説明

ベーン型ポンプおよび冷媒回路

【課題】起動時にベーンをシリンダ内周壁に張り出すことができるベーン型ポンプと、これを利用した冷媒回路とを提供する。
【解決手段】楕円筒状のシリンダ11内に放射状に形成された複数のベーン溝12aを有するロータ12を回転可能に設け、このベーン溝12aの各々にロータ半径方向に移動可能なベーン13を設け、吐出口11aからベーン溝底部12bへの連通経路14cを設けたベーン型ポンプ1において、吐出口11aと吸入口11bとの間に通常時閉のバイパス経路15を設け、前記ロータ12の駆動モータ16を設け、ロータ12の駆動開始後にバイパス経路15が開き、吐出口11aの圧力が吸入口11bの圧力より高くなったらバイパス経路15が閉じる開閉弁15aおよび逆止弁15bを設けたものである。また、このベーン型ポンプ1を備えた冷媒回路である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイパス構造を有するベーン型ポンプと、それを用いた冷媒回路とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、楕円筒状のシリンダ内に放射状に形成された複数のベーン溝を有するロータを回転可能に設け、このベーン溝の各々にロータ半径方向に移動可能なベーンを設けて構成されたベーン型ポンプが知られている。このベーン型ポンプは、ベーン溝底部に供給される潤滑油を、冷媒ガスの吐出圧で加圧することで、圧縮機起動時のベーンの飛び出しを良くしていた。
【0003】
しかし、ベーン溝底部に供給される潤滑油を冷媒ガスの吐出圧で加圧する場合、吐出圧が高くなっていないとベーンの飛び出し性か悪くなってしまうことが懸念される。
【0004】
そこで、従来より、このベーン型ポンプにおいて、起動時にベーンをシリンダ内周壁に張り出させるために、吐出圧によらない高圧冷媒をベーン溝底部に供給する構成が公知となっている。
【0005】
例えば、特許文献1には、起動時にベーンがロータの半径方向に飛び出したときに生ずるベーンとベーン溝底部との隙間に流れ込む冷媒が、ベーンのベーン溝底部への復帰により圧縮されて高圧となるので、この高圧冷媒を他のベーン溝底部に導く構成にすることによってベーンを張り出させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4095869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1記載のベーン型ポンプの場合、起動時にベーンがシリンダ内を十分に仕切れないまでもロータの半径方向に飛び出すことが前提となっており、ベーンの飛び出し量が不十分な場合には、対応できない可能性がある。
【0008】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであって、ベーンとベーン溝底部との間に流れ込む冷媒によらないで起動時にベーンをシリンダ内周壁に張り出させることができるベーン型ポンプと、これを利用した冷媒回路とを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明のベーン型ポンプは、楕円筒状のシリンダを設け、このシリンダ内に放射状に形成された複数のベーン溝を有するロータを回転可能に設け、このベーン溝の各々にロータ半径方向に移動可能なベーンを設け、吐出口からベーン溝底部への連通経路を設けたベーン型ポンプにおいて、吐出口と吸入口との間に通常時閉のバイパス経路を設け、前記ロータの駆動手段を設け、ロータの駆動開始後にバイパス経路が開き、吐出口の圧力が吸入口の圧力より高くなったらバイパス経路が閉じる調圧手段を設けたものである。
【0010】
上記ベーン型ポンプにおいて、ロータの駆動軸に、吐出ガス冷媒の膨張によって回転する膨張機を駆動手段として設けたものである。
【0011】
上記ベーン型ポンプにおいて、ロータの駆動軸に、電動機を駆動手段として設けたものである。また、上記ベーン型ポンプにおいて、ロータの駆動軸と電動機の出力軸とを磁気継手で連結したものである。
【0012】
また、上記課題を解決するための本発明の冷媒回路は、上記ベーン型ポンプを、第二圧縮機として備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように、本発明によると、ベーン型ポンプの起動時は、ベーンの張り出しが不十分なためポンプ自体が圧力損失の原因となって吐出口圧力が吸入口圧力よりも低くなる現象が生じる。このときにバイパス経路の調圧手段によって吐出口と吸入口とを一時的にパイパスすることにより、吐出口には、圧力損失を受ける前の吸入口圧力が働き、この吐出口を通じてベーン溝底部にも吸入圧力が働いてベーンをシリンダ内周壁に張り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るバイパス構造を有するベーン型ポンプの全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係るベーン型ポンプの要部構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係るベーン型ポンプのシリンダに納まったロータ部分を示す平面図である。
【図4】図2に示すシリンダブロックのIV-IV線断面図である。
【図5】(a)および(b)は本発明に係るベーン型ポンプの他の実施の形態を示す概略図である。
【図6】本発明に係るベーン型ポンプの駆動連結状態を説明する断面図である。
【図7】図6のさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【図8】図7に示す本発明に係るベーン型ポンプを使用した冷媒回路図である。
【図9】図8に示す冷媒回路のモリエル線図である。
【図10】(a)は図7に示すベーン型ポンプを使用した冷暖房装置の概略図、(b)は図6に示すベーン型ポンプを使用した冷暖房装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0016】
図1ないし図4は本発明に係るベーン型ポンプ1の全体構成の概略を示している。
【0017】
すなわち、このベーン型ポンプ1は、楕円筒状のシリンダ11を設け、このシリンダ11内に放射状に形成された複数のベーン溝12aを有するロータ12を回転可能に設け、このベーン溝12aの各々にロータ12の半径方向に移動可能なベーン13を設け、吐出口11aからベーン溝底部12bへの連通経路14cを設けたものにおいて、吐出口11aと吸入口11bとの間に、開閉弁15aおよび逆止弁15bを有するバイパス経路15を設け、前記ロータ12の駆動モータ16を設け、ロータ12の駆動開始後にバイパス経路15が開き、吐出口11aの圧力が吸入口11bの圧力より高くなったらバイパス経路15が閉じるものである。
【0018】
シリンダ11は、内周面が楕円筒状に形成されており、内周壁面には吐出口11aと吸入口11bとが交互に二つずつ設けられている。吐出口11a同士と、吸入口11b同士とは、それぞれ対向する位置に設けられている。吐出口11aは、シリンダ11およびサイドブロック14に設けられた吐出路14aを介して圧縮した冷媒を外部に吐出することができるようになされている。吸入口11bもシリンダ11およびサイドブロック14に設けられた吸入路14bを介して冷媒をシリンダ11内に吸入することができるようになされている。このシリンダ11の底面に相当するシリンダ11のサイドブロック14には、円弧溝状に形成された背圧供給ポート14dが設けられている。この背圧供給ポート14dは、図4に示すように、吐出路14aとの間を連絡経路14cによって連絡されている。
【0019】
ロータ12は、シリンダ11内に装着可能な円柱状に形成されており、その中心には、回転軸取付穴12dが設けられて回転軸12cが取り付けられている。このロータ12は、シリンダ11内に装着される。ロータ12の外周面にはスリット状のベーン溝12aが放射状に形成されている。各ベーン溝12aには、ロータ12の半径方向に出没可能にベーン13が装着される。
【0020】
ベーン13は、ロータ12の回転による遠心力とベーン溝底部12bに作用するベーン背圧とによりロータ12の外周面からシリンダ11の内周面に向かって進退自在となっており、シリンダ11の内周面とロータ12の外周面とで形成される空間を、複数の圧縮室110に仕切っている。この際、ベーン溝底部12bに作用するベーン背圧は、シリンダ11およびサイドブロック14の吐出路14aから連絡経路14cを介して背圧供給ポート14dから供給される。このベーン背圧は、シリンダ11の内周面とロータ12の外周面との距離が離れた位置に来る一定角度の範囲内だけで作用するようになされている。したがって、背圧供給ポート14dは、上記した一定角度の範囲内に納まる円弧状に形成され、この一定角度の範囲内でベーン溝底部12bと連通して、ベーン溝底部12bにベーン背圧を作用させてベーン13をロータ12のベーン溝12aから突出させることができるようになされている。
【0021】
バイパス経路15は、吐出路14aと吸入路14bとの間を連絡するように設けられている。このパイパス経路15には、開閉弁15aと逆止弁15bとが直列に設けられている。
【0022】
開閉弁15aは通常時はバイパス経路15を閉じた状態に設定されている。
【0023】
逆止弁15bは、吸入路14b側から吐出路14a側へはバイパス経路15を流れるが、吐出路14a側から吸入路14b側へはバイパス経路15を流れない方向に設けられる。
【0024】
開閉弁15aを開いた状態での開閉弁15aと逆止弁15bとの圧力損失の合計は、吸入路14bから吐出路14aへとシリンダ11内を通過する際の圧力損失よりも小さくなるように設定されている。
【0025】
開閉弁15aと逆止弁15bとはどちらが流れの上流側に設けられても下流側に設けられても良い。
【0026】
開閉弁15aは、通常時は閉じた状態となっているが、ベーン型ポンプ1の起動時に開かれる。すなわち、このベーン型ポンプ1の起動時は、ベーン13の張り出しが不十分なためベーン型ポンプ1自体が圧力損失の原因となって吐出口11aの圧力が吸入口11bの圧力よりも低くなる現象が生じる。このときにバイパス経路15の開閉弁15aを開いて吐出路14aと吸入路14bとを一時的にパイパスすることにより、吐出口11aには、圧力損失を受ける前の吸入口11bの圧力が働き、この吐出口11aを通じてベーン溝底部12bにも吸入圧力が働いてベーン13をシリンダ11の内周壁に張り出すことができることとなる。
【0027】
ベーン13がシリンダ11の内周壁に張り出すことができるようになれば、ベーン型ポンプ1は正常に起動し始め、吐出口11aのある吐出路14a側の圧力が、吸入口11bのある吸入路14b側の圧力よりも高くなってくるので、この吐出路14a側の圧力が吸入路14b側の圧力よりも高くなったタイミングで開閉弁15aは閉じられる。このタイミングは、起動時から所定時間経過後に自動で閉じるものであってもよいし、起動後の運転状況を見て作業者が手動で閉じるものであってもよいし、ベーン型ポンプ1の吐出路14aと吸入路14bとにそれぞれ圧力センサ(図示省略)を設けておき、この圧力変化を察知して自動で閉じるものであってもよい。また、この場合の圧力センサ(図示省略)としては、特に専用に設けたものでなくても、ベーン型ポンプ1の吸入路14bのさらに上流側または吐出路14aのさらに下流側に設けられた他の目的の圧力センサ(図示省略)を利用するものであってもよい。
【0028】
開閉弁15aを閉じるタイミングが遅れたとしても、バイパス経路15には開閉弁15aに加えて逆止弁15bを設けているので、このバイパス経路15を介して吐出路14a側から吸入路14b側に冷媒が逆流するのを防止することができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、バイパス経路15には、開閉弁15aと逆止弁15bとを設けているが、開閉弁15aを閉じるタイミングを圧力センサ(図示省略)などによって計る構成とすることで、図5(a)に示すように、逆止弁15bを省略して開閉弁15aのみの構成としてもよい。
【0030】
また、図5(b)に示すように、逆止弁15bを残して開閉弁15aを省略した構成としてもよい。この場合、吸入路14b側の圧力が高い場合は、バイパス経路15から逆止弁15bを介して吐出路14a側と連通し、圧力が均等になるが、吐出路14a側の圧力が高くなった場合は、逆止弁15bが働くので、吸入路14b側へと逆流することは無い。また、吐出路14a側の圧力が高くなった場合は、吐出路14a側の高圧によって逆止弁15bが機能しなくなるので、開閉弁15aが無くても吸入路14b側からバイパス経路15を介して吐出路14a側へと冷媒が流れることをを防止でき、吸入路14b側からの冷媒をベーン型ポンプ1へと確実に流すことができる。
【0031】
さらに、本実施の形態では、バイパス経路15とこのバイパス経路15に設けられる開閉弁15aおよび/または逆止弁15bは、シリンダ11およびシリンダブロック14の外に延設された吐出路14aと吸入路14bとの間に接続されているが、シリンダ11やシリンダブロック14内に内装するように構成されたものであってもよい。
【0032】
駆動モータ16は、ロータ12の回転軸12cと駆動連結されている。この駆動連結は、ロータ12の回転軸12cと駆動モータ16の駆動軸16aとを直接連結するものであっても良いし、ロータ12の回転軸12cと駆動モータ16の駆動軸16aとの間でベルト駆動したり、チェーン駆動するものであってもよいし、ギアを歯合させて駆動するものであってもよい。駆動手段としては、駆動モータ16以外に、エンジン駆動によるものであってもよいが、回転数を任意に制御することを容易に行うことができるため、駆動モータ16を用いることが好ましい。
【0033】
また、駆動連結としては、図6に示すように、マグネットカップリング駆動するものであってもよい。このマグネットカップリング駆動において、駆動モータ16は、駆動軸16aの先端に円筒状のアウターマグ16bが固定されている。このアウターマグ16bの内周面には複数の永久磁石16cが設けられている。一方、シリンダ11のサイドブロック17から突出したロータ12の回転軸12cには、外周面にマグネット16dを設けた円筒状の回転子16eが設けられている。この回転子16eは、キャニスタ16f内に密閉される。このキャニスター16fは、アウターマグ16bの内部に非接触状態で挿入され、この状態で、回転子16eのマグネット16dとアウターマグ16bの永久磁石16cとが対向するようにセッティングされる。
【0034】
このマグネットカップリング駆動によると、ベーン型ポンプ1の回転軸12cの密封性を高めることができる。
【0035】
また、図7に示すように、圧縮された冷媒によって回転する膨張機10を、ベーン型ポンプ1の回転軸12cと同軸で構成し、駆動モータ16によるベーン型ポンプ1の駆動を、この膨張機10によって補助するようにしてもよい。この駆動アシスト機能付のベーン型複合ポンプ1aにおいて、膨張機10を構成するシリンダ10aは、ベーン型ポンプ1のシリンダ11との間にシリンダブロック18を介し、このシリンダブロック18と他面側に設けたシリンダブロック19とによってベーン型ポンプ1のシリンダ11やシリンダブロック17とともに固定される。この状態で膨張機10は、ベーン型ポンプ1が冷媒を圧縮する方向に回転した際に、冷媒を膨張させる方向に回転してロータ10bやベーン10cが機能するように構成される。図7において、図6と同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0036】
この駆動アシスト機能付のベーン型複合ポンプ1aによると、ベーン型ポンプ1によって圧縮した高圧冷媒で膨張機10を回転させ、この膨張機10の回転エネルギーをベーン型ポンプ1の駆動に利用するため、駆動を自己完結させることができ、駆動モータ16による駆動力の削減を図ることができることとなる。
【0037】
次に、この駆動アシスト機能付のベーン型複合ポンプ1aを用いた冷媒回路2について説明する。
【0038】
図8は、このベーン型複合ポンプ1aのベーン型ポンプ1の部分を、炭酸ガス冷媒を使用する冷媒回路2の補助圧縮機21として使用し、膨張機10の部分を膨張機22として使用した例を示している。
【0039】
冷房時に主圧縮機23で低圧から中圧に圧縮された冷媒ガスは、オイルセパレータ24、四方弁25を介して第一の室外放熱器26で放熱して冷却される。
【0040】
冷却された冷媒ガスは、補助圧縮機21で中圧から高圧に圧縮される。
【0041】
補助圧縮機21で高圧に圧縮された冷媒ガスは、第二の室外放熱器27で放熱して冷却された後、膨張機22で減圧膨張されて低圧となり、ブロック回路28からレシーバー29を経て熱交換器30で蒸発気化し、主圧縮機23へと流れ、以後同様に循環する。
【0042】
この際のモリエル線図は、図9に示すようになる。図9において、横軸はエンタルピ、縦軸は圧力を示している。主圧縮機23で低圧Plのa点から中圧Pmのb点まで圧縮された冷媒は、第一の室外放熱器26でc点まで放熱した後、補助圧縮機21で中圧Pmのc点から高圧Phのd点まで圧縮される。そして、第二の室外放熱器27でe点まで放熱した後、膨張機22で、低圧Plのf点まで減圧膨張され、熱交換器30で加熱された冷媒は、a点に戻る。
【0043】
このように二酸化炭素を冷媒として使用した場合、主圧縮機23と補助圧縮機21とによる二段階圧縮により放熱域を長くして運転効率を高めることができる。また、主圧縮機23で昇圧後、放熱してから補助圧縮機21で再度昇圧するため、主圧縮機23および補助圧縮機21のそれぞれに加わる昇圧前後の差圧を緩和でき、一段階圧縮の場合と比較して摺動ロスを低減して耐久性の向上を図ることができる。
【0044】
また、補助圧縮機21の駆動に要するエネルギーの一部は、膨張機22で冷媒が膨張する際に回転して発生するエネルギーによって補助することができることとなるので、補助圧縮機21の駆動に要するエネルギーを削減して冷媒回路2の省エネルギー化を図ることができる。
【0045】
なお、上記したように、冷媒回路2にベーン型複合ポンプ1aを用いた場合、補助圧縮機21と膨張機22とは、隣接した位置に設けられることとなるので、配管の取り回しが可能な冷媒回路2を構成しなければならない。したがって、このベーン型複合ポンプ1aを用いる場合、冷媒回路2は、図10(a)に示すように、チラー方式の冷暖房装置3に組み込まれる。この冷暖房装置3は、室内機31と熱交換機30との間を循環する熱媒体と、冷媒回路2を循環する冷媒との間で熱交換するように構成されており、冷媒回路2が納められた室外機33と熱交換機32とを、ともに室外に設けることができるので、上記したベーン型複合ポンプ1aを用いても、配管の取り回しが可能となる。
【0046】
また、上記した冷媒回路2では、ベーン型ポンプ1と膨張機10とを隣接して設けたベーン型複合ポンプ1aを使用しているため、チラー方式の冷暖房装置3を構成するようになされているが、図6に示す通常のベーン型ポンプ1を使用するのであれば、このようなチラー方式ではなく、図10(b)に示すように、膨張機22を室内機31に納めた直膨方式の冷暖房装置3aを構成するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
空調装置に利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 ベーン型ポンプ
11 シリンダ
11a 吐出口
11b 吸入口
12 ロータ
12a ベーン溝
12b ベーン溝底部
12c 回転軸
13 ベーン
14a 吐出路
14b 吸入路
15 バイパス経路
15a 開閉弁(調圧手段)
15b 逆止弁(調圧手段)
16 駆動モータ(駆動手段)
16a 駆動軸
16b アウターマグ(磁気継手)
16c 永久磁石(磁気継手)
16d マグネット(磁気継手)
16e 回転子(磁気継手)
16f キャニスタ(磁気継手)
2 冷媒回路
21 補助圧縮機(二次圧縮機)
22 膨張機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楕円筒状のシリンダを設け、このシリンダ内に放射状に形成された複数のベーン溝を有するロータを回転可能に設け、このベーン溝の各々にロータ半径方向に移動可能なベーンを設け、吐出口からベーン溝底部への連通経路を設けたベーン型ポンプにおいて、
吐出口と吸入口との間に通常時閉のバイパス経路を設け、前記ロータの駆動手段を設け、ロータの駆動開始後にバイパス経路が開き、吐出口の圧力が吸入口の圧力より高くなったらバイパス経路が閉じる調圧手段を設けたことを特徴とするベーン型ポンプ。
【請求項2】
請求項1記載のベーン型ポンプにおいて、ロータの駆動軸に、吐出ガス冷媒の膨張によって回転する膨張機を駆動手段として設けたことを特徴とするベーン型ポンプ。
【請求項3】
請求項1記載のベーン型ポンプにおいて、ロータの駆動軸に、電動機を駆動手段として設けたことを特徴とするベーン型ポンプ。
【請求項4】
請求項3記載のベーン型ポンプにおいて、ロータの駆動軸と電動機の出力軸とを磁気継手で連結したことを特徴とするベーン型ポンプ。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一記載のベーン型ポンプを、第二圧縮機として備えたことを特徴とする冷媒回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−270718(P2010−270718A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124510(P2009−124510)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】