説明

ベノジアゼピンスピロヒダントインCGRP受容体拮抗物質

本発明は、CGRP受容体の拮抗物質であり、頭痛、片頭痛及び群発性頭痛などCGRPが関与する疾患の治療又は防止において有用な化合物を対象とする。本発明は、これらの化合物を含む薬剤組成物、並びにCGRPが関与するこのような疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用も対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的選択的プロセシング(alternate processing)によって産生される天然の37アミノ酸ペプチドであり、中枢及び末梢神経系に広く分布する。CGRPは、感覚求心性神経及び中枢ニューロンに主に局在し、血管拡張を含めて、いくつかの生物学的作用を媒介する。CGRPは、ラット及びヒトにおいて、それぞれ1個及び3個のアミノ酸が異なるアルファ型及びベータ型で発現される。CGRP−アルファ及びCGRP−ベータは、類似の生物学的諸特性を示す。細胞から放出されると、CGRPは、アデニリルシクラーゼの活性化に主に繋がる特異的細胞表面受容体に結合することによって、その生物学的応答を開始する。CGRP受容体は、脳、心血管、内皮、及び平滑筋起源のものを含めて、いくつかの組織及び細胞において特定され、薬理学的に評価されてきた。
【0002】
CGRPは、片頭痛、群発性頭痛などの脳血管障害の病理に関係する強力な血管拡張薬である。臨床試験において、片頭痛の発作中に頚静脈におけるCGRPレベルが高くなることが見出された(Goadsby等、Ann. Neurol.、1990、28、183〜187)。CGRPは、頭蓋内血管の平滑筋上の受容体を活性化し、血管拡張を促進し、片頭痛発作中の頭痛の主な原因と考えられている(Lance、Headache Pathogenesis: Monoamines, Neuropeptides, Purines and Nitric Oxide、Lippincott−Raven Publishers、1997、3〜9)。硬膜中の基本動脈(principle artery)である中硬膜動脈は、CGRPを含めて、いくつかの神経ペプチドを含む三叉神経節由来の知覚線維によって神経支配されている。ネコの三叉神経節を刺激すると、CGRPレベルが増加し、ヒトにおいては、三叉神経系の活性化は、顔面紅潮を引き起こし、外頚静脈におけるCGRPレベルを増加させた(Goadsby等、Ann.Neurol.、1988、23、193〜196)。ラットの硬膜を電気刺激すると、中硬膜動脈の直径が増大した(ペプチドCGRP拮抗物質であるCGRP(8−37)の前回投与によって遮断された効果)(Williamson等、Cephalalgia、1997、17、525〜531)。三叉神経節を刺激すると、ラットの顔面の血流が増大した。これは、CGRP(8−37)によって阻害された(Escott等、Brain Res.1995、669、93〜99)。マモセットの三叉神経節を電気刺激すると、顔面の血流が増大した。これは、非ペプチドCGRP拮抗物質BIBN4096BSによって遮断することができた(Doods等、Br. J. Pharmacol.、2000、129、420〜423)。したがって、血管に対するCGRPの効力は、CGRP拮抗物質によって低下させ、防止し、又は逆転させることができる。
【0003】
CGRPによって媒介されるラット中硬膜動脈の血管拡張は、三叉神経尾側核のニューロンの感受性を増加させることが判明した(Williamson等、The CGRP Family: Calcitonin Gene−Related Peptide (CGRP), Amylin, and Adrenomedullin、Landes Bioscience、2000、245〜247)。同様に、片頭痛中に硬膜血管が膨張すると、三叉神経のニューロンの感受性が増大することがある。頭蓋外の頭痛及び顔面異痛症を含めて、片頭痛に付随する症状の一部は、感受性が増した三叉神経ニューロンに起因している可能性がある(Burstein等、Ann. Neurol. 2000、47、614〜624)。CGRP拮抗物質は、ニューロンの感受性増大効力を抑制し、防止し、又は逆転させるのに有益である可能性がある。
【0004】
本発明の化合物は、CGRP拮抗物質として作用し得ることから、ヒト及び動物、特にヒトにおいて、CGRPが関与する障害に対する有用な薬剤である。このような障害としは、片頭痛及び群発性頭痛(Doods、Curr Opin Inves Drugs、2001、2(9)、1261〜1268;Edvinsson等、Cephalalgia、1994、14、320〜327);慢性緊張型頭痛(Ashina等、Neurology、2000、14、1335〜1340);とう痛(Yu等、Eur. J. Pharm.、1998、347、275〜282);慢性痛(Hulsebosch等、Pain、2000、86、163〜175);神経原性炎症及び炎症性とう痛(Holzer、Neurosci.、1988、24、739〜768;Delay−Goyet等、Acta Physiol. Scanda. 1992、146、537〜538;Salmon等、Nature Neurosci.、2001、4(4)、357〜358);眼痛(May等Cephalalgia、2002、22、195〜196)、歯痛(Awawdeh等、Int. Endocrin. J.、2002、35、30〜36)、インシュリン非依存性糖尿病(Molina等、Diabetes、1990、39、260〜265);血管障害;炎症(Zhang等、Pain、2001、89、265)、関節炎、気道過敏性、喘息、(Foster等、Ann. NY Acad. Sci.、1992、657、397〜404;Schini等、Am. J. Physiol.、1994、267、H2483〜H2490;Zheng等、J. Virol.、1993、67、5786〜5791);ショック、敗血症(Beer等、Crit.Care Med.、2002、30(8)、1794〜1798);オピエート離脱症候群(Salmon等、Nature Neurosci.、2001、4(4)、357〜358)モルヒネ耐性(Menard等、J. Neurosci.、1996、16(7)、2342〜2351);男性及び女性におけるほてり(hot flash)(Chen等、Lancet、1993、342、49;Spetz等、J. Urology、2001、166、1720〜1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren、Contact Dermatitis、2000、43(3)、137〜143);乾せん;脳炎、脳損傷、虚血、発作、てんかん及び神経変性疾患(Rohrenbeck等、Neurobiol. of Disease 1999、6、15〜34);皮膚病(Geppetti及びHolzer編、Neurogenic Inflammation、1996、CRC Press、Boca Raton、FL)、神経原性の皮膚の発赤、酒さ(skin rosaceousness)及び紅斑;耳鳴(Herzog等、J. Membrane Biology、2002、189(3)、225);炎症性腸疾患、過敏性大腸症候群、(Hoffman等、Scandinavian Journal of Gastroenterology、2002、37(4) 414〜422)、膀胱炎などが挙げられる。特に重要なのは、片頭痛及び群発性頭痛を含めた頭痛の急性期治療又は予防治療である。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、CGRP受容体リガンド、特にCGRP受容体拮抗物質として有用な化合物、その調製方法、治療におけるその使用、それを含む薬剤組成物、及びそれを使用した治療方法に関する。
【0006】
本発明は、CGRP受容体の拮抗物質であり、片頭痛などCGRPが関与する疾患の治療又は予防において有用である化合物を対象とする。本発明は、これらの化合物を含む薬剤組成物、並びにCGRPが関与するこのような疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用も対象とする。
【0007】
本発明は、式Iの化合物、薬剤として許容されるその塩、及びその個々のジアステレオマーを対象とする。
【0008】
【化4】

(Rは、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) −C3−6シクロアルキル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO(ここで、Rは、
(i) 水素、
(ii) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−C1−6アルキル、
(iii) −C5−6シクロアルキル、
(iv) ベンジル、及び
(v) フェニル
から独立に選択される。)、
(g) −NR10(ここで、R10は、
(i) 水素、
(ii) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−C1−6アルキル、
(iii) −C5−6シクロアルキル、
(iv) ベンジル、及び
(v) フェニル
から独立に選択される。)、
(或いは、RとR10は結合して、非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はモルホリニルから選択される環を形成することができる(ここで、前記置換基は、
(I) −C1−6アルキル、
(II) −O−C1−6アルキル、
(III) ハロ、
(IV) ヒドロキシ、
(V) フェニル、及び
(VI) ベンジル
から独立に選択される。)。)、
(h) −CONR10、及び
(i) −SO10
(j) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、及び
(e) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(4) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)
から独立に選択される。)
から選択され、
2a、R2b及びR2cは、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) ハロ、
(4) ヒドロキシ、
(5) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、
(6) −OCF
(7) トリフルオロメチル、
(8) −CO
(9) −CONR10、及び
(10) −SO10
から独立に選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10、及び
(i) −SO10
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、
(e) トリフルオロメチル、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10
(i) −SO10
(j) −CN、及び
(k) −OCF
から独立に選択される。)
から選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、
(3) C5−6シクロアルキル、
(4) ベンジル、及び
(5) フェニル
から選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) −C3−6シクロアルキル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10
(i) −SO10、及び
(j) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、及び
(e) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)
から選択され、
Xは結合又は−N(R4a)−であって、R4aはRの前記定義から独立に選択され、
mは1又は2であり、
nは1又は2である。)
【0009】
本発明の一実施態様は、式Iaの化合物、薬剤として許容されるその塩、及びその個々のジアステレオマーを含む。
【0010】
【化5】

(式中、R、R2a、R2b、R2c、R、R、R及びnは本明細書に定義されている。)
【0011】
本発明の別の実施態様は、式Ibの化合物、薬剤として許容されるその塩、及びその個々のジアステレオマーを含む。
【0012】
【化6】

(式中、R、R2a、R2b、R2c、R、R、R4a、R及びnは本明細書に定義されている。)
【0013】
本発明の一実施態様においては、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) −C3−6シクロアルキル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、複素環は、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、チエニル又はモルホリニルから選択され、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO(ここで、Rは、
(i) 水素、
(ii) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−C1−6アルキル、
(iii) −C5−6シクロアルキル、
(iv) ベンジル、及び
(v) フェニル
から独立に選択される。)、
(g) −NR10(ここで、R10は、
(i) 水素、
(ii) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−C1−6アルキル、
(iii) −C5−6シクロアルキル、
(iv) ベンジル、及び
(v) フェニル
から独立に選択される。)、
(h) −CONR10、及び
(i) −SO10
(j) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、複素環は、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル又はチエニルから選択され、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、及び
(e) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(4) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)
から独立に選択される。)
から選択され、
2a、R2b及びR2cは、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) ハロ、
(4) ヒドロキシ、
(5) −O−C1−6アルキル、
(6) −OCF
(7) トリフルオロメチル、
(8) −CO
(9) −CONR10、及び
(10) −SO10
からなる群から独立に選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10、及び
(i) −SO10
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、複素環は、ピリジル又はチエニルから選択され、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、
(e) トリフルオロメチル、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10
(i) −SO10
(j) −CN、及び
(k) −OCF
から独立に選択される。)
から選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、
(3) C5−6シクロアルキル、
(4) ベンジル、及び
(5) フェニル
から選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) −C3−6シクロアルキル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10
(i) −SO10、及び
(j) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、複素環は、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル又はチエニルから選択され、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、及び
(e) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)
から選択され、
Xは結合又は−N(R4a)−であって、R4aはRの前記定義から独立に選択され、
mは1又は2であり、
nは1又は2である。
【0014】
本発明の一実施態様においては、Rは、水素及び−C1−6アルキルから選択され、前記−C1−6アルキルは非置換であり、又は1から4個の置換基で置換されており、前記置換基はハロ、ヒドロキシ、−O−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル及びフェニルから独立に選択される。
【0015】
本発明の一実施態様においては、Rは、水素及び−C1−6アルキルから選択され、前記−C1−6アルキルは非置換であり、又は1個以上のフルオロで置換されている。
【0016】
本発明の一実施態様においては、Rはメチル及びCFCH−から選択される。
【0017】
本発明の一実施態様においては、R2a、R2b及びR2cは、水素、ハロ、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される。
【0018】
本発明の一実施態様においては、R2a、R2b及びR2cは水素である。
【0019】
本発明の一実施態様においては、Rは、−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル及びチエニルから選択される。
【0020】
本発明の一実施態様においては、Rは、フェニル、ピリジル及びチエニルから選択される。
【0021】
本発明の一実施態様においては、Rはフェニルである。
【0022】
本発明の一実施態様においては、Rは、水素及び−C1−6アルキルから選択され、前記−C1−6アルキルは非置換であり、又はフルオロで置換されている。
【0023】
本発明の一実施態様においては、Rは水素である。
【0024】
本発明の一実施態様においては、Rは、水素、フェニル及び−C1−6アルキルから選択される。
【0025】
本発明の一実施態様においては、Rは水素である。
【0026】
本発明の一実施態様においては、Rはメチルである。
【0027】
本発明の一実施態様においては、Xは結合である。
【0028】
本発明の一実施態様においては、Xは−NH−である。
【0029】
本発明の一実施態様においては、nは1である。
【0030】
本発明の一実施態様においては、nは2である。
【0031】
本発明の具体的実施態様は、
【0032】
【化7】



からなる群から選択される化合物、及び薬剤として許容されるその塩を含む。
【0033】
本発明の化合物は、1個以上の不斉中心を含み、したがって、ラセミ体及びラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物、及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。本発明の化合物は2個の不斉中心を有する。さらに別の不斉中心は、分子上の様々な置換基の性質に応じて存在することができる。このような各不斉中心は、2種類の光学異性体を独立に生じ、混合物として、また、純粋な化合物又はある程度精製された化合物として可能な光学異性体及びジアステレオマーのすべてが本発明の範囲内にあるものとする。本発明は、これらの化合物のそのような異性体のすべてを包含するものとする。
【0034】
式Iに、好ましい立体化学のない化合物クラスの構造を示す。具体的化合物の構造は、これらの化合物が調製されるベンゾジアゼピン成分の好ましい立体化学を示す。
【0035】
これらのジアステレオマー、又はそれらのクロマトグラフィー分離物は、当分野で知られているように、本明細書に開示する方法を適切に改変することによって、個別に合成することができる。それらの絶対立体配置は、絶対配置が既知の不斉中心を含む試薬を用いて、必要に応じて誘導体化された結晶性生成物又は結晶性中間体のx線結晶学によって決定することができる。
【0036】
必要に応じて、化合物のラセミ混合物を分離して、個々の鏡像異性体を単離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物を、鏡像異性的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、続いて、分別結晶、クロマトグラフィーなどの標準方法によって個々のジアステレオマーに分離するなど、当分野で周知の方法によって実施することができる。カップリング反応は、鏡像異性的に純粋な酸又は塩基を用いた塩の形成であることが多い。次いで、付加した鏡像異性残基を切断することによって、ジアステレオマー誘導体を純粋な鏡像異性体に転化することができる。これらの化合物のラセミ混合物も、キラル固定相を利用したクロマトグラフィー方法によって直接分離することができる。これらの方法は当分野で周知である。
【0037】
或いは、立体配置が既知である光学的に純粋な出発材料又は試薬を用いて、当分野で周知の方法による立体選択的合成によって、化合物の任意の鏡像異性体を得ることができる。
【0038】
本明細書において使用されるハロ、すなわちハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを含むことを当業者は理解されたい。同様に、C1−8アルキルにおけるようにC1−8は、線状又は分枝状配列の1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素を有する基であると定義される。具体的には、C1−8アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどである。同様に、CアルキルにおけるようにCは、直接の共有結合であると定義される。本明細書において使用される「複素環」という用語は、以下の基、すなわち、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル(carbolinyl)、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル(indolazinyl)、インダゾリル、イソベンゾフランyl、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフタピリジニル(naphthpyridinyl)、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル(tetrazolopyridyl)、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンズオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロチエニル、並びにこれらのN−酸化物を含むものとするが、これらだけに限定されない。
【0039】
「薬剤として許容される」という句は、本明細書では、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー性応答、又は他の問題若しくは合併症がなく、妥当な利点/リスク比でヒト及び動物の組織と接触して使用するのに、健全な医学的判断の範囲内で適切である化合物、材料、組成物及び/又は剤形を意味するものとする。
【0040】
本明細書において使用される「薬剤として許容される塩」とは、親化合物が、その酸塩又は塩基塩を生成することによって改変された誘導体を指す。薬剤として許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機酸又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ又は有機塩などが挙げられるが、これらだけに限定されない。薬剤として許容される塩としては、例えば、無毒の無機酸又は有機酸から形成された親化合物の従来の無毒の塩又は四級アンモニウム塩などが挙げられる。例えば、そのような従来の無毒の塩としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導された塩;及び酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から調製される塩がある。
【0041】
本発明の化合物が塩基性のときには、塩は、無機酸及び有機酸を含めて薬剤として許容される無毒の酸から調製することができる。そのような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。特に好ましい酸は、クエン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸である。本明細書において使用される、式Iの化合物という表記は、薬剤として許容される塩も含むものであることを理解されたい。
【0042】
本発明は、実施例及び本明細書に開示された化合物を使用することによって例証される。本発明内の具体的な化合物としては、以下の実施例に開示する化合物からなる群から選択される化合物、薬剤として許容されるその塩及びその個々のジアステレオマーなどが挙げられる。
【0043】
本化合物は、CGRP受容体の拮抗作用を必要とする哺乳動物などの患者において、本化合物の有効量を投与することを含む拮抗方法に有用である。本発明は、CGRP受容体拮抗物質として本明細書に開示する化合物の使用を対象とする。霊長類、特にヒトに加えて、様々な他の哺乳動物を本発明の方法によって治療することができる。
【0044】
本発明の別の実施態様は、CGRP受容体拮抗物質である化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、患者においてCGRP受容体が関与する疾患又は障害を治療し、管理し、寛解させ、そのリスクを軽減する方法を対象とする。
【0045】
本発明は、さらに、本発明の化合物と薬剤担体又は希釈剤とを組み合わせることを含む、ヒト及び動物におけるCGRP受容体活性の拮抗用医薬品を製造する方法を対象とする。
【0046】
本方法において治療を受ける被検者は、一般に、CGRP受容体活性の拮抗が求められるオス又はメスの哺乳動物、好ましくはヒトである。「治療有効量」という用語は、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって求められる、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する本化合物の量を意味する。本明細書において使用される「治療」という用語は、特にこのような疾患又は障害に罹り易い患者における上記病気の治療と予防又は予防治療の両方を指す。
【0047】
本明細書において使用される「組成物」という用語は、指定成分を指定量で含む生成物、並びに各指定成分を指定量で組み合わせて直接的又は間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。薬剤組成物に関係するこのような用語は、活性成分と担体を構成する不活性成分とを含む生成物、並びに任意の2種類以上の成分の組み合わせ、複合若しくは集合から、又は1種類以上の成分の解離から、又は1種類以上の成分の他のタイプの反応若しくは相互作用から、直接的若しくは間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。したがって、本発明の薬剤組成物は、本発明の化合物と薬剤として許容される担体とを混合することによって調製される任意の組成物を包含する。「薬剤として許容される」とは、担体、希釈剤又は賦形剤が、製剤の他の成分と親和性があり、かつそのレシピエントに無害でなければならないことを意味する。
【0048】
化合物の「投与」、及び又は化合物を「投与すること」という用語は、治療を必要とする個体に本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを投与することを意味すると理解すべきである。
【0049】
CGRP受容体活性の拮抗物質としての本発明による化合物の有用性は、当分野で既知の方法によって証明することができる。受容体への125I−CGRPの結合の阻害、及びCGRP受容体の機能的拮抗作用は、以下のとおり決定された。
【0050】
天然型受容体結合アッセイ:SK−N−MC細胞膜中の受容体への125I−CGRPの結合は、本質的に(Edvinsson等(2001) Eur. J. Phamacol. 415、39〜44)に記載されたように実施された。手短に述べると、125I−CGRP 10pM及び拮抗物質を含む結合緩衝剤[10mM HEPES、pH7.4、5mM MgCl及び0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)]1ml中で膜(25μg)をインキュベートした。室温で3時間インキュベートした後、0.5%ポリエチレンイミンで3時間ブロックしたGFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)を通してろ過することによってアッセイを終了した。このフィルターを氷冷アッセイ緩衝剤で3回洗浄し、次いでプレートを風乾した。シンチレーション流体(50μl)を添加し、放射能をTopcount(Packard Instrument)で計数した。Prismを用いてデータを解析し、Cheng−Prusoff式によってKを求めた(Cheng & Prusoff(1973) Biochem. Pharmacol. 22、3099〜3108)。
【0051】
天然型受容体機能アッセイ:10%ウシ胎児血清、2mM L−グルタミン、0.1mM非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、100単位/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを補充した最少基本培地(MEM)中で37℃、湿度95%及び5%COでSK−N−MC細胞を増殖させた。cAMPアッセイの場合には、細胞を、96ウェルのポリ−D−リジン被覆プレート(Becton−Dickinson)中、5x10細胞/ウェルで蒔き、約18時間培養した後に分析した。細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS、Sigma)で洗浄し、次いで300μMイソブチルメチルキサンチンとともに無血清MEM中、37℃で30分間プレインキュベートした。拮抗物質を添加し、細胞を10分間インキュベートした後にCGRPを添加した。インキュベーションをさらに15分間継続し、次いで細胞をPBSで洗浄し、製造者の推奨プロトコルに従ってcAMP測定用に処理した。基礎量を超える最大刺激は、100nM CGRPを用いて定義された。用量反応曲線はPrismを用いて作成された。用量比(DR)を計算し、それを使用して完全なシルドプロットを構築した(Arunlakshana & Schild(1959) Br. J. Pharmacol. 14、48〜58)。
【0052】
組換え受容体:ヒトCRLR(Genbank受託番号L76380)を発現ベクターpIREShyg2(BD Biosciences Clontech)に5’NheI及び3’PmeI断片としてサブクローニングした。ヒトRAMP1(Genbank受託番号AJ001014)を発現ベクターpIRESpuro2(BD Biosciences Clontech)に5’NheI及び3’NotI断片としてサブクローニングした。293個の細胞(ヒト胚性腎臓細胞;ATCC#CRL−1573)を、10%ウシ胎児血清(FBS)、100単位/mLペニシリン及び100ug/mlストレプトマイシンが補充され、4.5g/Lグルコース、1mMピルビン酸ナトリウム及び2mMグルタミンを含むDMEM中で培養し、37℃、湿度95%に維持した。細胞を0.25%トリプシンと0.1%EDTAのHBSS溶液で処理して継代培養した。DNA 10ugとLipofectamine 2000(Invitrogen)30ugを75cmフラスコ中で同時形質移入することによって安定な細胞系を産生した。等量のCRLR及びRAMP1発現構築体を同時形質移入した。形質移入から24時間後に細胞を希釈し、その翌日に選択培地(増殖培地+300ug/mlハイグロマイシン及び1ug/mlピューロマイシン)を添加した。FACS Vantage SE(Becton Dickinson)を利用した単細胞付着によってクローン細胞系を生成した。増殖培地は、細胞増殖用に150ug/mlハイグロマイシン及び0.5ug/mlピューロマイシンに調節された。
【0053】
組換え受容体結合アッセイ:組換えヒトCRLR/RAMP1を発現する細胞をPBSで洗浄し、50mM HEPES、1mM EDTA及び完全プロテアーゼ阻害剤(Roche)を含む収集緩衝剤で収集した。細胞懸濁液を実験室用ホモジナイザーを用いてばらばらにし、48,000gで遠心分離して膜を単離した。ペレットを250mMスクロースを含む収集緩衝剤に再懸濁し、−70℃で保存した。結合アッセイのために、膜10ugを、125I−hCGRP(Amersham Biosciences)10pM及び拮抗物質を含む結合緩衝剤(10mM HEPES、pH7.4、5mM MgCl及び0.2%BSA)1ml中で室温で3時間インキュベートした。0.05%ポリエチレンイミンでブロックされた96ウェルGFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)を通してろ過することによってアッセイを終了した。このフィルターを氷冷アッセイ緩衝剤(10mM HEPES、pH7.4)で3回洗浄した。シンチレーション流体を添加し、Topcount(Packard)を用いてプレートを計数した。非特異的結合を求め、データを解析し、結合CPMデータを下式に一致させる非線形最小二乗法によって見掛け解離定数(K)を求めた。
【0054】
【化8】

【0055】
ここで、Yは結合CPM実測値であり、Ymaxは全結合カウントであり、Y minは非特異的結合カウントであり、(Y max−Y min)は特異的結合カウントであり、%I maxは最大阻害割合であり、%I minは最少阻害割合であり、放射能標識はプローブであり、Kは、Hot飽和実験によって求められる、受容体に対する放射性リガンドの見掛け解離定数である。
【0056】
組換え受容体機能アッセイ:細胞を、96ウェルのポリ−D−リジン被覆プレート(Corning)中の完全増殖培地中に85,000細胞/ウェルで蒔き、約19時間培養した後に分析した。細胞をPBSで洗浄し、次いでL−グルタミン及び1g/L BSAを含むCellgro Complete Serum−Free/Low−Protein培地(Mediatech, Inc.)中で阻害剤とともに37℃、湿度95%で30分間インキュベートした。イソブチル−メチルキサンチンを濃度300μMで細胞に添加し、37℃で30分間インキュベートした。ヒトα−CGRPを濃度0.3nMで細胞に添加し、37℃で5分間インキュベートした。α−CGRP刺激後、細胞をPBSで洗浄し、製造者の推奨プロトコルに従って二段階アッセイ手順を利用してcAMP測定用に処理した(cAMP SPA直接スクリーニングアッセイシステム;RPA 559;Amersham Biosciences)。用量反応曲線をプロットし、式y=((a−d)/(1+(x/c))+d(式中、y=応答、x=用量、a=最大応答、d=最小応答、c=変曲点及びb=傾き)によって定義される4パラメータロジスティックフィットからIC50値を求めた。
【0057】
特に、以下の実施例の化合物は、上記アッセイにおいてCGRP受容体の拮抗物質としての活性を有し、一般に、K又はIC50値は約50μM未満であった。このような結果は、CGRP受容体拮抗物質として使用される本化合物の固有の活性を示している。
【0058】
本発明の化合物は、CGRP拮抗物質として作用し得ることから、ヒト及び動物、特にヒトにおいて、CGRPが関与する障害に対する有用な薬剤である。
【0059】
本発明の化合物は、以下の病気又は疾患、すなわち、頭痛;片頭痛;群発性頭痛;慢性緊張型頭痛;とう痛;慢性痛;神経原性炎症及び炎症性とう痛;神経因性とう痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インシュリン非依存性糖尿病;血管障害;炎症;関節炎;気道過敏性、喘息;ショック;敗血症;オピエート離脱症候群;モルヒネ耐性;男性及び女性におけるほてり;アレルギー性皮膚炎;乾せん;脳炎;脳損傷;てんかん;神経変性疾患;皮膚病;神経原性の皮膚の発赤、酒さ及び紅斑;炎症性腸疾患、過敏性大腸症候群、膀胱炎;及びCGRP受容体の拮抗作用によって治療又は防止することができる他の病気の1種類以上を治療し、防止し、寛解させ、管理し、又はそのリスクを軽減するのに有用である。特に重要なのは、片頭痛及び群発性頭痛を含めた頭痛の急性期治療又は予防治療である。
【0060】
本化合物は、さらに、本明細書に記載する疾患、障害及び病気を予防し、治療し、管理し、寛解させ、又はそのリスクを軽減する方法において有用である。
【0061】
本化合物は、さらに、他の薬剤と組み合わせて、上記疾患、障害及び病気を予防し、治療し、管理し、寛解させ、又はそのリスクを軽減する方法において有用である。
【0062】
本発明の化合物は、式Iの化合物又は他の薬物が有用になり得る疾患又は病気を治療し、予防し、管理し、寛解させ、又はそのリスクを軽減するのに、1種類以上の他の薬物と併用することができる。これらの薬物の併用は、各薬物単体よりも安全で有効である。このような他の薬物は、そのために一般に使用される経路及び量で、式Iの化合物と同時に、又は連続して投与することができる。式Iの化合物を1種類以上の他の薬物と同時に使用するときには、そのような他の薬物と式Iの化合物を含む単位剤形の薬剤組成物が好ましい。しかし、併用療法は、式Iの化合物と1種類以上の他の薬物とを異なる重複スケジュールで投与する療法も含むことができる。また、1種類以上の他の活性成分と併用するときには、本発明の化合物と他の活性成分を、各々を単体で使用するときよりも少ない用量で使用することができると考えられる。したがって、本発明の薬剤組成物は、式Iの化合物に加えて、1種類以上の他の活性成分を含む薬剤組成物を含む。
【0063】
例えば、本化合物は、エルゴタミン又は5−HT作用物質、特に5−HT1B/1D作用物質、例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン及びリザトリプタンなどの抗炎症剤又は鎮痛剤又は片頭痛薬;選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、例えば、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ又はパラコキシブ(paracoxib)などのシクロオキシゲナーゼ阻害剤;非ステロイド抗炎症剤又はサイトカイン抑制抗炎症剤、例えば、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラック、エトドラク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン又はスルファサラジンなどの化合物と;又はステロイド鎮痛剤と併用することができる。同様に、本化合物は、アセトアミノフェン、フェナセチン、コデイン、フェンタニル、スフェンタニル、メサドン、アセチルメタドール、ブプレノルフィン、モルヒネなどの鎮痛剤とともに投与することができる。
【0064】
また、本化合物は、インターロイキン−1阻害剤などのインターロイキン阻害剤;NK−1受容体拮抗物質、例えば、アプレピタント;NMDA拮抗物質;NR2B拮抗物質;ブラジキニン−1受容体拮抗物質;アデノシンA1受容体作用物質;ナトリウムチャネル遮断薬、例えば、ラモトリジン;レボメサジルアセテート、メサジルアセテートなどのオピエート作用物質;5−リポキシゲナーゼ阻害剤などのリポキシゲナーゼ阻害剤;アルファ受容体拮抗物質、例えば、インドラミン;アルファ受容体作用物質;バニロイド受容体拮抗物質;mGluR5作用物質、拮抗物質又は増強剤;GABA A 受容体調節物質、例えば、アカンプロセートカルシウム;ニコチンを含めたニコチン拮抗物質又は作用物質;ムスカリン性作用物質又は拮抗物質;選択的セロトニン再取り込み阻害薬、例えば、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラム又はシタロプラム;三環系抗うつ薬、例えば、アミトリプチリン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミン又はイミプラミン;ロイコトリエン拮抗物質、例えば、モンテルカスト又はザフィルルカスト;一酸化窒素阻害剤又は一酸化窒素合成阻害剤と併用することができる。
【0065】
また、本化合物は、麦角アルカロイド、例えば、エルゴタミン、エルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、メシル酸エルゴロイド、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−α−エルゴクリプチン、ジヒドロ−β−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、I−エルゴクリプチン、β−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチン又はメチセルジドと併用することができる。
【0066】
また、本化合物は、チモロール、プロパノロール(propanolol)、アテノロール、ナドロールなどのベータ−アドレナリン拮抗物質;MAO阻害剤、例えば、フェネルジン;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、フルナリジン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピン、プロクロルペラジン又はガバペンチン;オランザピン、クエチアピンなどの神経遮断薬;トピラメート、ゾニサミド、トナベルサト、カラベルサト、ジバルプロックスナトリウムなどの抗けいれん薬;アンジオテンシンII拮抗物質、例えば、ロサルタン及びカンデサルタンシレキセチル;リシノプリルなどのアンジオテンシン変換酵素阻害薬;又はボツリヌス毒素タイプAと併用することができる。
【0067】
本化合物は、カフェイン、H2−拮抗物質、シメチコン、アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの増強剤;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、レボ−デゾキシ−エフェドリンなどのうっ血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、デキストロメトルファンなどの鎮咳薬;利尿薬;メトクロプラミド、ドンペリドンなどの運動促進薬、及び鎮静性又は非鎮静性抗ヒスタミン薬と併用することができる。
【0068】
特に好ましい実施態様においては、本化合物は、エルゴタミン;5−HT作用物質、特に5−HT1B/1D作用物質、特に、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、リザトリプタンなどの片頭痛薬;及び選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、特に、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、メロキシカム、バルデコキシブ又はパラコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ阻害剤と併用される。
【0069】
上記組合せは、本発明の化合物と1種類の他の活性化合物だけでなく、2種類以上の他の活性化合物との組合せも含む。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患又は病気の防止、治療、管理又は寛解に使用される他の薬物と併用することができる。このような他の薬物は、本発明の化合物と同時に又は連続して、そのために一般に使用される経路及び量で投与することができる。本発明の化合物を1種類以上の他の薬物と同時に使用するときには、本発明の化合物に加えてそのような他の薬物を含む薬剤組成物が好ましい。したがって、本発明の薬剤組成物は、本発明の化合物に加えて1種類以上の他の活性成分も含む薬剤組成物を含む。
【0070】
本発明の化合物と他の活性成分との重量比は、変動し得るものであり、各成分の有効量によって決まる。一般に、各々の有効量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物を他の薬剤と組み合わせるときには、本発明の化合物と他の薬剤の重量比は、一般に、約1000:1から約1:1000であり、好ましくは約200:1から約1:200である。本発明の化合物と他の活性成分の組合せは、一般に上記範囲内にあるが、各場合において、各活性成分の有効量を使用すべきである。
【0071】
このような組合せにおいては、本発明の化合物と他の活性薬剤は、別々に又は一緒に投与することができる。また、1つの要素は、他の薬剤の投与の前、投与と同時、又は投与後に、同じ投与経路又は異なる投与経路によって投与することができる。
【0072】
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射若しくは注入、皮下注射又は移植片)、吸入噴霧、経鼻、経膣、経直腸、舌下又は局所的投与経路で投与することができ、単独で又は一緒に、各投与経路に適切な、無毒の薬剤として許容される従来の担体、アジュバント及びビヒクルを含む適切な単位用量製剤として処方することができる。温血動物の治療に加えて、本発明の化合物はヒトにおける使用に有効である。
【0073】
本発明の化合物を投与するための薬剤組成物は、好都合には単位用量の形とすることができ、薬学分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。すべての方法は、1種類以上の補助成分を構成する担体と活性成分を会合させる段階を含む。一般に、これらの薬剤組成物は、液体担体又は細かく分割された固体担体又はその両方と活性成分を均一かつ完全に会合させ、次いで、必要に応じて、その生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。薬剤組成物においては、活性化合物は、疾患プロセス又は状態に所望の効果をもたらすのに十分な量で含まれる。本明細書において使用する「組成物」という用語は、指定成分を指定量で含む生成物、並びに各指定成分を指定量で組み合わせて直接的又は間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。
【0074】
活性成分を含む薬剤組成物は、経口用途、例えば、錠剤、トローチ剤、舐剤、水性又は油性懸濁液剤、分散性散剤又は顆粒剤、乳剤、硬又は軟カプセル剤、或いはシロップ剤又はエリキシル剤に適切な剤形とすることができる。経口用組成物は、薬剤組成物製造分野で既知の任意の方法によって調製することができ、このような組成物は、薬剤的に優れた、口当たりの良い製剤を提供するために、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1種類以上の薬剤を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に適切である、薬剤として許容される無毒の賦形剤と混合された活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;顆粒化剤及び崩壊剤、例えば、コーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアラビアゴム;及び潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクとすることができる。錠剤は被覆されていなくてもよく、或いは消化管内での崩壊及び吸収を遅らせ、それによって長時間の持続作用をもたらす既知の技術によって被覆することもできる。例えば、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリンなどの遅延材料を使用することができる。これらは、米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号及び同第4,265,874号に記載の技術によって被覆して、放出を制御する浸透圧治療錠剤(osmotic therapeutic tablet)を形成することもできる。経口錠剤は、溶融の速い錠剤又はウェーハ、溶解の迅速な錠剤、溶解の速いフィルムなどの即時放出用に処方することもできる。
【0075】
経口製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセル剤、或いは活性成分が水又はオイル媒体、例えば、落花生油、流動パラフィン若しくはオリーブオイルと混合されている軟質ゼラチンカプセル剤とすることができる。
【0076】
水性懸濁液剤は、水性懸濁液剤の製造に適切な賦形剤と混合された活性材料を含む。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムであり、分散剤又は湿潤剤は、天然リン脂質、例えば、レシチン、又はアルキレンオキサイドと脂肪酸の縮合物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなどの脂肪酸とヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、又は脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアートとすることができる。水性懸濁液剤は、1種類以上の防腐剤、例えば、エチル、又はn−プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸、1種類以上の着色剤、1種類以上の矯味矯臭剤、及びスクロース、サッカリンなどの1種類以上の甘味剤を含むこともできる。
【0077】
油性懸濁液剤は、植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油、又は流動パラフィンなどの鉱物油中に活性成分を懸濁させることによって調剤することができる。油性懸濁液剤は、増粘剤、例えば、蜜ろう、固形パラフィン又はセチルアルコールを含むことができる。上述したものなどの甘味剤、及び矯味矯臭剤は、口当たりの良い経口製剤を提供するために添加することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することによって保存することができる。
【0078】
水を添加することによって水性懸濁液剤を調製するのに適切な分散性散剤及び顆粒剤によって、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種類以上の防腐剤と混合された活性成分が提供される。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上述したものによって例示されている。追加の賦形剤、例えば、甘味料、矯味矯臭剤及び着色剤も入れることができる。
【0079】
本発明の薬剤組成物は、水中油型乳剤の形とすることもできる。油層は、植物油、例えば、オリーブ油若しくは落花生油、又は鉱物油、例えば、流動パラフィン、又はこれらの混合物とすることができる。適切な乳化剤は、天然ゴム、例えば、アラビアゴム又はトラガカントゴム、天然リン脂質、例えば、ダイズ、レシチン、及び脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導されるエステル又は部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレアート、及び前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートとすることができる。乳剤は、甘味料及び矯味矯臭剤を含むこともできる。
【0080】
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースとともに処方することができる。このような製剤は、粘滑薬、防腐剤及び矯味矯臭剤及び着色剤を含むこともできる。
【0081】
薬剤組成物は、無菌注射用水性又は油脂性懸濁液剤の形とすることができる。この懸濁液剤は、上述した適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて既知の技術によって処方することができる。無菌注射用製剤は、無毒の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒、例えば1,3−ブタンジオール溶液の無菌注射液又は懸濁液とすることもできる。使用可能な許容されるビヒクル及び溶媒は、水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。また、従来、無菌不揮発性油が溶媒又は分散媒体として使用されている。このため、合成モノ又はジグリセリドを含めてあらゆる無刺激性不揮発性油を使用することができる。また、オレイン酸などの脂肪酸も注射用製剤に使用される。
【0082】
本発明の化合物は、薬物を直腸投与するための坐剤の形で投与することもできる。これらの組成物は、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、したがって、直腸内で溶融して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって調製することができる。このような材料は、カカオ脂及びポリエチレングリコールである。
【0083】
局所に使用する場合は、本発明の化合物を含むクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、液剤、懸濁液剤などが使用される。同様に、経皮貼付剤も局所的投与に使用することができる。
【0084】
本発明の薬剤組成物及び方法は、さらに、上述の病的症状の治療に通常適用される、本明細書に記載する他の治療上活性な化合物を含むことができる。
【0085】
CGRP受容体活性の拮抗を必要とする病気の治療、防止、管理、寛解、又はそのリスク軽減においては、適切な投与量レベルは、一般に、約0.01から500mg/kg患者体重/日であり、これを単回又は複数回投与することができる。適切な投与量レベルは、約0.01から250mg/kg/日、約0.05から100mg/kg/日、又は約0.1から50mg/kg/日とすることができる。この範囲内で、投与量は、0.05から0.5、0.5から5、又は5から50mg/kg/日とすることができる。経口投与の場合には、本組成物は、治療すべき患者に対する投与量の症候性調節のために、活性成分の1.0から1000ミリグラム、特に活性成分の1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0ミリグラムを含む錠剤の形で好ましくは提供される。本化合物は、毎日1回から4回、好ましくは毎日1回又は2回の投与計画で投与することができる。
【0086】
頭痛、片頭痛、群発性頭痛、又は本発明の化合物が指定される他の疾患を治療し、防止し、管理し、寛解させ、又はそのリスクを軽減する場合には、本発明の化合物が約0.1ミリグラムから約100ミリグラム/キログラム動物体重の1日用量、好ましくは単回の1日量、又は1日2回から6回の分割用量、又は徐放製剤で投与されるときに一般に満足のいく結果が得られる。ほとんどの大型哺乳動物では、合計1日用量は、約1.0ミリグラムから約1000ミリグラムであり、好ましくは約1ミリグラムから約50ミリグラムである。70kgの成人の場合には、合計1日量は、一般に、約7ミリグラムから約350ミリグラムである。この投与計画は、最適な治療応答を得るために調節することができる。
【0087】
しかし、任意の特定の患者に対する具体的用量レベル及び投与頻度は変わることがあり、使用した特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用期間、年齢、体重、全般的健康状態、性別、食餌、投与形式及び時間、排出速度、薬物の組合せ、特定の症状の重篤度、並びに治療を受けるホストを含めて様々な要因によって決まることを理解されたい。
【0088】
本発明の化合物を調製するいくつかの方法を、以下のスキーム及び実施例に示す。出発材料は、当分野で既知の手順、又は本明細書に示す手順に従って作製される。
【0089】
本発明の化合物は、容易に利用可能な出発材料、試薬及び従来の合成手順を用いて、以下のスキーム及び具体例又はその改変例に従って容易に調製することができる。これらの反応においては、それ自体当業者に既知ではあるが、あまり詳細には述べられていない変異体を利用することもできる。本発明において特許請求する化合物を生成する一般的手順は、以下のスキームを考察することによって当業者は容易に理解し、評価することができる。
【0090】
スピロヒダントイン中間体の合成は、スキーム1から3に記載のように実施することができる。
【0091】
【化9】

【0092】
市販6−ブロモ−2−テトラロン(1)は、Bucherer−Bergs条件下、炭酸アンモニウム、及びシアン化ナトリウム又はシアン化カリウムを用いてスピロヒダントイン2に容易に転化することができる。他の2−テトラロンは、Burckhalter及びCampbell、J. Org. Chem.、26、4232(1961)によって記載されたように、塩化アリールアセチルとエテンのフリーデル−クラフツ反応などの様々な文献方法を用いて容易に入手することができ、同様に対応するスピロヒダントインに転化することができる。スキーム1において、スピロヒダントイン2を臭化エチルマグネシウム、続いてtert−ブチルリチウムで処理して金属−ハロゲン交換を行い、得られたアリールリチウム種を二酸化炭素でクエンチして酸3が得られる。Wolff、Org. React.、3、307(1946)に概説されたように、3とトリアゾ水素酸のシュミット反応を使用してアニリン4を得ることができる。或いは、Yamada及び共同研究者、Tetrahedron、30、2151(1974)の手順に従って、3及びジフェニルホスホリルアジドを用いた改変クルチウス転位によって、そのtert−ブチル又はカルバミン酸ベンジル誘導体を経由してアニリン4を得ることができる。
【0093】
【化10】

【0094】
スキーム2において、6−ブロモ−2−テトラロン(1)をメチルアミン塩酸塩及びシアン化カリウム、続いてシアン酸カリウム及び塩酸で処理すると、メチル化ヒダントイン誘導体5が生成する。スキーム1に記載したものと類似の手順を使用して酸6及びアニリン7を得ることができる。スキーム3に、主要なインダン系スピロヒダントイン中間体の合成について詳細に示す。
【0095】
【化11】

【0096】
2−インダノン(8)は、示したようにBucherer−Bergs化学反応によってスピロヒダントイン9に転化される。9を硝酸で処理して5−ニトロインダン誘導体10が得られる。これを接触水素化条件下で対応するアニリン11に還元することができる。或いは、スピロヒダントイン9を48%臭化水素酸中の臭素で処理することによって臭素化して、臭化物12を得ることができる。この臭化物をリチオ化し、続いて二酸化炭素でクエンチして、カルボン酸13が得られる。スキーム1から3に記載されたものなどのスピロヒダントインカルボン酸及びアニリン中間体から、スキーム4に示すように、さらに、当業者に周知の技術によって、多種多様な最終生成物、例えば、アミド及びウレアを合成することができる。
【0097】
【化12】

【0098】
すなわち、酸AはアミンRNHと標準EDC−HOBTカップリング条件下でカップリングされてアミドBを生成する。PyBOPのような代替カップリング試薬の使用、カルボン酸の酸無水物又は酸塩化物としての活性化など、他の標準カップリング条件をこのようなアミドの合成に使用することができる。スキーム4に示すように、アニリンCとイソシアナートの反応によって、対応するウレア(D)が得られる。ウレアDは、ホスゲン、1,1’−カルボニルジイミダゾール、4−クロロギ酸ニトロフェニル又は類似の試薬を用いて、アニリンC及び適切なアミン(R’NH)から合成することもできる。
【0099】
本発明の化合物を生成するために使用されるアミン(RNH)及びイソシアナート(R’NCO)の大部分は、容易に入手可能である。それらは、商用供給源から得ることができ、又は当業者に周知の方法によって化学文献に記載されたように合成することができる。
【0100】
最終生成物は、例えば、置換基の操作によってさらに改変できることがある。これらの操作としては、当業者に一般に知られている還元、酸化、アルキル化、アシル化、加水分解反応などが挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0101】
上述の反応スキームを実施する順序は、反応を促進し、又は望ましくない反応生成物を回避するために変わることがある。以下の実施例によって、本発明をさらに理解することができるはずである。これらの実施例は、説明のためにのみあり、本発明を限定するものと決して解釈すべきではない。
【0102】
中間体1
【0103】
【化13】

【0104】
(±)−6’−カルボキシ−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5−ジオン
【0105】
段階A.(±)−6’−ブロモ−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5−ジオン
6−ブロモ−2−テトラロン(17.6g、78.2mmol)、シアン化ナトリウム(9.58g、195mmol)及び炭酸アンモニウム(97.7g、1.02mol)の撹拌混合物のHO(100mL)とEtOH(100mL)の溶液を70℃に3時間加熱し、次いで周囲温度に冷却した。沈殿物をろ過によって収集し、HO(5x200mL)で洗浄した。減圧乾燥して淡色固体の標題化合物を得た。MS:=297(M+1)。
【0106】
段階B.(±)−6’−カルボキシ−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5−ジオン
−70℃の(±)−6’−ブロモ−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5−ジオン(14.9g、50.5mmol)のTHF(1.2L)撹拌懸濁液に、臭化エチルマグネシウム(3.0M THF溶液、51mL、152mmol)を滴下した。得られた混合物を10分間撹拌し、次いでtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液、180mL、305mmol)を30分間にわたって滴下した。撹拌を−70℃で20分間続け、次いで追加のtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液、60mL、102mmol)を10分間にわたって滴下した。さらに30分後、LCMS分析によって反応が完結したことが示されるまでCO(g)を反応混合物中にバブリングさせた。混合物を周囲温度まで徐々に加温し、THFを減圧除去した。残渣をHOに懸濁し、濃塩酸を最終体積約500mLまで添加してその溶液をpH=1から2に調節した。この混合物をろ過し、単離された固体をHO(4x100mL)で洗浄し、次いで減圧乾燥させた。この粗製固体をEtOHを用いてすり潰して、淡褐色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=261(M+1)。
【0107】
中間体2
【0108】
【化14】

【0109】
(±)−6’−アミノ−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5−ジオン
(中間体1において記載された)(±)−6’−カルボキシ−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’ナフタレン]−2,5−ジオン(1.50g、5.76mmol)とアジ化ナトリウム(749mg、11.53mmol)の濃HSO(30mL)撹拌混合物を50℃に2時間加熱し、次いで周囲温度に冷却した。その混合物を、6N NaOH水溶液を添加してpH8に調節し、減圧濃縮して固体を沈殿させた。この沈殿物をろ過によって収集し、HOで十分洗浄した。減圧乾燥して淡褐色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=232(M+1)。
【0110】
中間体3
【0111】
【化15】

【0112】
(±)−6’−カルボキシ−3−メチル−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5−ジオン
【0113】
段階A.(±)−6’−ブロモ−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5−ジオン
6−ブロモ−2−テトラロン(1.00g、4.44mmol)とメチルアミン塩酸塩(300mg、4.44mol)の混合物のHO(1mL)とEtOH(1.5mL)の溶液を周囲温度で20分間撹拌した。シアン化カリウム(289mg、4.44mmol)を添加し、18時間撹拌を続けた。この混合物を1.0N HCl水溶液(4.5mL)の撹拌溶液に0℃で滴下し、次いでシアン酸カリウム(360mg、4.44mmol)を分割添加した。この撹拌混合物を95℃に加熱し、濃塩酸(0.44mL)を滴下した。反応混合物をこの温度で1時間加熱し、冷却し、CHCl(80mL)で抽出した。この有機抽出物をNaSOを用いて脱水し、ろ過し、濃縮乾固した。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、CHCl:MeOH−100:0から90:10の勾配で溶出させて精製し、標題化合物の粗製試料(純度約70%)を得た。EtOHを用いてすり潰して淡色固体の標題化合物を得た。MS:nz/z=311(M+1)。
【0114】
段階B.(±)−6’−カルボキシ−3−メチル−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5ジオン
−70℃の(±)−6’−ブロモ−3−メチル−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5−ジオン(211mg、0.682mmol)のTHF(30mL)撹拌懸濁液に、臭化エチルマグネシウム(1.0M THF溶液、1.37mL、1.37mmol)を滴下した。得られた混合物を15分間撹拌し、次いでtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液、1.61mL、2.73mmol)を滴下した。さらに30分後、LCMS分析によって反応が完結したことが示されるまでCO(g)を反応混合物中にバブリングさせた。混合物を周囲温度まで徐々に加温し、THFを減圧除去した。残渣をHO(20mL)に懸濁し、1.0N塩酸を添加してその溶液をpH=1から2に調節し、次いでNaCl(S)で飽和させた。この混合物をろ過し、単離された固体をHOで洗浄し、次いで減圧乾燥させた。この粗製固体をEtOHを用いてすり潰して、淡褐色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=275(M+1)。
【0115】
中間体4
【0116】
【化16】

【0117】
(±)−5’−カルボキシ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン
【0118】
段階A.(±)−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン
2−インダノン(3.0g、22.6mmol)、シアン化ナトリウム(3.3g、67.3mmol)及び炭酸アンモニウム(22g、228mol)の撹拌混合物のHO(50mL)とEtOH(50mL)の溶液を70℃に3時間加熱し、次いで周囲温度に冷却した。沈殿物をろ過によって収集し、HO(5x100mL)で洗浄した。減圧乾燥して灰褐色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=202(M+1)。
【0119】
段階B.(±)−5’−ブロモ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン
(±)−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン(1.0g、4.97mmol)の48%HBr(30mL)撹拌溶液に、Br(3.1g、19.9mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で4日間撹拌した。反応物を氷(30g)及びHO(10mL)上に注ぎ、固体沈殿物をろ過して除去し、HO(4x20mL)で洗浄した、減圧乾燥させて淡褐色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=282(M+1)。
【0120】
段階C.(±)−5’−カルボキシ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン
(±)−5’−ブロモ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5ジオン(120mg、0.42mmol)のTHF(4mL)撹拌懸濁液に、−70℃で臭化エチルマグネシウム(3.0M THF溶液、0.57mL、1.71mmol)を温度が−30℃を超えないように滴下した。得られた混合物を10分間撹拌し、次いでtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液、0.67mL、3.42mmol)を5分間にわたって滴下した。−70℃で20分間撹拌し続け、次いでLCMS分析によって反応が完結したことが示されるまでCO(g)を反応混合物中にバブリングさせた。混合物を周囲温度まで徐々に加温し、THFを減圧除去した。残渣を0.5M HCl 5mlに懸濁し、濃塩酸を最終体積約10mLまで添加してその溶液をpH=1から2に調節した。沈殿物をろ過し、単離された固体をHO(4x10mL)で洗浄し、次いで減圧乾燥させて褐色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=247(M+1)。
【0121】
中間体5
【0122】
【化17】

【0123】
(±)−5’−アミノ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン
【0124】
段階A.(±)−5’−ニトロ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン
(±)−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン(3.0g、14.8mmol、中間体4において記載された)の濃硝酸(33mL)溶液を周囲温度で1時間撹拌した。次いで、砕いた氷の上にその反応物を注ぎ、得られた固体をろ過によって単離した。この粗製材料をエタノールから再結晶化させて、黄色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=248(M+1)。
【0125】
段階B.(±)−5’−アミノ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン
(±)−5’−ニトロ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン(1.77g、7.16mmol)のEtOAc(100mL)とMeOH(100mL)の懸濁液に10%Pd/C(400mg)を添加し、その反応物を水素(約1気圧)下で激しく撹拌した。1時間後、触媒をろ過して除去し、ろ液を濃縮して淡褐色固体の標題化合物1.50g(97%)を得た。MS:m/z=218(M+1)。
【実施例1】
【0126】
【化18】

【0127】
2,5−ジオキソ−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−3’4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−6’−カルボキサミド、ジアステレオマーA&B
(3R)−3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(Shi等、Tetrahedron 1999、55、909)(507mg、1.52mmol)、(中間体1に記載された)(±)−6’−カルボキシ−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−2,5−ジオン(396mg、1.52mmol)、EDC(438mg、2.28mmol)、HOBT(308mg、2.01mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.795mL、4.56mmol)の混合物をDMF(5mL)中で周囲温度で18時間撹拌した。粗製混合物を飽和水溶液NaHCO(25mL)とCHCl(25mL)に分配し、さらに水相をCHCl(2x25mL)で抽出した。この混合有機抽出物をNaSOで脱水し、ろ過し、濃縮乾固した。この粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、CHCl:MeOH−100:0から95:5の勾配で溶出させて精製してオフホワイト固体の標題化合物を得た。MS:m/z=576(M+1)。HRMS:m/z=576.1840;C3024の実測m/z=576.1853。
【0128】
この化合物のジアステレオマーをChiralcel OD カラムを用いたHPLCによって、へキサン:2−プロパノール:ジエチルアミン−60:40:0.1から0:100:0.1の勾配で溶出させて分離し、
2,5−ジオキソ−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−6’−カルボキサミド、ジアステレオマーA MS:iizlz=576(M+1)。
2,5−ジオキソ−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−6’−カルボキサミド、ジアステレオマーB MS:m/z=576(M+1)。
を得た。
【実施例2】
【0129】
【化19】

【0130】
2,5−ジオキソ−N−F(3R)−1−メチル−2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−6’−カルボキサミド、ジアステレオマーA&B
実施例1に記載の手順に従い、ただし(3R)−3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピンの代わりに(3R)−3−アミノ−1−メチル−2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(Rittle等 Tetrahedron Lett. 1987、28、521)を用いて、白色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=508(M+1)。HRMS:m/z=508.1971;C2926の実測m/z=508.1979。
【実施例3】
【0131】
【化20】

【0132】
3−メチル−2,5−ジオキソ−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−6’−カルボキサミド、ジアステレオマーA&B
実施例1に記載の手順に従い、ただし中間体1の代わりに中間体3を用いて、白色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=590(M+1)。HRMS:m/z=590.1997;C3127の実測m/Z=590.2009。
【実施例4】
【0133】
【化21】

【0134】
2,5−ジオキソ−N−[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−5’−カルボキサミド、ジアステレオマーA&B
実施例1に記載の手順に従い、ただし中間体1の代わりに中間体4を用いて、白色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=562(M+1)。HRMS:m/z=562.1686;C2923の実測m/z=562.1697。
【実施例5】
【0135】
【化22】

【0136】
5’−({[(3R)−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]アミノ}カルボニル)アミノ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン、ジアステレオマーA&B
0℃の(3R)−3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(Shi等 Tetrahedron 1999、55、909)(153mg、0.46mmol)のTHF(10mL)溶液に4−クロロギ酸ニトロフェニル(93mg、0.46mmol)及びトリエチルアミン(0.064mL、0.46mmol)を添加すると、固体が溶液から沈降した。25分後、(中間体5において記載された)(±)−5’−アミノ−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−インダン]−2,5−ジオン(100mg、0.46mmol)を1:1 THF:DMSO(2mL)に添加し、次いでトリエチルアミン(0.162mL、1.15mmol)を添加した。次いで、反応混合物を周囲温度に加温し、18時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をHOとEtOAcに分配した。EtOAc層をMgSOで脱水し、ろ過し、濃縮した。この粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、CHCl:MeOH−100:0から95:5の勾配で溶出させて精製して白色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=577(M+1)。HRMS:m/z=577.1793;C2924の実測m/z=577.1806。
【実施例6】
【0137】
【化23】

【0138】
2,5−ジオキソ−N−[(3R)−1−メチル−2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル]−3’,4’−ジヒドロ−1’H−スピロ[イミダゾリジン−4,2’−ナフタレン]−6’−カルボキサミド、ジアステレオマーA&B
実施例5に記載の手順に従い、ただし(3R)−3−アミノ−2−オキソ−5−フェニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピンの代わりに(3R)−3−アミノ−1−メチル−2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン(Rittle等 Tetrahedron Lett. 1987、28、521)を用いて、白色固体の標題化合物を得た。MS:m/z=509(M+1)。HRMS:m/z=509.1927;C2825の実測m/z=509.1932。
【0139】
ある具体的な実施態様を参照して本発明を記述し説明したが、当業者は、手順及びプロトコルの様々な手直し、変更、改変、置換、削除又は追加が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解されたい。例えば、本発明の上記化合物による適応症のいずれかについて治療を受ける哺乳動物の応答性にばらつきがあるので、本明細書に示す特定の投与量以外の有効な投与量を適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、薬剤として許容されるその塩、及びその個々のジアステレオマー。
(Rは、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) −C3−6シクロアルキル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO(ここで、Rは、
(i) 水素、
(ii) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−C1−6アルキル、
(iii) −C5−6シクロアルキル、
(iv) ベンジル、及び
(v) フェニル
から独立に選択される。)、
(g) −NR10(ここで、R10は、
(i) 水素、
(ii) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−C1−6アルキル、
(iii) −C5−6シクロアルキル、
(iv) ベンジル、及び
(v) フェニル
から独立に選択される。)、
(或いは、RとR10は結合して、非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はモルホリニルから選択される環を形成することができる(ここで、前記置換基は、
(I) −C1−6アルキル、
(II) −O−C1−6アルキル、
(III) ハロ、
(IV) ヒドロキシ、
(V) フェニル、及び
(VI) ベンジル
から独立に選択される。)。)、
(h) −CONR10、及び
(i) −SO10
(j) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、及び
(e) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(4) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)
から独立に選択される。)
から独立に選択され、
2a、R2b及びR2cは、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) ハロ、
(4) ヒドロキシ、
(5) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、
(6) −OCF
(7) トリフルオロメチル、
(8) −CO
(9) −CONR10、及び
(10) −SO10
から独立に選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10、及び
(i) −SO10
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、
(e) トリフルオロメチル、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10
(i) −SO10
(j) −CN、及び
(k) −OCF
から独立に選択される。)
から選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、
(3) C5−6シクロアルキル、
(4) ベンジル、及び
(5) フェニル
から選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) −C3−6シクロアルキル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10
(i) −SO10、及び
(j) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、及び
(e) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)
から選択され、
Xは結合又は−N(R4a)−であって、R4aはRの前記定義から独立に選択され、
mは1又は2であり、
nは1又は2である。)
【請求項2】
式Iaの請求項1に記載の化合物、薬剤として許容されるその塩、及びその個々のジアステレオマー。
【化1】

【請求項3】
式Ibの請求項1に記載の化合物、薬剤として許容されるその塩、及びその個々のジアステレオマー。
【化2】

【請求項4】
請求項1に記載の化合物、薬剤として許容されるその塩、及びその個々のジアステレオマー。
(Rは、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) −C3−6シクロアルキル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、複素環は、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、チエニル又はモルホリニルから選択され、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO(ここで、Rは、
(i) 水素、
(ii) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−C1−6アルキル、
(iii) −C5−6シクロアルキル、
(iv) ベンジル、及び
(v) フェニル
から独立に選択される。)、
(g) −NR10(ここで、R10は、
(i) 水素、
(ii) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換された−C1−6アルキル、
(iii) −C5−6シクロアルキル、
(iv) ベンジル、及び
(v) フェニル
から独立に選択される。)、
(h) −CONR10、及び
(i) −SO10
(j) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、複素環は、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル又はチエニルから選択され、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、及び
(e) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(4) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)
から独立に選択される。)
から選択され、
2a、R2b及びR2cは、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) ハロ、
(4) ヒドロキシ、
(5) −O−C1−6アルキル、
(6) −OCF
(7) トリフルオロメチル、
(8) −CO
(9) −CONR10、及び
(10) −SO10
からなる群から独立に選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) トリフルオロメチル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10、及び
(i) −SO10
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、複素環は、ピリジル又はチエニルから選択され、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、
(e) トリフルオロメチル、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10
(i) −SO10
(j) −CN、及び
(k) −OCF
から独立に選択される。)
から選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、
(3) C5−6シクロアルキル、
(4) ベンジル、及び
(5) フェニル
から選択され、
は、
(1) 水素、
(2) 非置換であり、又は1から7個の置換基で置換された−C1−6アルキル若しくは−C3−6シクロアルキル(前記置換基は、
(a) ハロ、
(b) ヒドロキシ、
(c) −O−C1−6アルキル、
(d) −C3−6シクロアルキル、
(e) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル(ここで、前記置換基は、
(i) −C1−6アルキル、
(ii) −O−C1−6アルキル、
(iii) ハロ、
(iv) ヒドロキシ、及び
(v) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(f) −CO
(g) −NR10
(h) −CONR10
(i) −SO10、及び
(j) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)、
(3) 非置換であり、又は1から5個の置換基で置換されたフェニル若しくは複素環(ここで、複素環は、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル又はチエニルから選択され、前記置換基は、
(a) −C1−6アルキル、
(b) −O−C1−6アルキル、
(c) ハロ、
(d) ヒドロキシ、及び
(e) トリフルオロメチル
から独立に選択される。)
から選択され、
Xは結合又は−N(R4a)−であって、R4aはRの前記定義から独立に選択され、
mは1であり、
nは1である。)
【請求項5】
が水素及び−C1−6アルキルから選択され、前記−C1−6アルキルが非置換であり、又は1から4個の置換基で置換されており、前記置換基がハロ、ヒドロキシ、−O−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル及びフェニルから独立に選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
2a、R2b及びR2cが、水素、ハロ、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル、フェニル、ピリジル及びチエニルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が水素及び−C1−6アルキルから選択され、前記−C1−6アルキルが非置換であり、又はフルオロで置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が水素、フェニル及び−C1−6アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Xが結合又は−NH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
【化3】


からなる群から選択される化合物、及び薬剤として許容されるその塩。
【請求項12】
不活性担体と請求項1に記載の化合物とを含む薬剤組成物。
【請求項13】
頭痛、片頭痛又は群発性頭痛の治療に有用な医薬品の調製のための、請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−525430(P2007−525430A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507145(P2006−507145)
【出願日】平成16年3月10日(2004.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/007715
【国際公開番号】WO2004/087649
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】