
【0418】
【化119】

【0419】
上記化合物を、メチル5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)-2-メチルベンゾエートをメチル5-(3-(トリフルオロメチル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ベンズアミド)-2-メチルベンゾエートで置き換えて、実施例83(ステップ1および2)の手順を用いて得る。
【0420】
ステップ3:メチル5-(5-(3-(トリフルオロメチル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ベンズアミド)-2-メチルベンジルアミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート(ND0126)の調製
【0421】
【化120】

【0422】
上記化合物を、N-(3-ホルミル-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-ベンズアミドを3-(トリフルオロメチル)-N-(3-ホルミル-4-メチルフェニル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ベンズアミドで置き換えて、実施例83(ステップ3)の手順を用いて得る。
【0423】
(実施例92)
2-メトキシメチル-5-(5-(3-(トリフルオロメチル)-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ベンズアミド)-2-メチルベンジルアミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(ND0132)の調製
【0424】
【化121】

【0425】
上記化合物を、5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-メチルカルボキシレートを5-アミノ-2-メトキシメチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンで置き換えて、実施例91(ステップ3)の手順によって得る。
【0426】
(実施例I)
インビトロでのキナーゼの阻害の試験
図1〜図10は化合物についてのキナーゼAbl活性の阻害の曲線を示す。
【図面の簡単な説明】
【0427】
【図1】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0006の効果を示す図である。
【図2】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0009の効果を示す図である。
【図3】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0019の効果を示す図である。
【図4】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0020の効果を示す図である。
【図5】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0021の効果を示す図である。
【図6】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0029の効果を示す図である。
【図7】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0031の効果を示す図である。
【図8】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0037の効果を示す図である。
【図9】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0038の効果を示す図である。
【図10】ヒトキナーゼAblの活性に対する化合物ND0047の効果を示す図である。
【図11】ヒトキナーゼSrcの活性に対する化合物ND0009の効果を示す図である。結果を、試験化合物の存在下で、得られた対象の特異的活性に対する割合で表す。得られたIC50およびヒル係数(nH)をそれぞれの曲線の上に表示する。
【図12】キナーゼBcr-Ablを発現するK562細胞に対する細胞増殖の曲線を示す図である。結果を、mol/Lで表される様々な濃度で、化合物ND0009で72時間処置した後の生存細胞(MTT分析)の割合で表す。
【0428】
異なるプロテインキナーゼに対する一連の化合物の阻害活性をCerep(Cerep Kinase Profiling Service;www.cerep.com)で評価した。インビトロでの試験で用いたキナーゼは、ヒト細胞、昆虫細胞または細菌において発現されたヒト組み換えタンパク質である。試験するキナーゼの標準品を以下のTable(表6)で示す。
【0429】
【表6】

【0430】
各組み換えプロテインキナーゼを、試験するキナーゼに応じて、0.05〜20μMのATP(個々のキナーゼのKmの0.3〜3倍)の存在下、22℃で15〜90分間、その適切なビオチン化基質でインキュベートした。次いでキナーゼの活性をHTRFアッセイにより検出した。
【0431】
HTRFアッセイ(CisBio International)は、ユウロピウム(Eu3+)クリプテートおよびXL665をそれぞれ供与体および受容体として用いた蛍光遷移に基づくものである。ビオチン化するかまたはタグを付けた基質をキナーゼでリン酸化する場合、これをクリプテート標識付きリン酸化部位特異的抗体と反応させる。ストレプトアビジン-XL665、SA-XL665(または抗タグ抗体XL665)を加えると、クリプテートとフルオロフォアXL665の並立がもたらされ、これは蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に反映される。FRETの強度は、基質と結合するクリプテート標識付き抗体の量に依存し、これは、リン酸化された基質の量と比例する(Mathis, G. Probing molecular interactions with homogeneous techniques based on rare earth cryptates and fluorescence energy transfer.Clin Chem 41、1391〜7頁(1995))。
【0432】
キナーゼに対する化合物の阻害能力を判定するために、化合物を、10μMの濃度で活性を評価しようとするキナーゼでインキュベートする。したがって、得られた結果(Table 6(表8)およびTable 7(表9))は、キナーゼに対する10μMでの化合物の阻害力を阻害率%で表して示す。
【0433】
化合物ND0057、ND0058、ND0072、ND0073、ND0074、ND0075、ND0076、ND0077、ND0078、ND0079、ND0082、ND0085、ND0086、ND0087、ND0088、ND0089、ND0090、ND0091、ND0092、ND0093、ND0094、ND0095、ND0096、ND0098、ND0101、ND0102、ND0103、ND0104、ND0107、ND0108、ND0109、ND0117、ND0118、ND0119のAbl WT、Abl T315IまたはSrcについてのキナーゼトライアルにおける10μMの濃度での活性の評価、ならびにIC50測定はReaction Biology Corp.(USA)societyで実施した。
【0434】
変異Ablについてのインビトロでのキナーゼアッセイ:
化合物ND0006、ND0009、ND0010、ND0011、ND0019、ND0020、ND0021、ND0029、ND0031、ND0037、ND0038およびND0047のIC50値(キナーゼ活性の50%を阻害する化合物濃度)を、Cerepで、10-10M〜10-4Mの間の5つの増大する化合物濃度でインキュベートして判定した。結果をTable 6(表8)および図1〜図11に示す。
【0435】
化合物ND0057、ND0072、ND0074、ND0076、ND0077、ND0082、ND0085、ND0087、ND0088、ND0089、ND0090、ND0091、ND0093、ND0094、ND0096、ND0098、ND0117、ND0118およびND0119のIC50値は、サルベージキナーゼAbl、キナーゼAblの変異体(Q252H、Y253FおよびT315I)および/またはSrcキナーゼについて、Reaction Biology Corp.社(USA)で判定した。10-8M〜10-4Mの間の5つの増大する各化合物濃度について、Reaction Biology Corp.社の手順にしたがって10μMでのATPの存在下、キナーゼの1つでインキュベートした。結果をTable 7(表9)に示す。
【0436】
細胞増殖の阻害のインビトロでのアッセイ
細胞試験をMontpellier Cancer Research Centreで実施した。我々の化合物による増殖の阻害を、化合物のそれぞれおよび各系について、IC50を算出し、6つの濃度で、3通り試験することによって2つの細胞系(U937およびK562)について分析した。イマチニブ(その公知の活性を以下のTable(表7)に示す)を試験において陽性対照として使用した。
【0437】
【表7】

【0438】
化合物(イマチニブおよび本発明の化合物)をDMSO中に希釈して10mMとした。対数期の細胞を、96-ウェルプレートに104細胞/100μl/ウェルの濃度で播種した。細胞と接触しているウェル中の化合物の最終濃度は0.1;0.3;0.9;3.3;10;30;90μMであった。陰性対照および陽性対照はそれぞれDMSO(その最終濃度は、ウェルの最終体積の5%を超えてはならない)およびイマチニブであった。細胞を化合物で72時間(細胞を24時間ごとに3回処理)処理し、続いて洗浄し、MTTキット(3-[4,5-ジメチルチアゾール-2-イル]-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)を用いて細胞増殖について試験した。
【0439】
生物学的結果
本発明による化合物部類の様々な化合物によるキナーゼAblの阻害率
Table 6(表8)に示す結果は、キナーゼAbl活性の阻害率を、インキュベーションした化合物に関して示す。
【0440】
【表8】

【0441】
インビトロでのキナーゼ阻害試験はいくつかのキナーゼ阻害性分子構造を明らかにしている:11の化合物は少なくとも50%のレベルでキナーゼAbl活性を阻害する。11の化合物は、10μMの濃度で25〜50%のキナーゼに対する阻害活性を示すことも留意すべきである。
【0442】
サルベージAbl、変異Abl T315IまたはSrcキナーゼのキナーゼ活性の阻害率を、Table 7(表9)にしたがって3つの範疇に分類する。
【0443】
【表9】

【0444】
CML、ALLおよびGISTの処理のための標準品であるイマチニブは、Bcr-Ablに加えて、キナーゼc-kitおよびPDGFRaを阻害することができる。第二および第三世代の化合物(ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ)としては、Bcr-Ablに加えて、キナーゼオーロラAおよび/またはc-Srcを阻害することができる。分析を、本発明の化合物のいくつかについて、これらのキナーゼの1つまたは複数を阻害する能力に関して実施した。結果を以下のTable 8(表10)に示す。
【0445】
【表10】

【0446】
これらの試験は、いくつかの化合物のキナーゼAblおよびc-Srcに対する強い活性を示している。
【0447】
インビトロでのキナーゼ試験における対象化合物のIC50値の判定
IC50の評価を、関係する分子構造ならびに阻害活性を有する各化合物について実施した。得られた結果を、Table (Table 9(表11)およびTable 10(表12))と図1〜図11の曲線で示す。
【0448】
【表11】

【0449】
【表12】

【0450】
これらの結果は上記で得られた結果を確認するものであり、この化合物部類のいくつかの化合物の阻害ポテンシャルを表している。
【0451】
変異Ablについてのインビトロでのキナーゼ試験
4つの化合物について、種々の変異キナーゼAbl(American company、Reaction Biology Corp.)を阻害するその能力を試験した。
【0452】
【表13】

【0453】
細胞増殖の試験における対象化合物のIC50値の判定
化合物ND0009が、キナーゼBcr-Ablを発現する(K562)、または発現しない(U937)悪性細胞の増殖を阻害する能力を、50%のレベルで細胞増殖を阻害する化合物の濃度に相当するIC50を判定することによって分析した。
【0454】
得られた結果を以下のTable 12(表14)および図12に示す。
【0455】
【表14】

【0456】
化合物ND0009はBcr-Abl+細胞(K562)に対して活性であるが、Bcr-Abl-細胞(U937)に対しては活性ではなく、これは、イマチニブのそれと類似した細胞特異性を示している。
【0457】
別の試験を:そのIC50を判定するために、化合物ND0009、ND0072、ND0074、ND0076、ND0087、ND0089、ND0090、ND0096、ND0117、ND0118、ND0119(濃度を増大させて)をK562およびU937細胞について、24時間および/または72時間インキュベートして実施した。イマチニブを陽性対照(Table 13(表15))として試験した。
【0458】
【表15】

【0459】
試験した化合物の大部分は標準品(イマチニブ)より活性である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

(式中、Rは、
- 基NHCOR1、または
- 基NR3R4
を表し、
R1は、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、フッ素、塩素もしくはヨウ素
- ニトロ基、
- シアノ基、
- メチルチアジル基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- アリールオキシ、好ましくはフェニルオキシ基、
- トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル基、
- 置換または非置換スルホンアミド基、好ましくはN-メチルスルホンアミド、
- ハロゲン原子、好ましくは塩素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたヘテロアリール、好ましくはピリダジル基またはピリダジニル基、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- または下記の基A、B、C、DもしくはE:
【化2】

から選択される基、
- ヘテロアリール基、好ましくは
- スルファニル、好ましくはプロピルスルファニル基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリジル基、
- チオフェニル基、
- チアジル基、
- イミダジル基、
- アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピラジル基、
- キノキサリン基、
- ジヒドロベンゾフラニル基、または
- インジル基、
- シクロアルキル基、好ましくはシクロプロピル、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはエチル、イソプロピル、あるいは、
- アルコキシ基、好ましくはメトキシおよび/またはハロゲン原子、好ましくは臭素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたC1〜C6アラルキル基、好ましくはフェニルアルキル、好ましくはフェニルメチル
を表し、
R2は、
- エステル基COOR14
- アルキル基CH2R9、CH2OCOR10、CH2NR11R12
- アミド基CONR7R8、または
- 基COR13
を表し、
R7およびR8は、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- C1〜C6アミノアルキル基、好ましくはN,N-ジメチルアミノピロピル、または
- C1〜C6モルホリノアルキル基、好ましくはN-モルホリノエチル、
を表し、
R9は、
- ヘテロアリール基、好ましくはイミダジルもしくはピリル、
- 複素環基、好ましくはN-モルホリニルもしくはテトラヒドロフラニル、
- アルコキシ基、好ましくはメトキシ、または
- ヒドロキシル基、
を表し、
R10は、
- ヘテロアリール基、好ましくはキノキサリン
を表し、
R11およびR12は、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはtert-ブチル、
- アラルキル基、好ましくはフェニルアルキル、好ましくはフェニルメチル、
- C1〜C6アルコキシアルキル基、好ましくはメトキシエチル、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたシクロアルキル基、好ましくはシクロヘキシル、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、
- シアノ基、
- スルホンアミド基、
- ニトロ基、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、または
- ヒドロキシル基、
- あるいはヘテロアリール基、好ましくはピリジル基、
を表し、
R13は複素環基、好ましくはN-モルホリルを表し、
R14は、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、または
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基で、任意選択で置換されたアリール基、好ましくはフェニル
を表し、
R3、R4は、同じであっても異なっていてもよく、
- 水素原子、
- 基CH2R15
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択で置換されたヘテロアリール基、好ましくはピリジル、インジル、ベンズイミダジルもしくはピラジル、または
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、塩素もしくはヨウ素
- トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル基、
- CONHアルキル基、好ましくはCONHメチル、
- NHCOアルキル基、好ましくはNHCOメチル、
- スルホンアミド基、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、または
- メタンスルホンアミド基
を表し、
R15は、
- 以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール、好ましくはフェニル基:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素、塩素
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基、
- トリフルオロアルコキシ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、
- 直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル、
- C1〜C6トリフルオロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル、
- ハロゲン原子、好ましくは塩素で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたヘテロアリール基、好ましくはピリダジニル、
- スルホンアミド基、または
- メタンスルホンアミド基、
- 上記基A、B、C、DもしくはEから選択される基、
- あるいはヘテロアリール基、好ましくは、
- チオフェニル基、
- 好ましくは上記基A、B、C、DもしくはEから選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたチアジル基、
- イミダジル基、
- 好ましくは直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたインジル基、
- 好ましくは直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはエチル、または上記A、B、C、DもしくはE基から選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピラジル基、
- アルコキシ、好ましくはメトキシ基で、または上記A、B、C、DもしくはE基から選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリジル基、
- 上記基A、B、C、DもしくはEから選択される基、
- 好ましくは上記基A、B、C、DもしくはEから選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリミジニル基、
- 好ましくは直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたベンズイミダジル基、または
- 1-Hピロロ[2,3-b]ピリジル基
を表す)
の化合物。
【請求項2】
一般式II
【化3】

(式中、R1およびR2は上記定義通りである)
からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
一般式III
【化4】

(式中、R2、R3およびR4は上記定義通りである)
からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
一般式XIV
【化5】

(式中、Roは、
- 好ましくは以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール基、好ましくはフェニル:
- ハロゲン原子、好ましくは臭素もしくは塩素、
- アルコキシル基、好ましくはメトキシ、
- 直鎖状もしくは分岐状アルキル基、好ましくはC1〜C6アルキル基、好ましくはメチル基、
- C1〜C6トリフルオロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル、
- トリフルオロアルコキシ基、好ましくはトリフルオロメトキシ、
- スルホンアミド基、
- メチルスルホンアミド基、
- 上記定義の基A、B、C、DもしくはEから選択される基、
- ヘテロアリール基、好ましくは、
- 上記A、B、C、DもしくはE基から選択される基で置換されているかもしくは置換されていない、好ましくは置換されているチアジル基、
- チオフェニル基、
- イミダジル基、
- 好ましくは直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたインジル基、
- 好ましくは上記A、B、C、DもしくはE基から選択される基または直鎖状もしくは分岐状C1〜C6アルキル、好ましくはエチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピラジル基、
- 好ましくはC1〜C6アルキル基、好ましくはメチルで、任意選択でモノもしくはポリ置換されたベンズイミダジル基、
- 好ましくは上記定義のA、B、C、DまたはE基から選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリジル基、
- 好ましくは上記A、B、C、DもしくはE基から選択される基で、任意選択でモノもしくはポリ置換されたピリミジニル基、
- 1-Hピロロ[2,3-b]ピリジル基
を表す)
からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
一般式XV
【化6】

(式中、Rpは、
- ヘテロアリール基、好ましくはピリジル基、
- 好ましくは以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアルキル基:
- アルコキシル基、好ましくはメトキシ、
- ハロゲン原子、好ましくは臭素またはヨウ素、
- CONHアルキル基、好ましくは-CONHメチル、
- C1〜C6アルキル基、好ましくはメチル
を表す)
からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
一般式XVI
【化7】

(式中、Rqは、
- 好ましくは以下のもので任意選択でモノもしくはポリ置換されたアリール基、好ましくはフェニル:
- 直鎖状もしくは分岐状アルキル基、好ましくはC1〜C6アルキル基、好ましくはメチル基、
- 上記定義の基A、B、C、DもしくはEから選択される基
を表す)
からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
慢性または急性の骨髄増殖症候群、結腸直腸癌、消化管癌、乳癌、卵巣癌、肺癌を含む群から選択される疾患におけるプロテインキナーゼの阻害剤として使用される、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
前記プロテインキナーゼがキナーゼAblであることを特徴とする、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記プロテインキナーゼがキナーゼc-Srcであることを特徴とする、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
メチル5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、メチル5-(2-フルオロ-6-メトキシベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレート、N-(2-((4-ヒドロキシフェニルアミノ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-2-ブロモベンズアミド、N-(2-((1H-ピロール-2-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-2-ブロモベンズアミド、2-ブロモ-N-(2-(メトキシメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンズアミドまたは5-(2-ブロモベンズアミド)-N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキサミドからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
有効成分として、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする医薬品。
【請求項12】
慢性または急性の骨髄増殖症候群、結腸直腸癌、消化管癌、乳癌、卵巣癌、肺癌を含む群から選択される疾患におけるプロテインキナーゼの調節解除のケースで用いることを特徴とする、請求項11に記載の医薬品。
【請求項13】
有効成分としての請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される添加剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項14】
慢性または急性の骨髄増殖症候群、結腸直腸癌、消化管癌、乳癌、卵巣癌、肺癌を含む群から選択される疾患におけるプロテインキナーゼの調節解除のケースで用いることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも以下の段階、すなわち:
a)活性炭担持パラジウムの存在下および水素雰囲気下における、メチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの接触水素化、
b)種々の塩化アシルとの、生成したアミンの反応であって、シリカゲルで精製した後、15〜74%の範囲の収率で対応するアミドを得る反応、ならびに
c)化合物の作製および特性評価
を含むことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の化合物の調製方法。
【請求項16】
少なくとも以下の段階、すなわち:
a)水素化アルミニウムリチウムによる室温でのメチル5-(2-ブロモベンズアミド)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートのエステル官能基の選択的還元、
b)PBr3による、THF中室温、18時間の、アルコールから臭化アルカンへの転換(81%の粗収率)であって、前記反応に以下の段階c)またはd)が続く転換、
c)メタノール中への溶解であって、室温における、ハロゲン化官能基との溶媒の反応によって得られるメトキシアザインドールを得る溶解、
d)無水ジメチルホルムアミド中室温、18時間の、第一または第二アミンとの臭化アルカンの反応であって、対応する7-アザインドールを、シリカゲルで精製した後、9〜96%の範囲の収率で得る反応、ならびに
e)化合物の作製および特性評価
を含むことを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の化合物の調製方法。
【請求項17】
少なくとも以下の段階、すなわち:
a)水酸化リチウムによるメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートのエステルの鹸化、
b)N-(3-ジメチルアミノピロピル)-N'-エチルカルボジイミド(EDCI)塩酸塩およびモルホリンによるペプチド結合、
c)触媒パラジウムによる、得られたアミドの水素化、
d)ジメチルホルムアミド中のトリエチルアミンの存在下における、種々の塩化アシルとの、得られた化合物の反応であって、所望の7-アザインドールを得る反応、ならびに
e)化合物の作製および特性評価
を含むことを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の化合物の調製方法。
【請求項18】
少なくとも以下の段階、すなわち:
a)室温、24時間の、アンモニア水とのメチル5-ニトロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの反応であって、アザインドールの第一アミドを得る反応、
b)得られた化合物のPd/Cでの水素化、
c)3-フルオロベンゾイルとの反応であって、所望の化合物を得る反応、ならびに
d)化合物の作製および特性評価
を含むことを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の化合物の調製方法。
【請求項19】
少なくとも以下の段階、すなわち:
a)種々の塩化アシルとのメチル5-アミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボキシレートの反応、
b)水-メタノール混合液中、還流下における、水酸化カリウムの作用による、得られた化合物の鹸化、
c) 種々のアルコールまたはアミンとの、得られた化合物の反応、ならびに
d)化合物の作製および特性評価
を含むことを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の化合物の調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−517465(P2012−517465A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549698(P2011−549698)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000593
【国際公開番号】WO2010/092489
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511196685)
【Fターム(参考)】