説明

プローブカード

【課題】平坦度調節部材及びこれを備えるプローブカードに関する。
【解決手段】検査対象物のパターンと接触可能な複数のプローブピンが下面に突出具備される第1基板110と、第1基板の上部に備えられ、第1基板110と電気接続手段を介して電気的に連結される第2基板140と、第1基板と第2基板との間に備えられ平坦度を調節するための平坦度調節部材と、を含み、平坦度調節部材は、第1基板110の上面に接着される固定ボルト120と、第2基板140を上部から貫通して固定ボルト120と結合する調整ボルト170と、を含み、第1基板110の上面のうち固定ボルト120が接着される部分には、第1基板110と固定ボルト120との間の結合力を増大させる固着力強化部110aが形成されるプローブカードを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦度調節部材及びこれを備えるプローブカードに関し、より詳細には、セラミック基板のようなスペーストランスフォーマの平坦度調節の際にセラミック基板の損傷と破損を防止できるプローブカードに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、半導体デバイスは、ウェハー上にパターンを形成するファブリケーション(Fabrication)工程と、パターンが形成されたウェハーをそれぞれのチップで組み立てるアセンブリ(Assembly)工程を通じて製造され、このようなファブリケーション工程とアセンブリ工程の間に、ウェハーを構成するチップそれぞれの電気的特性を検査するEDS(Electrical die sorting)工程を行う。
【0003】
このようなEDS工程は、ウェハーを構成しているチップのうち、特に、不良チップを判別するための工程であって、即ち、ウェハーを構成している各チップに電気的信号を入力し、その結果得られる出力信号により不良有無を判断させるものであり、そのためにはウェハー上のチップパターンと直接接触しながら電気的信号を印加するプローブカードの具備が必須である。
【0004】
従来プローブカード10は、図1〜図2に図示されたように、電気検査の対象であるウェハーチップ(不図示)のパターンに直接接触するプローブピン(不図示)が下面に多数形成されたセラミック基板11と、前記セラミック基板11の上部に備えられインターフェース手段である連結器16を介して前記セラミック基板11と電気的に結合されたプリント回路基板14と、また前記セラミック基板11及び前記プリント回路基板14をカバーするプローブ治具15と、を含んでなる。
【0005】
また、前記プローブカード10は、前記セラミック基板11と前記プリント回路基板14の結合またプローブカードの水平状態、即ち、平坦度を調節するために、前記セラミック基板11と前記プリント回路基板14との間に備えられる平坦度調節部材をさらに含んでなる。
【0006】
ここで、前記平坦度調節部材は、前記セラミック基板11の上面中央にエポキシのような接着剤13で固定される雄ねじ形態の固定ボルト12と、前記プリント回路基板14を上部から貫通して前記固定ボルト12とねじ締結される調整ボルト17と、を含んでなる。
【0007】
この際、前記調整ボルト17のヘッド部にはレンチ(wrench)18(図3参照)のような工具で前記調整ボルト17を回転させるための結合溝17aが形成され、これにより、図3でのように、前記固定ボルト12と前記調整ボルト17がねじ締結された状態で、前記レンチ18を前記調整ボルト17の結合溝17aに挿入して正逆回転させることにより、前記セラミック基板11と前記プリント回路基板14との間の間隔及びプローブカード10の水平状態、即ち、平坦度を調節することができる。
【0008】
しかし、前記のような構造のプローブカード10は、前記調整ボルト17を回転させて平坦度を調節する過程で前記調整ボルト17に加えられるトルクが前記固定ボルト12に応力(stress)として作用し、そのため、前記固定ボルト12と前記セラミック基板11の接着部分が破損されたり前記セラミック基板11が損傷または破損されるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−216060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記問題点を解決するために導き出されたものであって、本発明は、セラミック基板とプリント回路基板の組み立て及びプローブカードの平坦度を調節する過程で、固定ボルトとセラミック基板の接合部分の破損及びセラミック基板の損傷または破損を防止することにより、耐久性及び寿命を向上できる平坦度調節部材及びこれを含むプローブカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、検査対象物のパターンと接触可能な複数のプローブピンが下面に突出具備される第1基板と、前記第1基板の上部に備えられ、前記第1基板と電気接続手段を介して電気的に連結される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に備えられ平坦度を調節するための平坦度調節部材と、を含み、前記平坦度調節部材は、前記第1基板の上面に接着される固定ボルトと、前記第2基板を上部から貫通して前記固定ボルトと結合する調整ボルトと、を含み、前記第1基板の上面のうち前記固定ボルトが接着される部分には、前記第1基板と前記固定ボルトとの間の結合力を増大させる固着力強化部が形成されるプローブカードを提供する。
【0012】
ここで、前記固着力強化部は、前記第1基板の上面に形成され接着剤が充填される溝を含むことができる。
【0013】
この際、前記溝は、深さ方向に沿って少なくとも一つの段差部を有することができる。
【0014】
一方、前記固着力強化部は、前記第1基板の上面に形成され接着剤が充填されるリング状の複数の溝を含むこともできる。
【0015】
この際、前記複数の溝は、放射状に離隔形成されることができる。
【0016】
また、前記接着剤は、前記第1基板の上面から所定厚さを有するように備えられることが好ましい。
【0017】
一方、前記第1基板は、セラミック基板を含むことができ、前記第2基板は、プリント回路基板を含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上で説明したように、本発明によるプローブカードによると、第1基板、即ち、セラミック基板と、第2基板、即ち、プリント回路基板との組み立て及びこれを含むプローブカードの平坦度を調節する過程で、セラミック基板に加えられる応力を分散してセラミック基板の接合部分の破損及びセラミック基板の損傷または破損を防止することができ、さらにプローブカードの耐久性と生産性及び寿命を向上することができるという利点がある。
【0019】
また、本発明によるプローブカードによると、接着剤によりセラミック基板に接着固定される固定ボルトの固着力を強化することができるという利点がある。即ち、接着剤がセラミック基板に接触する面積を拡大することにより、接着剤が固定ボルトをセラミック基板に固着させる力、即ち、固着力を増大させることができる。
【0020】
また、本発明によるプローブカードによると、セラミック基板に固着力強化部を形成することにより、セラミック基板に固定ボルトが固着する位置を明確に把握し、組み立て誤りなどを防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術によるプローブカードにおいて、セラミック基板に固定ボルトが接着された状態を示した断面図である。
【図2】従来技術によるプローブカードを概略的に示した断面図である。
【図3】従来技術によるプローブカードの平坦度を調節することを概略的に示した断面図である。
【図4】本発明によるプローブカードにおいて、第1基板に固定ボルトが接着された状態を示した断面図である。
【図5】図4の第1基板の固着力強化部を概略的に示した凹部平面図及び断面図である。
【図6】本発明によるプローブカードを概略的に示した断面図である。
【図7】本発明によるプローブカードの平坦度を調節することを概略的に示した断面図である。
【図8】本発明によるプローブカードの他の実施形態に適用される第1基板の固着力強化部を示した凹部平面図及び断面図である。
【図9】図8の第1基板を含む本発明によるプローブカードの他の実施形態を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面に基づき、本発明の目的を具体的に実現できる本発明の好ましい実施形態を説明する。本実施形態の説明において、同一構成に対しては同一の名称及び同一の符号が使用され、これによる付加的な説明は省略する。
【0023】
先ず、添付の図4〜図7を参照して本発明によるプローブカードの一実施形態をより詳細に説明すると次のとおりである。
【0024】
図4は、本発明によるプローブカードにおいて、第1基板に固定ボルトが接着された状態を示した断面図であり、図5は、図4の第1基板の固着力強化部を概略的に示した凹部平面図及び断面図であり、図6は、本発明によるプローブカードを概略的に示した断面図であり、図7は、本発明によるプローブカードの平坦度を調節することを概略的に示した断面図である。
【0025】
図4〜図7に図示されたように、本発明によるプローブカード100の一実施形態は、大きく、第1基板110、第2基板140、平坦度調節部材を含んでなることができる。
【0026】
ここで、前記第1基板110は、ウェハーのような検査対象物(不図示)のパターンと接触可能な複数のプローブピン(不図示)が下面に突出具備されることができ、セラミック基板に構成されることができる。
【0027】
また、前記第2基板140は、前記第1基板110の上部に備えられ、連結ピンのような電気接続手段160を介して前記第1基板110に電気的に連結されることができ、プリント回路基板に構成されることができる。
【0028】
この際、本実施形態によるプローブカード100は、前記第1基板110と前記第2基板140をカバーするプローブ治具150を含むことができる。
【0029】
一方、前記平坦度調節部材は、前記第1基板110と前記第2基板140との間に備えられ平坦度を調節するためのものであって、本実施形態で前記平坦度調節部材は、前記第1基板110の上面に接着する固定ボルト120と、前記第2基板140を上部から貫通して前記固定ボルト120と結合する調整ボルト170と、を含んでなることができる。
【0030】
この際、前記調整ボルト170のヘッド部には、平坦度調節のためのレンチ180が結合される結合溝170aが形成されることができる。
【0031】
また、本実施形態で前記平坦度調節部材は、前記第1基板110と前記固定ボルト120との間の結合力、即ち、固着力を増大させるために、前記第1基板110の上面のうち前記固定ボルト120が接着される部分に固着力強化部110aを形成することができる。
【0032】
本実施形態で、前記固着力強化部110aは、前記第1基板110の上面に形成されエポキシのような接着剤130が充填されるリング状の複数の溝からなると開示しているが、これに限定されるものではない。
【0033】
より詳細に、前記固着力強化部110aは、前記第1基板110の上面中央にリング状の溝が所定間隔で離隔形成された放射状に形成されることができる。
【0034】
ここで、前記第1基板110が約3〜8mmの厚さで形成される場合、前記固着力強化部110aの各溝は、約10〜30mmの直径及び約1〜3mmの厚さで形成されることが好ましい。
【0035】
これによって、前記固定ボルト120に前記調整ボルト170が結合された状態で平坦度調節のために前記調整ボルト170が回転される場合、前記調整ボルト170の回転形態に対応するように、本実施形態の固着力強化部110aを放射状に形成されたリング状の溝で構成することにより、前記第1基板110、即ち、セラミック基板に加えられる応力を効果的に分散することができ、これにより、前記平坦度調節部材による平坦度調節過程で、第1基板110の損傷または破損を効果的に防止することができる。
【0036】
一方、前記接着剤130は、前記第1基板110の上面から所定厚さを有するように備えられることが好ましい。即ち、前記接着剤130は、前記第1基板110に形成された固着力強化部110aに充填されるとともに、前記第1基板110の上面に所定厚さで備えられるため、第1基板110に固着される接着剤130の固着面積及び量を増加させ、前記第1基板110に前記固定ボルト120を固着させる力、即ち、固着力を増大させることができる。
【0037】
次に、添付の図8〜図9を参照して本発明によるプローブカードの他の実施形態をより詳細に説明すると次のとおりである。
【0038】
図8は、本発明によるプローブカードの他の実施形態に適用される第1基板の固着力強化部を示した凹部平面図及び断面図であり、図9は、図8の第1基板を含む本発明によるプローブカードの他の実施形態を概略的に示した断面図である。
【0039】
図8及び図9に図示されたように、本実施形態によるプローブカード200は、前記実施形態と異なり、固着力強化部210aを第1基板110の上面に形成され接着剤が充填される溝で形成したことを開示する。
【0040】
即ち、本実施形態の固着力強化部210aは、一体に形成された円形の溝で構成したものである。
【0041】
この際、前記溝は、深さ方向に沿って少なくとも一つ以上の段差部を有するように形成することが好ましい。
【0042】
本実施形態によるプローブカード200もまた、固定ボルト220に調整ボルト270が結合された状態で平坦度調節のために調整ボルト270が回転する過程で、前記第1基板210に形成された固着力強化部210aにより前記第1基板210、即ち、セラミック基板に加えられる応力を効果的に分散することができ、これにより、前記平坦度調節部材による平坦度調節過程で、第1基板210の損傷または破損を効果的に防止することができる。
【0043】
また、本実施形態によるプローブカード200は、前記第1基板210に固着する接着剤230の固着面積及び量を増加させ、前記第1基板210に前記固定ボルト220を固着させる力、即ち、固着力を増大させることができる。
【0044】
本実施形態によるプローブカードは、従来プローブカードに比べて、第1基板、即ち、セラミック基板と固定ボルトとの間の固着力、即ち、固着強度を大きく向上させることができ、これは実験例を通じて確認することができる。
【0045】
即ち、下記表1を参照すると、第1基板を5mmの厚さで形成し、前記第1基板の上面に固着力強化部、即ち、最大の直径が20mmで深さが2mmであるリング状の溝5個を形成したプローブカードの平坦度調節過程を通じて従来プローブカードと比較した。
【0046】
【表1】

【0047】
比較結果、10個のサンプリング(Sampling)全ての本発明によるプローブカードの固着強度は、従来プローブカードの固着強度より平均2倍以上高かった。
【0048】
以上で説明した本発明の好ましい実施形態は例示の目的のために開示されたものであり、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者において、本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であり、このような置換、変更などは添付の特許請求範囲に属するとするべきであろう。
【符号の説明】
【0049】
100 プローブカード
110 第1基板
120 固定ボルト
130 接着剤
140 第2基板
150 プローブ治具
160 電気接続手段
170 調整ボルト
180 レンチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物のパターンと接触可能な複数のプローブピンが下面に突出具備される第1基板と、
前記第1基板の上部に備えられ、前記第1基板と電気接続手段を介して電気的に連結される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に備えられ平坦度を調節するための平坦度調節部材と、を含み、
前記平坦度調節部材は、前記第1基板の上面に接着される固定ボルトと、前記第2基板を上部から貫通して前記固定ボルトと結合する調整ボルトと、を含み、
前記第1基板の上面のうち前記固定ボルトが接着される部分には、前記第1基板と前記固定ボルトとの間の結合力を増大させる固着力強化部が形成されるプローブカード。
【請求項2】
前記固着力強化部は、前記第1基板の上面に形成され接着剤が充填される溝を含む請求項1に記載のプローブカード。
【請求項3】
前記溝は、深さ方向に沿って少なくとも一つの段差部を有する請求項2に記載のプローブカード。
【請求項4】
前記固着力強化部は、前記第1基板の上面に形成され接着剤が充填されるリング状の複数の溝を含む請求項1に記載のプローブカード。
【請求項5】
前記複数の溝は、放射状に離隔形成される請求項4に記載のプローブカード。
【請求項6】
前記接着剤は、前記第1基板の上面から所定厚さを有するように備えられる請求項2または4に記載のプローブカード。
【請求項7】
前記第1基板は、セラミック基板を含み、前記第2基板は、プリント回路基板を含む請求項1に記載のプローブカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−24869(P2013−24869A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156210(P2012−156210)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】