説明

ホームネットワーク内の端末から広域ネットワークへコンテンツを送信するコンテンツ転送方法及びシステム

【課題】コンテンツ制御端末(DMC:Digital Media Controller)及びコンテンツ再生端末(DMP:Digital Media Player)がインターネットに接続されている場合であっても、DMCの制御によって、ホームネットワークに接続されたコンテンツ提供端末(DMS:Digital Media Server)から、インターネットに接続されたDMPへコンテンツを送信することができるコンテンツ転送方法及びシステムを提供する。
【解決手段】DMCが、ホームゲートウェイを接続先とする第1の呼接続要求を、DMPへ送信する。次に、DMCが、DMPを接続先とする第2の呼接続要求を、ホームゲートウェイへ送信する。そして、DMPが、確立されたセッションを通して、ホームゲートウェイを介してDMSとの間で、DLNA(Digital Living Network Alliance)に基づく制御メッセージを送受信し、DMSからホームゲートウェイを介して当該コンテンツを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームネットワーク内の端末から広域ネットワークへコンテンツを送信するコンテンツ転送方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭内で、複数の家電機器をLAN(Local Area Network)に接続したホームネットワークシステムが普及してきている。異なる家電機器を相互接続することによって、他の機器からの遠隔制御や動作状態監視が実現できる。
【0003】
ホームネットワークで用いられるプロトコルを規定する業界標準化団体として、DLNA(Digital Living Network Alliance)がある。DLNA準拠のプロトコルは、マルチベンダ環境におけるホームネットワークを実現し、異なる家電機器の相互接続性を実現する。これによって、一方の家電機器に蓄積されたデジタルコンテンツを、他方の家電機器から利用することができる。
【0004】
DLNAのプロトコルスタックによれば、ホームネットワークにおける物理層として、イーサネット(登録商標)又は無線LAN(IEEE802.11)が適用され、ネットワーク層として、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)が適用される。トランスポート層として、コンテンツ伝送機能にはHTTP(HyperText Transfer Protocol)が適用され、コンテンツ選択機能にはSOAP(Simple Object Access Protocol:簡易オブジェクトアクセスプロトコル)が適用され、アドレス設定・機器発見機能にはSSDP(Simple Service Discovery Protocol:簡易サービス検出プロトコル)が適用される。
【0005】
図1は、従来技術におけるDLNAの基本シーケンス図である。
【0006】
図1によれば、ホームネットワーク5に、DLNAに対応したDMS(Digital Media Server)(又はM−DMS(Mobile-DMS))としてのコンテンツ提供端末2と、DMP(Digital Media Player)(又はM−DMP(Mobile-DMP))としてのコンテンツ再生端末3とが接続されている。視聴者は、コンテンツ再生端末3を操作可能であって、所望のコンテンツが、コンテンツ提供端末2に蓄積されている。
【0007】
(S11)コンテンツ再生端末3が、発見要求DISCOVERY(SSDP)を、コンテンツ提供端末2へ送信する。これに対し、コンテンツ提供端末2は、発見応答Response(SSDP)を、コンテンツ再生端末3へ返信する。
【0008】
(S12)視聴者の操作に応じて、コンテンツ再生端末3が、検索要求BROWSE(HTTP)を、コンテンツ提供端末2へ送信する。これに対し、コンテンツ提供端末2は、コンテンツリストを、コンテンツ再生端末3へ返信する。コンテンツリストは、コンテンツ再生端末3に表示され、視聴者によってコンテンツが選択される。
【0009】
(S13)その後、視聴者の操作に応じて、コンテンツ再生端末3は、コンテンツ取得要求(HTTP GET)を、コンテンツ提供端末2へ送信する。これに対し、コンテンツ提供端末2は、コンテンツ再生端末3へコンテンツを送信する。これによって、視聴者は、所望のコンテンツを視聴することができる。
【0010】
前述したように、DLNAは、ホームネットワーク内で、異なる家電機器の間での相互接続性を実現する。これに対し、ホームネットワーク内のコンテンツ再生装置が、ホームゲートウェイを介して、ホームネットワーク外の外部サーバからコンテンツを受信する技術がある(例えば特許文献1参照)。また、ホームネットワーク内の電話機及びサービス処理装置を用いて、ホームネットワーク内に接続された装置と、ホームネットワーク外に接続された装置とを、ホームゲートウェイを介して接続する技術もある(例えば特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】特開2007−272868号公報
【特許文献2】特開2008−085667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述した従来技術によれば、コンテンツ再生端末は、コンテンツ提供端末からコンテンツを受信するための制御機能を有する。この制御機能は、例えば、DLNAにおけるコンテンツ制御端末としてのDMC(Digital Media Controller)(又はM−DMC(Mobile-DMC))である。DLNAによれば、コンテンツ制御端末も、ホームネットワーク内に接続されていることを前提としている。コンテンツ制御端末は、コンテンツ再生端末に対して、コンテンツ提供端末から、指定されたコンテンツを受信するべく制御メッセージを送信する。
【0013】
ここで、具体的な運用形態を想定する。例えば、ホームネットワークに接続されたHDD(HardDisk)レコーダのようなコンテンツ提供端末に、写真及び動画像のようなメディアデータが蓄積されているとする。そのメディアデータの所有者は、コンテンツ制御端末を所持して、外出しているとする。また、その所有者と関係のある他の視聴者は、ホームネットワークプロトコルに対応したコンテンツ再生端末を所持しているとする。そのメディアデータの所有者は、他の視聴者に対して、コンテンツ提供端末に蓄積されたメディアデータを視聴させたいとする。
【0014】
このような場合、コンテンツ制御端末は、ホームネットワークに接続されていないために、コンテンツ再生端末を制御することができない。即ち、コンテンツ制御端末が広域ネットワークに接続されている場合、コンテンツ再生端末を制御することができない。
【0015】
そこで、本発明は、コンテンツ制御端末及びコンテンツ再生端末が広域ネットワークに接続されている場合であっても、コンテンツ制御端末の制御によって、ホームネットワークに接続されたコンテンツ提供端末から、広域ネットワークに接続されたコンテンツ再生端末へコンテンツを送信することができるコンテンツ転送方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ提供端末が、ホームネットワークを介してホームゲートウェイに接続されており、該ホームゲートウェイと、ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ制御端末及びコンテンツ再生端末とが、広域ネットワークを介して接続されたシステムにおけるコンテンツ転送方法であって、
コンテンツ制御端末が、ホームゲートウェイを接続先とする第1の呼接続要求を、コンテンツ再生端末へ送信する第1のステップと、
コンテンツ制御端末が、コンテンツ再生端末を接続先とする第2の呼接続要求を、ホームゲートウェイへ送信する第2のステップと、
コンテンツ再生端末が、確立されたセッションを通して、ホームゲートウェイを介してコンテンツ提供端末との間で、ホームネットワークプロトコルに基づく制御メッセージを送受信し、コンテンツ提供端末からホームゲートウェイを介して当該コンテンツを受信する第3のステップと
を有することを特徴とする。
【0017】
本発明のコンテンツ転送方法における他の実施形態によれば、呼接続要求は、SIP(Simple Initiation Protocol)のINVITEメッセージであって、ホームゲートウェイ又はコンテンツ再生端末が接続先として指定するサードパーティコントロールプロトコル(3PCC:3rd Party Call Control)に基づくものであることも好ましい。
【0018】
本発明のコンテンツ転送方法における他の実施形態によれば、
ホームネットワークプロトコルは、DLNA(Digital Living Network Alliance)準拠プロトコルであり、
コンテンツ提供端末は、DLNA対応のDMS(Digital Media Server)又はM−DMS(Mobile-DMS)として機能し、
コンテンツ制御端末は、DLNA対応のDMC(Digital Media Controller)又はM−DMC(Mobile-DMC)として機能し、
コンテンツ再生端末は、DLNA対応のDMP(Digital Media Player)又はM−DMP(Mobile-DMP)として機能し、
コンテンツ再生端末は、コンテンツ提供端末に対して、HTTP(HyperText Transfer
Protocol)クライアントとして機能することも好ましい。
【0019】
本発明のコンテンツ転送方法における他の実施形態によれば、第1のステップの前段で、
コンテンツ制御端末が、当該コンテンツ制御端末を接続先とする呼接続要求を、ホームゲートウェイへ送信するステップと、
コンテンツ制御端末が、確立されたセッションを通して、ホームゲートウェイを介してコンテンツ提供端末との間で、制御メッセージを送受信し、コンテンツを発見し且つ検索するステップと
を更に有することも好ましい。
【0020】
本発明のコンテンツ転送方法における他の実施形態によれば、コンテンツ再生端末が、コンテンツ再生専用端末である場合、第3のステップについて、コンテンツ制御端末が、再生すべきコンテンツを指定した再生紹介メッセージを、コンテンツ再生端末へ送信するステップを更に有することも好ましい。
【0021】
本発明のコンテンツ転送方法における他の実施形態によれば、コンテンツ再生専用端末は、DLNA対応のDMR(Digital Media Renderer)又はM−DMR(Mobile-DMR)として機能することも好ましい。
【0022】
本発明によれば、ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ提供端末が、ホームネットワークを介してホームゲートウェイに接続されており、該ホームゲートウェイと、ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ制御端末及びコンテンツ再生端末とが、広域ネットワークを介して接続されたコンテンツ転送システムであって、
コンテンツ制御端末は、ホームゲートウェイを接続先とする第1の呼接続要求を、コンテンツ再生端末へ送信する第1の呼接続手段と、コンテンツ再生端末を接続先とする第2の呼接続要求を、ホームゲートウェイへ送信する第2の呼接続手段とを有し、
コンテンツ再生端末は、第1の呼接続要求を受信した際に、ホームゲートウェイとの間でセッションを確立する呼接続確立手段と、確立されたセッションを通して、ホームゲートウェイを介してコンテンツ提供端末との間で、ホームネットワークプロトコルに基づく制御メッセージを送受信し、コンテンツ提供端末からホームゲートウェイを介して当該コンテンツを受信するメディア再生制御手段とを有し、
ホームゲートウェイは、第2の呼接続要求を受信した際に、コンテンツ再生端末との間でセッションを確立する呼接続確立手段と、セッションを介してコンテンツ再生端末と、コンテンツ提供端末との間で、制御メッセージ及び当該コンテンツを転送するデータ転送手段と
を有することを特徴とする。
【0023】
本発明のコンテンツ転送システムにおける他の実施形態によれば、呼接続要求は、SIPのINVITEメッセージであって、ホームゲートウェイ又はコンテンツ再生端末が接続先として指定するサードパーティコントロールプロトコル(3PCC)に基づくものであることも好ましい。
【0024】
本発明のコンテンツ転送システムにおける他の実施形態によれば、
ホームネットワークプロトコルは、DLNA準拠プロトコルであり、
コンテンツ提供端末は、DLNA対応のDMS又はM−DMSとして機能し、
コンテンツ制御端末は、DLNA対応のDMC又はM−DMCとして機能し、
コンテンツ再生端末は、DLNA対応のDMP又はM−DMPとして機能し、
コンテンツ再生端末のメディア再生制御手段は、コンテンツ提供端末に対して、HTTPクライアントとして機能することも好ましい。
【0025】
本発明のコンテンツ転送システムにおける他の実施形態によれば、コンテンツ制御端末は、当該コンテンツ制御端末を接続先とする呼接続要求を、ホームゲートウェイへ送信する第3の呼接続手段と、確立されたセッションを通して、ホームゲートウェイを介してコンテンツ提供端末との間で、制御メッセージを送受信し、コンテンツを発見し且つ検索するメディア制御手段とを更に有することも好ましい。
【0026】
本発明のコンテンツ転送システムにおける他の実施形態によれば、コンテンツ再生端末が、コンテンツ再生専用端末である場合、コンテンツ制御端末は、再生すべきコンテンツを指定した再生紹介メッセージを、コンテンツ再生端末へ送信する再生紹介メッセージ送信手段を更に有することも好ましい。
【0027】
本発明のコンテンツ転送システムにおける他の実施形態によれば、コンテンツ再生専用端末は、DLNA対応のDMR(Digital Media Renderer)又はM−DMR(Mobile-DMR)として機能することも好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明のコンテンツ転送方法及びシステムによれば、コンテンツ制御端末及びコンテンツ再生端末が広域ネットワークに接続されている場合であっても、コンテンツ制御端末の制御によって、ホームネットワークに接続されたコンテンツ提供端末から、広域ネットワークに接続されたコンテンツ再生端末へコンテンツを送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0030】
図2は、本発明における第1のシーケンス図である。
【0031】
図2によれば、ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ提供端末2が、ホームネットワーク5に接続されている。また、ホームネットワーク5とインターネット(広域ネットワーク)6との間に、ホームゲートウェイ4が接続されている。更に、インターネット6には、ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ制御端末1と、コンテンツ再生端末3とが接続されている。
【0032】
ホームネットワークプロトコルは、例えばDLNA準拠プロトコルである。コンテンツ提供端末2は、DLNA対応のDMS又はM−DMSとして機能し、例えばハードディスクレコーダである。また、コンテンツ制御端末1は、DLNA対応のDMC又はM−DMCとして機能し、例えば携帯電話機である。更に、コンテンツ再生端末は、DLNA対応のDMP又はM−DMPとして機能し、例えばデジタルテレビである。
【0033】
図2の場合、具体的には、ユーザが、宅外で携帯電話機(DMC)を用いて、自宅内のハードディスクレコーダ(DMR)に蓄積されたコンテンツを、例えば友人のような他人が所持するデジタルテレビ(DMP)で再生する場合である。
【0034】
(S201)最初に、コンテンツ制御端末1は、当該コンテンツ制御端末を接続先とする呼接続要求を、ホームゲートウェイ4へ送信する。呼接続要求は、例えばSIPのINVITEメッセージである。INVITEメッセージに対して、200OK及びACKの交換によって、セッションが確立する。
【0035】
(S202)コンテンツ制御端末1は、確立したセッションを通してホームゲートウェイ4へ、発見要求DISCOVERY(HTTP)を送信する。ホームゲートウェイ4は、その発見要求DISCOVERY(SSDP)を、コンテンツ提供端末2へ送信する。発見要求DISCOVERY(SSDP)を受信したコンテンツ提供端末2は、発見応答Response(SSDP)を、ホームゲートウェイ4へ返信する。ホームゲートウェイ4は、その発見応答Response(HTTP)を、コンテンツ制御端末へ送信する。
【0036】
(S203)また、コンテンツ制御端末1は、検索要求BROWSE(HTTP)を、ホームゲートウェイ4へ送信し、ホームゲートウェイ4は、その検索要求BROWSE(SSDP)を、コンテンツ提供端末2へ送信する。これに対し、コンテンツ提供端末2は、コンテンツリスト(SSDP)を、ホームゲートウェイ4へ送信し、ホームゲートウェイ4は、そのコンテンツリスト(HTTP)を、コンテンツ制御端末1へ送信する。尚、S203を実行することなく、次のS204を実行するものであってもよい。コンテンツ提供端末2は、コンテンツ制御端末によって既に発見されているからである。
【0037】
(S204)次に、コンテンツ制御端末1は、ホームゲートウェイ4を接続先とする第1の呼接続要求を、コンテンツ再生端末3へ送信する。第1の呼接続要求も、SIPのINVITEメッセージである。但し、第1の呼接続要求は、S201の呼接続要求と異なって、ホームゲートウェイ又はコンテンツ再生端末が接続先として指定するサードパーティコントロールプロトコル(3PCC)に基づくものである。また、第1の呼接続要求のINVITEメッセージには、SDP記述文書が記述されない(no
SDP)。
【0038】
このINVITEメッセージ(no SDP)を受信したコンテンツ再生端末3は、SDP記述文書であるOfferを含む200OKを、コンテンツ制御端末1へ返信する。これに対し、コンテンツ制御端末1は、ACKを、コンテンツ再生端末3へ返信する。
【0039】
(S205)また、コンテンツ制御端末1は、コンテンツ再生端末3を接続先とする第2の呼接続要求を、ホームゲートウェイ4へ送信する。コンテンツ制御端末1は、第2の呼接続要求のINVITEメッセージに、コンテンツ再生端末3から先に受信したOfferを含める。このINVITEメッセージを受信したホームゲートウェイ4は、SDP記述文書であるAnswerを含む200OKを、コンテンツ制御端末1へ返信する。これに対し、コンテンツ制御端末1は、ACKを、コンテンツ再生端末3へ返信する。
【0040】
(S206)その後、コンテンツ制御端末1は、ホームゲートウェイ4から受信したAnswerを含むACKを、コンテンツ再生端末3へ送信する。
【0041】
(S207)これによって、呼接続は、コンテンツ制御端末1によって制御されるものの、セッションは、そのSDP記述文書を用いて、コンテンツ再生端末3とホームゲートウェイ4との間で確立される。また、コンテンツ再生端末3は、コンテンツ提供端末2に対して、HTTPクライアントとして機能する。
【0042】
(S208)コンテンツ再生端末3は、確立されたセッションを通して、ホームゲートウェイ4を介してコンテンツ提供端末2との間で、ホームネットワークプロトコルに基づく制御メッセージを送受信することできる。最初に、コンテンツ再生端末3は、検索要求BROWSE(HTTP)を、ホームゲートウェイ4を介してコンテンツ提供端末2へ送信する。これに対し、コンテンツ提供端末2は、コンテンツリスト(HTTP)を、ホームゲートウェイ4を介してコンテンツ再生端末3へ返信する。
【0043】
(S209)コンテンツ再生端末3は、コンテンツリストをコンテンツ視聴者に表示し、いずれかのコンテンツを選択させる。選択されたコンテンツについて、コンテンツ再生端末3は、コンテンツ取得要求(HTTP GET)を、ホームゲートウェイ4を介してコンテンツ提供端末2へ送信する。これに対して、コンテンツ提供端末2は、指定されたコンテンツを、ホームゲートウェイ4を介してコンテンツ再生端末3へ送信する。コンテンツ再生端末3は、コンテンツを受信すると共に再生することができる。
【0044】
図3は、本発明における第2のシーケンス図である。
【0045】
図3によれば、図3と比較して、コンテンツ再生端末3が、コンテンツ再生専用端末である点のみが相違する。コンテンツ再生専用端末は、例えばDLNA対応のDMR又はM−DMRである。DMRは、DMPと異なって、DMCの機能を備えていない。そのため、コンテンツ再生専用端末は、図3のS208のように、コンテンツ提供端末2に蓄積されたコンテンツを直接的に制御することができない。
【0046】
図3のS301〜S306は、図3のS201〜S206と全く同じである。
(S307)コンテンツ制御端末1は、コンテンツ紹介者によって選択されたコンテンツを指定した再生紹介メッセージを、コンテンツ再生端末3へ送信する。これによって、コンテンツ再生端末3は、検索要求BROWSEをコンテンツ提供端末2へ送信することなく、コンテンツ取得要求(HTTP GET)をコンテンツ提供端末2へ送信することができる。
【0047】
図4は、本発明における第3のシーケンス図である。
【0048】
図4によれば、コンテンツ制御端末1、コンテンツ提供端末2及びコンテンツ再生端末3が、ホームネットワーク5に接続されている。具体的には、ユーザが、宅内で携帯電話機(DMC)を用いて、自宅内のハードディスクレコーダ(DMR)に蓄積されたコンテンツを、自宅内のデジタルテレビ(DMP)で再生する場合である。
【0049】
(S41)最初に、コンテンツ制御端末1は、発見要求DICOVERY(SSDP)をブロードキャストで送信することによって、コンテンツ提供端末2及びコンテンツ再生端末3を発見する。
(S42)次に、コンテンツ制御端末1は、コンテンツ提供端末2へ、検索要求BROWSE(HTTP)を送信し、コンテンツ提供端末2が、コンテンツ制御端末1へ、コンテンツリストを返信する。
(S43)ここで、コンテンツ制御端末1は、S41でコンテンツ再生端末3を既に発見している。そのために、呼接続をする必要がないことが認識される。
(S44)コンテンツ制御端末1は、コンテンツ紹介者によって選択されたコンテンツを指定した再生紹介メッセージを、コンテンツ再生端末3へ送信する。
(S45)コンテンツ再生端末3は、検索要求BROWSEをコンテンツ提供端末2へ送信することなく、コンテンツ取得要求(HTTP GET)をコンテンツ提供端末2へ送信する。これに対して、コンテンツ提供端末2は、指定されたコンテンツを、コンテンツ再生端末3へ送信する。コンテンツ再生端末3は、コンテンツを受信すると共に再生することができる。
【0050】
図5は、本発明のシステムにおける各装置の機能構成図である。
【0051】
図5によれば、コンテンツ制御端末1は、第1の呼接続部11と、第2の呼接続部12と、第3の呼接続部13と、メディア制御部14と、再生紹介メッセージ送信部15とを有する。これら機能構成部は、コンテンツ制御端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0052】
第3の呼接続部13は、ホームゲートウェイ4との間でセッションを確立する。これは、図2のS201に対応する。セッションが確立した旨は、メディア制御部14へ出力される。
【0053】
メディア制御部14は、ホームゲートウェイ4を介して、コンテンツ提供端末2を発見し、そのコンテンツリストを取得する。これは、図2のS202及びS203に対応する。コンテンツ紹介者によって選択されたコンテンツの接続先となるホームゲートウェイを指定する。このホームゲートウェイのアドレスが、第1の呼接続部11へ出力される。
【0054】
第1の呼接続部11は、ホームゲートウェイ4を接続先とする第1の呼接続要求を、コンテンツ再生端末3へ送信する。これは、図2のS204に対応する。第1の呼接続部11は、当該コンテンツ制御端末1及びコンテンツ再生端末3が、ホームネットワーク5に接続されていると判定した場合、第1の呼接続要求を送信しない。
【0055】
第2の呼接続部12は、コンテンツ再生端末3を接続先とする第2の呼接続要求を、ホームゲートウェイ4へ送信する。これは、図2のS205に対応する。
【0056】
再生紹介メッセージ送信部15は、コンテンツ紹介者によって選択されたコンテンツのアドレスを含む再生紹介メッセージを、コンテンツ再生端末3へ送信する。これは、図3のS307に対応する。コンテンツ再生端末3は、コンテンツ紹介者によって選択されたコンテンツのアドレスを知ることができる。
【0057】
また、図5によれば、コンテンツ再生端末3は、呼接続確立部31と、メディア再生部32とを有する。
【0058】
呼接続確立部31は、第1の呼接続要求を受信した際に、ホームゲートウェイ4との間でセッションを確立する。
【0059】
メディア再生部32は、確立されたセッションを通して、ホームゲートウェイ4を介してコンテンツ提供端末2との間で、ホームネットワークプロトコルに基づく制御メッセージを送受信し、コンテンツ提供端末2からホームゲートウェイ4を介して当該コンテンツを受信する。
【0060】
更に、図5によれば、ホームゲートウェイ4は、呼接続確立部41と、データ転送部42とを有する。
【0061】
呼接続確立部41は、第2の呼接続要求を受信した際に、コンテンツ再生端末3との間でセッションを確立する。
【0062】
データ転送部42は、セッションを介して、コンテンツ再生端末3とコンテンツ提供端末2との間で、制御メッセージ及び当該コンテンツを転送する。
【0063】
以上、詳細に説明したように、本発明のコンテンツ転送方法及びシステムによれば、コンテンツ制御端末及びコンテンツ再生端末が広域ネットワークに接続されている場合であっても、コンテンツ制御端末の制御によって、ホームネットワークに接続されたコンテンツ提供端末から、広域ネットワークに接続されたコンテンツ再生端末へコンテンツを送信することができる。
【0064】
前述した本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】従来技術におけるDLNAの基本シーケンス図である。
【図2】本発明における第1のシーケンス図である。
【図3】本発明における第2のシーケンス図である。
【図4】本発明における第3のシーケンス図である。
【図5】本発明のシステムにおける各装置の機能構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1 コンテンツ制御端末
11 第1の呼接続部
12 第2の呼接続部
13 第3の呼接続部
14 メディア制御部
15 再生紹介メッセージ送信部
2 コンテンツ提供端末
3 コンテンツ再生端末
31 呼接続確立部
32 メディア再生部
4 ホームゲートウェイ
41 呼接続確立部
42 データ転送部
5 ホームネットワーク
6 インターネット、広域ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ提供端末が、ホームネットワークを介してホームゲートウェイに接続されており、該ホームゲートウェイと、前記ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ制御端末及びコンテンツ再生端末とが、広域ネットワークを介して接続されたシステムにおけるコンテンツ転送方法であって、
前記コンテンツ制御端末が、前記ホームゲートウェイを接続先とする第1の呼接続要求を、前記コンテンツ再生端末へ送信する第1のステップと、
前記コンテンツ制御端末が、前記コンテンツ再生端末を接続先とする第2の呼接続要求を、前記ホームゲートウェイへ送信する第2のステップと、
前記コンテンツ再生端末が、確立されたセッションを通して、前記ホームゲートウェイを介して前記コンテンツ提供端末との間で、前記ホームネットワークプロトコルに基づく制御メッセージを送受信し、前記コンテンツ提供端末から前記ホームゲートウェイを介して当該コンテンツを受信する第3のステップと
を有することを特徴とするコンテンツ転送方法。
【請求項2】
前記呼接続要求は、SIP(Simple Initiation Protocol)のINVITEメッセージであって、前記ホームゲートウェイ又は前記コンテンツ再生端末が接続先として指定するサードパーティコントロールプロトコル(3PCC:3rd Party Call Control)に基づくものであることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ転送方法。
【請求項3】
前記ホームネットワークプロトコルは、DLNA(Digital Living Network Alliance)準拠プロトコルであり、
前記コンテンツ提供端末は、DLNA対応のDMS(Digital Media Server)又はM−DMS(Mobile-DMS)として機能し、
前記コンテンツ制御端末は、DLNA対応のDMC(Digital Media Controller)又はM−DMC(Mobile-DMC)として機能し、
前記コンテンツ再生端末は、DLNA対応のDMP(Digital Media Player)又はM−DMP(Mobile-DMP)として機能し、
前記コンテンツ再生端末は、前記コンテンツ提供端末に対して、HTTP(HyperText Transfer Protocol)クライアントとして機能する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ転送方法。
【請求項4】
第1のステップの前段で、
前記コンテンツ制御端末が、当該コンテンツ制御端末を接続先とする呼接続要求を、前記ホームゲートウェイへ送信するステップと、
前記コンテンツ制御端末が、確立されたセッションを通して、前記ホームゲートウェイを介して前記コンテンツ提供端末との間で、前記制御メッセージを送受信し、コンテンツを発見し且つ検索するステップと
を更に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコンテンツ転送方法。
【請求項5】
前記コンテンツ再生端末が、コンテンツ再生専用端末である場合、
第3のステップについて、前記コンテンツ制御端末が、再生すべきコンテンツを指定した再生紹介メッセージを、前記コンテンツ再生端末へ送信するステップを更に有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコンテンツ転送方法。
【請求項6】
前記コンテンツ再生専用端末は、DLNA対応のDMR(Digital Media Renderer)又はM−DMR(Mobile-DMR)として機能することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ転送方法。
【請求項7】
ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ提供端末が、ホームネットワークを介してホームゲートウェイに接続されており、該ホームゲートウェイと、前記ホームネットワークプロトコル対応のコンテンツ制御端末及びコンテンツ再生端末とが、広域ネットワークを介して接続されたコンテンツ転送システムであって、
前記コンテンツ制御端末は、前記ホームゲートウェイを接続先とする第1の呼接続要求を、前記コンテンツ再生端末へ送信する第1の呼接続手段と、前記コンテンツ再生端末を接続先とする第2の呼接続要求を、前記ホームゲートウェイへ送信する第2の呼接続手段とを有し、
前記コンテンツ再生端末は、第1の呼接続要求を受信した際に、前記ホームゲートウェイとの間でセッションを確立する呼接続確立手段と、確立されたセッションを通して、前記ホームゲートウェイを介して前記コンテンツ提供端末との間で、前記ホームネットワークプロトコルに基づく制御メッセージを送受信し、前記コンテンツ提供端末から前記ホームゲートウェイを介して当該コンテンツを受信するメディア再生制御手段とを有し、
前記ホームゲートウェイは、第2の呼接続要求を受信した際に、前記コンテンツ再生端末との間でセッションを確立する呼接続確立手段と、前記セッションを介して前記コンテンツ再生端末と、前記コンテンツ提供端末との間で、前記制御メッセージ及び当該コンテンツを転送するデータ転送手段と
を有することを特徴とするコンテンツ転送システム。
【請求項8】
前記呼接続要求は、SIPのINVITEメッセージであって、前記ホームゲートウェイ又は前記コンテンツ再生端末が接続先として指定するサードパーティコントロールプロトコル(3PCC)に基づくものであることを特徴とする請求項7に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項9】
前記ホームネットワークプロトコルは、DLNA準拠プロトコルであり、
前記コンテンツ提供端末は、DLNA対応のDMS又はM−DMSとして機能し、
前記コンテンツ制御端末は、DLNA対応のDMC又はM−DMCとして機能し、
前記コンテンツ再生端末は、DLNA対応のDMP又はM−DMPとして機能し、
前記コンテンツ再生端末のメディア再生制御手段は、前記コンテンツ提供端末に対して、HTTPクライアントとして機能する
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項10】
前記コンテンツ制御端末は、当該コンテンツ制御端末を接続先とする呼接続要求を、前記ホームゲートウェイへ送信する第3の呼接続手段と、確立されたセッションを通して、前記ホームゲートウェイを介して前記コンテンツ提供端末との間で、前記制御メッセージを送受信し、コンテンツを発見し且つ検索するメディア制御手段と
を更に有することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項11】
前記コンテンツ再生端末が、コンテンツ再生専用端末である場合、
前記コンテンツ制御端末は、再生すべきコンテンツを指定した再生紹介メッセージを、前記コンテンツ再生端末へ送信する再生紹介メッセージ送信手段を更に有することを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項12】
前記コンテンツ再生専用端末は、DLNA対応のDMR(Digital Media Renderer)又はM−DMR(Mobile-DMR)として機能することを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ転送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−152576(P2010−152576A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329003(P2008−329003)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】