説明

ペダルアセンブリの抵抗機構

ペダルに印加される抵抗力を生成するための抵抗機構及びモジュール(10)。抵抗モジュールは、ペダルによりプランジャーに対して印加される圧縮力に応答して休止及び押下げ位置の間でモジュール内で移動するように適合したプランジャー(70)を含む。プランジャーは、外部カム面を含む。アクチュエータ(100)もまたモジュールの内部に位置し、外部カム面に当接し、プランジャーの移動に応答してプランジャー上の外部カム面に対して滑動するように適合した外部カム面を含む。モジュール内のスプリング(94)は、アクチュエータに当接し、アクチュエータにバイアス力を印加するように適合される。プランジャーとアクチュエータの外部カム面の間の相互作用が、ペダルに印加される抵抗を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、本明細書に囲繞されるすべての文献と同様に参照により本明細書に組み込まれる2009年9月9日に出願された米国仮出願第61/276,210号の出願日と開示の利益を主張する。
【0002】
本発明は一般に、車両用ペダル、より具体的には車両用アクセルペダルアセンブリのペダル抵抗機構およびモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
今日使用されているいくつかの車両用ペダルアセンブリは機械的であり、通常、ペダルからの回転運動を有用な機械的運動に変換するケーブルまたは様々なギアおよびその他の伝動装置を組み込んでいる。他のペダルアセンブリは、機械的位置を電気信号に変換する位置センサーを組み込んでいる。自動車とトラックの分野では、しばしばボーデンケーブルと言われるケーブルを使用する機械ブラケットは、内燃機関のスロットルを制御するために使用される方法の1つである。これらのペダルアセンブリには望ましい感触と機能性があり、少しの改良により極めて信頼性が高くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、車両用ペダルアセンブリのために改良された抵抗またはキックダウン機構およびモジュールを対象としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は一般に、ペダルアセンブリの抵抗機構を対象としている。
【0006】
まず、抵抗機構はそれへの圧縮力に応答した押下げと直線運動に適応されるプランジャーを具備し、プランジャーは外側カム面を含有する。また、抵抗機構は、プランジャー上のカム面に当接する外側カム面を有し、プランジャーの直線運動に応答した直線運動に適応されるアクチュエータを具備する。さらに、抵抗機構は、アクチュエータに当接しバイアス力をアクチュエータに対し印加するために適応されるバイアス装置を具備する。
【0007】
本発明によれば、プランジャーとアクチュエータのカム面はそれぞれプランジャーに印加される圧縮力とアクチュエータに対し印加されるバイアス力に応答して相互に対し滑動し、プランジャーによりペダルアセンブリに印加される抵抗力の創造と調整を可能にする。
【0008】
1つの実施例において、抵抗機構はプランジャー、アクチュエータおよびバイアス装置のための内部筐体を規定する分離したモジュールまたはカートリッジを具備し、モジュールはペダルアセンブリのペダル中に規定されるキャビティの内部に固定される。
【0009】
1つの実施例において、プランジャーとアクチュエータの両方はモジュール中に規定される第1と第2の各々のキャビティ内の直線運動に適応され、アチュエータはモジュールの第1キャビティ中のプランジャーに対しある角度でモジュール中の第2キャビティ中に配置される。
【0010】
さらに、1つの実施例において、プランジャーは各々の近接端と末端を含有する。近接端はモジュールの壁の1つの中に規定される開口部から突出し、末端はモジュールの壁の別の1つの中に規定される開口部から突出する。カム面は、プランジャーの側面上に規定される。アクチュエータは、各々の内面と外面を含有する。アクチュエータ上のカム面は外面上に規定され、バイアス装置はアクチュエータの内面に対し当接する。
【0011】
さらに、1つの実施例において、モジュールは内面を規定し、アクチュエータはモジュールの内面に対し滑動するように適応される外面をそれぞれが有する少なくとも第1と第2のアームを有する。
【0012】
さらに、1つの実施例において、プランジャーとアクチュエータの各カム面はそれぞれ、プランジャーによりペダルに印加される抵抗力を生成するために相互に作用、協働する相互接続された複数の傾斜した区分を有する。
【0013】
1つの実施例において、プランジャー上の複数のカム区分の少なくとも2つは、アクチュエータ上の複数のカム区分の少なくとも2つに対し当接、滑動する。
【0014】
本発明には他の利点と特長があり、それらは次の本発明の実施例の詳細な説明、図面および添付の特許請求の範囲からより容易に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書の一部を成す添付の図面において、その中の同様の番号は図面を通じて同様の部分を指定するために採用されている。
【図1】図1は、本発明によるペダル抵抗機構およびモジュールの拡大斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すペダル抵抗機構およびモジュールのプランジャー、アクチュエータおよびスプリングバイアス装置の拡大分解斜視図である。
【図3】図3は、車両ペダルの内部キャビティ中に固定された図1のペダル抵抗機構およびモジュールの斜視図である。
【図4】図4は、図3に示すペダルを組み込んだペダルアセンブリの側面図である。
【図5−9】図5−9は図1に示すペダル抵抗機構およびモジュールの拡大縦断面図であり、その筐体内のプランジャーの移動に応答してその中の各々の異なる直線位置でその構成要素を生成するプランジャーとそれに関連する抵抗を描写している。
【図10】図10は、図1に示す抵抗機構およびモジュールのペダル力対プランジャー移動のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、車両用ペダルひいては車両の運転手の足に印加される抵抗力の調整を生成、適用し可能にする、本発明によるペダル抵抗またはキックダウン機構およびモジュール10を示す。ペダルは、図3と4に示す形態のアクセルペダルとなり得る。
【0017】
抵抗またはキックダウン機構およびモジュール10は、1つの実施例において図2に示す形態のペダルアーム200の下側面220中に規定される内部キャビティ250中に圧入、保持されるように適応される概して長方形の筐体またはケースまたはカートリッジ20を有する。次に、ペダルアーム200は図4に示すアクセル形態のペダルアセンブリ300の中で連結、使用されるように適応され、そこではペダルアーム200はベース340の方向への車両の運転手の足によるペダルアーム200の押下げに応答して筐体320に対する回転のために連結、適応される。ベース340は、ペダルアーム200と対向側、より具体的にはペダルアーム200中に固定されるキックダウン機構およびモジュール10と対向側に位置する。キックダウン機構およびモジュール10のプランジャー70はベース340と接触するペダルアーム200の回転に応答してベース340の上面の隆起し傾斜した停止部350に接触するように適応され、下により詳細に説明するようにキックダウン機構およびモジュール10の駆動を起こさせる。
【0018】
図1を再び参照するが、1つの実施例において、筐体20は機械加工スチールで形成されている場合がある。別の実施例において、筐体20は成形プラスチックで形成されている場合もある。筐体20は、対向する概して水平配向の上下の面または側または壁26と28、対向する概して垂直配向の前後の側または面または壁30と32および対向する概して垂直配向の端の側または面または壁34と36を有する6つの外の側または面または壁を規定する(図2)。
【0019】
端壁34(図1および5〜9)は、下により詳細に説明するようにプランジャー70のフィンガー88の細長い開口部(図示なし)を規定する。前壁30は、狭領域33と広領域35を有する開口部31を規定する。筐体20の左上隅とその端壁34に隣接した地点から筐体20の正反対に対向する右下隅とその対向する端壁36に隣接する地点まで延長し約45°の角度で下方に傾斜する開口部31は、筐体20の内部に規定される穴またはキャビティ38(図1および5〜9)中へ通じる。
【0020】
穴38は、対向する端側壁34と36の間をやはり延長し約45°の角度で下方に傾斜する少なくとも上下の対向する離間した概して平行の内面39と41のそれぞれにより規定される。
【0021】
概して正方形の開口部44(図1および5〜9)は、端壁34と上壁26を接合する筐体20の端に隣接する上壁26中に規定される。開口部44は、穴38の上端の中へ開口する円周状に延長し概して垂直配向の筐体内面50(図5〜9)により筐体20の内部に規定される概して垂直配向のキャビティ53(図5〜9)中へ延長する。従って、図に示す実施例において、内部キャビティ38と53は概して、相互に対し45°の角度で筐体20の内部に配置される。キャビティ53は、概してその上下壁26と28の間を延長する。
【0022】
さらに、上壁26は、開口部44と一体で、筐体20の端壁34の内面に規定されキャビティ53中へ開口する概して垂直配向の細長い内部チャネル(図示なし)中へ延長する小型の開口部48(図1)を規定する。
【0023】
さらに、抵抗またはキックダウン機構およびモジュール10は、筐体上下壁26と28に対し概して垂直の関係と方向での筐体20中の開口部44とキャビティ53の中およびそれらを通じての上下直線運動の往復のために取り付けられる細長い概して正方形のピストンまたはプランジャー70を具備する。プランジャー70は、成形プラスチックか機械加工スチールのいずれかで形成されている場合がある。プランジャー70は、対向する上下の離間した各々の末端72と74(図2と5〜9)および対向ずる前後の離間した各々のフェース76と78を含む4つの円周状に延長する側部フェースを有する。
【0024】
プランジャー70の後部フェース78は、そこから外部に突出しプランジャー70の各々の上下端72と74の間を延長する細長いリブまたはキー79(図1と2)を有する。さらに、後部フェース78、より具体的にはそのリブ79は、プランジャー70の下端74に隣接するリブ79の外面から概して垂直外部に突出する末端フィンガー88を規定し、そこで終端する。
【0025】
プランジャー70は概して、筐体上壁26に対し概して垂直となり垂直の筐体端壁34に隣接、平行する関係で垂直配向に取り付けられる。抵抗機構およびモジュール10の通常の外された配置では、プランジャー70の上端72は筐体20から、より具体的にはその上壁26中に規定される開口部44から突出する。プランジャー70の本体は、筐体内部キャビティ53を通じて延長する。下端74、より具体的にはプランジャー70のフィンガー88は、図5〜9に示すように筐体20の端壁34中に規定される開口部(図示なし)から外部に突出する。さらに、図1に示すように、リブ79は筐体20の上壁26中の開口部48により一部規定されるチャネル(図示なし)中へ延長し、筐体20中のキャビティ53を通じてのプランジャー70の直線運動を誘導する。
【0026】
図2および5〜9により詳細に示すように、プランジャー70の前部フェース76は、プランジャー70の前部フェース76に対し約45°の角度でプランジャーの後部フェース78の方向に後方およびプランジャー70の下端74の方向に下方に同時に傾斜し曲折するカム面80を有する。図示した実施例において、カム面80は前部フェース76沿いの概して中間の地点から開始し、プランジャー70の下端74に隣接した地点で終端する。
【0027】
プランジャーカム面80は、複数の曲折した概して平坦な相互接続されるカム面または区分82、84および86を有する。区分82はプランジャー70の垂直後壁78と末端74の方向にプランジャー70の概して垂直の前部フェース76から内部と下方に同時に曲折、傾斜する。区分84はプランジャー後部フェース78とその末端74の方向に区分82の下端から内部と概して下方に同時に曲折、傾斜する。また、区分86は垂直後壁78の方向に区分84の下端からプランジャー70の末端74中へと内部と下方に同時に曲折、傾斜する。
【0028】
従って、描写した実施例において、曲折した区分82と86はプランジャー前後フェース76と78に対し同じ角度で配置、配向される各々の端のカム区分を規定し、ひいては概して離間した平行の関係で相互に対し配置、配向される。カム区分84は、区分82と86と異なる角度でカム区分82と86の間を延長する。
【0029】
図2および5〜9の参照を継続するが、抵抗機構およびモジュール10はさらに筐体20の穴またはキャビティ38中にやはり位置するコイルスプリング94の形態のバイアス装置を具備し、下により詳細に説明するようにキャビティ53と筐体20からプランジャー70を次にバイアスするアクチュエータ100に対しバイアス力を発揮するように適応される。スプリング94は、対向する各々の近接端と末端96と98を有する。下に詳細に説明するように、末端98は筐体内部端壁42(図5〜9)に対し当接し、一方、近接端96はアクチュエータ100の内面に対し当接する。筐体端壁42は穴38の下端と筐体20の右下隅に位置し、穴38の各々の下面と上面39と41の下端の間を延長する。
【0030】
上に簡単に説明したように、抵抗機構およびモジュール10はさらに、中央ベース106の対向端から概して垂直外部に延長する正反対に対向するアーム102と104を有し、外側カム面107(図2および5〜9)をさらに有する概して単一でU形のアクチュエータ100(図2および5〜9)を具備する。アーム102と104の各々の内面は概して凹面で、スプリングバイアス装置94の末端96を受容、包含するように適応される。アクチュエータ100は、金属やプラスチックで形成され得る。
【0031】
アクチュエータ100は組立の工程で筐体20の前壁30中の開口部31の広領域35を通じて導入され、図5〜9に示すように外側カム面107がプランジャー70の前部フェース76上に規定される外側カム面80に対し当接し、アーム102の外面が筐体内面41に対し当接し、また、アーム104の外面が対向する筐体内面39に対し当接する関係となるように、筐体20の穴38中へ内部上方に押し込まれる。
【0032】
また、組立の工程では、コイルスプリング94は、上に説明したように端96がベース106の内面に対し当接してアクチュエータ100のアーム102と104の間に包含され、また、対向する末端98が筐体内壁42の面に対し当接する関係となるように、開口部31中に規定される狭領域と広領域33と35の両方を通じて筐体20中へ導入される。
【0033】
図示した実施例において、アクチュエータ100の外側カム面107は4つの異なる平坦で相互接続されるカム面区分110、112、114および116(図2および5〜9)を有し、そのうち区分112と114は下により詳細に説明するようにプランジャー70のカム面80上のカム区分82と84と相互作用し、それらに対し滑動するように適応される。
【0034】
区分110は、アクチュエータ100の上アーム102の外面の内端から概して下方外部に延長する。区分112は、区分110の下端から概して外部下方に延長する。区分114は、下アーム104の方向に区分112の下端から概して下方に延長する。区分116は区分114の下端から概して内部下方に延長し、アクチュエータ100の下アーム104の外面の内端中で終端する。
【0035】
本発明によれば、アクチュエータ100上のアクチュエータカム区分110と112は、相互に対し同じ角度と傾斜、また、プランジャー70のカム面80上のカム区分84と同じ角度と傾斜で配置、配向される。アクチュエータカム区分114は、プランジャー70のカム面80上のカム区分86と同じ角度と傾斜で配置、配向される。さらに、図示した実施例において、一方のアクチュエータカム区分110と112および他方のアクチュエータカム区分116は、相互および中央のアクチュエータカム区分114の各々の上下端から離れて分岐する。
【0036】
図5〜9を参照するが、プランジャー70がペダルアセンブリ300のベース340上の停止部350に接触するとき、プランジャー70はプランジャー70の端72に対する外部からの内向きの圧縮力の印加に応答して筐体壁26に対し概して垂直の方向に筐体20の内部に規定される開口部44の中へキャビティ53を通じて直線かつ垂直下方に滑動、移動するように適応される。
【0037】
スプリング94は、外部の圧縮力がプランジャー70の端72に印加されないとき、プランジャー70を筐体20から外部に駆動または移動させる自然のバイアス力を有する。
【0038】
外部の圧縮力がプランジャー70の端72に印加されないときの図1と5に示すような抵抗機構およびモジュール10およびプランジャー70の延長または静止位置では、スプリング94、より具体的には上に説明したようなスプリング94のバイアス力は、その端72が筐体20から突出し、プランジャー70のカム区分84がアクチュエータ100のカム区分112に対し当接し、また、プランジャー70の末端74の箇所のフィンガー88が筐体20の端壁34の全長の概して中間に位置する地点で筐体20の端壁34から外部に突出するショルダー49の外部フェースに対し当接するというバイアスの関係で、プランジャー70を保持する。
【0039】
十分な大きさの外部の圧縮力がプランジャー70の端72に対して印加されて(ペダルアーム200が押下げられベース340上の停止部350に接触する結果として)スプリング94の対向するバイアス力、当接するプランジャーおよびアクチュエータカム面84と112の各々の間の摩擦力ならびに当接するアクチュエータ、筐体内面、アーム39と104の各々および41と102の各々の対向する摩擦力の組合を凌駕すると、図6に示すようにプランジャー70が押下げられ(すなわち約0.5mmの間隔を筐体20中のキャビティ53中へ直線かつ内部下方に移動する)、アクチュエータ100を筐体内部端面42と筐体20の前端壁36の方向に筐体20中のキャビティ38中で直線下方に滑動させてスプリング94の圧縮を起こさせるように、プランジャーおよびアクチュエータカム面84と112の各々を相互に対し滑動させる。
【0040】
図6に示すように、プランジャー70の押下げにより、プランジャー70の末端74の箇所のフィンガー88は筐体20の後端壁34上に形成されるショルダー49から筐体20の下壁28の方向に約0.5mmの間隔を下方に移動する。
【0041】
本発明によれば、当接するカム面84と112の角度と傾斜は、上に説明したようなバイアス力と摩擦力を凌駕しプランジャー70の筐体20中への移動を起こすために必要な圧縮力の大きさを一部決定する。
【0042】
また、プランジャー70が押下げられると、上に説明したように少なくとも当接する各々のプランジャーとアクチュエータカム面の間の相互作用、スプリングバイアス力および表面摩擦力により、ペダル抵抗機構およびモジュール10はプランジャー70を通じてペダルアーム420中へ伝達されてユーザーの足に印加されるペダル抵抗力を創造、生成する。
【0043】
図7に示すように、プランジャー70が継続的に押下げられることにより(ペダルアーム200が継続的に押下げられるのに応答して)、プランジャーカム区分84の上端がアクチュエータカム区分112の下端に対し当接して(すなわちペダル抵抗力のピーク点)アクチュエータ100が筐体20のキャビティ38中へ、その筐体内面42の方向に下方かつ内部直線にさらに滑動して次にコイルスプリング94のさらなる圧縮を起こすという関係になるように、プランジャーカム区分84はアクチュエータカム区分112に関しおよび対し継続的に滑動する。
【0044】
図7に示すようにプランジャー70がキャビティ53中へ内部に約1mmの間隔を継続的に押下げられることにより、プランジャー70上のフィンガー88は筐体20上のショルダー49から離れて筐体下壁28の方向に約1mmの間隔をさらに下方へ移動する。
【0045】
図8に示すように、プランジャー70がさらに継続的に押下げられることにより(ペダルアーム200がさらに継続的に押下げられるのに応答して)、プランジャー70のカム区分84の上端はプランジャーカム区分82がアクチュエータカム区分114に対し隣接する関係で位置するという関係になるようにアクチュエータカム区分112の下端を通過して滑動し、アクチュエータ100を筐体キャビティ38中へ筐体内面42の方向にさらに内部下方に移動させて次にスプリング94のさらなる圧縮を起こす。
【0046】
図8に示すようにプランジャー70がキャビティ53中へ内部に約1.5mmの間隔をさらに継続的に押下げられることにより、プランジャー70上のフィンガー88は筐体20上のショルダー49から離れて筐体下壁28の方向に約1.5mmの間隔をさらに下方へ移動する。
【0047】
図9は、プランジャー70が筐体20のキャビティ53中へ内部に約6.5mmの間隔を、より具体的にはプランジャーカム区分82がアクチュエータカム区分114に対し完全に当接し、アクチュエータ100が筐体20のキャビティ38中へ完全に延長し、また、スプリング94がキャビティ38中で完全に圧縮された関係になるように移動した後の筐体29中のプランジャー70、アクチュエータ100およびスプリング94の位置を描写している。
【0048】
図9の位置では、プランジャー70の末端74の箇所のフィンガー88は、筐体後端壁34上のショルダー49から6.5mmの間隔を離れて位置する。
【0049】
どの図にも示していないが、プランジャー70に対して印加した圧縮力を放出することにより(ペダルアーム200上の圧力の放出を通じて)、スプリング94、より具体的にはその中のバイアス力がプランジャー70を図5に示し上に詳細に説明したような元の休止または停止位置に戻すことが理解されよう。
【0050】
モジュール10のペダル力対プランジャー70の移動のグラフが図10に示されている。上のグラフ線500は、図1と5の休止位置から図9の完全な押下げ位置までのプランジャー70の移動を可能にするようなペダルアーム200の回転によりペダル力対プランジャー移動の効果を表している。
【0051】
下のグラフ線600は、ユーザーがペダルアーム200から圧力を解除し、それによりプランジャー70上の圧力を解除してプランジャー70をその図9の位置からその図1と5の休止位置に戻すときのモジュール10のペダル力対プランジャー移動の効果を表している。
【0052】
図10の参照を継続するが、スプリング94のバイアス力、当接するプランジャー面とアクチュエータカム面の摩擦力および当接するアクチュエータ面と筐体面の摩擦力の組合を凌駕してプランジャー70をその図5の休止位置から筐体20中へ移動させるためには、約20N超のペダル力が要求されることが理解されよう。
【0053】
グラフ線500上の領域504は、図6と7に示すように筐体20のキャビティ53中へのプランジャー70の直線内部下方への移動が0mmから1mmであるときに生じるペダル抵抗力の増加(すなわち車両の運転手の足およびペダルの押下げに対し作用する力)を表す。
【0054】
グラフ線500上の点505は、プランジャー70とアクチュエータ100、より具体的には各々のカム区分84と114が図7に示すように相互に当接するときに生じるペダル抵抗力のピークまたは最高の点または大きさを表す。
【0055】
グラフ線500上の領域506は、プランジャーカム区分84の急な上端がアクチュエータカム区分112の急な下端を通過するときに図7のプランジャー位置(1mmのプランジャー移動)から図7のプランジャー位置(1.5mmのプランジャー移動)までに生じるペダル抵抗力の最初の急激な垂直的減少を表す。
【0056】
グラフ線500上の領域508は、1mm(図7)から約6.5mm(図9)の筐体20中のプランジャー70の継続的な押下げに応答したモジュール10の過移動位置およびその結果としてのペダル抵抗力の僅かで漸進的な継続的な増加を表す。
【0057】
グラフ線500上の領域510は、プランジャー70がコイルスプリング94のバイアス力、当接するプランジャー面とアクチュエータカム面の摩擦力および当接するアクチュエータ面と筐体面の摩擦力を完全に凌駕したときのペダル抵抗力の2番目の急激な減少を示す。
【0058】
グラフ線600上の領域602は、プランジャー70がその図9の位置(6.5mmのプランジャー移動)からその図7の位置(1mmのプランジャー移動)まで筐体20から戻るときのペダル抵抗力の僅かであるが継続的な減少を示す。グラフ線600上の領域604は、プランジャー70がその図7の位置に戻るときに生じるペダル抵抗力の急激な増加を表す。
【0059】
グラフ線600上の領域606は、プランジャー70がその図7の位置からその図5の休止位置まで筐体から後方に移動するときのペダル抵抗力の減少を示す。
【0060】
上の説明した実施例の数多くの変化と変形が本発明の新規な特長の精神と範囲から逸脱することなく可能な場合がある。従って、本明細書に図解した特殊な機構のモジュールに関し制限は意図されず、または推測されるべきでないことが理解されよう。もちろん、添付の特許請求の範囲により、請求項の範囲内に入るようなすべての変形例が網羅されることが意図される。
【0061】
例えば、本発明はまた、プランジャー70、アクチュエータ100およびコイルスプリング95がすべて別個の筐体20中と言うよりもむしろペダルアーム220のキャビティ250中に直接、適切に位置し、取り付けられ、相互接続される実施例を含むことが理解されよう。また、モジュール10および/またはプランジャー70、アクチュエータ100およびコイルスプリング95はペダルアーム220中と言うよりはむしろ車両用ペダルアセンブリ300のベース340中にもまた位置でき取り付けられることが理解されよう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】米国特許公開公報US2008/276749号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルアセンブリ用の抵抗機構であって、
それへの圧縮力の印加に応答した押下げと直線運動のために適応され、外側カム面を有するプランジャーと、
前記プランジャーの前記カム面に対し当接する外側カム面を有し、前記プランジャーの前記直線運動に応答した直線運動のために適応されるアクチュエータと、
前記アクチュエータに対し当接し、前記アクチュエータに対しバイアス力を印加するために適応されるバイアス装置を有し、
前記プランジャーと前記アクチュエータの前記カム面の各々が前記プランジャーに印加される前記圧縮力と前記アクチュエータに印加される前記バイアス力に応答して相互に対し滑動し、前記プランジャーにより前記ペダルアセンブリに印加される抵抗力の調整を可能にするペダルアセンブリ用の抵抗機構。
【請求項2】
前記プランジャー、前記アクチュエータおよび前記バイアス装置のための内部筐体を規定する分離したモジュールを更に有し、前記モジュールが、前記ペダルアセンブリに規定されるキャビティの内部に固定されるように適応される請求項1の抵抗機構。
【請求項3】
前記プランジャーと前記アクチュエータの両方が前記モジュール内の直線運動のために適応され、前記アクチュエータが前記プランジャーに対し所定の角度で配置される請求項2の抵抗機構。
【請求項4】
前記プランジャーが各々の近接端と末端を有し、前記近接端が前記モジュールから突出し、前記カム面がその側面上に規定され、
前記アクチュエータが各々の内面と外面を有し、前記アクチュエータの前記カム面が前記外面上に規定され、前記バイアス装置が前記アクチュエータの前記内面に対し当接する請求項3の抵抗機構。
【請求項5】
前記モジュールの前記筐体が内面を規定し、前記アクチュエータが前記モジュールの前記筐体の前記内面に対し滑動するように適応される外面をそれぞれ有する少なくとも第1と第2のアームを有する請求項4の抵抗機構。
【請求項6】
前記プランジャーと前記アクチュエータのそれぞれの前記カム面が相互に作用、協働する複数の相互接続される傾斜した区分を有する請求項1の抵抗機構。
【請求項7】
ペダルアセンブリの抵抗機構であって、
内部キャビティを規定する筐体と、
前記筐体から突出し前記ペダルアセンブリと係合するように適応される近接端および前記キャビティ中に延長する末端を有するプランジャーであって、前記ペダルアセンブリによる前記プランジャーの前記近接端に対する圧縮力の印加に応答して前記筐体中で移動可能である前記プランジャーと、
前記ペダルアセンブリに抵抗力を印加するための前記筐体の前記キャビティ中の抵抗アセンブリを有し、
前記抵抗アセンブリは、
前記プランジャー上のカム面と、
前記プランジャー上の前記カム面に対し当接するカム面を有する移動可能なアクチュエータと、
前記アクチュエータに対し当接し、前記アクチュエータと前記プランジャーにバイアス力を印加するように適応されるバイアス装置を有し、
前記プランジャーと前記アクチュエータの前記カム面が前記プランジャーの運動に応答して相互に作用、協働し、前記ペダルアセンブリに印加される前記抵抗力の調整を可能にするペダルアセンブリの抵抗機構。
【請求項8】
前記アクチュエータと前記プランジャーに対しバイアス力を印加するように適応される前記バイアス装置が前記アクチュエータに対し当接する近接端および前記筐体の内面に対し当接する末端を有するコイルスプリングである請求項7の抵抗機構。
【請求項9】
前記アクチュエータが前記コイルスプリングの前記近接端に対し当接する一対の対向する離間したアームを有する請求項8の抵抗機構。
【請求項10】
前記プランジャーと前記アクチュエータの各々の前記カム面が複数の相互接続された傾斜したカム区分を有し、前記プランジャーの前記傾斜したカム区分の選択されたものが前記アクチュエータの前記傾斜したカム区分の選択されたものに対し当接し、滑動する請求項7の抵抗機構。
【請求項11】
前記筐体が前記内部キャビティを規定し、前記ペダルアセンブリのペダル中に固定されるように適応されるカートリッジの形態であり、前記プランジャーが前記カートリッジの壁の1つに対し概略垂直の関係で前記カートリッジに延長し、前記内部キャビティが前記カートリッジの前記壁の1つに対し傾斜した関係で、前記カートリッジを通って延長する請求項7の抵抗機構。
【請求項12】
前記カートリッジが細長い開口部を規定し、そこから外部に突出する外部ショルダーを有する少なくとも第1の側壁を有し、前記プランジャーが前記細長い開口部を通じて延長し、前記カートリッジの前記側壁の前記外部ショルダーに対し当接するように適応されるフィンガーを有する請求項11の抵抗機構。
【請求項13】
相互に対し傾斜した関係で配向される第1と第2の内部キャビティを規定する筐体と、
それへの圧縮力の印加に応答して前記第1キャビティ内の直線運動のために適応され、前記筐体の壁の1つに規定される開口部から突出する近接端および前記筐体の壁の別の1つに規定される開口部から突出する末端を有し、外部カム内面を有するプランジャーと、
前記筐体中の前記第2内部キャビティ内の直線運動のために適応され、前記プランジャーの前記外部カム面に対し当接する外部カム面を有するアクチュエータと、
前記第2内部キャビティ中に位置するバイアス装置であって、前記アクチュエータに対し当接する1つの端を有し、前記アクチュエータと前記プランジャーに対しバイアス力を発揮するように適応される前記バイアス装置を有し、
前記筐体中への前記プランジャーの押下げにより、前記プランジャーと前記アクチュエータの前記カム面の相互に対する滑動と、前記アクチュエータの前記直線運動と、前記バイアス装置の前記圧縮が生じる、車両用ペダルの抵抗モジュール。
【請求項14】
前記プランジャーと前記アクチュエータの前記カム面の各々が複数の相互接続されたカム区分を有し、前記プランジャーの前記複数のカム区分の少なくとも2つが前記アクチュエータの前記複数のカム区分の少なくとも2つに対して当接し、滑動して前記車両用ペダルに印加される抵抗力を生成する請求項13の抵抗モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−504813(P2013−504813A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528879(P2012−528879)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/048132
【国際公開番号】WO2011/031762
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(391027343)シーティーエス・コーポレーション (23)
【氏名又は名称原語表記】CTS CORPORATION
【Fターム(参考)】