説明

ホスファゼン化合物、このような化合物を有する潤滑剤および磁気記録媒体、調製方法、ならびに潤滑化方法

式中、RがCF3、F、およびHより選択され、かつmが1〜22の整数である、式 (I) の化合物を提供する。化合物は、第一の反応物が、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(アリールオキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンであって、かつ第二の反応物が、式CF3CF2CF2O(CF2CF2CF2O)mCF2CF2CH2OHのペルフルオロポリエーテルである、第一の反応物と第二の反応物とを溶液中で反応させることにより、調製され得る。アリールオキシは、4-(トリフルオロメチル)フェノキシ(p-CF3-C6H4O)、4-フルオロフェノキシ(p-F-C6H4O)、およびフェノキシ(C6H5O)より選択される。第一の反応物は、2,2,4,4,6,6-ヘキサクロロ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンをフェノキシドと反応させることにより、調製され得る。化合物は、表面を潤滑化するための潤滑剤に用いられ得る。潤滑剤は、記録媒体を含む磁気記録装置の記録表面に適用され得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ホスファゼン化合物、このような化合物を調製する方法、このような化合物を有する潤滑剤および磁気記録媒体、ならびに表面を潤滑化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
種々のホスファゼン化合物が、例えば磁気記録応用等のための潤滑剤として用いられてきた。従来のホスファゼン化合物のいくつかは、フッ素化芳香族基またはペルフルオロアルキル芳香族基、ならびにヒドロキシル末端ペルフルオロポリエーテル(PFPE)鎖を含む。従来のホスファゼン潤滑剤は、多くの適用において有用であることが分かっているが、代替の潤滑剤および改善された潤滑剤がさらに望まれている。例えば、記録媒体を含む熱アシスト磁気記録(HAMR)装置等の磁気記録応用に用いられる潤滑剤用に、低減された動的摩擦係数および改善された熱安定性をもつ化合物が望まれている。磁気記録応用に用いられる潤滑剤に対して望まれる他の改善には、耐食性の改善および均衡のとれた流動性の向上が包含される。
【発明の概要】
【0003】
それゆえ、本発明の局面によれば、下記式の化合物が提供される。

式中、RはCF3、F、およびHより選択され、かつmは1〜22の整数、例えば10〜12等の整数である。特定の態様において、RはCF3である。
【0004】
本発明の別の局面によれば、前段落に記載の化合物を調製するための方法が提供される。該方法は、第一の反応物と第二の反応物とを溶液中で反応させて、化合物を生成させる工程を含む。第一の反応物は、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(アリールオキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンであって、かつ第二の反応物は、式CF3CF2CF2O(CF2CF2CF2O)mCF2CF2CH2OHのペルフルオロポリエーテルである。該アリールオキシは、4-(トリフルオロメチル)フェノキシ(p-CF3-C6H4O)、4-フルオロフェノキシ(p-F-C6H4O)、およびフェノキシ(C6H5O)より選択される。溶液は、テトラヒドロフランを包含する溶媒を含み得る。溶液は、全フッ素置換溶媒も含み得る。第一の反応物は、2,2,4,4,6,6-ヘキサクロロ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンをフェノキシドと反応させることにより調製され得る。フェノキシドは、フェノールと塩基とを溶媒中で反応させることにより調製され得る。塩基は、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、および水酸化ナトリウムより選択され得る。化合物は、2,2,4,4,6,6-ヘキサクロロ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン、第二の反応物、フェノール、および水素化ナトリウムを溶液中で混合することにより調製され得、該溶液は全フッ素置換溶媒およびテトラヒドロフランを含む。
【0005】
本発明のさらなる局面によれば、表面を潤滑化する方法が提供される。この方法において、前記の化合物の有効量が表面に適用され、表面を潤滑化する。表面は磁気記録装置の記録表面であってもよい。磁気記録装置は磁気記録媒体であってもよい。磁気記録媒体としては、長手記録媒体、垂直記録媒体、パターンド記録媒体、および熱アシスト磁気記録媒体より選択される、回転式磁気記録媒体が挙げられ得る。
【0006】
本発明のさらなる局面によれば、前記化合物を含む潤滑剤が提供される。潤滑剤は、磁気記録媒体用であってもよい。磁気記録媒体としては、長手記録媒体、垂直記録媒体、パターンド記録媒体、および熱アシスト磁気記録媒体より選択される、回転式磁気記録媒体が挙げられ得る。
【0007】
本発明のさらなる局面によれば、記録表面および該記録表面上の前記潤滑剤を有する、磁気記録装置が提供される。該装置は磁気記録媒体であってもよい。磁気記録媒体は、長手記録媒体、垂直記録媒体、パターンド記録媒体、および熱アシスト磁気記録媒体より選択される、回転式磁気記録媒体であり得る。磁気記録装置としては、ハードディスクドライブが挙げられ得る。
【0008】
本発明の他の局面および特徴は、添付図と併せて、本発明の具体的な態様の以下の説明を検討することで、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の図で、単に例示のみを目的として、本発明の態様を説明する。
【0010】
【図1】図1Aは磁気記録媒体を含む磁気記録装置の概略上面図であり、図1Bは図1Aの磁気記録媒体の概略側面図である。
【図2】化学反応工程の概略図である。
【図3】種々の潤滑剤に関する、温度の関数としての実測重量損失の線グラフである。
【図4】種々の潤滑剤に関する、温度の関数としての実測重量損失の線グラフである。
【図5】種々の潤滑剤に関する、実測摩擦係数の線グラフである。
【図6】図6Aおよび6Bは、種々の潤滑剤に関する、実測腐食生成物の棒グラフである。
【図7】表面画像を伴う線グラフであり、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)で測定した、種々の潤滑剤に関する潤滑膜の回復率を示す線グラフである。
【図8】表面画像を伴う線グラフであり、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)で測定した、種々の潤滑剤に関する潤滑膜の回復率を示す線グラフである。
【図9】表面画像を伴う線グラフであり、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)で測定した、種々の潤滑剤に関する潤滑膜の回復率を示す線グラフである。
【図10】種々の潤滑剤に関する、実測水接触角の棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
本発明の例示的な態様は、下記式 (I) の化合物である。

式中、RはCF3、F、およびHより選択され、かつmは1〜22の整数である。具体的な態様において、RはCF3である。いくつかの態様において、mは1〜10であり得る。
【0012】
式 (I) の化合物は、PFPEが共有結合で連結したシクロトリホスファゼンである。式 (I) のそれぞれの化合物は、4つの置換芳香族基および2つのPFPE鎖を有する。芳香族基としては、パラ-トリフルオロメチルフェノキシ基、パラ-フルオロフェノキシ基、またはフェノキシ基が挙げられる。PFPE鎖は末端ヒドロキシル基を一つも有さない。従来の命名体系によれば、式 (I) の化合物は、それぞれ、2,4-ジ(PFPE-O)-2,4,6,6-テトラ(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン(RがCF3である場合)、2,4-ジ(PFPE-O)-2,4,6,6-テトラ(4-フルオロフェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン(RがFである場合)、および2,4-ジ(PFPE-O)-2,4,6,6-テトラ(フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン(RがHである場合)と称され得る。
【0013】
式 (I) の化合物が潤滑剤に用いられ得、かつ得られる潤滑剤が、磁気記録応用に用いられる従来の潤滑剤を超える改善された特性および特徴を有することが見いだされた。例えば、さらに下記で論じられるように、他の改善された特性のうち、これらの化合物を含有する潤滑剤は、いくつかの従来の潤滑剤と比べると、相対的に低い動的摩擦係数および相対的に高い熱安定性を有することができる。本発明の態様による潤滑剤は、良好な耐食性および均衡のとれた流動性も有し得る。
【0014】
従って、本発明の例示的な態様において、式 (I) のホスファゼン化合物を含有する潤滑剤が提供される。該潤滑剤は、他の適した化学物質または添加物、例えばPFPE等も含有してもよい。潤滑剤は、例えば、コンピューターのディスクを包含する磁気記録媒体等の磁気記録装置または応用に用いられ得る。潤滑剤は、磁気記録媒体の記録表面に適用され得る。磁気記録装置または応用は、HAMR技術を利用してもよい。理解され得るように、HAMR装置または媒体の記録表面での温度が、ナノ秒の循環周期(cycling period)内に、室温と250〜650℃の範囲の温度との間で循環(cycle)し得るため、HAMR応用または装置において、高い熱安定性をもつ潤滑剤は有利であり得る。理解され得るように、潤滑剤は、任意の適した記録媒体または他の装置を備えた、任意の適した磁気記録応用に用いられ得る。例えば、潤滑剤は、長手記録媒体、垂直記録媒体、パターンド記録媒体、および熱アシスト磁気記録媒体等を包含する、回転式磁気記録媒体用に用いられ得る。磁気記録媒体は、小型フォ−ムファクタドライブ(small form factor drive)用であってもよい。
【0015】
さらに、潤滑剤は、他の同様であるか、または異なる応用に用いられ得る。例えば、潤滑剤は、高い熱安定性および低い動的摩擦係数が望まれる、任意の適した応用に有利に用いられ得る。
【0016】
図1Aは、磁気記録媒体102および磁気記録ヘッド104を含む、磁気記録装置100を図示したものである。磁気記録装置100は、磁気記録媒体102から読み取り、かつ磁気記録媒体102に書き込むためにヘッド104が用いられる、例えばハードディスクドライブ等のディスクドライブであってもよい。図示したように、磁気記録媒体102は、ディスクの形状を有してもよく、かつ中心軸の周りを回転することができる。
【0017】
磁気記録媒体102は、任意の適した構造を有してもよく、当業者が理解することができるような任意の適した材質で作製されていてもよい。磁気記録媒体102の例示的な態様を、図1Bに示す。示されるように、磁気記録媒体102は、多層構造を有してもよく、かつ基体106、下地層108、磁気層110、および表面114を有する、例えばカーボン保護膜等の保護層112を含む。記録ヘッド104は、データの読み取りおよび書き込みのための表面114を横断するであろう。従って、表面114は、ここからデータが記録媒体より読み取られるか、または記録媒体に書き込まれる、記録表面である。式 (I) の化合物の有効量を含有する潤滑剤を、表面114上に堆積させる。潤滑剤は、浸漬被覆法または気相堆積法を用いて、表面114に適用され得る。表面114は、潤滑剤への親和性を良好にするために、特にスパッタ処理されていてもよい。他の材質を、潤滑剤の性能をさらに改善するために、添加物として潤滑剤に添加してもよい。潤滑剤を表面114上に適用し、薄膜116を形成させてもよい。膜116は、およそ0.5〜10 nm、例えば約1〜2 nm等の厚さを有し得る。
【0018】
ヘッド104は、任意の適した読み取り/書き込み用ヘッドであってもよく、かつヘッド-ジンバル-アセンブリ(Head-Gimbal-Assembly)(HGA)を含んでもいてもよい。
【0019】
デバイス100は、他の構成要素も含んでいてもよい。例えば、ディスクドライブ中に、ディスクを回転させるために、スピンドルモーター(示されていない)が含まれていてもよい。
【0020】
使用中、ヘッド104は、記録媒体102に対して動いてもよい。例えば、ディスクドライブ中で、異なる記憶アドレスにヘッド104によりアクセスできるように、ディスクが回転してもよい。ヘッド104は、このような相対運動中、潤滑剤の層116に接触し得る。膜116が低い動的摩擦係数を有するので、それは記録表面114を潤滑化して、記録表面114とヘッド104との間の摩擦を低減する。
【0021】
式 (I) の化合物が、本発明の態様の例示である以下の方法により調製され得ることも見いだされた。本方法において、選択された式 (I) の化合物は、第一の反応物と第二の反応物とを溶液中で反応させることにより調製される。第一の反応物は、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(アリールオキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンであり、該アリールオキシが、生成させる化合物に応じて、フェノキシ(C6H5O)、4-フルオロフェノキシ(p-F-C6H4O)、および4-(トリフルオロメチル)フェノキシ(p-CF3-C6H4O)より選択され得る。第二の反応物は、RfOHの形式(form)を有する、1つの末端ヒドロキシル基をもつペルフルオロポリエーテルである。Rfは、式中、「m」が1〜22の整数、例えば10〜12等の整数である、CF3CF2CF2O(CF2CF2CF2O)mCF2CF2CH2の式を有する。理解され得るように、RfOHは、約400〜約4000の分子量を有する。「m」の値は、所望の得られる化合物に応じて選択され得る。
【0022】
溶液は、2種の非混和性溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)および全フッ素置換溶媒等を含み得る。THFは、別の適した溶媒、例えばベンゼンまたはメチルベンゼン等で代替してもよい。全フッ素置換溶媒は、FC-77(商標)、HFE 7100(商標)およびPF5060(商標)等より選択され得る。これらの溶媒のいくつかは、Dupont(商標)または3M(商標)Novec(商標)から市販されている。Vertrel(商標)系列の溶媒のうちの適した溶媒も用いられ得る。
【0023】
第一の反応物は、第三の反応物と、対応するフェノキシドとを溶液中で反応させることにより調製され得、該第三の反応物が2,2,4,4,6,6-ヘキサクロロ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンである。フェノキシドは、フェノールを塩基と反応させることにより調製され得る。該塩基は、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または炭酸カリウムより選択され得る。一つの具体例的な態様において、塩基は水素化ナトリウムである。
【0024】
具体例的な態様において、式 (I) の化合物は、第二の反応物および第三の反応物、対応するフェノール、ならびに水素化ナトリウムを、溶媒として全フッ素置換溶媒およびTHFを用いた溶液中で混合することにより調製され得る。溶液中の反応物は、式中、RがCF3、F、またはHである、図2に図示したように進行すると予想されている。フェノールおよび水素化ナトリウムを溶液中で反応させて、対応するフェノキシドを生成させる。次いで、図2の第一の反応に示したように、該フェノキシドを第三の反応物と反応させて、第一の反応物を生成させる。図2の第二の反応に示したように、生成させた第一の反応物を、水素化ナトリウム(NaH)の存在下、第二の反応物(RfOH)と反応させ、所望のホスファゼン化合物を生成させる。ホスファゼン化合物を、次いで、溶液から抽出し得る。化合物の合成中、当業者が理解することができるような従来の精製技術が用いられ得る。
【0025】
図2の第一の反応工程は、THF、ベンゼンまたはメチルベンゼン中で行われ得ることが理解され得る。例えば、第一の反応工程は、THF中で実行されてもよい。第一の溶液から抽出され、かつ精製された、第一の反応の生成物を、次いで、全フッ素置換溶媒とTHFの混合物中、NaHの存在下で、RfOHと反応させる。あるいは、全フッ素置換溶媒およびRfONaを、第一工程から得た、精製した四置換中間体のTHF溶液に添加してもよい。
【0026】
理解され得るように、前記の例示的な製造過程において、得られる化合物中の置換芳香族基の数とPFPE鎖の数の比率は、正確に4:2に都合よく制御される。
【0027】
式 (I) の化合物は、従来の潤滑剤の生産技術を包含する、適した技術を用いて、当業者により容易に生成されるか、または潤滑剤中に組み入れられ得る。同様に、潤滑剤を磁気記録媒体または装置に適用する任意の適した技術は、本発明の潤滑剤を磁気記録媒体または装置に適用するために用いられ得、該技術は当業者に現在公知である技術を包含する。
【0028】
潤滑剤の薄膜を表面上に形成させる例示的な製造過程において、希釈液は、潤滑剤化合物を適した溶媒、例えばPF5060、HFE7100、またはVertrel系列の溶媒のうちの適した溶媒等に溶解することにより調製され得る。記録媒体の表面が流体で被覆されるように、記録媒体を液体中に浸漬し、次いで液体から引き出す。被覆した流体を乾燥させる。溶媒を十分に蒸発させると、潤滑剤の層が媒体表面上に定着する。潤滑剤の層の厚さは、液体中の潤滑剤化合物の濃度もしくは浸漬率、またはその両方を調整することにより制御することができる。
【0029】
本発明の例示的な態様をさらに説明するために、いくつかの具体例を次に記載する。
【0030】
実施例
実施例I:
実施例Iにおいて、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを、以下の手順で合成した。
【0031】
200 mlの乾燥THFおよび20.0 g(123.37 mmol)の4-(トリフルオロメチル)フェノールを含有する、第一の溶液を調製した。約4.94 gの水素化ナトリウム(123.43 mmol、60%鉱油分散物として)を、第一の溶液に少量ずつ添加し、ナトリウム4-(トリフルオロメチル)フェノキシドを生成させた。
【0032】
10.72 g(30.84 mmol)の2,2,4,4,6,6-ヘキサクロロ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを100 mlの乾燥THFに溶解することにより、第二の溶液を約室温で調製した。
【0033】
第一の溶液で生成させたナトリウム4-(トリフルオロメチル)フェノキシドを、第二の溶液に、0℃で滴下し、混合物を生成させた。ナトリウム4-(トリフルオロメチル)フェノキシドを添加する間、混合溶液を攪拌した。
【0034】
混合物を室温に温め、24時間攪拌した。次いで、混合物中のTHFを、回転蒸発により混合物から除去した。油状残渣をクロロホルムに溶解し、これを水、希塩酸水溶液(dilute aqueous hydrochloric acid)、水、および食塩水で、連続して洗浄し、未反応の出発物質および水溶性の副生成物を除去した。
【0035】
クロロホルム層中に残存する水を、次いで、乾燥剤である無水MgSO4で除去した。乾燥後、乾燥剤を濾去して、クロロホルムを減圧下で除去し、未精製の液体生成物を得た。
【0036】
未精製の液体生成物は、2,4,6-トリクロロ-2,4,6-トリ(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン、2,4-ジクロロ-2,4,6-テトラ(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン、および2-クロロ-2,4,4,6,6-ペンタ(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを含有した。未精製の生成物の組成を、薄層クロマトグラフィーを用いて分析した。
【0037】
未精製の生成物を、溶出液として1:3の体積比のクロロホルム/ヘキサンの混合物を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。精製した生成物は、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを含有し、これは粘稠液であった。得られた生成物は、約11.67 gの重量であり、約45%の収率を与えた。
【0038】
実施例II:
実施例IIにおいて、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(4-フルオロフェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを以下の手順で合成した。
【0039】
13.50 g(120.4 mmol)の4-フルオロフェノールを100 mlの乾燥THFに添加することにより、第一の溶液を調製した。約4.90 g(122.5 mmol、60%鉱油分散物)の水素化ナトリウムを少量ずつ第一の溶液に添加し、ナトリウム4-フルオロフェノキシドを生成させた。
【0040】
2,2,4,4,6,6-ヘキサクロロ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン(10.0 g, 28.8 mmol)を100 mlの乾燥THFに添加することにより、第二の溶液を調製した。
【0041】
第一の溶液から生成させたナトリウム4-フルオロフェノキシドを、第二の溶液に、0℃で滴下し、混合物を生成させた。添加中、第二の溶液を攪拌した。
【0042】
混合物を、実施例Iと同じ方法で処理して、未精製の生成物を得た。未精製の生成物は、2,4,6-トリクロロ-2,4,6-トリ(4-フルオロフェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン、2,4-ジクロロ-2,4,6-テトラ(4-フルオロフェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン、および2-クロロ-2,4,4,6,6-ペンタ(フルオロフェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを含有した。未精製の生成物の組成を、薄層クロマトグラフィーを用いて分析した。未精製の生成物を、実施例Iと同じ方法で精製した。精製した生成物は、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(4-フルオロフェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを含有し、これは無色の液体であった。約51%の収率を与える、約9.52 gの生成物を得た。
【0043】
実施例III:
実施例IIIにおいて、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを以下の手順で合成した。
【0044】
22.74 g(241.62 mmol)のフェノールを100 mlの乾燥THFに添加することにより、第一の溶液を調製した。約9.66 g(241.62 mmol、60%鉱油分散物)の水素化ナトリウムを少量ずつ第一の溶液に添加し、ナトリウムフェノキシドを生成させた。
【0045】
20.0 g(57.53 mmol)の2,2,4,4,6,6-ヘキサクロロ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを50 mlの乾燥THFに添加することにより、第二の溶液を調製した。
【0046】
第一の溶液から生成させたナトリウムフェノキシドを、第二の溶液に、0℃で滴下し、混合物を生成させた。添加中、溶液を攪拌した。
【0047】
混合物を、実施例Iと同じ方法で処理して、未精製の生成物を得た。未精製の生成物は、2,4,6-トリクロロ-2,4,6-トリ(フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン、2,4-ジクロロ-2,4,6-テトラ(フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン、および2-クロロ-2,4,4,6,6-ペンタ(フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを含有した。未精製の生成物の組成を、薄層クロマトグラフィーを用いて分析した。未精製の生成物を、実施例Iと同じ方法で精製した。精製した生成物は、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラフェノキシ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを含有し、これは無色の液体であった。約53%の収率を与える、約17.5 gの生成物を得た。
【0048】
実施例IV:
実施例IVにおいて、潤滑剤である潤滑剤Iを合成した。
【0049】
50 mlのFC-77(商標)流体を4-Åモレキュラーシーブに通して乾燥させ、100 mlのフラスコ中に投入した。フラスコはマグネチックスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を備えていた。約0.15 gの水素化ナトリウム(60%鉱油分散物)を少量ずつフラスコに投入した。約8.05 gの乾燥させたヒドロキシル末端PFPEをフラスコに投入した。フラスコ中の得られた懸濁液を、室温で24時間激しく攪拌した。
【0050】
約1.50 gの2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを、実施例Iに記載のように調製して、50 mlの乾燥THFに溶解した。得られた溶液を、前記のフラスコに室温で滴下した。フラスコ中の混合物を、次いで、室温で24時間攪拌し、75℃で3.5時間還流させた。
【0051】
フラスコ中のFC-77およびTHF内容物を、減圧下で除去した。脱イオン水をフラスコ中の残渣に注ぎ入れ、混合物を半時間攪拌した。生成物の混合物をプラスチック管に移し、遠心分離に供して水を除去した。水分除去の過程を繰り返して行い、前段落で記載した工程中に生成した塩化ナトリウムを除去した。フラスコ中の残渣を、真空下で乾燥して微量の水分を除去した。過剰分のヒドロキシル末端ペルフルオロポリエーテルも、真空蒸留により除去された。得られた生成物(約6.5 g、収率70%)を、潤滑剤Iと称する。
【0052】
実施例V:
実施例Vにおいて、第二の試料である潤滑剤、潤滑剤IIを合成した。
【0053】
約0.141 gの水素化ナトリウムおよび約9.0 gの乾燥させたヒドロキシル末端PFPEを用いて、懸濁液を調製したこと、ならびに実施例IIに記載のように調製した、1.15 gの2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(4-フルオロフェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを用いて、潤滑剤である潤滑剤IIを調製したことを除いて、合成手順は、実施例IVと同様の手順であった。生成物は、約5.70 gの重量であり、約63%の収率を与えた。
【0054】
実施例VI:
実施例VIにおいて、別の試料である潤滑剤、潤滑剤IIIを合成した。
【0055】
約8.0 gの乾燥させたヒドロキシル末端PFPEを用いて、懸濁液を生成させたこと、ならびに実施例IIIのように調製した、約0.82 gの2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(フェノキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンを用いて、潤滑剤である潤滑剤III(約3.2 g、収率45%)を調製したことを除いて、潤滑剤IIIを、実施例Vと同様の手順で生成させた。
【0056】
実施例VII:
実施例VIIにおいて、潤滑剤ナノ薄膜(thin lubricant nanofilm)(ナノメートル級の厚さを有する膜)を、浸漬被覆法を用いて、潤滑剤I〜IIIからそれぞれ調製した。浸漬被覆溶液は、それぞれの潤滑剤およびPF5060溶媒を含んでいた。膜の厚さを、潤滑剤濃度および浸漬/引き揚げの割合を変えることにより制御した。膜の均一性を光学式表面解析装置(OSA)を用いて測定した。潤滑剤Iから調製された膜は、約1.2 nmの厚さを有することが測定された。
【0057】
前記の実施例において、使用前に、用いる第三の反応物用の化合物を酢酸エチルから再結晶化した。用いるTHFを金属ナトリウムで処理し、使用前に蒸留した。フェノール、4-フルオロフェノール、4-(トリフルオロメチル)フェノールおよび他の化学物質は、純度99%の等級である、Sigma-Aldrich(商標)から入手したものを用いた。ヒドロキシル末端PFPE(Demnum SA)は、Daikin(商標)Industries Ltd.から市販されている。
【0058】
比較研究:
潤滑剤I〜IIIのいくつかの特性を測定し、従来の潤滑剤の特性と比較した。比較研究で用いた従来の潤滑剤は、Solvay Solexis(商標)から得たZdol 2000(商標)およびAM 3001(商標)、ならびにMoresco(商標)から得たA20H(商標)であった。
【0059】
分解試験の結果は、Zdol 2000およびAM3001の両方の潤滑剤が、潤滑剤Iが呈するレーザー照射での分解よりも多い分解を呈した。従来の潤滑剤は、はるかに低い温度で著しく分解し始めた。潤滑剤I(実線)およびZdol 2000潤滑剤(破線)の測定結果を、図3(N2中)および図4(空気中)に示す。表Iは、測定した種々の潤滑剤の熱安定性を表にしたものである。被験潤滑剤の熱安定性を、熱重量分析(TGA)を用いて評価した。分解温度(Td)は、加熱後に5%の重量損失が生じた温度であると見なした。表Iでみられ得るように、潤滑剤I〜IIIは、Zdol 2000潤滑剤よりも非常に高い熱安定性を有する。例えば、潤滑剤Iの分解温度は、Zdol 2000潤滑剤よりも、空気中および窒素中で、それぞれ125℃および145℃高い。
【0060】
(表I)熱安定性(Td

【0061】
潤滑剤Iから形成されるナノ膜が優れた均一性を示すことが、光学式表面解析により、さらに認められた。対して、Zdol 2000およびAM3001は、同じ析出条件下で著しい不均一性を呈した。この結果は、潤滑剤Iが、Zdol 2000およびAM3001の両方よりも良好な膜成形性を持っていたことを示唆する。
【0062】
潤滑剤I〜IIIから、ならびにZdol 2000およびA20Hの潤滑剤から形成された薄膜の動的摩擦係数を測定した。膜を、磁気ハードディスクの表面上に形成させ、OSA 5100(商標)光学式表面解析装置(スキュー角は−1.36°であり、鉛直荷重は2.5 gであった)に付属のVINA(商標)コンタクト・スタート・ストップ(contact start stop)(CSS)試験機を用いて測定した。図5に図示したように、結果は、潤滑剤Iが、試験した従来の潤滑剤の動的摩擦係数よりも低い動的摩擦係数を有したことを示した。
【0063】
潤滑化された表面を、0.5 Mアクリル酸溶液で、それぞれ60℃で48時間処理した後、それぞれの被験潤滑剤により潤滑化された磁気媒体表面上で検出された、腐食生成物(NiまたはCo)の量を示す、図6Aおよび6Bに図示したように、潤滑剤Iは、より高い耐食性も示した。測定はTOF-SIMSを用いてなされた。みられ得るように、比較の潤滑剤は、同様の試験条件下で潤滑剤Iが生じさせたよりもずっと多い腐食生成物を生じさせた。
【0064】
潤滑剤の流動性も試験した。試験において、それぞれ個別の潤滑剤の膜を、最初にディスク表面上に均一に形成させた。膜の局所(約10〜15μmの幅がある放射状の「縞」)で、潤滑剤を減損させた。それぞれの潤滑剤の膜が、ディスク表面上の減損箇所へ逆流する割合を、TOF-SIMSを用いて測定した。いくつかの実施例の結果を、40分後の減損箇所におけるそれぞれの潤滑剤による回復を示したものである、図7(A20Hに関する)、図8(Zdol 2000に関する)および図9(潤滑剤Iに関する)に示す。A20H膜の流動性は、Zdol 2000膜の流動性よりもずっと低いことが分かった:後者は完全な回復を示したが、一方前者はほとんど回復を示さなかった。対して、潤滑剤Iは中程度の流動性を示した。予想され得るように、過剰な流動性は、潤滑剤のスピン・オフ(spin-off)および潤滑剤の湿潤性の低下につながり、ハードディスクの耐久性を下げるかもしれず、一方、不十分な流動性は、場所によって、ディスク表面上の潤滑性の喪失をもたらすかもしれない。従って、中程度の流動性が磁気記録応用に用いられる潤滑剤に望ましいかもしれない。
【0065】
潤滑剤の水接触角も、RameHart(商標)接触角測定器(contact angle goniometer)を用いて測定した。図10に示すように、同じ測定条件下で、潤滑剤Iの水接触角は、Zdol 2000およびA20Hの水接触角よりも高いことが分かり、潤滑剤Iがより低い表面エネルギーを有することを示唆した。約70°〜約90°の範囲の接触角か、またはそれ以上の接触角を有する潤滑剤は、多くの応用に望ましいかもしれないことが、予想され得る。
【0066】
前記の化合物および潤滑剤は、高速モーター、高性能真空ポンプ、自動車部品、および例えば宇宙探査装置等の極限環境下で使用するための装置等を包含する、異なる分野での応用も有し得る。
【0067】
前記で明確には述べられていない、本明細書で記載した態様の他の特徴、利益および有利性は、本明細書および図面から、当業者により理解され得る。
【0068】
前記で引用したそれぞれの引例の内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0069】
当然ながら、前記の態様は、単に説明のみを目的としており、決して限定されない。記載の態様は、形態の多くの改良、部品の配置、操作の詳細および順序の影響を受けやすい。本発明は、むしろ、特許請求の範囲で定義されるその範囲内で、このような改良全てを包含することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式の化合物:

式中、RはCF3、F、およびHより選択され、かつmは1〜22の整数である。
【請求項2】
mが10〜12である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
RがCF3である、請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物を調製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
第一の反応物が、2,4-ジクロロ-2,4,6,6-テトラ(アリールオキシ)-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンであり、かつ
第二の反応物が、式CF3CF2CF2O(CF2CF2CF2O)mCF2CF2CH2OHのペルフルオロポリエーテルであって、該アリールオキシが4-(トリフルオロメチル)フェノキシ(p-CF3-C6H4O)、4-フルオロフェノキシ(p-F-C6H4O)、およびフェノキシ(C6H5O)より選択される、
第一の反応物と第二の反応物とを溶液中で反応させて、該化合物を生成させる工程。
【請求項5】
前記溶液が、テトラヒドロフランを含む溶媒を含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記溶液が、全フッ素置換溶媒を含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
2,2,4,4,6,6-ヘキサクロロ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリンをフェノキシドと反応させることにより、前記第一の反応物を調製する工程を含む、請求項4〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
2,2,4,4,6,6-ヘキサクロロ-1,3,5-トリアザ-2,4,6-トリホスホリン、前記第二の反応物、フェノール、および水素化ナトリウムを、溶液中で混合する工程を含む方法であって、該溶液が全フッ素置換溶媒およびテトラヒドロフランを含む、請求項4記載の方法。
【請求項9】
表面を潤滑化する方法であって、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物の有効量を、該表面に適用して、該表面を潤滑化する工程を含む方法。
【請求項10】
前記表面が、磁気記録装置の記録表面である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記磁気記録装置が、磁気記録媒体である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記磁気記録媒体が、長手記録媒体、垂直記録媒体、パターンド記録媒体、および熱アシスト磁気記録媒体より選択される回転式磁気記録媒体を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物を含む潤滑剤。
【請求項14】
請求項13記載の潤滑剤を含む、磁気記録媒体用の潤滑剤。
【請求項15】
前記磁気記録媒体が、長手記録媒体、垂直記録媒体、パターンド記録媒体、および熱アシスト磁気記録媒体より選択される回転式磁気記録媒体を含む、請求項14記載の潤滑剤。
【請求項16】
記録表面および該記録表面上の潤滑剤を有する磁気記録媒体であって、該潤滑剤が請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物を含む、磁気記録媒体。
【請求項17】
長手記録媒体、垂直記録媒体、パターンド記録媒体、および熱アシスト磁気記録媒体より選択される回転式磁気記録媒体を含む、請求項16記載の磁気記録媒体。
【請求項18】
請求項16または請求項17記載の磁気記録媒体を含む、磁気記録装置。
【請求項19】
ハードディスクドライブを含む、請求項18記載の磁気記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−542805(P2009−542805A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519415(P2009−519415)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際出願番号】PCT/SG2006/000198
【国際公開番号】WO2008/008041
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(508305029)エージェンシー フォー サイエンス, テクノロジー アンド リサーチ (36)
【Fターム(参考)】