説明

プローブカードのハンドリング機構

【課題】高温や低温での試験直後でも熱の影響を受けずにハンドリング作業を可能にするプローブカードのハンドリング機構を提供する。
【解決手段】プローブ18を複数備えたプローブカード17をハンドリングするためのハンドリング機構25である。上記プローブカード17に取り付けられて当該プローブカード17がハンドリングされる際に用いられるハンドル26と、当該ハンドル26を上記プローブカード17に着脱可能に取り付ける着脱機構27とを備えた。上記ハンドル26は、複数の上記プローブカード17のいずれにも装着できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブを複数備えたプローブカードの持ち運び等に用いるハンドリング機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プローブカードは、半導体ウエハ測定装置等に装着され、半導体ウエハ等の表面の電極に接触して検査信号を印加するための装置である。プローブカードには複数のプローブが設けられ、このプローブが上記半導体ウエハ測定装置に装着された半導体ウエハの表面の複数の電極にそれぞれ接触される。
【0003】
このようなプローブカードのハンドリング機構としては図1,2に記載のものが知られている。
【0004】
図中の1はプローブカードである。このプローブカード1は主に、半導体ウエハ等の検査対象部材の電極等に接触する複数のプローブ2と、各プローブ2に接続される回路(図示せず)が設けられたPCB3と、このPCB3を補強するスティフナー4と、このスティフナー4を覆うスティフナーカバー5とから構成されている。
【0005】
このプローブカード1のスティフナーカバー5には、ハンドリング機構としての収納式の取っ手6が設けられている。この取っ手6は、通常図中の実線のように収納されている。プローブカード1を持ち運ぶとき等には、図中の破線のように、各取っ手6を起こして、この2つの取っ手6を作業者が手で掴んで、プローブカード1を持ち運んだり据え付けたりする。
【0006】
このようなハンドリング機構の例としては、特許文献1に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008―164591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような従来のプローブカード1では、このプローブカード1に取っ手6が備え付けられているため、各プローブカード1毎に取っ手6が必要になる。このため、取っ手6の部材費及び加工費が必要になり、製造コストが嵩むという問題がある。
【0009】
また、加熱試験や冷却試験等のために高温や低温で試験した場合には、取っ手6も高温又は低温になるため、試験直後にメンテナンスを行おうとしてもハンドリングができない。例えば、150℃の高温で試験を行う場合は、取っ手6も150℃になるため、常温付近の温度になるまで待つ必要があり、作業性が悪いという問題がある。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、高温や低温での試験直後でもプローブカードのハンドリングを可能にして作業性を向上させると共に、コスト低減を図ったプローブカードのハンドリング機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明には、プローブを複数備えたプローブカードをハンドリングするためのハンドリング機構であって、上記プローブカードに取り付けられて当該プローブカードがハンドリングされる際に用いられるハンドルと、当該ハンドルを上記プローブカードに着脱可能に取り付ける着脱機構とを備え、上記ハンドルが、複数の上記プローブカードのいずれにも装着できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記ハンドルを上記着脱機構で上記プローブカードに着脱可能に取り付けることにより、高温や低温での試験直後でもプローブカードのハンドリングが可能になる。また、ハンドリング機構は、構造が簡単で、かつハンドルを1組用意するだけで済むため、コスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来のプローブカードを示す平面図である。
【図2】従来のプローブカードを示す正面図である。
【図3】半導体ウエハ測定装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係るプローブカードを示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプローブカードを示す正面図である。
【図6】本発明の第1変形例に係るプローブカードを示す平面図である。
【図7】本発明の第1変形例に係るプローブカードを示す正面図である。
【図8】本発明の第2変形例に係るプローブカードを示す平面図である。
【図9】本発明の第2変形例に係るプローブカードを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るプローブカードのハンドリング機構について説明する。
【0015】
プローブカードは、半導体ウエハ等の表面の電極に接触して検査信号を印加するための装置である。このプローブカードは、半導体ウエハ測定装置等に装着される。ここでは、プローブカードが装着される装置の一例として、半導体ウエハ測定装置を図3に基づいて説明する。
【0016】
半導体ウエハ測定装置11は主に、プローバ12と、テストヘッド13、プローブカード17とから構成されている。
【0017】
プローバ12は、半導体ウエハWの表面の複数の電極に検査信号を印加して検査するための装置である。このプローバ12は、筺体14と、この筺体14内に装着されたXYZθステージ15と、このXYZθステージ15に支持されたチャックトップ16とから構成されている。プローバ12に組み込まれたプローブカード17には、その下側面に複数のプローブ18が設けられている。半導体ウエハWは、チャックトップ16に支持され、その上側面の各電極が各プローブ18にそれぞれ電気的に接触される。
【0018】
テストヘッド13は、半導体ウエハWに検査信号を印加すると共に、検出信号を処理するための装置である。テストヘッド13は、信号処理装置(図示せず)等を備え、その下側面に、プローブカード17と電気的に接触する接触部19を備えている。
【0019】
このテストヘッド13は、回動可能に支持されており、プローブカード17の交換の際には、上方へ回動されて待機位置に移動される。
【0020】
このように構成された半導体ウエハ測定装置11では、半導体ウエハWがチャックトップ16に載置されて、XYZθステージ15で半導体ウエハWの位置が調整される。これにより、半導体ウエハWの表面の各電極と、プローブカード17の各プローブ18とが整合される。そして、XYZθステージ15でチャックトップ16が上昇されて、半導体ウエハWの各電極とプローブカード17の各プローブ18とが互いに接触される。
【0021】
次いで、テストヘッド13側から検査信号が、プローブ18を介して半導体ウエハWの各電極に印加されて、半導体ウエハWの試験が行われる。このとき、半導体ウエハWは、常温で試験される以外に、高温に加熱されたり、低温に冷やされたりする場合もある。
【0022】
そして、プローブカード17を交換するときは、プローバ12によって、プローブカード17のプローバ12への固定の開放と、ハンドリング可能な場所までの搬送が自動的に行われる。
【0023】
以上のような半導体ウエハ測定装置11に組み込まれるプローブカード17は、図4,5に示すように構成されている。
【0024】
このプローブカード17は主に、半導体ウエハWの電極に接触する複数のプローブ18と、各プローブ18に接続される回路(図示せず)等が設けられたPCB21と、PCB21を補強するスティフナー22と、スティフナー22を覆うスティフナーカバー23とから構成されている。なお、このプローブカード17は一例であり、他に種々の構成のものがある。本発明は、後述のハンドル26を取り付けることができるすべてのプローブカードに適用することができる。
【0025】
プローブカード17のスティフナーカバー23には、ハンドリング機構25が設けられている。このハンドリング機構25は、プローブカード17のハンドリング(持ち運びや設置等の処理)を行うための機構である。ハンドリング機構25は、ハンドル26と、着脱機構27とから構成されている。
【0026】
ハンドル26は、プローブカード17をハンドリングする際に用いる部材である。ハンドル26は、プローブカード17に着脱可能に取り付けられる。ハンドル26は、作業者が手で持つための部材である。ハンドル26は、棒材をほぼC字型に折り曲げて構成されている。ここでは、棒材を2つの直角からなる角張ったC字型に折り曲げて構成されている。ハンドル26は、その両端部が着脱機構27によってプローブカード17に着脱可能に取り付けられている。ハンドル26は、2つ平行に配設されている。なお、ハンドル26の材料は、丸棒状の棒材、角棒状の棒材、長板状の棒材等、種々の形状の材料を用いることができる。ハンドル26は、プローブカード17を反転させたときこのプローブカード17を支持する脚部として機能する。
【0027】
着脱機構27は、ハンドル26をプローブカード17に着脱可能に取り付けるための機構である。着脱機構27は、ハンドル26の端部に設けられた嵌合部29と、プローブカード17のスティフナーカバー23に設けられた被嵌合部30とから構成されている。
【0028】
嵌合部29は、出没可能な係止爪31と、この係止爪31を出没させるボタン(図示せず)とから構成されている。係止爪31は、ハンドル26の両方の先端部に2つ設けて構成されている。各係止爪31は、ハンドル26の先端部において、その外周面から出没可能に設けられ、スプリング(図示せず)で互いに開く方向(突出する方向)に付勢されている。この係止爪31の機構としては、既存のすべての機構を用いることができる。
【0029】
ボタンは、上記スプリングを介して係止爪31と連結されている。このボタンを押し込むことで、上記スプリングが引き込まれるようになっている。これにより、スプリングで互いに開く方向(突出する方向)に付勢されていた各係止爪31が没入して、係止状態が解除されるようになっている。このボタンやスプリング部分の機構としては、既存のすべての機構を用いることができる。
【0030】
被嵌合部30は、上記係止爪31を受けるザグリ穴で構成されている。このザグリ穴の最奥を拡大して爪受け部(図示せず)が形成されている。嵌合部29の係止爪31が、このザグリ穴の最奥部で突出して爪受け部に係止し、ハンドル26がプローブカード17に取り付けられるようになっている。なお、係止爪31及び爪受け部の構成としては、既存のすべてのものを用いることができる。
【0031】
以上のように構成されたプローブカード17のハンドリング機構25は、次のようにして使用される。
【0032】
半導体ウエハ測定装置11では、上述した試験が行われる。このとき、試験する半導体ウエハWの種類や諸条件に合わせてプローブカード17が交換される。
【0033】
このプローブカード17の交換の際には、プローバ12によって、プローブカード17のプローバ12への固定の開放と、ハンドリング可能な場所までの搬送が自動的に行われる。
【0034】
そして、ハンドリング可能な場所まで搬送されたプローブカード17にハンドル26を取り付ける。具体的には、ハンドル26の先端部を、着脱機構27の被嵌合部30のザグリ穴に押し込む。これにより、ハンドル26の先端部の各係止爪31がザグリ穴の最奥で突出して開く。これにより、ハンドル26がプローブカード17に取り付けられる。
【0035】
ハンドル26は、プローブカード17に2つ取り付けられる。作業者は、この2つのハンドル26を掴んで、プローブカード17を持ち上げ、保管位置に移動させる。このとき、半導体ウエハWが、高温に加熱されて試験されている場合や、低温に冷やされて試験されている場合でも、ハンドル26自体は加熱も冷却もされていない。さらに、着脱機構27でプローブカード17に支持されたハンドル26には、短時間で上記高温や低温が伝わることはないので、作業者は、上記高温や低温の影響を受けずにプローブカード17のハンドリング作業を行う。
【0036】
ハンドリング作業が終了したら、上記ボタンを押し込む。これにより、上記スプリングが引き込まれて、このスプリングで互いに開く方向(突出する方向)に付勢されていた各係止爪31が没入して、係止状態が解除される。この状態で、ハンドル26をプローブカード17の被嵌合部30のザグリ穴から引き抜く。
【0037】
次いで、ハンドル26の先端部を、新しいプローブカード17の被嵌合部30のザグリ穴に押し込む。これにより、上述したように、係止爪31がザグリ穴の最奥の爪受け部で突出して開くことで、ハンドル26がプローブカード17に取り付けられる。
【0038】
次いで、作業者は、2つのハンドル26を掴んで、新しいプローブカード17を持ち上げ、プローバ12のプローブカード設置場所に据え付ける。
【0039】
次いで、上述したように、ボタンを押し込んで各係止爪31を没入させて、係止状態を解除し、ハンドル26をプローブカード17の被嵌合部30のザグリ穴から引き抜く。
【0040】
次いで、テストヘッド13を元に戻してプローブカード17の交換が完了する。
【0041】
また、ハンドル26を取り付けたプローブカード17をメンテナンスや一時保管等のために載置台等に置く場合は、プローブカード17を反転させて、ハンドル26を載置台等の表面に据え置く。これにより、ハンドリング機構25のハンドル26が脚部として機能して、プローブカード17を支持する。
【0042】
[効果]
以上により、プローブカード17にハンドル26を容易に着脱して、プローブカード17を容易にハンドリングすることができる。
【0043】
また、高温や低温での試験直後でもプローブカード17のハンドリングが可能で、ハンドリング作業時の作業性が向上する。
【0044】
さらに、ハンドリング機構25は、構造が簡単で、かつハンドル26を1組用意するだけで済むため、コスト低減を図ることができる。
【0045】
また、従来のプローブカードでは、このプローブカードやテストヘッドの内部構造との関係でハンドル寸法が制限されることがあるが、本実施形態のハンドリング機構25では、プローブカード17がプローバ12に固定されるときには、ハンドル26は取り外されてプローブカード17に固定されないため、テストヘッド13等の制限を受けない。このため、ハンドリング作業に適した大きさに自由に設定することができる。この結果、ハンドリング作業性が向上する。
【0046】
[第1変形例]
上記実施形態では、ハンドリング機構25のハンドル26が、2つの直角からなる角張ったC字型に棒材を折り曲げて構成されたが、他の形状に折り曲げて構成してもよい。具体的には、ハンドルがプローブカード17を設定角度で支持する脚部として機能するように構成してもよい。即ち、上記実施形態では、プローブカード17を反転させたとき、このプローブカード17は、ハンドル26によって水平状態に支持されるが、プローブカード17が傾斜して支持されるように構成してもよい。
【0047】
例えば、図6,7に示すように、ハンドル33に、設置部34,35を設けるようにしてもよい。この設置部34,35は、プローブカード17を反転させて斜めに支持するための部分である。設置部34,35は、ハンドル33のうち、上記実施形態のハンドル26の2つの角部に対応する位置を斜めに成形して構成されている。この2つの設置部34,35の角度は、図7に示すように、左右対称に成形されている。なお、この2つの設置部34,35の角度を、左右で異ならせて成形してもよい。具体的には、プローブカード17を傾けたい2つの角度(作業内容等に応じて異なる角度)に合わせて、2つの設置部34,35をそれぞれ異なる角度に設定してもよい。
【0048】
このように構成することで、図7に示すように、反転させたプローブカード17を、載置台36に設定角度だけ傾けて設置することができる。この状態で、プローブ18の目視確認やメンテナンス等を行う。
【0049】
これにより、上記実施形態と同様の作用、効果を奏すると共に、プローブ18の確認や、種々の処理を容易に行うことができる。
【0050】
[第2変形例]
上記第1変形例では、ハンドリング機構が、プローブカード17を反転させて支持する構成にしたが、プローブカード17を反転させずに支持する構成にしてもよい。この場合、ハンドル38は、図8,9に示すように、アーチ型棒材39と、支持棒40と、取っ手棒41とから構成される。
【0051】
アーチ型棒材39は、プローブカード17を、反転させずにそのまま支持するための部材である。アーチ型棒材39は、上記プローブカード17をその一側(図9の上側)から跨ぐようにほぼC字型に折り曲げて構成されると共にその両端部が上記プローブカード17の他側(図9の下側)へ、上記プローブ18よりも下方へ突出して形成されている。アーチ型棒材39は、平行に2つ配設されている。なお、アーチ型棒材39は、平行に3つ以上配設してもよい。また、アーチ型棒材39の両端部が、プローブカード17の全周に配設されるように、アーチ型棒材39を配設してもよい。例えば、図8の2つのアーチ型棒材39に対して、直交する方向に2つのアーチ型棒材39を配設して、周囲8点でプローブカード17を支持するようにしてもよい。アーチ型棒材39の数をさらに増やしてもよい。
【0052】
支持棒40は、アーチ型棒材39を上記プローブカード17に支持するための部材である。支持棒40は、1つのアーチ型棒材39に2つ設けられている。支持棒40は、その上端部がアーチ型棒材39に一体的に接続されて支持した状態で、下端部に着脱機構27が設けられている。そして、支持棒40は、上記プローブカード17に上記着脱機構27を介して着脱可能に取り付けられる。
【0053】
さらに、上記複数のアーチ型棒材39には取っ手棒41が架け渡して取り付けられている。取っ手棒41は、作業者が手で持ってプローブカード17を搬送等するための部材である。この取っ手棒41により、各アーチ型棒材39が所定間隔を空けて一体的に組み立てられている。なお、取っ手棒41は、直線状に形成されているが、アーチ型棒材39が3本以上放射状に設けられるような場合には、湾曲させて、又は円形状に形成されている。
【0054】
このように構成されたハンドル38の場合、支持棒40が着脱機構27を介してプローブカード17に取り付けられることで、ハンドル38がプローブカード17に装着される。この状態で、作業者はハンドル38の取っ手棒41を掴んでプローブカード17を搬送したり設置したりする。
【0055】
プローブカード17を設置する場合は、図9のように、プローブカード17のプローブ18を下側に向けた状態で、載置台42に載置する。このとき、載置台42の表面では、ハンドル38の各アーチ型棒材39の両端部が接触して、プローブカード17を支持する。これにより、プローブカード17のプローブ18は、載置台42の表面に接触せず、載置台42の表面から浮いた状態で、支持される。
【0056】
ハンドル38を持ってプローブカード17を反転させてプローブ18を上向きにして載置台42に載置する場合もある。これによりプローブ18が上向きになって、プローブ18の目視確認等を行うことができる。
【0057】
なおここでは、1つのハンドル38で1つのプローブカード17を支持して載置台42に載置したが、ハンドル38を複数段に積層してもよい。この場合は、ハンドル38の各アーチ型棒材39の端部を連結する棒材を設ける等により、下側のハンドル38の各アーチ型棒材39に上側のハンドル38の各アーチ型棒材39の端部を載置できるようにする。
【0058】
これにより、各アーチ型棒材39でプローブ18を保護した状態で、プローブカード17の搬送、設置、保管等を容易に行うことができるようになる。
【0059】
[第3変形例]
上記実施形態では、ハンドリング機構25の着脱機構27の被嵌合部30をプローブカード17のスティフナーカバー23に設けたが、スティフナー22等の他の部分に設けてもよい。種々の大きさのハンドルに合わせた位置に、被嵌合部30を設けることができる。
【0060】
また上記実施形態では、係止爪31がザグリ穴の最奥部で爪受け部に突出して係止することで、ハンドル26がプローブカード17に取り付けられるようにしたが、他の構造で固定するようにしてもよい。例えば、各ハンドルの先端に回動可能に取り付けられた先端T字型のラッチ部(図示せず)と、スティフナー22に設けられたラッチ係止穴(図示せず)とから構成してもよい。
【0061】
また、磁石を用いてハンドルを着脱させるようにしてもよい。上記嵌合部又は被嵌合部のいずれか一方又は両方に、互いに吸着する磁石を備える。この磁石を回転させる等によりオンオフさせる機構を構成する。これにより、磁石をオンにすると、ハンドルがプローブカード17のスティフナーカバー23に吸着し、オフにするとハンドルの吸着が解除されて、ハンドルがプローブカード17から外れる。
【0062】
この場合も上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0063】
また、上記実施形態及び各変形例では、ハンドルを作業者が手で掴んで搬送等を行うようにしたが、搬送装置等による自動化に対応させてもよい。この場合は、ハンドルに、搬送装置のフック等の把持装置に適合する嵌合部を設ける。例えば、特開2009-200390号公報に記載のプローブカード移載装置のプローブカード取り出し手段4のチャック素子5に適合するようにハンドルを改良してもよい。これにより、プローブカード移載装置でプローブカード17が自動的に搬送される。
【0064】
なお、本発明の態様は、上述した実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除等が可能である。
【符号の説明】
【0065】
11:半導体ウエハ測定装置、12:プローバ、13:テストヘッド、14:筺体、15:XYZθステージ、16:チャックトップ、17:プローブカード、18:プローブ、19:接触部、21:PCB、22:スティフナー、23:スティフナーカバー、25:ハンドリング機構、26:ハンドル、27:着脱機構、29:嵌合部、30:被嵌合部、31:係止爪、33:ハンドル、34,35:設置部、36:載置台、38:ハンドル、39:アーチ型棒材、40:支持棒、41:取っ手棒、42:載置台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブを複数備えたプローブカードをハンドリングするためのハンドリング機構であって、
上記プローブカードに取り付けられて当該プローブカードがハンドリングされる際に用いられるハンドルと、当該ハンドルを上記プローブカードに着脱可能に取り付ける着脱機構とを備え、
上記ハンドルが、複数の上記プローブカードのいずれにも装着できることを特徴とするプローブカードのハンドリング機構。
【請求項2】
請求項1に記載のプローブカードのハンドリング機構において、
上記ハンドルが、ほぼC字型に折り曲げて構成され、その両端部が上記着脱機構によって上記プローブカードに取り付けられる棒材で構成されたことを特徴とするプローブカードのハンドリング機構。
【請求項3】
請求項2に記載のプローブカードのハンドリング機構において、
上記ハンドルが、上記プローブカードを反転させたとき当該プローブカードを支持する脚部として機能することを特徴とするプローブカードのハンドリング機構。
【請求項4】
請求項1に記載のプローブカードのハンドリング機構において、
上記ハンドルが、上記プローブカードをその一側から跨ぐようにほぼC字型に折り曲げて構成されると共にその両端部が上記プローブカードの他側へ、上記プローブよりも突出して設けられた複数のアーチ型棒材と、当該複数のアーチ型棒材をそれぞれ支持して上記プローブカードに上記着脱機構を介して着脱可能に取り付けられる支持棒とを備えて構成されたことを特徴とするプローブカードのハンドリング機構。
【請求項5】
請求項4に記載のプローブカードのハンドリング機構において、
上記複数のアーチ型棒材に取っ手棒が架け渡して取り付けられたことを特徴とするプローブカードのハンドリング機構。
【請求項6】
請求項1に記載のプローブカードのハンドリング機構において、
上記着脱機構が、上記ハンドルの端部に設けられた嵌合部と、上記プローブカードに設けられた被嵌合部とから構成されたことを特徴とするプローブカードのハンドリング機構。
【請求項7】
請求項6に記載のプローブカードのハンドリング機構において、
上記嵌合部が係止爪であり、上記被嵌合部が上記係止爪を受ける爪受け部であることを特徴とするプローブカードのハンドリング機構。
【請求項8】
請求項6に記載のプローブカードのハンドリング機構において、
上記嵌合部又は被嵌合部のいずれか一方又は両方が、互いに吸着する磁石であることを特徴とするプローブカードのハンドリング機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−84685(P2013−84685A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222189(P2011−222189)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】