説明

ヘッドユニットの組立方法および組立装置

【課題】機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに接着固定するときに、外力が加わることのないヘッドユニットの組立方法および組立装置を提供する。
【解決手段】機能液滴吐出ヘッド3およびヘッドプレート4を磁性体で構成すると共に少なくとも一方を磁化する磁化工程と、磁化工程の後、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に磁着した状態で、ヘッドプレート4に対し機能液滴吐出ヘッド3を位置決めする位置決め工程と、位置決め工程の後、機能液滴吐出ヘッド3およびヘッドプレート4との隙間に接着剤を注入して、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に接着固定する固定工程と、固定工程の後、磁化工程で磁化した機能液滴吐出ヘッド3および/またはヘッドプレート4を脱磁する脱磁工程と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに搭載したヘッドユニットの組立方法および組立装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の組立方法として、サブキャリッジ(ヘッドプレート)上にある液滴吐出ヘッド位置を画像認識する認識手段と、液滴吐出ヘッド(機能液滴吐出ヘッド)を位置決めするための基準位置パターンが形成されたアライメントマスクと、接着剤が固化するまで付勢する保持部材と、を有する複数IJ(インクジェット)ヘッド搭載サブキャリッジ組立機(組立装置)によるものが知られている(特許文献1参照)。この複数IJヘッド搭載サブキャリッジ組立機は、液滴吐出ヘッドのサブキャリッジに対する固定位置をアライメントマスクおよび認識手段で決定し、ねじで仮止め後、液滴吐出ヘッドを接着剤が固化するまで保持部材で付勢(押圧)するものである。
【特許文献1】特開2005−231305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような複数IJヘッド搭載サブキャリッジ組立機の場合、液滴吐出ヘッドとサブキャリッジとの隙間に浸透させた接着剤が固化するまで、液滴吐出ヘッドをサブキャリッジに押圧保持するようにしているため、この押圧力により僅かながらサブキャリッジが撓んでしまい、液滴吐出ヘッドの位置や高さに微妙な狂いが生じてしまう問題があった。
【0004】
本発明は、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに接着固定するときに、外力が加わることのないヘッドユニットの組立方法および組立装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のヘッドユニットの組立方法は、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに搭載したヘッドユニットの組立方法であって、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートを磁性体で構成すると共に少なくとも一方を磁化する磁化工程と、磁化工程の後、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに磁着した状態で、ヘッドプレートに対し機能液滴吐出ヘッドを位置決めする位置決め工程と、位置決め工程の後、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに接着固定する固定工程と、固定工程の後、磁化工程で磁化した機能液滴吐出ヘッドおよび/またはヘッドプレートを脱磁する脱磁工程と、を有することを特徴とする。
【0006】
本発明のヘッドユニットの組立装置は、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレート上に搭載したヘッドユニットの組立装置であって、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートを磁性体で構成したものにおいて、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートの少なくとも一方を磁化する磁化装置と、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに磁着した状態で、ヘッドプレートに対し機能液滴吐出ヘッドを位置決めするアライメント装置と、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに接着固定する固定装置と、磁化した機能液滴吐出ヘッドおよび/またはヘッドプレートを脱磁する脱磁装置と、ヘッドプレートを、磁化装置、アライメント装置、固定装置および脱磁装置に相対的に臨ませる移動装置と、磁化装置、アライメント装置、固定装置、脱磁装置および移動装置を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートの少なくとも一方を磁化させた後、ヘッドプレートに対し機能液滴吐出ヘッドを位置決めし、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して接着固定を行わせ、さらに磁化した機能液滴吐出ヘッドおよび/またはヘッドプレートを脱磁させることを特徴とする。
【0007】
これらの構成によれば、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに位置決めした後、機能液滴吐出ヘッドとヘッドプレートとの間に働く磁力で、機能液滴吐出ヘッドとヘッドプレートとの隙間に注入した接着剤の養生(硬化)を行うことができる。このため、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートに外力が作用することがなく、ヘッドプレートが撓むことがない。したがって、接着剤が硬化した後、ヘッドプレートに対し機能液滴吐出ヘッドが位置ずれすることがなく、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに精度良く組み付けることができる。
【0008】
本発明の他のヘッドユニットの組立方法は、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに搭載したヘッドユニットの組立方法であって、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートのいずれか一方にプラスの電荷を帯電し、他方にマイナスの電荷を帯電する帯電工程と、帯電工程の後、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに静電吸着した状態でヘッドプレートに対し機能液滴吐出ヘッドを位置決めする位置決め工程と、位置決め工程の後、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに接着固定する固定工程と、固定工程の後、帯電工程で帯電した機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートのいずれか一方を除電する除電工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の他のヘッドユニットの組立装置は、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに搭載したヘッドユニットの組立装置であって、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートのいずれか一方にプラスの電荷を帯電し、他方にマイナスの電荷を帯電する帯電装置と、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに静電吸着した状態で、ヘッドプレートに対し機能液滴吐出ヘッドを位置決めするアライメント装置と、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに接着固定する固定装置と、帯電した機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートを除電する除電装置と、ヘッドプレートを、帯電装置、アライメント装置、固定装置および除電装置に相対的に臨ませる移動装置と、帯電装置、アライメント装置、固定装置、除電装置および移動装置を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートに帯電させた後、ヘッドプレートに対し機能液滴吐出ヘッドを位置決めし、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して接着固定を行わせ、さらに帯電した機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートを除電させることを特徴とする。
【0010】
これらの構成によれば、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに位置決めした後、機能液滴吐出ヘッドとヘッドプレートとの間に働く静電気力(静電吸着)で、機能液滴吐出ヘッドとヘッドプレートとの隙間に注入した接着剤の養生(硬化)を行うことができる。このため、機能液滴吐出ヘッドおよびヘッドプレートに外力が作用することがなく、ヘッドプレートが撓むことがない。したがって、接着剤が硬化した後、ヘッドプレートに対し機能液滴吐出ヘッドが位置ずれすることがなく、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに精度良く組み付けることができる。
【0011】
この場合、固定工程の後、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートにねじ止め固定するねじ止め工程を、更に有することが、好ましい。
【0012】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに確実に固定することができるため、経時的な接着剤の劣化による機能液滴吐出ヘッドの位置ずれを有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、本発明のヘッドユニットの組立装置(以下、「組立装置」と言う。)および組立方法について説明する。この組立装置は、機能液滴吐出ヘッドとこれが搭載されるヘッドプレートとからなるヘッドユニットの組立装置であって、アライメント治具を介して、ヘッドプレートに対する複数の機能液滴吐出ヘッドの組付け作業を、アライメントおよび固定の手順で1つずつ行うものである。なお、本実施形態では、説明を簡単にするため、3つの機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレートに組付ける場合を例に挙げて説明する。
【0014】
先ず、図1を参照して、組立装置1の組立対象物であるヘッドユニット2について説明する。同図に示すように、ヘッドユニット2は、3つの機能液滴吐出ヘッド3と、これら機能液滴吐出ヘッド3が搭載されるヘッドプレート4と、で構成されている。
【0015】
機能液滴吐出ヘッド3は、ヘッド基板と共にインク導入口を有する方形箱状のインク導入部5と、ノズル面6を有する方形箱状のヘッド本体7と、インク導入部5およびヘッド本体7の境界部分に設けられ、ヘッドプレート4に固定される角形フランジ状の固定部8と、で構成されている。ヘッドプレート4に機能液滴吐出ヘッド3を組み付ける場合には、ヘッドプレート4および機能液滴吐出ヘッド3を上下反転させ、機能液滴吐出ヘッド3を、そのインク導入部5を下にして、ヘッドプレート4に対して上方から装着して、作業を行う(図1参照)。
【0016】
固定部8は、金属等の磁性体で形成されており、四隅に形成された4つのネジ用挿通孔9と、各ネジ用挿通孔9の近傍に設けられた4つの接着剤注入口10と、を有している。各接着剤注入口10には、長穴形状に形成され、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に仮固定するための接着剤が注入される(詳細は後述する)。ネジ用挿通孔9には、後述するヘッドプレート4のネジ孔14に螺合する本固定用の固定ネジ17が挿通する。この場合、ネジ用挿通孔9は、いわゆるバカ孔となっており、固定ネジ17との間に生ずる間隙の範囲内において、機能液滴吐出ヘッド3の位置決めが行われる。また、固定部8の長辺および短辺には、後述するアライメント治具32が添接されて、機能液滴吐出ヘッド3の位置決めが行われる(詳細は後述する)。
【0017】
ヘッド本体7のノズル面6には、2本のノズル列11,11が相互に平行かつヘッドプレート4の延在方向(長辺方向)に平行に列設されており、各ノズル列11は、等ピッチで並べた多数のノズル12で構成されている。この2つのノズル列11,11は、製造段階で相互の位置精度が保証されているため、最外端の2つのノズル12a,12aを、機能液滴吐出ヘッド3の位置決めにおける基準位置にしている。そして、各機能液滴吐出ヘッド3は、2つのノズル12a,12aを基準にしてX・Y・θ方向に位置決めされる(詳細は後述する)。この場合、一方のノズル列11の最外端の2つのノズル12a,12a近傍に基準位置となるマークを設けるようにしてもよい。
【0018】
ヘッドプレート4は、金属等の磁性体により横長の板状に形成されており、3つの機能液滴吐出ヘッド3が装着される3つの装着開口13が長辺方向に等間隔に設けられている。各装着開口13は、これに遊挿されるインク導入部5に比してわずかに大きく形成され、アライメント時の機能液滴吐出ヘッド3の微小移動を許容する。各装着開口13の開口縁部には、上記ネジ用挿通孔9に対応する4つのネジ孔14が設けられており、各ネジ孔14には、上記のネジ用挿通孔9を貫通した固定ネジ17が螺合する。なお、以下の説明では、ヘッドプレート4の長辺方向をX軸方向とし、長辺方向に直交する短辺方向をY軸方向として説明を進める。
【0019】
図2に示すように、組立装置1は、機能液滴吐出ヘッド3を磁化する磁化装置15と、複数の機能液滴吐出ヘッド3のアライメントを行うアライメント装置21と、アライメント装置21によりアライメントが完了した機能液滴吐出ヘッド3を仮固定および本固定する固定装置22と、ヘッドユニット2を搭載(セット)すると共にこれを移動させる移動装置23と、磁化装置15によって磁化した機能液滴吐出ヘッド3を脱磁する脱磁装置16と、これら各装置を統括制御する制御装置24と、を備えている。制御装置24は、移動装置23によりヘッドユニット2をアライメント位置に臨ませて、アライメント装置21によりアライメントを行い、固定装置22によりアライメント完了後の機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に対して固定する。また、制御装置24は、この機能液滴吐出ヘッド3の組付け作業の開始時に、磁化装置15により機能液滴吐出ヘッド3を磁化(着磁)し、且つ終了時に、脱磁装置16により脱磁を行う。
【0020】
磁化装置15は、ヘッドプレート4の上方に設けられており、着磁コイルに定常的に磁場を発生させる直流電源タイプ、またはコンデンサーに充電したエネルギーを使い、瞬間的(パルス的)に磁場を発生させるコンデンサータイプで構成されており、磁性体で構成された機能液滴吐出ヘッド3に臨んでこれを磁化する。
【0021】
図2および図3に示すように、アライメント装置21は、ヘッドプレート4の上側から臨み機能液滴吐出ヘッド3のノズル12を認識する画像認識カメラ31と、アライメント対象となる機能液滴吐出ヘッド3に添接するアライメント治具32と、アライメント治具32を介して機能液滴吐出ヘッド3をX方向に移動調整するX軸調整ユニット33と、アライメント治具32を介して機能液滴吐出ヘッド3をYおよびθ方向に移動および角度調整するY軸調整ユニット34と、これら構成装置を支持する図外の機台と、で構成されている。このアライメント装置21では、1番目の機能液滴吐出ヘッド3のアライメントを、ヘッドプレート4に形成したマークを基準に行うと共に、2番目以降の機能液滴吐出ヘッド3のアライメントを、組付け作業が完了し且つ隣接する1の機能液滴吐出ヘッド3の最外端の2つのノズル12a,12aを基準に行う。
【0022】
画像認識カメラ31は、機能液滴吐出ヘッド3の上方に固定的に設けたCCDまたはCMOSの一対のカメラで構成されており、機能液滴吐出ヘッド3の最外端の2つのノズル12a,12aを同時に撮像する(図2(b)参照)。アライメントの基準となる2つのノズル12a,12aの撮像結果は、画像処理後、制御装置24のディスプレイに位置決めポイントとして表示され、このポイントにアライメント対象となる2つのノズル12a,12aの撮像結果が重ねて表示される(図示省略)。すなわち、機能液滴吐出ヘッド3を移動させて、この位置決めポイントに2つのノズル12,12を合わせ込むことでアライメントが行われる。
【0023】
アライメント治具32は、機能液滴吐出ヘッド3の固定部8の側面に添接させて用いられる調整治具であり、固定部8のX軸方向の1の辺に添接するX軸片41と、固定部8のY軸方向の1の辺に添接するY軸片42と、を有して平面視「L」字状に形成されている(図3(a)参照)。この場合、X軸片41およびY軸片42は、その内側および外側が、高い精度の直角度と高い精度の平面度とを有している。
【0024】
X軸調整ユニット33は、アライメント治具32のY軸片42に当接する1つのX軸移動子51と、X軸移動子51をX軸方向に作動(移動)させるX軸移動機構52と、機能液滴吐出ヘッド3を挟んでX軸移動子51の反対側に設けられ、機能液滴吐出ヘッド3をX軸移動子51に向かってX軸方向に付勢するX軸付勢機構53と、を有している(図2参照)。
【0025】
図4に示すように、X軸移動子51は、丸棒状に形成され、基端側でX軸移動機構52に保持されている。X軸移動子51の先端部は半球形に形成され、アライメント治具32に点接触するようになっている。
【0026】
X軸移動機構52は、X軸移動子51を保持するX軸スライドブロック55と、X軸スライドブロック55をX軸方向に作動させるX軸アクチュエータ56と、X軸スライドブロック55をX軸方向にスライド自在に搭載すると共にX軸アクチュエータ56を搭載するX軸ベース57と、を有している。X軸アクチュエータ56は、ステッピングモータ等で構成されており、その主軸には雄ネジ58が螺刻されている。一方、X軸スライドブロック55のX軸アクチュエータ56側には、上記の雄ネジ58が螺合する雌ネジ部材59が突設されている。X軸アクチュエータ56が正逆回転すると、主軸の雄ネジ58が正逆回転し、雌ネジ部材59を介してX軸スライドブロック55が進退する。また、X軸ベース57は、後述するY軸移動機構73の支持ベース86と共に共通ベース60上に配設されており、共通ベース60は、上記の機台に支持され、オーバーハングの状態でヘッドユニット2に臨んでいる(図2参照)。
【0027】
機能液滴吐出ヘッド3を挟んで、X軸付勢機構53の付勢力とX軸移動機構52の押圧力とが拮抗し、X軸移動子51の進退動作に伴い、機能液滴吐出ヘッド3をX軸方向へ確動的に進退させるようになっている(アライメント)。なお、X軸付勢機構53は、後述するY軸付勢機構74と共に共通付勢ベース76上に配設されており、共通付勢ベース76は、上記の機台に支持され、オーバーハングの状態でヘッドユニット2に臨んでいる(図2参照)。
【0028】
図5に示すように、Y軸調整ユニット34は、X軸方向に相互に離間して設けられた第1Y軸移動子71および第2Y軸移動子72と、第1Y軸移動子71および第2Y軸移動子72を個別且つ同時に作動(移動)させるY軸移動機構73と、機能液滴吐出ヘッド3を挟んで第1Y軸移動子71および第2Y軸移動子72の反対側に設けられたY軸付勢機構74と、を有している。第1Y軸移動子71および第2Y軸移動子72は、上記X軸移動子51と同様に、それぞれ丸棒状に形成され、アライメント治具32にそれぞれ点接触するようになっている。
【0029】
Y軸移動機構73は、第1Y軸移動子71を保持する第1スライドブロック81と、第2Y軸移動子72を保持する保持ブロック82と、第1スライドブロック81をY軸方向に作動させる第1アクチュエータ83と、保持ブロック82を搭載すると共に、第1スライドブロック81をY軸方向にスライド自在に搭載する移動ステージ84と、移動ステージ84をY軸方向に移動させる第2アクチュエータ85と、移動ステージ84をY軸方向に移動自在に支持する支持ベース86と、を有している。
【0030】
第1アクチュエータ83は、ステッピングモータ等で構成されており、その主軸には雄ネジ87が螺刻されている。一方、第1スライドブロック81の第1アクチュエータ83側には、上記の雄ネジ87が螺合する雌ネジ部材88が突設されている。第1アクチュエータ83が正逆回転すると、主軸の雄ネジ87が正逆回転し、雌ネジ部材88を介して第1スライドブロック81が進退する。これにより、第1Y軸移動子71がY軸方向に微小に進退する。すなわち、第1アクチュエータ83の駆動により、第1Y軸移動子71のみがY軸方向に進退し、アライメント治具32を介して機能液滴吐出ヘッド3をθ方向に角度回転させる。
【0031】
第2アクチュエータ85は、ステッピングモータ等で構成されており、その主軸には雄ネジ89が螺刻されている。一方、移動ステージ84の第2アクチュエータ85側には、上記の雄ネジ89が螺合する雌ネジ部材90が突設されている。第2アクチュエータ85が正逆回転すると、主軸の雄ネジ89が正逆回転し、雌ネジ部材90を介して移動ステージ84が進退する。すなわち、第2アクチュエータ85の駆動により、第1Y軸移動子71および第2Y軸移動子72がY軸方向に平行移動し、アライメント治具32を介して機能液滴吐出ヘッド3をY軸方向に移動させる。
【0032】
機能液滴吐出ヘッド3を挟んで、Y軸付勢機構74の付勢力とY軸移動機構73の押圧力とが拮抗し、各Y軸移動子71,72の進退動作に伴い、機能液滴吐出ヘッド3をY軸方向へ確動的に進退させるようになっている(アライメント)。
【0033】
上記のように構成されたアライメント装置21による機能液滴吐出ヘッド3の位置決めは、画像認識カメラ31による撮像結果に基づいて、X軸調整ユニット33、Y軸調整ユニット34およびアライメント治具32を協働させ、機能液滴吐出ヘッド3をX・Y・θ方向に移動調整することにより行われる。例えば、画像認識カメラ31の撮像結果により、位置決めの基準となる最外端の2つのノズル12b,12bが図6(a)に示す位置である場合、X軸移動子51を進退させると共に、第1Y軸移動子71および第2Y軸移動子72を進退させ、対象となる機能液滴吐出ヘッド3の最外端の2つのノズル12c,12cを、上記基準となる2つのノズル12b,12bの位置に合致させるように、機能液滴吐出ヘッド3を移動調整する(図6(b)参照)。
【0034】
図2に示すように、ヘッドユニット2を移動させる移動装置23は、ヘッドプレート4を位置決め状態で載置するセットテーブル101と、セットテーブル101をX軸方向に移動自在に支持する移動支持ベース102と、リードねじを介してセットテーブル101をX軸方向に移動に移動させるモータ(図示省略)と、を有している。セットテーブル101は、ヘッドプレート4より一回り大きい方形の枠状に形成されており、下方に突出する機能液滴吐出ヘッド3のインク導入部5に干渉することのない構造になっている。そして、モータの駆動により、セットテーブル101を介してセットされたヘッドプレート4を所望のアライメント位置にまで移動させ、位置決めおよび固定作業が行われる。
【0035】
固定装置22は、位置決めが完了した機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に固定するものであり、接着剤を上記の接着剤注入口10に注入するシリンジユニット105と、固定ネジ17を、ネジ用挿通孔9を介してネジ孔14に締めつけるネジ締めユニット106と、を有している。
【0036】
シリンジユニット105は、機能液滴吐出ヘッド3の上方に設けられており、特に詳細は図示はしないが、接着剤注入口10に接着剤を注入するシリンジと、シリンジを昇降させる昇降機構と、から構成されている。位置決め終了後、アライメント治具32、Y軸調整ユニット34およびX軸調整ユニット33で機能液滴吐出ヘッド3を位置決めした状態で、接着剤タンクより接着剤が機能液滴吐出ヘッド3上に設けられた接着剤注入口10に一定量注入されることで、機能液滴吐出ヘッド3の仮固定が行われる。
【0037】
ネジ締めユニット106は、機能液滴吐出ヘッド3の上方に設けられており、特に詳細図示はしないが、固定ネジ17を吸着する工具形状の吸着コレットと、吸着コレットを回転および昇降させる回転・昇降機構と、から構成されている。接着剤が硬化した後、ネジ締めユニット106により、機能液滴吐出ヘッド3に形成されているネジ用挿通孔9側からヘッドプレート4に固定ネジ17を締結することにより、機能液滴吐出ヘッド3の本固定が行われる(図7参照)。なお、接着剤は、ヘッドユニット2の効率的な組付けの点からシアノアクリレート系の接着剤を用いることが好ましい。
【0038】
脱磁装置16は、機能液滴吐出ヘッド3の上方に設けられており、特に図示はしないが、脱磁電源装置および脱磁コイルから構成されている。脱磁装置16は、磁化装置15で磁化した機能液滴吐出ヘッド3を脱磁処理する。
【0039】
制御装置24は、特に図示はしないが、CPU、ROM、RAM等により主要部が構成され、X軸調整ユニット33、Y軸調整ユニット34および画像認識カメラ31による機能液滴吐出ヘッド3のX・Y・θ方向への移動(アライメント動作)を制御すると共に、磁化装置15、移動装置23、固定装置22および脱磁装置16を制御する(図2参照)。
【0040】
次に、図7を参照して、ヘッドプレート4の組立前に、後述する固定工程における接着剤の広がりを規制するための研磨方法について説明する。この研磨方法は、接着表面61および被接着表面62に微小な凹凸部18を形成することで、接着表面61と接着表面61および被接着表面62との接触表面積を拡大させてアンカー効果を増大させると共に、接着剤の広がりを規制するものである。具体的には、機能液滴吐出ヘッド3の固定部8のヘッドプレート4側(接着表面61)と、ヘッドプレート4の装着開口13の機能液滴吐出ヘッド3側の周縁部(被接着表面62)に研磨加工を施す。
【0041】
まず、接着表面61に直線状の第1凹凸部18aを、サンダーなどの工具を用いて研磨加工により形成する。同様に、被接着表面62に第1凹凸部18aに対して直交する方向に直線状の第2凹凸部18bを、研磨加工により形成する。このように2つの凹凸部18a、18bが直交するように研磨加工することで、接着剤注入口10から注入された接着剤は、毛細管現象により接着剤注入口10を中心として全方向に向かって浸透する(図7(a)参照)。
【0042】
なお、アンカー効果を増大させるために、第1凹凸部18aおよび第2凹凸部18bの表面粗さは、Rz(JIS)で2.0〜3.0μmであることが好ましく、いわゆるヘアラインの形態となる。
【0043】
また、第1凹凸部18aと第2凹凸部18bとが同一方向延在するように研磨加工されていてもよい。この場合、接着剤の浸透方向に異方性(方向性)を持たせることができる(図7(b)参照)。
【0044】
さらに、接着表面61および被接着表面62の少なくとも一方の接着剤を浸透させたい部位のみ、同心円となる凹凸部18cを形成してもよい(図7(c)参照)。この場合、接着剤の浸透範囲を狭い範囲に集約するように規制することができる。なお、本実施形態では、接着表面61に凹凸18c部を形成したが、ヘッドプレート4の装着開口13の周縁部に形成してもよい。
【0045】
したがって、接着対象物の接着表面61および被接着表面62に、用途に応じて凹凸部18を形成することで、アンカー効果を増大させることができると共に、接着剤の浸透方向を規制することができる。
【0046】
次に、図7および図8を参照して、第1実施形態に係るヘッドユニット2の組立方法について説明する。本実施形態では、機能液滴吐出ヘッド3のヘッドプレート4への組付けを、左部のものからアライメントおよび固定の手順で1つずつ行うものとして説明する。なお、機能液滴吐出ヘッド3の接着表面61およびヘッドプレート4の被接着表面62には、上記の研磨加工が行われているものとする。また、機能液滴吐出ヘッド3を、ヘッドプレート4の左部の装着開口13に投入してから組立装置1の駆動を開始する。
【0047】
この組立て方法は、機能液滴吐出ヘッド3を磁化する磁化工程と(図示省略)、磁気工程の後、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に磁着した状態で、ヘッドプレート4に対し機能液滴吐出ヘッド3を位置決めする位置決め工程と(図8(a)参照)、位置決め工程の後、機能液滴吐出ヘッド3およびヘッドプレート4との間隙に接着剤を注入して、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4上に接着固定する固定工程と(図8(b)参照)、固定工程の後、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4にねじ止め固定するねじ止め工程と(図8(c)参照)、磁化工程で磁化した機能液滴吐出ヘッド3を脱磁する脱磁工程と(図示省略)、を備えている。
【0048】
磁化工程では、セットテーブル101を介して機能液滴吐出ヘッド3を磁化装置15の直下に臨ませ、この磁化装置15により機能液滴吐出ヘッド3の固定部8を磁化する(図示省略)。位置決め工程では、左部の装着開口13に投入した機能液滴吐出ヘッド3を、画像認識カメラ31、X軸調整ユニット33、Y軸調整ユニット34およびアライメント治具32を協働させて、ヘッドプレート4に形成されたマーク或いは図外のアライメントマスクを基準に、位置決めを行う(図8(a)参照)。固定工程では、シリンジユニット105に機能液滴吐出ヘッド3を臨ませた後、このシリンジユニット105により接着剤注入口10から所定量の接着剤を注入することで、機能液滴吐出ヘッド3およびヘッドプレート4を仮固定する(図8(b)参照)。その際、機能液滴吐出ヘッド3およびヘッドプレート4は、磁着状態となっており、接着剤が硬化するまで機能液滴吐出ヘッド3およびヘッドプレート4に外力が作用することはない。そして、接着剤硬化後、ねじ止め工程に移行する。
【0049】
ねじ止め工程では、ネジ締めユニット106に機能液滴吐出ヘッド3を臨ませた後、このネジ締めユニット106により、各ネジ孔14に各固定ネジ17を締め付けて本固定を行う(図8(c)参照)。脱磁工程では、磁化工程で磁化した機能液滴吐出ヘッド3を脱磁装置16に臨ませ、脱磁装置16により機能液滴吐出ヘッド3の脱磁を行う(図示省略)。
【0050】
次に、移動装置23により、ヘッドユニット2を移動させた後、2個目の機能液滴吐出ヘッド3を、ヘッドプレート4の中央の装着開口13に投入する。磁化工程の後、画像認識カメラ31が、固定が完了した1個目の機能液滴吐出ヘッド3の最外端の2つのノズル12a,12aを撮像する(図8(d)参照)。そして、この最外端の2つのノズル12a,12aを基準にして、上記同様にX軸調整ユニット33、Y軸調整ユニット34およびアライメント治具32により、2個目の機能液滴吐出ヘッド3の最外端の2つのノズル12b,12bを合わせ込む。アライメントが完了後、上記と同様に、工程を進める。3個目の機能液滴吐出ヘッド3についても、固定が完了した2個目の機能液滴吐出ヘッド3の最外端の2つのノズル12b,12bを基準にして、上記同様にアライメントおよび固定作業を行う。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、機能液滴吐出ヘッド3およびヘッドプレート4が磁着するため、接着剤が硬化するまで、外部から機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に押圧しておく必要がない。したがって、ヘッドプレート4が撓むことがなく、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に精度良く組み付けることができる。なお、本実施形態では、機能液滴吐出ヘッド3を磁化させたが、ヘッドプレート4を磁化させてもよいし、機能液滴吐出ヘッド3およびヘッドプレート4を相互に異極となるように磁化させてもよい。
【0052】
次に、第2実施形態に係る組立装置1および組立方法ついて説明する。なお、重複記載を避けるべく異なる部分のみ記載し、図面は第1実施形態の図2を転用する。本実施形態では、例えば機能液滴吐出ヘッド3(の固定部8)を絶縁体で構成し、ヘッドプレート4を導電体で構成している。
【0053】
また、この組立装置1では、第1実施形態の磁化装置15に代えて機能液滴吐出ヘッド3およびヘッドプレート4を帯電させる帯電装置63と、第1実施形態の脱磁装置16に代えて静電気を除去する除電装置64と、を備えている(図2参照)。また、組立方法においては、磁化工程に代えて帯電体を帯電させる帯電工程と、脱磁工程に代えて帯電体から静電気を除去する除電工程と、を備えている。
【0054】
これにより、機能液滴吐出ヘッド3とヘッドプレート4とが静電気力により吸着するため、接着剤が硬化するまで、外部から機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に押圧しておく必要がない。したがって、ヘッドプレート4が撓むことがなく、機能液滴吐出ヘッド3をヘッドプレート4に精度良く組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ヘッドユニットの外観斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の実施形態に係る組立装置の平面模式図であり、(b)は、組立装置を側面から見た模式図である。
【図3】(a)は、アライメント治具廻りの平面模式図であり、(b)は、アライメント治具廻りを側面から見た模式図である。
【図4】(a)は、X軸移動機構の平面模式図であり、(b)は、X軸移動機構を側面から見た模式図である。
【図5】(a)は、Y軸移動機構の平面模式図であり、(b)は、Y軸移動機構を側面から見た模式図である。
【図6】アライメント装置のアライメント動作を説明するための模式図である。
【図7】研磨工程において形成した凹凸部の模式図である。
【図8】機能液滴吐出ヘッドのアライメントから固定までの一連動作について説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
1…組立装置 2…ヘッドユニット 3…機能液滴吐出ヘッド 4…ヘッドプレート 15…磁化装置 16…脱磁装置 21…アライメント装置 22…固定装置 23…移動装置 24…制御装置 63…帯電装置 64…除電装置 105…シリンジユニット 106…ねじ止めユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレート上に搭載したヘッドユニットの組立方法であって、
前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートを磁性体で構成すると共に少なくとも一方を磁化する磁化工程と、
前記磁化工程の後、前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに磁着した状態で、前記ヘッドプレートに対し前記機能液滴吐出ヘッドを位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程の後、前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して、前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに接着固定する固定工程と、
固定工程の後、前記磁化工程で磁化した前記機能液滴吐出ヘッドおよび/または前記ヘッドプレートを脱磁する脱磁工程と、を有することを特徴とするヘッドユニットの組立方法。
【請求項2】
インクジェット方式の前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに搭載したヘッドユニットの組立方法であって、
前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートのいずれか一方にプラスの電荷を帯電し、他方にマイナスの電荷を帯電する帯電工程と、
前記帯電工程の後、前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに静電吸着した状態で、前記ヘッドプレートに対し前記機能液滴吐出ヘッドを位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程の後、前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して、前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに接着固定する固定工程と、
前記固定工程の後、前記帯電工程で帯電した前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートを除電する除電工程と、を有することを特徴とするヘッドユニットの組立方法。
【請求項3】
前記固定工程の後、前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートにねじ止め固定するねじ止め工程を、更に有することを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドユニットの組立方法。
【請求項4】
インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドをヘッドプレート上に搭載したヘッドユニットの組立装置であって、前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートを磁性体で構成したものにおいて、
前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートの少なくとも一方を磁化する磁化装置と、
前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに磁着した状態で、前記ヘッドプレートに対し前記機能液滴吐出ヘッドを位置決めするアライメント装置と、
前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して、前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに接着固定する固定装置と、
磁化した前記機能液滴吐出ヘッドおよび/または前記ヘッドプレートを脱磁する脱磁装置と、
前記ヘッドプレートを、前記磁化装置、前記アライメント装置、前記固定装置および前記脱磁装置に相対的に臨ませる移動装置と、
前記磁化装置、前記アライメント装置、前記固定装置、前記脱磁装置および前記移動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートの少なくとも一方を磁化させた後、前記ヘッドプレートに対し前記機能液滴吐出ヘッドを位置決めし、前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して接着固定を行わせ、さらに磁化した前記機能液滴吐出ヘッドおよび/または前記ヘッドプレートを脱磁させることを特徴とするヘッドユニットの組立装置。
【請求項5】
インクジェット方式の前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに搭載したヘッドユニットの組立装置であって、
前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートのいずれか一方にプラスの電荷を帯電し、他方にマイナスの電荷を帯電する帯電装置と、
前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに静電吸着した状態で、前記ヘッドプレートに対し前記機能液滴吐出ヘッドを位置決めするアライメント装置と、
前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して、前記機能液滴吐出ヘッドを前記ヘッドプレートに接着固定する固定装置と、
帯電した前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートを除電する除電装置と、
前記ヘッドプレートを、前記帯電装置、前記アライメント装置、前記固定装置および前記除電装置に相対的に臨ませる移動装置と、
前記帯電装置、前記アライメント装置、前記固定装置、前記除電装置および前記移動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートに帯電させた後、前記ヘッドプレートに対し前記機能液滴吐出ヘッドを位置決めし、前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートとの隙間に接着剤を注入して接着固定を行わせ、さらに帯電した前記機能液滴吐出ヘッドおよび前記ヘッドプレートを除電させることを特徴とするヘッドユニットの組立装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−66795(P2009−66795A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235055(P2007−235055)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】