ベランダ用柵
【課題】一種類の笠木で各種の厚さの外装材に対応することができ、かつ、笠木をパラペット躯体の外装材から張り出すことなく取り付けできるようにした構造条件の下で、支柱を立てて上方にパネルを配設する際、パネル下端縁に沿って設けられる下胴縁を支持する束柱を笠木の上面で支持可能とする。
【解決手段】パネル8は、上端縁に沿って設けられる上胴縁9Aが手摺Hに固定されることによって支持され、該パネル8の下端縁に沿って設けられる下胴縁9が支柱10の立設位置において支柱10に固定されるとともに、支柱10、10の立設位置の中間において下胴縁9と調整笠木4Bとの間に束柱11を立設することによって支持され、少なくとも、笠木本体4Aの連結部43と調整笠木4Bの被連結部411とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、束柱11の下面が調整笠木4Bの上面壁49に当接するように、調整笠木4Bの上面壁49の室内外方向の幅寸法を設定する。
【解決手段】パネル8は、上端縁に沿って設けられる上胴縁9Aが手摺Hに固定されることによって支持され、該パネル8の下端縁に沿って設けられる下胴縁9が支柱10の立設位置において支柱10に固定されるとともに、支柱10、10の立設位置の中間において下胴縁9と調整笠木4Bとの間に束柱11を立設することによって支持され、少なくとも、笠木本体4Aの連結部43と調整笠木4Bの被連結部411とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、束柱11の下面が調整笠木4Bの上面壁49に当接するように、調整笠木4Bの上面壁49の室内外方向の幅寸法を設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラペット躯体の上端面にベースアンカを固着し、そのベースアンカに笠木を固定してその笠木の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで前記パラペット躯体の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するとともに、前記パラペット躯体の上端部から所定間隔で支柱を設け、パネルを上胴縁と前記笠木との間に隙間を空けた状態で支柱に取り付けられた下胴縁とによって支持させるようにしたベランダ用柵に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パラペット躯体の屋外側面と屋内側面をモルタル仕上げ又はタイル仕上げをし、そのパラペット躯体の頂部にベースアンカを介して笠木を取付けるとともに、前記パラペット躯体に立設される支柱にパネルを固定したベランダ用柵が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、通常の高さより低い開口部用腰壁と、この開口部用腰壁の両側に配置された通常の高さの一対の腰壁と、上面が前記一対の腰壁の上端面と連続するように前記一対の腰壁の対向する側端面の上部を連結した笠木取付金具と、この笠木取付金具、前記開口部用腰壁および前記一対の腰壁で囲まれた開口部に取付けた開口化粧枠とを備えるとともに、この開口化粧枠にアクリル板を嵌め込んだ付属構造物が記載されている。
【特許文献1】特開平8−209798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の構造では、前記開口化粧枠により、笠木を納まりよく取り付けることができるようになるものの、パラペット躯体の開口部の開口部用腰壁及び一対の腰壁に直接開口化粧枠が取り付けられるため、風通しが悪いという問題があった。
【0005】
かかる問題を解決するため、パラペット躯体(前記開口部用腰壁)に複数の支柱を立設し、周囲のパラペット躯体から離間させた状態で、前記支柱にパネルを固定する支持構造が採用されている。このようなパネルの支持構造では、従来より、パネル下端では、パネルの下端縁に沿って設けられる下胴縁が前記支柱に固定されることによってパネル自重が支持されていた。
【0006】
ところが、パラペット躯体からパネルを離間した状態で、所定間隔で立設された支柱に前記下胴縁を固定した場合、支柱の立設位置の中間で前記下胴縁が撓んでしまうおそれがあった。そこで、このような支柱間の撓み防止のため、パラペット笠木と下胴縁との間に束柱を立設する対策が採られている。
【0007】
一方、本出願人は、近時、パラペット躯体の上端面にベースアンカを固着し、そのベースアンカに笠木を固定してその笠木の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで前記パラペット躯体の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するパラペット装置において、前記笠木は、ベースアンカに固定される笠木本体と、その笠木本体に連結される調整笠木とに分割して構成され、前記笠木本体は、前記ベースアンカの上方を覆う上面壁の屋内側端部に前記屋内側垂下壁を有するとともに、前記上面壁の屋外側端部に連結部を有し、前記調整笠木は、前記笠木本体の上面壁の屋外側部分を被覆する上面壁を有するとともに、その上面壁の屋外側端部から垂下し、パラペット躯体の屋外側の外装材の屋外側面に当接する前記屋外側垂下壁を有し、その屋外側垂下壁の上部の屋内側面に前記笠木本体の連結部と屋内外方向の異なる位置で係合して固定される被連結部を有することを特徴とするパラペット装置に関する発明を行っている。
【0008】
かかる発明によれば、笠木の内外両側の垂下壁の間隔は、笠木本体の連結部に対する調整笠木の被連結部の固定位置を選択することにより、任意に設定することができるようになる。従って、一種類の笠木で外装材の各種の厚みに対応することができるようになる。また、少なくとも、調整笠木の垂下壁は屋外側外装材の外面に密着可能であるので、少なくとも笠木の少なくとも屋外側部分が外装材から張り出さないように施工することができるようになるなどの効果を有する。
【0009】
ところが、笠木本体の連結部に対して調整笠木の被連結部の固定位置を選択可能に設けると、前記下胴縁の撓み防止のために立設した束柱との位置関係によっては、束柱がパラペット笠木の上面に立設できず、束柱によって適切に支持されない結果となる。
【0010】
そこで本発明の主たる課題は、一種類の笠木で各種の厚さの外装材に対応することができ、かつ、笠木をパラペット躯体の外装材から張り出すことなく取り付けできるようにした構造条件の下で、支柱を立てて上方にパネルを配設する際、パネル下端縁に沿って設けられる下胴縁を支持する束柱を笠木の上面で支持可能としたベランダ用柵を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、パラペット躯体の上端面にベースアンカを固着し、そのベースアンカに笠木を固定してその笠木の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで前記パラペット躯体の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するとともに、前記パラペット躯体の上端部から所定間隔で支柱を設け、パネルを上胴縁と前記笠木との間に隙間を空けた状態で支柱に取り付けられた下胴縁とによって支持させるようにしたベランダ用柵であって、
前記笠木は、ベースアンカに固定される笠木本体と、その笠木本体に連結される調整笠木とに分割して構成され、
前記笠木本体は、前記ベースアンカの上方を覆う上面壁の屋内側端部に前記屋内側垂下壁を有するとともに、前記上面壁の屋外側端部に連結部を有し、
前記調整笠木は、前記笠木本体の上面壁の屋外側部分を被覆する上面壁を有するとともに、その上面壁の屋外側端部から垂下し、パラペット躯体の屋外側の外装材の屋外側面に当接する前記屋外側垂下壁を有し、その屋外側垂下壁の上部の屋内側面に前記笠木本体の連結部と屋内外方向の異なる位置で係合して固定される被連結部を有し、
前記下胴縁は、前記支柱間において前記調整笠木との間に束柱を立設することによって支持され、
少なくとも、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記束柱の下面が前記調整笠木の上面壁に当接するように、前記調整笠木の上面壁の室内外方向の幅寸法が設定されていることを特徴とするベランダ用柵が提供される。
【0012】
上記請求項1記載の発明では、前記笠木は、ベースアンカに固定される笠木本体と、その笠木本体に連結される調整笠木とに分割して構成され、前記笠木本体は、前記ベースアンカの上方を覆う上面壁の屋内側端部に前記屋内側垂下壁を有するとともに、前記上面壁の屋外側端部に連結部を有し、前記調整笠木は、前記笠木本体の上面壁の屋外側部分を被覆する上面壁を有するとともに、その上面壁の屋外側端部から垂下し、パラペット躯体の屋外側の外装材の屋外側面に当接する前記屋外側垂下壁を有し、その屋外側垂下壁の上部の屋内側面に前記笠木本体の連結部と屋内外方向の異なる位置で係合して固定される被連結部を有する構造とされているため、笠木の内外両側の垂下壁の間隔は、笠木本体の連結部に対する調整笠木の被連結部の固定位置を選択することにより、任意に設定することができるようになる。従って、一種類の笠木で外装材の各種の厚みに対応することができるようになる。また、少なくとも、調整笠木の垂下壁は屋外側外装材の外面に密着可能であるので、少なくとも笠木の少なくとも屋外側部分が外装材から張り出さないように施工することができるようになる。
【0013】
本発明は、このようなパラペット笠木装置の上方に、パネルを配設する際に好適なパネルの支持構造である。具体的には、前記パネルは、前記手摺りに設けられた上胴縁と、前記笠木との間に隙間を空けた状態で支柱に取り付けられた下胴縁とによって支持されている。さらに、前記下胴縁は、前記支柱間において前記調整笠木との間に束柱を立設することによって支持されている構造条件の下で、前記調整笠木の上面壁の室内外方向の幅寸法は、少なくとも前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記束柱の下面が前記調整笠木の上面壁に当接するように設定されている。従って、パラペット笠木本体の連結部に対する調整笠木の被連結部の固定位置を任意に選択しても、下胴縁と調整笠木との間に立設される束柱は、調整笠木の上面壁に適切に当接して下胴縁を確実に支持できるようになり、これによって下胴縁の撓みが防止できるようになる。
【0014】
請求項2に係る本発明として、前記笠木本体の連結部は、前記笠木本体の上面壁の屋外側端部に屋外方向に開口する所定深さの嵌合溝からなり、前記調整笠木の被連結部は、前記調整笠木の屋外側垂下壁の屋内側面に突設され、前記笠木本体の嵌合溝に強制嵌合して固定される被嵌合部からなる請求項1記載のベランダ用柵が提供される。
【0015】
上記請求項2記載の発明では、笠木本体に嵌合溝を備え、調整笠木にはその嵌合部に強制嵌合される被嵌合部を備えるので、笠木本体と調整笠木の形状を単純化することができる。
【0016】
請求項3に係る本発明として、前記笠木本体の嵌合溝は、その上下に隔てて存在する壁面に互いに対向する鋸歯状係止面を設けてなるものであり、前記調整笠木の被嵌合部は、上下に隔てられた平行な板の先端に前記嵌合溝の上下の鋸歯状係止面に係止される爪を設けてなるものである請求項2記載のベランダ用柵が提供される。
【0017】
上記請求項3記載の発明では、笠木本体の鋸歯状係止面に調整笠木の上下の板の先端の爪を強制嵌合するので、強制嵌合が比較的容易にでき、しかも、笠木本体と調整笠木が堅固に連結される。
【0018】
請求項4に係る本発明として、前記調整笠木の被嵌合部は、前記調整笠木とは別に成形された短尺物であり、前記調整笠木の屋外側垂下壁の長手方向に間隔をおいて装着されている請求項2、3いずれかに記載のベランダ用柵が提供される。
【0019】
上記請求項4記載の発明では、被嵌合部が短尺に形成され、間隔をおいて取り付けられるので、被嵌合部が長尺の場合に比し、小さい力で嵌合連結ができるとともに、材料節減効果が得られる。
【0020】
請求項5に係る本発明として、前記調整笠木の上面壁には、室内外方向に傾斜する勾配が形成されるとともに、前記束柱の下面には、該束柱が鉛直方向に立設するように、前記調整笠木の上面壁の勾配に対応して傾斜する勾配が形成されている請求項1〜4いずれかに記載のベランダ用柵が提供される。
【0021】
上記請求項5記載の発明は、前記調整笠木の上面壁に室内外方向に傾斜する勾配が形成される場合の前記束柱の構成を規定したものである。この場合、前記束柱の下面に、該束柱が鉛直方向に立設するように、前記調整笠木の上面壁の勾配に対応して傾斜する勾配を形成するようにする。これにより、束柱が常に鉛直に立設した状態で下胴縁を支持できるようになる。
【0022】
請求項6に係る本発明として、前記束柱の下面には、前記調整笠木の上面壁を裏面側から貫く固定ネジを螺設するネジ孔が設けられるとともに、
前記ネジ孔は、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記固定ネジが挿入可能に形成されている請求項1〜5いずれかに記載のベランダ用柵が提供される。
【0023】
上記請求項6記載の発明は、束柱と調整笠木とを固定ネジで係合させる場合の束柱の構成を規定したものである。この場合、束柱の下面に、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、固定ネジを挿入可能なネジ孔を設けるようにする。束柱の下面に設けたネジ孔に固定ネジを挿入することによって、位置ズレが防止できるようになる。
【0024】
請求項7に係る本発明として、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定され、
前記ネジ孔は、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定されるのに対応して、前記固定ネジが段階的に挿入可能なように複数のネジ孔が独立的に又は連結的に形成されている請求項6記載のベランダ用柵が提供される。
【0025】
上記請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定される場合、束柱の下面に形成されるネジ孔の構造を具体的に規定したものである。すなわち、前記パラペット笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定される場合、これに対応して、前記固定ネジが段階的に挿入可能な複数のネジ孔を独立的に又は連結的に形成するようにする。このように、外装材の板厚に対応して調整笠木の移動ピッチと同じピッチで前記複数のネジ孔を設けることによって、調整笠木の位置出しが容易となる。
【発明の効果】
【0026】
以上詳説のとおり本発明によれば、一種類の笠木で各種の厚さの外装材に対応することができ、かつ、笠木をパラペット躯体の外装材から張り出すことなく取り付けできるようにした構造条件の下で、支柱を立てて上方にパネルを配設する際、パネル下端縁に沿って設けられる下胴縁を支持する束柱を笠木の上面で適切に支持できるベランダ用柵が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0028】
図1は本発明に係るベランダ用柵Vを示す斜視図、図2はその平面図、図3は図2の正面図、図4は図2の側面図である。
【0029】
本ベランダ用柵Vは、パラペット躯体1の上端面に所定の手段によって笠木4を固定して、その笠木4の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで、パラペット躯体1の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するパラペット笠木装置Pを備えるとともに、前記パラペット躯体1の上端部から所定間隔で立設される複数の支柱10、10…の上端部に手摺Hを連設し、前記パラペット笠木装置Pの上方に配設されるパネル8を、前記手摺りHに設けられた上胴縁9Aと、前記笠木4との間に隙間を空けた状態で支柱10,10…に取り付けられた下胴縁9とによって支持するものである。
【0030】
さらに具体的には、図5及び図6に示されるように、前記パネル8は、次の3つの手段によって支持されている。第1に、パネル8の上端縁を支持する上胴縁9Aが手摺Hに一体的に設けられることによって支持されている。第2に、図6に示されるように、前記パネル8の下端縁に沿って設けられる下胴縁9が、支柱10、10…の各立設位置において支柱10に固定されることによって支持されている。さらに第3に、図5に示されるように、支柱10、10…の立設位置の中間において、下胴縁9と笠木4との間に束柱11を立設することによって支持されている。
【0031】
以下、前記パラペット笠木装置Pとパネル8の支持構造とに分けて詳述する。
〔パラペット笠木装置Pについて〕
図7は本実施例に係るパラペット笠木装置Pの断面図、図8はベースアンカの一例を示す斜視図、図9は笠木本体の端面図、図10は調整笠木の分解端面図、図11は調整笠木の下面を上向きにした斜視図、図12はタイト材の一例及びその取付例を示す要部断面図、図13は厚みの大きい外装材を取り付けた時の状態を示す断面図である。
【0032】
パラペット躯体1の上端面には、所定の間隔で図8に示すようなベースアンカ2が、中間の平坦部2aにおいてコーチスクリューなどのねじ3により固着されている。ベースアンカの平坦部2aの両側に設けられた立ち上がり壁2b,2b’の上端部には、高さが異なる笠木支持部2C,2C’が設けられ、高さが高い方(2C’)をパラペット躯体1の上端面の屋外側に位置させて、ベースアンカは取り付けられる。笠木支持部2C,2C’の先端には下向きに傾斜する係止部2d,2d’が形成されている。図8の2eはねじ3を貫通する孔である。
【0033】
ベースアンカ2により固定される笠木4は、本発明に基づいて、笠木本体4Aと、調整笠木4Bとに分割して構成され、調整笠木4Bを笠木本体4Aに対してパラペット躯体1の厚さ方向に移動して、笠木4の幅を任意に調整可能としてある。以下に、詳述する。
【0034】
笠木本体4Aは、図9に抽出して示すように、パラペット躯体1の上端面の幅よりも大きい幅を有する上面壁41と、その上面壁の屋内側端部から垂下する屋内側垂下壁42と、上面壁の屋外側端部に設けらた連結部43とを一体的に有していて、図9の紙面に直角な方向に連続している。好ましい実施例では、屋内側垂下壁42の下端部にフィン状の防水部材を装着するためのビスホール状のあり溝44が形成されている。また、好ましい実施例では、上面壁41の下面の屋内側垂下壁42から所定距離だけ屋外側に隔てた位置に、ベースアンカ2の屋内側係止部2dの下側に係止される被係止片45が形成されている。さらに、好ましい実施例では、その被係止片45に一体に、後述される水密部材を嵌着するためのビスホール状のあり溝46が形成されている。あり溝46は被係止片45と別の位置に設けても良い。
【0035】
連結部43は、上面壁41を屋外方向に延長した上板43aと、その上板43aの下方にこれと平行な下板43bとを有し、その間に屋外方向に開口する嵌合溝43cが形成してあり、上、下板43a,43bの対向面に波状の係止面43dが形成されている。
【0036】
そして、好ましい実施例では、下板43bの屋内側端部に被係止片45と対向して突出する被係止片47が形成されている。さらに、好ましい実施例では、下板43bの屋外側端部に、あり溝46と同様の、後述される水密部材を嵌着するためのあり溝48が形成されている。
【0037】
調整笠木4Bは、図10に示されるように、笠木本体4Aの上面壁41の屋外側部分を被覆してこれに当接される上面壁49と、その上面壁の屋外側端部から垂下する屋外側垂下壁410と、これより屋内側で垂下する第2屋外側垂下壁410Aと、その第2屋外側垂下壁410Aの屋内側面の所定位置に設けられた被連結部411とを有している。被連結部411は、屋内方向に平行に延びて、若干の弾力性を備えた上下の板411a,411bを有し、各板の先端にそれぞれ上向き及び下向きの係止部411a’,411b’が形成されている。
【0038】
被連結部411は、調整笠木4Bと一体に成形されても良いが、図10に示すように、後述される理由から、調整笠木4Bとは別体に上下板411a,411bと脚部411c,411dを有する被連結部411を成形して、これを短尺に切断したものを、調整笠木4Bの第2屋外側垂下壁410Aの屋内側面に成形したあり溝412に調整笠木4Bの長手方向に適宜の間隔を置いて嵌着することが望ましい。
【0039】
続いて、上記のように構成された本実施例の笠木4を、パラペット躯体1に取り付ける場合の手順について説明する。パラペット躯体1には、図7に示すように、その屋内側と屋外側に建物躯体の外装材と同じ外装材5a,5b、例えば、既知のサイディング材が胴縁(不図示)を介して既知の方法により取り付けられている。その外装材の上端部はパラペット躯体1の上端面とほぼ同一面にある。そのパラペット躯体1の上端面にはベースアンカ2がねじ3により固定されている。
【0040】
そのベースアンカ2に笠木4を取り付ける前に、笠木本体4Aの下面のあり溝46,48には、図12に一部を示すように、下方に突出するタイト材6が嵌着される。このタイト材6は、あり溝48の断面形状と補完的な形状を有する突条61を有する硬質の基部62の、突条61と反対側の面にフィン状の弾性材料からなる水密部材63を接合してなるものである。また、笠木本体4Aの屋内側垂下壁42のあり溝44にフィン状の防水部材(図示せず)を嵌着してもよい。この防水部材は、笠木4が取り付けられた状態で、その防水部材の先端が屋内側外装材5aの屋内側面に密着することができる幅を有するものが用いられる。
【0041】
次に、調整笠木4Bを笠木本体4Aの屋外側端部の所定位置に位置合わせをし、調整笠木の被連結部411を笠木本体4Aの連結部43の嵌合溝43cに向けて接近し、暫定的に所定位置まで移動して、被連結部411を嵌合溝43cの中に押入し、その嵌合溝の適当な深さにおいて、係止部411a’,411b’を嵌合溝の上下板の係止面43dに係止させる。暫定的に嵌合する所定位置は、パラペット躯体の屋外側の外装材5aの厚さに応じて決定される。
【0042】
この被連結部411の連結部43に対する嵌合の際に、被連結部411が調整笠木4Bの全長に沿って連続する場合は、係止部411a’,411b’と係止面43dとの摩擦が過大になり、調整笠木を笠木本体にして所要の位置まで移動させることが困難になる。これに対して、被連結部411を短尺物に形成した場合は、容易に所定の位置まで移動させることができるとともに、使用される被連結部411の全長が短くなるので、材料削減効果が得られる。
【0043】
上述のように、笠木本体4Aに調整笠木4Bを暫定的に連結した状態の笠木4を、ベースアンカ2の上方から、内外の垂下壁42,410の下端部が内外の外装材5b,5aの上端部のそれぞれ屋内側及び屋外側に位置するように下降させ、笠木本体4Aの内外の係止部45,47がベースアンカ2の内外の係止部2d,2d’のテーパー面に当接させ、そのまま強く押し下げて、ベースアンカ2の内外の係止部2d,2d’を弾性変形させ、笠木本体の内外の係止部45,47にそれらの係止部2d,2d’を乗り越えさせて、弾性復帰により係合させる。これと同時に、内外のタイト材6は、それぞれ内外の外装材5a,5bの頂面に密着される。これにより、笠木4はパラペット躯体1の上端部に固定される。そして、最後に、調整笠木4Bに屋内方向の力を加えて、移動させると、調整笠木4Bの屋外側垂下壁410が屋外側外装材5bの屋外側面に密着する。
【0044】
図7は、厚さが一例として15mmの外装材5a,5bの施工例を示すのに対し、図13は、厚さが一例として24mmの外装材5a’,5b’の施工例を示す。これらの図面から明らかなように、本発明によるパラペット笠木装置Pにおいては、外装材の厚さが異なる場合にも、同一構成の笠木4を用いて、調整笠木4Bの笠木本体4Aに対する連結位置、あるいは嵌合深さを調整するだけで、各種の厚さの外装材に対応することができる。
【0045】
〔パネル8の支持構造について〕
次に、パネル8の支持構造について詳述する。
【0046】
本ベランダ用柵Vでは、図1などに示されるように、パラペット躯体1の上端部から所定間隔で複数の支柱10、10…が立設されている。前記支柱10は、図14及び図15に示されるように、パラペット躯体1の上端部に立設された支柱アンカ20に固定されている。前記支柱アンカ20は、図15に示されるように、断面略L字型のアンカープレート20aと、この上面に突設されたアンカー柱20bとから構成されている。前記アンカープレート20aの上面および側面には、それぞれ、パラペット躯体1の上端面および屋内側面の上端部に螺設されるねじ21が貫通する通孔20c、20c…が設けられている。また、前記アンカー柱20bの屋内側面には、前記支柱10が外嵌した状態で支柱10をアンカー柱20bに固定するための固定ねじ22、22…が螺合するネジ孔20d、20d…が設けられている。
【0047】
前記支柱10の取付けは、先ず支柱アンカ20をねじ21…によってパラペット躯体1に固定した後、図15に示されるように、アンカー柱20bが挿通可能な開口23が設けられた笠木本体4Aを支柱アンカ20に挿嵌させる。そして、支柱10をアンカー柱20bに外嵌させ、笠木本体4Aと支柱10とをビス24、24…によって固定し、笠木本体4Aをベースアンカ2に取付ける。しかる後、支柱10とアンカー柱20bとを固定ねじ22…によって固定し、支柱10の取付けを完了する。
【0048】
前記支柱10、10…の上端部には、手摺Hが連設されている。前記手摺Hは、図5に示されるように、支柱10の上端にビス25、25…によって固定される手摺裏板H1と、この手摺裏板H1に固定される手摺部材H2とから構成されている。前記手摺部材H2は、手摺裏板H1、支柱10の上端及び前記上胴縁9Aを一体的に被覆するように設けられている。
【0049】
一方、パラペット笠木装置Pの上方には、パネル8が配設されている。前記パネル8は、ポリカーボネートなどのプラスチック、ガラス、木、格子状金属、パンチングメタルなど各種の材質・形態のものを使用することができる。このパネル8は、風通しなどを考慮してパラペット笠木4の上方に所定の離隔を開けて配設されている。図1〜図4に示される例では、ガラス製のパネル8がほぼ外周を囲うように、パラペット笠木4の上方に、パラペット笠木4から所定の離隔を空けて配設されている。
【0050】
前記パネル8には、該パネル8の下端縁に沿って、パネル8の下端縁を室内外方向に跨って挟持する断面略U字状の下胴縁9が備えられるとともに、上端縁に沿って、同様に、断面略U字状の上胴縁9Aが備えられている。本支持構造では、前記下胴縁9及び上胴縁9Aがそれぞれ支柱10、手摺Hに固定されるとともに下胴縁9と笠木4との間に束柱11が立設されることによって、パネル8が支持されているが、前記上胴縁9Aは手摺りHとは別に支柱11に固定するようにしてもよい。
【0051】
前記上胴縁9Aは、該上胴縁9Aの屋内側に設けられた係合溝9Aaが、前記手摺Hの手摺裏板H1の屋外側に設けられた起立壁H1aに係合されることによって固定されている。
【0052】
前記下胴縁9は、図6に示されるように、支柱10の立設位置において、前記下胴縁9の底面と支柱10とを連結する連結具9Bによって各支柱10に固定されている。
【0053】
また、前記下胴縁9は、支柱10、10の立設位置の中間において、下胴縁9と調整笠木4Bとの間に束柱11を立設することによって支持されている。
【0054】
前記束柱11は、図16に示されるように、柱状のブロック体からなり、アルミニウム合金などの耐食性に優れた材質のものが用いられている。
【0055】
束柱11の上面には、図16(A)に示されるように、下胴縁9の長手方向に沿って2箇所にネジ孔11a、11aが設けられている。前記束柱11は、図17に示されるように、下胴縁9の底面に設けられたビス穴9aに螺合されるとともに、前記ネジ孔11aに螺設される固定ビス9bによって、前記下胴縁9に固定されている。
【0056】
一方、束柱11の下面は、例えば図17(A)に示されるように、調整笠木4Bの上面壁49にビス止めされることなく当接させた状態で設置することができる。ここで、束柱11の上面が固定される下胴縁9は、前述の通り支柱10に固定されているため、束柱11は位置不動である。これに対して、束柱11の下面が当接する調整笠木4Bは、外装材5bの厚さに応じて、室内外方向に変動して固定されるものである。したがって、束柱11が下胴縁9を確実に支持するには、調整笠木4Bが異なる位置で固定されても、少なくともその範囲で、束柱11の下面が調整笠木4Bの上面壁49に当接していることが重要となる。
【0057】
このため、本発明では、調整笠木4Bの上面壁49の室内外方向の幅寸法は、パラペット笠木本体4Aの連結部43と調整笠木4Bの被連結部411とが室内外方向の異なる位置で係合して固定されても、その範囲内で、束柱11の下面が調整笠木4Bの上面壁49に当接するように設定されている。
【0058】
ところで、前記束柱11が前記調整笠木4Bの上面壁49と位置ズレを起こさないように、束柱11の下面には、図16(C)に示されるように、調整笠木4Bの上面壁49に設けられたネジ孔49aに裏面側から螺合される固定ネジ12の先端が挿入されるネジ孔13を形成し、図17(B)に示されるように、前記調整笠木4Bの上面壁49に固定ネジ12で固定するようにしてもよい。
【0059】
ここで、前記ネジ孔13は、パラペット笠木本体4Aの連結部43と調整笠木4Bの被連結部411とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記固定ネジ12が挿入可能に形成されるようになっている。
【0060】
前記ネジ孔13は、パラペット笠木本体4Aの連結部43と調整笠木4Bの被連結部411とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、固定ネジ12が段階的に挿入可能なように、複数のネジ孔13が独立的に又は連結的に形成されるようにする。図示例では、外装材5bの厚さを3段階に変化させた場合に対応するように3つのネジ孔(室内側から13a、13b、13c)が連結的に形成されている。
【0061】
具体的には、図18(A)〜(C)に示されるように、外装材5bの板厚が(A)厚い場合、(B)中間の場合、(C)薄い場合の各寸法に対応して、笠木本体4Aの嵌合溝43cの各係止面43d、43dには、3段の凹部が形成されることによって、この係止面43dの凹部に被連結部411の係止部411a’、411b’が所定のピッチで段階的に係合するようになっている(図9及び図10参照)。したがって、前記ネジ孔13a、13b、13cのピッチを、前記係止面43dに形成した3段の凹部と同じピッチとすることにより、前記束柱11は、調整笠木4Bの各固定位置において、調整笠木4Bの上面壁49に確実に支持されるようになる。このように、ある程度決まった板厚の外装材5bに対して、調整笠木4Bの移動ピッチと同じピッチで複数のネジ孔13a、13b、13cを設けておくことにより、調整笠木4Bの位置出しが容易に行えるようになる。
【0062】
ところで、一般に調整笠木4Bの上面壁49には、水はけなどを考慮して、水平面に対して室内外方向に傾斜する勾配が形成されて設けられることが多い。このような場合でも束柱11が鉛直方向に立設できるようにするため、束柱11の下面には、調整笠木4Bの上面壁49の勾配に対応して傾斜する勾配が形成されている。図16及び図17に示される例では、調整笠木4Bの上面壁49には室内側に向けて低くなる勾配が形成されるため、この勾配に対応して、束柱11の下面には、束柱11が鉛直方向に立設できるように、室内側に向けて低くなる勾配が形成されている。
【0063】
〔他の形態例〕
上記形態例では、前記束柱11の下面には、調整笠木4Bの移動ピッチと同じピッチで複数のネジ孔13a、13b、13cが設けられるようにしたが、図19に示されるように、内面に細かい溝13dが施された長孔状のネジ孔13’を設けるようにしてもよい。前記ネジ孔13’の内面に施される細かい溝13dは、挿入される固定ネジ12が係合して束柱11の移動を抑止するためのものである。前記長孔状のネジ孔13’とすることにより、調整笠木4Bを任意の位置で固定しても束柱11の位置ズレを防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】ベランダ用柵Vの斜視図である。
【図2】その平面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図2の側面図である。
【図5】図3のV−V線矢視図である。
【図6】図3のVI−VI線矢視図である。
【図7】パラペット笠木装置Pの断面図である。
【図8】ベースアンカ2の一例を示す斜視図である。
【図9】笠木本体4Aの端面図である。
【図10】調整笠木4Bの分解端面図である。
【図11】調整笠木4Bの下面を上向きにした斜視図である。
【図12】タイト材6の一例及びその取付例を示す要部断面図である。
【図13】厚みの大きい外装材5bを取り付けた時の状態を示す断面図である。
【図14】支柱10の立設位置におけるパラペット笠木装置Pの断面図である。
【図15】支柱10の取付要領を示す斜視図である。
【図16】束柱11を示す(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は下面図である。
【図17】束柱11の取付状態例を示す要部拡大図(A)(B)である。
【図18】外装材5bの板厚が(A)は厚い場合、(B)は中間の場合、(C)は薄い場合の束柱11の固定状態を示す断面図である。
【図19】束柱11の他の形態例を示す下面図である。
【符号の説明】
【0065】
1…パラペット躯体、2…ベースアンカ、4…笠木、4A…笠木本体、41…上面壁、42…屋内側垂下壁、43…連結部、43a・43b…上下の板、43c…嵌合溝、43d…係止面、45・47…係止部、4B…調整笠木、49…上面壁、410…屋外側垂下壁、411…被連結部、411a・411b…上下の板、411a’・411b’…係止部、5a・5b…外装材、6…タイト材、8…パネル、9…下胴縁、10…支柱、11…束柱、12…固定ネジ、13・13’…ネジ孔、H…手摺、P…パラペット笠木装置、V…ベランダ用柵
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラペット躯体の上端面にベースアンカを固着し、そのベースアンカに笠木を固定してその笠木の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで前記パラペット躯体の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するとともに、前記パラペット躯体の上端部から所定間隔で支柱を設け、パネルを上胴縁と前記笠木との間に隙間を空けた状態で支柱に取り付けられた下胴縁とによって支持させるようにしたベランダ用柵に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パラペット躯体の屋外側面と屋内側面をモルタル仕上げ又はタイル仕上げをし、そのパラペット躯体の頂部にベースアンカを介して笠木を取付けるとともに、前記パラペット躯体に立設される支柱にパネルを固定したベランダ用柵が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、通常の高さより低い開口部用腰壁と、この開口部用腰壁の両側に配置された通常の高さの一対の腰壁と、上面が前記一対の腰壁の上端面と連続するように前記一対の腰壁の対向する側端面の上部を連結した笠木取付金具と、この笠木取付金具、前記開口部用腰壁および前記一対の腰壁で囲まれた開口部に取付けた開口化粧枠とを備えるとともに、この開口化粧枠にアクリル板を嵌め込んだ付属構造物が記載されている。
【特許文献1】特開平8−209798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の構造では、前記開口化粧枠により、笠木を納まりよく取り付けることができるようになるものの、パラペット躯体の開口部の開口部用腰壁及び一対の腰壁に直接開口化粧枠が取り付けられるため、風通しが悪いという問題があった。
【0005】
かかる問題を解決するため、パラペット躯体(前記開口部用腰壁)に複数の支柱を立設し、周囲のパラペット躯体から離間させた状態で、前記支柱にパネルを固定する支持構造が採用されている。このようなパネルの支持構造では、従来より、パネル下端では、パネルの下端縁に沿って設けられる下胴縁が前記支柱に固定されることによってパネル自重が支持されていた。
【0006】
ところが、パラペット躯体からパネルを離間した状態で、所定間隔で立設された支柱に前記下胴縁を固定した場合、支柱の立設位置の中間で前記下胴縁が撓んでしまうおそれがあった。そこで、このような支柱間の撓み防止のため、パラペット笠木と下胴縁との間に束柱を立設する対策が採られている。
【0007】
一方、本出願人は、近時、パラペット躯体の上端面にベースアンカを固着し、そのベースアンカに笠木を固定してその笠木の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで前記パラペット躯体の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するパラペット装置において、前記笠木は、ベースアンカに固定される笠木本体と、その笠木本体に連結される調整笠木とに分割して構成され、前記笠木本体は、前記ベースアンカの上方を覆う上面壁の屋内側端部に前記屋内側垂下壁を有するとともに、前記上面壁の屋外側端部に連結部を有し、前記調整笠木は、前記笠木本体の上面壁の屋外側部分を被覆する上面壁を有するとともに、その上面壁の屋外側端部から垂下し、パラペット躯体の屋外側の外装材の屋外側面に当接する前記屋外側垂下壁を有し、その屋外側垂下壁の上部の屋内側面に前記笠木本体の連結部と屋内外方向の異なる位置で係合して固定される被連結部を有することを特徴とするパラペット装置に関する発明を行っている。
【0008】
かかる発明によれば、笠木の内外両側の垂下壁の間隔は、笠木本体の連結部に対する調整笠木の被連結部の固定位置を選択することにより、任意に設定することができるようになる。従って、一種類の笠木で外装材の各種の厚みに対応することができるようになる。また、少なくとも、調整笠木の垂下壁は屋外側外装材の外面に密着可能であるので、少なくとも笠木の少なくとも屋外側部分が外装材から張り出さないように施工することができるようになるなどの効果を有する。
【0009】
ところが、笠木本体の連結部に対して調整笠木の被連結部の固定位置を選択可能に設けると、前記下胴縁の撓み防止のために立設した束柱との位置関係によっては、束柱がパラペット笠木の上面に立設できず、束柱によって適切に支持されない結果となる。
【0010】
そこで本発明の主たる課題は、一種類の笠木で各種の厚さの外装材に対応することができ、かつ、笠木をパラペット躯体の外装材から張り出すことなく取り付けできるようにした構造条件の下で、支柱を立てて上方にパネルを配設する際、パネル下端縁に沿って設けられる下胴縁を支持する束柱を笠木の上面で支持可能としたベランダ用柵を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、パラペット躯体の上端面にベースアンカを固着し、そのベースアンカに笠木を固定してその笠木の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで前記パラペット躯体の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するとともに、前記パラペット躯体の上端部から所定間隔で支柱を設け、パネルを上胴縁と前記笠木との間に隙間を空けた状態で支柱に取り付けられた下胴縁とによって支持させるようにしたベランダ用柵であって、
前記笠木は、ベースアンカに固定される笠木本体と、その笠木本体に連結される調整笠木とに分割して構成され、
前記笠木本体は、前記ベースアンカの上方を覆う上面壁の屋内側端部に前記屋内側垂下壁を有するとともに、前記上面壁の屋外側端部に連結部を有し、
前記調整笠木は、前記笠木本体の上面壁の屋外側部分を被覆する上面壁を有するとともに、その上面壁の屋外側端部から垂下し、パラペット躯体の屋外側の外装材の屋外側面に当接する前記屋外側垂下壁を有し、その屋外側垂下壁の上部の屋内側面に前記笠木本体の連結部と屋内外方向の異なる位置で係合して固定される被連結部を有し、
前記下胴縁は、前記支柱間において前記調整笠木との間に束柱を立設することによって支持され、
少なくとも、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記束柱の下面が前記調整笠木の上面壁に当接するように、前記調整笠木の上面壁の室内外方向の幅寸法が設定されていることを特徴とするベランダ用柵が提供される。
【0012】
上記請求項1記載の発明では、前記笠木は、ベースアンカに固定される笠木本体と、その笠木本体に連結される調整笠木とに分割して構成され、前記笠木本体は、前記ベースアンカの上方を覆う上面壁の屋内側端部に前記屋内側垂下壁を有するとともに、前記上面壁の屋外側端部に連結部を有し、前記調整笠木は、前記笠木本体の上面壁の屋外側部分を被覆する上面壁を有するとともに、その上面壁の屋外側端部から垂下し、パラペット躯体の屋外側の外装材の屋外側面に当接する前記屋外側垂下壁を有し、その屋外側垂下壁の上部の屋内側面に前記笠木本体の連結部と屋内外方向の異なる位置で係合して固定される被連結部を有する構造とされているため、笠木の内外両側の垂下壁の間隔は、笠木本体の連結部に対する調整笠木の被連結部の固定位置を選択することにより、任意に設定することができるようになる。従って、一種類の笠木で外装材の各種の厚みに対応することができるようになる。また、少なくとも、調整笠木の垂下壁は屋外側外装材の外面に密着可能であるので、少なくとも笠木の少なくとも屋外側部分が外装材から張り出さないように施工することができるようになる。
【0013】
本発明は、このようなパラペット笠木装置の上方に、パネルを配設する際に好適なパネルの支持構造である。具体的には、前記パネルは、前記手摺りに設けられた上胴縁と、前記笠木との間に隙間を空けた状態で支柱に取り付けられた下胴縁とによって支持されている。さらに、前記下胴縁は、前記支柱間において前記調整笠木との間に束柱を立設することによって支持されている構造条件の下で、前記調整笠木の上面壁の室内外方向の幅寸法は、少なくとも前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記束柱の下面が前記調整笠木の上面壁に当接するように設定されている。従って、パラペット笠木本体の連結部に対する調整笠木の被連結部の固定位置を任意に選択しても、下胴縁と調整笠木との間に立設される束柱は、調整笠木の上面壁に適切に当接して下胴縁を確実に支持できるようになり、これによって下胴縁の撓みが防止できるようになる。
【0014】
請求項2に係る本発明として、前記笠木本体の連結部は、前記笠木本体の上面壁の屋外側端部に屋外方向に開口する所定深さの嵌合溝からなり、前記調整笠木の被連結部は、前記調整笠木の屋外側垂下壁の屋内側面に突設され、前記笠木本体の嵌合溝に強制嵌合して固定される被嵌合部からなる請求項1記載のベランダ用柵が提供される。
【0015】
上記請求項2記載の発明では、笠木本体に嵌合溝を備え、調整笠木にはその嵌合部に強制嵌合される被嵌合部を備えるので、笠木本体と調整笠木の形状を単純化することができる。
【0016】
請求項3に係る本発明として、前記笠木本体の嵌合溝は、その上下に隔てて存在する壁面に互いに対向する鋸歯状係止面を設けてなるものであり、前記調整笠木の被嵌合部は、上下に隔てられた平行な板の先端に前記嵌合溝の上下の鋸歯状係止面に係止される爪を設けてなるものである請求項2記載のベランダ用柵が提供される。
【0017】
上記請求項3記載の発明では、笠木本体の鋸歯状係止面に調整笠木の上下の板の先端の爪を強制嵌合するので、強制嵌合が比較的容易にでき、しかも、笠木本体と調整笠木が堅固に連結される。
【0018】
請求項4に係る本発明として、前記調整笠木の被嵌合部は、前記調整笠木とは別に成形された短尺物であり、前記調整笠木の屋外側垂下壁の長手方向に間隔をおいて装着されている請求項2、3いずれかに記載のベランダ用柵が提供される。
【0019】
上記請求項4記載の発明では、被嵌合部が短尺に形成され、間隔をおいて取り付けられるので、被嵌合部が長尺の場合に比し、小さい力で嵌合連結ができるとともに、材料節減効果が得られる。
【0020】
請求項5に係る本発明として、前記調整笠木の上面壁には、室内外方向に傾斜する勾配が形成されるとともに、前記束柱の下面には、該束柱が鉛直方向に立設するように、前記調整笠木の上面壁の勾配に対応して傾斜する勾配が形成されている請求項1〜4いずれかに記載のベランダ用柵が提供される。
【0021】
上記請求項5記載の発明は、前記調整笠木の上面壁に室内外方向に傾斜する勾配が形成される場合の前記束柱の構成を規定したものである。この場合、前記束柱の下面に、該束柱が鉛直方向に立設するように、前記調整笠木の上面壁の勾配に対応して傾斜する勾配を形成するようにする。これにより、束柱が常に鉛直に立設した状態で下胴縁を支持できるようになる。
【0022】
請求項6に係る本発明として、前記束柱の下面には、前記調整笠木の上面壁を裏面側から貫く固定ネジを螺設するネジ孔が設けられるとともに、
前記ネジ孔は、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記固定ネジが挿入可能に形成されている請求項1〜5いずれかに記載のベランダ用柵が提供される。
【0023】
上記請求項6記載の発明は、束柱と調整笠木とを固定ネジで係合させる場合の束柱の構成を規定したものである。この場合、束柱の下面に、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、固定ネジを挿入可能なネジ孔を設けるようにする。束柱の下面に設けたネジ孔に固定ネジを挿入することによって、位置ズレが防止できるようになる。
【0024】
請求項7に係る本発明として、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定され、
前記ネジ孔は、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定されるのに対応して、前記固定ネジが段階的に挿入可能なように複数のネジ孔が独立的に又は連結的に形成されている請求項6記載のベランダ用柵が提供される。
【0025】
上記請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定される場合、束柱の下面に形成されるネジ孔の構造を具体的に規定したものである。すなわち、前記パラペット笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定される場合、これに対応して、前記固定ネジが段階的に挿入可能な複数のネジ孔を独立的に又は連結的に形成するようにする。このように、外装材の板厚に対応して調整笠木の移動ピッチと同じピッチで前記複数のネジ孔を設けることによって、調整笠木の位置出しが容易となる。
【発明の効果】
【0026】
以上詳説のとおり本発明によれば、一種類の笠木で各種の厚さの外装材に対応することができ、かつ、笠木をパラペット躯体の外装材から張り出すことなく取り付けできるようにした構造条件の下で、支柱を立てて上方にパネルを配設する際、パネル下端縁に沿って設けられる下胴縁を支持する束柱を笠木の上面で適切に支持できるベランダ用柵が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0028】
図1は本発明に係るベランダ用柵Vを示す斜視図、図2はその平面図、図3は図2の正面図、図4は図2の側面図である。
【0029】
本ベランダ用柵Vは、パラペット躯体1の上端面に所定の手段によって笠木4を固定して、その笠木4の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで、パラペット躯体1の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するパラペット笠木装置Pを備えるとともに、前記パラペット躯体1の上端部から所定間隔で立設される複数の支柱10、10…の上端部に手摺Hを連設し、前記パラペット笠木装置Pの上方に配設されるパネル8を、前記手摺りHに設けられた上胴縁9Aと、前記笠木4との間に隙間を空けた状態で支柱10,10…に取り付けられた下胴縁9とによって支持するものである。
【0030】
さらに具体的には、図5及び図6に示されるように、前記パネル8は、次の3つの手段によって支持されている。第1に、パネル8の上端縁を支持する上胴縁9Aが手摺Hに一体的に設けられることによって支持されている。第2に、図6に示されるように、前記パネル8の下端縁に沿って設けられる下胴縁9が、支柱10、10…の各立設位置において支柱10に固定されることによって支持されている。さらに第3に、図5に示されるように、支柱10、10…の立設位置の中間において、下胴縁9と笠木4との間に束柱11を立設することによって支持されている。
【0031】
以下、前記パラペット笠木装置Pとパネル8の支持構造とに分けて詳述する。
〔パラペット笠木装置Pについて〕
図7は本実施例に係るパラペット笠木装置Pの断面図、図8はベースアンカの一例を示す斜視図、図9は笠木本体の端面図、図10は調整笠木の分解端面図、図11は調整笠木の下面を上向きにした斜視図、図12はタイト材の一例及びその取付例を示す要部断面図、図13は厚みの大きい外装材を取り付けた時の状態を示す断面図である。
【0032】
パラペット躯体1の上端面には、所定の間隔で図8に示すようなベースアンカ2が、中間の平坦部2aにおいてコーチスクリューなどのねじ3により固着されている。ベースアンカの平坦部2aの両側に設けられた立ち上がり壁2b,2b’の上端部には、高さが異なる笠木支持部2C,2C’が設けられ、高さが高い方(2C’)をパラペット躯体1の上端面の屋外側に位置させて、ベースアンカは取り付けられる。笠木支持部2C,2C’の先端には下向きに傾斜する係止部2d,2d’が形成されている。図8の2eはねじ3を貫通する孔である。
【0033】
ベースアンカ2により固定される笠木4は、本発明に基づいて、笠木本体4Aと、調整笠木4Bとに分割して構成され、調整笠木4Bを笠木本体4Aに対してパラペット躯体1の厚さ方向に移動して、笠木4の幅を任意に調整可能としてある。以下に、詳述する。
【0034】
笠木本体4Aは、図9に抽出して示すように、パラペット躯体1の上端面の幅よりも大きい幅を有する上面壁41と、その上面壁の屋内側端部から垂下する屋内側垂下壁42と、上面壁の屋外側端部に設けらた連結部43とを一体的に有していて、図9の紙面に直角な方向に連続している。好ましい実施例では、屋内側垂下壁42の下端部にフィン状の防水部材を装着するためのビスホール状のあり溝44が形成されている。また、好ましい実施例では、上面壁41の下面の屋内側垂下壁42から所定距離だけ屋外側に隔てた位置に、ベースアンカ2の屋内側係止部2dの下側に係止される被係止片45が形成されている。さらに、好ましい実施例では、その被係止片45に一体に、後述される水密部材を嵌着するためのビスホール状のあり溝46が形成されている。あり溝46は被係止片45と別の位置に設けても良い。
【0035】
連結部43は、上面壁41を屋外方向に延長した上板43aと、その上板43aの下方にこれと平行な下板43bとを有し、その間に屋外方向に開口する嵌合溝43cが形成してあり、上、下板43a,43bの対向面に波状の係止面43dが形成されている。
【0036】
そして、好ましい実施例では、下板43bの屋内側端部に被係止片45と対向して突出する被係止片47が形成されている。さらに、好ましい実施例では、下板43bの屋外側端部に、あり溝46と同様の、後述される水密部材を嵌着するためのあり溝48が形成されている。
【0037】
調整笠木4Bは、図10に示されるように、笠木本体4Aの上面壁41の屋外側部分を被覆してこれに当接される上面壁49と、その上面壁の屋外側端部から垂下する屋外側垂下壁410と、これより屋内側で垂下する第2屋外側垂下壁410Aと、その第2屋外側垂下壁410Aの屋内側面の所定位置に設けられた被連結部411とを有している。被連結部411は、屋内方向に平行に延びて、若干の弾力性を備えた上下の板411a,411bを有し、各板の先端にそれぞれ上向き及び下向きの係止部411a’,411b’が形成されている。
【0038】
被連結部411は、調整笠木4Bと一体に成形されても良いが、図10に示すように、後述される理由から、調整笠木4Bとは別体に上下板411a,411bと脚部411c,411dを有する被連結部411を成形して、これを短尺に切断したものを、調整笠木4Bの第2屋外側垂下壁410Aの屋内側面に成形したあり溝412に調整笠木4Bの長手方向に適宜の間隔を置いて嵌着することが望ましい。
【0039】
続いて、上記のように構成された本実施例の笠木4を、パラペット躯体1に取り付ける場合の手順について説明する。パラペット躯体1には、図7に示すように、その屋内側と屋外側に建物躯体の外装材と同じ外装材5a,5b、例えば、既知のサイディング材が胴縁(不図示)を介して既知の方法により取り付けられている。その外装材の上端部はパラペット躯体1の上端面とほぼ同一面にある。そのパラペット躯体1の上端面にはベースアンカ2がねじ3により固定されている。
【0040】
そのベースアンカ2に笠木4を取り付ける前に、笠木本体4Aの下面のあり溝46,48には、図12に一部を示すように、下方に突出するタイト材6が嵌着される。このタイト材6は、あり溝48の断面形状と補完的な形状を有する突条61を有する硬質の基部62の、突条61と反対側の面にフィン状の弾性材料からなる水密部材63を接合してなるものである。また、笠木本体4Aの屋内側垂下壁42のあり溝44にフィン状の防水部材(図示せず)を嵌着してもよい。この防水部材は、笠木4が取り付けられた状態で、その防水部材の先端が屋内側外装材5aの屋内側面に密着することができる幅を有するものが用いられる。
【0041】
次に、調整笠木4Bを笠木本体4Aの屋外側端部の所定位置に位置合わせをし、調整笠木の被連結部411を笠木本体4Aの連結部43の嵌合溝43cに向けて接近し、暫定的に所定位置まで移動して、被連結部411を嵌合溝43cの中に押入し、その嵌合溝の適当な深さにおいて、係止部411a’,411b’を嵌合溝の上下板の係止面43dに係止させる。暫定的に嵌合する所定位置は、パラペット躯体の屋外側の外装材5aの厚さに応じて決定される。
【0042】
この被連結部411の連結部43に対する嵌合の際に、被連結部411が調整笠木4Bの全長に沿って連続する場合は、係止部411a’,411b’と係止面43dとの摩擦が過大になり、調整笠木を笠木本体にして所要の位置まで移動させることが困難になる。これに対して、被連結部411を短尺物に形成した場合は、容易に所定の位置まで移動させることができるとともに、使用される被連結部411の全長が短くなるので、材料削減効果が得られる。
【0043】
上述のように、笠木本体4Aに調整笠木4Bを暫定的に連結した状態の笠木4を、ベースアンカ2の上方から、内外の垂下壁42,410の下端部が内外の外装材5b,5aの上端部のそれぞれ屋内側及び屋外側に位置するように下降させ、笠木本体4Aの内外の係止部45,47がベースアンカ2の内外の係止部2d,2d’のテーパー面に当接させ、そのまま強く押し下げて、ベースアンカ2の内外の係止部2d,2d’を弾性変形させ、笠木本体の内外の係止部45,47にそれらの係止部2d,2d’を乗り越えさせて、弾性復帰により係合させる。これと同時に、内外のタイト材6は、それぞれ内外の外装材5a,5bの頂面に密着される。これにより、笠木4はパラペット躯体1の上端部に固定される。そして、最後に、調整笠木4Bに屋内方向の力を加えて、移動させると、調整笠木4Bの屋外側垂下壁410が屋外側外装材5bの屋外側面に密着する。
【0044】
図7は、厚さが一例として15mmの外装材5a,5bの施工例を示すのに対し、図13は、厚さが一例として24mmの外装材5a’,5b’の施工例を示す。これらの図面から明らかなように、本発明によるパラペット笠木装置Pにおいては、外装材の厚さが異なる場合にも、同一構成の笠木4を用いて、調整笠木4Bの笠木本体4Aに対する連結位置、あるいは嵌合深さを調整するだけで、各種の厚さの外装材に対応することができる。
【0045】
〔パネル8の支持構造について〕
次に、パネル8の支持構造について詳述する。
【0046】
本ベランダ用柵Vでは、図1などに示されるように、パラペット躯体1の上端部から所定間隔で複数の支柱10、10…が立設されている。前記支柱10は、図14及び図15に示されるように、パラペット躯体1の上端部に立設された支柱アンカ20に固定されている。前記支柱アンカ20は、図15に示されるように、断面略L字型のアンカープレート20aと、この上面に突設されたアンカー柱20bとから構成されている。前記アンカープレート20aの上面および側面には、それぞれ、パラペット躯体1の上端面および屋内側面の上端部に螺設されるねじ21が貫通する通孔20c、20c…が設けられている。また、前記アンカー柱20bの屋内側面には、前記支柱10が外嵌した状態で支柱10をアンカー柱20bに固定するための固定ねじ22、22…が螺合するネジ孔20d、20d…が設けられている。
【0047】
前記支柱10の取付けは、先ず支柱アンカ20をねじ21…によってパラペット躯体1に固定した後、図15に示されるように、アンカー柱20bが挿通可能な開口23が設けられた笠木本体4Aを支柱アンカ20に挿嵌させる。そして、支柱10をアンカー柱20bに外嵌させ、笠木本体4Aと支柱10とをビス24、24…によって固定し、笠木本体4Aをベースアンカ2に取付ける。しかる後、支柱10とアンカー柱20bとを固定ねじ22…によって固定し、支柱10の取付けを完了する。
【0048】
前記支柱10、10…の上端部には、手摺Hが連設されている。前記手摺Hは、図5に示されるように、支柱10の上端にビス25、25…によって固定される手摺裏板H1と、この手摺裏板H1に固定される手摺部材H2とから構成されている。前記手摺部材H2は、手摺裏板H1、支柱10の上端及び前記上胴縁9Aを一体的に被覆するように設けられている。
【0049】
一方、パラペット笠木装置Pの上方には、パネル8が配設されている。前記パネル8は、ポリカーボネートなどのプラスチック、ガラス、木、格子状金属、パンチングメタルなど各種の材質・形態のものを使用することができる。このパネル8は、風通しなどを考慮してパラペット笠木4の上方に所定の離隔を開けて配設されている。図1〜図4に示される例では、ガラス製のパネル8がほぼ外周を囲うように、パラペット笠木4の上方に、パラペット笠木4から所定の離隔を空けて配設されている。
【0050】
前記パネル8には、該パネル8の下端縁に沿って、パネル8の下端縁を室内外方向に跨って挟持する断面略U字状の下胴縁9が備えられるとともに、上端縁に沿って、同様に、断面略U字状の上胴縁9Aが備えられている。本支持構造では、前記下胴縁9及び上胴縁9Aがそれぞれ支柱10、手摺Hに固定されるとともに下胴縁9と笠木4との間に束柱11が立設されることによって、パネル8が支持されているが、前記上胴縁9Aは手摺りHとは別に支柱11に固定するようにしてもよい。
【0051】
前記上胴縁9Aは、該上胴縁9Aの屋内側に設けられた係合溝9Aaが、前記手摺Hの手摺裏板H1の屋外側に設けられた起立壁H1aに係合されることによって固定されている。
【0052】
前記下胴縁9は、図6に示されるように、支柱10の立設位置において、前記下胴縁9の底面と支柱10とを連結する連結具9Bによって各支柱10に固定されている。
【0053】
また、前記下胴縁9は、支柱10、10の立設位置の中間において、下胴縁9と調整笠木4Bとの間に束柱11を立設することによって支持されている。
【0054】
前記束柱11は、図16に示されるように、柱状のブロック体からなり、アルミニウム合金などの耐食性に優れた材質のものが用いられている。
【0055】
束柱11の上面には、図16(A)に示されるように、下胴縁9の長手方向に沿って2箇所にネジ孔11a、11aが設けられている。前記束柱11は、図17に示されるように、下胴縁9の底面に設けられたビス穴9aに螺合されるとともに、前記ネジ孔11aに螺設される固定ビス9bによって、前記下胴縁9に固定されている。
【0056】
一方、束柱11の下面は、例えば図17(A)に示されるように、調整笠木4Bの上面壁49にビス止めされることなく当接させた状態で設置することができる。ここで、束柱11の上面が固定される下胴縁9は、前述の通り支柱10に固定されているため、束柱11は位置不動である。これに対して、束柱11の下面が当接する調整笠木4Bは、外装材5bの厚さに応じて、室内外方向に変動して固定されるものである。したがって、束柱11が下胴縁9を確実に支持するには、調整笠木4Bが異なる位置で固定されても、少なくともその範囲で、束柱11の下面が調整笠木4Bの上面壁49に当接していることが重要となる。
【0057】
このため、本発明では、調整笠木4Bの上面壁49の室内外方向の幅寸法は、パラペット笠木本体4Aの連結部43と調整笠木4Bの被連結部411とが室内外方向の異なる位置で係合して固定されても、その範囲内で、束柱11の下面が調整笠木4Bの上面壁49に当接するように設定されている。
【0058】
ところで、前記束柱11が前記調整笠木4Bの上面壁49と位置ズレを起こさないように、束柱11の下面には、図16(C)に示されるように、調整笠木4Bの上面壁49に設けられたネジ孔49aに裏面側から螺合される固定ネジ12の先端が挿入されるネジ孔13を形成し、図17(B)に示されるように、前記調整笠木4Bの上面壁49に固定ネジ12で固定するようにしてもよい。
【0059】
ここで、前記ネジ孔13は、パラペット笠木本体4Aの連結部43と調整笠木4Bの被連結部411とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記固定ネジ12が挿入可能に形成されるようになっている。
【0060】
前記ネジ孔13は、パラペット笠木本体4Aの連結部43と調整笠木4Bの被連結部411とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、固定ネジ12が段階的に挿入可能なように、複数のネジ孔13が独立的に又は連結的に形成されるようにする。図示例では、外装材5bの厚さを3段階に変化させた場合に対応するように3つのネジ孔(室内側から13a、13b、13c)が連結的に形成されている。
【0061】
具体的には、図18(A)〜(C)に示されるように、外装材5bの板厚が(A)厚い場合、(B)中間の場合、(C)薄い場合の各寸法に対応して、笠木本体4Aの嵌合溝43cの各係止面43d、43dには、3段の凹部が形成されることによって、この係止面43dの凹部に被連結部411の係止部411a’、411b’が所定のピッチで段階的に係合するようになっている(図9及び図10参照)。したがって、前記ネジ孔13a、13b、13cのピッチを、前記係止面43dに形成した3段の凹部と同じピッチとすることにより、前記束柱11は、調整笠木4Bの各固定位置において、調整笠木4Bの上面壁49に確実に支持されるようになる。このように、ある程度決まった板厚の外装材5bに対して、調整笠木4Bの移動ピッチと同じピッチで複数のネジ孔13a、13b、13cを設けておくことにより、調整笠木4Bの位置出しが容易に行えるようになる。
【0062】
ところで、一般に調整笠木4Bの上面壁49には、水はけなどを考慮して、水平面に対して室内外方向に傾斜する勾配が形成されて設けられることが多い。このような場合でも束柱11が鉛直方向に立設できるようにするため、束柱11の下面には、調整笠木4Bの上面壁49の勾配に対応して傾斜する勾配が形成されている。図16及び図17に示される例では、調整笠木4Bの上面壁49には室内側に向けて低くなる勾配が形成されるため、この勾配に対応して、束柱11の下面には、束柱11が鉛直方向に立設できるように、室内側に向けて低くなる勾配が形成されている。
【0063】
〔他の形態例〕
上記形態例では、前記束柱11の下面には、調整笠木4Bの移動ピッチと同じピッチで複数のネジ孔13a、13b、13cが設けられるようにしたが、図19に示されるように、内面に細かい溝13dが施された長孔状のネジ孔13’を設けるようにしてもよい。前記ネジ孔13’の内面に施される細かい溝13dは、挿入される固定ネジ12が係合して束柱11の移動を抑止するためのものである。前記長孔状のネジ孔13’とすることにより、調整笠木4Bを任意の位置で固定しても束柱11の位置ズレを防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】ベランダ用柵Vの斜視図である。
【図2】その平面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図2の側面図である。
【図5】図3のV−V線矢視図である。
【図6】図3のVI−VI線矢視図である。
【図7】パラペット笠木装置Pの断面図である。
【図8】ベースアンカ2の一例を示す斜視図である。
【図9】笠木本体4Aの端面図である。
【図10】調整笠木4Bの分解端面図である。
【図11】調整笠木4Bの下面を上向きにした斜視図である。
【図12】タイト材6の一例及びその取付例を示す要部断面図である。
【図13】厚みの大きい外装材5bを取り付けた時の状態を示す断面図である。
【図14】支柱10の立設位置におけるパラペット笠木装置Pの断面図である。
【図15】支柱10の取付要領を示す斜視図である。
【図16】束柱11を示す(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は下面図である。
【図17】束柱11の取付状態例を示す要部拡大図(A)(B)である。
【図18】外装材5bの板厚が(A)は厚い場合、(B)は中間の場合、(C)は薄い場合の束柱11の固定状態を示す断面図である。
【図19】束柱11の他の形態例を示す下面図である。
【符号の説明】
【0065】
1…パラペット躯体、2…ベースアンカ、4…笠木、4A…笠木本体、41…上面壁、42…屋内側垂下壁、43…連結部、43a・43b…上下の板、43c…嵌合溝、43d…係止面、45・47…係止部、4B…調整笠木、49…上面壁、410…屋外側垂下壁、411…被連結部、411a・411b…上下の板、411a’・411b’…係止部、5a・5b…外装材、6…タイト材、8…パネル、9…下胴縁、10…支柱、11…束柱、12…固定ネジ、13・13’…ネジ孔、H…手摺、P…パラペット笠木装置、V…ベランダ用柵
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラペット躯体の上端面にベースアンカを固着し、そのベースアンカに笠木を固定してその笠木の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで前記パラペット躯体の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するとともに、前記パラペット躯体の上端部から所定間隔で支柱を設け、パネルを上胴縁と前記笠木との間に隙間を空けた状態で支柱に取り付けられた下胴縁とによって支持させるようにしたベランダ用柵であって、
前記笠木は、ベースアンカに固定される笠木本体と、その笠木本体に連結される調整笠木とに分割して構成され、
前記笠木本体は、前記ベースアンカの上方を覆う上面壁の屋内側端部に前記屋内側垂下壁を有するとともに、前記上面壁の屋外側端部に連結部を有し、
前記調整笠木は、前記笠木本体の上面壁の屋外側部分を被覆する上面壁を有するとともに、その上面壁の屋外側端部から垂下し、パラペット躯体の屋外側の外装材の屋外側面に当接する前記屋外側垂下壁を有し、その屋外側垂下壁の上部の屋内側面に前記笠木本体の連結部と屋内外方向の異なる位置で係合して固定される被連結部を有し、
前記下胴縁は、前記支柱間において前記調整笠木との間に束柱を立設することによって支持され、
少なくとも、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記束柱の下面が前記調整笠木の上面壁に当接するように、前記調整笠木の上面壁の室内外方向の幅寸法が設定されていることを特徴とするベランダ用柵。
【請求項2】
前記笠木本体の連結部は、前記笠木本体の上面壁の屋外側端部に屋外方向に開口する所定深さの嵌合溝からなり、前記調整笠木の被連結部は、前記調整笠木の屋外側垂下壁の屋内側面に突設され、前記笠木本体の嵌合溝に強制嵌合して固定される被嵌合部からなる請求項1記載のベランダ用柵。
【請求項3】
前記笠木本体の嵌合溝は、その上下に隔てて存在する壁面に互いに対向する鋸歯状係止面を設けてなるものであり、前記調整笠木の被嵌合部は、上下に隔てられた平行な板の先端に前記嵌合溝の上下の鋸歯状係止面に係止される爪を設けてなるものである請求項2記載のベランダ用柵。
【請求項4】
前記調整笠木の被嵌合部は、前記調整笠木とは別に成形された短尺物であり、前記調整笠木の屋外側垂下壁の長手方向に間隔をおいて装着されている請求項2、3いずれかに記載のベランダ用柵。
【請求項5】
前記調整笠木の上面壁には、室内外方向に傾斜する勾配が形成されるとともに、前記束柱の下面には、該束柱が鉛直方向に立設するように、前記調整笠木の上面壁の勾配に対応して傾斜する勾配が形成されている請求項1〜4いずれかに記載のベランダ用柵。
【請求項6】
前記束柱の下面には、前記調整笠木の上面壁を裏面側から貫く固定ネジを螺設するネジ孔が設けられるとともに、
前記ネジ孔は、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記固定ネジが挿入可能に形成されている請求項1〜5いずれかに記載のベランダ用柵。
【請求項7】
前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定され、
前記ネジ孔は、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定されるのに対応して、前記固定ネジが段階的に挿入可能なように複数のネジ孔が独立的に又は連結的に形成されている請求項6記載のベランダ用柵。
【請求項1】
パラペット躯体の上端面にベースアンカを固着し、そのベースアンカに笠木を固定してその笠木の屋外側垂下壁と屋内側垂下壁とで前記パラペット躯体の上端部の屋外側面と屋内側面を隠蔽するとともに、前記パラペット躯体の上端部から所定間隔で支柱を設け、パネルを上胴縁と前記笠木との間に隙間を空けた状態で支柱に取り付けられた下胴縁とによって支持させるようにしたベランダ用柵であって、
前記笠木は、ベースアンカに固定される笠木本体と、その笠木本体に連結される調整笠木とに分割して構成され、
前記笠木本体は、前記ベースアンカの上方を覆う上面壁の屋内側端部に前記屋内側垂下壁を有するとともに、前記上面壁の屋外側端部に連結部を有し、
前記調整笠木は、前記笠木本体の上面壁の屋外側部分を被覆する上面壁を有するとともに、その上面壁の屋外側端部から垂下し、パラペット躯体の屋外側の外装材の屋外側面に当接する前記屋外側垂下壁を有し、その屋外側垂下壁の上部の屋内側面に前記笠木本体の連結部と屋内外方向の異なる位置で係合して固定される被連結部を有し、
前記下胴縁は、前記支柱間において前記調整笠木との間に束柱を立設することによって支持され、
少なくとも、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記束柱の下面が前記調整笠木の上面壁に当接するように、前記調整笠木の上面壁の室内外方向の幅寸法が設定されていることを特徴とするベランダ用柵。
【請求項2】
前記笠木本体の連結部は、前記笠木本体の上面壁の屋外側端部に屋外方向に開口する所定深さの嵌合溝からなり、前記調整笠木の被連結部は、前記調整笠木の屋外側垂下壁の屋内側面に突設され、前記笠木本体の嵌合溝に強制嵌合して固定される被嵌合部からなる請求項1記載のベランダ用柵。
【請求項3】
前記笠木本体の嵌合溝は、その上下に隔てて存在する壁面に互いに対向する鋸歯状係止面を設けてなるものであり、前記調整笠木の被嵌合部は、上下に隔てられた平行な板の先端に前記嵌合溝の上下の鋸歯状係止面に係止される爪を設けてなるものである請求項2記載のベランダ用柵。
【請求項4】
前記調整笠木の被嵌合部は、前記調整笠木とは別に成形された短尺物であり、前記調整笠木の屋外側垂下壁の長手方向に間隔をおいて装着されている請求項2、3いずれかに記載のベランダ用柵。
【請求項5】
前記調整笠木の上面壁には、室内外方向に傾斜する勾配が形成されるとともに、前記束柱の下面には、該束柱が鉛直方向に立設するように、前記調整笠木の上面壁の勾配に対応して傾斜する勾配が形成されている請求項1〜4いずれかに記載のベランダ用柵。
【請求項6】
前記束柱の下面には、前記調整笠木の上面壁を裏面側から貫く固定ネジを螺設するネジ孔が設けられるとともに、
前記ネジ孔は、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で係合して固定される範囲内で、前記固定ネジが挿入可能に形成されている請求項1〜5いずれかに記載のベランダ用柵。
【請求項7】
前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定され、
前記ネジ孔は、前記笠木本体の連結部と前記調整笠木の被連結部とが室内外方向の異なる位置で段階的に係合して固定されるのに対応して、前記固定ネジが段階的に挿入可能なように複数のネジ孔が独立的に又は連結的に形成されている請求項6記載のベランダ用柵。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−24669(P2010−24669A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185509(P2008−185509)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】
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