説明

ベンゾジアゼピン組成物の投与

【課題】本発明は、経鼻投与用の1以上のベンゾジアゼピン薬を含む医薬組成物、このような組成物を製造及び使用するための方法に関する。
【解決手段】 経鼻投与用の医薬組成物であって、組成物は、患者の1以上の鼻粘膜への投与用の薬学的に許容可能な製剤中に、ベンゾジアゼピン薬と、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2008年3月28日に出願された米国の仮特許出願第61/040,558 号の35U.S.C.§119(e)優先権の利益を主張する。この出願の全ての内容は、それを参照することにより本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ベンゾジアゼピン薬及びそれらの組成物の経鼻投与に関する
【背景技術】
【0003】
限定するものではないが、ベンゾジアゼピンファミリーは、例えばジアゼパム、ロラゼパム、及びメダゼパム等の薬からなる。このファミリーの薬は、鎮静作用特性、精神安定特性及び筋弛緩特性を有するものとして認められる。これら薬は、精神安定弛緩薬及び骨格筋弛緩薬としてしばしば分類される。これらの薬は、不安定神経症、不眠症、激越、発作(例えば癲癇により引起されるもの等)、筋痙攣及び筋硬直(テタヌスにより引き起きされる)の症状、中枢神経抑制剤の継続的な乱用に関係する薬物離脱症候群、及び神経ガスへの暴露を抑制し、処置し、又は改善に有益であると考えられる。
【0004】
ベンゾジアゼピンは、ニューロンのGABA受容体に結合することにより作用すると考えられ、おそらく、その受容体に形状の変化を引き起こし、GABA受容体をガンマ−アミノ酪酸(GABA)にさらに近づきやすくしている。
【0005】
GABAは、GABA受容体に結合する場合、GABA受容体が結合するニューロン中へのClイオン洪水を促進する抑制性の神経伝達物質である。Clイオンの増加は、ニューロンの細胞膜を過分極させる。これは、活動電位を伝えるニューロンの能力を完全に又は実質的に減少させる。この受容体を標的とすることは、神経系を通過する過度な活動電位に起因する、例えばテタヌス及び癲癇等の多くの疾患を処置するのに有益である。
【0006】
ベンゾジアゼピン薬の現在の製剤は、経口で、直腸に、又は非経口で投与され得る。これら及び他の製剤のタイプを利用する能力は、溶解性チャレンジ(challenge)に起因して、多くの場合大きく限定される。
【0007】
経口投与は、いくつかの不都合に起因して次善として考慮され得る。例えば、経口投与のベンゾジアゼピン薬の血漿中の治療的関連性のある濃度を達成するのに要求される時間は、かなり長く、例えば1時間又はそれ以上である。その上、ベンゾジアゼピン薬は、肝臓を通り抜けるので、多くの量が代謝される。従って、治療的な血漿中濃度を達成するには、多い用量が必要となる。さらに、発作及び筋痙攣の特性に起因して、患者又は介護人のいずれかは、ベンゾジアゼピン薬を経口投与することが非常に困難となる。
【0008】
静脈内投与は、しばしば高速に投与する経路を提供する。しかしながら、静脈内投与は、一般的には厳重に制御された臨床状況における訓練された医療従事者に限定される。その上、無菌が維持されなければならない。さらに、任意の薬を静脈内に投与することは、苦痛であり、そして針恐怖症に苦しむ患者にとっておそらく実質的ではない。
【0009】
ベンゾジアゼピン薬の坐薬組成物は、作用が速やかに始まる。しかしながら、坐薬の不便さは、患者の親しい知人及び患者の専門医療介護人の非常に少ないグループ以外の誰かにより投与される場合、明らかに障害となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
いくつかの実施形態において、経鼻投与用の医薬組成物は、患者の1以上の鼻粘膜への投与用の薬学的に許容可能な製剤中に、ベンゾジアゼピン薬と、約30%から約95%(W/W)までの量の1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、約5%から約70%(W/W)までの量、好ましくは約10%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せとを備える。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、約30%から約95%(W/W)までの量の1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せ、及び約5%から約70%(W/W)までの量、好ましくは約10%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せに溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、担体系に溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の少なくとも一部は、ミクロ粒子、ナノ粒子又はそれらの組合せを含む形態である。いくつかの実施形態において、組成物は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せが実質的にない。
【0011】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、アルプラゾラム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼパム、デモキサゼパム、ジアゼパム、フルマゼニル、フルラゼパム、ハラゼパム、ミダゾラム、ノルダゼパム、メダゼパム、ニトラゼパム、オキサゼパム、メダゼパム、ロラゼパム、プラゼパム、クアゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、ロプラゾラム、これらの任意の薬学的に許容可能な塩、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ジアゼパム、又はその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せを備える。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンナノ粒子は、約5000nm未満の有効平均粒径を備える。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せが実質的にない。
【0012】
いくつかの実施形態において、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノールは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、トコフェルソラン、それらの任意の異性体、それらの任意のエステル、それらの任意のアナログ又は誘導体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、合成トコフェロールは、ビタミンE TPGS(ビタミンEポリエチレングリコールコハク酸)を含み得る。いくつかの実施形態において、他方、合成トコフェロールは、例えばポリエチレングリコール等のグリコールポリマーと共有結合又は連結する(例えば2塩基酸の連結基を介して)トコフェロールを除外する。従って、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される組成物はビタミンE TPGSを除外する。
【0013】
いくつかの実施形態において、1以上のアルコールは、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ベンジルアルコール、それらの任意の異性体、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、1以上のグリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、それらの任意の異性体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。好適な実施形態において、グリコールは、グリコールポリマーを除外する。いくつかの好適な実施形態において、グリコールは、200を超える平均分子量を備えるグリコールポリマーを除外する。いくつかの実施形態において、グリコールは、200を超える平均分子量を備えるポリエチレングリコールを除外する。
【0014】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、約1mg/mLから約600mg/mLまでの濃度で、担体系中に存在する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、約10mg/mLから約250mg/mLまでの濃度で、担体系中に存在する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンは、約20mg/mLから約50mg/mLまでの濃度で、担体系中に存在する。
【0015】
いくつかの実施形態において、担体系は、約45%から約85%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約60%から約75%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約70%(W/W)の量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。
【0016】
いくつかの実施形態において、担体系は、約10%から約70%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約15%から約55%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約25%から約40%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約30%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せ備える。
【0017】
いくつかの実施形態において、組成物は、医薬品有効成分、賦活剤、賦形剤、及びpHを調整し、組成物を緩衝し、分解を防ぎ、そして外観、匂い、又は味を改善するために用いられる剤からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な成分を備える。
【0018】
いくつかの実施形態において、組成物は、1以上の追加の賦形剤、例えば1以上のパラベン、1以上のポビドン、及び/又は1以上のアルキルグリコシドを備える。
【0019】
本発明は、また、ベンゾジアゼピン薬で治療可能な疾患のある患者を処置する方法を開示する。いくつかの実施形態において、患者はヒトである。いくつかの実施形態において、方法は、ベンゾジアゼピン薬を含む経鼻投与用の医薬組成物と、約30%から約95%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、及び約5%から約70%(W/W)までの量、好ましくは約10%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せとを患者の1以上の鼻粘膜に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンは、約30%から約95%(W/W)までの量の1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せ、及び約5%から約70%までの量、好ましくは約10%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せに溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、担体系に溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せが実質的にない。
【0020】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、アルプラゾラム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼパム、デモキサゼパム、ジアゼパム、フルマゼニル、フルラゼパム、ハラゼパム、ミダゾラム、ノルダゼパム、メダゼパム、ニトラゼパム、オキサゼパム、メダゼパム、ロラゼパム、プラゼパム、クアゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、ロプラゾラム、又はこれらの任意の薬学的に許容可能な塩、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ジアゼピン又はその任意の薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール並びに1以上のアルコール又はグリコールを含む単相に完全に溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せを備える。いくつかの実施形態において、組成物は、さらに水を備える。いくつかのこのような実施形態において、ベンゾジアゼピンナノ粒子は、約5000nm未満の有効平均粒径を備える。いくつかの実施形態において、組成物は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せが実質的にない。
【0021】
いくつかの実施形態において、1以上の天然又は合成トコフェロール又は天然又は合成トコトリエノールは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、トコフェルソラン、それらの任意の異性体、それらの任意のエステル、それらの任意のアナログ又は誘導体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0022】
いくつかの実施形態において、1以上のアルコールは、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ベンジルアルコール、それらの任意の異性体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、1以上のグリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、それらの任意の異性体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、アルコール又はグリコールは水がない(無水、USP)。いくつかの実施形態において、アルコールはエタノールである(無水、USP)。
【0023】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に、約1mg/mLから約600mg/mLまでの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に、約10mg/mLから約250mg/mLまでの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に、約20mg/mLから約50mg/mLまでの濃度で存在する。
【0024】
いくつかの実施形態において、担体系は、約45%から約85%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロール又は天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約60%から約75%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロール又は天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約70%(W/W)の量の、1以上の天然又は合成トコフェロール又は天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。
【0025】
いくつかの実施形態において、担体系は、約15%から約55%(W/W)までの量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は約25%から約40%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は約30%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せ備える。
【0026】
いくつかの実施形態において、組成物は、医薬品有効成分、賦活剤、賦形剤、及びpHを調節し、組成物を緩衝し、分解を防ぎ、そして外観、匂い、又は味を改善するために用いられる薬剤からなる群から選択される少なくとも1つの付加的成分を備える。
【0027】
いくつかの実施形態において、組成物は、薬学的に許容可能なスプレー製剤中に存在し、さらに、1以上の患者の鼻粘膜に組成物を投与することを備える。いくつかの実施形態において、治療的に効果的な量は、約1mgから約20mgまでのベンゾジアゼピンである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約10μLから約200μLまでの量を有する薬学的に許容可能なスプレー製剤中に存在する。
【0028】
いくつかの実施形態において、組成物の投与は、組成物の治療的に効果的な量の少なくとも一部を、少なくとも1つの鼻孔中に噴霧する工程を備える。いくつかの実施形態において、組成物の投与は、組成物の治療学的に効果的な量の少なくとも一部を、それぞれの鼻孔中に噴霧する工程を備える。いくつかの実施形態において、組成物の投与は、第1の量の組成物を、第1の鼻孔中に噴霧する工程と、第2の量の組成物を第2の鼻孔中に噴霧する工程と、任意に、事前に選択した時間遅延の後、第3の量の組成物を第1の鼻孔中に噴霧する工程を備える。いくつかの実施形態は、任意に事前に選択した時間遅延の後、少なくとも第4の量の組成物を第2の鼻孔の中へ投与する工程をさらに備える。
【0029】
いくつかの実施形態において、組成物の投与は、組成物により処置可能となり得る疾患の症状の発病前又は発病後の任意の時点で開始する。
【0030】
本発明の追加の実施形態、使用、及び効果は、本明細書中に記載される開示の考察に基づき、当該分野の当業者にとって明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書中に言及される、全ての出版物、特許、及び特許出願は、それぞれの個別の出版物、特許、又は特許出願が、特に及び個別に、参照により組み込まれるものと示された場合と同様の程度に、参照されることにより本明細書中に組み込まれるものとする。
【0032】
本明細書中に提供されるのは、1以上のベンゾジアゼピン薬の医薬組成物及び、このような医薬組成物を用いる方法である。このような医薬組成物は経鼻的に投与される。
【0033】
いくつかの実施形態において、経鼻投与用の医薬組成物は、患者の1以上の鼻粘膜への投与用の薬学的に許容可能な製剤中に、ベンゾジアゼピン薬と、約30%から約95%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、約10%から約70%(W/W)までの量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せとを備える。いくつかの実施形態においてベンゾジアゼピン薬は、約30%から約95%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、約10%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せとに溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、担体系に溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の少なくとも一部は、ミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せの形態である。いくつかの実施形態において組成物には、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せが実質的にない。
【0034】
いくつかの実施形態において、経鼻投与用の医薬組成物は、患者の1以上の鼻粘膜への投与用の薬学的に許容可能な製剤中に、ベンゾジアゼピン薬と、約30%から約95%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、約5%から約70%(W/W)までの量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せとを備える。いくつかの実施形態においてベンゾジアゼピン薬は、約30%から約95%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、約5%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せとに溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、担体系に溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の少なくとも一部は、ミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せの形態である。いくつかの実施形態において組成物には、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せが実質的にない。
【0035】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、アルプラゾラム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼパム、デモキサゼパム、ジアゼパム、フルマゼニル、フルラゼパム、ハラゼパム、ミダゾラム、ノルダゼパム、メダゼパム、ニトラゼパム、オキサゼパム、メダゼパム、ロラゼパム、プラゼパム、クアゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、ロプラゾラム、これらの任意の薬学的に許容可能な塩、及びこれらの任意の組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ジアゼパム、又はその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せを備える。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンナノ粒子は、約5000nm未満の有効平均粒径を有する。いくつかの実施形態において、組成物は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せが実質的にない。
【0036】
いくつかの実施形態において、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノールは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、トコフェルソラン(tocophersolan)、それらの任意の異性体、それらの任意のエステル、それらの任意のアナログ又は誘導体、及びそれらの任意の組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、担体系は、ビタミンE TPGSなどの、トコフェロールコアと共有結合又は連結するグリコールポリマーを有する、1以上の合成トコフェロールを含み、このことは米国特許第6,193,985号に記載されており、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。特に、ベンゾジアゼピンがトコフェロールの相には溶解していない、いくつかのベンゾジアゼピンの粒子懸濁液中では、ビタミンE TPGSが、粒子(ミクロ粒子、ナノ粒子、又は組合せ)の懸濁液を安定させるための所望の賦形剤であり得るということが見出されている。いくつかの実施形態において、他方では、担体系は、ビタミンE TPGSなどの、トコフェロールコアと共有結合又は連結するグリコールポリマーを有する合成トコフェロールを特に除外し、このことは米国特許第6,193,985号に記載されており、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0037】
いくつかの実施形態において、1以上のアルコールは、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ベンジルアルコール、それらの任意の異性体、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、アルコールはエタノール(無水、USP)である。いくつかの実施形態において、1以上のグリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、それらの任意の異性体、及びそれらの任意の組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、グリコールはプロピレングリコールUSPである。いくつかの実施形態において、合成トコフェロールはビタミンE TPGS(ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート)を含むことができる。いくつかの実施形態において、他方では、合成トコフェロールは、ポリエチレングリコールなどのグリコールポリマーと(例えば2塩基酸の連結基を介して)共有結合又は連結するトコフェロールを除外する。従って、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の組成物はビタミンE TPGSを除外する。
【0038】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に、約1mg/mLから約600mg/mLまでの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に、約10mg/mLから約250mg/mLまでの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に、約20mg/mLから約50mg/mLまでの濃度で存在する。
【0039】
いくつかの実施形態において、担体系は、約45%から約85%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約60%から約75%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約70%(W/W)の量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、合成トコフェロールはビタミンE TPGS(ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート)を含むことができる。いくつかの実施形態において、他方では、合成トコフェロールは、ポリエチレングリコールなどのグリコールポリマーと(例えば2塩基酸の連結基を介して)共有結合又は連結するトコフェロールを除外する。従って、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の組成物はビタミンE TPGSを除外する。
【0040】
いくつかの実施形態において、担体系は1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを、約10%から約55%まで、約10%から約40%まで、約10%から約35%まで、約12%から約55%まで、約12%から約40%まで、約12%から約35%まで、約15%から約55%まで、約15%から約40%まで、約15%から約35%まで、約10%、約12.5%、約15%、約17.5%、約20%、約22.5%、約25%、約27.5%、約30%、約32.5%、約35%、約37.5%、約40%、約42.5%、約45%、約47.5%、約50%、約52.5%、又は約55%(W/W)の量で備える。いくつかの実施形態において、担体系は約25%から約40%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は約30%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、アルコールはエタノールである、又はエタノールを含有する。いくつかの好ましい実施形態において、グリコールはグリコールポリマーを除外する。いくつかの好ましい実施形態において、グリコールは200より大きい平均分子量を有するグリコールポリマーを除外する。いくつかの実施形態において、グリコールは約200より大きい平均分子量を有するポリエチレングリコールを除外する。
【0041】
いくつかの実施形態において、担体系は、約15%から約55%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は約25%から約40%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は約30%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せ備える。
【0042】
いくつかの実施形態において、組成物は、医薬品有効成分、賦活剤、賦形剤、及びpHを調整し、組成物を緩衝し、分解を防ぎ、そして外観、匂い、又は味を改善するために用いられる剤から成る群から選択される少なくとも1つの付加的な成分を備える。
【0043】
いくつかの実施形態において、組成物は少なくとも1つのアルキルグリコシドを備える。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのアルキルグリコシドは、米国特許第5,661,130号に記載のものであり、これは参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0044】
いくつかの実施形態において、組成物は、天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、及びアルコール又はグリコールを備える溶媒中に完全に溶解しているベンゾジアゼピン薬を備える。いくつかの実施形態において、組成物は、天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、及びアルコール又はグリコールを備える溶媒中に完全に溶解しているベンゾジアゼピン薬を備え、そこで溶液は実質的に水がない。(いくつかの実施形態において、「実質的に水がない」とは、溶液が約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、又は約0.1%未満の水を含有することを示す。)いくつかの実施形態において、組成物は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、1以上のアルコール又はグリコール、及び任意に1以上のアルキルグリコシドから成る溶媒中に完全に溶解している、ベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、1以上のアルコール又はグリコール、及び任意に1以上のアルキルグリコシドから成る溶媒中に完全に溶解している、ベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成され、そこで溶液は少なくとも実質的に水がない。(いくつかの実施形態において、「実質的に水がない」とは、溶液が約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、又は約0.1%未満の水を含有することを示す。)いくつかの実施形態において、組成物は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、1以上のアルコール又はグリコール、及び任意に1以上のアルキルグリコシドから成る溶媒中に溶解している、ベンゾジアゼピンから構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、1以上のアルコール又はグリコール、及び任意に1以上のアルキルグリコシドから成る溶媒中に溶解している、ベンゾジアゼピンから構成され、そこで溶液は少なくとも実質的に水がない。(いくつかの実施形態において、「実質的に水がない」とは、溶液が約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、又は約0.1%未満の水を含有することを示す。)
【0045】
いくつかの実施形態において、組成物は、天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、及びアルコール又はグリコールを有する溶媒中に完全に溶解しているベンゾジアゼピン薬を備える。従って、いくつかの実施形態において、組成物は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せが実質的にない。いくつかの実施形態において、組成物は、天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、及びアルコール又はグリコールを有する溶媒中に完全に溶解しているベンゾジアゼピン薬を備え、そこで溶液は少なくとも実質的に水がない。(いくつかの実施形態において、「実質的に水がない」とは、溶液が約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、又は約0.1%未満の水を含有することを示す。)いくつかの実施形態において、組成物は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、1以上のアルコール又はグリコール、及び任意に1以上のアルキルグリコシドから成る溶媒中に完全に溶解している、ベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、1以上のアルコール又はグリコール、及び任意に1以上のアルキルグリコシドから成る溶媒中に完全に溶解している、ベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成され、そこで溶液は少なくとも実質的に水がない。(いくつかの実施形態において、「実質的に水がない」とは、溶液が約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、又は約0.1%未満の水を含有することを示す。)いくつかの実施形態において、組成物は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、1以上のアルコール又はグリコール、及び任意に1以上のアルキルグリコシドから成る溶媒中に溶解している、ベンゾジアゼピンから構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、1以上のアルコール又はグリコール、及び任意に1以上のアルキルグリコシドから成る溶媒中に溶解している、ベンゾジアゼピンから構成され、そこで溶液は少なくとも実質的に水がない。(いくつかの実施形態において、「実質的に水がない」とは、溶液が約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、又は約0.1%未満の水を含有することを示す。)
【0046】
いくつかの実施形態において、組成物は、天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、及び1以上のアルコール又はグリコールを含有する担体系中に、少なくとも部分的に微粒子型で懸濁したベンゾジアゼピン薬を含有する。いくつかの実施形態において、実質的に全てのベンゾジアゼピン薬は微粒子形態である。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の少なくとも一部はミクロ粒子又はナノ粒子の形態である。担体系は、その中で組成物中に存在する少なくとも1つのベンゾジアゼピンの量が、担体系中のその溶解性を超えるものである。いくつかの実施形態において、このような組成物中の担体系は水を含む。いくつかの実施形態において、このような液体担体系は、水及び1以上の賦形剤を含有する。いくつかの実施形態において、1以上の賦形剤は、担体系中に溶解又は懸濁されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのこのような賦形剤は、担体系中のベンゾジアゼピンの粒子の懸濁液を安定させる。いくつかの実施形態において、担体系は様々な濃度のパラベン(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、及び/又は、ポビドン(ポリビニルピロリドン)などの、様々な量の1以上の界面活性剤を含有し得る。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンの粒子懸濁液は、ポリエチレングリコールなどの、1以上のグリコール重合体を特に除外する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンの粒子懸濁液は、200g/molより大きい分子量を有する、1以上のグリコール重合体を特に除外する。いくつかの実施形態において、組成物は、合成トコフェロール、1以上のパラベン、1以上のアルコール又はグリコール、1以上の界面活性剤及び水を備える担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬を備える。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベンとプロピルパラベンの1もしくは両方、少なくとも1つのグリコール、ポビドン及び水を備える担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬を備える。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピレングリコール、ポビドン及び水を備える担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬を備える。いくつかの実施形態において、組成物は合成トコフェロール、1以上のパラベン、1以上のアルコール又はグリコール、1以上の界面活性剤及び水から必須のものとして構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成される。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベンとプロピルパラベンの1もしくは両方、少なくとも1つのグリコール、ポビドン及び水から必須のものとして構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成される。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピレングリコール、ポビドン及び水から必須のものとして成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成される。いくつかの実施形態において、組成物は合成トコフェロール、1以上のパラベン、1以上のアルコール又はグリコール、1以上の界面活性剤及び水から構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から構成される。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベンとプロピルパラベンの1もしくは両方、少なくとも1つのグリコール、ポビドン及び水から構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から構成される。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピレングリコール、ポビドン及び水から構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から構成される。
【0047】
いくつかの実施形態において、組成物は、天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、1以上のアルコール又はグリコール、及びアルキルグリコシドを含有する担体系中に、少なくとも部分的に微粒子型で懸濁されたベンゾジアゼピン薬を含有する。いくつかの実施形態において、実質的に全てのベンゾジアゼピン薬は微粒子型である。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の少なくとも一部はミクロ粒子又はナノ粒子の形態である。担体系は、その中で組成物中に存在する少なくとも1つのベンゾジアゼピンの量が、担体系中のその溶解性を超えるものである。いくつかの実施形態において、このような組成物中の担体系は水を含む。いくつかの実施形態において、このような液体担体系は、水及び1以上の賦形剤を含有する。いくつかの実施形態において、1以上の賦形剤は、担体系中に溶解又は懸濁されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのこのような賦形剤は、担体系中のベンゾジアゼピンの粒子の懸濁液を安定させる。いくつかの実施形態において、担体系は様々な濃度のパラベン(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、及び/又は、ポビドン(ポリビニルピロリドン)などの、様々な量の1以上の界面活性剤を含有し得る。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンの粒子懸濁液は、ポリエチレングリコールなどの、1以上のグリコール重合体を特に除外する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンの粒子懸濁液は、200g/molより大きい分子量を有する、1以上のグリコール重合体を特に除外する。いくつかの実施形態において、組成物は、合成トコフェロール、1以上のパラベン、1以上のアルコール又はグリコール、アルキルグリコシド及び水を備える担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬を備える。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベンとプロピルパラベンの1もしくは両方、少なくとも1つのグリコール、アルキルグリコシド及び水を備える担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬を備える。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピレングリコール、アルキルグリコシド及び水を備える担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬を備える。いくつかの実施形態において、組成物は合成トコフェロール、1以上のパラベン、1以上のアルコール又はグリコール、アルキルグリコシド、任意に界面活性剤及び水から必須のものとして構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成される。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベンとプロピルパラベンの1もしくは両方、少なくとも1つのグリコール、アルキルグリコシド、任意にポビドン及び水から必須のものとして構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成される。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピレングリコール、アルキルグリコシド、任意にポビドン及び水から基本的に構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から必須のものとして構成される。いくつかの実施形態において、組成物は合成トコフェロール、1以上のパラベン、1以上のアルコール又はグリコール、アルキルグリコシド、任意に1以上の界面活性剤、及び水から構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から構成される。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベンとプロピルパラベンの1もしくは両方、少なくとも1つのグリコール、アルキルグリコシド、任意にポビドン及び水から構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から構成される。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンE TPGS、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピレングリコール、アルキルグリコシド、任意にポビドン及び水から構成される担体系中に懸濁されたベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む形態におけるベンゾジアゼピン薬から構成される。
【0048】
本発明はまた、ベンゾジアゼピン薬を用いて処置可能であり得る疾患の患者を処置する方法を開示する。いくつかの実施形態において、患者はヒトである。いくつかの実施形態において、方法は、ベンゾジアゼピン薬を備える経鼻投与用の医薬組成物と、約30%から約95%(W/W)までの量の、1またはそれより多い天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、又はそれらの任意の組合せと、約5%から約70%(W/W)までの量の、好ましくは約10%から約70%(W/W)までの量の、1又はそれより多いアルコール又はグリコール、又はそれらの任意の組合せとを、患者の1以上の鼻粘膜に投与する工程を備える。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンは約30%から約95%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、約5%から約70%(W/W)までの量の、好ましくは約10%から約70%(W/W)までの量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せの中に溶解される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に溶解される。他の実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の少なくとも一部はミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せを含む形態である。いくつかの実施形態において、組成物は実質的にベンゾジアゼピンのミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せがない。
【0049】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、アルプラゾラム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼパム、デモキサゼパム、ジアゼパム、フルマゼニル、フルラゼパム、ハラゼパム、ミダゾラム、ノルダゼパム、メダゼパム、ニトラゼパム、オキサゼパム、メダゼパム、ロラゼパム、プラゼパム、クアゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、ロプラゾラム、又はこれらの薬学的に許容可能な任意の塩、及びこれらの任意の組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ジアゼパム、又はその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せを備える。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンナノ粒子は、約5000nm未満の有効平均粒径を有する。
【0050】
いくつかの実施形態において、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノールは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、トコフェルソラン、それらの任意の異性体、それらの任意のエステル、それらの任意のアナログ又は誘導体、及びそれらの任意の組合せから成る群から選択される。合成トコフェロールは、ポリエチレングリコール基などの親水基を含むよう修飾されたトコフェロールを含み得、2塩基酸などの共有結合性の連結基を介してトコフェロールと共有結合あるいはトコフェロールと連結し得る。この型の例示的な合成トコフェロールは、当該分野の当業者は、同様の二塩基酸及び/又は親水基を有する他の合成トコフェロールを想像することができるが、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE TPGS)である。
【0051】
いくつかの実施形態において、1以上のアルコールは、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ベンジルアルコール、それらの任意の異性体、又はそれらの任意の組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、1以上のグリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、それらの任意の異性体、及びそれらの任意の組合せから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、1以上のグリコールは、ポリエチレングリコールなどのグリコール重合体を特に除外する。いくつかの実施形態において、1以上のグリコールは、200g/molより大きい分子量を有するグリコール重合体を特に除外する。
【0052】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に、約1mg/mLから約600mg/mLまでの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に、約10mg/mLから約250mg/mLまでの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は担体系中に、約20mg/mLから約50mg/mLまでの濃度で存在する。
【0053】
いくつかの実施形態において、担体系は、約45%から約85%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約60%から約75%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は、約70%(W/W)の量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、特にベンゾジアゼピン薬の粒子懸濁液を考慮する場合、組成物はトコフェロール、特にトコフェロールと共有結合的に連結する親水基を有する合成トコフェロールを含み得る。他の実施形態において、特にベンゾジアゼピン薬の溶液を考慮する場合、トコフェロールは実質的に又は完全にビタミンE TPGSがない。
【0054】
いくつかの実施形態において、担体系は約10%から約55%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は約25%から約40%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系は約30%(W/W)の量の、1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備える。いくつかの実施形態において、担体系における1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せの量は、約10%から約55%まで、約10%から約40%まで、約10%から約35%まで、約12%から約55%まで、約12%から約40%まで、約12%から約35%まで、約15%から約55%まで、約15%から約40%まで、約15%から約35%まで、約10%、約12.5%、約15%、約17.5%、約20%、約22.5%、約25%、約27.5%、約30%、約32.5%、約35%、約37.5%、約40%、約42.5%、約45%、約47.5%、約50%、約52.5%、又は約55%(W/W)の量で備える。
【0055】
いくつかの実施形態において、組成物は、医薬品有効成分、賦活剤、賦形剤、及びpHを調節し、組成物を緩衝し、分解を防ぎ、そして外観、匂い、又は味を改善するために用いられる剤から成る群から選択される、少なくとも1つの付加的な成分を備える。
【0056】
いくつかの実施形態において、組成物はベンゾジアゼピン薬、天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、及びアルコール又はグリコールに加えて、少なくとも一つの透過賦活剤を備える。いくつかの実施形態において、透過賦活剤はアルキルグリコシドである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、任意の疎水性アルキルにつなぎ合わされる任意の糖を指し、このことは米国特許第5,661,130号に記されており、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。疎水性アルキルは、任意の適切な長さであることができ、例えば、炭鎖長が約9から約24の炭素、特に炭鎖長が約10から約14の炭素であり得る。疎水性アルキルは、分岐であり得、及び/又は部分的に又は全体的に不飽和であり得る。アルキルは例えばカルボニル基を介してサッカライドコアにつなぎ合わされ、それによってエステル基が形成され得る。適切なアルキルグリコシドは、無毒性であり、非イオン性であり、本明細書中に記載されるように鼻腔内にベンゾジアゼピン薬が投与されるとその吸収を増大させることができるという特徴を有する。本発明に係るアルキルに共有結合的につなぎ合され得る例示的な糖類は、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトロース、スクロース、及びトレハロースを含む。使用され得る例示的なアルキルグリコシドは、オクチル−、ノニル−、デシル−、ウンデシル−、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシルα−又はβ−D−マルトシド、−グルコシド、又はスクロシドを含む。いくつかの実施形態において、好ましいグリコシドは、9、10、12、14、16、18、又は20炭素原子のアルキル鎖にグリコシド結合により連結される、マルトース、スクロース、又はグルコースを含む。存在する場合、組成物中のアルキルグリコシドの量は、鼻腔内経路により投与されるベンゾジアゼピン薬の吸収を高めるために十分な量である。いくつかの実施形態において、組成物中のアルキルグリコシドの量は、ベンゾジアゼピン薬の吸収を高めるために選択され、同時に鼻粘膜を著しく刺激しない。いくつかの実施形態において、組成物中のアルキルグリコシドの量は約0.01%(W/V)から約1%(W/V)までの範囲内である。いくつかの実施形態において、組成物中のアルキルグリコシドの量は約0.05%(W/V)から約0.5%(W/V)まで、又は約0.125%(W/V)から約0.5%(W/V)までの範囲内である。
【0057】
いくつかの実施形態において、組成物は薬学的に許容可能なスプレー製剤中にあり、さらに、1以上の、患者の鼻粘膜に組成物を投与することを備える。いくつかの実施形態において、治療的に効果的な量は約1mgから約20mgまでのベンゾジアゼピンである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は約10μLから約200μLまでの容量を有する、薬学的に許容可能なスプレー製剤中にある。
【0058】
いくつかの実施形態において、組成物の投与は、組成物の治療的に効果的な量の少なくとも一部を、少なくとも1つの鼻孔の中へ噴霧する工程を備える。いくつかの実施形態において、組成物の投与は、組成物の治療的に効果的な量の少なくとも一部を、それぞれの鼻孔の中へ噴霧する工程を備える。いくつかの実施形態において、組成物の投与は、第1の量の組成物を第1の鼻孔の中へ噴霧する工程と、第2の量の組成物を第2の鼻孔の中へ噴霧する工程と、任意に事前に選択した時間遅延の後、第3の量の組成物を第1の鼻孔の中へ噴霧する工程とを備える。いくつかの実施形態は、任意に事前に選択した時間遅延の後、少なくとも第4の量の組成物を第2の鼻孔の中へ投与する工程を更に備える。
【0059】
いくつかの実施形態において、組成物の投与は、組成物を用いて処置可能であり得る疾患の症状の発病前又は発病後の任意の時点で開始する。
【0060】
定義
本明細書中に用いられるように、語句「治療的に効果的な量(又はより単純に「効果的な量」)」は、特定の治療応答を提供するのに十分な量を含み、この特定の治療応答を得るために、特定の処置を必要とする患者に薬が投与される。一般的な技術を有する臨床医は、薬の治療的に効果的な量は、患者、指示、及び投与される特定の薬に左右されることを認めるであろう。
【0061】
本明細書中に用いられるように、修飾語句「約」は、その正式に認識された、おおよそという意味を有するよう意図されている。いくつかの実施形態において、用語は、修飾される値の特定の百分率内を意味するよう、より正確に解釈され得る。例えば、「約」はいくつかの実施形態において、±20%、±10%、±5%、±2%、又は±1%、又はそれ未満を意味し得る。
【0062】
本明細書中に用いられるように、語句「アナログ又は誘導体」は、1又はそれより多い原子又は官能基が、異なる原子又は官能基と置換されているため、もう1つ別の分子とは異なる分子を含む。これにより同様の化学式を有するが異なる化学的及び/又は生物学的特性を有する分子がもたらされ得る。
【0063】
本明細書中に用いられるように、用語「異性体」は、同一の化学式を有する分子を含むが、それらの間で分子の配置は異なり得る。これらの異なる配置により、同一の化学式を有するが、異なる化学的特性を有する分子がもたらされ得る。制約のない例として、プロパノールは化学式COHを有する。それはプロパン−1−オールとして見出され得るが、その場合、−OHは末端炭素に付着して見出される。代替的に、それはプロパン−2−オールとして見出され得るが、その場合−OHは第2炭素に付着して見出される。
【0064】
【化1】

【0065】
本明細書中に用いられるように、用語「発作」は、一般に認められる型の発作を含み、欠神発作、ミオクローヌス発作、間代発作、強直性発作、強直間代発作、及び脱力発作を含む。しばしば発作、特に重症な強直性発作又は強直間代発作は、患者又は患者をよく知る人によく知られた、1以上の前兆により予測される。それぞれの患者は一般的に異なる型の前兆を経験する。それらは患者に特有のものである。しかしながら、前兆は、可聴の、視覚の、嗅覚の、又は触覚の感覚として分類され得、通常、又は少なくともしばしば患者が発作を経験することより先に起こる。(発作を患う全ての患者が前兆を経験するわけではない。しかしながら前兆は最悪の型の発作、特に強直間代発作を患う人の間では珍しいものではない。)
【0066】
本明細書中に用いられるように、用語「予防」は、疾患の発病を未然に防ぐことを指し、一時的に未然に防ぐことを含む。発作の場合には、警戒前兆(warning aura)の恩恵を受け、又は受けずに、のいずれかで起こり得る。
【0067】
本明細書中に用いられるように、用語「処置」は、疾患の強さ及び/又は持続時間を減じること、又は同様の効果を指す。用語はまた、このような「処置」の副作用をも包含する。
【0068】
本明細書中に用いられるように、別段に制限された場合を除き、用語「一つの(a)」又は「一つの(an)」は1またはそれより多くを意味し得る。
【0069】
本明細書中に用いられるように、用語「備える(comprising)」は、その全ての変形において、請求項において用いられる移行句であり、本発明が、特に列挙された請求項要素を含む、又は含有するがそれらに限定されないということを示す。
【0070】
本明細書中に用いられるように、用語「必須のものとして構成される」は、請求項において用いられる移行句であり、次に続く成分、部分、又は処理工程の一覧が、主張される組成物、機械、又は工程に存在せねばならないが、この請求項は、本発明の基礎的及び新規の特性に実質的に影響を及ぼさない、一覧に記載されていない成分、部分、又は処理工程を受け入れる。
【0071】
本明細書中に用いられるように、用語「構成される」は、請求項において用いられる移行句であり、主張される発明が請求項において説明されるそれらの要素のみを含むことを示す。
【0072】
ベンゾジアゼピン薬
本発明の文脈において、用語「ベンゾジアゼピン薬」は、任意の治療上効果的なベンゾジアゼピン化合物、又は薬学的に許容可能な塩、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンは アルプラゾラム、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、メダゼパム、メキサゾラム、ミダゾラム、テマゼパム及び薬学的に許容可能な塩、及びそれらの組合せから成る群の部材を備える。
【0073】
付加的なベンゾジアゼピン化合物は、低いバイオアベイラビリティ、乏しい薬物動態学的特性、又は乏しい薬力学的特性のいずれかのため、わずかな治療上の恩恵を有する、又はほとんど治療的な恩恵を有さないとこれまで見なされてきたが、以下を提供することができる、本発明を介した利用を見出し得るということは、当該分野の当業者によって認識されるべきである。それらは、ベンゾジアゼピン薬の改善されたバイオアベイラビリティ、経鼻経路を介するより高濃度のベンゾジアゼピン薬の送達、血漿中のベンゾジアゼピンの治療レベルのより速い達成、肝門脈(liver portal vein)の回避、及び、付随する初回通過効果の回避、及び/又は、ベンゾジアゼピン薬の脳へのより速い提示である。
【0074】
例えば、大抵のベンゾジアゼピンはごくわずかに水に溶けるにすぎないため、治療的に効果的な量は、粘膜への塗布に適した水性溶媒の容量には溶解されることができない。いくつかの実施形態においてベンゾジアゼピン薬を溶解する改善された能力を提供する、本担体系を用いることにより、本発明は、ベンゾジアゼピン薬が、鼻粘膜を含む1以上の粘膜に投与されることを可能にする。これにより、入院又は不要な不快感なく、薬を投与することが可能となる。その上、経鼻投与などの、本発明のいくつかの実施形態において、消化器系は大部分は迂回され得る。この後者の改善により、改善されたバイオアベイラビリティ、血漿中のベンゾジアゼピンの治療レベルのより速い達成、肝門脈(liver portal vein)の回避、及び/又は、付随する初回通過効果の回避を生じさせることができる。
【0075】
組成物の経鼻投与により、膜と脳の近い近接性のため、1以上のベンゾジアゼピン薬のより速い脳への提示がもたらされることができる。例えば、発病している患者は、硬直した筋肉及び制御できない動きに苦しむ。これが経口及び/又は静脈内投与を困難又は不便にし得る。しかしながら、経鼻通路は開いたままであり、容易に利用可能であり、従って本発明の有用な投与経路である。
【0076】
いくつかの実施形態において医薬組成物は、1以上の効果的な量のベンゾジアゼピン薬を用いた処置又は予防を受け入れる疾患に苦しむ患者を処置するために用いられる。制約のない例としてはこのような疾患は、不眠症、不安症、発作、筋痙攣及び硬直、並びに退薬症状を含むことができる。
【0077】
いくつかの実施形態において、1以上のベンゾジアゼピン薬は、発作を処置し、発作から保護し、発作の強さを減じ又は改善し、発作の頻度を減じ又は改善し、及び/又は、発作の発生又は再発を予防するため、単独で又はもう一つの抗痙攣薬と併用して用いられる。
【0078】
アルプラゾラム(8−クロロ−6−フェニル−1−メチル−4H−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン)
【0079】
【化2】

【0080】
アルプラゾラムは、鎮静の、精神安定の、及び筋弛緩性の特性を有するベンゾジアゼピン薬である。これは抗不安薬として分類される。アルプラゾラムは、パニック障害の処置に有用であるとも示されている。アルプラゾラムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.5から約4まで、好ましくは約1から約2mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。アルプラゾラムは、米国特許第3,987,052号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0081】
いくつかの実施形態において、アルプラゾラムは、抗不安効果、鎮静効果、骨格筋弛緩効果、健忘作用、又は前述の効果の組合せを提供するため、単独で、又は他の薬と併用して用いられる。
【0082】
いくつかの実施形態において、アルプラゾラムは、発作を処置し、発作から保護し、発作の強さを減じ又は改善し、発作の頻度を減じ又は改善し、及び/又は、発作の発生又は再発を予防するため、単独で又はもう一つの抗痙攣薬と併用して用いられる。発作から保護するため、患者が発病していない状態にある間、アルプラゾラムは、患者又は別の人(ヘルスケア専門家など)により投与され得る。発作からの保護が完全でない場合でさえ、アルプラゾラムの投与は、発作の強さを減じ又は改善し、及び/又は、発作の頻度を減じ又は改善し得る。いくつかの実施形態において、アルプラゾラムの投与は、発作の発生を予防し得る。いくつかの実施形態において、特に患者が連続的な発作又はてんかん重積状態を経験する傾向がある場合、アルプラゾラムの投与は、発作の循環を中断することを助け、従って発作の再発を予防し得る。ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)に加えて、抗痙攣効果又は相乗的な抗痙攣効果を提供するため、他の抗痙攣薬がアルプラゾラムと組み合わせられ得る。
【0083】
アルプラゾラムはまた、患者が発作の状態にある間、もう一人の人(例えば、知人又は友人、家族の一員又はヘルスケア専門家)によって患者に投与されることもあり得る。従って、本発明によると、製剤の利点の一つは、急な治療環境において発作罹病者を処置するために、例えば経鼻的に、それらを投与され得ることである。ベンゾジアゼピン抗痙攣薬を、例えば経鼻投薬など、急に投薬することにより分け与えられ得る有益な治療効果の中には、発作の重症度の減少(例えば、筋肉の全身におよぶ弛緩、患者が経験する、発作に引き起こされた不安の減少、及び患者に幸福感を一般的に分け与えること)、発作の持続時間の減少、患者が反復発作を経験するであろう確率の減少、現在の発作と次の発作の間の間隔の拡大がある。従って、本発明のアルプラゾラム製剤、及び特に経鼻製剤は、いくつかの例においては約30分未満、約15分未満、約10分未満、そしていくつかの場合においては約5分未満での、速やかな治療的な恩恵の発現を提供する。本発明のアルプラゾラム製剤、及び特に経鼻製剤は、静脈内の薬の投与や、直腸の薬の投与を必要としない、患者に治療上有益な薬を便利に投与することをもまた提供する。
【0084】
しばしば発作、特に重症な強直性発作又は強直間代発作は、患者又は患者をよく知る人によく知られた、1以上の前兆事象により予測される。これらの前兆はそれぞれの患者にほとんど独特であるが、可聴の、視覚の、嗅覚の、又は触覚の感覚として分類され得、通常、又は典型的に患者が発作を経験することより先に起こる。本発明のいくつかの実施形態において、方法は前兆の間に本発明に従ってベンゾジアゼピン薬の調製物を迅速に投与することを含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬のこのような耳内への(intra−aural)投与、例えば経鼻投与による投与は、切迫した発作の効果(強さ、持続時間、又は両方)を予防又は少なくとも改善する。従って、本発明の文脈において、発作の予防は、警戒前兆(warning aura)の恩恵を受け、又は受けずに、のいずれかで、発作の発病を一時的に未然に防ぐことを指す。
【0085】
ジアゼパム(7−クロロ−1−メチル−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン)
【0086】
【化3】

【0087】
ジアゼパムは、鎮静の、精神安定の、及び筋弛緩性の特性を有するベンゾジアゼピン薬である。これは抗不安薬、及び骨格筋弛緩薬として分類される。これは、抗不安の、抗痙攣性の、鎮静の、骨格筋弛緩性の、及び健忘性の特性を有する。ジアゼパムの投薬量は、指示により異なり得るが、しかしながら、治療量は投与量あたり約1から約20まで、好ましくは約2から約10mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。ジアゼパムは、米国特許第3,371,085号、第3,109,843号、第3,136,815号、又は第3,102,116号の1つに開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0088】
いくつかの実施形態において、ジアゼパムは、抗不安効果、抗痙攣効果、鎮静効果、骨格筋弛緩効果、健忘作用、又は前述の効果の組合せを提供するため、単独で、又は他の薬と併用して用いられる。
【0089】
いくつかの実施形態において、ジアゼパムは、発作を処置し、発作から保護し、発作の強さを減じ又は改善し、発作の頻度を減じ又は改善し、及び/又は、発作の発生又は再発を予防するため、単独で又はもう一つの抗痙攣薬と併用して用いられる。発作から保護するため、患者が発病していない状態にある間、ジアゼパムは、患者又は別の人(ヘルスケア専門家など)により投与され得る。発作からの保護が完全でない場合でさえ、ジアゼパムの投与は、発作の強さを減じ又は改善し、及び/又は、発作の頻度を減じ又は改善し得る。いくつかの実施形態において、ジアゼパムの投与は、発作の発生を予防し得る。いくつかの実施形態において、特に患者が連続的な発作又はてんかん重積状態を経験する傾向がある場合、ジアゼパムの投与は、発作の循環を中断することを助け、従って発作の再発を予防し得る。ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)に加えて、相乗的な抗痙攣効果を提供するため、他の抗痙攣薬がジアゼパムと組み合わせられ得る。
【0090】
ジアゼパムはまた、患者が発作の状態にある間、もう1人の人(例えば、知人又は友人、家族の一員又はヘルスケア専門家)によって患者に投与されることもあり得る。従って、本発明によると、製剤の利点の一つは、急な治療環境において発作罹病者を処置するために、例えば経鼻的に、それらを投与され得ることである。ベンゾジアゼピン抗痙攣薬を、例えば経鼻投薬など、急に投薬することにより分け与えられ得る有益な治療効果の中には、発作の重症度の減少(例えば、筋肉の全身におよぶ弛緩、患者が経験する、発作に引き起こされた不安の減少、及び患者に幸福感を一般的に分け与えること)、発作の持続時間の減少、患者が反復発作を経験するであろう確率の減少、現在の発作と次の発作の間の間隔の拡大がある。従って、本発明のジアゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、いくつかの例においては約30分未満、約15分未満、約10分未満、そしていくつかの場合においては約5分未満での、速やかな治療的な恩恵の発現を提供する。本発明のジアゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、静脈内の薬の投与や、直腸の薬の投与を必要としない、患者への治療上有益な薬の便利な投与をもまた提供する。
【0091】
しばしば発作、特に重症な強直性発作又は強直間代発作は、患者又は患者をよく知る人によく知られた、1以上の前兆事象により予測される。これらの前兆はそれぞれの患者にほとんど独特であるが、可聴の、視覚の、嗅覚の、又は触覚の感覚として分類され得、通常、又は典型的に患者が発作を経験することより先に起こる。本発明のいくつかの実施形態において、方法は前兆の間に本発明に従ってベンゾジアゼピン薬の調製物を迅速に投与することを含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬のこのような耳内への(intra−aural)投与、例えば経鼻投与による投与は、切迫した発作の効果(強さ、持続時間、又は両方)を予防又は少なくとも改善する。従って、本発明の文脈において、発作の予防は、警戒前兆(warning aura)の恩恵を受け、又は受けずに、のいずれかで、発作の発病を一時的に未然に防ぐことを指す。
【0092】
フルラゼパム(7−クロロ−5−(2−フルロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン)
【0093】
【化4】

【0094】
フルラゼパムは、鎮静の(特に、催眠性の、及び催眠状態の)、抗不安の、抗痙攣性の、及び筋弛緩性の特性を有するベンゾジアゼピン薬である。これは鎮静薬、睡眠薬として分類される。フルラゼパムは、不眠症の処置に有用であると示されてきた。フルラゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約5から約40まで、好ましくは約20から約35mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。フルラゼパムは、米国特許第3,567,710号、又は第3,299,053号に開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0095】
いくつかの実施形態において、フルラゼパムは、抗不安効果、抗痙攣効果、鎮静効果、骨格筋弛緩効果、健忘作用、又は前述の効果の組合せを提供するため、単独で、又は他の薬と併用して用いられる。
【0096】
いくつかの実施形態において、フルラゼパムは、発作を処置し、発作から保護し、発作の強さを減じ又は改善し、発作の頻度を減じ又は改善し、及び/又は、発作の発生又は再発を予防するため、単独で又はもう一つの抗痙攣薬と併用して用いられる。発作から保護するため、患者が発病していない状態にある間、フルラゼパムは、患者又は別の人(ヘルスケア専門家など)により投与され得る。発作からの保護が完全でない場合でさえ、フルラゼパムの投与は、発作の強さを減じ又は改善し、及び/又は、発作の頻度を減じ又は改善し得る。いくつかの実施形態において、フルラゼパムの投与は、発作の発生を予防し得る。いくつかの実施形態において、特に患者が連続的な発作又はてんかん重積状態を経験する傾向がある場合、フルラゼパムの投与は、発作の循環を中断することを助け、従って発作の再発を予防し得る。ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)に加えて、相乗的な抗痙攣効果を提供するため、他の抗痙攣薬がフルラゼパムと組み合わせられ得る。
【0097】
フルラゼパムはまた、患者が発作の状態にある間、もう一人の人(例えば、知人又は友人、家族の一員又はヘルスケア専門家)によって患者に投与されることもあり得る。従って、本発明によると、製剤の利点の一つは、急な治療環境において発作罹病者を処置するために、例えば経鼻的に、それらを投与され得ることである。ベンゾジアゼピン抗痙攣薬を、例えば経鼻投薬など、急に投薬することにより分け与えられ得る有益な治療効果の中には、発作の重症度の減少(例えば、筋肉の全身におよぶ弛緩、患者が経験する、発作に引き起こされた不安の減少、及び患者に幸福感を一般的に分け与えること)、発作の持続時間の減少、患者が反復発作を経験するであろう確率の減少、現在の発作と次の発作の間の間隔の拡大がある。従って、本発明のフルラゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、いくつかの例においては約30分未満、約15分未満、約10分未満、そしていくつかの場合においては約5分未満での、速やかな治療的な恩恵の発現を提供する。本発明のフルラゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、静脈内の薬の投与や、直腸の薬の投与を必要としない、患者への治療上有益な薬の便利な投与をもまた提供する。
【0098】
しばしば発作、特に重症な強直性発作又は強直間代発作は、患者又は患者をよく知る人によく知られた、1以上の前兆事象により予測される。これらの前兆はそれぞれの患者にほとんど独特であるが、可聴の、視覚の、嗅覚の、又は触覚の感覚として分類され得、通常、又は典型的に患者が発作を経験することより先に起こる。本発明のいくつかの実施形態において、方法は前兆の間に本発明に従ってベンゾジアゼピン薬の調製物を迅速に投与することを含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬のこのような耳内への(intra−aural)投与、例えば経鼻投与による投与は、切迫した発作の効果(強さ、持続時間、又は両方)を予防又は少なくとも改善する。従って、本発明の文脈において、発作の予防は、警戒前兆(warning aura)の恩恵を受け、又は受けずに、のいずれかで、発作の発病を一時的に未然に防ぐことを指す。
【0099】
ロラゼパム(7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−3−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン)
【0100】
【化5】

【0101】
ロラゼパムは、鎮静の、精神安定の、抗痙攣性の、健忘性の、及び筋弛緩性の特性を有するベンゾジアゼピン薬である。これは抗不安薬として分類される。ロラゼパムはまた、吐き気の処置に有用であると示されてきた。ロラゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約10まで、好ましくは約0.2から約1mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。ロラゼパムは、米国特許第3,296,249号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0102】
いくつかの実施形態において、ロラゼパムは、抗不安効果、抗痙攣効果、鎮静効果、骨格筋弛緩効果、健忘作用、又は前述の効果の組合せを提供するため、単独で、又は他の薬と併用して用いられる。
【0103】
いくつかの実施形態において、ロラゼパムは、発作を処置し、発作から保護し、発作の強さを減じ又は改善し、発作の頻度を減じ又は改善し、及び/又は、発作の発生又は再発を予防するため、単独で又はもう一つの抗痙攣薬と併用して用いられる。発作から保護するため、患者が発病していない状態にある間、ロラゼパムは、患者又は別の人(ヘルスケア専門家など)により投与され得る。発作からの保護が完全でない場合でさえ、ロラゼパムの投与は、発作の強さを減じ又は改善し、及び/又は、発作の頻度を減じ又は改善し得る。いくつかの実施形態において、ロラゼパムの投与は、発作の発生を予防し得る。いくつかの実施形態において、特に患者が連続的な発作又はてんかん重積状態を経験する傾向がある場合、ロラゼパムの投与は、発作の循環を中断することを助け、従って発作の再発を予防し得る。ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)に加えて、相乗的な抗痙攣効果を提供するため、他の抗痙攣薬がロラゼパムと組み合わせられ得る。
【0104】
ロラゼパムはまた、患者が発作の状態にある間、もう一人の人(例えば、知人又は友人、家族の一員又はヘルスケア専門家)によって患者に投与されることもあり得る。従って、本発明によると、製剤の利点の一つは、急な治療環境において発作罹病者を処置するために、例えば経鼻的に、それらを投与され得ることである。ベンゾジアゼピン抗痙攣薬を、例えば経鼻投薬など、急に投薬することにより分け与えられ得る有益な治療効果の中には、発作の重症度の減少(例えば、筋肉の全身におよぶ弛緩、患者が経験する、発作に引き起こされた不安の減少、及び患者に幸福感を一般的に分け与えること)、発作の持続時間の減少、患者が反復発作を経験するであろう確率の減少、現在の発作と次の発作の間の間隔の拡大がある。従って、本発明のロラゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、いくつかの例においては約30分未満、約15分未満、約10分未満、そしていくつかの場合においては約5分未満での、速やかな治療的な恩恵の発現を提供する。本発明のロラゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、静脈内の薬の投与や、直腸の薬の投与を必要としない、患者への治療上有益な薬の便利な投与をもまた提供する。
【0105】
しばしば発作、特に重症な強直性発作又は強直間代発作は、患者又は患者をよく知る人によく知られた、1以上の前兆事象により予測される。これらの前兆はそれぞれの患者にほとんど独特であるが、可聴の、視覚の、嗅覚の、又は触覚の感覚として分類され得、通常、又は典型的に患者が発作を経験することより先に起こる。本発明のいくつかの実施形態において、方法は前兆の間に本発明に従ってベンゾジアゼピン薬の調製物を迅速に投与することを含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬のこのような耳内への(intra−aural)投与、例えば経鼻投与による投与は、切迫した発作の効果(強さ、持続時間、又は両方)を予防又は少なくとも改善する。従って、本発明の文脈において、発作の予防は、警戒前兆(warning aura)の恩恵を受け、又は受けずに、のいずれかで、発作の発病を一時的に未然に防ぐことを指す。
【0106】
メダゼパム(7−クロロ−1−メチル−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン)
【0107】
【化6】

【0108】
メダゼパムは、鎮静の、精神安定の、抗痙攣性の、健忘性の、及び筋弛緩性の特性を有するベンゾジアゼピン薬である。これは抗不安薬として分類される。メダゼパムはまた、吐き気の処置に有用であると示されてきた。メダゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約10まで、好ましくは約0.2から約1mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。メダゼパムは、米国特許第3,243,427号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0109】
いくつかの実施形態において、メダゼパムは、抗不安効果、抗痙攣効果、鎮静効果、骨格筋弛緩効果、健忘作用、又は前述の効果の組合せを提供するため、単独で、又は他の薬と併用して用いられる。
【0110】
いくつかの実施形態において、メダゼパムは、発作を処置し、発作から保護し、発作の強さを減じ又は改善し、発作の頻度を減じ又は改善し、及び/又は、発作の発生又は再発を予防するため、単独で又はもう一つの抗痙攣薬と併用して用いられる。発作から保護するため、患者が発病していない状態にある間、メダゼパムは、患者又は別の人(ヘルスケア専門家など)により投与され得る。発作からの保護が完全でない場合でさえ、メダゼパムの投与は、発作の強さを減じ又は改善し、及び/又は、発作の頻度を減じ又は改善し得る。いくつかの実施形態において、メダゼパムの投与は、発作の発生を予防し得る。いくつかの実施形態において、特に患者が連続的な発作又はてんかん重積状態を経験する傾向がある場合、メダゼパムの投与は、発作の循環を中断することを助け、従って発作の再発を予防し得る。ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)に加えて、相乗的な抗痙攣効果を提供するため、他の抗痙攣薬がメダゼパムと組み合わせられ得る。
【0111】
メダゼパムはまた、患者が発作の状態にある間、もう一人の人(例えば、知人又は友人、家族の一員又はヘルスケア専門家)によって患者に投与されることもあり得る。従って、本発明によると、製剤の利点の一つは、急な治療環境において発作罹病者を処置するために、例えば経鼻的に、それらを投与され得ることである。ベンゾジアゼピン抗痙攣薬を、例えば経鼻投薬など、急に投薬することにより分け与えられ得る有益な治療効果の中には、発作の重症度の減少(例えば、筋肉の全身におよぶ弛緩、患者が経験する、発作に引き起こされた不安の減少、及び患者に幸福感を一般的に分け与えること)、発作の持続時間の減少、患者が反復発作を経験するであろう確率の減少、現在の発作と次の発作の間の間隔の拡大がある。従って、本発明のメダゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、いくつかの例においては約30分未満、約15分未満、約10分未満、そしていくつかの場合においては約5分未満での、速やかな治療的な恩恵の発現を提供する。本発明のメダゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、静脈内の薬の投与や、直腸の薬の投与を必要としない、患者への治療上有益な薬の便利な投与をもまた提供する。
【0112】
しばしば発作、特に重症な強直性発作又は強直間代発作は、患者又は患者をよく知る人によく知られた、1以上の前兆事象により予測される。これらの前兆はそれぞれの患者にほとんど独特であるが、可聴の、視覚の、嗅覚の、又は触覚の感覚として分類され得、通常、又は典型的に患者が発作を経験することより先に起こる。本発明のいくつかの実施形態において、方法は前兆の間に本発明に従ってベンゾジアゼピン薬の調製物を迅速に投与することを含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬のこのような耳内への(intra−aural)投与、例えば経鼻投与による投与は、切迫した発作の効果(強さ、持続時間、又は両方)を予防又は少なくとも改善する。従って、本発明の文脈において、発作の予防は、警戒前兆(warning aura)の恩恵を受け、又は受けずに、のいずれかで、発作の発病を一時的に未然に防ぐことを指す。
【0113】
メキサゾラム(10−クロロ−11b−(2−クロロフェニル)−1,3,7,11b−テトラヒドロ−3−メチルオキサゾロ[3,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−6(5H)−オン)
【0114】
【化7】

【0115】
メキサゾラムは、鎮静の、精神安定の、抗痙攣性の、健忘性の、及び筋弛緩性の特性を有するベンゾジアゼピン薬である。これは抗不安薬として分類される。メキサゾラムはまた、吐き気の処置に有用であると示されてきた。メキサゾラムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約10まで、好ましくは約0.2から約1mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。メキサゾラムは、米国特許第3,722,371号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0116】
いくつかの実施形態において、メキサゾラムは、抗不安効果、抗痙攣効果、鎮静効果、骨格筋弛緩効果、健忘作用、又は前述の効果の組合せを提供するため、単独で、又は他の薬と併用して用いられる。
【0117】
いくつかの実施形態において、メキサゾラムは、発作を処置し、発作から保護し、発作の強さを減じ又は改善し、発作の頻度を減じ又は改善し、及び/又は、発作の発生又は再発を予防するため、単独で又はもう一つの抗痙攣薬と併用して用いられる。発作から保護するため、患者が発病していない状態にある間、メキサゾラムは、患者又は別の人(ヘルスケア専門家など)により投与され得る。発作からの保護が完全でない場合でさえ、メキサゾラムの投与は、発作の強さを減じ又は改善し、及び/又は、発作の頻度を減じ又は改善し得る。いくつかの実施形態において、メキサゾラムの投与は、発作の発生を予防し得る。いくつかの実施形態において、特に患者が連続的な発作又はてんかん重積状態を経験する傾向がある場合、メキサゾラムの投与は、発作の循環を中断することを助け、従って発作の再発を予防し得る。ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)に加えて、相乗的な抗痙攣効果を提供するため、他の抗痙攣薬がメキサゾラムと組み合わせられ得る。
【0118】
メキサゾラムはまた、患者が発作の状態にある間、もう一人の人(例えば、知人又は友人、家族の一員又はヘルスケア専門家)によって患者に投与されることもあり得る。従って、本発明によると、製剤の利点の一つは、急な治療環境において発作罹病者を処置するために、例えば経鼻的に、それらを投与され得ることである。ベンゾジアゼピン抗痙攣薬を、例えば経鼻投薬など、急に投薬することにより分け与えられ得る有益な治療効果の中には、発作の重症度の減少(例えば、筋肉の全身におよぶ弛緩、患者が経験する、発作に引き起こされた不安の減少、及び患者に幸福感を一般的に分け与えること)、発作の持続時間の減少、患者が反復発作を経験するであろう確率の減少、現在の発作と次の発作の間の間隔の拡大がある。従って、本発明のメキサゾラム製剤、及び特に経鼻製剤は、いくつかの例においては約30分未満、約15分未満、約10分未満、そしていくつかの場合においては約5分未満での、速やかな治療的な恩恵の発現を提供する。本発明のメキサゾラム製剤、及び特に経鼻製剤は、静脈内の薬の投与や、直腸の薬の投与を必要としない、患者への治療上有益な薬の便利な投与をもまた提供する。
【0119】
しばしば発作、特に重症な強直性発作又は強直間代発作は、患者又は患者をよく知る人によく知られた、1以上の前兆事象により予測される。これらの前兆はそれぞれの患者にほとんど独特であるが、可聴の、視覚の、嗅覚の、又は触覚の感覚として分類され得、通常、又は典型的に患者が発作を経験することより先に起こる。本発明のいくつかの実施形態において、方法は前兆の間に本発明に従ってベンゾジアゼピン薬の調製物を迅速に投与することを含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬のこのような耳内への(intra−aural)投与、例えば経鼻投与による投与は、切迫した発作の効果(強さ、持続時間、又は両方)を予防又は少なくとも改善する。従って、本発明の文脈において、発作の予防は、警戒前兆(warning aura)の恩恵を受け、又は受けずに、のいずれかで、発作の発病を一時的に未然に防ぐことを指す。
【0120】
ミダゾラム(8−クロロ−6−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−4H−イミダゾ(1,5−a)ベンゾジアゼピン)
【0121】
【化8】

【0122】
ミダゾラムは、抗不安の、健忘性の、催眠性の、抗痙攣性の、骨格筋弛緩性の、及び鎮静の特性を有する、三環系のベンゾジアゼピンである。ミダゾラムは、約4より低いpHで水に溶解できると見なされているが、中性pH(例えば、約6から8)で大抵の水溶液に比較的に不溶性である。従って、いくつかの実施形態において、ミダゾラムの水性の経鼻用調製物は、約5.5より上、好ましくは約6.0より上、又は約6.5より上のpHを有することが好ましい。いくつかの好ましい実施形態において、pHは約6と9の間、約6と8の間である。脂溶性(およそ中性pHで)のミダゾラムは、鼻粘膜中に急速に吸収され、ミダゾラムの能率的な摂取へ導くため、ミダゾラムの調製物は特に経鼻投与に適していると考えられる。更に、ミダゾラムは、ハイドロフルオロカーボン噴射剤、炭化水素噴射剤などといったエアロゾル投与技術において既知であるものなどの、非水性の送達ビヒクルの中に処方され得ると考えられる。
【0123】
ミダゾラムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約20まで、好ましくは約0.2から約10mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。ミダゾラムは、米国特許第4,280,957号、又は第5,831,089号の一つに開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0124】
いくつかの実施形態において、ミダゾラムは、抗不安効果、抗痙攣効果、鎮静効果、骨格筋弛緩効果、健忘作用、又は前述の効果の組合せを提供するため、単独で、又は他の薬と併用して用いられる。
【0125】
いくつかの実施形態において、ミダゾラムは、発作を処置し、発作から保護し、発作の強さを減じ又は改善し、発作の頻度を減じ又は改善し、及び/又は、発作の発生又は再発を予防するため、単独で又はもう一つの抗痙攣薬と併用して用いられる。発作から保護するため、患者が発病していない状態にある間、ミダゾラムは、患者又は別の人(ヘルスケア専門家など)により投与され得る。発作からの保護が完全でない場合でさえ、ミダゾラムの投与は、発作の強さを減じ又は改善し、及び/又は、発作の頻度を減じ又は改善し得る。いくつかの実施形態において、ミダゾラムの投与は、発作の発生を予防し得る。いくつかの実施形態において、特に患者が連続的な発作又はてんかん重積状態を経験する傾向がある場合、ミダゾラムの投与は、発作の循環を中断することを助け、従って発作の再発を予防し得る。ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)に加えて、相乗的な抗痙攣効果を提供するため、他の抗痙攣薬がミダゾラムと組み合わせられ得る。
【0126】
ミダゾラムはまた、患者が発作の状態にある間、もう一人の人(例えば、知人又は友人、家族の一員又はヘルスケア専門家)によって患者に投与されることもあり得る。従って、本発明によると、製剤の利点の一つは、急な治療環境において発作罹病者を処置するために、例えば経鼻的に、それらを投与され得ることである。ベンゾジアゼピン抗痙攣薬を、例えば経鼻投薬など、急に投薬することにより分け与えられ得る有益な治療効果の中には、発作の重症度の減少(例えば、筋肉の全身におよぶ弛緩、患者が経験する、発作に引き起こされた不安の減少、及び患者に幸福感を一般的に分け与えること)、発作の持続時間の減少、患者が反復発作を経験するであろう確率の減少、現在の発作と次の発作の間の間隔の拡大がある。従って、本発明のミダゾラム製剤、及び特に経鼻製剤は、いくつかの例においては約30分未満、約15分未満、約10分未満、そしていくつかの場合においては約5分未満での、速やかな治療的な恩恵の発現を提供する。本発明のミダゾラム製剤、及び特に経鼻製剤は、静脈内の薬の投与や、直腸の薬の投与を必要としない、患者への治療上有益な薬の便利な投与をもまた提供する。
【0127】
しばしば発作、特に重症な強直性発作又は強直間代発作は、患者又は患者をよく知る人によく知られた、1以上の前兆事象により予測される。これらの前兆はそれぞれの患者にほとんど独特であるが、可聴の、視覚の、嗅覚の、又は触覚の感覚として分類され得、通常、又は典型的に患者が発作を経験することより先に起こる。本発明のいくつかの実施形態において、方法は前兆の間に本発明に従ってベンゾジアゼピン薬の調製物を迅速に投与することを含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬のこのような耳内への(intra−aural)投与、例えば経鼻投与による投与は、切迫した発作の効果(強さ、持続時間、又は両方)を予防又は少なくとも改善する。従って、本発明の文脈において、発作の予防は、警戒前兆(warning aura)の恩恵を受け、又は受けずに、のいずれかで、発作の発病を一時的に未然に防ぐことを指す。
【0128】
テマゼパム(7−クロロ−1−メチル−5−フェニル−3−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン)
【0129】
【化9】

【0130】
テマゼパムは、鎮静の、精神安定の、抗痙攣性の、健忘性の、及び筋弛緩性の特性を有するベンゾジアゼピン薬である。これは抗不安薬として分類される。テマゼパムはまた、吐き気の処置に有用であると示されてきた。テマゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約1から約50まで、好ましくは約5から約30mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。テマゼパムは、米国特許第3,340,253号、又は第3,374,225号に開示される工程を用いて製造され得、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0131】
いくつかの実施形態において、テマゼパムは、抗不安効果、抗痙攣効果、鎮静効果、骨格筋弛緩効果、健忘作用、又は前述の効果の組合せを提供するため、単独で、又は他の薬と併用して用いられる。
【0132】
いくつかの実施形態において、テマゼパムは、発作を処置し、発作から保護し、発作の強さを減じ又は改善し、発作の頻度を減じ又は改善し、及び/又は、発作の発生又は再発を予防するため、単独で又はもう一つの抗痙攣薬と併用して用いられる。発作から保護するため、患者が発病していない状態にある間、テマゼパムは、患者又は別の人(ヘルスケア専門家など)により投与され得る。発作からの保護が完全でない場合でさえ、テマゼパムの投与は、発作の強さを減じ又は改善し、及び/又は、発作の頻度を減じ又は改善し得る。いくつかの実施形態において、テマゼパムの投与は、発作の発生を予防し得る。いくつかの実施形態において、特に患者が連続的な発作又はてんかん重積状態を経験する傾向がある場合、テマゼパムの投与は、発作の循環を中断することを助け、従って発作の再発を予防し得る。ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)に加えて、相乗的な抗痙攣効果を提供するため、他の抗痙攣薬がテマゼパムと組み合わせられ得る。
【0133】
テマゼパムはまた、患者が発作の状態にある間、もう一人の人(例えば、知人又は友人、家族の一員又はヘルスケア専門家)によって患者に投与されることもあり得る。従って、本発明によると、製剤の利点の一つは、急な治療環境において発作罹病者を処置するために、例えば経鼻的に、それらを投与され得ることである。ベンゾジアゼピン抗痙攣薬を、例えば経鼻投薬など、急に投薬することにより分け与えられ得る有益な治療効果の中には、発作の重症度の減少(例えば、筋肉の全身におよぶ弛緩、患者が経験する、発作に引き起こされた不安の減少、及び患者に幸福感を一般的に分け与えること)、発作の持続時間の減少、患者が反復発作を経験するであろう確率の減少、現在の発作と次の発作の間の間隔の拡大がある。従って、本発明のテマゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、いくつかの例においては約30分未満、約15分未満、約10分未満、そしていくつかの場合においては約5分未満での、速やかな治療的な恩恵の発現を提供する。本発明のテマゼパム製剤、及び特に経鼻製剤は、静脈内の薬の投与や、直腸の薬の投与を必要としない、患者への治療上有益な薬の便利な投与をもまた提供する。
【0134】
しばしば発作、特に重症な強直性発作又は強直間代発作は、患者又は患者をよく知る人によく知られた、1以上の前兆事象により予測される。これらの前兆はそれぞれの患者にほとんど独特であるが、可聴の、視覚の、嗅覚の、又は触覚の感覚として分類され得、通常、又は典型的に患者が発作を経験することより先に起こる。本発明のいくつかの実施形態において、方法は前兆の間に本発明に従ってベンゾジアゼピン薬の調製物を迅速に投与することを含む。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬のこのような耳内への(intra−aural)投与、例えば経鼻投与による投与は、切迫した発作の効果(強さ、持続時間、又は両方)を予防又は少なくとも改善する。従って、本発明の文脈において、発作の予防は、警戒前兆(warning aura)の恩恵を受け、又は受けずに、のいずれかで、発作の発病を一時的に未然に防ぐことを指す。
【0135】
薬学的に許容可能な塩
ベンゾジアゼピンは、概して式Iの塩基性構造を有する。
【0136】
【化10】

【0137】
ここでRからRは置換基である。特定の実施形態において、Rは任意に置換されたアルキルであるか、又はRとともに環を形成し、Rはハロゲン(例えばCl、Br)であり、Rは任意に置換されたアリール(例えば、2−クロロ又は2−フルオロフェニル)であり、RはH又はOHであり、R及びR’は共に、それらが付いている炭素とともにカルボニル(C=O)を形成する、或いは、R及びRはそれらが各々付いているジアゼパム環原子とともに任意に置換された複素環式環を形成し、R’及びRはともに二重結合を形成する、又は、それらが各々付いているジアゼパム環原子とともに任意に置換された複素環式環を形成するよう結合され得る。このような塩基性化合物は、薬学的に許容可能な無機酸及び薬学的に許容可能な有機酸などの薬学的に許容可能な酸を用いて、酸付加塩を形成し得る。
【0138】
薬学的に許容可能な無機酸は、HCl、HSO、HSO、HPO、HPO、及び当該分野の当業者に認められる他のものを含む。薬学的に許容可能な有機酸は、酢酸、安息香酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸等を含む。従って、いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な酸は、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2,2−ジクロロ酢酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−オキソグルタル酸、4−アセトアミド安息香酸、4−アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスパラギン酸(L)、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸(+)、カンファー−10−スルホン酸(+)、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸(D)、グルコン酸(D)、グルクロン酸(D)、グルタミン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イソ酪酸、乳酸(DL)、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸(− L)、マロン酸、マンデル酸(DL)、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸(ベシル酸)、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸(pamoic acid)、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸(− L)、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸(+ L)、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(p)及びウンデシレン酸から構成される群から選択され得る。他の薬学的に許容可能な酸は、薬学的に許容可能な酸性(アニオン性)ポリマー、又は薬学的に許容可能な両性ポリマーであり得る。当該分野の当業者は、酸付加塩を作り出すため、他の塩基性の医薬品有効成分が前述の酸と結合され得ることを認める。同様に、当該分野の当業者は、いくつかの実施形態において、いくつか又は全ての加えられた酸がそれ自体で医薬品有効成分となることが好都合であることを認める。
【0139】
いくつかの実施形態において、本発明は、1以上の酸性の医薬品有効成分を備える経鼻組成物を提供する。上記の化合物のいずれが酸性であるかを決定することは、当該技術分野の当業者において、十分に考慮されている。このような化合物は、例えば、1以上の無機塩基(例えばNaOH、KOH、NaHCO、NaCO、NH)、又は有機塩基を加えることにより、塩基付加塩として調製され得る。薬学的に許容化可能な塩基を選ぶことは当該分野の当業者において考慮されている。
【0140】
既知のベンゾジアゼピン化合物は、抗不安の、抗痙攣の、鎮静の、及び/又は骨格筋弛緩性の効果を有する。用語「抗痙攣の」は、発作を処置すること、発作から保護すること、発作の強さを減じ又は改善すること、発作の頻度を減じ又は改善すること、及び/又は、発作の発生又は再発を予防することを含む。この点において、発作を処置することは、進行中の発作の休止、進行中の発作の強さの減少、進行中の発作の持続時間の減少を含む。発作から保護することは、接近する発作を未然に防ぐことを含む。
【0141】
担体系
ビタミンEは、脂溶性のメチル化されたフェノールである。この分類を備える少なくとも8つの天然由来の化合物が存在し、それらは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、及びδ−トコトリエノールで、これらの全ては本発明の組成物及び方法において用いられ得る。これらの化合物のそれぞれに多数の異性体が存在し、それらの全ては本発明の組成物及び方法において用いられ得る。これらの化合物のそれぞれにまた、トコフェルソランを含む、多数のエステルが存在し、それらのすべては本発明の組成物及び方法において用いられ得る。本明細書中に用いられるように、ビタミンEは、任意の天然又は合成トコフェロール、トコトリエノール、それらの任意の異性体、それらの任意のエステル、それらの任意のアナログ又は誘導体、又はそれらの任意の組合せを指す。
【0142】
【化11】

【0143】
α−トコフェロール
ビタミンEを備える化合物は抗酸化剤である。それらは、心臓病、癌、白内障、黄斑変性、緑内障、アルツハイマー病、及びパーキンソン病の症状を予防し、それらの発病を遅らせ、又は改善することができるという証拠もまた存在する。
【0144】
本発明は、ビタミンEが、ベンゾジアゼピン薬にとって効果的な担体を供給できることを見出した。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンはビタミンEに溶解できる、又は部分的に溶解できる。いくつかの実施形態において、ビタミンEは、ミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの任意の組合せとして存在し得る。更に、ビタミンEの使用は、敏感な粘膜の炎症を回避すること、及び/又は、炎症を起こしている粘膜を落ち着かせることのいずれかの付加的な恩恵を有す。
【0145】
ビタミンEは、一般的に疎水性に分類され、担体として用いられる時にはエマルションとしての製剤に限定され得る。しかしながら、エマルションは数個の欠点を有し得る。例えば、それらは作りだすのが困難であり、また非常に不安定であり得る。更に、それらは皮膚の表面上に、油の薄膜を残し得る。従って、エマルションの欠点を回避するため、本発明のいくつかの実施形態は、ビタミンEと、1以上の低級アルキルアルコール又は1以上の低級アルキルグリコール、又はそれらの組合せ中の、1以上のベンゾジアゼピン薬の溶液を備える。
【0146】
低級アルキルアルコールは、6以下の炭素原子を有するものである。従って、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ベンジルアルコール、それらの任意の異性体、又はそれらの任意の組合せのいずれかが、用いられ得る。
【0147】
低級アルキルグリコールは、6以下の炭素原子を有するものである。従って、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、それらの任意の異性体、又はそれらの任意の組合せのいずれかが、用いられ得る。
【0148】
追加の賦形剤
いくつかの実施形態において、組成物はベンゾジアゼピン薬、天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、及びアルコール又はグリコールに加えて、少なくとも1つの透過賦活剤を備える。いくつかの実施形態において、透過賦活剤は少なくとも1つのアルキルグリコシドである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、任意の疎水性アルキルにつなぎ合わされる任意の糖を指し、このことは米国特許第5,661,130号に記されており、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。疎水性アルキルは、任意の適切な長さであることができ、例えば、炭鎖長が約9から約24の炭素、特に炭鎖長が約10から約14の炭素であり得る。疎水性アルキルは、分岐であり得、及び/又は部分的に又は全体的に不飽和であり得る。アルキルは例えばカルボニル基を介してサッカライドコアにつなぎ合わされ得、それによってエステル基が形成され得る。適切なアルキルグリコシドは、無毒性であり、非イオン性であり、本明細書中に記載されるように鼻腔内に投与されるとベンゾジアゼピン薬の吸収を増大させることができるという特徴を有する。本発明に係るアルキルに共有結合的につなぎ合わされ得る例示的な糖類は、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトロース、スクロース、及びトレハロースを含む。使用され得る例示的なアルキルグリコシドは、オクチル−、ノニル−、デシル−、ウンデシル−、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシルα−又はβ−D−マルトシド、−グルコシド、又はスクロシドを含む。いくつかの実施形態において、好ましいグリコシドは、9、10、12、14、16、18、又は20炭素原子のアルキル鎖にグリコシド結合により連結される、マルトース、スクロース、又はグルコースを含む。本発明に従って経鼻組成物に使用され得る特定の賦形剤は、アルキルサッカライド(alkylsaccharide)を含み、アルキルサッカライドは、ドデシルマルトシド、テトラデシルマルトシド、スクロースドデカノエイト、スクロースモノステアリン、スクロースジステアリン、及び/又は2又はそれより多いそれらの組合せを含む。本発明の実施形態において特に有用であるとみなされるアルキルグリコシドは、Aegis Therapeutics,LLC、サンディエゴ、カリホルニアよりIntravail(登録商標)の名で販売されているものを含む。他のアルキルグリコシドは、親水性親油性バランス(HLB)数が約10から20、特に約11から15を有するものから選択され得る。HLB数は2009年2月19日に公開された、米国公開公報2009/0047347号に説明されるように決定され、この公報の全体、及び特に段落[0075]から[0079]は、参照することにより本明細書中に組み込まれる。存在する場合、組成物中のアルキルグリコシドの量は、鼻腔内経路により投与されるベンゾジアゼピン薬の吸収を高めるために十分な量である。いくつかの実施形態において、組成物中のアルキルグリコシドの量は、ベンゾジアゼピン薬の吸収を高めるために選択され、同時に鼻粘膜を著しく刺激しない。いくつかの実施形態において、組成物中のアルキルグリコシドの量は、約0.01%(W/V)から約1%(W/V)までの範囲内である。いくつかの実施形態において、組成物中のアルキルグリコシドの量は、約0.05%(W/V)から約0.5%(W/V)まで、又は約0.125%(W/V)から約0.5%(W/V)までの範囲内である。
【0149】
用語「透過賦活剤」は、粘膜を介する吸収を増大し、及び/又はバイオアベイラビリティを増大するよう作用する任意の物質を意味する。いくつかの実施形態において、このような物質は、粘液溶解薬、分解性酵素インヒビター、及び粘膜細胞膜の透過性を増大する化合物を含む。所与の化合物が「賦活剤」であるかどうかは、関連のない小さい極性分子を薬として備える、賦活剤を有し、又は有さない2つの製剤を、インビボ又は有効なモデル試験において、比較することにより、及び、薬の摂取が臨床的にかなりの程度まで高められるかどうかを決定することにより、決定される。賦活剤は、慢性毒性の点で、いかなる問題をももたらしてはならない、なぜなら、インビボで、賦活剤は非刺激的であるべきであり、及び/又は、任意の有意な刺激効果を有することなく通常の細胞構成要素に急速に代謝されるべきであるためである。
【0150】
いくつかの実施形態において、好ましい賦活物質、リゾリン脂質、例えば、卵又は大豆レシチンから得られるリゾホスファチジルコリンがある。異なるアシル基を有する他のリゾホスファチジルコリンや、同様の膜修飾特性を有する、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジン酸から産生されるリゾ化合物が用いられ得る。アシルカルニチン(例えばパルミトイル−dl−カルニチン−クロライド)が選択肢である。いくつかの実施形態において、適切な濃度は0.02%から20%W/Vである。
【0151】
いくつかの実施形態において、ふさわしい賦活剤は、キレート化剤(EGTA、EDTA、アルギン酸塩)、界面活性剤(特に非イオン性の物質)、アシルグリセロール、脂肪酸及び塩、チロキサポール及び生物学的洗浄剤を含み、これらはシグマカタログ(SIGMA Catalog)1988、ページ316から321に載っている(これは参照することにより本明細書中に組み込まれる)。また、膜流動性及び透過性を修飾する剤が適切であり、それらは、エナミン(例えば、エチルアセトアセテートのフェニルアラニンエナミン)、マロネート(例えば、ジエチレンオキシメチレンマロネート)サリチル酸塩、胆汁酸塩、及びアナログ並びにフシジン酸塩(fusidates)などである。適切な濃度は、20%W/Vまでである。
【0152】
従って、いくつかの実施形態において、本発明は、患者の1以上の鼻粘膜への投与用の薬学的に許容可能な製剤中に、約30%から約95%(W/W)までの量の、ベンゾジアゼピン薬、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、1以上のアルキルグリコシドと、約10%から約70%(W/W)までの量の、1以上のアルコール又はグリコール、もしくはそれらの任意の組合せとを備える、経鼻投与用の医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドはIntravail(登録商標)ブランドのアルキルグリコシドである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、ドデシルマルトシド、テトラデシルマルトシド、スクロースドデカノエイト、スクロースモノステアリン、スクロースジステアリン、及び/又は2以上のそれらの組合せである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、ドデシルマルトシドである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、テトラデシルマルトシドである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、スクロースドデカノエイトである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、スクロースモノステアリンである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、スクロースジステアリンである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、ドデシルマルトシド、テトラデシルマルトシド、スクロースドデカノエイト、スクロースモノステアリン、又はスクロースジステアリンの、2以上の組合せである。
【0153】
従って、いくつかの実施形態において、本発明は、患者の1以上の鼻粘膜への投与用の薬学的に許容可能な製剤中に、約30%から約95%(W/W)までの量の、ミクロ粒子、ナノ粒子又は両方を備えるベンゾジアゼピン薬、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、1以上のアルキルグリコシドと、約10%から約70%(W/W)までの量の、1以上のアルコール又はグリコール、もしくはそれらの任意の組合せとを備える、経鼻投与用の医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドはIntravail(登録商標)ブランドのアルキルグリコシドである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、ドデシルマルトシド、テトラデシルマルトシド、スクロースドデカノエイト、スクロースモノステアリン、スクロースジステアリン、及び/又は2以上のそれらの組合せである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、ドデシルマルトシドである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、テトラデシルマルトシドである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、スクロースドデカノエイトである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、スクロースモノステアリンである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、スクロースジステアリンである。いくつかの実施形態において、アルキルグリコシドは、ドデシルマルトシド、テトラデシルマルトシド、スクロースドデカノエイト、スクロースモノステアリン、又はスクロースジステアリンの、2以上の組合せである。
【0154】
粘膜調製物
粘膜調製物は、250μL未満の、好ましくは150μL未満の、及び理想的には25から100μLまでの容量を有する、計量スプレーで一般的に投与される。本発明で禁じられるものではないが、投与量当たり約300μLより大きい容量の投与は通常、膜の吸収能力を超える。これにより、薬学的に活性な成分の大部分が失われることとなる。
【0155】
調製物、特に鼻用調製物の投薬量の容量は、好ましくは25から100μLに及ぶ。前記の範囲を超える容量は、その過剰分が嚥下されると、洞を迂回し、喉の後ろを流れ落ち得る。
【0156】
アルプラゾラム
アルプラゾラムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.5から約4まで、好ましくは約1から約2mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。アルプラゾラムは、米国特許第3,987,052号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0157】
経鼻製剤として、アルプラゾラムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、アルプラゾラムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。
【0158】
ジアゼパム
ジアゼパムの投薬量は、指示により異なり得るが、しかしながら、治療量は投与量あたり約1から約20まで、好ましくは約2から約10mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。ジアゼパムは、米国特許第3,371,085号、第3,109,843号、第3,136,815号、又は第3,102,116号の1つに開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0159】
経鼻製剤として、ジアゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、ジアゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。
【0160】
フルラゼパム
フルラゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約5から約40まで、好ましくは約20から約35mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。フルラゼパムは、米国特許第3,567,710号、又は第3,299,053号の1つに開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0161】
経鼻製剤として、フルラゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、フルラゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。
【0162】
ロラゼパム
ロラゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約10まで、好ましくは約0.2から約1mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。ロラゼパムは、米国特許第3,296,249号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0163】
経鼻製剤として、ロラゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、ロラゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。
【0164】
メダゼパム
メダゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約10まで、好ましくは約0.2から約1mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。メダゼパムは、米国特許第3,243,427号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0165】
経鼻製剤として、メダゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、メダゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。
【0166】
メキサゾラム
メキサゾラムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約10まで、好ましくは約0.2から約1mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。メキサゾラムは、米国特許第3,722,371号に開示される工程を用いて製造され得、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0167】
経鼻製剤として、メキサゾラムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、メキサゾラムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。
【0168】
ミダゾラム
ミダゾラムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約20まで、好ましくは約0.2から約10mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。ミダゾラムは、米国特許第4,280,957号、又は第5,831,089号の一つに開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0169】
経鼻製剤として、ミダゾラムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、ミダサゾラムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。
【0170】
テマゼパム
テマゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約1から約50まで、好ましくは約5から約30mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。テマゼパムは、米国特許第3,340,253号、又は第3,374,225号に開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0171】
経鼻製剤として、テマゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、テマゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。
【0172】
製剤
いくつかの実施形態は、患者の1以上の粘膜に、治療的に効果的な量の1以上のベンゾジアゼピン薬、又はそれらの薬学的に許容可能な塩を投与することを備える。組成物のいくつかの実施形態は、1以上のベンゾジアゼピン薬、又はそれらの薬学的に許容可能な塩を、約600mg/mLまでの濃度で備える組成物を開示する。他の組成物は、1以上のベンゾジアゼピン薬、又はそれらの薬学的に許容可能な塩を、約10mg/mLから約250mg/mLまでの濃度で備える組成物を開示する。更に、いくつかの実施形態は、1以上のベンゾジアゼピン薬、又はそれらの薬学的に許容可能な塩を、約20mg/mLから約50mg/mLまでの濃度で備える組成物を開示する。
【0173】
いくつかの実施形態は、約50%から約90%(W/W)のビタミンEと約10%から約50%(W/W)の低級アルコール又は低級アルキルグリコール、又はそれらの任意の組合せである担体系を開示する。いくつかの実施形態は、約65%から約75%(W/W)のビタミンEと約25%から約35%(W/W)の低級アルキルアルコール又は低級アルキルグリコール、又はそれらの任意の組合せである担体系を開示する。更にいくつかの実施形態は、約70%(W/W)のビタミンEと約30%(W/W)の低級アルキルアルコール又は低級アルキルグリコール、又はそれらの任意の組合せである担体系を開示する。
【0174】
本発明のいくつかの実施形態は、ベンゾジアゼピン薬組成物を患者に投与する方法を提供する。好ましい実施形態は、ジアゼパムの使用を備える。方法のいくつかの実施形態は、所望の結果が達成されるまで、約1.0mgから約20.0mgのジアゼパムの投薬量レベルを開示する。他の投薬量レベルは、所望の結果が達成されるまで約2.0mgから約15.0mgの投薬量レベルを開示する。いくつかの実施形態は、所望の結果が達成されるまで、約5.0mgから約10.0mgの投薬量レベルを開示する。
【0175】
方法のいくつかの実施形態において、投薬量容量は、約10μLから約200μLまでに及ぶ。いくつかの実施形態において、投薬量容量は、約20μLから約180μLまでに及ぶ。更にいくつかの実施形態は、約50μLから約140μLの投薬量容量を開示する。
【0176】
製剤工程
いくつかの実施形態において、経鼻投与用の組成物は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せを実質的に有さない。いくつかの実施形態において、組成物はビタミンEを液化するまでゆっくり温める又は熱することにより作られる。次に、1以上のベンゾジアゼピン薬が加えられる。混合物は、1以上のベンゾジアゼピン薬が溶解する又は実質的に溶解されるまで、撹拌され、熱せられる。次に、1以上のアルコールまたはグリコール、もしくはそれらの任意の組合せが、組成物に加えられる。組成物は、粘性の低い組成物が得られるまで撹拌される。
【0177】
前述の製剤は、好ましくは無菌であり、ml当たりとして、許容レベルを10下回る細菌数を有する。加えて、病原体は好ましくは存在しない。
【0178】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピンのミクロ粒子及び/又はナノ粒子懸濁液として処方される。ミクロ粒子及びナノ粒子ベンゾジアゼピンの調製は、製粉などの方法によって成し遂げられ得る。このような方法は、当該分野の当業者に知られている。
【0179】
いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬は溶液として処方される。製剤を調製する工程の間、ミクロ粒子及び/又はナノ粒子ベンゾジアゼピン薬を使用することにより、溶媒系におけるベンゾジアゼピン薬の全体的な溶解度を改善することができることが、本発明の1つの態様として考慮される。
【0180】
追加の活性及び不活性成分
更に、組成物、及び組成物を使用する方法のいくつかの実施形態は、活性成分から選択される組成物中の追加の成分を備える。制約のない例として、このような活性成分は、インスリン、カルシトニン(例えば、豚の、ヒトの、サケの、ニワトリの、又はウナギの)及びそれらの合成修飾物、エンケファリン、LHRH及びアナログ(ナファレリン、ブセレリン、ゾリデックス(Zolidex))、GHRH(成長ホルモン放出ホルモン)、ニフェジピン、THF(胸腺液性因子)、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)、心房性ナトリウム利尿ぺプチド、抗生物質、メトクロプラミド、エルゴタミン、ピゾチジン(Pizotizin)、経鼻ワクチン(特にHIVワクチン、麻疹、ライノウイルス13型及び呼吸器合胞体ウイルス)、ペンタミジン、CCK(コレシストキニン)、DDVAP、インターフェロン、成長ホルモン(ソラトトロピア(solatotropir)ポリペプチド又はそれらの誘導体(好ましくは1000から300000までの分子量を有する)、セクレチン、ブラジキニンアンタゴニスト、GRF(成長放出因子)、THF、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)、ACTHアナログ、IGF(インスリン様成長因子)、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)心房性ナトリウム利尿ペプチド、バソプレシン及びアナログ(DDAVP、リプレシン)、メトクロプラミド、偏頭痛処置(ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、エルゴタミン、ピゾチジン(Pizotizin))、経鼻ワクチン(特にエイズワクチン)第VIII因子、コロニー刺激因子、G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)、EPO(エリスロポエチン)PTH(副甲状腺ホルモン)又はそれらの薬学的に許容可能な塩、又はそれらの組合せを含む。
【0181】
更に、組成物、及び組成物を使用する方法のいくつかの実施形態は、他の抗痙攣薬から選択される組成物中の追加の成分を備える。制約のない例として、このような活性成分は、パラアルデヒド;芳香族アリルアルコール(スチリペントールなど);バルビツール酸塩(例えば、フェノバルビトール(phenobarbitol)、プリミドン、メチルフェノバルビタール、メタルビタール及びバルベキサクロン);臭化物(臭化カリウムなど);カルバミン酸塩(フェルバメートなど);カルボキサミド(カルバマゼピン及びオクスカルバゼピン);脂肪酸(バルプロ酸、バルプロ酸ナトリウム、及びジバルプロエクスナトリウム、ビガバトリン、プロガビド、チアガビン);フルクトース、トピラマート、ギャバ(Gaba)アナログ(例えば、ガバペンチン及びプレガバリン);ヒダントイン(例えばエトトイン、フェニトイン、メフェニトイン及びホスフェニトイン);オキサゾリジンジオン(パラメタジオン、トリメタジオン、エタジオン);プロピオン酸塩(例えばベクラミド)、ピリミジンジオン(例えばプリミドン);ピロリジン(例えばブリバラセタム、レベチラセタム及びセレトラセタム);コハク酸イミド(例えばエトスクシミド、フェンスクシミド及びメスクシミド);スルホンアミド(例えばアセタゾラミド、スルチアム、メタゾラミド及びゾニサミド);トリアジン(ラモトリジンなど);尿素(フェネツリド、フェナセミド);バルプロイルアミド(valproylamides)(バルプロミド及びバルノクタミド);及び他の抗痙攣薬、又は薬学的に許容可能な塩又はそれらの組合せを含む。
【0182】
更に、組成物、及び組成物を使用する方法のいくつかの実施形態は、他の抗痙攣薬から選択される組成物中の追加の成分を備える。制約のない例として、このような活性成分は、テトラサイクリン塩酸塩、ロイコマイシン、ペニシリン、ペニシリン誘導体、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、スルファチアゾール及びニトロフラゾンなどの抗生物質及び抗菌剤;ベンゾカインなどの局所麻酔剤;フェニレフリン塩酸塩、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン及びトラマゾリン塩酸塩などの血管収縮剤;ジギタリス及びジゴキシンなどの強心剤;ニトログリセリン及びパパべリン塩酸塩などの血管拡張剤;塩酸クロルヘキシジン、ヘキシルレゾルシノール、塩化デカリニウム及びエタクリジンなどの消毒剤;塩化リゾチーム、デキストラナーゼなどの酵素;ビタミンD、活性ビタミンD及びビタミンCなどの骨代謝調節剤;性ホルモン;降圧剤;鎮静剤;抗腫瘍薬;ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、フルチカゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾン、ベタメタゾン、ベクロメタゾン、及びジプロピオン酸ベクロメタゾンなどのステロイド性抗炎症剤;アセトアミノフェン、アスピリン、アミノピリン、フェニルブタゾン、メダナミック(medanamic)酸、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン(indomethacine)、コルヒチン、及びプロベノシド(probenocid)などの非ステロイド性抗炎症剤;キモトリプシン及びブロメラインセラチオぺプチダーゼ(bromelain seratiopeptidase)などの酵素的な抗炎症剤;塩酸ジフェンヒドラミン、クロロフェニラミンマレイン酸塩(chloropheniramine maleate)及びクレマスチンなどの抗ヒスタミン剤;クロモグリク酸ナトリウム、コデインリン酸塩、及び塩酸イソプロテレノールなどの抗アレルギー剤及び鎮咳−去痰、抗ぜんそく薬、又はそれらの薬学的に許容可能な塩又はそれらの組合せを含む。
【0183】
更に、組成物、及び組成物を使用する方法のいくつかの実施形態は、組成物中の追加の不活性成分を備える。制約のない例として、安定剤、着色剤、pH調整剤、緩衝剤、分解を防ぎ得る薬剤などの保存剤、湿潤剤、及び香味剤などの少量の成分もまた存在し得る。着色剤の例には、β−カロチン、赤色2号及び青色1号が含まれる。保存剤の例にはステアリン酸、ステアリン酸アスコルビル及びアスコルビン酸が含まれる。矯味薬の例には、メントール及び柑橘類香料が含まれる。
【0184】
いくつかの実施形態において、本発明の薬送達システムは、好都合に吸収賦活剤を備える。用語「賦活剤」は、粘膜を介する吸収を増大し、及び/又は、バイオアベイラビリティを増大させるよう作用する任意の物質を意味する。いくつかの実施形態において、このような物質は、粘液溶解薬、分解性酵素インヒビター、及び粘膜細胞膜の透過性を増大する化合物を含む。所与の化合物が「賦活剤」であるかどうかは、関連のない小さい極性分子を薬として備える、賦活剤を有し、又は有さない2つの製剤を、インビボ又は有効なモデル試験において、比較することにより決定され、薬の摂取が臨床的にかなりの程度まで高められるかどうかを決定することにより決定される。賦活剤は、慢性毒性の点で、いかなる問題をももたらしてはならない、なぜなら、インビボで、賦活剤は非刺激的であるべきであり、及び/又は、任意の有意の刺激効果を有さない正常な細胞構成要素に急速に代謝されるべきである。
【0185】
いくつかの実施形態において、好ましい賦活物質、リゾリン脂質、例えば、卵又は大豆レシチンから得られるリゾホスファチジルコリンがある。異なるアシル基を有する他のリゾホスファチジルコリンや、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジン酸から産生され、同様の膜修飾特性を有するリゾ化合物が用いられ得る。アシルカルニチン(例えばパルミトイル−dl−カルニチン−クロライド)が選択肢である。いくつかの実施形態において、適切な濃度は0.02%から20%W/Vである。
【0186】
いくつかの実施形態において、ふさわしい賦活剤は、キレート化剤(EGTA、EDTA、アルギン酸塩)、界面活性剤(特に非イオン性の物質)、アシルグリセロール、脂肪酸及び塩、チロキサポール及び生物学的洗浄剤を含み、これらはシグマカタログ(SIGMA Catalog)1988、ページ316から321に載っている(これは参照することにより本明細書中に組み込まれる)。また、膜流動性及び透過性を修飾する剤が適切であり、それらは、エナミン(例えば、エチルアセトアセテートのフェニルアラニンエナミン)、マロネート(例えば、ジエチレンオキシメチレンマロネート)、サリチル酸塩、胆汁酸塩、及びアナログ並びにフシジン酸塩(fusidates)などである。適切な濃度は、20%W/Vまでである。
【0187】
いくつかの実施形態において、本発明は、追加の薬学的アジュバントを備える生体接着ミクロスフェア中に又は生体接着ミクロスフェア上に組み込まれる薬の送達を利用し、活性薬及び粘液溶解薬、ペプチダーゼインヒビター又は非薬物ポリペプチド基質を単独で又は組合せで含有するシステムに適用する。適宜、粘液溶解薬は、N−アセチルシステイン、及びその誘導体などのチオール含有化合物である。ペプチドインヒビタには、アクチノニン、アマスタチン、ベスタチン、クロロアセチル−HOLeu−Ala−Gly−NH.sub.2、ジプロチンA及びB、エベラクトンA及びB、E−64、ロイぺプチン、ペプスタチンA、ホスホラミドン、H−Thr−(tBu)−Phe−Pro−OH、アプロチニン、カリクレイン、キモスタチン、ベンズアミジン、キモトリプシン及びトリプシンが含まれる。適切な濃度は、0.01%から10%W/Vである。当該分野の当業者は、賦活剤が含まれるべきかどうかを容易に決定することができる。
【0188】
投与
いくつかの実施形態において、組成物の投与は、治療的に効果的な量の組成物の少なくとも一部を、少なくとも1つの粘膜上に投与することを備える。いくつかの実施形態において、組成物の投与は、治療的に効果的な量の組成物の少なくとも一部を、少なくとも1つの鼻孔中に噴霧することを備える。いくつかの実施形態において、組成物の投与は、治療的に効果的な量の組成物の少なくとも一部を、それぞれの鼻孔中に噴霧することを備える。いくつかの実施形態において、組成物の投与は、組成物の第1の量を第1の鼻孔中に噴霧すること、組成物の第2の量を第2の鼻孔中に噴霧すること、及び任意に事前に選択した時間遅延の後、組成物の第3の量を第1の鼻孔中に噴霧することを備える。いくつかの実施形態は、任意に事前に選択した時間遅延の後、少なくとも組成物の第4の量を第2の鼻孔中に投与することを更に備える。
【0189】
アルプラゾラム
アルプラゾラムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.5から約4まで、好ましくは約1から約2mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。アルプラゾラムは、米国特許第3,987,052号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0190】
経鼻製剤として、アルプラゾラムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、アルプラゾラムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。いくつかの実施形態において、第1の計量スプレーは第1の鼻孔に適用され、必要であれば第2の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの任意の実施形態において、第3の計量スプレーが第1の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、第4の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、患者に全ての標的治療量が投与されるまで、追加の計量スプレーが、交互の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の同じ鼻孔への適用の間に、数秒から5分間、好ましくは約10秒から約1分間の時間の増加分がある。これにより、薬が鼻粘膜を通過し、血流中に入る時間が与えられる。任意に時間間隔で区切る、それぞれの鼻孔への計量スプレーの多数回適用は、ベンゾジアゼピン薬を血流中に全て吸収することを可能にするために十分少しずつ、全治療量を投与することを可能とし、喉の奥の下への薬の損失を避けることができる。
【0191】
ジアゼパム
ジアゼパムの投薬量は、指示により異なり得るが、しかしながら、治療量は投与量あたり約1から約20まで、好ましくは約2から約10mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。ジアゼパムは、米国特許第3,371,085号、第3,109,843号、第3,136,815号、又は第3,102,116号の1つに開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0192】
経鼻製剤として、ジアゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、ジアゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。いくつかの実施形態において、第1の計量スプレーは第1の鼻孔に適用され、必要であれば第2の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの任意の実施形態において、第3の計量スプレーが第1の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、第4の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、患者に全ての標的治療量が投与されるまで、追加の計量スプレーが、交互の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の同じ鼻孔への適用の間に、数秒から5分間、好ましくは約10秒から約1分間の時間の増加分がある。これにより、薬が鼻粘膜を通過し、血流中に入る時間が与えられる。任意に時間間隔で区切り、それぞれの鼻孔への計量スプレーの多数回適用は、ベンゾジアゼピン薬を血流中に全て吸収することを可能にするために十分少しずつ、全治療量を投与することを可能とし、喉の奥の下への薬の損失を避けることができる。
【0193】
フルラゼパム
フルラゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約5から約40まで、好ましくは約20から約35mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。フルラゼパムは、米国特許第3,567,710号、又は第3,299,053号の1つに開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0194】
経鼻製剤として、フルラゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、フルラゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。いくつかの実施形態において、第1の計量スプレーは第1の鼻孔に適用され、必要であれば第2の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの任意の実施形態において、第3の計量スプレーが第1の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、第4の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、患者に全ての標的治療量が投与されるまで、追加の計量スプレーが、交互の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の同じ鼻孔への適用の間に、数秒から5分間、好ましくは約10秒から約1分間の時間の増加分がある。これにより、薬が鼻粘膜を通過し、血流中に入る時間が与えられる。任意に時間間隔で区切る、それぞれの鼻孔への計量スプレーの多数回適用は、ベンゾジアゼピン薬を血流中に全て吸収することを可能にするために十分少しずつ、全治療量を投与することを可能とし、喉の奥の下への薬の損失を避けることができる。
【0195】
ロラゼパム
ロラゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約10まで、好ましくは約0.2から約1mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。ロラゼパムは、米国特許第3,296,249号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0196】
経鼻製剤として、ロラゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、ロラゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。いくつかの実施形態において、第1の計量スプレーは第1の鼻孔に適用され、必要であれば第2の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの任意の実施形態において、第3の計量スプレーが第1の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、第4の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、患者に全ての標的治療量が投与されるまで、追加の計量スプレーが、交互の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の同じ鼻孔への適用の間に、数秒から5分間、好ましくは約10秒から約1分間の時間の増加分がある。これにより、薬が鼻粘膜を通過し、血流中に入る時間が与えられる。任意に時間間隔で区切る、それぞれの鼻孔への計量スプレーの多数回適用は、ベンゾジアゼピン薬を血流中に全て吸収することを可能にするために十分少しずつ、全治療量を投与することを可能とし、喉の奥の下への薬の損失を避けることができる。
【0197】
メダゼパム
メダゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約10まで、好ましくは約0.2から約1mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。メダゼパムは、米国特許第3,243,427号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0198】
経鼻製剤として、メダゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、メダゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。いくつかの実施形態において、第1の計量スプレーは第1の鼻孔に適用され、必要であれば第2の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの任意の実施形態において、第3の計量スプレーが第1の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、第4の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、患者に全ての標的治療量が投与されるまで、追加の計量スプレーが、交互の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の同じ鼻孔への適用の間に、数秒から5分間、好ましくは約10秒から約1分間の時間の増加分がある。これにより、薬が鼻粘膜を通過し、血流中に入る時間が与えられる。任意に時間間隔で区切る、それぞれの鼻孔への計量スプレーの多数回適用は、ベンゾジアゼピン薬を血流中に全て吸収することを可能にするために十分少しずつ、全治療量を投与することを可能とし、喉の奥の下への薬の損失を避けることができる。
【0199】
メキサゾラム
メキサゾラムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約10まで、好ましくは約0.2から約1mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。メキサゾラムは、米国特許第3,722,371号に開示される工程を用いて製造され、これは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0200】
経鼻製剤として、メキサゾラムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、メキサゾラムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。いくつかの実施形態において、第1の計量スプレーは第1の鼻孔に適用され、必要であれば第2の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの任意の実施形態において、第3の計量スプレーが第1の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、第4の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、患者に全ての標的治療量が投与されるまで、追加の計量スプレーが、交互の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の同じ鼻孔への適用の間に、数秒から5分間、好ましくは約10秒から約1分間の時間の増加分がある。これにより、薬が鼻粘膜を通過し、血流中に入る時間が与えられる。任意に時間間隔で区切る、それぞれの鼻孔への計量スプレーの多数回適用は、ベンゾジアゼピン薬を血流中に全て吸収することを可能にするために十分少しずつ、全治療量を投与することを可能とし、喉の奥の下への薬の損失を避けることができる。
【0201】
ミダゾラム
ミダゾラムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約0.1から約20まで、好ましくは約0.2から約10mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。ミダゾラムは、米国特許第4,280,957号、又は第5,831,089号の一つに開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0202】
経鼻製剤として、ミダゾラムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、ミダゾラムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。いくつかの実施形態において、第1の計量スプレーは第1の鼻孔に適用され、必要であれば第2の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの任意の実施形態において、第3の計量スプレーが第1の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、第4の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、患者に全ての標的治療量が投与されるまで、追加の計量スプレーが、交互の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の同じ鼻孔への適用の間に、数秒から5分間、好ましくは約10秒から約1分間の時間の増加分がある。これにより、薬が鼻粘膜を通過し、血流中に入る時間が与えられる。任意に時間間隔で区切る、それぞれの鼻孔への計量スプレーの多数回適用は、ベンゾジアゼピン薬を血流中に全て吸収することを可能にするために十分少しずつ、全治療量を投与することを可能とし、喉の奥の下への薬の損失を避けることができる。
【0203】
テマゼパム
テマゼパムの投薬量は、指示により異なるが、治療量は投与量あたり約1から約50まで、好ましくは約5から約30mgまでの範囲内で、1日あたり1から8、好ましくは2から8、いくつかの好ましい実施形態においては約4から約6回の範囲内であることが予期される。テマゼパムは、米国特許第3,340,253号、又は第3,374,225号に開示される工程を用いて製造され、これらのそれぞれは全体として参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0204】
経鼻製剤として、テマゼパムは、25から250μLの計量スプレーで投与され得る。いくつかの好ましい実施形態において、テマゼパムは、50から150μL、特に約100μLの計量スプレーで投与される。いくつかの実施形態において、第1の計量スプレーは第1の鼻孔に適用され、必要であれば第2の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの任意の実施形態において、第3の計量スプレーが第1の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、第4の計量スプレーが第2の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、患者に全ての標的治療量が投与されるまで、追加の計量スプレーが、交互の鼻孔に適用される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピン薬の同じ鼻孔への適用の間に、数秒から5分間、好ましくは約10秒から約1分間の時間の増加分がある。これにより、薬が鼻粘膜を通過し、血流中に入る時間が与えられる。任意に時間間隔で区切る、それぞれの鼻孔への計量スプレーの多数回適用は、ベンゾジアゼピン薬を血流中に全て吸収することを可能にするために十分少しずつ、全治療量を投与することを可能とし、喉の奥の下への薬の損失を避けることができる。
【0205】
当該分野の当業者は、前述の疾患を処置するためのベンゾジアゼピン薬の、体系的な治療的に効果的な量は、疾病の重症度だけでなく、患者の年齢、大きさ、体重、及び一般的な健康状態によって異なるということを承知している。投与の頻度も同様に、組成物の製剤によって異なり、1日当たり任意の数の投与量が用いられるよう調整されることができる。
【0206】
実施例
本発明はこれより、以下の例示的な、非限定の実施例を参照して示される。
【0207】
実施例1
ジアゼパムを備える医薬組成物が調製される。それは経鼻送達装置を介して送達されるための溶液として処方される。組成物は、成人のてんかんと関連する発作を処置又は予防するために用いられる。処置は、発作が始まった前又は後のいずれかで実施される。患者が発病している場合、それは、任意の経鼻送達装置からの1パフ(5.0mg/パフ(5.0mg/0.1mL、及び、0.1mL/パフ)で1パフ)として、5分毎に、発作の停止まで投与される。しかしながら、それは、それぞれの鼻孔中に鼻孔当たり1パフ(2.5mg/パフ(5.0mg/0.1mL、及び、0.05mL/パフ)で2パフ)として、5分毎に、発作の停止まで与えられ得る。この実施例による組成物は、以下の表に示される。
【0208】
【表1】

【0209】
実施例2
ジアゼパムを備える医薬組成物が調製される。それは、経鼻送達装置を介して送達されるための溶液として処方される。組成物は、小児のてんかんと関連する発作を処置又は予防するために用いられる。処置は発作が始まった前又は後のいずれかで実施される。患者が発病している場合、それは、経鼻送達装置からの1パフ(2.0mg/パフ(2.0mg/0.1mL、及び、0.1mL/パフ)で1パフ)として投与される。発作が中止しない場合、5分後もう1投与量が投与され得る。しかしながら、それは、それぞれの鼻孔中に鼻孔当たり1パフ(1.0mg/パフ(2.0mg/0.1mL、及び、0.05mL/パフ)で2パフ)として与えられることができる。発作が中止しない場合、5分後もう1投与量が投与され得る。この例による組成物は以下の表に示される。
【0210】
【表2】

【0211】
実施例3−ジアゼパム溶液の製剤
一般的に、ベンゾジアゼピン溶液は、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノールと1以上の低級アルコール又はグリコールを混合して、均一混合物が形成されるまで混ぜ合わせ、その均一混合物にベンゾジアゼピン薬を加え、ベンゾジアゼピン薬が均一混合物中に完全に溶解するまで成分を熱し及び混ぜ合わせ、混合物を冷却し、混合物を低級アルコール又はグリコールで、最終質量又は容量へともたらすことにより処方され得る。
【0212】
前述の工程により、2つの異なるジアゼパム溶液が処方された。ビタミンE USP及び無水エタノール USPが以下の表に示される量で加えられ、混ぜ合わされることにより均一混合物を形成した。以下の表に示される量のジアゼパムがその後、均一混合物に加えられた。成分は、ジアゼパムが完全に溶解するまで、40から45℃に混ぜ合わせながら熱せられ、その結果溶液を形成した。溶液は20から25℃に冷却され、その結果溶液は無水エタノール USPを用いて最終標的重量となり、溶液は均一性を確実にするため完全に混ぜ合わされた。溶液はその後製造工程の試験用にサンプル抽出され、3mLの琥珀色のガラスバイアルに入れられた。
【0213】
【表3】

【0214】
ジアゼパムの量と、ビタミンE及びエタノールの相対量を変えることにより、追加の様々な濃度のジアゼパム溶液が同様の方法で作られる。他のベンゾジアゼピン溶液は、ジアゼパムの代わりに1以上のベンゾジアゼピンを使うことにより作られる。アルキルグリコシドなどの他の成分が、工程の適切な段階で(例えば、ベンゾジアゼピンの添加の前又は添加と同時に)加えられ得る。
【0215】
実施例4−ジアゼパム懸濁液の製剤
一般的に、ベンゾジアゼピン懸濁液は、ベンゾジアゼピンを微粒子化し、ベンゾジアゼピンを担体と混合することにより処方される。担体は、1以上の低級アルコール又はグリコールを水と混合し、天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノールを加え、トコフェロール又はトコトリエノールが溶解するまで混合物を熱し、1以上のパラベンを加えてパラベンが溶解するまで混ぜ合わせ担体を冷却することにより、調製される。ベンゾジアゼピンが担体に加えられるとすぐに、界面活性剤などの追加の賦形剤が任意に加えられ、担体中に溶解されることができる。懸濁液はその後、水を用いて最終質量又は容量へともたらされる。
【0216】
2つの異なるベンゾジアゼピン懸濁液が、前述の一般的な工程により処方された。2つの異なるジアゼパムの粒径が調製され、それらは、A:高圧微粒子化により調製される小さい粒径、及びB:低圧微粒子化により調製される大きい粒径である。担体は、プロピレングリコールUSPと、精製水USPとを混合し、その後ビタミンEポリエチレングリコールスクシネートNFを加え、その後混合された成分を約45℃に混ぜ合わせ及び熱することにより調製された。混ぜ合わせることはビタミンEポリエチレングリコールスクシネートが完全に溶解するまで続けられた。担体はその後、20から25℃に冷却された。微粒子化されたジアゼパム(A及びB)はその後担体に加えられ、ジアゼパムが完全に担体中に分散するまで強く混ぜ合わされた。ポリビニルピロリドンポビドンUSP/NFがその後混合物に加えられ、完全に溶解するまで混ぜ合わされた。懸濁液はその後、精製水USPを用いて重量へともたらされた。懸濁液はその後、均一になるまで混ぜ合わされ、製造工程の試験用にサンプル抽出され、3mLの琥珀色のガラスバイアルに入れられた。
【0217】
【表4】

【0218】
ジアゼパム及び任意に他の賦形剤の量を変えることにより、追加の様々な濃度のジアゼパムの懸濁液が、同様の方法で作られる。他のベンゾジアゼピン懸濁液は、ジアゼパムの代わりに1以上のベンゾジアゼピンを使うことにより作られる。アルキルグリコシドなどの他の成分が、工程の適切な段階で加えられることができる。例えば、アルキルグリコシドは、担体の配合中に担体に加えられ得、又はポビドンの添加と同時、或いは添加後に懸濁液混合物に加えられ得る。
【0219】
実施例5−ジアゼパム溶液及び懸濁液の安定性
溶液00及び02(実施例3)及び懸濁液01及び03(実施例4)が、25℃/60RH、30℃/65%RH、及び40℃/75%RHで安定した状態で提示された。4つの異なる製剤のそれぞれ1回分が、3mlのねじ蓋式の蓋を有するバイアルに入れられ、対応するアクチュエーターとともに、3つの保存条件で提示された。それらは、それらの対応するParticle Scienceの初期サンプル管理番号とともに、表1に列挙される。
【0220】
【表5】

【0221】
サンプルは、スプレー内容物の均一性、スプレー容量、ジアゼパム含有量、ジアゼパム関連物質、及びメチルパラベン並びにプロピルパラベンアッセイ(懸濁液サンプルのみ)を試験された。単位重量はUSP<755>毎として決定された。
【0222】
平均アッセイ値の概要及び他の全ての結果は、表5−4、5−5、5−6、及び5−7に与えられる。開始時点、1カ月及び3カ月時点での結果もまた、比較のために示される。個別のスプレー内容物の均一性の結果は、表5−8、5−9、5−10、5−11、5−12、5−13、5−14、及び5−15に与えられる。
【0223】
一般的に、アッセイの全て及び他の結果は、ジアゼパム関連化合物A及びBを除いて、初期データと同様である。
【0224】
関連化合物Aは、いくつかのサンプルについて、多くて(NMT)0.01%という仕様を満たさなかった(表2を参照)。関連化合物Aは、時間及び温度とともに増大した。
【0225】
【表6】

【0226】
関連化合物Bもまた、時間及び温度とともに増大しており、現状では懸濁液及び1つの溶液製剤の両方について、40℃でNMT0.1%の仕様に満たない。製剤2602のみが、全ての不純物の仕様を満たす。
【0227】
【表7】

【0228】
【表8】

【0229】
【表9】

【0230】
【表10】

【0231】
【表11】

【0232】
【表12】

【0233】
【表13】

【0234】
【表14】

【0235】
【表15】

【0236】
【表16】

【0237】
【表17】

【0238】
【表18】

【0239】
【表19】

【0240】
実施例6
実施例3及び4に記載される溶液及び懸濁液の全ては、本明細書中に記載される追加の適当量のアルキルグリコシド、例えば、ドデシルマルトシド、テトラデシルマルトシド、スクロースドデカノエイト、スクロースモノステアリン、スクロースジステアリン、及び/又は2又はそれより多いそれらの組合せ、あるいはAegis Terapeutics,サンディエゴ、カリホルニアにより市販されているIntravail(登録商標)等と共に製剤される。添加されたアルキルグリコシドを備える溶液及び懸濁液は、変更すべきところは変更して、実施例5に記載されるように安定性を加える。
【0241】
実施例7
実施例3、4及び6の溶液及び懸濁液は、適切な動物モデル例えば、マウス、ラット、ウサギ又は犬等で薬物動態を評価される。先ず、夫々の動物(例えば、ウサギ)がベンゾジアゼピン薬の量を静脈内投与される。静脈内投与されたベンゾジアゼピン薬の量は、より少ない量が選択され、例えば、鼻腔内投与に効果的な投与量と判断される量のおおよそ半分が選択される。例えば、ウサギに投与されるジアゼパムの静脈内投与量は、約0.05から0.2mg/kg、例えば、約0.1mg/kgである。投与前及び投与後特定時間で血液が直ちに採血される。血漿中の薬物レベルが、夫々の血液サンプルでアッセイされる。少なくとも1日の休薬期間の後、夫々の動物は、実施例3、4及び6に記載される溶液又は懸濁液の量を静脈内に投与される。血液は、投与前及び静脈内投与後と略同じ特定時間に、直ちに採血された。薬物動態曲線は(時間に対する薬物の血漿中濃度)、投与の静注経路で構成されるとともに、鼻腔内投与経路で投与される溶液及び懸濁液の夫々で構成される。
【0242】
毒性は、既知の方法により評価される。特に、組織学的試料は、試験動物の鼻粘膜組織から採取される。他の毒物学的方法が同様に任意に用いられる。
【0243】
実施例8
実施例3、4及び6の溶液及び懸濁液は、適切な動物モデル例えば、マウス、ラット、ウサギ又は犬等での血液脳関門を越えて薬物を送達する能力が評価される。夫々の動物は、血液脳関門を通過する薬物の能力を決定するために、代用品として使用される造影剤例えば色素を任意に含む溶液又は懸濁液で、実施例3、4及び6に記載の溶液又は懸濁液の量を鼻腔内に投与される。薬物又は造影剤がどのように血液脳関門を通過するのかを決定するために、懸濁液又は溶液の投与後、溶液又は造影剤が選択時間点で検出される。これらの結果は、薬物又は造影剤を含む静脈注射用の溶液で得られた類似の結果と比較された。
【0244】
実施例9
上記の溶液及び/又は懸濁液は、ヒトにおける薬物動態で評価され得る。通常、健康なヒト被験者は、薬物の量を静脈内投与される。静脈内投与に選択される量は、任意の量であるが、人の発作を処置するのに効果的と考えられるに都合のよい投与量である。ヒトに投与されるジアゼピンの静脈内投与は、1から15mgの範囲であり、例えば約7.5mgである。血液は、投与前及び投与後の選択時間点で直ちに採血される。薬物の血漿中濃度が、血液試料の夫々でアッセイされる。少なくとも1日の休薬期間の後、夫々の被験者は、本明細書中に記載される溶液又は懸濁液の量を、静脈内に投与される。血液は、投与前及び静脈内投与後の略同じ特定時間に、直ちに採血される。静脈注射時点と略同じ投与後時点で直ちに採血される。薬物動態曲線は(時間に対する薬物の血漿中濃度)、静脈投与経路及び鼻腔内投与経路で構成される。
【0245】
実施例10
上記溶液及び/又は懸濁液は、適切な動物モデルで有効性が評価される。手短に言うと、試験される溶液又は懸濁液の各投与量に対して、試験動物が、発作誘発刺激で刺激される。刺激は、光刺激、音刺激、化学刺激又は他の刺激であり、効果的にモデル動物において発作を誘導する。動物は、発病するとすぐに、本明細書中に記載される溶液又は懸濁液が、動物に鼻腔内投与される。溶液及び/又は懸濁液の投与量の有効性は、試験投与量に対する動物の反応に基づいて評価される。この手段は、十分量の反復を介して繰り返され、十分な数の投与で繰り返され、薬物の鼻腔内投与により発作を処置するに効果的と考えられる投与量が確認される。
【0246】
本発明の好適な実施形態は、本明細書中に示され、記載されているが、このような実施形態が、限定されることなく提供されることは、当該分野の当業者にとって明らかである。多くの変化、変更、及び置換は、本発明から逸脱することなく、当該分野の当業者に思い浮かぶだろう。本明細書中に記載される本発明の実施形態の様々な代替は、本発明を実行するのに使用されることを理解されるべきである。次の請求項は、本発明の範囲、これら請求項の範囲内の方法及び構造を規定し、それら等価物はそれらによりカバーされることを目的とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経鼻投与用の医薬組成物であって、
該組成物は、患者の1以上の鼻粘膜への投与用の薬学的に許容可能な製剤中に、
(a)ベンゾジアゼピン薬と、
(b)約30%から約95%(W/W)までの量の1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、
(c)約10%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せと、を備えることを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
前記ベンゾジアゼピン薬は、約30%から約95%(W/W)までの量の1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せ、及び約10%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せに溶解されることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記ベンゾジアゼピン薬は、アルプラゾラム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼパム、デモキサゼパム、ジアゼパム、フルマゼニル、フルラゼパム、ハラゼパム、ミダゾラム、ノルダゼパム、メダゼパム、ニトラゼパム、オキサゼパム、メダゼパム、ロラゼパム、プラゼパム、クアゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、ロプラゾラム、これらの任意の薬学的に許容可能な塩、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記ベンゾジアゼピン薬は、ジアゼパム又はその任意の薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せを備えることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記ベンゾジアゼピンナノ粒子は、約5000nm未満の有効平均粒径を備えることを特徴とする請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノールは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、トコフェルソラン、それらの任意の異性体、それらの任意のエステル、それらの任意のアナログ又は誘導体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記1以上のアルコールは、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ベンジルアルコール、それらの任意の異性体、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記1以上のグリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、それらの任意の異性体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記ベンゾジアゼピン薬は、約1mg/mLから約600mg/mLまでの濃度で、前記医薬組成物中に存在することを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記ベンゾジアゼピン薬は、約10mg/mLから約250mg/mLまでの濃度で、前記医薬組成物中に存在することを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記ベンゾジアゼピンは、約20mg/mLから約50mg/mLまでの濃度で、前記医薬組成物中に存在することを特徴とする請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せは、約45%から約85%(W/W)までの量であることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せは、約60%から約75%(W/W)までの量であることを特徴とする請求項13記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せは、約15%から約55%(W/W)までの量であることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せは、約25%から約40%(W/W)までの量であることを特徴とする請求項15記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記医薬組成物は、医薬品有効成分、賦活剤、賦形剤、及びpHを調節し、組成物を緩衝し、分解を防ぎ、そして外観、匂い、又は味を改善するために用いられる薬剤からなる群から選択される、少なくとも1つの付加的成分をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至16いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記薬学的に許容可能な製剤は、少なくとも約0.01%(W/W)のアルキルグリコシドを備えることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記薬学的に許容可能な製剤は、約0.01%から約1%(W/W)までのアルキルグリコシドを備えることを特徴とする請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
ベンゾジアゼピン薬で治療可能な疾患のある患者を処置する方法であって、
該方法は、
(a)ベンゾジアゼピン薬を含む経鼻投与用の医薬組成物と、約30%から約95%(W/W)までの量の、1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、及び約10%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せとを患者の1以上の鼻粘膜に投与する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記ベンゾジアゼピン薬は、約30%から約95%(W/W)までの量の1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せと、及び約10%から約70%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せに溶解されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記患者がヒトであることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記ベンゾジアゼピン薬は、アルプラゾラム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼパム、デモキサゼパム、ジアゼパム、フルマゼニル、フルラゼパム、ハラゼパム、ミダゾラム、ノルダゼパム、メダゼパム、ニトラゼパム、オキサゼパム、メダゼパム、ロラゼパム、プラゼパム、クアゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、ロプラゾラム、これらの任意の薬学的に許容可能な塩、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記ベンゾジアゼピン薬は、ジアゼパム又はその任意の薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記ベンゾジアゼピン薬は、ベンゾジアゼピンミクロ粒子、ナノ粒子、又はそれらの組合せを備えることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項26】
前記ベンゾジアゼピンナノ粒子は、約5000nm未満の有効平均粒径を備えることを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノールは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、トコフェルソラン、それらの任意の異性体、それらの任意のエステル、それらの任意のアナログ又は誘導体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項28】
前記1以上のアルコールは、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ベンジルアルコール、それらの任意の異性体、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項29】
前記1以上のグリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、それらの任意の異性体、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項30】
前記ベンゾジアゼピン薬は、約1mg/mLから約600mg/mLまでの濃度で、前記医薬組成物中に存在することを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項31】
前記ベンゾジアゼピン薬は、約10mg/mLから約250mg/mLまでの濃度で、前記医薬組成物中に存在することを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記ベンゾジアゼピン薬は、約20mg/mLから約50mg/mLまでの濃度で、前記医薬組成物中に存在することを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記医薬組成物が、約45%から約85%(W/W)までの量の1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備えることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項34】
前記医薬組成物が、約60%から約75%(W/W)までの量の1以上の天然又は合成トコフェロールもしくは天然又は合成トコトリエノール、あるいはそれらの任意の組合せを備えることを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記医薬組成物が、約15%から約55%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備えることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項36】
前記医薬組成物が、約25%から約40%(W/W)までの量の1以上のアルコール又はグリコール、あるいはそれらの任意の組合せを備えることを特徴とする請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記組成物は、医薬品有効成分、賦活剤、賦形剤、及びpHを調節し、組成物を緩衝し、分解を防ぎ、そして外観、匂い、又は味を改善するために用いられる薬剤からなる群から選択される、少なくとも1つの付加的成分を備えることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項38】
前記組成物は、薬学的に許容可能なスプレー製剤中に存在することを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項39】
前記ベンゾジアゼピンが、約1mgから約20mgまでの治療的に効果的な量で、投与されることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記医薬組成物は、約10μLから約200μLまでの量を有する薬学的に許容可能なスプレー製剤中に存在することを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記医薬組成物の投与は、前記ベンゾジアゼピンの治療的に効果的な量の少なくとも一部を、少なくとも1つの鼻孔中に噴霧する工程を備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記医薬組成物の投与は、前記ベンゾジアゼピンの治療的に効果的な量の少なくとも一部を、夫々の鼻孔中に噴霧する工程を備えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項43】
前記医薬組成物の投与は、第1の量の前記医薬組成物を第1の鼻孔中に噴霧する工程と、第2の量の前記医薬組成物を第2の鼻孔中に噴霧する工程と、任意に、事前に選択した時間遅延の後、第3の量の前記医薬組成物を前記第1の鼻孔中に噴霧する工程を備えることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項44】
任意に事前に選択した時間遅延の後、少なくとも第4の量の前記医薬組成物を前記第2の鼻孔の中へ投与する工程をさらに備えることを特徴とする請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記医薬組成物の経鼻投与は、前記医薬組成物により処置可能となり得る疾患の症状の発病前又は発病後の任意の時点で開始することを特徴とする請求項43記載の方法。
【請求項46】
前記薬学的に許容可能な製剤は、少なくとも約0.01%(W/W)のアルキルグリコシドを備えることを特徴とする請求項20記載の組成物。
【請求項47】
前記薬学的に許容可能な製剤は、約0.01%から約1%(W/W)までのアルキルグリコシドを備えることを特徴とする請求項21記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2011−516425(P2011−516425A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502124(P2011−502124)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/038696
【国際公開番号】WO2009/121039
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(510258625)ヘイル バイオファーマ ベンチャーズ,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】