説明

ベローズ装置

本発明は、トリポードジョイントのジョイント外側部分と、トリポードジョイントのジョイント内側部分に結合された軸との間に設けられたリングギャップをシールするために役立つベローズに関する。ベローズ(1)は、ジョイント外側部分に接続するための弾性的なアダプタリング(2)と、該アダプタリング(2)に結合された弾性的なベローズ区分(3)とを有しており、該ベローズ区分(3)は、アダプタリング(2)と、軸に固定するためのカラー(5)との間で延在している。アダプタリング(2)は、円筒形の外面(10)と、ジョイント外側部分に形状結合式に設置するための、横断面で見てジョイント外側部分の外側輪郭に適合された内面(8)とを有している。その際、内面(8)と外面(10)との間に形成された壁の少なくとも部分領域に、多数の孔(12)が設けられており、該孔(12)がアダプタリングの端面または半径方向面を起点としており、かつ蜂の巣状の構造でもって配置されているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリポードジョイントのジョイント外側部分と、トリポードジョイントのジョイント内側部分に結合された軸との間に設けられたリングギャップをシールするための、長手方向軸線Aを有するベローズ装置に関する。トリポードジョイントのジョイント外側部分の外周はその開口側において、横断面で見て三つ葉状である。すなわち、ジョイント内側部分のトリポードピンおよびローラ装置に応じて、ジョイント外側部分は3つの凸部と3つの凹部とを、周囲にわたって均等なピッチ角を置いて有している。それゆえ、ジョイント外側部分は、回転対称のベローズを直接被せ嵌める前提条件を充足していない。
【0002】
この理由から、アダプタリングと、アダプタリングに結合されたベローズ区分とを備えたベローズを使用することが一般的である。その際、相応に形成された内面を有するアダプタリングは、ジョイント外側部分のクローバの葉状の外面に被せ嵌められることができる。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10123216号明細書に示されたベローズ装置では、アダプタリングが熱溶接または接着によりベローズ区分に結合されている。アダプタリングには、半径方向の山部を備えた、周囲にわたって均等に分配された領域が形成されている。アダプタリング内には、この材料集積に基づいて、アダプタリングの製作時にひけおよび気泡が発生し得る。さらに、材料集積はアダプタリングの不均等な冷却につながる。これにより、収縮差に基づく変形傾向が高められる。
【0004】
欧州特許出願公開第0915264号明細書から公知の、ブロー成形法で製作されたベローズ装置は、ベローズと、ベローズと一体的に結合されたアダプタリングとを有している。アダプタリングは、横断面で見て、ジョイント外側部分に適合された内側の壁区分と、円筒形の外側の壁区分とを有している。内側の壁区分と、円筒形の外側の壁区分との間には、半径方向で延在するばね弾性的なリブが設けられている。リブの厚さはほぼ壁区分の厚さに相当する。
【0005】
欧州特許出願公開第1182372号明細書には、軸に結合するためのベローズと、ジョイント外側部分に結合するためのアダプタリングとを備えた、ブロー成形法で一体的に製作された類似のベローズ装置が示されている。アダプタリングは半径方向外側に、円筒形の輪郭を有しており、かつ半径方向内側に、ジョイント外側部分の外側輪郭に適合された三つ葉状の輪郭を有している。壁の、半径方向で比較的大きな肉厚の、そのようにして形成された領域には、複数の平行なスリットが、ベローズ装置の長手方向軸線に対して垂直な平面内で設けられている。
【0006】
これらの点から出発して、本発明の課題は、トリポードジョイントのジョイント外側部分と、トリポードジョイントのジョイント内側部分に結合された軸との間に設けられたリングギャップをシールするためのベローズを改良して、良好なシール特性と、同時に改善された製作性とを有し、しかも固化時の変形が小さいベローズを提供することである。
【0007】
上記課題を解決するために、トリポードジョイントのジョイント外側部分と、トリポードジョイントのジョイント内側部分に結合された軸との間に設けられたリング室をシールするために役立つベローズであって、ジョイント外側部分に接続するための弾性的なアダプタリングと、該アダプタリングに結合された弾性的なベローズ区分とが設けられており、該ベローズ区分が、アダプタリングと、軸に固定するためのカラーとの間で延在しており、アダプタリングが、円筒形の外面と、ジョイント外側部分に形状結合式に設置するための、横断面で見てジョイント外側部分の外側輪郭に適合された内面とを有している形式のものにおいて、少なくともアダプタリングの部分領域に、多数の孔が設けられており、該孔がアダプタリングの端面を起点としており、かつ蜂の巣状に配置されているようにすることが提案される。
【0008】
この種のベローズが有する利点は、アダプタリングの内面と外面との間の半径方向の山部(肉厚化部)の領域でも、材料集積が発生しない点にある。こうして、射出成形されたアダプタリングの冷却時の気泡形成の危険が最小化され、かつ収縮に基づく変形の発生が僅かであるにすぎない。さらに、本発明によるアダプタリングは、半径方向で弾性的にばね状に形成されている。その結果、内面は緊締バンドの締め付けにより山部の領域でも良好に密にジョイント外側部分のクローバの葉状の外面に当て付けられ、かつ半径方向内側に向かって負荷される。さらに、孔状の構造が提供する利点は、アダプタリングが、孔を備えた領域で、リブを備えたアダプタリングに比して高い剛性を有している点にある。
【0009】
有利な実施形態では、孔がベローズの長手方向軸線に対して平行に延在している。その際有利には、孔が盲孔として形成されており、かつベローズ区分が半径方向でその外面の領域でアダプタリングに結合されている。アダプタリングにおける材料集積をできるだけ僅かに維持するために、孔はほぼアダプタリングの軸方向の深さ全体にわたって延在している。このことが有する利点は、ブロー成形されたベローズ区分が回転対称に、アダプタリングとの接続領域で円筒形の横断面を備えて構成されていることができるという点にある。その結果、トリポードジョイントの運転時のベローズ区分内の応力は、均等に分配されている。特定の応用事例のために、孔が貫通孔として構成されており、ベローズ区分が半径方向でその内面の領域でアダプタリングに結合されているようになっていてもよい。本発明の具体例では、アダプタリングを通る少なくとも1つの半径方向断面で、少なくとも2つの孔が、異なる半径を有する円上で互いに隣接して配置されている。特に、3つまたはそれよりも多くの孔が半径方向で互いに隣接して配置されていてもよい。こうして、半径方向の山部を備えた領域が特に高い剛性を有していることが保証される。
【0010】
第2の解決策によれば、トリポードジョイントのジョイント外側部分と、トリポードジョイントのジョイント内側部分に結合された軸との間に設けられたリング室をシールするために役立つ、長手方向軸線を有するベローズであって、ジョイント外側部分に接続するための弾性的なアダプタリングと、該アダプタリングに結合された弾性的なベローズ区分とが設けられており、該ベローズ区分が、アダプタリングと、軸に固定するためのカラーとの間で延在しており、アダプタリングが、円筒形の外面と、ジョイント外側部分に形状結合式に設置するための、横断面で見てジョイント外側部分の外側輪郭に適合された内面とを有している形式のものにおいて、少なくともアダプタリングの周囲の部分領域に、多数の孔が設けられており、該孔がアダプタリングの外面を起点としており、かつ蜂の巣状に配置されているようにした。この実施形態は剛性に関して、上に挙げた実施形態と同じ利点を提供する。
【0011】
具体例では、孔が長手方向軸線に対して半径方向で延在している。孔は互いにほぼ同じ横断面を有しており、実質的に均等に壁に分配されており、かつ同じ密度で占積されている。有利には、孔が盲孔として構成されている。その結果、ジョイント室はシールされており、潤滑剤がジョイント室から漏れ出したり、異物がジョイント室内に入り込んだりすることはない。その際、ベローズ区分は有利な構成では回転対称であり、かつ半径方向で外面の領域でアダプタリングに結合されている。比較的大きな材料集積を有する領域を僅かに維持するために、アダプタリングの孔はほぼ内面にまで半径方向で延在している。
【0012】
上記の両実施形態、すなわち端面を起点とする孔を備えた実施形態および外面を起点とする孔を備えた実施形態の有利な構成では、アダプタリング内に設けられた孔が軽微に錐形に構成されている。これにより、射出ブロー成形後の離型は簡単化される。孔は円形または楕円形の横断面を有していてもよいし、多角形、特に六角形の横断面を有していてもよい。六角形の横断面が有する利点は、隣接する孔の間に形成される壁がコンスタントな厚さを有している点にある。こうして、アダプタリングが孔の領域で均等な強度を有していることが保証される。有利には、孔が最高の占積密度で相並んで配置されており、その都度、隣接する2つの孔の間に、支持作用を有する1つのウェブが形成されている。
【0013】
上記課題の別の解決策は、トリポードジョイントのジョイント外側部分と、トリポードジョイントのジョイント内側部分に結合された軸との間に設けられたリング室をシールするために役立つ、長手方向軸線を有するベローズであって、ジョイント外側部分に接続するための弾性的なアダプタリングと、該アダプタリングに結合された弾性的なベローズ区分とが設けられており、該ベローズ区分が、アダプタリングと、軸に固定するためのカラーとの間で延在しており、アダプタリングが、円筒形の外面と、ジョイント外側部分に形状結合式に設置するための、横断面で見てジョイント外側部分の外側輪郭に適合された内面とを有している形式のものにおいて、少なくともアダプタリングの周囲の部分領域に、多数の気孔状の中空室が設けられていることにある。このベローズは、アダプタリングに多数の孔を有する上記ベローズと同じ利点を提供する。
【0014】
有利には、中空室がほぼ同じ直径を有しており、実質的に均等に分配されている。特に、中空室は最も狭い占積密度で配置されている。その結果、アダプタリングは特に高い剛性を、半径方向の山部を有する領域に有している。有利な実施形態では、中空室が全面的に閉鎖されている。その結果、アダプタリングはジョイントのリング室を密に閉鎖し、潤滑剤が外部に漏れることはない。これに対して択一的な実施形態では、中空室が少なくとも部分的に互いに開いた気孔状に形成されており、両端面のうちの少なくとも1つおよび両周面のうちの少なくとも1つが気孔なしに閉鎖されて構成されている。こうして、やはりジョイントのリング室を密に閉鎖することが保証されている。
【0015】
本発明の別の有利な構成では、アダプタリングとベローズ区分とが上記解決策にしたがって一体的に形成されており、かつ射出ブロー成形法で製作されている。その際、アダプタリングとベローズ区分とは、熱可塑性のエラストマから製作されている。これに対して択一的な実施形態では、アダプタリングとベローズ区分とが二部分から形成されており、事後的に互いに結合されている。両構成部分を結合するために、従来慣用の形状結合(formschluessig:形状による束縛)式または素材結合(stoffschluessig:素材の凝集力もしくは界面接着力による束縛)式の接合方法、特に接着または溶接が使用されることができる。有利には、アダプタリングとベローズ区分とが、熱可塑性のエラストマから製作されている。ただし、別の材料組み合わせ、例えばアダプタリングをゴムから、ベローズ区分を熱可塑性のエラストマから製作する別の材料組み合わせも可能である。
【0016】
本発明の有利な実施例を図示し、以下に説明する。
図1:本発明の第1の実施形態によるベローズの斜視図である。
図2:図1に示したベローズの、アダプタリングを軸方向で観察した抜粋図である。
図3:図1に示したベローズの縦断面図である。
図4:本発明の第2の実施形態によるベローズの斜視図である。
図5:図4に示したベローズの、アダプタリングの領域の横断面図である。
図6:本発明の第3の実施形態によるベローズの縦断面図である。
図7:図6に示したベローズの、アダプタリングの領域の横断面図である。
【0017】
以下にまとめて説明する図1、図2および図3には、ベローズ1が示されている。ベローズ1はアダプタリング2とベローズ区分3とを有している。アダプタリング2とベローズ区分3とは一体的に形成されており、かつ弾性的な材料、特に熱可塑性プラスチックまたは弾性プラスチックから成る。ベローズ1は、図示されていないトリポードジョイントのジョイント室をシールするために役立つ。トリポードジョイントは、横断面で見てクローバの葉状の外側輪郭を備えたジョイント外側部分と、ジョイント外側部分内に係入するジョイント内側部分、すなわち星形のトリポードおよびローラ装置とを有している。星形のトリポード内には、軸がトルク伝達のために挿入されている。ジョイント外側部分と軸との間のジョイント室はベローズ区分3により橋渡しされる。ベローズ区分3は回転対称に構成されている。ベローズ区分3の第1のリングひだ4はアダプタリング2に結合されている。カラー5は軸に密閉性に設置される。その際、半径方向内側で部分的に環状に延在するリング突起17が、軸の相応のリング溝内に、軸方向での固定のために係入することができる。カラー5を軸に固定するためにリング溝6が設けられている。リング溝6内には、図示されていない緊締バンドが係入することができる。
【0018】
アダプタリング2は半径方向外側に、規則的に周囲にわたって分配された半径方向の突出部7を備えた円筒形の外面10を有している。外面10には、やはり図示されていない緊締バンドが、アダプタリングをジョイント外側部分に固定するために当て付けられることができる。アダプタリング2は半径方向内側に、部分的に環状に延在するリング突起16を備えた内面8を有している。リング突起16は、ジョイント外側部分の外面に設けられた相応のリング溝内に係入することができる。内面8は横断面で見て、ジョイント外側部分の外側輪郭に適合されている。その結果、アダプタリング2はジョイント外側部分に密に被せ嵌められることができる。この構成により、アダプタリング2は、規則的に周囲にわたって交互に分配された谷部(肉薄化部)9および山部(肉厚化部)11を有している。
【0019】
肉厚化された山部11の領域で、アダプタリングの不均等な冷却、ひいては変形に至る材料集積(Massenanhaeufung)を回避するために、半径方向面13を起点として軸方向で延在する孔12が設けられている。縦平面で見て、複数の孔は半径方向で互いに隣接して配置されている。孔はほぼ同じ横断面を有しており、実質的に均等に分配されており、かつ高い占積密度(Packungsdichte)で互いに平行に配置されている。これをここでは「蜂の巣状の構造(ハニカム構造)」と呼ぶ。特に図3から見て取れるように、孔12は盲孔として構成されている。その際、孔端部は、ベローズ区分3側の半径方向面14に対して軸方向で間隔を置いて存在している。その結果、ジョイント室は外側に向かってシールされている。射出ブロー成形後の良好な離型を保証するために、孔12はその軸方向の延在長さにわたって軽微に錐形に構成されている。
【0020】
アダプタリング2に蜂の巣状の構造を備えた本発明によるベローズ1は、材料集積が減じられているという利点を有している。こうして、冷却時に発生する収縮や、収縮により引き起こされる変形もしくは歪みが最小化されると共に、重量が軽減されることが保証される。さらに、蜂の巣状の構造を有するアダプタリング2は、半径方向のリブを備えたアダプタリングに関して相対的に剛性に形成されており、かつ中実体に比して高い弾性を有している。こうして、内面8は、アダプタリング2をジョイント外側部分に被せ嵌めた状態で、全周にわたって密にジョイント外側部分の外面に当て付けられ、半径方向内側に向かって負荷される。
【0021】
以下にまとめて説明する図4および図5には、本発明によるベローズの第2の実施形態が示されている。図1〜図3に示したものと同一の部材には同一の符号を付した。それゆえ、上述の説明を参照されたい。図1に示した実施形態とは異なり、このアダプタリング2′はその半径方向の山部11′の領域に、円筒形の外面10′を起点として半径方向内側に向かって延在する孔12′を有している。孔12′はほぼ同じ横断面を有しており、実質的に均等に分配されて、互いに高い占積密度で配置されている。その結果、孔12′は蜂の巣状の構造を形成する。その際、孔12′は盲孔として構成されている。孔端部はアダプタリング2′の内面8′に対して半径方向で間隔を置いて存在している。このことは特に図5から見て取れる。孔12′は円形の横断面を有しており、半径方向内側に向かってテーパを成している。円錐形に構成したことにより、孔を形成するためのコアを備えた、製作のために使用される型が、射出ブロー成形後に簡単に再度離型されることができる。それというのも、そのようにしたことにより、コアと孔12′の内壁との間の摩擦力が小さくなるからである。半径方向で延在する孔12′を備えたこの実施形態は、図1〜図3に示した軸方向で延在する孔を備えた実施形態と同じ利点を提供する。
【0022】
以下にまとめて説明する図6および図7には、本発明によるベローズの別の実施形態が示されている。その際、図1に示したものと同一の部材には同一の符号を付した。その点に関しては、上述の説明を参照されたい。その他の実施形態とは異なり、このベローズ1″は、気孔状の中空室15を有している。中空室15はすべてほぼ同じ直径を有しており、高い占積密度で配置されている。内面8″と、外面10″と、アダプタリング2″の、ベローズ区分3″側の半径方向面14″とが気孔なしに閉鎖されて形成されていることが見て取れる。その結果、ジョイント室は外側に向かってシールされており、異物が侵入したり、潤滑剤が漏れたりすることはない。アダプタリング2″の山部11″を有する領域にフォーム状の構造を備えた本発明によるベローズ1″は、材料集積が減じられているという利点を有している。こうして、冷却時に発生する収縮や、収縮により引き起こされる変形が最小化されると共に、重量が軽減されることが保証される。さらに、フォーム状の構造を備えたアダプタリング2″は、リブを備えたアダプタリングに関して相対的に剛性に形成されている。こうして、内面8″は、アダプタリング2″をジョイント外側部分に被せ嵌めた状態で、全周にわたって密にジョイント外側部分の外面に当て付けられ、半径方向内側に向かって負荷される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態によるベローズの斜視図である。
【図2】図1に示したベローズの、アダプタリングを軸方向で観察した抜粋図である。
【図3】図1に示したベローズの縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるベローズの斜視図である。
【図5】図4に示したベローズの、アダプタリングの領域の横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態によるベローズの縦断面図である。
【図7】図6に示したベローズの、アダプタリングの領域の横断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ベローズ、 2 アダプタリング、 3 ベローズ区分、 4 第1のカラー、 5 第2のカラー、 6 リング溝、 7 突出部、 8 内面、 9 谷部、 10 外面、 11 山部、 12 孔、 13 半径方向面、 14 半径方向面、 15 中空室、 16 リング突起、 17 リング突起、 A 長手方向軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリポードジョイントのジョイント外側部分と、トリポードジョイントのジョイント内側部分に結合された軸との間に設けられたリング室をシールするために役立つ、長手方向軸線(A)を有するベローズであって、ジョイント外側部分に接続するための弾性的なアダプタリング(2)と、該アダプタリング(2)に結合された弾性的なベローズ区分(3)とが設けられており、該ベローズ区分(3)が、アダプタリング(2)と、軸に固定するためのカラー(5)との間で延在しており、アダプタリング(2)が、円筒形の外面(10)と、ジョイント外側部分に形状結合式に設置するための、横断面で見てジョイント外側部分の外側輪郭に適合された内面(8)とを有している形式のものにおいて、少なくともアダプタリング(2)の周囲の部分領域に、多数の孔(12)が設けられており、該孔(12)がアダプタリング(2)の端面(13)を起点としており、かつ蜂の巣状の構造でもって配置されていることを特徴とするベローズ。
【請求項2】
孔(12)が長手方向軸線(A)に対して平行に延在している、請求項1記載のベローズ。
【請求項3】
孔(12)が盲孔として形成されており、かつベローズ区分(3)が半径方向でその外面(10)の領域でアダプタリング(2)に結合されている、請求項2記載のベローズ。
【請求項4】
孔(12)がほぼアダプタリング(2)の軸方向の深さ全体にわたって延在している、請求項3記載のベローズ。
【請求項5】
孔(12)が貫通孔として構成されており、ベローズ区分(3)が半径方向でその内面(8)の領域でアダプタリング(2)に結合されている、請求項2記載のベローズ。
【請求項6】
少なくとも1つの半径方向断面で、少なくとも2つの孔(12)が、異なる半径を有する円上で互いに隣接して配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項7】
トリポードジョイントのジョイント外側部分と、トリポードジョイントのジョイント内側部分に結合された軸との間に設けられたリング室をシールするために役立つ、長手方向軸線(A)を有するベローズであって、ジョイント外側部分に接続するための弾性的なアダプタリング(2)と、該アダプタリング(2)に結合された弾性的なベローズ区分(3)とが設けられており、該ベローズ区分(3)が、アダプタリング(2)と、軸に固定するためのカラー(5)との間で延在しており、アダプタリング(2)が、円筒形の外面(10)と、ジョイント外側部分に形状結合式に設置するための、横断面で見てジョイント外側部分の外側輪郭に適合された内面(8)とを有している形式のものにおいて、少なくともアダプタリング(2)の周囲の部分領域に、多数の孔(12)が設けられており、該孔(12)がアダプタリング(2)の外面(10)を起点としており、かつ蜂の巣状の構造でもって配置されていることを特徴とするベローズ。
【請求項8】
孔(12)が長手方向軸線(A)に対して半径方向で延在している、請求項7記載のベローズ。
【請求項9】
孔(12)が盲孔として構成されており、かつ孔(12)がアダプタリング(2)内でほぼ内面(8)にまで延在する、請求項7または8記載のベローズ。
【請求項10】
ベローズ区分(3)が半径方向で外面(10)の領域でアダプタリング(2)に結合されている、請求項7から9までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項11】
孔(12)が軽微に錐形に構成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項12】
孔(12)が円形または楕円形の横断面を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項13】
孔(12)が多角形、特に六角形の横断面を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項14】
孔(12)が互いに同じ横断面を有している、請求項1から13までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項15】
孔(12)が壁に均等に分配されており、かつ同じ密度で占積されている、請求項1から14までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項16】
孔(12)が最高の占積密度で相並んで配置されており、その都度、隣接する2つの孔(12)の間に、支持作用を有する1つのウェブが形成されている、請求項15記載のベローズ。
【請求項17】
トリポードジョイントのジョイント外側部分と、トリポードジョイントのジョイント内側部分に結合された軸との間に設けられたリングギャップをシールするために役立つ、長手方向軸線(A)を有するベローズであって、ジョイント外側部分に接続するための弾性的なアダプタリング(2)と、該アダプタリング(2)に結合された弾性的なベローズ区分(3)とが設けられており、該ベローズ区分(3)が、アダプタリング(2)と、軸に固定するためのカラー(5)との間で延在しており、アダプタリング(2)が、円筒形の外面(10)と、ジョイント外側部分に形状結合式に設置するための、横断面で見てジョイント外側部分の外側輪郭に適合された内面(8)とを有している形式のものにおいて、少なくともアダプタリング(2)の周囲の部分領域に、多数の気孔状の中空室(15)が設けられていることを特徴とするベローズ。
【請求項18】
中空室(15)がほぼ同じ直径を有しており、かつ実質的に均等に分配されている、請求項17記載のベローズ。
【請求項19】
中空室(15)が、最も狭い占積密度で配置されている、請求項17または18記載のベローズ。
【請求項20】
中空室(15)が全面的に閉鎖されている、請求項17から19までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項21】
中空室(15)が少なくとも部分的に互いに開いた気孔状に形成されており、両端面(13,14)のうちの少なくとも1つおよび両周面(8,10)のうちの少なくとも1つが気孔なしに閉鎖されて構成されている、請求項17から19までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項22】
アダプタリング(2)と、カラー(5)を備えたベローズ区分(3)とが一体的に形成されている、請求項1から21までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項23】
アダプタリング(2)と、カラー(5)を備えたベローズ区分(3)とが二部分から製作されており、事後的に環状に互いに結合されている、請求項1から21までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項24】
アダプタリング(2)とベローズ区分(3)とが形状結合式に互いに結合されている、請求項23記載のベローズ。
【請求項25】
アダプタリング(2)とベローズ区分(3)とが素材結合式に、特に溶接または接着により互いに結合されている、請求項23記載のベローズ。
【請求項26】
アダプタリング(2)とベローズ区分(3)とが、熱可塑性のエラストマから製作されている、請求項22から25までのいずれか1項記載のベローズ。
【請求項27】
アダプタリング(2)がゴムから製作されており、ベローズ区分(3)が熱可塑性の材料から製作されている、請求項23から25までのいずれか1項記載のベローズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−502956(P2007−502956A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529762(P2006−529762)
【出願日】平成16年5月8日(2004.5.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004938
【国際公開番号】WO2004/104438
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(504467521)ゲー カー エヌ ドライブライン インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【氏名又は名称原語表記】GKN Driveline International GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauptstrasse 130, D−53797 Lohmar, Germany
【Fターム(参考)】