説明

ヘッドマウントディスプレイ,及びその輝度調整方法

【課題】
非表示状態から表示状態へ切り替える時にユーザが映像を正確に視認すること。
【解決手段】
ヘッドマウントディスプレイ1は、映像を表示する表示部15、16と、表示部15、16に映像を表示する表示状態と、表示部15,16に映像を表示しない非表示状態との間で切り替える切替部6と、表示部15,16に表示される映像の輝度を調整する輝度調整部13、14と、外光量を検知する外光検出部5と、を備える。輝度調整部13,14は、切替部6により非表示状態から表示状態へ切り替えられるとき、非表示状態における表示部15,16の輝度から、表示状態において表示部15,16に表示される映像の輝度まで、映像の輝度を増加させるための時間当たり変化する輝度変化量Aを、外光検出部5により検知された外光量Lに応じて調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示している表示状態と映像を表示していない非表示状態との間で切り替える時に徐々に映像の輝度を変化させるヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、シースルー型のヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと称する)が開示されている。ユーザは、ハーフミラーの一例としてのレンズ部を通して投影される映像を見ながら、レンズ部を通して外部の景色を視認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−267887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが、切替部の一例としての電源スイッチを押すと、表示部の一例としての表示装置は、非表示状態から、瞬時に映像が投影される表示状態に切り替わる。表示装置に瞬時に映像が表示されると、映像がレンズ部に投影され、ユーザの眼前に急に現れる。これにより、ユーザは映像の明るさに目が慣れるまで映像を正確に視認できない恐れがあった。例えば、ユーザが暗い場所にいる場合、ユーザの眼が暗闇に慣れてしまっているために、より顕著となる。また、もう一度電源スイッチを押すと、表示状態から、瞬時に映像が消える非表示状態に切り替わる。瞬時に映像が消えると、映像が眼前から急になくなる。これにより、ユーザの眼に表示されていた映像が残像として残り、ユーザは映像を正確に視認できない可能性があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、非表示状態と表示状態との間で切り替える時に映像表示に関してユーザが映像を正確に視認することができるヘッドマウントディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイは、ユーザの眼前に装着されるヘッドマウントディスプレイであって、映像を表示するための表示部と、前記表示部が映像を表示する表示状態と、前記表示部が映像を表示しない非表示状態との間で切り替える切替部と、前記表示部により表示される映像の輝度を調整する輝度調整部と、外光量を検知する外光検出部と、を備え、前記輝度調整部は、前記切替部により前記非表示状態及び前記表示状態の一方から他方へ切り替えられるとき、前記非表示状態における前記表示部の輝度から、前記表示状態において前記表示部により表示される映像の輝度まで、映像の輝度を増加又は減少させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検出部により検知された前記外光量に応じて調整することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイは、前記輝度調整部は、前記切替部により前記非表示状態から前記表示状態へ切り替えられるとき、前記非表示状態における前記表示部の輝度から、前記表示状態において前記表示部により表示される映像の輝度まで、映像の輝度を増加させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検出部により検知された前記外光量に応じて調整する増加調整部を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイは、前記輝度調整部は、前記切替部により前記表示状態から前記非表示状態へ切り替えられるとき、前記表示状態において前記表示部により表示されている映像の輝度から、前記非表示状態における前記表示部の輝度まで、映像の輝度を減少させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検出部により検知された前記外光量に応じて調整する減少調整部を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載のヘッドマウントディスプレイは、前記外光検出部によって検知された前記外光量が所定値より大きいか否かを判断する判断部を備え、前記輝度調整部は、前記判断部が前記検知された外光量が前記所定値より大きいと判断した場合、前記輝度変化量を第1の値に調整し、前記判断部が前記検知された外光量が前記所定値以下であると判断した場合、前記輝度変化量を前記第1の値より小さい第2の値に調整することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載のヘッドマウントディスプレイは、ユーザの眼前に配置され、前記表示部から投影された映像を反射させ眼に導くハーフミラーを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載のヘッドマウントディスプレイは、ユーザが前記ヘッドマウントディスプレイを装着したか否かを検知する装着検出部を備え、前記輝度調整部は、前記装着検出部が前記ヘッドマウントディスプレイの装着を検知した場合、前記切替部により前記表示状態と前記非表示状態との間で切り替えられるとき、前記輝度変化量を調整し、前記装着検出部が前記ヘッドマウントディスプレイの装着を検知していない場合、前記切替部により前記表示状態と前記非表示状態との間で切り替えられるとき、前記輝度変化量を調整しないことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載のヘッドマウントディスプレイは、前記表示部は、前記映像に対応した空間変調パターンを形成する光変調部と、前記光変調部に映像を描画する表示制御部と、を有し、前記輝度調整部は、前記光変調部の背面から光を照らす光源と、前記光源の光量を調整する光源制御部と、を有し、前記光源制御部は前記光源の光量を調整することで前記光変調部に表示される映像の前記輝度変化量を調整することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の輝度調整方法は、ユーザの眼前に装着されるヘッドマウントディスプレイに備えられた表示部により表示される映像の輝度を調整する輝度調整方法であって、前記表示部が映像を表示する表示状態と、前記表示部が映像を表示しない非表示状態との間で切り替える切替ステップと、外光量を検知する外光検知ステップと、前記表示部により表示される映像の輝度を調整する調整ステップと、を備え、前記調整ステップは、前記切替ステップにおいて前記非表示状態から前記表示状態へ切り替えられるとき、前記非表示状態における前記表示部の輝度から、前記表示状態において前記表示部により表示される映像の輝度まで、映像の輝度を増加させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検知ステップにより検知された前記外光量に応じて調整する増加調整ステップと、前記切替ステップにおいて前記表示状態から前記非表示状態へ切り替えられるとき、前記表示状態において前記表示部により表示されている映像の輝度から、前記非表示状態における前記表示部の輝度まで、映像の輝度を減少させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検知ステップにおいて検知された前記外光量に応じて調整する減少調整ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイによれば、切替部により非表示状態及び表示状態の一方から他方へ切り替えられたとき、外光検出部により検知された外光量に応じて、輝度調整部は表示部に表示される映像の輝度が時間当たり変化する輝度変化量を調整する。外光量に応じて輝度変化量を調整することにより、切替部により非表示状態及び表示状態の一方から他方へ切り替えられたとき、ユーザは映像を正確に視認することができる。さらに、表示状態での映像の輝度まで速やかに変化させることができる。さらに、非表示状態の輝度まで速やかに変化させることができる。
【0015】
請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイによれば、切替部により非表示状態から表示状態へ切り替えられたとき、外光検出部により検知された外光量に応じて、輝度調整部は表示部に表示される映像の輝度が時間当たり変化する輝度変化量を調整する。外光量に応じて輝度変化量を調整することにより、切替部により非表示状態から表示状態へ切り替えられたとき、ユーザは映像を正確に視認することができるとともに、表示状態での映像の輝度まで速やかに変化させることができる。
【0016】
請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイによれば、切替部により表示状態から非表示状態へ切り替えられたとき、外光検出部により検知された外光量に応じて、輝度調整部は表示部に表示される映像の輝度が時間当たり変化する輝度変化量を調整する。外光量に応じて輝度変化量を調整することにより、切替部により非表示状態から表示状態へ切り替えられたとき、ユーザの眼に表示されていた映像が残像として残ることを低減し、ユーザは映像を正確に視認することができ、非表示状態の輝度まで速やかに変化させることができる。
【0017】
請求項4に記載のヘッドマウントディスプレイによれば、判断部が外光量が所定値より大きいと判断した場合、輝度調整部は、輝度変化量を第1の値とし、判断部が外光量が所定値以下であると判断した場合、輝度変化量を第1の値より小さい第2の値とする。これにより、ユーザの周囲が明るい場合は、ユーザの眼に入射する映像の光量と周囲の外光量とのコントラストが小さい。このため、輝度変化量を比較的大きくする、即ち比較的早く映像が表示される。また、ユーザの周囲が暗い場合は、映像の光量と周囲の外光量とのコントラストが大きい。このため、輝度変化量を比較的小さくする、即ち比較的ゆっくり映像が表示される。これにより、外光量に応じてユーザが正確な視認が可能な映像表示を行うことができる。
【0018】
請求項5に記載のヘッドマウントディスプレイによれば、ユーザがヘッドマウントディスプレイを装着したか否かを検知する装着検出部を備える。これにより、ユーザがヘッドマウントディスプレイを装着した場合のみ輝度変化量を調整することができる。即ち、輝度変化量を調整する必要性がある適切な状況のときのみ輝度変化量を調整する。逆にユーザがヘッドマウントディスプレイを装着していない状況では、輝度変化量を調整するという複雑な処理を施す必要がなく、輝度調整処理の簡易化を図ることができる。
【0019】
請求項6に記載のヘッドマウントディスプレイは、光源制御部を備える。これにより、光源制御部により光源の光量が調整されるだけで、容易に映像の輝度変化量を調整することができる。
【0020】
請求項7に記載の輝度調整方法によれば、切替ステップにより表示状態と非表示状態との間で切り替えられたとき、外光検知ステップにより検知された外光量に応じて、調整ステップは表示部に表示される映像の輝度が時間当たり変化する輝度変化量を調整する。外光量に応じて輝度変化量を調整することにより、瞬時に映像が表示された場合でも、ユーザは映像を正確に視認することができるとともに、表示状態での映像の輝度まで速やかに変化させることができる。また、瞬時に映像が消された場合でも、ユーザの眼に表示されていた映像が残像として残ることを低減し、ユーザに不快感を与えることを防ぐとともに、非表示状態の輝度まで速やかに変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ヘッドマウントディスプレイ1の全体構成を示す外観図。
【図2】ヘッドマウントディスプレイ1の電気的構成を示すブロック図。
【図3】映像が非表示状態から表示状態に、または表示状態から非表示状態に、移行する際のCPU10の内部処理を示すフローチャート。
【図4】映像が非表示状態から表示状態に、または表示状態から非表示状態に、移行する場合に映像の輝度が変化する様子を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、ヘッドマウントディスプレイ1を上方から見た外観図である。図1に示すように、ヘッドマウントディスプレイ1は、ユーザがハーフミラー4に投影される映像を視認しながら、外界も視認することができるシースルー型のヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと称する)である。ヘッドマウントディスプレイ1は、頭部装着部2と、フレーム3と、を備える。
【0023】
頭部装着部2は、映像光をユーザHの眼前に投影する装置である。映像光は、図示しないケーブルによって伝送された映像信号が、後述する映像生成部によって変換されることで、生成される。頭部装着部2は、ハーフミラー4と、外光検出部5と、切替部6と、装着検出部7と、映像入力部8と、備える。
【0024】
映像入力部8は、図示しないケーブルを介して、映像信号を受信する。映像信号は、例えばHDMI形式である。映像入力部8は、例えばHDMI端子である。
【0025】
ハーフミラー4は、映像生成部から出射された映像光が投影されるミラーである。ユーザは、ハーフミラー4を通して、外界の景色を視認しつつ、ハーフミラー4に投影された映像光を視認することができる。ハーフミラー4は、例えば、透過率が所定の割合(例えば50%)となるように、金属薄膜が成膜されたガラスまたは透明樹脂などの板材で構成される。
【0026】
外光検出部5は、ユーザの眼前の外光を検知する。外光検出部5は、例えば、眼前の照度に応じた検出信号を出力する照度センサである。
【0027】
切替部6は、ユーザにより操作可能に構成され、ハーフミラー4に映像光が投影される表示状態から、ハーフミラー4に映像光が投影されない非表示状態に切り替える。また、切替部6は、ハーフミラー4に映像光が投影されない非表示状態からハーフミラー4に映像光が投影される表示状態に切り替える。切替部6は、例えば、ボタンの押圧操作により表示状態および非表示状態のいずれかに切り替える構成を有す。
【0028】
装着検出部7は、ヘッドマウントディスプレイ1がユーザの頭部Hに装着されたか否かを検知する。装着検出部7は、例えば、距離センサである。装着検出部7は、赤外線LEDと、赤外線センサと、を備える。赤外線LEDは赤外光を出射する。赤外線センサは、ユーザの頭部により反射された赤外光を検出する。
【0029】
フレーム3は、頭部装着部2を支持する。フレーム3は、頭部装着部3をユーザの頭部Hに装着した状態において、ユーザの眼とハーフミラー4とが対向するよう形成される。フレーム3は、例えば眼鏡のフレーム形状を有す。
【0030】
図2は、ヘッドマウントディスプレイ1の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、映像生成部10は、映像入力部8を介して映像信号が入力され、映像信号を基に、映像光を出射する装置である。映像生成部10は、CPU17と、ROM11と、RAM12と、光源制御部13と、光源14と、表示制御部15と、光変調部16と、システムバス18と、を備える。CPU17は、ROM11およびRAM12と共に、コンピュータを構成する。システムバス18は、外光検出部5と、切替部6と、装着検出部7と、映像入力部8と、CPU17と、ROM11と、RAM12と、光源制御部13と、表示制御部15と、にそれぞれ接続される。
【0031】
ROM11は、後述するフローチャートに従った処理を実現するためのプログラムを記憶する。そのプログラムは、CPU17によりRAM12を用いて実行される。またROM11は、後述する設定輝度BDmax、最小輝度BDmin、所定の光量L1、L2、L3、L4、L5、L6、所定の輝度変化量A1、A2、A3、A4、A5、A6を記憶する。
【0032】
RAM12は、CPU17がROM11に記憶されるプログラムを実行する際に参照する各種変数などを記憶しておく一時記憶領域として機能する。各種変数は、後述する外光量Lを記憶する。
【0033】
光源制御部13は、光源14に接続される。光源制御部13は、切替部6により非表示状態から表示状態に切り替えられた際に、光源14からの光の光量が徐々に大きくなるような輝度制御信号を出力する。光源制御部13は、切替部6により表示状態から非表示状態に切り替えられた際に、光源14からの光の光量が徐々に小さくなるような輝度制御信号を出力する。
【0034】
光源14は、光源制御部13から出力された輝度制御信号によって、所定の光量で光を出射する。光源14から出射された光は、光変調部16により変調され、集光レンズにて集光された後、映像光としてハーフミラー4に投影される。光源14は、例えばLEDである。
【0035】
表示制御部15は、光変調部16に接続される。表示制御部15は、映像入力部8から出力された映像信号を受信し、その映像信号に含まれる色、グレースケール等の情報を基に、映像光が表示されるよう表示制御信号を光変調部16に出力する。
【0036】
光変調部16は、表示制御部15から出力された表示制御信号を基に、光源14から出射された光が変調されるよう作動する。光変調部16は、例えばLCDである。
【0037】
図3は、光変調部16の状態が非表示状態から表示状態に、または表示状態から非表示状態に、移行する際にCPU10が実行する輝度制御プログラムの処理を示すフローチャートである。図3の輝度制御プログラムに従って、CPU10の処理が開始される。フローチャートに示す各ステップは、CPU10の処理を示す。
【0038】
図示しない電源ボタンが押され、ヘッドマウントディスプレイ1への電源が投入されると、ステップ100において、輝度制御プログラムが開始される。
【0039】
ステップ101では、ヘッドマウントディスプレイ1がユーザの頭部Hに装着されたことが装着検出部7によって検知されたか否かを判断する。ヘッドマウントディスプレイ1の装着の検知が判断された場合、ステップ102へ進む。ヘッドマウントディスプレイ1の装着が検知されない場合、ステップ101を繰り返す。
【0040】
ステップ102では、切替部6によって非表示状態から表示状態へ切替られたか否かを判断する。切替部6によって非表示状態から表示状態へ切り替えられたと判断された場合、ステップ103へ進む。切替部6によって非表示状態から表示状態へ切り替えられたと判断されなかった場合、ステップ102を繰り返す。
【0041】
ステップ103では、外光量Lの検出を外光検出部5に指令する。外光検出部5により検出された外光量Lは、RAM12に記憶される。
【0042】
ステップ104では、外光量Lが所定の光量L1以上であるか否かを判断する。外光量Lが光量L1以上であった場合、ステップ105へ進む。外光量Lが所定の光量L1より小さい場合、ステップ106へ進む。所定の光量L1は、ROM11に予め記憶されている。
【0043】
ステップ105では、ステップ104で外光量Lが光量L1以上であると判断された結果、輝度変化量A=A1とする。そして、ステップ109へ進む。所定の輝度変化量A1は、ROM11に予め記憶されている。
【0044】
ステップ106では、外光量Lは所定の光量L1より小さく、かつ外光量Lは所定の光量L2以上であるか否かを判断する。外光量Lが所定の光量L1より小さく、かつ外光量Lは所定の光量L2以上である場合、ステップ107へ進む。外光量Lが所定の光量L2より小さい場合、ステップ108へ進む。所定の光量L2は、ROM11に予め記憶されている。
【0045】
ステップ107では、ステップ106で外光量Lは所定の光量L1より小さく、かつ外光量Lは所定の光量L2以上であると判断された場合、輝度変化量A=A2とする。所定の輝度変化量A2は、ROM11に予め記憶されている。輝度変化量A2は、輝度変化量A1より小さい。ステップ107の処理後に、ステップ109へ進む。
【0046】
ステップ108では、ステップ106で外光量Lは所定の光量L1以上であると判断された場合、輝度変化量A=A3とする。所定の輝度変化量A3は、ROM11に予め記憶されている。輝度変化量A3は、輝度変化量A2より小さい。ステップ108の処理後に、ステップ109へ進む。
【0047】
ステップ109では、光源14の光量が最小輝度BDminに設定するように光源制御部13に指令する。この指令に従って、光源14の光量が、光源制御部13によって最小輝度BDminに設定される。最小輝度BDminは、例えば0cd/mであり、ROM11に予め記憶されている。
【0048】
ステップ110では、映像表示を非表示状態から表示状態へ変更することを表示制御部15に指令する。この指令を受けた表示制御部15は、映像入力部8に入力された映像信号を基に、光源14から出射される光が映像信号に従った映像光になるように光変調部16を制御する。
【0049】
ステップ111では、輝度変化量Aに応じて輝度を増加させるように光源制御部13に指令する。この指令に従って、光源14の光量が、光源制御部13によって最小輝度BDminから設定輝度BDmaxになるまで徐々に増加される。輝度変化量Aは、外光量Lが大きいほど変化量Aが小さくなるよう決定される。さらに、輝度変化量Aは、後述する最小輝度BDminから設定輝度BDに到達するまでの時間Tに応じて、決定される。具体的には、輝度変化量Aは、最小輝度BDminから設定輝度BDに到達するまでの時間Tが0.1秒〜1.0秒の間になるよう定められる。設定輝度BDmaxは、例えば600cd/mであり、ROM11に予め記憶されている。
【0050】
ステップ112では、切替部6によって表示状態から非表示状態へ切替られたか否かを判断する。表示状態から非表示状態へ切り替えられたと判断された場合、ステップ113へ進む。表示状態から非表示状態へ切り替えられたと判断されなかった場合、ステップ112を繰り返す。
【0051】
ステップ113では、外光量Lを検出するように外光検出部5に指令する。外光検出部5により検出された外光量Lは、RAM12に記憶される。
【0052】
ステップ114では、外光量Lが所定の光量L3以上であるか否かを判断する。外光量Lが所定の光量L3以上であった場合、ステップ115へ進む。外光量Lが所定の光量L3より小さい場合、ステップ116へ進む。
【0053】
ステップ115では、ステップ114で外光量Lが所定の光量L3以上であると判断された場合、輝度変化量A=A4とする。そして、ステップ115へ進む。
【0054】
ステップ116では、外光量Lは所定の光量L3より小さく、かつ外光量Lは所定の光量L4以上であるか否かを判断する。外光量Lが所定の光量L3より小さく、かつ外光量Lは所定の光量L4以上である場合、ステップ117へ進む。外光量Lが所定の光量L4より小さい場合、ステップ118へ進む。
【0055】
ステップ117では、ステップ116で外光量Lは所定の光量L3より小さく、かつ外光量Lは所定の光量L4以上であると判断された場合、輝度変化量A=A5とする。ステップ117の処理後、ステップ119に進む。
【0056】
ステップ118では、ステップ116で外光量Lは所定の光量L4より小さいと判断された場合、輝度変化量A=A6とする。ステップ118の処理後、ステップ119に進む。
【0057】
ステップ119では、外光量Lが大きいほど変化量Aが小さくなるような輝度変化量Aに応じて輝度が最小輝度BDminになるまで減少するように光源制御部13に指令する。この指令に従って、光源14の光量が、光源制御部13によって最小輝度BDminになるまで徐々に減少される。最小輝度BDminは、例えば0cd/mである。
【0058】
ステップ120では、映像表示を表示状態から非表示状態へ変更することを表示制御部15に指令する。この指令を受けた表示制御部15は、映像入力部8に入力された映像信号を基に、光変調部16を初期化する。
【0059】
図示しない電源ボタンが押され、ヘッドマウントディスプレイ1への電源が遮断されると、ステップ121において、輝度制御プログラムが終了する。
【0060】
図4は、光変調部16の状態が非表示状態から表示状態に、または表示状態から非表示状態に、移行する様子を、横軸に時間、縦軸に輝度を取り、示した説明図である。輝度変化量A1は、例えば最小輝度BDmin=0cd/mから設定輝度BDmax=600cd/mに到達するまでの時間T1が0.1秒となるように定められた値である。輝度変化量A2は、例えば最小輝度BDmin=0cd/mから設定輝度BDmax=600cd/mに到達するまでの時間T2が0.4秒となるように定められた値である。輝度変化量A3は、例えば最小輝度BDmin=0cd/mから設定輝度BDmax=600cd/mに到達するまでの時間T3が1.0秒となるように定められた値である。輝度変化量A4は、例えば設定輝度BDmax=600cd/mから最小輝度BDmin=0cd/mに到達するまでの時間T4が0.1秒となるように定められた値である。輝度変化量A5は、例えば設定輝度BDmax=600cd/mから最小輝度BDmin=0cd/mに到達するまでの時間T5が0.3秒となるように定められた値である。輝度変化量A6は、例えば設定輝度BDmax=600cd/mから最小輝度BDmin=0cd/mに到達するまでの時間T6が0.8秒となるように定められた値である。外光量Lの閾値である所定の光量L1、L3は、500ルクスである。500ルクスは、標準的なオフィスの明るさに相当する。外光量Lの閾値である所定の光量L2、L4は、100ルクスである。100ルクスは、街灯の明るさに相当する。
【0061】
図3に示す輝度制御プログラムの処理に従って実行される輝度増加動作と輝度減少動作とを、図4を用いて具体的に説明する。まず、ステップ100で、ユーザが電源投入のために電源ボタンを押すと、ステップ101で、ユーザの頭部にヘッドマウントディスプレイ1が装着されたことが検知される。ユーザは、ヘッドマウントディスプレイ1を装着したまま、ハーフミラー4を通して周囲の状況を見ながら所定の作業などを行うことができる。ユーザは、所定の作業中に、任意の時点でマニュアル情報などの必要な情報を見たい場合、または、その情報が必要でなくなった場合に、切替部6を操作する。ヘッドマウントディスプレイ1の装着が検知された状態で、切替部6が押されると、輝度増加動作、または輝度減少動作が実行される。
【0062】
〔輝度増加動作〕
ステップ102で、切替部6が押され、非表示状態から表示状態へ切り替えられると、ステップ103で、外光量Lが検出される。この時、外光量Lは、300ルクスであったとする。ステップ104で、所定の光量L1=500ルクスで、外光量L=300ルクスであるため、外光量Lは所定の光量L1より小さく、ステップ106へ進む。ステップ106で、所定の光量L2=100ルクスで、外光量L=300ルクスであるため、外光量Lは所定の光量L1より小さく、かつ外光量Lは所定の光量L2以上であると判断される。ステップ107で、所定の輝度変化量A=A2は設定される。ステップ109で、最小輝度0ルクスに設定される。ステップ110で、非表示状態から表示状態へ変更される。図4に示すように、ステップ111で、所定の輝度変化量A2と設定されているために、時間T2=0.4秒であり、非表示状態から表示状態へ変更されてから0.4秒後に設定輝度BDに達するように輝度が徐々に増加される。
【0063】
〔輝度減少動作〕
ステップ112で、切替部6が押され、表示状態から非表示状態へ切り替えられると、ステップ113で、外光量Lが検出される。この時、外光量Lは、50ルクスであったとする。ステップ114で、所定の光量L1=500ルクスで、外光量L=50ルクスであるため、外光量Lは所定の光量L1より小さく、ステップ116へ進む。ステップ116で、所定の光量L2=100ルクスで、外光量L=50ルクスであるため、外光量Lは所定の光量L2より小さく、ステップ118へ進む。ステップ118で、所定の輝度変化量A=A3と設定される。図4に示すように、ステップ119で、所定の輝度変化量A3と設定されているために、時間T3=1.0秒となり、ステップ118で輝度変化量A3と設定されてから1.0秒後に、設定輝度BDから最小輝度0ルクスに達するように、輝度が輝度増加動作よりもゆっくりと減少される。ステップ120で、ステップ110で、表示状態から非表示状態へ変更される。ステップ121で、ユーザが電源遮断のために電源ボタンを押すと、輝度制御プログラムが終了する。
【0064】
〔使用例〕
本実施形態のHMD1は、例えば工場内での作業支援に用いられる。作業者は、通常、紙で書かれたマニュアルを手元に置いて見ながら、手作業で部品を組み立てる。マニュアルは、組み立て工程図、組み立て時の注意点が明記されている。この場合、作業者は、マニュアルと、部品と、を交互に視線を移動させながら、作業を行わなくてはならない。本実施形態のHMD1に表示される映像は、例えば部品の組立工程図、部品組立時の注意点、等のマニュアルである。これにより、作業者は、部品と、マニュアルと、を見るための視線移動を極力少なくすることができる。その結果、作業者の作業効率を向上させることができる。
【0065】
本実施形態のHMD1は、例えば映画館等の字幕表示に用いられる。HMD1に表示される映像は、例えば映画の字幕である。これにより、映画館の観客は、上映前の明るい状況で字幕を見る場合、上映中の暗い状況で字幕を見る場合、で観客が字幕を見たいと考え切替部6を押した際に、観客に不快感を与えることなく、字幕を表示することができる。
【0066】
〔実施例の効果〕
装着検出部7は、頭部に向けて赤外光を出射する赤外光源と、赤外光源から出射され、頭部により反射された赤外光を検知する赤外検知部と、を備える。これにより、ヘッドマウントディスプレイ等に備えられるボタンが押されたか否かにより装着を検知する場合と比較して、ユーザが頭部に装着したか否かをユーザに煩雑な操作を課すことなく、容易に検知することができる。
【0067】
時間T1は、0.1秒以上となる値である。仮に、時間T1が0.1秒より小さいと、ユーザは映像が眼前に瞬時に表示されたと感じ、ユーザに不快感を与える可能性がある。時間T1を0.1秒以上とすることで、表示時間が早すぎてユーザに不快感を与える可能性がなくなる。
【0068】
時間T3は、1.0秒以下となる値である。仮に、時間T3が1.0秒より大きいと、ユーザは映像が眼前に完全に現れるまでに時間がかかり過ぎると感じ、ユーザに不快感を与える可能性がある。時間T3を1.0秒以下とすることで、表示時間が遅すぎてユーザに不快感を与える可能性がなくなる。
【0069】
所定の光量L1は、500ルクス以下である。500ルクスは、標準的なオフィスの光量に相当する。明るいオフィスでヘッドマウントディスプレイを用いる場合は、所定の輝度変化量A1とし、暗いオフィスで用いる場合は、所定の輝度変化量A2とする。これにより、オフィス用途に適したヘッドマウントディスプレイを提供することができる。
【0070】
HMD1は、ユーザの眼前に配置され、光変調部16から投影された映像を反射させ眼に導くハーフミラー4を備える。眼前の映像と周囲の景色とが同時に見える状況では、瞬時に映像を切り替えると、特にユーザの眼に悪影響を与えやすい。ハーフミラー4を備えるHMD1、即ち透過型のヘッドマウントディスプレイの輝度変化量を調整することによって、没入型のヘッドマウントディスプレイと比較して、ユーザはより正確に映像を視認することができる。
【0071】
〔変形例〕
本実施形態では、切替部6はユーザが押圧操作可能なボタンの構成を有すが、PCなどの外部装置から送信される切替指令を受信して輝度調整部に切替指令を供給する手段であっても構わない。また、切替部6はユーザの手動操作によって切替動作を行うが、ユーザがHMD1を装着すると自動的に非表示状態から表示状態へ切り替え、ユーザがHMD1を外すと自動的に表示状態から非表示状態へ切り替える構成であってもよい。
【0072】
本実施形態では、最小輝度BDmin=0cd/mであったが、BDmin=0cd/mである必要はない。ステップ111において速やかに設定輝度BDmaxに到達させるために、例えば最小輝度BDmin=100cd/mとしてもよい。
【0073】
本実施形態では、設定輝度BDmax=600cd/mであったが、BDmax=600cd/mでなくてもよい。例えばHMD1に設定輝度調整手段が備えられており、ユーザの所定の操作により設定輝度BDmaxを大きくしたり、設定輝度BDmaxを小さくしたりしてもよい。これにより、ユーザは、映像表示の輝度をユーザが視認しやすい適切な輝度に調整することができる。
【0074】
また、最小輝度BDminから設定輝度BDmaxに到達するまでの時間T1、T2、T3を固定し、時間T1、T2、T3に応じて、輝度変化量A1、A2、A3を変えても良い。これにより、最小輝度BDminから設定輝度BDmaxまでの光量差が比較的小さい場合、時間T1が極端に短くなり、ユーザが映像を正確に視認できなくなることを防ぐことができる。同様に、最小輝度BDminから設定輝度BDmaxまでの光量差が比較的大きい場合、時間T3が極端に長くなり、ユーザに映像表示が遅い等の不快感を与えることを防ぐことができる。
【0075】
同様に、設定輝度BDmaxから最小輝度BDminに到達するまでの時間T4、T5、T6を固定し、時間T4、T5、T6に応じて、輝度変化量A4、A5、A6を変えても良い。これにより、設定輝度BDmaxから最小輝度BDminまでの光量差が比較的小さい場合、時間T4が極端に短くなり、ユーザが映像を正確に視認できなくなることを防ぐことができる。最小輝度BDminから設定輝度BDmaxまでの光量差が比較的大きい場合、時間T3が極端に長くなり、ユーザに映像が消えるのが遅い等の不快感を与えることを防ぐことができる。
【0076】
本実施形態では、輝度変化量Aは線形に変化したが、種々の関数に応じて変化してもよい。関数とは、例えば、外光量、ユーザの瞳孔の開き具合等のパラメータを代入した人間の視覚特性等を基にした関数である。
【0077】
本実施形態では、装着検出部7は、赤外線センサであったが、ユーザの頭部が当たるフレームの位置にボタンが備えられ、ユーザの頭部が装着されるとボタンが押されることでHMD1の頭部への装着を検知する構成でもよい。
【0078】
本実施形態では、映像入力部8はHDMI端子であったが、LAN、無線LAN等の通信インターフェース、DVI端子、USB、メモリーカードリーダ等のインターフェースであってもよい。光源14はLEDであったが、レーザーダイオードであってもよい。光変調部16はLCDであったが、有機ELディスプレイ、デジタルミラーデバイスを用いたディスプレイ、または、レーザ光を直接作業者の眼球に走査することにより、作業者に画像を視認させる網膜走査型ディスプレイであってもよい。
【0079】
本実施形態では、外光量Lに応じて、所定の光量L1以上の量、所定の光量L1より小さく所定の光量L2以上の量、所定の光量L2より小さい量、の3つの輝度変化量を設定したが、2つの輝度変化量を設定しても構わない。また、4つ以上の輝度変化量を設定しても構わない。さらに、外光量Lに正比例して輝度変化量を変化させても構わない。さらに、輝度増加時の輝度変化量と、輝度減少時の輝度変化量と、が同じ値でも構わない。さらに、所定の光量L1とL3と、所定の光量L2とL4と、はそれぞれ同一の値であったが、異なる値であっても構わない。
【0080】
〔発明との対応関係〕
本実施形態におけるヘッドマウントディスプレイ1は、本発明におけるヘッドマウントディスプレイの一例である。本実施形態における表示制御部15、及び光変調部16は、本発明における表示部の一例である。本実施形態における表示制御部15、及び光変調部16は、順に本発明に表示制御部、及び光変調部の一例である。本実施形態における光源制御部13、及び光源14は、本発明における輝度調整部の一例である。本実施形態における光源制御部13、光源14は、順に本発明における光源制御部、光源の一例である。本実施形態における切替部6は、本発明における切替部の一例である。本実施形態における外光検出部5は、本発明における外光検出部の一例である。本実施形態における外光量Lは、本発明における外光量の一例である。本実施形態における所定の輝度変化量A1,A2,A3は、本発明における輝度変化量の一例である。本実施形態におけるCPU11と、ステップ104、ステップ106、ステップ114およびステップ116とは、本発明における判断部の一例である。本実施形態における所定の光量L1、L2は、本発明における所定値の一例である。本実施形態における所定の光量L1が所定値の一例である場合、本実施形態における所定の輝度変化量A1は、本発明における第1の値の一例であり、本実施形態における所定の輝度変化量A2,A3は、本発明における第2の値の一例である。本実施形態における所定の光量L2が所定値の一例である場合、本実施形態における所定の輝度変化量A1,A2は、本発明における第1の値の一例であり、本実施形態における所定の輝度変化量A3は、本発明における第2の値の一例である。本実施形態における装着検出部7は、本発明における装着検出部の一例である。本実施形態におけるハーフミラー4は、本発明におけるハーフミラーの一例である。本実施形態における設定輝度BDmaxは、本発明における、表示状態において表示部に表示される映像の輝度の一例である。本実施形態における設定輝度BDminは、本発明における、非表示状態における表示部の輝度の一例である。本実施形態におけるステップ103、およびステップ113は、本発明における外光検出ステップの一例である。本実施形態におけるステップ111、およびステップ119は、本発明における調整ステップの一例である。本実施形態におけるステップ111は、本発明における増加調整部、及び増加調整ステップの一例である。本実施形態におけるステップ119は、本発明における減少調整部、及び減少調整ステップの一例である。本実施形態におけるステップ102およびステップ112は、本発明における切替ステップの一例である。
【符号の説明】
【0081】
1 ヘッドマウントディスプレイ
2 頭部装着部
3 フレーム
4 ハーフミラー
5 外光検出部
6 切替部
7 装着検出部
8 映像入力部
10 映像生成部
11 ROM
12 RAM
13 光源制御部
14 光源
15 表示制御部
16 光変調部
17 CPU
18 システムバス
BD 設定輝度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの眼前に装着されるヘッドマウントディスプレイであって、
映像を表示するための表示部と、
前記表示部が映像を表示する表示状態と、前記表示部が映像を表示しない非表示状態との間で切り替える切替部と、
前記表示部により表示される映像の輝度を調整する輝度調整部と、
外光量を検知する外光検出部と、を備え、
前記輝度調整部は、
前記切替部により前記非表示状態及び前記表示状態の一方から他方へ切り替えられるとき、前記非表示状態における前記表示部の輝度から、前記表示状態において前記表示部により表示される映像の輝度まで、映像の輝度を増加又は減少させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検出部により検知された前記外光量に応じて調整することを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
【請求項2】
前記輝度調整部は、
前記切替部により前記非表示状態から前記表示状態へ切り替えられるとき、前記非表示状態における前記表示部の輝度から、前記表示状態において前記表示部により表示される映像の輝度まで、映像の輝度を増加させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検出部により検知された前記外光量に応じて調整する増加調整部を備えることを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項3】
前記輝度調整部は、
前記切替部により前記表示状態から前記非表示状態へ切り替えられるとき、前記表示状態において前記表示部により表示されている映像の輝度から、前記非表示状態における前記表示部の輝度まで、映像の輝度を減少させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検出部により検知された前記外光量に応じて調整する減少調整部を備えることを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項4】
前記外光検出部によって検知された前記外光量が所定値より大きいか否かを判断する判断部を備え、
前記輝度調整部は、
前記判断部が前記検知された外光量が前記所定値より大きいと判断した場合、前記輝度変化量を第1の値に調整し、
前記判断部が前記検知された外光量が前記所定値以下であると判断した場合、前記輝度変化量を前記第1の値より
小さい第2の値に調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項5】
ユーザの眼前に配置され、前記表示部から投影された映像を反射させ眼に導くハーフミラーを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項6】
ユーザが前記ヘッドマウントディスプレイを装着したか否かを検知する装着検出部を備え、
前記輝度調整部は、
前記装着検出部が前記ヘッドマウントディスプレイの装着を検知した場合、前記切替部により前記表示状態と前記非表示状態との間で切り替えられるとき、前記輝度変化量を調整し、
前記装着検出部が前記ヘッドマウントディスプレイの装着を検知していない場合、前記切替部により前記表示状態と前記非表示状態との間で切り替えられるとき、前記輝度変化量を調整しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項7】
前記表示部は
前記映像に対応した空間変調パターンを形成する光変調部と、
前記光変調部に映像を描画する表示制御部と、を有し、
前記輝度調整部は、
前記光変調部の背面から光を照らす光源と、
前記光源の光量を調整する光源制御部と、を有し、
前記光源制御部は前記光源の光量を調整することで前記光変調部に表示される映像の前記輝度変化量を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項8】
ユーザの眼前に装着されるヘッドマウントディスプレイに備えられた表示部により表示される映像の輝度を調整する輝度調整方法であって、
前記表示部が映像を表示する表示状態と、前記表示部が映像を表示しない非表示状態との間で切り替える切替ステップと、
外光量を検知する外光検知ステップと、
前記表示部により表示される映像の輝度を調整する調整ステップと、を備え、
前記調整ステップは、
前記切替ステップにおいて前記非表示状態から前記表示状態へ切り替えられるとき、前記非表示状態における前記表示部の輝度から、前記表示状態において前記表示部により表示される映像の輝度まで、映像の輝度を増加させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検知ステップにより検知された前記外光量に応じて調整する増加調整ステップと、
前記切替ステップにおいて前記表示状態から前記非表示状態へ切り替えられるとき、前記表示状態において前記表示部により表示されている映像の輝度から、前記非表示状態における前記表示部の輝度まで、映像の輝度を減少させるための時間当たり変化する輝度変化量を、前記外光検知ステップにおいて検知された前記外光量に応じて調整する減少調整ステップと、を有することを特徴とするヘッドマウントディスプレイの輝度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−212023(P2012−212023A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77593(P2011−77593)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】