説明

ヘアコンディショニング組成物

カチオン性界面活性剤、脂肪アルコール、疎水的に変性された粘土、毛髪繊維変性剤、およびポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを含んでいる水性ヘアコンディショナー組成物は、乾燥した毛髪に対して改良された滑らかさおよび滑りを与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヘアコンディショニング組成物、この組成物を用いた毛髪のトリートメント方法、およびヘコンディショニング効果を毛髪に与えるためのあるいくつかの材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアコンディショニング組成物は、数年前から入手可能であった。本発明は、洗い流し型(rinse−off)ヘアコンディショニング組成物であって、典型的には、洗髪された後の使用のために意図されており、特性、例えば滑らかさ、輝き、くし通りやすさ、スタイル保持の改良、および持続力(hold)の改良を毛髪へ付与しうる組成物に関している。これらの組成物は一般に、清潔な毛髪に塗布され、一方、これは、シャンプーされた後でさえ依然として湿っており、ついで毛髪の乾燥前に洗い流される。
【0003】
様々な消費者が、濡れた毛髪および乾いた毛髪に対して異なる特性を望む。したがって毛髪へ、改良されたコンディショニング効果、および/またはこれらの組成物の使用者によって、ヘアコンディショニング効果として感知されるものを構成する特性の改変されたプロフィールを与えることができる組成物へのニーズが、依然として存在する。例えばほかのヘアコンディショニング特性と比べて、コンディショニング組成物によって与えることができる、毛髪の感知された滑らかさの向上において、利点が存在しうる。
【0004】
あるいくつかの疎水的に変性された粘土が、懸濁剤または抗凝集剤として、ヘアトリートメント組成物中に組み込まれてきた。
【0005】
例えば、米国特許第4,983,383号は、改良されたスタイルおよびヘアコンディショニング特性の両方を与えると言われているヘアケア組成物を開示している。疎水的に変性された粘土は、開示された組成物のヘアスプレー形態でのシリコーンゴムに適した懸濁剤/抗凝集剤として記載されている。したがって疎水的に変性された粘土は、この文献に示されたヘアスプレー組成物の実施例において用いられている。しかしながら、ヘアスプレー以外の組成物中でのこれらの材料の使用について、またはこれらの粘土が有しうるほかの効果についての提案はない。
【0006】
米国特許第5,846、549号は、毛髪、頭皮、および/または皮膚の洗浄のために意図された美容用組成物を開示している。これらの組成物は、不溶性シリコーンを組成物中に分散させるための作用物質として粘土を使用する。一般に、この粘土は変性されていない。これらの組成物は、洗浄用組成物、例えばシャンプーであり、ヘアコンディショニング組成物についての言及はない。
【0007】
第JP−A−05/246,824号は、油中水エマルジョンである毛髪用化粧品を開示している。これらの化粧品は、有機的に変性された粘土材料、第四アンモニウム塩、水溶性高分子量物質、およびシリコーンを含有する。これらの化粧品は、ベタベタしないものとして、および艶、滑らかな感触、および堅固さを与えるものとして記載されている。
【0008】
第JP−A−61/066,752号は、シリコーン油、ポリオキシエチレン変性されたシリコーン、および有機的に変性されたモンモリロナイト粘土を含有するゲル組成物について記載している。これらの組成物は、良好な安定性を有することを目的とする。
【0009】
米国特許第5,679,327号は、高アルカリ性の毛髪をまっすぐにするエマルジョンについて記載している。この開示において挙げられている実施例は、カチオン性界面活性剤および高濃度のセテアリールアルコールとともに、変性ヘクトライト粘土ゲル化剤を含む。
【0010】
第WO99/25312号は、流動化ポリマー懸濁液を開示している。この開示における1つの実施例は、カチオン性界面活性剤およびセチルアルコールとともに、懸濁液としてチキソゲル(Tixogel)MP100粘土を含有する。カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比は、1:0.67である。
【0011】
同時係属出願第WO2004/000250号は、水、カチオン性界面活性剤、疎水的に変性された粘土、および脂肪アルコールを、毛髪繊維の硬さを減少させうる毛髪変性剤と組合わせて含んでいるヘアコンディショニング組成物を開示している。開示された組成物は、乾いた毛髪へ、改良された滑らかさおよび滑りを与え、消費者へ毛髪の保湿感を与える。
【0012】
この効果は、あるいくつかの低いHLB界面活性剤の組成物中への組込みによって向上させうることが、今や発見された。
【発明の開示】
【0013】
(発明の概要)
この発明の第一の側面によれば、次のものを含んでいる、pH8またはそれ以下のヘアコンディショニング組成物が提供される:
pH8またはそれ以下のヘアコンディショニング組成物であって、
(a)1つまたはそれ以上のカチオン性界面活性剤0.01から10重量%;
(b)8から22個の炭素原子を有する1つまたはそれ以上の脂肪アルコール0.01から10重量%;
(c)疎水的に変性された粘土0.001から5重量%;
(d)水10から95重量%;および
(e)毛髪繊維の硬さを減少させうる毛髪繊維変性剤0.001から10重量%
を含み、カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比が1:1から1:10である組成物において、さらに式:
【0014】
【化2】

(式中、yの平均値が、2から30であり、平均値xが12から30であり、さらにx/yの比が1から6である)
によるブロックコポリマー0.01から5重量%も含むことを特徴とする組成物。
【0015】
本発明の第二の側面は、このような組成物を用いた毛髪のトリートメント方法である。
【0016】
もう1つの側面において、本発明は、乾燥した毛髪に対して、改良された滑らかさおよび滑りを与えるための、このような組成物の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明のヘアコンディショニング組成物は、洗い流し型組成物である。すなわちこれらは、使用後、毛髪から(典型的には水で)濯がれることが意図されている。このような洗い流し型組成物は、毛髪から洗い流されるのではなく、代わりに、毛髪が乾燥した後まで毛髪上に残るように意図されている、洗い流さない型(leave on)の組成物とは区別される。
【0018】
本発明のヘアコンディショニング組成物は、典型的には水性ベース組成物であり、これらは、場合によりゲル化相、および/または水相中に分散および/または懸濁された不溶性油相を含んでいる水相を含む。このようなものであるので、これらの組成物は、油中水エマルジョンではない。
【0019】
本発明による組成物は、8またはそれ以下、好ましくは7またはそれ以下、より好ましくは6.5またはそれ以下のpHを有する。適切にはpHは、2またはそれ以上、好ましくは2.5またはそれ以上、またはそれ以上である。
【0020】
疎水的に変性された粘土
本発明の組成物は、疎水的に変性された粘土を、組成物の総重量を基準にして、0.01から5重量%、好ましくは0.01から3重量%、より好ましくは0.05から1重量%の量で含んでいる。疎水的に変性された粘土のより高いレベルは、いくらかの消費者にとって、この組成物への不快な触感特性を与えることがある。
【0021】
疎水的に変性された粘土は、本発明において、単一で、または1つまたはそれ以上のほかの疎水的に変性された粘土と組合わせて用いられてもよい。
【0022】
適切な粘土は、疎水的に変性された天然粘土および合成粘土を包含する。一般に、粘土という用語は、少なくとも1つの表面上に正味の静電気(net electrostatic)(すなわち、正電荷または負電荷)を有する粒子を含んでいる組成物のことを言う。
【0023】
好ましくは疎水的に変性された粘土は、層化構造を有する。本発明の組成物において、疎水的に変性された粘土は有利には、粘土粒子の分散液または懸濁液の形態で存在する。
【0024】
本発明の疎水的に変性された粘土は、アニオン性またはカチオン性であってもよい。すなわちこれらは、それぞれ負または正である、粘土の表面上の実効電荷を有してもよい。本明細書において用いられているアニオン性粘土という用語および関連用語は、これ自体が本質的にアニオン性である粘土のことを言う。すなわちこれらの粘土自体は、表面が負荷電され、カチオン交換しうる。同様に、本明細書において用いられているカチオン性粘土という用語および関連用語は、これ自体が本質的にカチオン性である粘土のことを言う。すなわちこれらの粘土自体は、表面が正荷電され、アニオン交換しうる。
【0025】
疎水的に変性された粘土は、粘土から、疎水性材料でのこの粘土の変性によって誘導しうる。
【0026】
好ましいアニオン性粘土は、粘土のスメクタイト種からの粘土である。典型的には、この型の粘土は、結晶質で膨張性の三層粘土である。
【0027】
スメクタイト粘土は例えば、すべて出願人名がプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)の米国特許第3,862,058号、第3,948,790号、第3,954,632号、および第4,062,647号、および第EP−A−299,575号、および第EP−A−313,146号に開示されている。
【0028】
本明細書におけるスメクタイト粘土という用語は、酸化アルミニウムがシリケートラチス中に存在する粘土、および酸化マグネシウムがシリケートラチス中に存在する粘土の両方を包含する。典型的なスメクタイト粘土化合物は、一般式:Al(Si(OH)・nHOを有する化合物、および一般式:Mg(Si(OH)・nHを有する化合物、およびこれらの誘導体を包含する。例えば、ここにおいて、例えばアルミニウムイオンのある割合が、マグネシウムイオンで置換されるか、またはマグネシウムイオンのある割合が、リチウムイオンで置換され、および/またはヒドロキシルイオンのいくつかが、フッ化物イオンによって置換されている。これらの誘導体は、全体の電荷を平衡させるために、さらに1つの金属イオンを含んでいてもよい。スメクタイト粘土は、膨張性の三層構造を取る傾向がある。
【0029】
疎水的に変性された粘土は好ましくは、酸素、ケイ素、およびアルミニウム、および/またはマグネシウムから選択された原子をこの粘土の少なくとも75重量%含んでいる膨張性の三層粘土である。より好ましくは、疎水的に変性された粘土は、酸素、ケイ素、およびアルミニウム、および/またはマグネシウムから選択された原子を、これらの原子の各々について、この粘土の少なくとも5重量%の量で含んでいる。
【0030】
適切なスメクタイト粘土の具体例には、モンモリロナイト、ヘクトライト、ボルコンスコイト、ノントロナイト、サポナイト、バイデライト、およびソーコナイトの種類から選択された粘土、特に結晶ラチス構造内にアルカリまたはアルカリ土類金属イオンを有する粘土が含まれる。特に好ましくは、ヘクトライト、モンモリロナイト、ノントロナイト、サポナイト、バイデライト、ソーコナイト、およびこれらの混合物である。好ましくは、モンモリロナイト、例えばベントナイトおよびヘクトライトであり、ベントナイトが特に好ましい。
【0031】
疎水的に変性された粘土は好ましくは、疎水的に処理されたベントナイト粘土である。
【0032】
カチオン交換容量(「塩基交換容量」と呼ばれることもある)を、粘土100あたりのミリ当量(meq/100g)で測定することが慣用的である。粘土のカチオン交換容量は、いくつかの方法で測定することができる。これには、電気透析、アンモニウムイオンとの交換ついで滴定、またはメチレンブルー手順による方法が含まれる。これらすべての方法が、Grimshawの「粘土の化学および物理学(The Chemistry and Physics of Clays)」、264から265ページ、Interscience(1971年)に完全に示されている。粘土鉱物のカチオン交換容量は、例えば粘土の膨張性、および粘土の電荷などの要因に関する。これ自体は、少なくとも一部、ラチス構造などによって決定される。
【0033】
本発明への使用に好ましいアニオン性粘土は、0.7meq/100gから150meq/100gのイオン交換容量を有する。特に好ましくは、30meq/100gから100meq/100gのイオン交換容量を有する粘土である。
【0034】
これらの粘土は好ましくは、0.0001μmから800μm、より好ましくは0.01μmから400μm、例えば0.02μmから220μm、さらにより好ましくは0.02μmから100μmの範囲内の平均粒子サイズを有する。粒子サイズは、マルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)(英国のマルバーン・インストルメンツ(Malvern Instruments))を用いて決定することができる。
【0035】
本発明の組成物に用いられる疎水的に変性された粘土は好ましくは、当分野において公知のイオン交換方法によって、無機金属イオンの少なくともある割合を置換する有機イオンを有する。好ましくはこの粘土は、6から30個の炭素原子を含有する1つまたはそれ以上のアルキル基を含んでいるカチオンの粘土中への交換によって疎水的に変性される。このカチオン基は好ましくは、第四アンモニウム基である。有利にはこれらのカチオンは、式:N(式中、R、R、R、およびRは独立して、(C−C30)アルキル、好ましくは(C−C30)アルキル、またはベンジルである)を有する。好ましくはR、R、R、およびRの1つ、2つ、または3つは独立して、(C−C30)アルキルであり、他方の1つまたは複数のR、R、R、およびR基は、(C−C)アルキルまたはベンジルである。適切には、R、R、R、およびRの2つは独立して、(C−C30)アルキルであり、他方のR、R、R、およびR基は、(C−C)アルキルまたはベンジルである。場合により、これらのアルキル基は、1つまたはそれ以上のエステル(−OCO−または−COO−)および/またはエーテル(−O−)結合を、アルキル鎖中に含んでいてもよい。アルキル基は、直鎖または枝分かれであってもよく、3個またはそれ以上の炭素原子を有するアルキル基の場合は環状である。これらのアルキル基は、飽和であってもよく、または1つまたはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有してもよい(例えばオレイル)。これらのアルキル基は場合により、1つまたはそれ以上のヒドロキシル基で置換されている。アルキル基は場合により、アルキル鎖上で、1つまたはそれ以上のエチレンオキシ基でエトキシル化されている。好ましくはこれらのアルキル基は、直鎖飽和基である。
【0036】
2つの(C−C30)アルキル基を有する、式:Nの好ましい化合物には、セチル、ステアリル、およびジベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドが含まれる。
【0037】
2つの(C−C30)アルキル基を有する、式:Nの好ましい化合物には、次のものが含まれる:
ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(ジステアリルジモニウムクロライド);
ジステアリルジメチルアンモニウムブロマイド(ジステアリルジモニウムブロマイド);
ジセチルジメチルアンモニウムクロライド(ジセチルジモニウムクロライド);
ジセチルジメチルアンモニウムブロマイド(ジセチルジモニウムブロマイド);
ジメチルジ(水素化タロー)アンモニウムクロライド(クオターニウム−18);
ジセチルメチルベンジルアンモニウムクロライド;
ジココジメチルアンモニウムクロライド(ジココジモニウムクロライド);
ジココジメチルアンモニウムブロマイド(ジココジモニウムブロマイド);
ジベヘニル/ジアラキジルジメチルアンモニウムブロマイド(ジベヘニル/ジアラキジルジモニウムブロマイド);
ジベヘニル/ジアラキジルジメチルアンモニウムクロライド(ジベヘニル/ジアラキジルジモニウムクロライド);
ジベヘニルジモニウムメチルスルフェート(ジベヘニルジモニウムメチルスルフェート);
ヒドロキシプロピルビス−ステアリルアンモニウムクロライド(ヒドロキシプロピルビス−ステアリルジモニウムクロライド);
ジベヘニルジメチルアンモニウムクロライド(ジベヘニルジモニウムクロライド);
ジベヘニルメチルベンジルアンモニウムクロライド;
ジミリスチルジメチルアンモニウムクロライド(ジミリスチルジモニウムクロライド);および
ジミリスチルジメチルアンモニウムブロマイド(ジミリスチルジモニウムブロマイド)。
【0038】
3つの(C−C30)アルキル基を有する、式:Nの好ましい化合物には、8から22個の炭素原子を有する3つのアルキル基、および1から4個の炭素原子を有する1つのアルキル基を有する化合物が含まれる。例えば次のものである:
トリセチルメチルアンモニウムクロライド;
トリセチルメチルアンモニウムブロマイド;
トリセチルメチルアンモニウムメチルスルフェート;
トリ((C−C10)アルキル)メチルアンモニウムクロライド;
トリ((C−C10)アルキル)メチルアンモニウムブロマイド;および
トリ((C−C10)アルキル)メチルアンモニウムメチルスルフェート。
【0039】
特に好ましい材料は、クオターニウム−18(すなわち、二水素化タロージメチルアンモニウムカチオン)で変性されたベントナイトである。このような製品の一例は、ジュッド・ヘミー(Sud Chemie)からのチキソゲルMP100(商標)である。ほかの適切な疎水的に変性された粘土には、クオターニウムベンズアルコニウムベントナイト、クオターニウム−18ヘクトライト、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトライト、および二水素化タローベンジルモニウムヘクトライトが含まれる。
【0040】
毛髪繊維変性剤
本発明の組成物はさらに、毛髪繊維の硬さを減少させうる、1つまたはそれ以上の毛髪繊維変性剤を含む。毛髪繊維変性剤は、本発明による疎水的に変性された粘土と組合わせて用いられたときに、これらの組成物のヘアコンディショニング特性の点に関して特別な利点を与えることが発見されている。毛髪繊維変性剤は、本明細書の下記の実施例セクションにおいて記載された方法を用いて、毛髪繊維の硬さの変化を測定することによって当業者によって確認されうる。
【0041】
本発明への使用のための毛髪繊維変性剤は好ましくは、もとの(すなわち未処理)毛髪繊維の硬さに対して、少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、さらにより好ましくは少なくとも15%だけ、毛髪繊維の硬さを減少させうる。
【0042】
毛髪繊維変性剤は、25℃において水中に不溶性であってもよい(すなわち、1リットルあたり1グラム未満、好ましくは1リットルあたり0.1グラム未満の水中溶解性を有する)。このような毛髪繊維変性剤は典型的には、25℃で液体である。不溶性毛髪繊維変性剤の例には、次のものが含まれる(uは、原子質量単位を意味する):
− 鉱油、好ましくは低粘度および/または低分子量、典型的には600u以下(例えば120から600u)の分子量、および/またはLV1スピンドルを用いて18℃でブルックフィールド粘度計を用いて測定された場合4cSt(mmsec−1)以下の粘度を有するもの;例えば10から44個の炭素原子を有し、場合により1つまたはそれ以上のフェニル基を含んでいる、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和炭化水素を含んでいる油;
− 機能化された油、好ましくは、エーテル、エステル、ケト、アルデヒド、カルボキシル、アルコール、ジオール、ポリオール、アミノ、アミド、チオール、チオエーテルから選択された1つまたはそれ以上の基を含有し、好ましくは8から44個の炭素原子を含有する化合物;具体例は、イソアミルエーテル、イソプロピルミリステート、オクタン−2−オン、デシルアルコール、および1,10−デカンジオール;
− 糖質ポリエステル(例えば、4から36個の炭素原子を有するカルボン酸とスクロースとのエステル、例えばスクロースペンタエルケート);
− シリコーン油、好ましくは低分子量(例えば2,000u以下、例えば300から2,000u以下の分子量を有する)直鎖ジメチコーンまたはシクロメチコーン;適切な商品は、ダウ・コーニング(Dow Corning)からのDC245である;
− トリグリセリド油、好ましくは、(C=O基の炭素原子を含む)6から24個の炭素原子を含んでいるアシル基を含有するもの。
【0043】
上記の型の特に好ましい毛髪繊維変性剤は、炭化水素油である。炭化水素油は、8から16個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルカンを含んでいてもよい。最も好ましい炭化水素油は、軽質鉱油、例えばパラフィン油、例えばC11−C13イソパラフィン油である。商品の一例は、エクソン(Exxon)から入手しうるイソパー(Isopar)L(商標)である。
【0044】
不溶性毛髪繊維変性剤は、典型的には疎水性である。毛髪繊維変性剤に関連した疎水性という用語は、これらの作用物質が、25℃において、水中よりもオクタン−1−オール中に、より大きい溶解性を有することを意味する。好ましくはこれらの作用物質は、1超、好ましくは2超、より好ましくは3超のlogP値(ここでPは、n−オクタノール/水分配係数であり、logPは、log10Pを意味する)を有する。logP値は、J.Sangster、「単純有機化合物のオクタノール−水分配係数(Octanol−water partition coefficients of Simple Organic Compounds)」、J Phys Chem Ref Data,18,1111,1989年に記載されているように決定することができる。これの内容は、参照により本明細書に組み込まれ、典型的には25℃において決定される。好ましくはlogP値は25℃において測定される。
【0045】
また、本発明における使用のための毛髪繊維変性剤は、25℃において水中に可溶であってもよい(すなわち、1リットルあたり少なくとも1グラムの水中溶解性を有する)。溶解性毛髪繊維変性剤の例には、次のものが含まれる:
− アミノ酸(例えば光学的に活性(例えば鏡像異性体)またはラセミ形態において自然発生する20のアミノ酸のいずれか)、例えばアルギニンおよびリシン;
− 尿素;
− メチルアミンまたはこれらのN−酸化物、例えばベタインおよびトリメチルアミン酸化物;
− 好ましくは1から12個の炭素原子を有し、場合により1つまたはそれ以上のヒドロキシル基を含むモノ−、ジ−、またはポリ−カルボン酸、例えばクエン酸および乳酸;
− 炭水化物、例えば単糖類または二糖類、例えばグルコースおよびスクロース;および
− ポリオール、例えばソルビトール、マンニトール、およびグリセロール。
【0046】
尿素が、特に好ましい水溶性毛髪繊維変性剤である。
【0047】
この1つまたはそれ以上の毛髪繊維変性剤は、組成物中に、0.001から10重量%、より好ましくは0.01から5重量%、最も好ましくは0.01から2重量%の量で存在する。
【0048】
カチオン性界面活性剤
本発明による組成物は、毛髪のトリートメント(典型的にはシャンプー後)および続くリンス用のコンディショナーとして配合される。
【0049】
これらの組成物は、化粧品として許容しうるものであって、毛髪への局所使用に適した、1つまたはそれ以上のコンディショニング界面活性剤を含んでいる。
【0050】
適切なコンディショニング界面活性剤には、単独でまたは混合物として用いられるカチオン性界面活性剤から選択されたものが含まれる。例には、第四アンモニウム水酸化物またはこの塩、例えば塩化物、例えば上記の型のものが含まれる。好ましくはカチオン性界面活性剤は、式:N1a2a3a4a(式中、R1a、R2a、R3a、およびR4aは独立して、(C〜C30)アルキルまたはベンジルである)を有する。好ましくはR1a、R2a、R3a、およびR4aの1つ、2つ、または3つは独立して、(CからC30)アルキルであり、他方の1つまたは複数のR1a、R2a、R3a、およびR4a基は、(CからC)アルキルまたはベンジルである。より好ましくは、R1a、R2a、R3a、およびR4aの1つまたは2つは独立して、(CからC30)アルキルであり、他方のR1a、R2a、R3a、およびR4a基は、(C−C)アルキルまたはベンジル基である。場合により、これらのアルキル基は、1つまたはそれ以上のエステル(−OCO−または−COO−)および/またはエーテル(−O−)結合を、アルキル鎖中に含んでいてもよい。アルキル基は場合により、1つまたはそれ以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい。アルキル基は直鎖または分岐鎖であってもよく、3個またはそれ以上の炭素原子を有するアルキル基の場合、環状である。これらのアルキル基は、飽和であってもよく、または1つまたはそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有してもよい(例えばオレイル)。アルキル基は場合により、アルキル鎖上で、1つまたはそれ以上のエチレンオキシ基でエトキシル化されている。
【0051】
本発明のヘアコンディショナーへの使用に適したカチオン性界面活性剤には、次のものが含まれる。すなわち、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、タロートリメチルアンモニウムクロライド、二水素化タロージメチルアンモニウムクロライド(例えばアクゾ・ノーベル(Akzo Nobel)からのアークアッド(Arquad)2HT/75)、ココトリメチルアンモニウムクロライド、PEG−2−オレアンモニウムクロライド、およびこれらの対応水酸化物である。さらなる適切なカチオン性界面活性剤には、クオターニウム−5、クオターニウム−31、およびクオターニウム−18というCTFA名称を有する材料が含まれる。前記材料のいずれかの混合物もまた、適切でありうる。本発明のヘアコンディショナーへの使用のために特に有用なカチオン性界面活性剤は、例えばヘキスト・セラニーズ(Hoechst Celanese)からのゲナミン(GENAMIN CTAC)として市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロライドである。本発明のヘアコンディショナーへの使用のためのもう1つの特に有用なカチオン性界面活性剤は、例えばクラリアント(Clariant)からのゲナミンKDMPとして市販されているベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドである。
【0052】
特に、少なくとも2つのカチオン性界面活性剤の組合わせが用いられるならば好ましい。この場合、1つの界面活性剤は、C16−C22アルキルトリメチルアンモニウム塩であり、第二界面活性剤は、式:N1a2a3a4a(式中、R1a、R2a、R3a、およびR4aは独立して、(C16からC22)アルキルであり、他方の1つまたは複数のR1a、R2a、R3a、およびR4a基は、(C−C)ヒドロカルビルである)を有する。
【0053】
単独で、または1つまたはそれ以上のほかのカチオン性界面活性剤とともに、本発明への使用に適したカチオン性界面活性剤の一種のもう1つの例は、下記の(i)と(ii)との組合わせである:
(i)一般式(I):
【0054】
【化3】

(式中、Rは、10またはそれ以上の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、
およびRは独立して、1から10個の炭素原子のヒドロカルビル鎖から選択され、および
mは、1から約10の整数である)に対応するアミドアミン;および
(ii)酸。
【0055】
本明細書において用いられているヒドロカルビル鎖という用語は、アルキルまたはアルケニル鎖を意味する。
【0056】
好ましいアミドアミン化合物は、式(I)(式中、
は、約11から約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、
およびRは各々独立して、1から約4個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基、好ましくはアルキル基であり、および
mは、1から約4の整数である)
に対応する化合物である。
【0057】
好ましくはRおよびRは、メチルまたはエチル基である。
【0058】
好ましくはmは、2または3、すなわちエチレンまたはプロピレン基である。
【0059】
本発明において有用な好ましいアミドアミンには、次のものが含まれる。すなわち、ステアラミド−プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物である。
【0060】
本発明において特に好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、およびこれらの混合物である。
【0061】
本発明において有用であり市販されているアミドアミンには、次のものが含まれる。すなわち、イノレックス(Inolex)(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)から入手しうるレキサミン(LEXAMINE)S−13、およびニッコー(NIKKO)(日本国東京)から入手しうるアミドアミン(AMIDOAMINE)MSPという商品名を有するステアラミドプロピルジメチルアミン、ニッコーから入手しうるアミドアミンSという商品名のステアラミドエチルジエチルアミン、クロダ(Croda)(英国ノース・ハンバーサイド(North Humberside))から入手しうるインクロミン(INCROMINE)BBという商品名のベヘナミドプロピルジメチルアミン、およびシャー(Scher)(米国ニュージャージー州クリフトン)から入手しうるシャーコジン(SCHERCODINE)シリーズという商品名の様々なアミドアミンである。
【0062】
本発明の組成物において、アミドアミン(i)のレベルは、この組成物の総重量を基準にして、好ましくは0.01から10重量%、より好ましくは0.1から7.5重量%、さらにより好ましくは0.2から6重量%、最も好ましくは0.2から5重量%である。
【0063】
酸(ii)は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンをプロトン化しうるあらゆる有機または無機酸であってもよい。本発明において有用な適切な酸には、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、およびこれらの混合物が含まれる。好ましくはこの酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0064】
この酸の主要な役割は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンをプロトン化、このようにして、ヘアトリートメント組成物中に現場で第三アミン塩(TAS)を形成する。このTASは、実際、非永久的第四アンモニウムまたは擬似第四アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0065】
適切にはこの酸は、存在するすべてのアミドアミンをプロトン化するのに十分な量で、すなわち、この組成物中に存在するアミドアミンの量と少なくとも等モルのレベルで含まれる。
【0066】
適切にはこの酸は、このヘアトリートメント組成物に、約2.5から約7.0、好ましくは約4から約6.5のpHを与えるのに十分な量で含まれる。
【0067】
典型的には、酸が存在するとき、本発明のヘアトリートメント組成物は、適切な酸約0.1から約10.0%、好ましくは約0.2から約5.0重量%を含んでいる。
【0068】
本発明のコンディショナーにおいて、カチオン性界面活性剤のレベルは、この組成物の、好ましくは0.01から10重量%、より好ましくは0.05から5重量%、最も好ましくは0.1から3重量%である。
【0069】
脂肪アルコール
本発明のコンディショナーはまた、脂肪アルコールも組み込んでいる。コンディショニング組成物における脂肪アルコールとカチオン性界面活性剤との組合わせ使用は、特に有利であると考えられるが、この理由は、このことが、カチオン性界面活性剤がこの中に分散されているラメラ相の形成につながるからである。
【0070】
適切な脂肪アルコールは、8から22個の炭素原子、より好ましくは16から22個を含んでいる。脂肪アルコールは典型的には、直鎖アルキル基を含有する化合物である。適切な脂肪アルコールの例には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、およびこれらの混合物が含まれる。これらの材料の使用はまた、これらが本発明の組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点においても有利である。
【0071】
本発明のコンディショナー中の脂肪アルコールのレベルは、この組成物の、都合よくは0.01から10重量%、好ましくは0.1から8重量%、より好ましくは0.2から7重量%、最も好ましくは0.3から6重量%である。カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比は、適切には1:1から1:10、好ましくは1:1.5から1:8、最適には1:2から1:5である。カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比が高すぎるならば、このことは、この組成物からの目の刺激につながることがある。これが低すぎるならば、これは、ある消費者にとって毛髪をきしむような感じにすることがある。
【0072】
ブロックコポリマー
本発明の組成物はまた、式1:
【0073】
【化4】

(式中、yの平均値は2から30であり、平均値xは、12から30であり、さらにx/yの値は1から6である)によるブロックコポリマーも含む。
【0074】
これは、ポリエチレンオキシド(EO)およびポリプロピレンオキシド(PO)ブロックをベースとするブロックコポリマーである。
【0075】
平均分子量は適切には、このポリマーについてのヒドロキシル数を決定し、ついでこれを分子量に転換することによって測定される。これは、数ベースの平均分子量に相当する。
【0076】
本発明による組成物中への組込みに適したブロックコポリマーは、BASF社によって商品名プルロニック(Pluronic)(登録商標)Rとして供給されている。これらは、メロキサポール(Meroxapol)というINCI名を有する。
【0077】
式1において、重合度xは、各ポリプロピレンオキシドブロックについてと同じものとして示される。分かりやすくするために、これらの重合度は平均値であり、ある特定の式について同一であるというよりもむしろほぼ同じであることが説明されるべきである。
【0078】
このことは、これらの化合物の生成に用いられた重合方法の結果である。
【0079】
適切にはブロックコポリマーのレベルは、この組成物の0.01から5重量%、好ましくは0.05から2重量%、より好ましくは0.07から0.5重量%である。
【0080】
式1中のyの平均値は、2から30、好ましくは3から20、より好ましくは4から15であるべきである。式1中のxの平均値は、12から30、好ましくは15から28であるべきである。
【0081】
式1中のxおよびyの値に対する制限に加えて、yによって割られたxの値(x/y)が1から6、より好ましくは2から4であることも必要である。
【0082】
コンディショニング剤
本発明の組成物はまた、1つまたはそれ以上のさらなるコンディショニング剤を含有してもよい。本明細書において用いられている「コンディショニング剤」という用語は、毛髪および/または皮膚へ特別なコンディショニング効果を与えるために用いられるあらゆる材料を包含する。例えば、適切な材料は、輝き、柔らかさ、櫛とおり(combability)、湿潤処理(wet−handling)、帯電防止特性、損傷からの保護、ふくらみ(body)、ボリューム、スタイリングのしやすさ(stylability)、およびまとめやすさ(manageablity)に関する、1つまたはそれ以上の効果をもたらすものである。
【0083】
本発明への使用に好ましいコンディショニング剤は、例えば毛髪への湿潤および乾燥コンディショニング効果、例えば柔らかさ、滑らかな感触、および櫛とおりの容易さを与えるために用いられる乳化シリコーンを含む。
【0084】
本発明への使用のためのシリコーンの粒子のエマルジョンの様々な製造方法が利用可能であり、当分野において周知であり、文献化されている。
【0085】
シリコーンこれ自体(エマルジョンまたは最終洗浄用組成物でなく)の粘度は好ましくは、25℃において10,000cSt(mmsec−1)から5百万cSt(mmsec−1)である。粘度は、さらに詳しく1970年7月20日のダウ・コーニング・コーポレート・テスト方法CTM004に示されているガラス毛管粘度計によって測定することができる。高粘度シリコーンの場合、動力学粘度は、一定せん断レオメーターを用いて、1sec−1の低いせん断速度で測定することができ、動粘度は、シリコーンの密度を用いて計算することができる。
【0086】
適切なシリコーンは、ポリジオルガノシロキサン、特にジメチコーンというCTFA名称を有するポリジメチルシロキサンを含む。一例は、25℃において100,000センチストークス(mmsec−1)までの粘度を有するジメチコーン流体であり、これは、ジェネラル・エレクトリック社からビスカシル(Viscasil)シリーズとして、およびダウ・コーニング社からDC200シリーズとして市販されている。
【0087】
アモジメチコーンというCTFA名称を有するアミノ官能性シリコーンもまた、ジメチコノールというCTFA名称を有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンのように、本発明の組成物への使用に適している。
【0088】
同様に適切なものは、シリコーンゴムである。「シリコーンゴム」は、200,000から1,000,000uの分子量を有するポリジオルガノシロキサンを示し、具体例には、ジメチコーンゴム、ジメチコノールゴム、ポリジメチルシロキサン/ジフェニル/メチルビニルシロキサンコポリマー、ポリジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポリマー、およびこれらの混合物が含まれる。この例には、米国特許第4,152,416号(Spitzer)において、およびジェネラル・エレクトリック・シリコーン・ラバーの製品データシートSE30、SE33、SE54、およびSE76に関して記載された材料が含まれる。
【0089】
同様に本発明への使用に適したものは、例えば第WO96/31188号に記載されているような、わずかな架橋度を有するシリコーンゴムである。これらの材料は、毛髪へ、ふくらみ、ボリューム、およびスタイリングのしやすさ、ならびに良好な湿潤および乾燥コンディショニングを付与しうる。
【0090】
本発明の組成物への使用に好ましい乳化シリコーンは、組成物中の平均シリコーン粒子直径(D3、2)100ミクロン未満、好ましくは30ミクロン未満、より好ましくは20ミクロン未満、最も好ましくは10ミクロン未満を有する。
【0091】
粒子サイズは、マルバーン・インストルメンツの2600Dパーティクル・サイザー(Particle Sizer)を用いて、レーザー光散乱技術によって測定することができる。
【0092】
本発明への使用に適したシリコーンエマルジョンは、予め乳化された形態において市販されている。これは特に好ましいが、この理由は、予め形成されたエマルジョンは、単純混合によって洗浄組成物中に組み込むことができるからである。
【0093】
予め形成された適切なエマルジョンの例には、ダウ・コーニングから入手しうるエマルジョンDC2−1766およびDC2−1784、およびDC1785が含まれる。これらは、ジメチコノールのエマルジョンである。架橋シリコーンゴムもまた、予め乳化された形態において入手しうる。これは、配合の容易さによって有利である。好ましい例は、ダウ・コーニングからDCX2−1787として入手しうる材料である。これは、架橋ジメチコノールゴムのエマルジョンである。
【0094】
本発明の組成物中に組み込まれるシリコーンコンディショニング剤の量は、所望のコンディショニングのレベルおよび用いられた材料による。好ましい量は、総組成物の0.01から約5重量%であるが、これらの限度は絶対的ではない。下限は、コンディショニングを達成する最小レベルによって決定され、上限は、毛髪および/または皮膚を許容しえないほど脂っぽくするのを避ける最大レベルよって決定される。本発明者らは、総組成物の0.5から4重量%のシリコーンの量が、特に適切なレベルであることを発見した。
【0095】
コンディショニング剤のさらに1つの好ましい種類は、ふくらみ、ボリューム、および毛髪のスタイリングのしやすさを向上させるために用いられるペルアルキ(ケニ)ル炭化水素材料である。
【0096】
第EP567326号および第EP498119号は、スタイリングのしやすさおよび向上したふくらみを毛髪に付与するのに適したペルアルキ(ケニ)ル炭化水素材料について記載している。好ましい材料は、プレスパース社(Presperse,Inc.)からペルメチル(PERMETHYL)という商品名で入手しうるポリイソブチレン材料である。
【0097】
本発明の組成物中に組み込まれたペルアルキ(ケニ)ル炭化水素材料の量は、所望のふくらみおよびボリュームの向上のレベル、および用いられた特定の材料による。好ましい量は、総組成物の0.01から約10重量%であるが、これらの限度は絶対的ではない。下限は、ふくらみおよびボリュームの向上効果を達成する最小レベルによって決定され、上限は、毛髪を許容しえないほど硬くするのを避ける最大レベルによって決定される。本発明者らは、総組成物の0.5から2重量%のペルアルキ(ケニ)ル炭化水素材料の量が、特に適切なレベルであることを発見した。
【0098】

本発明の組成物はまた、水も含んでいる。典型的には水は、この組成物の10から95重量%、好ましくは25から95重量%、より好ましくは30から95重量%、最も好ましくは35から95重量%の量で存在する。
【0099】
粘度向上剤
本発明の組成物はまた場合により、粘度向上剤を含んでいてもよい。
【0100】
粘度向上剤の例には、次のものが含まれる:
セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース;
セルロースエーテルの水溶性塩、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、およびナトリウムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース;
天然ゴム、例えばカラゲーナン、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガカントガム、およびグアールガムおよびこれらの誘導体、例えばヒドロキシプロピルグワール、およびグワールヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド;
無機増粘剤、例えばコロイドマグネシウムアルミニウムシリケート(ベーガム(Veegum))、細かく分割されたシリカ、天然粘土、例えばベントナイト、および合成粘土、例えばラポナイト(Laponite)(ラポート・インダストリーズ社(Laporte Industries Ltd.)から)として入手しうる合成ヘクトライト;
ビニル型ポリマー増粘剤、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナトリウムアクリレート/ビニルアルコールコポリマー、およびカルボキシビニルポリマー;例えばB.F.グッドリッチ(Goodrich)からカルボポールという商標で入手しうる、約0.75から2.0%のポリアリルスクロースまたはポリアリルペンタエリトリトールで架橋されたアクリル酸のポリマー。
【0101】
粘度向上剤として、セルロース誘導体、特にヒドロキシエチルセルロースが特に好ましい。
【0102】
ほかの成分
この発明の組成物は場合により、ヘアトリートメント配合物に通常用いられているあらゆるほかの成分を含有してもよい。これらのほかの成分は、粘度調整剤、防腐剤、着色剤、ポリオール、例えばグリセリンおよびポリプロピレングリコール、キレート化剤、例えばEDTA、酸化防止剤、香料、および日焼け止め剤を包含しうる。本発明の組成物中に、従来のポロキサマー、好ましくは10またはそれ以下のHLBを有する低HLBポロキサマーを含めることも可能である。これらの成分の各々は、この目的を達成するのに効果的な量で存在するであろう。一般にこれらの任意成分は、個々に、総組成物の約5重量%までのレベルで含まれる。
【0103】
使用法
本発明による毛髪のトリートメント方法は、本発明の組成物を毛髪に塗布する工程を含む。この方法は好ましくは、典型的には洗髪し、濯いだ後、濡れた毛髪への組成物の塗布を包含する。好ましくは、この組成物でのトリートメント後、トリートメントされた毛髪を、水で濯ぎ、室温以上の温度で乾燥するか、室温で乾かしておく。
【0104】
本発明はここで、次の非限定的な実施例を参照により例証される。実施例において、およびこの明細書全体において、すべてのパーセンテージは、ほかの指摘がなければ、総組成物の重量パーセントである。
【実施例】
【0105】
表1の詳細にしたがって、組成物を調製した。
【0106】
【表1】

【0107】
表1中のすべての数字は、活性成分について、総組成物の重量パーセントとして表示される。プルロニック31R1は、式1によるものであり、x=27およびy=8(約)を有する。x/yは3.4である。
【0108】
実施例Aは、比較例であり、一方、実施例1は本発明による。
【0109】
これらの組成物は、ハーフヘッド(half−head)テストにおいて比較した。この場合、被験者は、頭の半分を洗浄し、ついでAでコンディショニングし、他方の半分を洗浄し、1でコンディショニングした。表2中のデータは、ひとたび乾燥された毛髪について、列挙された属性について、Aか1のどちらかを好むパネリストの人数を表わす。
【0110】
これらの結果は、本発明による組成物が、毛髪の滑らかさおよび滑りに関連した属性について非常に好まれることを示している。
【0111】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
pH8またはそれ以下のヘアコンディショニング組成物であって、
(a)1つまたはそれ以上のカチオン性界面活性剤0.01から10重量%;
(b)8から22個の炭素原子を有する1つまたはそれ以上の脂肪アルコール0.01から10重量%;
(c)疎水的に変性された粘土0.001から5重量%;
(d)水10から95重量%;および
(e)毛髪繊維の硬さを減少させうる毛髪繊維変性剤0.001から10重量%
を含み、カチオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比が1:1から1:10である組成物において、さらに式:
【化1】

(式中、yの平均値が、2から30であり、平均値xが12から30であり、さらにx/yの値が1から6である)
によるブロックコポリマー0.01から5重量%も含むことを特徴とする、前記組成物。
【請求項2】
毛髪繊維変性剤が、鉱油;エーテル、エステル、ケト、アルデヒド、カルボキシル、アルコール、ジオール、ポリオール、アミノ、アミド、チオール、およびチオエーテルから選択された1つまたはそれ以上の基を含み、8から44個の炭素原子を含有する機能化された油(functionalized oil);糖質ポリエステル;シリコーン油;トリグリセリド油、およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記毛髪繊維変性剤が炭化水素油である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記毛髪繊維変性剤がイソプロピルミリステートである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記毛髪繊維変性剤が、アミノ酸;尿素;メチルアミンおよびこれらのN−酸化物;モノ−、ジ−、またはポリ−カルボン酸;炭水化物;ポリオール、およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記毛髪繊維変性剤が尿素である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記疎水的に変性された粘土は、酸素、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、およびこれらの混合物から選択された元素を前記粘土の少なくとも75重量%含んでいる、膨張性(expandable)三層粘土である、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記疎水的に変性された粘土は、疎水的に変性されたベントナイト粘土である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記粘土が、6から30個の炭素原子を含んでいる少なくとも1つのヒドロカルビル基を含むカチオンの粘土中への交換によって疎水的に変性される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記カチオンが、式:N(式中、R、R、R、およびRは独立して、(C−C30)ヒドロカルビル基である)を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
シリコーンコンディショニング剤0.01から5重量%もさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物を毛髪へ塗布する工程を含む、毛髪のトリートメント方法。
【請求項13】
毛髪のコンディショニングのための、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2007−509090(P2007−509090A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535998(P2006−535998)
【出願日】平成16年10月11日(2004.10.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011463
【国際公開番号】WO2005/039517
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】