説明

ホスフィン酸誘導体、アルツハイマー病の処置のためのベータセクレターゼインヒビタ

本発明は、式I(式中、Rは、アリールまたはヘテロアリールであり;Rは、(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;Rは、水素、(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキル、またはフェニルであり;Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、フェニル、ピリジル、またはインドリルである)の化合物およびその医薬的に許容される塩に関する。この化合物は、β−セクレターゼの阻害に関する疾患の治療または予防に、とりわけ、アルツハイマー病の処置に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスフィン酸誘導体、その製造方法、前記ホスフィン酸誘導体を含有する組成物、ならびに疾患の予防および治療でのその使用に関するものである。
【0002】
更に詳細には、本発明は、式I
【0003】
【化7】

【0004】
(式中、
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、水素、(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキル、またはフェニルであり;
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、フェニル、ピリジル、またはインドリルである)
の化合物およびその医薬的に許容される塩に関する。
【0005】
アリールの例は、非置換であるか、またはOH、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキル、ピロリドニル、およびC(O)NRから選択された置換基によって置換されたフェニルを含み、ここでRは、水素または(C〜C)−アルキルであり、Rは、非置換(C〜C)−アルキルであるかまたはフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルである。
【0006】
ヘテロアリールの例として、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、およびピリジルが挙げられる。ヘテロアリールは、非置換であってもよく、または(C〜C)−アルキルによって置換されていてもよい。
【0007】
本明細書で使用するように、「アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含有する飽和直鎖または分岐鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、2−ブチル、t−ブチル等を示す。アルキルは、非置換であってもよく、またはフェニル、COOH、COOCH、およびS−(C〜C)−アルキルから選択された置換基によって置換されていてもよい。
【0008】
「シクロアルキル」という用語は、3〜7個の炭素原子を含有する飽和炭素環式基を示す。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。
【0009】
ハロゲンの例には、フッ素、塩素、ヨウ素、および臭素が挙げられる。
【0010】
医薬的に許容される塩として、例えば、無機もしくは有機塩基、例えば、炭酸水素ナトリウムまたはカリウム、水酸化ナトリウムまたはカリウムの水溶液、あるいはアンモニアまたはアミン、例えば、トリメチルアミンまたはトリエチルアミンの水溶液を用いた化合物の滴定により調製できるアルカリ金属またはアンモニウム塩が使用される。
【0011】
一実施態様において、本発明は、式I〔式中、Rは、式(a)
【0012】
【化8】

【0013】
(式中、
は、水素、(C〜C)−アルキル、またはO−(C〜C)−アルキルであり;
は、OH、ピロリドニル、または−C(O)NRであり、ここでRは、水素または(C〜C)−アルキルであり、Rは、(C〜C)−アルキルであるかまたはフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルであり、
は、水素または(C〜C)−アルキルである)
の基である〕の化合物を提供する。
【0014】
別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、式(a)の基であり、ここでRは、水素または(C〜C)−アルキルであり;Rは、−C(O)NRであり、ここでRは、水素または(C〜C)−アルキルであり、Rは、(C〜C)−アルキルまたは−CHフェニルであり;Rは、水素である)の化合物を提供する。
【0015】
更に別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、式(a)の基であり、ここでRは、水素または(C〜C)−アルキルであり;Rは、−C(O)NRであり、ここでRおよびRは、(C〜C)−アルキルであり;Rは、水素である)の化合物を提供する。
【0016】
別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、式(a)の基であり、ここでRは、水素またはO−(C〜C)−アルキルであり;Rは、OHまたはピロリドニルであり;Rは、水素または(C〜C)−アルキルである)の化合物を提供する。
【0017】
一実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、ヘテロアリールである)の化合物を提供する。別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、(C〜C)−アルキルによって置換されたインドリルであるかまたはキノリニルである)の化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、1−ブチル−インドール−6−イルまたはキノリン−2−イルである)の化合物を提供する。
【0018】
一実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、非置換であるか、またはフッ素によって置換されたフェニルである)の化合物を提供する。別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、非置換であるか、またはS−(C〜C)−アルキルによって置換された(C〜C)−アルキルである)の化合物を提供する。
【0019】
一実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、水素、(C〜C)−アルキルまたはフェニルである)の化合物を提供する。別の実施態様において、本発明は、式I〔式中、Rは、水素、(C〜C)−アルキル(非置換であるか、またはフェニル、COOHもしくはCOOCHによって置換されている);またはフェニルである〕の化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、CHCOOHまたはCHCOOCHである)の化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rはメチルである)の化合物を提供する。
【0020】
一実施態様において、本発明は、式I〔式中、Rは、非置換(C〜C)−アルキルであるか;ハロゲン、N[(C〜C)−アルキル]、(C〜C)−シクロアルキル、非置換フェニル、置換フェニル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)、および置換イソオキサゾリル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)から選択された1個以上の置換基によって置換された(C〜C)−アルキルである〕の化合物を提供する。別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは非置換(C〜C)−アルキルである)の化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rはイソプロピル、イソブチル、イソペンチル、またはイソヘキシルである)の化合物を提供する。別の実施態様において、本発明は、式I〔式中、Rは、ハロゲン、N[(C〜C)−アルキル]、(C〜C)−シクロアルキル、非置換フェニル、置換フェニル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)、および置換イソオキサゾリル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)から選択された1個以上の置換基によって置換された(C〜C)−アルキルである〕の化合物を提供する。別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、フェニルによって置換されたメチルであるか、またはメチルによって置換されたイソオキサゾリルであるか;シクロヘキシル、フェニル、またはジメチルアミノによって置換されたエチルであるか;フェニルまたはジメチルフェニルによって置換されたプロピルであるか;あるいはフッ素によって置換されたブチルである)の化合物を提供する。
【0021】
一実施態様において本発明は、式I(式中、Rはシクロヘキシルである)の化合物を提供する。
【0022】
一実施態様において、本発明は、式I〔式中、Rは、非置換フェニルまたは置換フェニル(OH、N[(C〜C)−アルキル]、非置換(C〜C)−アルキル、ハロゲンによって置換された(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキルまたはCOO(C〜C)−アルキルによって置換されている)である〕の化合物を提供する。
【0023】
別の実施態様において、本発明は、式I(式中、Rはフェニルである)の化合物を提供する。別の実施態様において、本発明は、式I〔式中、Rは、置換フェニル(OH、ジメチルアミノ、メチル、イソブチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、またはCOOメチルによって置換されている)である〕の化合物を提供する。
【0024】
一実施態様において、本発明は、式I(式中、Rは、非置換ピリジルであるかまたはメチルによって置換されたピリジルである)の化合物を提供する。
【0025】
一実施態様において、本発明は、式I〔式中、
は、式(a)の基であり、ここで
は、水素、(C〜C)−アルキル、またはO−(C〜C)−アルキルであり;
は、OH、ピロリドニル、または−C(O)NRであり、ここでRは、水素または(C〜C)−アルキルであり、Rは、(C〜C)−アルキルであるかまたはフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルであり、Rは、水素または(C〜C)−アルキルであり;
は、非置換であるか、もしくはフッ素によって置換されたフェニルであるか、または非置換であるか、またはS−(C〜C)−アルキルによって置換された(C〜C)−アルキルであり;
は、水素、(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキルであるか;ハロゲン、N[(C〜C)−アルキル]、(C〜C)−シクロアルキル、非置換フェニル、置換フェニル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)、および置換イソオキサゾリル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)から選択された1個以上の置換基によって置換された(C〜C)−アルキルであるか;シクロヘキシルであるか;非置換フェニル、または置換フェニル(OH、N[(C〜C)−アルキル]、非置換(C〜C)−アルキル、ハロゲンによって置換された(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキルまたはCOO(C〜C)−アルキルによって置換されている)であるか;非置換ピリジル、またはメチルによって置換されたピリジルである〕の化合物を提供する。
【0026】
別の実施態様において、本発明は、式I〔式中、
は、式(a)の基であり、ここで
およびRは、水素であり;
は、−C(O)NRであり、ここでRは、水素または(C〜C)−アルキルであり、Rは、(C〜C)−アルキル、またはフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルであり;
は、フェニルであり;
は、水素、(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキルであるか;ハロゲン、N[(C〜C)−アルキル]、(C〜C)−シクロアルキル、非置換フェニル、置換フェニル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)、および置換イソオキサゾリル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)から選択された1個以上の置換基によって置換された(C〜C)−アルキルであるか;シクロヘキシルであるか;非置換フェニルまたは置換フェニル(OH、N[(C〜C)−アルキル]、非置換(C〜C)−アルキル、ハロゲンによって置換された(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキルまたはCOO(C〜C)−アルキルによって置換されている)であるか;非置換ピリジル、またはメチルによって置換されたピリジルである〕の化合物を提供する。
【0027】
一実施態様において、本発明は、式I(式中、
は、(C〜C)−アルキルによって置換されたインドリル、またはキノリニルであり;
は、フェニルであり;
は、(C〜C)−アルキルであり;
は、フェニルである)の化合物を提供する。
【0028】
一実施態様において、本発明は、
{(R)−1−[3−(メチル−プロピル−カルバモイル)−ベンゾイルアミノ]−2−フェニル−エチル}−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
{(R)−1−[3−(メチル−ペンチル−カルバモイル)−ベンゾイルアミノ]−2−フェニル−エチル}−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジペンチルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−5−メチル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
{(R)−1−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−5−プロポキシ−ベンゾイルアミノ]−2−フェニル−エチル}−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
{(R)−1−[(1−ブチル−1H−インドール−6−カルボニル)−アミノ]−2−フェニル−エチル}−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−p−トリルカルバモイル−ブチル)−ホスフィン酸、
[1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(3−メチル−2−p−トリルカルバモイル−ブチル)−ホスフィン酸、
[1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−フェニル−2−p−トリルカルバモイル−エチル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−((S)−2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−p−トリルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−((S)−2−p−トリルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−((R)−2−p−トリルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−イソブチルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(3−メチル−ブチルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[2−(3,3−ジメチル−ブチルカルバモイル−プロピル]−[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ホスフィン酸、[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(4,4,4−トリフルオロ−ブチル−カルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−(ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(3,3,4,4−テトラフルオロ−ブチルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−ブチルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
(2−シクロヘキシルカルバモイル−プロピル)−[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ホスフィン酸、
[2−(2−シクロヘキシル−エチルカルバモイル)−プロピル]−[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(4−ヒドロキシ−フェニルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(4−メトキシ−フェニル−カルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(ピリジン−2−イルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(5−メチル−ピリジン−2−イルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸及び
(2−ベンジルカルバモイル−プロピル)−[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ホスフィン酸
から選択された式Iの化合物を提供する。
【0029】
本発明の更なる目的は、式Iの化合物の光学的に純粋なエナンチオマーまたはジアステレオマー混合物のすべての形態である。
【0030】
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物を製造する方法であって、式II
【0031】
【化9】

【0032】
(式中
は、(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、水素、(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、またはインドリルである)
の化合物を、式III
【0033】
【化10】

【0034】
(式中
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
10は、ハロゲンまたはOHである)
の化合物と反応させること、および所望により、得られた化合物を医薬的に許容される塩に変換することを含む方法を提供する。
【0035】
反応は、活性化剤および添加剤の存在下で起こしてもよい。活性化剤の例としては、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびN−(3−ジメチル−アミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミドヒドロクロライドが挙げられる。添加剤の例としては、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾールがある。塩基、例えば、トリアルキルアミン、例えば、トリエチルアミンが存在してもよい。反応は、溶媒、例えば、エーテル、例えば、テトラヒドロフランの存在下で起こしてもよい。温度は、20〜60℃、または20〜40℃の範囲であってもよい。
【0036】
式IIIの化合物は、市販されているか、または当業者に既知の手順に従って調製されてもよく、例えば、N−メチル−N−プロピル−イソフタルアミド酸、N,N−ジプロピル−イソフタルアミド酸、5−メチル−N,N−ジプロピル−イソフタルアミド酸、N−ペンチル−N−プロピル−イソフタルアミド酸、およびN,N−ジペンチル−イソフタルアミド酸は、Taylor and Spooner, J.of Agricultural and Food Chemistry, 38: 1422-1427(1990)に開示されている手順に従って調製されてもよく;3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−5−プロポキシ−安息香酸は、国際公開公報第03/045,913号に開示されている手順に従って調製されてもよく;そして1−ブチル−インドール−6−カルボン酸は、国際公開公報第03/040,096号に開示されているように調製されてもよい。
【0037】
式IIの化合物は、新規であり、本発明の実施態様でもある。
それらは、式IV
【0038】
【化11】

【0039】
(式中、R11は、保護基、例えば、Bocであり、R、R、およびRは、先の意味を有する)の化合物を、強鉱酸、例えば、HI、HCl、もしくはHBr水溶液、または例えばトリフルオロ酢酸と、溶媒、例えば、CHCl中で、20〜100℃の範囲の温度でまたは20℃で反応させることにより調製されてもよい。
【0040】
式IVの化合物は、新しく、本発明の実施態様でもある。それらは、式V
【0041】
【化12】

【0042】
(式中、R11およびRは、先の意味を有する)
の化合物を、式VI
【0043】
【化13】

【0044】
(式中、RおよびRは、先の意味を有する)
の化合物と反応させることにより調製されてもよい。
【0045】
ホスフィン酸、すなわち式Vの化合物のアクリルアミドから、式VIの化合物へのマイケル付加[Liuら, J.Organomet.Chem.646: 212(2002)]は、ヘキサメチルジシラザンの存在下で20〜150℃の範囲の温度で、または例えば、110℃で実施できる。
【0046】
式VIの化合物は、既知であり、当技術分野において既知の方法によって、例えば、マロン酸、式VII
【0047】
【化14】

【0048】
の化合物を、ホルムアルデヒドおよびHN(Et)で処理し(Liuら同上)、続いてアクリル酸のアクリルアミドへ変換することにより調製できる。
【0049】
式Vの化合物は、式VIII
【0050】
【化15】

【0051】
の化合物を、式R11−O−R11(式中、R11は、保護基、例えば、Bocである)の化合物、例えば、(Boc)O[Sampson and Bartlett, Biochemistry 30: 2255(1991)]、および塩基、例えば、アルキルアミン、例えば、NEtと、CHClまたはMeOHのような溶媒中で、0〜50℃の範囲の温度で、例えば、22℃で反応させることにより調製できる。式Vの化合物は、キラルアミン[Sampson and Bartlett, Biochemistry 30: 2255(1991)]、例えば、α−(+)−メチル−ベンジルアミンを使用して、ケトンおよびアルコール等の溶媒混合物、例えば、メチルエチルケトンおよびMeOH中で分割して、対応する塩を得ることができ、これは上述の同じ溶媒混合物から結晶化できる。脱塩は、エナンチオマーとして純粋な(>95%)の式Vの化合物の(R)−エナンチオマーを与える。式Vの新規な化合物、例えば、以下の化合物V−2およびV−5も、本発明の実施態様である。
【0052】
式VIIIの化合物は、式IX
【0053】
【化16】

【0054】
(式中、R12は、ジフェニルメチルである)の化合物を、強鉱酸、例えば、HI、HCl、またはHBr、例えば、HBr水溶液と、50〜100℃の範囲の温度で、例えば、100℃または105℃で反応させることにより調製できる。式VIIIの新規な化合物、例えば、以下の化合物VIII−2およびVIII−4も本発明の実施態様である。
【0055】
式IXの化合物は、式X
【0056】
【化17】

【0057】
の化合物を、保護アミン、例えば、ジフェニルメチルアミンヒドロクロライド、およびホスフィン酸、例えば、ホスフィン酸50%水溶液[Baylisら, J.Chem.Soc., Perkin Trans.1: 2845(1984)]と、水またはジオキサンのような溶媒中、例えば、水中で、50〜100℃の範囲の温度で、例えば、100℃で反応させることにより調製できる。式IXの新規な化合物、例えば、以下の化合物IX−2およびIX−4も本発明の実施態様である。
【0058】
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物の製造方法であって、式XI
【0059】
【化18】

【0060】
(式中、
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、水素、(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)アルコキシ、またはフェニルである)
の化合物を、式XII
【0061】
【化19】

【0062】
(式中、Rは、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、またはインドリルである)
に変換することを含む方法を提供する。
【0063】
反応は、活性化剤および添加剤の存在下で起こしてもよい。活性化剤の例として、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびN−(3−ジメチル−アミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミドヒドロクロライドが挙げられる。添加剤の例として、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾールが挙げられる。塩基、例えば、トリアルキルアミン、例えば、トリエチルアミンが存在してもよい。反応は、溶媒、例えば、エーテル、例えば、テトラヒドロフランの存在下で起こしてもよい。温度は、20〜60℃、または20〜40℃の範囲であってもよい。
【0064】
式XIIの化合物は、市販されているか、または当業者に既知の手順に従って調製されてもよく、例えば、HN(CHCFはDijolsら, Biochemistry 41: 9286-9292(2002)に従って調製されてもよく;HN(CHCFCHFは、対応するブロミドからJacobsら, J.Med.Chem.37: 1282(1994)によるフタルイミド法により調製してもよく;フェネチルアミン誘導体は、Baileyら, Can.J.of Chem.49: 3143-51(1971)に従って調製されてもよく;そして、イソキサゾール誘導体は国際公開公報第03/072,535号に従って調製されてもよい。
【0065】
式XIの化合物は、新規であり、本発明の実施態様でもある。それらは、式XIII
【0066】
【化20】

【0067】
(式中、R13は、(C〜C)−アルキルである)の化合物を、塩基、例えば、KOH、NaOH、またはLiOHの存在下で、メタノールもしくは水または両者の混合物等の溶媒中で、0〜60℃の範囲の温度で、例えば、20℃で、加水分解することにより調製できる。
【0068】
式XIIIの化合物は、新規であり、本発明の実施態様でもある。それらは、式XIV
【0069】
【化21】

【0070】
の化合物を、式IIIの化合物と、活性化剤、例えば、ジシクロ−ヘキシルカルボジイミドまたはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミドヒドロクロライド、および添加剤、例えば、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール、および塩基、例えば、トリアルキルアミン、例えば、N(Et)の存在下で、溶媒、例えば、エーテル、例えば、テトラヒドロフラン中で、20〜60℃の範囲の温度で、例えば、20〜40℃で反応させることにより調製できる。
【0071】
式XIVの化合物は、新規であり、本発明の実施態様でもある。それらは、式XV
【0072】
【化22】

【0073】
(式中、R11は、保護基、例えば、Bocである)
の化合物を、強鉱酸、例えば、HI、HCl、またはHBr水溶液と、あるいは例えば、トリフルオロ酢酸と、CHCl等の溶媒中で、20〜100℃の範囲の温度で、例えば、20℃で反応させることにより調製できる。
【0074】
式XVの化合物は、新規であり、本発明の実施態様でもある。それらは式Vの化合物を式XVI
【0075】
【化23】

【0076】
の化合物と、例えば、ヘキサメチルジシラザンの存在下で、20〜150℃の範囲の温度で、例えば、110℃で反応させることにより調製できる(Michael addition, Liuら上記)。
【実施例】
【0077】
概要:立体記述子RおよびS(CIP則による)は、系統名で与えられる。記述子が与えられない場合、異性体の混合物が得られる。以下の省略形を使用した。Boc:t−ブチルオキシカルボニル;TFA:トリフルオロ酢酸
【0078】
〔実施例S1〕
式Vの出発化合物の調製
(a)式IXの化合物の調製
水80ml中のジフェニルメチルアミンヒドロクロライド36.3gの懸濁物に、HPO 50%水溶液180mlを添加した。混合物を還流温度まで加熱して、ジオキサン30ml中の式Xの適切な化合物200mmolの溶液によって10分間に渡って処理して、攪拌を10分間継続した。懸濁物を65℃まで冷却、濾過して、固体を水で1回洗浄した。湿潤固体をアセトン180mlと共に0℃にて10分間攪拌して、懸濁物を濾過し、固体を冷アセトンで1回洗浄して、式IXの所望の化合物を収率50〜70%で得た。
【表1】

【0079】
1)出発アルデヒドは、以下のように調製した。MeOH 40mlおよびBF・EtO 3ml中の3,5−ジフルオロフェニル酢酸5.3gの溶液を50℃まで1時間加温した。溶液を蒸発させ、残留物をEtOとNaHCO水溶液とに分離して、有機層を水で洗浄し、乾燥および蒸発させた。残ったメチルエステル(5.6g)を無水トルエン240mlに溶解させて、−78℃まで冷却して、CHCl中のジイソブチルアルミニウムヒドリド1M溶液45mlで処理して、攪拌を−78℃にて1時間継続した。混合物をMeOH 30mlおよび酒石酸ナトリウムカリウム50%水溶液100mlによって反応停止させて、EtOで抽出した。有機層を塩水で洗浄して、乾燥および蒸発させて、(3,5−ジフルオロ−フェニル)−アセトアルデヒド4.5gを得た。
【0080】
(b)式VIIIの化合物の調製
式IXの適切な化合物77.4mmolおよびHBr 48%水溶液 210mlの懸濁物を105℃まで1時間加熱した。混合物をEtOで数回洗浄して、水溶液を蒸発乾燥させた。得られた固体をエタノール465mlに溶解させた。溶液をプロピレンオキシド29mlで処理して、得られた懸濁物を20℃で一晩攪拌した。懸濁物を濾過して、固体を冷エタノールで洗浄し、乾燥させて、式VIIIの所望の化合物を収率70〜95%で得た。
【表2】

【0081】
(c)式Vの化合物の調製
MeOH 10ml中の式VIIIの適切な化合物2.0mmolの溶液に、MeOH 2ml中の(Boc)O 2.2mmolの溶液を20℃にて添加して、攪拌を4時間継続した。混合物を蒸発させて、残留物をAcOEtとKHSO水溶液(10%)とに分離した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥および蒸発させて、式Vの所望の粗化合物を収率80〜90%で得た。ラセミ化合物の分解は、メチルエチルケトン40ml中での式Vの化合物2mmolおよびα−(+)−メチルベンジルアミン2.2mmolの結晶化と、それに続く再結晶化によって実施した。得られた塩を塩酸水溶液とAcOEtとに分離して、式Vの化合物の(R)−エナンチオマーを収率30〜40%および光学純度95%で得た。
【表3】

【0082】
〔実施例S2〕
式VIの化合物の調製
式VIIの適切な化合物28mmolおよびジエチルアミン2.9mlの混合物をホルマリン11mlによって処理して、還流温度まで1〜3時間加熱した。溶液を20℃まで冷却して、CHClによって希釈し、NaHCO水溶液で洗浄した。水層を、希塩酸を使用してpH=1まで酸性化して、CHClで抽出した。合せた有機層を乾燥および蒸発させて、対応する粗アクリル酸を収率70〜80%で得た。テトラヒドロフラン7ml中のアクリル酸4.3mmolの溶液に、p−トルイジン560mg、NEt 1.8ml、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール950mg、およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミドヒドロクロライド1.28gを続いて添加して、懸濁物を20℃にて1〜3時間攪拌した。混合物をNHCl飽和水溶液とAcOEtとに分離して、有機層を0.5N NaOH水溶液で洗浄して、乾燥および蒸発させた。粗物質を、n−ヘプタン/AcOEtを用いた、シリカによるクロマトグラフにかけて、式VIの所望の化合物を収率50〜70%で得た。
【表4】

【0083】
〔実施例S3〕
N,N−ジプロピル−イソフタルアミド酸クロライドの調製
ベンゼン5ml中のN,N−ジプロピル−イソフタルアミド酸1.30gおよびSOCl 1.9mlの溶液を、ガス発生が停止するまで、還流温度で加熱した(30分間)。溶液を蒸発させて、残留物をトルエンと共に同時蒸留して、N,N−ジプロピル−イソフタルアミド酸クロライド1.41gを得た。
【0084】
〔実施例S4〕
式XIの化合物、すなわち3−{[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ヒドロキシ−ホスフィノイル}−2−メチル−プロピオン酸の調製
(a)3−[((R)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−フェニル−エチル)−ヒドロキシ−ホスフィノイル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルの調製
((R)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−フェニル−エチル)−ホスホン酸5.00gおよびHN(TMS)2 18.3mlの混合物を110℃まで1時間加熱した。溶液にメチルメタクリレート2.5mlを添加して、加熱を110℃にて2時間継続した。溶液を70°までゆっくり冷却して、EtOH 10mlで希釈して、蒸発させた。CHCl/MeOH(9:1)→CHCl/MeOH/AcOH(10:1: 0.3)の勾配を使用して、残留物をシリカによるクロマトグラフにかけて、表題化合物4.10gを得た。MS:386.5(M+H)
【0085】
(b)トリフルオロ酢酸を伴う、3−[((R)−1−アミノ−2−フェニル−エチル)−ヒドロキシ−ホスフィノイル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル塩の調製
CHCl 20ml中の3−[((R)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−フェニル−エチル)−ヒドロキシ−ホスフィノイル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル1.75gおよびCFCOOH 3.40ml溶液を20℃にて16時間攪拌して、蒸発させて、粗表題化合物2.23gを得た。
【0086】
(c)3−{[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ヒドロキシ−ホスフィノイル}−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルの調製
ジオキサン15ml中のTFA塩としての粗アミン2.23g(式XIVの化合物)の溶液に、NEt 1.9mlおよびジオキサン2ml中のN,N−ジプロピル−イソフタルアミド酸クロライド1.47gを0℃にて続いて添加し、攪拌を20℃にて3時間継続した。混合物をAcOEtと塩水とに分離して、塩酸を使用してpHを2に調整した。有機層を塩水で洗浄して、乾燥および蒸発させた。CHCl→CHCl/MeOH/AcOH(10:1:0.5)の勾配を使用して、残留物をシリカによるクロマトグラフにかけて、表題化合物2.15gを得た。MS:515.3(M−H)
【0087】
(d)3−{[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ヒドロキシ−ホスフィノイル}−2−メチル−プロピオン酸の調製
MeOH 8ml中の3−{[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ヒドロキシ−ホスフィノイル}−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル2.11gの溶液をHO 2ml中のLiOH・HO 865mgの溶液によって処理して、混濁溶液を20℃にて1.5時間攪拌した。混合物を蒸発させて、残留物をHCl水溶液(pH=2)とAcOEtとに分離した。有機層を塩水で洗浄して、乾燥および蒸発させて、表題化合物1.54gを得た。MS:501.4(M−H)
【0088】
〔実施例1〕
式IIの化合物および式IIIの化合物から出発する式Iの化合物の調製
(a)式Vの適切な化合物0.4mmolおよびHN(TMS) 0.6mlの混合物を110℃まで1時間加熱した。溶液に式VIの適切な化合物0.6mmolを添加して、加熱を110℃にて1〜4時間継続した。溶液を20°に冷却して、EtOH 1mlで希釈し、蒸発させた。CHCl/MeOH(9:1)→CHCl/MeOH/−AcOH(10:1:0.5)の勾配を使用して、残留物をシリカによるクロマトグラフにかけて、式IVの所望の化合物を収率30〜70%で得た。
【表5】

【0089】
1)反応の逆順によって化合物IV−7を調製した。すなわち式Vの対応する化合物を2−フェニルアクリル酸と反応させて、3−[(1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−フェニル−エチル)−ヒドロキシ−ホスフィノイル]−2−フェニル−プロピオン酸(MS:432.4(M−H))を得て、これをp−トルイジンと反応させて(1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−フェニル−エチル)−(2−フェニル−2−p−トリルカルバモイル−エチル)−ホスホン酸を得た。
【0090】
(b)CHCl 2.0ml中の式IVの適切な化合物0.20mmolおよびCFCOOH 0.23mlの溶液を20℃にて1.5時間攪拌して、蒸発させた。得られた式IIの粗化合物(TFA塩として)をテトラヒドロフラン1mlに溶解させて、式IIIの適切な化合物0.22mmol、NEt 0.70mmol、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.24mmolおよびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミドヒドロクロライドによって続いて処理して、懸濁物を20℃で1.5時間攪拌した。混合物をNHCl飽和水溶液とAcOEtとに分離して、有機層を塩水で洗浄し、乾燥および蒸発させた。CHCN:HO(20:80)→CHCN:HO(95:5)の勾配を使用して、粗物質をHPLC(RP−18カラム)によって精製して、式Iの所望の化合物を収率30〜40%で得た。
【0091】
先の実施例に従って、以下の化合物を調製した。
【表6】



【0092】
〔実施例2〕
式XIの化合物および式XIIの化合物から出発する式Iの化合物の調製
粗3−{[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ヒドロキシ−ホスフィノイル}−2−メチル−プロピオン酸(0.10mmol)をテトラヒドロフラン0.7mlに溶解させ、式XIIの適切な化合物0.16mmol、NEt 0.40mmol、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.16mmolおよびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミドヒドロクロライド0.26mmolによって続いて処理して、懸濁物を45℃で3時間攪拌した。混合物をNH4Cl飽和水溶液とAcOEtとに分離して、有機層を塩水で洗浄し、乾燥よび蒸発させた。CHCN:HO(20:80)→CHCN:HO(95:5)の勾配を使用して、粗物質をHPLC(RP−18カラム)によって精製して、式Iの所望の化合物を収率10〜60%で異性体の混合物として得た。異性体混合物の分離は、CHCl/MeOH/AcOH 9:1:0.25を使用して、シリカによる厚層クロマトグラフィーによって実施した。より低いランニングスポットは、1(R),2(S)−立体異性体を表す。
【0093】
先の実施例に従って、以下の化合物を調製した。
【表7】





【0094】
一例として、NMRデータ[1H−NMR(300MHz,内部標準TMS,J値(Hz),CDOD)]を2つの化合物、すなわち化合物I−18およびI−37について示す。
【0095】
【表8】

【0096】
〔実施例3〕
式Iの別の化合物から出発する式Iの化合物の調製
MeOH 1mlおよびNaOH 3mg中の3−{[1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ヒドロキシ−ホスフィノイルメチル}−N−フェニル−スクシンアミド酸メチルエステル(化合物I−17)14mgの溶液を45°まで3時間加熱した。溶液を蒸発させて、残留物を1N塩酸水溶液とCHClとに分離して、有機層を水で洗浄し、乾燥および蒸発させて、3−{[1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ヒドロキシ−ホスフィノイルメチル}−N−フェニル−スクシンアミド酸11mg(化合物I−53)を得た。
【0097】
番号 式Iの化合物
I−53 3−{[1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ヒドロキシ−ホスフィノイルメチル}−N−フェニル−スクシンアミド酸 MS620.3(M−H)
【0098】
本発明の化合物およびその医薬的に適切な塩(以下:医薬化合物)は、薬理活性を有し、医薬品として有用である。特に医薬化合物は、β−セクレターゼ阻害活性を示す。
【0099】
A−ベータ生成のインヒビタの細胞スクリーニング法、A−ベータ生成のインビボ抑制の試験法、およびセクレターゼ活性を検出するための膜または細胞抽出物を用いたアッセイは、当技術分野において既知であり、参照としてすべて本明細書に組み入れられる、国際公開公報第98/22493号、米国特許第5,703,129号、米国特許第5,593,846号、および英国特許第2,395,124号を含む、多数の公報に開示されている。ベータ−セクレターゼは、欧州特許第 855,444号、国際公開公報第00/17,369号、国際公開公報第00/58,479号、国際公開公報第00/47,618号、国際公開公報第01/00,663号および国際公開公報第01/00,665号を含む、複数の公報に開示されている。
【0100】
例えば、医薬化合物のβ−セクレターゼの阻害は、例えば、蛍光ペプチド基質の開裂を阻害する能力(例えば、特にGrueninger-Leitchらによって述べられているようなFRETアッセイ等のアッセイにおいて)、または例えば、以下の試験法に従って示されるように、例えば、β−セクレターゼの活性結合部位にてペプチドβ−セクレターゼインヒビタを置換する、その能力によって示すことができる。
【0101】
競合的放射性リガンド結合アッセイ(RLBA)
96ウェルマイクロプレート(Optiplate Packard)を精製BACEタンパク質(例えば、英国特許第2,385,124号:実施例1および2)によって、pH5.5に調整した30mMクエン酸ナトリウム緩衝液中で1μg/mlの濃度を使用してコーティングした。コーティングは、1〜3日間、4℃での100μl/ウェルのインキュベーションによって実施した。次にプレートをpH4.1の10mMクエン酸塩2×300μl/ウェルで洗浄した。各ウェルに、結合緩衝液100μl(30mMクエン酸塩、100mM NaCl、0.1% BSA、pH4.1)を分注した。DMSOストック溶液または適切な希釈液から試験化合物5μlを添加した。これにトレーサー(トリチウム化化合物A、例えば、英国特許第2,385,124号を参照:実施例4)10μl/ウェルを結合緩衝液中の10μCi/mlストック溶液から添加した。大気温度下における湿潤チャンバ内での1.5〜2時間のインキュベーションの後、プレートを水2×300μl/ウェルで洗浄して、乾燥したタオルの上に裏返した。MicroScint20(Packard)50μl/ウェルの添加の後、プレートを密封して、5秒間揺り動かした。結合した放射活性をTopcount(Packard)でカウントした。全結合は、典型的には、主にBACEタンパク質の純度および濃度に依存するが、2000〜10000cpm/ウェルである。>1μMペプチドインヒビタ(Bachem# H-4848)を用いた競合によって評価される非特異性結合は、典型的には、30〜300cpm/ウェルである。IC−50値は、Microsoft Excel FITによって計算した。
【0102】
好ましい化合物は、IC50<1.0μMである。以下の表に、β−セクレターゼ阻害の一部の例示的データを示す。
【0103】
【表9】

【0104】
したがって、医薬化合物は、β−セクレターゼインヒビタとして、例えば、β−セクレターゼ活性が役割を果たすかまたは関係している疾患および状態の処置においてβ−セクレターゼインヒビタとして有用である。そのような状態には、特にアルツハイマー病および脳アミロイド血管症が挙げられる。
【0105】
ベータ−セクレターゼインヒビタは、当技術分野において周知の細胞培養系でのA−ベータの分泌を阻害するその能力に関して更に最適化が可能である。例えば、A−ベータの生成は、アミロイド前駆タンパク質(APP)の移入により過剰発現するHEK293細胞の細胞培養上澄みでのイムノアッセイによって測定できる。A−ベータ生成は、内在性APPを発現する上澄みヒト神経芽細胞腫細胞系においても測定できる。加えてベータ−セクレターゼインヒビタは、罹患マウスのCNS中にA−ベータ含有アルツハイマー様斑を産生するアルツハイマー病のトランスジェニックマウスモデルにおける有効性についての最適化が可能である。最後に、ベータ−セクレターゼインヒビタは、アルツハイマー病に罹患している患者の脳および脳脊髄液において、またA−ベータ斑をまだ発現していない健常者においても、A−ベータ濃度を低下させることが予想される。
【0106】
生化学的および免疫学的研究は、アルツハイマー病(AD)に罹患した個体の大脳皮質で発生するアミロイド斑の主要なタンパク性成分が、おおよそ39〜43アミノ酸の約4.2キロダルトン(kD)タンパク質であることを明らかにした。このタンパク質は、A−ベータ−アミロイドペプチド、場合によりベータ/A4と呼ばれた。本明細書ではA−ベータと呼ぶ。アミロイド斑のA−ベータの沈着に加えて、A−ベータは、硬膜細動脈および実質内細動脈、小動脈、毛細血管、そして場合により、細静脈の壁にも見出される。A−ベータ沈着がADに原因として関与しているという強力な指摘があるため、インビボでのA−ベータの形成を阻害し、かくして、アミロイド斑の形成を制御することによって神経変性を防止および低減すること、神経毒性を低減すること、一般にA−ベータ生成に関連する病変を仲介することが望ましい。
【0107】
A−ベータは、ベータアミロイド前駆タンパク質(APP)と呼ばれる1型内在性膜タンパク質に由来する、内部ポリペプチドのように思われる。APPは通常、インビボおよび様々な動物やヒトに由来する培養細胞内の両方で多くの細胞によって生成される。A−ベータは、A−ベータのN末端を産生するベータ−セクレターゼを含めた、集合的にセクレターゼと呼ばれる、酵素(プロテアーゼ)系によるAPPの開裂に由来する。
【0108】
別の実施態様において、本発明は、β−セクレターゼ阻害に関連する疾患の処置のための医薬の製造における式Iの化合物およびその医薬的に許容される塩の使用を提供する。更に別の実施態様においても、本発明は、アルツハイマー病の予防または治療のための医薬の製造における式Iの化合物およびその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
【0109】
医薬化合物は、例えば、医薬調製物の形態で、医薬として使用できる。医薬調製物は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬および軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤または懸濁剤の形態で経口投与できる。しかしながら、投与は、例えば、坐剤の形態で経直腸的に、例えば、注射用液剤の形態で非経口でも実施できる。
【0110】
医薬化合物は、医薬調製物の製造のための医薬的に不活性な無機または有機担体を用いて加工できる。ラクトース、コーンスターチ、またはその誘導体、タルク、ステアリル酸、およびその塩等は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、および硬ゼラチンカプセル剤の担体として使用できる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な担体は、例えば、植物油、ワックス、脂質、半液状または液状のポリオール等である。しかしながら軟ゼラチンカプセル剤の場合には、活性物質の性質によって、通常は、担体を必要としない。液剤およびシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油等である。坐剤に適切な担体は、例えば、天然または硬化油、ワックス、脂質、半液状または液状ポリオール等である。
【0111】
医薬調製物は、更に、保存料、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤または抗酸化剤を含有できる。それらは更に、他の治療的に価値のある物質を含有することもできる。
【0112】
医薬化合物および治療的に不活性な担体を含有する医薬も、1個以上の医薬化合物、及び所望の場合1個以上の他の治療的に価値のある物質を、1個以上の治療的に不活性な担体と共にガレヌス製剤投与形態に加えることを含む、その製造工程と同様に、本発明の目的である。
【0113】
投薬量は、幅広い範囲内で変化し、もちろん、特定の症例各々における個体の要件に調節する必要がある。経口投与の場合、成人の投薬量は、1日当たり医薬化合物約0.01mg〜約1000mgの範囲で変化しうる。1日投薬量は、1回用量として、または分割用量で投与され、加えて、これが指示されていることが判明した場合には、上限を上回ることも可能である。
【0114】
【表10】

【0115】
品目1、2、3、および4を混合して、水を用いて造粒する。顆粒を50℃にて乾燥させる。顆粒を適切な粉砕装置に通過させる。品目5を添加して、3分間混合する。適切なプレスで圧縮する。
【0116】
【表11】

【0117】
品目1、2、および3を適切なミキサーで30分間混合する。品目4および5を添加して、3分間混合する。適切なカプセルに充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


(式中、
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、水素、(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、フェニル、ピリジル、またはインドリルである)
の化合物およびその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
が、式(a)
【化2】


(式中、
は、水素、(C〜C)−アルキル、またはO−(C〜C)−アルキルであり;
は、OH、ピロリドニル、または−C(O)NRであり、ここでRは、水素または(C〜C)−アルキルであり、Rは、(C〜C)−アルキルであるかまたはフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルであり、
は、水素または(C〜C)−アルキルである)の基であるか;あるいは
が、(C〜C)−アルキルによって置換されたインドリルであるかまたはキノリニルである、
請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項3】
が、非置換であるか、またはフッ素によって置換されたフェニルである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項4】
が、水素、(C〜C)−アルキル、またはフェニルである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項5】
が、非置換(C〜C)−アルキルであるか;ハロゲン、N[(C〜C)−アルキル]、(C〜C)−シクロアルキル、非置換フェニル、置換フェニル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)、および置換イソオキサゾリル(1個以上の(C〜C)−アルキルによって置換されている)から選択された1個以上の置換基によって置換された(C〜C)−アルキルであるか;あるいはシクロヘキシルであるか;あるいは非置換フェニル、または置換フェニル(OH、N[(C〜C)−アルキル]、非置換(C〜C)−アルキル、ハロゲンによって置換された(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキルまたはCOO(C〜C)−アルキルによって置換されている)であるか;あるいは非置換ピリジル、またはメチルによって置換されたピリジルである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項6】
{(R)−1−[3−(メチル−プロピル−カルバモイル)−ベンゾイルアミノ]−2−フェニル−エチル}−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
{(R)−1−[3−(メチル−ペンチル−カルバモイル)−ベンゾイルアミノ]−2−フェニル−エチル}−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジペンチルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−5−メチル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
{(R)−1−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−5−プロポキシ−ベンゾイルアミノ]−2−フェニル−エチル}−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
{(R)−1−[(1−ブチル−1H−インドール−6−カルボニル)−アミノ]−2−フェニル−エチル}−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−p−トリルカルバモイル−ブチル)−ホスフィン酸、
[1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(3−メチル−2−p−トリルカルバモイル−ブチル)−ホスフィン酸、
[1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−フェニル−2−p−トリルカルバモイル−エチル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−((S)−2−フェニルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−p−トリルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−((S)−2−p−トリルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−((R)−2−p−トリルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−(2−イソブチルカルバモイル−プロピル)−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(3−メチル−ブチルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[2−(3,3−ジメチル−ブチルカルバモイル)−プロピル]−[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(4,4,4−トリフルオロ−ブチル−カルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(3,3,4,4−テトラフルオロ−ブチルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−ブチルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
(2−シクロヘキシルカルバモイル−プロピル)−[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ホスフィン酸、
[2−(2−シクロヘキシル−エチルカルバモイル)−プロピル]−[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(4−ヒドロキシ−フェニルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(4−メトキシ−フェニル−カルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(ピリジン−2−イルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸、
[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−[2−(5−メチル−ピリジン−2−イルカルバモイル)−プロピル]−ホスフィン酸及び
(2−ベンジルカルバモイル−プロピル)−[(R)−1−(3−ジプロピルカルバモイル−ベンゾイルアミノ)−2−フェニル−エチル]−ホスフィン酸
から選択された、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項7】
式II
【化3】


(式中
は、(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、水素、(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、またはインドリルである)
の化合物を、式III
【化4】


(式中
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
10は、ハロゲンまたはOHである)
の化合物と反応させること、および所望により、得られた化合物を医薬的に許容される塩に変換すること;あるいは
式XI
【化5】


(式中、
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、(C〜C)−アルキルまたはフェニルであり;
は、水素、(C〜C)−アルキル、O−(C〜C)アルコキシまたはフェニルである)
の化合物を、式XII
【化6】


(式中、Rは、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−シクロアルキル、フェニル、ピリジル、またはインドリルである)
の化合物と反応させること、および所望により、得られた化合物を医薬的に許容される塩に変換すること;
を含む、請求項1記載の式Iの化合物の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法により製造される、請求項1記載の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
β−セクレターゼの阻害に関する疾患の処置のための医薬を製造するための、請求項1記載の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩の使用。
【請求項10】
請求項1記載の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項11】
アルツハイマー病の処置のための、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
これよりも前に記載した発明。

【公表番号】特表2007−510684(P2007−510684A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538727(P2006−538727)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012371
【国際公開番号】WO2005/044830
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】