説明

ホログラム装置

【課題】所定の深さを有する記録マークを適正に消去可能なホログラム装置を提供する。
【解決手段】記録層12中には、ホログラムによる記録マークMが形成されている。光ピックアップ装置は、レーザ光を出射するレーザ光源101と、コリメータレンズ103と、コリメータレンズ103を光軸方向に変位させるレンズアクチュエータ104と、レーザ光を記録層12に収束させる対物レンズ106とを備える。記録マークMの消去時には、コリメータレンズ103が駆動され、レーザ光が平行光から広げられる。これにより、レーザ光の焦点位置が、記録層12の深さ方向に変位される。これにより、記録マークMの消去時には、再生時よりも広い範囲において、レーザ光が記録マークMに照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム装置に関するものであり、特に、記録されたホログラムマークをレーザ光により消去可能なホログラム装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光記録媒体の大容量化に伴い、記録層の多層化が進んでいる。また、最近では、一つの記録層中の異なる深さ位置にレーザ光を収束させて記録を行う方式が提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)。この方式によれば、一つの記録層中に複数の信号層が形成される。このため、記録媒体の記録容量を高めることができる。なお、このような記録方式として、2つのレーザ光の干渉を利用する方式(マイクロホログラム方式:特許文献1)と、2光子吸収を利用する方式(2光子吸収方式:特許文献2)がある。
【0003】
マイクロホログラム方式では、記録の際に、信号光と参照光とが互いに異なる角度で記録層に照射される。これにより、信号光と参照光とが交差する領域に、これら2つの光の干渉による記録マーク(ホログラムマーク)が形成される。ここで、信号光と参照光は、上記のように、互いに異なる角度で記録層に照射されるため、信号光と参照光とが交差する領域は、ディスク面に垂直な方向に、所定の深さを有する。このため、記録マークも、ディスク面に垂直な方向に、所定の深さを有する形状となる。
【0004】
マイクロホログラム方式の記録媒体は、一つの記録マークを1ビットとしてデータが保持される。記録マークの形成領域は、他の領域に比べて、屈折率が異なる。かかる屈折率の変化を、信号層からの反射光の強弱に基づいて検出することで、データの再生が行われる。この場合、参照光は照射されず、一つのレーザ光のみが、記録マークにフォーカスされ、記録マークが読み取られる。
【0005】
マイクロホログラム方式の記録媒体では、記録マークの形成のために、信号光と参照光を記録層に照射するための2つの光学系が、光ピックアップ装置に必要となる。このため、この種の光ピックアップ装置では、小型化が難しく、コストが高くなる。
【0006】
ところで、上記マイクロホログラム方式の光ディスクには、所定パワーのレーザ光を記録マークに照射すると、記録マークが消去される構成のものがある。そのような光ディスクの中には、記録マークが、再生時と同じ一つのレーザ光によって消去されるものがある。このような光ディスクでは、たとえば、予め記録層に形成された記録マークを消去することによって、データの記録を行うことができる。こうすると、光ピックアップ装置には、一つの光学系のみを配置すれば良くなり、光ピックアップ装置の小型化とコストの削減を図り得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−287754号公報
【特許文献2】特開2009−104717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ホログラムで記録された記録マークを消去する場合、記録マークが、確実に消去される必要がある。ところが、上記のように記録マークは所定の深さを有するため、再生時と同様にレーザ光を照射しても、記録マークの全領域にレーザ光が照射され難い。このため、
一つのレーザ光で記録マークを消去する場合、記録マークの消し残りが生じ、その後の再生動作に支障が生じる惧れがある。
【0009】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、所定の深さを有する記録マークを適正に消去可能なホログラム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、記録層中にホログラムによる記録マークが形成された記録媒体にレーザ光を照射するホログラム装置に関する。本発明に係るホログラム装置は、前記レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を前記記録媒体上に収束させる対物レンズと、前記記録層に対する前記レーザ光の照射状態を制御する照射制御部と、を備える。前記照射制御部は、前記記録マークの再生時において、前記レーザ光を前記記録マークに照射し、前記記録マークの消去時には、前記再生時よりも広い範囲において、前記レーザ光を前記記録マークに照射する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定の深さを有する記録マークを適正に消去可能なホログラム装置を提供することができる。
【0012】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態によって何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態に係るディスクの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成と動作を説明する図である。
【図3】実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係る光ディスク装置の動作を説明する図である。
【図5】変更例1に係る光ピックアップ装置の構成と動作を説明する図である。
【図6】変更例1に係る液晶レンズの構成と動作を説明する図である。
【図7】変更例2に係る光ピックアップ装置の構成と動作を説明する図である。
【図8】変更例2に係る液晶レンズの構成と動作を説明する図である。
【図9】変更例3に係る光ピックアップ装置の構成と動作を説明する図である。
【図10】変更例3に係る液晶レンズの構成と動作を説明する図である。
【図11】変更例4に係る光ピックアップ装置の構成と動作を説明する図である。
【図12】変更例1の回折構造を変化させた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係るディスク10の構成を示す図である。同図(a)は、ディスクの断面図、同図(b)は、信号層14の平面図である。
【0016】
同図(a)を参照して、ディスク10は、基板11と、記録層12と、表面層13とを備えている。
【0017】
基板11および表面層13は、ポリカーボネート、ポリオレフィンまたはアクリル等の透光性材料からなっている。この他、基板11および表面層13の材料として、生分解性材料、UV硬化樹脂、粘着フィルム等を用いることもできる。また、レーザ光が入射しない方の基板11を、安価なABS樹脂や紙などで構成しても良い。
【0018】
記録層12は、記録光と参照光との干渉により屈折率が変化する材料からなっている。本実施の形態では、予め、記録光と参照光を記録層12内で干渉させて、一連のホログラム領域(マークM)が形成されている。マークMは、表面層から所定の深さの位置に、ディスク10の内周部から外周部に向かって螺旋状に形成されている。これにより、各深さ位置に、信号層14が形成されている。同図(a)では、6段の信号層14が、記録層12中に配されている。
【0019】
ユーザが購入した時点の未記録状態のディスク10では、同図(b)に示すように、各信号層14のマークMは、一定の間隔で、螺旋状に、規則的に並んでいる。マークMは、記録データの1ビットに相当する。各信号層14には、螺旋状に続く記録マークMによって、トラックMTが形成される。ユーザ情報の記録は、マークMを消去することにより行われる。すなわち、記録されるべきユーザ情報に応じて、ディスクの製造段階で予め形成された規則的に並ぶ記録マークが消去される。
【0020】
なお、ディスク10の内周部には、試し書き領域が設定され、かかる試し書き領域よりも外側の領域(データ領域)にユーザデータが記録される。トラックMTは、試し書き領域とデータ領域は同一の状態で形成されている。
【0021】
記録層12は、所定パワーのレーザ光が照射されると、記録マークMが消去され、その部分の屈折率が変化する材料からなっている。記録層12の材料として、たとえば、プロトン化ニトロン色素を含む材料を用いることができる。
【0022】
本実施の形態では、具体的には、記録層12の材料として、α−(4−ジメチルアミノスチリル)−N−フェニルニトロンや、それをプロトン化したα−(4−ジメチルアミノスチリル)−N−フェニルニトロン塩酸塩が用いられる。これらの材料では、信号光と参照光によりマークMが形成されると、マークMが消去されるためには、一定以上のパワーの光が必要となる。つまり、マークMは、所定以上のパワーが照射されないと消去されない特性を有する。これにより、マークMは、再生のみでは安易に消去されず、消去パワーのレーザ光によって消去できる。これと同様の特性となるように、記録層12の材料として、α−(4−メチルアミノスチリル)−N−(4−カルペトキシフェニル)ニトロンおよびこれをプロトン化したα−(4−メチルアミノスチリル)−N−(4−カルペトキシフェニル)ニトロン塩酸塩を用いても良い。
【0023】
信号層14の再生時には、収束されたレーザ光が、トラックMT上を走査する。レーザ光が、マークMに掛かると、マークMによってレーザ光が反射される。この反射光が、光検出器により受光され、マークMの有無に応じた信号が光検出器から出力される。このときの再生パワーは、所定パワー以下であるので、マークMは消去されない。
【0024】
マークMの消去時には、再生時よりもパワーが強い所定パワー以上のレーザ光がマークMに照射される。このとき、レーザ光の照射領域が再生時よりも広げられる。これにより、マークMが確実に消去される。
【0025】
図2(a)は、本実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。
【0026】
光ピックアップ装置は、レーザ光源101と、PBS(偏光ビームスプリッタ)102と、コリメータレンズ103と、レンズアクチュエータ104と、1/4波長板105と、対物レンズ106と、対物レンズアクチュエータ107と、アナモレンズ108と、光検出器109とを備える。
【0027】
レーザ光源101は、波長405nm程度のレーザ光を出射する。PBS102は、レーザ光源101から入射されたレーザ光を略全反射する。
【0028】
コリメータレンズ103は、PBS102により反射されたレーザ光を平行光に変換する。レンズアクチュエータ104は、駆動信号に応じて、コリメータレンズ103を光軸方向に変位させる。レンズアクチュエータ104は、たとえば、コリメータレンズ103の光軸に平行なガイドによってコリメータレンズ103を支持し、磁石とコイルの間の電磁駆動力によって、コリメータレンズ103を光軸方向に駆動する。
【0029】
コリメータレンズ103は、透過したレーザ光を平行光にする位置(通常位置)と、透過したレーザ光を平行光から所定角度だけ広げる位置(消去位置)の2つの位置に、レンズアクチュエータ104によって位置づけられる。レンズアクチュエータ104は、コリメータレンズ103の移動範囲をこれら2つの位置の間に制限するようなリミッタを有する。再生時には、通常位置側のリミッタにコリメータレンズ103が押し当てられ、マークMの消去時には、消去位置側のリミッタにコリメータレンズ103が押し当てられる。
【0030】
1/4波長板105は、コリメータレンズ103から入射したレーザ光を円偏光に変換するとともに、対物レンズ106側から入射したレーザ光を、コリメータレンズ103側から入射したときのレーザ光の偏光方向に直交する偏光方向の直線偏光に変換する。
【0031】
対物レンズ106は、1/4波長板105側から入射したレーザ光を、所定の開口数(NA)にて収束させる。対物レンズ106の入射側にはアパーチャが形成され、このアパーチャにより、対物レンズ106によって収束されたレーザスポットの形状は、真円となる。対物レンズアクチュエータ107は、サーボ信号に応じて、対物レンズ106を、フォーカス方向とトラッキング方向に変位する。対物レンズアクチュエータ107は、既存のCDやDVD等に用いられる光ピックアップ装置と同様の電磁駆動機構によって構成される。
【0032】
ディスク10の信号層14から反射されたレーザ光は、対物レンズ106、1/4波長板105、コリメータレンズ103を通ってPBS102に入射し、さらに、PBS102を透過して、アナモレンズ108に入射する。アナモレンズ108は、入射したレーザ光に非点収差を導入する。本実施の形態では、信号層14に対するレーザ光のフォーカスエラーの検出方法として、既存のCDやDVD等に用いられる光ピックアップ装置と同様、非点収差法が用いられる。また、トラックMTに対するレーザスポットのずれ(トラッキングエラー)の検出方法として、周知の1ビームプッシュプル法が用いられる。
【0033】
光検出器109は、4分割センサを備えている。光検出器109は、4分割センサの中心にレーザ光の中心が一致するように配置される。
【0034】
記録マークの読み取り時には、コリメータレンズ104によって、レーザ光が平行光に変換される。また、記録マークの消去時には、レンズアクチュエータ103によってコリメータレンズ104が消去位置に変位され、対物レンズ106に向かうレーザ光が、同図(a)の点線のように、平行光から広げられる。これにより、レーザ光の焦点位置が、記録マークの読み取り時よりも記録層12の奥側に移動される。
【0035】
なお、コリメータレンズ104は、消去すべきマークMをレーザ光が過ぎると、レーザ光が平行光となる通常位置に速やかに戻される。このため、このように、レーザ光の焦点位置が記録マークの読み取り時よりも記録層12の奥側に移動されて、レーザ光が一時的にトラックMTに対してデフォーカス状態になっても、トラックMTに対するフォーカス制御は問題なく行われる。
【0036】
同図(b)、(c)は、記録マークの読み取り時と消去時におけるレーザ光の照射状態を模式的に示す図である。同図(c)は、同図(b)のレーザ光の収束部分を拡大して示す図である。また、同図(b)、(c)において、読み取り時に照射されるレーザ光には“RL”が付され、消去時に照射されるレーザ光には“EL”が付されている。
【0037】
同図(c)に示すように、マーク読み取り時には、コリメータレンズ103が通常位置に位置づけられ、レーザ光(EL)がマークMにフォーカスされる。また、マークMの消去時には、上記のようにコリメータレンズ103が消去変位されることにより、レーザ光(EL)の照射領域が、読み取り時のレーザ光(RL)の照射範囲よりも、対物レンズ106の光軸方向に平行および垂直な方向に広げられる。これにより、マークMが確実に消去される。
【0038】
図3は、本実施の形態に係るホログラム装置の構成を示す図である。上記の如く、本実施の形態では、一つのマークMが記録データの1ビットに相当する。また、未記録状態の信号層14に規則的に並んだマークMが、記録データに応じて消去されることにより、信号層14に対するデータの記録が行われる。なお、ディスク10は、記録および再生時に、線速度一定で回転駆動される。
【0039】
ホログラム装置は、コントローラ201と、レーザ駆動回路202と、光ピックアップ装置203と、信号処理回路204と、サーボ回路205と、クロック生成回路206と、スピンドルモータ207を有している。
【0040】
コントローラ201は、CPU(Central Processing Unit)とメモリを備え、メモリ
に各種データを格納するとともに、あらかじめメモリに格納されたプログラムに従って、各部を制御する。コントローラ201は、入力された記録データに基づいて、対応するマークMを消去するよう、レーザ駆動回路202とサーボ回路205を制御する。また、コントローラ201は、信号処理回路204から入力される再生RF信号を復調して再生データを生成し、後段回路に出力する。
【0041】
レーザ駆動回路202は、コントローラ201からの制御により、光ピックアップ装置203に内蔵されたレーザ光源101を駆動する。具体的には、レーザ駆動回路202は、再生時において、一定パワーのレーザ光が光ピックアップ装置203から出射されるよう、レーザ光源101を駆動する。また、レーザ駆動回路202は、記録時において、レーザ光源101に、再生時と同じパワーでレーザ光を出射させるとともに、マークMの消去タイミングにおいて、レーザ光源101の出射パワーを、消去に必要なパワーに引き上げる。
【0042】
光ピックアップ装置203は、図2(a)に示す構成を有する。信号処理回路204は、光ピックアップ装置203に内蔵された光検出器109からの出力信号を処理する。具体的には、光検出器109に配された4分割センサからの信号に基づいて、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号および4分割センサの全受光量に応じた信号(再生RF信号)を生成し、これら信号を、対応する回路部に供給する。フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号は、サーボ回路205に供給され、再生RF信号は、クロック生成回路206とコントローラ201に供給される。
【0043】
サーボ回路203は、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号に基づき、レーザ光の収束スポットが、信号層14のトラックMT上を走査するように、光ピックアップ装置203内の対物レンズアクチュエータ107を制御する(フォーカスサーボ/トラッキングサーボ)。また、サーボ回路205は、クロック生成回路206から入力されるク
ロック信号CLKに基づいて、ディスク10が線速度一定で回転されるように、スピンドルモータ207を制御する(回転サーボ)。さらに、サーボ回路205は、コントローラ201からの制御信号に応じて、光ピックアップ装置203内のレンズアクチュエータ104を制御する。すなわち、サーボ回路205は、記録時において、図2(b)、(c)を参照して説明したように、レーザ光の焦点位置を、記録層12の深さ方向に変位させる。
【0044】
クロック生成回路206は、信号処理回路204から入力される再生RF信号に基づいて、マークMに同期したクロック信号CLKを生成する。生成されたクロック信号CLKは、コントローラ201とサーボ回路205に供給される。
【0045】
図4は、記録動作時におけるレーザ駆動回路202とサーボ回路205の制御の流れを示すタイミングチャートである。なお、同図には、最上段に、トラックMTに対するレーザ光の走査状態が模式的に示されている。また、同図の(c)には、コリメータレンズ103の駆動状態が示されている。ここで、“OFF”は、コリメータレンズ103が通常位置に位置づけられていることを示し、“ON”は、コリメータレンズ103が消去位置に位置づけられていることを示す。
【0046】
記録時には、同図の(b)に示すように、レーザ光源101の出射パワーがPa(再生時のパワー)に設定された状態で、フォーカスサーボ、トラッキングサーボおよび回転サーボが掛けられる。これにより、ディスク10が線速度一定で回転され、レーザ光の収束スポットが、信号層14のトラックMTを追従する。このとき、クロック生成回路から、同図の(a)に示すように、マークMに同期した一定周期のクロックCLKが出力される。
【0047】
こうしてレーザ光がトラックMTを走査する間に、レーザ光が、消去すべきマークMの位置に掛かると、同図の(b)に示すように、レーザ光源101の出射パワーがPb(マークMの消去に必要なパワー)に高められる。このとき、同時に、同図の(c)に示すように、コリメータレンズ103が、消去位置に変位される。これにより、同図の最上段に示すように、マークMが消去される。その後、レーザ光が、消去すべきマークMの位置を過ぎると、レーザ光源101の出射パワーがPaに戻され、同時に、コリメータレンズ103が、通常位置に変位される。以下、同様に、マークMの消去が行われる。
【0048】
なお、出射パワーPbは、記録に先立ち、ディスク10の内周部に設けられた試し書き領域において試し書きを行うことにより設定される。たとえば、出射パワーを変えながら、所定のデータをトラックMTに記録する。そして、記録を行ったトラックMTを再生し、再生データのエラーレートが所定の閾値を下回る出射パワーを実記録時の出射パワーPbに設定する。この他、トラックMTの所定区間において、全てのマークMを消去する動作を所定の出射パワーにて行い、当該区間を再生パワーで走査したときの反射光の強度(反射率)が所定の閾値を下回るか否かによって、出射パワーPbを設定するようにしても良い。
【0049】
以上、本実施の形態によれば、再生時(読み取り時)よりも広い範囲においてマークMにレーザ光が照射されることにより、マークMが消去されるため、マークMを円滑に消去することができる。特に、本実施の形態によれば、対物レンズ106の光軸に垂直な面の面内方向のみならず、記録層12の深さ方向にも、レーザ光の照射範囲が広げられてマークMが消去されるため、信号光と参照光を干渉させて形成されたホログラムによるマークMのように、マークMが深さ方向にも長さを有するような場合にも、適正に、マークMを消去することができる。
【0050】
<変更例1>
上記実施の形態では、コリメータレンズ103を変位させることで、レーザ光が平行光から広げられ、マークMに対するレーザ光の照射範囲が広げられた。これに対し、本変更例では、駆動信号により制御される液晶レンズを用いることにより、レーザ光が平行光から広げられ、マークMに対するレーザ光の照射範囲が広げられる。
【0051】
図5(a)は、本変更例に係る光ピックアップ装置の構成を示し、図5(b)、(c)は、本変更例に係る記録マークの読み取り時と消去時におけるレーザ光の照射状態を模式的に示す。図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ、図2(a)、(b)、(c)に対応する。
【0052】
本変更例において、コリメータレンズ103は、PBS102側から入射するレーザ光を平行光に変換する位置に固定され、コリメータレンズ103と1/4波長板105との間に、回折型の液晶レンズ110が配置されている。その他の構成は、上記実施の形態における図2(a)の構成と同じである。
【0053】
図6(a)は、液晶レンズ110をその光軸を通る平面で切断したときの断面図、同図(b)は、液晶レンズの回折構造110bを模式的に示す平面図である。
【0054】
図6(a)を参照して、液晶レンズ110は、上面にブレーズ型の回折構造110bを有する透明電極110aとこれに対向する透明電極110eの間に、シール部材110dによって液晶を封入することにより構成される。ここで、透明電極110eの内側面と、回折構造110bの上面および透明電極110aの内側面のうち回折構造110bが形成されていない部分には、液晶層110c中の液晶分子の配向方向を揃えるための配向膜(図示せず)が形成されている。
【0055】
回折構造110bは、図6(b)に示す如く、同心リング状に形成されている。同図は、回折構造110bを図6(a)のZ軸方向から見たときの状態を模式的に表したものである。
【0056】
液晶層110cの屈折率は、透明電極110a、110eに電圧が印加されない状態(OFF状態)では、回折構造110bの屈折率と同じとなる。この場合、液晶層110cと、回折構造110bとの間には屈折率による境界が生じないため、回折構造110bは回折格子として機能せず、レーザ光に対するレンズ効果は生じない。
【0057】
一方、透明電極110a、110eに電圧が印加されると(ON状態)、液晶層110c中の液晶分子の配向状態が変化し、その結果、液晶層110cの屈折率が変化する。これにより、液晶層110cと回折構造110bの間に屈折率による境界が生じ、回折構造110bが回折格子として機能するようになる。その結果、レーザ光は、回折構造110bによるレンズ効果を受けるようになる。
【0058】
ここで、回折構造110bは、+1次の回折効率がほぼ100%となるよう構成されている。このため、図6(a)のZ軸方向から液晶レンズ110にレーザ光が入射されると、レーザ光は、回折効率上の減衰を受けることなく、回折構造110bによる拡散作用を受けることとなる。なお、回折構造110bの形状(パターン)は、回折構造110bによってレーザ光が平行光から広げられることにより、対物レンズ106による焦点位置が、図5(c)のように、記録層12の深さ方向に所定量だけ変化するような形状(パターン)となっている。
【0059】
このように、本変更例では、液晶レンズ110をOFF状態からON状態に切り替える
ことで、レーザ光の焦点位置を深さ方向に変位させることができる。よって、図6(c)に示すように、レーザ光がマークMに掛かるときに液晶レンズ110をOFF状態からON状態に切り替えることで、上記実施の形態と同様、読み取り時よりも、対物レンズ106の光軸方向に平行および垂直な方向に広い範囲において、マークMにレーザ光を照射することができる。これにより、マークMを円滑かつ適正に消去することができる。
【0060】
なお、本変更例においても、上記実施の形態と同様、レーザ光がマークMに掛かるときに、レーザ光源101の出射パワーが、PaからPbに高められる。出射パワーPbは、上記と同様、試し書きによって、マークMを適正に消去できるパワーに設定される。
【0061】
<変更例2>
上記変更例1では、液晶レンズ110により、レーザ光を平行光から広げるようにしたが、本変更例では、液晶レンズによりレーザ光の外周部が回折され、レーザ光の外周部が遮光されるようになっている。すなわち、本変更例では、液晶レンズ120によって、対物レンズ106の開口数(NA)が変更される。
【0062】
図7(a)は、本変更例に係る光ピックアップ装置の構成を示し、図7(b)、(c)は、本変更例に係る記録マークの読み取り時と消去時におけるレーザ光の照射状態を模式的に示す。図7(a)、(b)、(c)は、それぞれ、図5(a)、(b)、(c)に対応する。本変更例では、図5(a)の液晶レンズ110に替えて、液晶レンズ120が配置されている。
【0063】
図7(c)に示すように、本変更例では、消去時のレーザ光ELの焦点位置は、読み取り時のレーザ光RLの焦点位置と変わらない。ただし、消去時には、レーザ光ELの開口数(NA)が読み取り時のレーザ光RLの開口数(NA)よりも小さくなるため、対物レンズ106によるレーザ光ELの収束スポットがレーザ光RLの収束スポットよりも広がり、また、レーザ光ELの焦点深度がレーザ光RLの焦点深度よりも大きくなる。
【0064】
図8(a)は、液晶レンズ110をその光軸を通る平面で切断したときの断面図、図8(b)は、液晶レンズの回折構造110bを模式的に示す平面図である。
【0065】
透明電極120a、120e、液晶層120c、シール部材120d、ガラス基板120fは、図6の液晶レンズ110における透明電極110a、110e、液晶層110c、シール部材110d、ガラス基板110fと同じである。本変更例では、回折構造120が、上記変更例1の回折構造110に比べて相違している。すなわち、本変更例では、図8(b)に示すように、レーザ光の入射領域のうち、外周領域にのみ、レーザ光を分散させる回折構造120bが形成されている。ここでは、かかる回折構造120bが、ステップ型となっている。
【0066】
本変更例においても、上記変更例1と同様、液晶層120cの屈折率は、透明電極120a、120eに電圧が印加されない状態(OFF状態)では、回折構造120bの屈折率と同じとなり、液晶層120cと、回折構造120bとの間には屈折率による境界が生じない。このため、回折構造120bは回折格子として機能せず、レーザ光の外周部は遮光されない。
【0067】
一方、透明電極120a、120eに電圧が印加されると(ON状態)、液晶層120c中の液晶分子の配向状態が変化し、その結果、液晶層120cの屈折率が変化する。これにより、液晶層120cと回折構造120bの間に屈折率による境界が生じ、回折構造120bが回折格子として機能するようになる。これにより、レーザ光の外周部が遮光される。
【0068】
したがって、本変更例では、液晶レンズ120をOFF状態からON状態に切り替えることで、記録層12に入射するレーザ光の開口数(NA)が小さくなる。これにより、レーザ光の収束スポットを広げることができ、且つ、レーザ光の焦点深度を深くすることができる。よって、図8(c)に示すように、レーザ光がマークMに掛かるときに液晶レンズ120をOFF状態からON状態に切り替えることで、読み取り時よりも、対物レンズ106の光軸方向に垂直な方向に広い範囲において、マークMにレーザ光を照射することができる。これにより、マークMを円滑に消去することができる。この場合、レーザ光ELの焦点深度が、読み取り時のレーザ光RLの焦点深度よりも大きくなるため、マークMに対するレーザ光の照射範囲は、読み取り時よりも、焦点深度の差分だけ、深さ方向に広がる。
【0069】
なお、本変更例においても、上記実施の形態と同様、レーザ光がマークMに掛かるときに、レーザ光源101の出射パワーが、PaからPbに高められる。出射パワーPbは、上記と同様、試し書きによって、マークMを適正に消去できるパワーに設定される。
【0070】
<変更例3>
上記変更例1では、液晶レンズ110がON状態に切り替えられると、レーザ光の焦点位置が、記録層12の深さ方向に変位する。これに対し、本変更例では、液晶レンズがON状態に切り替えられると、レーザ光に2つの焦点が生じ、各焦点が、対物レンズ106の光軸の方向に並ぶ。
【0071】
図9(a)は、本変更例に係る光ピックアップ装置の構成を示し、図9(b)、(c)は、本変更例に係る記録マークの読み取り時と消去時におけるレーザ光の照射状態を模式的に示す。図9(a)、(b)、(c)は、それぞれ、図5(a)、(b)、(c)に対応する。本変更例では、図5(a)の液晶レンズ110に替えて、液晶レンズ130が配置されている。
【0072】
図9(c)に示すように、本変更例では、消去時において、レーザ光が液晶レンズ130により回折され、0次の回折光EL0と+1次の回折光EL1に分離される。消去時には、これら2つの回折光EL0、EL1によって、2つの焦点が生じる。回折光EL0の焦点位置は、読み取り時のレーザ光RLの焦点位置と同じであり、回折光EL1の焦点位置は、読み取り時のレーザ光RLの焦点位置よりも、所定量だけ深くなる。
【0073】
図10(a)は、液晶レンズ130をその光軸を通る平面で切断したときの断面図、図10(b)は、液晶レンズの回折構造130bを模式的に示す平面図である。
【0074】
透明電極130a、130e、液晶層130c、シール部材130d、ガラス基板130fは、図6の液晶レンズ110における透明電極110a、110e、液晶層110c、シール部材110d、ガラス基板110fと同じである。
【0075】
本変更例では、回折構造130が、上記変更例1の回折構造110に比べて相違している。すなわち、本変更例では、図10(a)に示すように、回折構造130bがステップ型となっている。なお、図10(b)に示すとおり、回折構造130bの形状(パターン)は、図6(b)に示す変更例1の回折構造130bの形状(パターン)と同じである。
【0076】
本変更例では、回折構造130のステップ数とステップ高さが、当該回折構造130による0次の回折光EL0の回折効率と+1次の回折光EL1の回折効率が、それぞれ、40%程度になるように調整されている。
【0077】
本変更例では、液晶レンズ110をOFF状態からON状態に切り替えることで、回折光EL1の焦点位置を、再生光RLの焦点位置から深さ方向に変位させることができる。よって、図9(c)に示すように、レーザ光がマークMに掛かるときに液晶レンズ110をOFF状態からON状態に切り替えることで、上記実施の形態と同様、読み取り時よりも、対物レンズ106の光軸方向に平行および垂直な方向に広い範囲において、マークMにレーザ光を照射することができる。これにより、マークMを円滑かつ適正に消去することができる。
【0078】
なお、本変更例においても、上記実施の形態と同様、レーザ光がマークMに掛かるときに、レーザ光源101の出射パワーが、PaからPbに高められる。出射パワーPbは、上記と同様、試し書きによって、マークMを適正に消去できるパワーに設定される。
【0079】
<変更例4>
本変更例は、上記変更例2と同様、レーザ光の外周部を遮光するものである。
【0080】
図11(a)は、本変更例に係る光ピックアップ装置の構成を示し、図11(b)、(c)は、本変更例に係る記録マークの読み取り時と消去時におけるレーザ光の照射状態を模式的に示す。図11(a)、(b)、(c)は、それぞれ、図7(a)、(b)、(c)に対応する。本変更例では、図7(a)の液晶レンズ130に替えて、偏光選択性の回折素子141と、液晶素子142が配置されている。
【0081】
偏光回折素子141は、PBS102の偏光面に対してS偏光の偏光方向のレーザ光に対して回折作用を与える。偏光回折素子141の回折構造は、上記変更例2の図8(b)と同様、レーザ光の外周部が入射する領域にのみに形成されている。本変更例では、回折構造は、ブレーズ型となっており、レーザ光の外周部を外側に回折させて対物レンズ106に入射させないように形成されている。
【0082】
液晶素子142は、駆動信号が印加されていない状態(OFF状態)では、レーザ光の偏光方向を回転させず、駆動信号が印加されると(ON状態)、レーザ光の偏光方向を90度回転させる。液晶素子142がOFF状態のとき、レーザ光は、PBS102の偏光面に対してP偏光となったまま液晶素子142を透過し、偏光回折素子141に入射する。この場合、レーザ光は、偏光回折素子141による回折を受けずに、そのまま、対物レンズ106に入射する。液晶素子142がON状態のとき、レーザ光は、液晶素子142を透過することで、PBS102の偏光面に対してS偏光となる。この場合、レーザ光は、偏光回折素子141による回折を受け、レーザ光の外周部が対物レンズ106に対して遮光される。
【0083】
このように本変更例においては、液晶素子142をOFF状態からON状態に切り替えることで、レーザ光の外周部が遮光され、対物レンズ107を透過したレーザ光の開口数(NA)が、読み取り時の開口数(NA)よりも小さくなる。これにより、上記変更例2と同様、レーザ光の収束スポットを広げることができ、且つ、レーザ光の焦点深度を深くすることができる。よって、レーザ光がマークMに掛かるときに液晶素子142をOFF状態からON状態に切り替えることで、読み取り時よりも、対物レンズ106の光軸方向に垂直な方向に広い範囲において、マークMにレーザ光を照射することができる。これにより、マークMを円滑に消去することができる。なお、この場合も、レーザ光ELの焦点深度が、読み取り時のレーザ光RLの焦点深度よりも大きくなるため、マークMに対するレーザ光の照射範囲は、読み取り時よりも、焦点深度の差分だけ、深さ方向に広がる。
【0084】
本変更例においても、上記実施の形態と同様、レーザ光がマークMに掛かるときに、レーザ光源101の出射パワーが、PaからPbに高められる。出射パワーPbは、上記と
同様、試し書きによって、マークMを適正に消去できるパワーに設定される。
【0085】
以上、本発明の実施の形態および変更例について説明したが、本発明は、実施の形態および変更例により何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態は、上記以外に、種々の変更が可能である。
【0086】
たとえば、上記実施の形態では、消去時にも読み取り時と同様、真円のレーザスポットをトラックMTに照射するようにしたが、図12(c)に示すように、消去時に照射されるレーザ光ELのスポット形状を、ディスク径方向に長細い楕円形状とするのが、より好ましい。こうすると、ディスク径方向におけるマークの消し残しを防ぐことができる。この場合、たとえば、変更例1の回折構造110bの形状(パターン)を、図12(b)のように変更することで、レーザ光ELのスポット形状を、ディスク径方向に長細い楕円形状とすることができる。
【0087】
また、上記実施の形態および変更例では、コリメータレンズ103や、液晶レンズ110等を用いて、消去時に、マークMに対するレーザ光の照射範囲を広げたが、これらの方法に替えて、たとえば、消去時に、対物レンズ103を、ディスク10に近づく方向に所定量だけ変位させることにより、レーザ光の焦点位置を記録層12の深さ方向に変位させ、これにより、レーザ光の照射範囲を広げるようにすることもできる。この場合、レーザ光が、消去されるべきマークMを外れると、対物レンズ103が変位前の位置に戻される。
【0088】
また、上記実施の形態と変更例には、未記録状態においてマークMが形成され、マークMが消去されることによりデータが記録される例が示された。しかしながら、本発明は、これに限らず、マークMを消去する他の形態においても適用可能である。たとえば、未記録状態においてはマークMが形成されておらず、参照光と信号光を干渉させることによってデータの記録が行われ、その後、信号光のみを照射することによってマークMを消去するような場合にも、本発明を適用可能である。また、上記実施の形態および変更例では、予め1ビットの丸いマークM群をトラック状に形成し、これを消去することで記録を行うようにしたが、これに限らず、トラック全てをマーク化しておき、ビット単位でマーク化されたトラックを消去することで、記録を行うようにしても良い。
【0089】
また、上記実施の形態および変更例では、トラックMTからの反射光を光検出器109で受光し、光検出器109からの信号によって、対物レンズ106をフォーカス方向およびトラッキング方向に制御するようにした。しかしながら、本発明は、記録層12とは別に、対物レンズ106をフォーカス方向およびトラッキング方向に制御するためのサーボ用のトラックが形成されたディスクを扱うホログラム装置にも、適宜、適用可能である。
【0090】
さらに、ホログラム媒体は、ディスクに限らず、光カード等、他の媒体であっても良い。本発明は、光カード等の他の媒体に対応するホログラム装置にも適用され得る。
【0091】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0092】
101 レーザ光源
103 コリメータレンズ(照射制御部)
104 レンズアクチュエータ(照射制御部)
106 対物レンズ
110 液晶レンズ(照射制御部、回折装置)
120 液晶レンズ(照射制御部、回折装置)
130 液晶レンズ(照射制御部、回折装置)
141 偏光回折素子(照射制御部、回折装置)
142 液晶素子(照射制御部、回折装置)
201 コントローラ(照射制御部、制御回路)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録層中にホログラムによる記録マークが形成された記録媒体にレーザ光を照射するホログラム装置において、
前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光を前記記録媒体上に収束させる対物レンズと、
前記記録層に対する前記レーザ光の照射状態を制御する照射制御部と、を備え、
前記照射制御部は、前記記録マークの再生時において、前記レーザ光を前記記録マークに照射し、前記記録マークの消去時には、前記再生時よりも広い範囲において、前記レーザ光を前記記録マークに照射する、
ことを特徴とするホログラム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のホログラム装置において、
前記照射制御部は、前記記録マークの消去時において、前記対物レンズの光軸に垂直な方向に、前記レーザ光の照射範囲を広げる、
ことを特徴とするホログラム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のホログラム装置において、
前記照射制御部は、前記記録マークの消去時において、前記対物レンズの光軸に平行な方向に、前記レーザ光の照射範囲を広げる、
ことを特徴とするホログラム装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載のホログラム装置において、
前記記録層には、複数の前記記録マークが前記対物レンズの光軸に垂直な方向に並んで形成されて、一連の前記記録マークからなるトラックが形成され、
前記照射制御部は、前記記録マークの消去時において、前記レーザ光の形状が前記トラックに平行な方向よりも、前記トラックと前記光軸とに垂直な方向に大きくなるように、前記レーザ光の照射範囲を広げる、
ことを特徴とするホログラム装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載のホログラム装置において、
前記照射制御部は、前記対物レンズに対する前記レーザ光の入射状態を変化させる光学装置と、前記対物レンズに対する前記レーザ光の入射状態が再生時と消去時とで変化するように前記光学装置を制御する制御回路とを備える、
ことを特徴とするホログラム装置。
【請求項6】
請求項5に記載のホログラム装置において、
前記光学装置は、駆動信号によって、前記レーザ光に対する回折作用を動的に変化させる回折装置である、
ことを特徴とするホログラム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−53942(P2012−53942A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195153(P2010−195153)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】