説明

ペースト状材料供給装置

本発明が対象とするのは、ペースト状材料の供給装置である。
【解決手段】端金具が、ノズル(2)の中央開口部(4)内の端金具の第1端部を終端とするペースト状材料の供給管(3)を含むことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング材および特に固定装置のコーティング用のシーラント等のペースト状材料の供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリコンまたはポリウレタンシーラント等のコーティング材料は接着材料であり、重合化後は、工具のクリーニングのために分離することは極めて困難になる。
【0003】
さらに、ボルトの頭等、固定要素のコーティング用としてこれらの材料を使用する場合においては、材料の弛みおよび外観または防水性の不良を防止するために精密なコーティング装置を作製しなければならない。
【0004】
既知のコーティング装置は、押し出しガン上に取り付けられ、材料の拡散孔を備える円筒形カップから成る室を具備するノズル装置を含む。直径1mm程度の孔を含む直径15mm程度のカップについての先行技術の実施例を図1Aおよび図1Bに示す。
【0005】
このカップは材料供給管にねじ込まれ、このカップにより、コーティングする固定装置にカバーを装着し、次にコーティング剤を固定装置に注入することができる。
【0006】
固定要素の分離およびコーティングを行うために、作業者はノズルを使用して固定要素にカバーを装着し、固定要素の周囲のカップ内への分離剤の注入を開始する。
【0007】
ノズルのクリーニングには高価で汚染性が高い強力溶媒を使用し、特にノズルの孔の詰りをなくすためにブラシまたは他の工具を使用することが必要である。
【0008】
通常、ノズルはアルミニウムで作製され、同じくアルミニウム製の端金具にねじ込まれ、コーティングする固定具に適した寸法を有し、ある特定のノズルが各固定径に対応する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、先行技術のノズルよりも使用方法が簡単で、溶媒やモジュラーを使用しなくとも容易にクリーニングすることができるコーティングノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これを実現するため、本発明は、端金具が、ノズルの中央開口部内の端金具の第1端部を終端とするペースト状材料の供給管を含むことを特徴とする、材料供給端金具とコーティングノズルとを含むペースト状材料の供給装置に関する。
【0011】
より詳細には、中央開口部の周囲にノズルが釣鐘状に形成される。
【0012】
中央開口部を使用することにより装置を容易にクリーニングすることができ、ノズルが釣鐘形状であることによりコーティング材のより均質な分布が可能になる。
【0013】
本発明のその他の態様および長所は、添付の図面を参照して行う本発明の非限定的実施例についての以下の説明を読むことにより、よりよく理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
先行技術のペースト状材料の供給装置は、2部分20、21から成るノズルがねじ込まれる端金具22を備え、第1部分20が1つのカップとペースト状材料の分配孔23を備え、これらの孔は、ノズルの第2部分内に作製され端金具22に固定された分配室24に通じている。
【0015】
図3にて説明した本発明による装置は、先行技術と同様に、材料供給端金具1とコーティングノズル2とを含む。
【0016】
先行技術によるカップの下に分布する孔と分配室とで構成される複雑なシステムであって簡単に目詰まりするおそれのあるシステムとは異なり、本発明による装置は、コーティング対象物にペースト状材料を供給する中央開口部4を備えるノズル2を含み、端金具は、ノズル2の中央開口部4内の端金具の第1端部を終端とするペースト状材料の供給管3を含む。
【0017】
端金具は、ねじ込みまたは他の任意の手段による押し出しガン12への固定用の第2端部10を含む。
【0018】
図2に示すような、ねじ14、ナット13といった固定装置等の対象物をコーティングするために、中央開口部4の周囲にノズルが釣鐘状に成形される。
【0019】
さらに、ノズルの内表面5は滑らかな連続面であり、それにより、平らな底面および環状円筒形クラウンを含む先行技術のノズルよりもすぐれたコーティング材の分布が可能になる。
【0020】
さらに、コーティング材は、本発明によるノズルの滑らかな連続面に付着しない。
【0021】
この観点から見た場合、有利には、ノズルおよび端金具を作製するのに使われる材料は、ペースト状コーティング材料、特にポリウレタンシーラントが付着しないようなポリウレタンであることが有利である。
【0022】
図4Aおよび図4Bに示すように、第1変形形態によれば、本発明による装置は、そのクリーニングのために、ノズル2内に挿入され、外表面7が、既に重合化されたペースト状材料11に接着されるのに適したようになっている離型栓6を含むクリーニングツールを有する。
【0023】
図4Aによれば、オペレーターは、コーティングが終了すると、押し出しガン12から端金具1を取り出し、栓6をノズルに挿入する。
【0024】
栓を挿入することにより、材料の一部が端金具の第2端部から装置内に流れる。
【0025】
材料の重合後は、ノズルおよび端金具をクリーニングする場合、栓を抜けばノズル内にある材料も一緒に除去され、端金具1の端部10から出ている材料を取り出すだけでよい。
【0026】
材料のコーティングを容易にするため、例による離型栓6の外表面7は、ペースト状材料11に接着するためのねじ切りが施されている。
【0027】
この原理によれば、ペースト状材料を重合化する前に離型栓6をノズル2に挿入し、材料を重合化し、ノズルから栓6を抜くことにより材料を取り出す。
【0028】
本発明による別のクリーニング方法は、シーラントの重合化の後に、端金具の端部10を、たとえば圧縮空気制止コック等、圧縮空気取入口に接続するものである。これを行うために、空気取入口は、端金具の端部10用の気密固定手段、特に端部10と協動し気密結合を実現するため、ねじ切り端部を相補するねじ切り孔を備えた端部を有する。
【0029】
タップに端部10がねじ込まれたら、端金具内に圧縮空気を吹き込むようタップを開け、この空気が重合化されたシーラントに圧力を与え、端金具およびノズルの壁からシーラントが分離するようにし、手作業によりノズルおよび端金具から重合化シーラントを取り出すが、一度分離されたシーラントは手作業によりノズルから容易に取り出すことができる。
【0030】
本発明においては、端金具1は、種々の大きさの固定具13、14のコーティングが可能になるよう、異なる大きさのノズル2を収納することができる。
【0031】
ノズルの交換を容易にするために、端金具1およびノズル2はスナップ方式の追加固定手段8、9を具備する。
【0032】
図5の例によれば、スナップ方式の固定手段8、9は、端金具1の第1端部を囲む環状フランジ9とノズルの中央開口部の周囲の円形溝8とを含み、端金具からノズルを解放するにはノズルを引くだけでよく、また、他の固定装置をコーティングできるようにするには、端金具を別のノズルに強制的に挿入すればよい。
【0033】
本発明は、例として説明した装置に限定されるものではなく、特に栓はノズルに固定されるためのリンクを含むか、外部ねじ切り部の代りに縞を含むことができる。
【0034】
本発明による装置は、先行技術の装置とは異なり、作製が簡単であり、安価であり、詰りにくい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1A】先行技術の端金具及びノズルを示す側面図である。
【図1B】先行技術の端金具及びノズルを示す斜視図である。
【図2】コーティング中の固定装置の周囲の本発明によるノズルの断面図である。
【図3】本発明による装置の断面図である。
【図4A】装置を示す図で、クリーニング前の図3の装置の図である。
【図4B】装置を示す図で、クリーニング中の図3の装置の図である。
【図5】端金具へのノズルの固定を示す図3の装置の詳細図である。
【符号の説明】
【0036】
1 端金具
2 ノズル
3 供給管
4 中央開口部
5 内表面
6 離型栓
7 外表面
8 円形溝
9 フランジ
10 端部
11 材料
12 押し出しガン
13 ナット
14 ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料供給端金具(1)とコーティングノズル(2)とを含むペースト状材料の供給装置において、前記端金具が、ノズル(2)の中央開口部(4)内の端金具の第1端部を終端とするペースト状材料の供給管(3)を含むことを特徴とするペースト状材料の供給装置。
【請求項2】
前記中央開口部(4)の周囲に前記ノズルが釣鐘状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノズルの内表面(5)が連続表面であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記端金具(1)が大きさの異なるノズル(2)を収納することができ、前記端金具(1)および前記ノズル(2)がスナップ方式の追加固定手段(8、9)を具備することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
スナップ方式の追加固定手段(8、9)が、前記端金具(1)の第1端部を囲む環状フランジ(9)と前記ノズル(2)の中央開口部(4)の周囲の円形溝(8)とを含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記端金具が、押し出しガン(12)上固定第2端部(10)を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記ノズル(2)内に挿入され、外表面(7)が、既に重合化されたペースト状材料(11)に接着されるのに適したようになっている離型栓(6)を含むクリーニングツールを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
離型栓(6)の外表面(7)がペースト状材料に接着するためにねじ切りされていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
-前記端金具(1)の1つの端部(10)を、気密固定手段を具備する圧縮空気取入口に接続し、
-前記端金具内に圧縮空気を吹き込み、この空気が重合化シーラントに圧力を加え、前記端金具および前記ノズルの壁からこのシーラントを剥がすようにし、
-手作業により前記ノズルから前記重合化シーラント取り出す
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置のクリーニング方法。
【請求項10】
前記ペースト状材料を重合化する前に前記離型栓(6)を前記ノズル(2)内に挿入し、材料を重合化し、前記ノズルから前記栓(6)を取り出すことにより材料を取り出すことを特徴とする請求項7または8に記載の装置のクリーニング方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−518769(P2008−518769A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539620(P2007−539620)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050893
【国際公開番号】WO2006/048570
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(501446228)エアバス・フランス (93)
【Fターム(参考)】