説明

プロトコル試験装置、プロトコル試験方法およびプロトコル試験プログラム

【課題】サーバおよびクライアントを試験対象とする場合に、試験モードを自動的に変更可能なプロトコル試験装置を提供する。
【解決手段】ネットワーク上のサーバまたはクライアントを対象としてプロトコル試験を実行するプロトコル試験装置10であって、サーバまたはクライアントから入力されたパケットをもとに、サーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定する判定手段20と、判定手段の判定結果に基づいて試験を行う試験実行手段30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバとクライアントの双方を試験対象とするプロトコル試験装置、プロトコル試験方法およびプロトコル試験プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバおよびクライアントを試験対象として、プロトコル試験装置を使用して、IPネットワーク上のプロトコル試験を行う場合に、一般に、プロトコル試験装置の試験モードを、サーバ対抗用試験モード(以下、クライアントモードと称する。)とするか、クライアント対向用試験モード(以下、サーバモードと称する。)とするかの設定を、事前にユーザが手動で設定する。また、試験の対象とするプロトコルなどのプロトコル試験装置に対する設定も、事前にユーザが設定する。
【0003】
そこで、試験実行中に試験モードを切り替えることができるエミュレーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−175915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたエミュレーション装置を使用する場合に、ユーザが、トリガ条件とトリガ条件成立時に切り替える試験モードとを、試験を実行する前にトリガ情報として設定する。そして、トリガ情報をもとにして、試験モードの切り替えが行われていた。また、試験の構成変更がされた場合には、ユーザがトリガ情報を設定し直さなければならないので、試験中に試験の構成変更が必要な試験項目については、試験を行うことができなかった。
【0006】
また、プロトコルが策定中である場合など研究試作段階であって、サーバまたはクライアントの機能がハード的またはソフト的に準備できていないときに、プロトコルの整合性を確かめる上で、試験モードを柔軟に切り替えることができる試験ツールが必要とされている。
【0007】
そこで、本発明は、試験モードを自動的に変更可能なプロトコル試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるプロトコル試験装置は、ネットワーク上のサーバまたはクライアントを対象としてプロトコル試験を実行するプロトコル試験装置であって、サーバまたはクライアントから入力されたパケットをもとに、サーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて試験を行う試験実行手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によるプロトコル試験方法は、ネットワーク上のサーバまたはクライアントを対象としてプロトコル試験を実行するプロトコル試験方法であって、サーバまたはクライアントから入力されたパケットをもとに、サーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定し、判定結果に基づいて試験を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明によるプロトコル試験プログラムは、ネットワーク上のサーバまたはクライアントを対象としてプロトコル試験を実行するプロトコル試験プログラムであって、コンピュータに、サーバまたはクライアントから入力されたパケットをもとに、サーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定し、判定結果に基づいて試験を行う処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、IPネットワークのプロトコル試験において、サーバ及び、クライアントを試験対象とするときに、受信したパケットからプロトコルを解析して、クライアントモードとサーバモードとの試験モードを判定し、試験モードの設定を自動で行うことによって、サーバとクライアントとの試験の動的な共用を可能にしている。また、コネクションごとに試験モードを管理しているため、複数のサーバとクライアントに対して個別にプロトコル試験を実施できる環境を容易に構成することができる。さらに、複数のプロトコルに対応することで、複数のプロトコル試験を同時に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の運用例を示す説明図である。
【図2】本発明のプロトコル試験装置の第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図3】IPインタフェース部110の構成を示すブロック図である。
【図4】プロトコル判定・生成部120の構成を示すブロック図である。
【図5】試験シナリオ記憶部160の構成を示すブロック図である。
【図6】パケット送受信時の動作を示すブロック図である。
【図7】試験シナリオ生成時の動作を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の運用例を示す説明図である。
【図9】本発明のプロトコル試験装置の第2の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の主要部を示すブロック図である。
【図11】本発明の主要部を示すブロック図である。
【図12】本発明の主要部を示すブロック図である。
【図13】本発明の主要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態1.
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態の運用例を示す説明図である。図1に示すように、本発明によるプロトコル試験装置100は、ネットワークを介して、1つまたは複数のサーバまたはクライアントと接続され、接続されたサーバまたはクライアントに対して、プロトコル試験を行う。
【0015】
図2は、本発明によるプロトコル試験装置の第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本発明のプロトコル試験装置100は、IPインタフェース部110と、プロトコル判定・生成部120と、プロトコル制御部130と、コネクション制御部140と、制御管理部150と、試験シナリオ記憶部160とを備える。
【0016】
図3は、IPインタフェース部110の構成を示すブロック図である。図3に示すように、IPインタフェース部110は、プロトコルインタフェース部111と、パケットインタフェース部112と、外部インタフェース部113とを備える。
【0017】
プロトコルインタフェース部111は、制御パケットを終端し、プロトコルパケットのペイロード部をプロトコル判定・生成部120へ出力する。また、プロトコル判定・生成部120から受信した制御パケットを、試験対象であるサーバやクライアントに対して送信する。
【0018】
パケットインタフェース部112は、プロトコルの設定が正常であることを確認するために出力するデータパケットを出力する。データパケットとは、例えば、試験対象がソフトルータであった場合、制御パケットによってルーティング設定の試験が行われた後に、設定が正しく行われたか否かの確認のために出力される制御パケット以外のパケットである。
【0019】
外部インタフェース部113は、外部インタフェースを有する装置を制御するためのデータを出力する。外部インタフェースとは、例えば、RS−232Cインタフェースであり、試験の中でRS−232Cインタフェースを有する装置を制御したりする場合に、RS−232Cコマンドを送信する。
【0020】
図4は、プロトコル判定・生成部120の構成を示すブロック図である。図4に示すように、プロトコル判定・生成部120は、プロトコル情報抽出部121と、プロトコル判定部122と、プロトコル判定・生成制御部123と、パケット生成部124とを備える。
【0021】
プロトコル情報抽出部121は、IPインタフェース部110から受信した制御パケットからプロトコルを判定し、制御パケットからプロトコル情報を抽出する。プロトコル情報とは、試験モードの判定に必要な情報や、例えばプロトコルがTCPであった場合のTCPパケットに含まれる情報などである。プロトコル情報抽出部121は、抽出したプロトコル情報をプロトコル判定部122に出力する。
【0022】
プロトコル判定部122は、プロトコル情報から試験モードの判定を行う。
【0023】
プロトコル判定・生成制御部123は、プロトコル情報と、プロトコル情報の解析結果とをプロトコル制御部130へ出力する。プロトコル情報の解析結果には、プロトコルの判定結果、試験モードの判定結果が含まれる。また、プロトコル情報の解析結果を制御管理部150へ出力する。また、試験パケットを生成する場合は、制御管理部150から通知された試験シナリオの情報とプロトコル制御部130とから通知された試験情報をもとに試験パケット情報を生成し、パケット生成部124へ送信する。
【0024】
パケット生成部124は、受信した試験パケット情報から、パケットに格納するデータを抽出し、抽出したデータをもとに試験パケットとなる制御パケットまたはデータパケットを生成する。
【0025】
プロトコル制御部130は、プロトコル情報からコネクション情報を抽出し、コネクション制御部140に送信する。コネクション情報とは、例えば、TCPにおけるセッションIDなど、コネクションを判別できる情報である。また、コネクション制御部140から受信した試験情報、または、制御管理部150から通知された試験シナリオの情報をもとに試験情報を生成し、プロトコル生成・判定部120に送信する。
【0026】
コネクション制御部140は、TCPなどのコネクションの制御と監視を行う。具体的には、プロトコル制御部130から受信したコネクション情報を監視する。複数のサーバやクライアントが接続され、複数のコネクションが存在するときには、コネクション情報に変化があった場合は、制御管理部150へ通知する。また、コネクション関連の試験をするときは、試験情報をプロトコル制御部130に送信する。コネクション関連の試験とは、コネクションの正常動作、異常動作を確認する試験である。例えば、サーバ、クライアント間の認証試験の異常動作を確認する場合は、誤ったメッセージを応答するような試験情報をプロトコル制御部130に通知する。
【0027】
制御管理部150は、試験モードに対応した試験シナリオを試験シナリオ記憶部160から読み出し、IPインタフェース部110、プロトコル判定・生成部120、プロトコル制御部130およびコネクション制御部140に対して、試験モードを設定するとともに、各部が試験シナリオに沿って動作するために必要な情報(以下、シナリオ情報と称する。)を送信する。また、制御管理部150は、コネクション制御部140から受信したコネクション情報の変化の通知に合わせて、プロトコル制御部130を制御し、プロトコル制御部130がコネクション毎に試験を実行できるようにする。
【0028】
試験シナリオ記憶部160は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって実現される。なお、試験シナリオ記憶部160は、プロトコル試験装置100の外部の記憶装置によって実現されてもよい。
【0029】
図5は、試験シナリオ記憶部160の構成を示すブロック図である。図5に示すように、試験シナリオ記憶部160は、サーバ試験シナリオ群161とクライアント試験シナリオ群162を有する。サーバ試験シナリオ群161は、サーバモード時に使用する1つまたは複数の試験シナリオを含む。また、クライアント試験シナリオ群162は、クライアントモード時に使用する1つまたは複数の試験シナリオを含む。
【0030】
次に、本実施形態の全体の動作について説明する
【0031】
まず、図6を参照して、試験モード判定時の動作について説明する。図6は、パケット送受信時の動作を示すブロック図である。IPネットワークを介して接続されたサーバまたはクライアントから、制御パケットが格納されたIPパケットが、プロトコル試験装置100のIPインタフェース部110に入力される(図6における(1))。IPインタフェース部110は、プロトコルのペイロード部を抽出し、プロトコル判定・生成部120へ送信する(図6における(2))。
【0032】
プロトコル情報抽出部121は、受信したプロトコルのペイロード部からプロトコルを判定し、プロトコル情報を抽出し、プロトコル情報をプロトコル判定部122へ送信する(図6における(3))。
【0033】
プロトコル判定部122は、受信したプロトコル情報をもとに試験モードの判定を行い、判定結果をプロトコル情報とともにプロトコル判定・生成制御部123へ送信する(図6における(4))。
【0034】
プロトコル判定・生成制御部123は、プロトコル情報と、プロトコル情報の解析結果とをプロトコル制御部130へ出力し(図6における(5))、また、プロトコル情報の解析結果を制御管理部150へ通知する(図6における(6))。
【0035】
制御管理部150は、プロトコル情報の解析結果から試験モードを取得し、試験モードに対応した試験シナリオを、サーバ試験シナリオ群161またはクライアント試験シナリオ群162から読み込む(図6における(7))。具体的には、試験モードの判定結果がサーバモードであった場合は、サーバ試験シナリオ群161からサーバ試験シナリオを抽出し、試験モードの判定結果がクライアントモードであった場合は、クライアント試験シナリオ群162からクライアント試験シナリオを抽出する。
【0036】
また、制御管理部150は、IPインタフェース部110とプロトコル判定・生成部120とプロトコル制御部130とコネクション制御部140に対して、試験モードの設定をし、また、各構成要素に対してシナリオ情報を送信する(図6における(8))。
【0037】
プロトコル制御部130は、プロトコル判定・生成制御部123から受信したプロトコル情報からコネクション情報を抽出し、コネクション制御部140へ送信する(図6における(9))。
【0038】
コネクション制御部140は、シナリオ情報の内容がコネクション関連の試験であるときは、シナリオ情報と受信したコネクション情報から、試験情報を生成し、プロトコル制御部へ送信する(図6における(10))。また、コネクション情報を監視し、コネクション情報に変化があった場合は、制御管理部150へ通知する(図6における(11))。
【0039】
プロトコル制御部130は、制御部150から受信したシナリオ情報をもとに生成した試験情報、またはコネクション制御部140から受信した試験情報を、プロトコル判定・生成部120のプロトコル判定・生成制御部123へ送信する(図6における(12))。
【0040】
プロトコル判定・生成制御部123は、プロトコル制御部130から受信した試験情報をもとに試験パケット情報を生成し、パケット生成部124へ試験パケット情報を送信する(図6における(13))。
【0041】
パケット生成部124は、受信した試験パケット情報から、試験パケットとなる制御パケットまたはデータパケットを生成し、IPインタフェース部110へ送信する(図6における14)))。IPインタフェース部110は、IPネットワークを介して、試験対象のサーバまたはクライアントへ試験パケットを送信する(図6における(15))。
【0042】
次に、図7を参照して、試験シナリオが生成されるときの動作について説明する。図7は、試験シナリオ生成時の動作を示すブロック図である。
【0043】
プロトコル制御部130は、図6における(9)において受信したプロトコル情報を制御管理部150へ送信する(図7における(1))。
【0044】
制御管理部150は、コネクションが完了したことをトリガにして、プロトコル制御部130から受信したプロトコル情報をプロトコル情報バッファ151に記憶し始める。制御管理部150は、試験が終了するまで、受信したプロトコル情報をプロトコルごとにプロトコル情報バッファ151に記憶する。また、試験終了時に、プロトコル情報バッファ151に記憶されたプロトコル情報をシナリオ情報バッファ152にコピーする(図7における(2))。
【0045】
また、制御管理部150は、プロトコル試験装置の電源がオフされる直前に、シナリオ情報バッファ152に記憶された試験シナリオを、試験モードに従って、試験シナリオ記憶部160に記憶する(図7における(5))。具体的には、試験モードがサーバモードである場合は、サーバ試験シナリオ群161にサーバ試験シナリオを記憶し、試験モードがクライアントモードである場合は、クライアント試験シナリオ群162にクライアント試験シナリオを記憶する。
【0046】
以上に説明したように、第1の実施形態によれば、入力されたパケットからプロトコル情報を解析し、試験モードを判定しているため、事前に手動で試験モードを設定することなく、試験モードを設定することができる。また、コネクションごとに試験モードを管理することが可能なため、複数のサーバおよびクライアントに対する試験を同時に実施することができる。
【0047】
なお、試験シナリオに優先順序を設定できるようにしてもよい。そのような形態を実現するには、例えば、試験シナリオに優先順序を示すパラメータを用意し、ユーザが任意にそのパラメータを編集できるようにすればよい。また、制御管理部150が試験シナリオ記憶部160から試験シナリオを読み出すときに、試験シナリオに記録されている優先順序のパラメータを参照し、優先順序の高い試験シナリオから順番に読み出すようにすればよい。そのように試験シナリオに優先順位を設定できるようにしておけば、ユーザが指定した優先順序に従って、試験シナリオを実行させることが可能となる。
【0048】
なお、複数のサーバが同一のクライアントに対する試験において複数のサーバが試験対象であった場合に、セッション毎に管理しているが、同一クライアントに対するアクセスであると判断すると、その制御結果を自動的に共有化するようにしてもよい。そのような構成を実現するには、複数のサーバによる同一クライアントに対するアクセスを排他制御するようにすればよい。例えば、コネクション情報制御部140が、同一クライアントに対するアクセスがあったことを検出し制御管理部150に通知し、通知を受けた制御管理部150が、試験対象となる複数のサーバに対して排他的にアクセスできるように、プロトコル制御部130の試験情報の送信を制御するようにすればよい。
【0049】
そのように、同一クライアントに対する複数のサーバの制御結果を共有化するようにしておけば、例えば、サーバAがクライアントに対して行った制御結果を保持した状態で、サーバBに対しても試験を行え、サーバAとサーバBとを連動させた試験を実施することが可能となる。
【0050】
実施形態2.
以下、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
【0051】
図8は、本発明の第2の実施形態の運用例を示す説明図である。第2の実施形態では、図8に示すように、試験装置A400a、試験装置B400b、試験装置C400cに対応するプロトコルが、プロトコルA、プロトコルB、プロトコルCと、それぞれ異なる場合について説明する。
【0052】
図9は、本発明のプロトコル試験装置の第2の実施形態の構成例を示すブロック図である。図9に示すプロトコル試験装置100は、プロトコル制御部130aと、プロトコル制御部130bと、プロトコル制御部130cとを備える。また、コネクション制御部140aと、コネクション制御部140bと、コネクション制御部140cとを備える。また、プロトコル判定・生成部120は、プロトコル判定・生成制御部123a、プロトコル判定・生成制御部123b、プロトコル判定・生成制御部123cとを備える。
【0053】
なお、第2の実施形態のその他の構成は、第1の実施形態と同様なため説明を省略する。また、図9には、3つのプロトコル制御部130a〜130cが示されているが、プロトコル制御部の数は3つに限定されない。また、図9には、3つのコネクション制御部140a〜140cが示されているが、コネクション制御部の数は3つに限定されない。また、図9には、3つのプロトコル判定・生成制御部123a〜123cが示されているが、プロトコル判定・生成制御部の数は3つに限定されない。
【0054】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0055】
プロトコル判定・生成部120は、プロトコルの判定を行い、プロトコルに対応したプロトコル判定・生成制御部へプロトコル情報を通知する(図9の(1))。
【0056】
プロトコル判定・生成制御部123a〜123cは、対応するプロトコルのプロトコル制御部へ、プロトコル情報と、プロトコル情報の解析結果とを出力する(図9の(2))。また、プロトコル情報の解析結果を制御管理部150へ通知する(図9における(3))。
【0057】
また、制御管理部150は、IPインタフェース部110とプロトコル判定・生成部120とプロトコル制御部130a〜130cとコネクション制御部140a〜140cに対して、試験モードの設定をし、各構成要素に対してシナリオ情報を送信する(図9における(4))。このとき、プロトコル制御部130a〜130cと、コネクション制御部140a〜140cには、対応するプロトコルのシナリオ情報を各々に送信する。
【0058】
プロトコル制御部130a〜130cは、プロトコル判定・生成制御部123a〜123cから受信したプロトコル情報からコネクション情報を抽出し、対応するプロトコルのコネクション制御部へ送信する(図9における(5))。
【0059】
コネクション制御部140a〜140cは、試験モードと受信したコネクション情報とをもとに、試験情報を生成し、対応するプロトコルのプロトコル制御部へ送信する(図9における(6))。
【0060】
プロトコル制御部130a〜130cは、制御部150から受信したシナリオ情報をもとに生成した試験情報、または、対応するプロトコルのコネクション制御部から受信した試験情報を、対応するプロトコルのプロトコル判定・生成制御部へ送信する(図9における(7))。
【0061】
プロトコル判定・生成制御部123a〜123cは、プロトコル制御部130a〜130から受信した試験情報をもとにパケット生成情報を生成し、パケット生成部124へ試験パケット情報を送信する(図9における(8))。
【0062】
第2の実施形態のその他の動作については、第1の実施形態と同様なため説明を省略する。
【0063】
以上に説明したように、第2の実施形態によれば、プロトコル判定・生成部とプロトコル制御部とコネクション制御部とをプロトコルごとに準備しているため、任意のプロトコルに対応することが可能となる。また、各プロトコル毎に対応したコネクション管理も可能となる。
【0064】
図10は、本発明によるプロトコル試験装置の主要部を示すブロック図である。図10に示すように、ネットワーク上のサーバまたはクライアントを対象としてプロトコル試験を実行するプロトコル試験装置10(実施形態では、プロトコル試験装置100で実現されている。)であって、サーバまたはクライアントから入力されたパケットをもとに、サーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定する判定手段20(実施形態では、プロトコル判定部122で実現されている。)と、判定手段の判定結果に基づいて試験を行う試験実行手段30(実施形態では、プロトコル制御部130、コネクション制御部140および制御管理部150で実現されている。)とを備える。
【0065】
上記の実施形態には、以下のようなプロトコル試験装置も開示されている。
【0066】
(1)図11に示すように、試験シナリオを記憶する試験シナリオ記憶手段40を備え、試験実行手段30は、判定手段20の判定結果に基づいて試験シナリオを試験シナリオ記憶手段40から抽出するプロトコル試験装置。
【0067】
(2)図12に示すように、試験実行手段30は、プロトコル情報バッファ31とシナリオ情報バッファ32とを備え、プロトコル試験が開始されると、サーバまたはクライアントとの通信によって取得されるプロトコル情報をプロトコル情報バッファ31に記憶し、試験終了後にプロトコル情報バッファ31に記憶した内容をシナリオ情報バッファ32に記憶するバッファ格納手段33と、シナリオ情報バッファ31の内容を試験シナリオとして試験シナリオ記憶手段40に格納するシナリオ格納手段34とを含むプロトコル試験装置。
【0068】
(3)判定手段20は、パケットのヘッダ部分に設定されている情報に基づいてサーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定するプロトコル試験装置。
【0069】
(4)図13に示すように、試験実行手段30は、複数種類のプロトコルの各々に対応する試験部35〜35(実施形態では、プロトコル判定・生成制御部123a〜123c、プロトコル制御部130a〜130cおよびコネクション制御部140a〜140cで実現されている。)を含むプロトコル試験装置。
【符号の説明】
【0070】
20 判定手段
30 試験実行手段
33 バッファ格納手段
34 シナリオ格納手段
35〜35 試験部
40 試験シナリオ記憶手段
10、100 プロトコル試験装置
110 IPインタフェース部
111 プロトコルインタフェース部
112 パケットインタフェース部
113 外部インタフェース部
120 プロトコル判定・生成部
121 プロトコル情報抽出部
122 プロトコル判定部
123 プロトコル判定・生成制御部
124 パケット生成部
130、130a、130b、130c プロトコル制御部
140、140a、140b、140c コネクション制御部
150 制御管理部
31、151 プロトコル情報バッファ
32、152 シナリオ情報バッファ
160 試験シナリオ記憶部
161 サーバシナリオ群
162 クライアントシナリオ群
201 サーバ1
202 サーバ2
301 クライアント1
302 クライアント2
400a 装置A
400b 装置B
400c 装置C

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のサーバまたはクライアントを対象としてプロトコル試験を実行するプロトコル試験装置であって、
前記サーバまたは前記クライアントから入力されたパケットをもとに、サーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて試験を行う試験実行手段とを備える
ことを特徴とするプロトコル試験装置。
【請求項2】
試験シナリオを記憶する試験シナリオ記憶手段を備え、
試験実行手段は、判定手段の判定結果に基づいて試験シナリオを前記試験シナリオ記憶手段から抽出する
請求項1に記載のプロトコル試験装置。
【請求項3】
試験実行手段は、プロトコル情報バッファとシナリオ情報バッファとを備え、
プロトコル試験が開始されると、サーバまたはクライアントとの通信によって取得されるプロトコル情報を前記プロトコル情報バッファに記憶し、試験終了後に前記プロトコル情報バッファに記憶した内容をシナリオ情報バッファに記憶するバッファ格納手段と、
シナリオ情報バッファの内容を試験シナリオとして試験シナリオ記憶手段に格納するシナリオ格納手段とを含む
請求項2に記載のプロトコル試験装置。
【請求項4】
判定手段は、パケットのヘッダ部分に設定されている情報に基づいてサーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロトコル試験装置。
【請求項5】
試験実行手段は、複数種類のプロトコルの各々に対応する試験部を含む
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプロトコル試験装置。
【請求項6】
ネットワーク上のサーバまたはクライアントを対象としてプロトコル試験を実行するプロトコル試験方法であって、
前記サーバまたは前記クライアントから入力されたパケットをもとに、サーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定し、判定結果に基づいて試験を行う
ことを特徴とするプロトコル試験方法。
【請求項7】
ネットワーク上のサーバまたはクライアントを対象としてプロトコル試験を実行するプロトコル試験プログラムであって、
コンピュータに、
前記サーバまたは前記クライアントから入力されたパケットをもとに、サーバの試験を行うべきかクライアントの試験を行うべきかを判定し、判定結果に基づいて試験を行う処理を実行させる
ことを特徴とするプロトコル試験プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−80378(P2012−80378A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224510(P2010−224510)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】