説明

ホーム・ネットワーク内で赤外線パススルー・プロトコルを具現化するためのメディアサーバ、システム、方法、プログラム、および記録媒体

【課題】ネットワーク経由でメディアレンダラにオーディオビデオのメディアストリームを送信するメディアサーバのコンテンツ・ディレクトリ・サービス内に、赤外線リモートコントロールパススルー・プロトコルを表現する。
【解決手段】CDSは、メディアコンテンツをメディアサーバ10に供給するメディア供給元デバイス30・31を表すメディアコンテンツ・アイテムのリストと、各メディアコンテンツ・アイテム毎の関連付けられたIRパススルー・プロトコル識別子のリストとを含む。各IRパススルー・プロトコル識別子は、メディアサーバ10内のIRデコーダで使用可能なIRパススルー・エンコード/デコード・プロトコルを識別する。メディアサーバ10では、RCコマンドが、同じIRパススルー・プロトコルを用いてデコードされた後、メディア供給元デバイス30・31の動作を制御するためにメディア供給元デバイス30・31へ赤外線で送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、オーディオおよび/またはビデオ(オーディオビデオあるいは「AV」)を送信するホーム・ネットワークに関し、より詳細には、ユニバーサル・プラグアンドプレイ(UPnP(登録商標))技術に基づくホーム・ネットワーク内において、UPnP(登録商標)コンテンツ・ディレクトリ・サービス(CDS)内で赤外線(IR)リモートコントロール(RC)パススルー(pass-through)・プロトコルを具現化するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家庭環境およびオフィス環境において、ローカルエリアネットワーク(LAN)が広く使用されている。家庭内LANには、10/100baseT Ethernet(登録商標)などのような有線LAN、および、周知のIEEE(登録商標) 802.11あるいはWi−Fi(登録商標)規格に基づくものなどのような無線ローカルエリアネットワーク(無線LAN)が含まれる。他のタイプのLANは、無線送信を使用しないものであり、家庭内または単一のビル内にある既存の電気配線を使用するHomePlug(登録商標)規格に基づくPLCネットワークなどのような電力線通信(PLC)ネットワークである。
【0003】
家庭内LANは、現在、消費者電子(CE)デバイス間におけるオーディオおよび/またはビデオ(オーディオビデオあるいは「AV」)のメディアコンテンツの転送に広く使用されている。デジタル・リビング・ネットワーク・アライアンス(DLNA(登録商標))は、ホーム・ネットワークを介した、CEデバイス、パーソナルコンピュータ(PC)、および他の電子機器の間でのシームレスな相互運用を促進する組織である。DLNA(登録商標)は、メディアの管理および制御のためにUPnP(登録商標) AV技術を採用した。UPnP(登録商標) AV技術は、デバイスおよびアプリケーションがAVメディアコンテンツを識別し、管理し、かつ分配することを可能にし、相互運用可能なホーム・ネットワークを保証する。
【0004】
UPnP(登録商標) AV技術は、2つのAVデバイス、メディアサーバおよびメディアレンダラを規定している。ユーザは、メディアサーバ上に格納されているか、あるいはメディアサーバに接続された1つ以上のメディア供給元デバイスからの送信に利用可能であるAVメディアアイテムを閲覧(browse)し、特定のアイテムを選択し、かつ、メディアレンダラ上でそのアイテムを再生させることができる必要がある。最大の利便性を得るためには、上記の行為をユーザが様々なメディアレンダリングデバイスから行えるようにすることが望ましい。なぜなら、ユーザは、メディア供給元デバイスと直接、情報をやりとりしようとすることはまずないからである。メディアサーバから利用可能なAVメディアアイテムをメディアレンダリングデバイスが閲覧し、かつ、個別のAVメディアアイテムに関する詳細情報をメディアレンダリングデバイスが得るための画一的な機構を提供するために、UPnP(登録商標) AV技術は、メディアサーバ内におけるコンテンツ・ディレクトリ・サービス(CDS)を規定している。CDSは、メディアサーバが、役立ちうるAVメディアアイテムのリストを、関連付けられた、AVメディアアイテムを記述するメタデータと共に公開する方法を提供する。UPnP(登録商標)技術は、拡張可能マークアップ言語(XML)上で構築される。したがって、CDSは、主としてXML Schemaによって規定されるが、他の規格によって追加の制約を受けることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メディア供給元デバイスまたはメディアレンダリングデバイスとして機能しうる多くのAVデバイスは、関連付けられた赤外線(IR)リモートコントロール(RC)を含んでいる。しかしながら、典型的なホーム・ネットワークにおいて、メディア供給元デバイスは、メディアレンダリングデバイスから遠く離れた位置、多くは別の部屋に、置かれる。したがって、メディアレンダリングデバイスでIR RCを用いてメディア供給元デバイスを制御できることが望ましいであろう。これは、現在の技術および規格を用いて実現できない。なぜなら、IR RCによって送信されたRCコマンドは、メディアレンダラによって解明できないIRエンコード・スキームまたはIRエンコード・プロトコルを用いてメディア供給元デバイスがエンコードするからである。異なるCEデバイス・メーカーは異なるIRプロトコルを使用することがあり、したがって、異なるAVメディア供給元デバイスではIRプロトコルが異なることがある。
【0006】
必要とされているのは、ホーム・ネットワーク内において、メディアレンダリングデバイスでRCコマンドの受信およびエンコード、ネットワークを介したエンコードされたコマンドの転送、並びに、メディア供給元デバイスを制御するためのコマンドのデコードを可能にするために、IRパススルー・プロトコルを具現化するシステムおよび方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシステムおよび方法によれば、AVメディアサーバ・システムは、1つ以上のメディア供給元デバイスからAVメディアコンテンツを受信し、該AVメディアコンテンツをAVメディアストリームとしてメディアレンダラにローカルエリアネットワークを介して送信し、メディア供給元デバイスを制御するために、エンコードされたIR RCコマンドをメディアレンダラから受信するメディアサーバを含んでいる。メディアサーバは、1つ以上のメディア供給元デバイスに接続されており、かつ、IR RCコマンドをメディア供給元デバイスに送信可能な少なくとも1つのIR送信器(IR「ブラスター」と呼ぶこともある)を有している。メディアサーバは、拡張可能マークアップ言語(XML)で表現されたコンテンツ・ディレクトリ・サービス(CDS)を含むUPnP(登録商標)メディアサーバ・デバイスである。CDSは、メディア供給元デバイスのリストを含む。そのリストは、メディアコンテンツ「アイテム」としてCDS内で規定される。CDS内のメディアコンテンツ・アイテムの各々について、そのメディアコンテンツ・アイテムがIR RCによって制御可能であれば、そのメディアコンテンツ・アイテムに関連付けられた少なくとも1つのIRパススルー・プロトコル識別子(IRPT−ID)もCDS内にある。IRPT−IDの各々は、ネットワーク上のIR信号を搬送するのに用いられるIRパススルー・エンコード/デコード・スキームまたはIRパススルー・エンコード/デコード・プロトコルを識別する。メディアサーバは、1つより多くのIRパススルー・エンコード/デコード・スキームまたはIRパススルー・エンコード/デコード・プロトコルをサポートしなければならないこともあり、したがって各メディアコンテンツ・アイテムに関連付けられた複数の異なるIRPT−IDがあることもある。メディアサーバとの通信結合を確立するためにメディアレンダラによって用いられるインターネット・プロトコル(IP)接続ポイントIRPT−CP(すなわちIPアドレスおよびポート番号)も、各IRPT−IDごとにある。メディアサーバ内には、メディア供給元デバイスを全て制御するためのIR送信器が1つだけあってもよい。メディアサーバ内に1つより多くのIR送信器がある場合、例えば、IR RCコマンドが全てのメディア供給元デバイスに到達できるよう保証するために、メディアサーバに接続された各メディア供給元デバイスごとに1つずつIR送信器がある場合、各IRPT−CPは、正しいメディア供給元デバイスが制御されるよう、どのIR送信器がメディアサーバによって使用されるかを識別する機能も果たす。
【0008】
一つの実施態様において、CDS内の第1のリソース(RES)XML要素は、メディアコンテンツ・アイテムのメディアフォーマットを表す第1の属性と、そのメディアコンテンツ・アイテムに関連したIRPT−IDを表す第2の属性とを有している。他の実施態様において、IRPT−IDに関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムは、IRPT−IDを表す第2のリソース(RES)XML要素を含んでいる。さらに他の実施態様において、IRPT−IDに関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムは、第1のXMLネームスペース内で表され、IRPT−IDは、第2のXMLネームスペース内で表される。
【0009】
上記方法は、メディアレンダラによって1つ(または複数(1つより多い場合))のメディア供給元デバイスのIR RCを可能にする。メディアレンダラは、メディアコンテンツ・アイテムおよびその関連付けられたIRPT−ID(あるいは1つ以上ある場合にIRPT−ID)を識別するためにCDSを閲覧する。メディアレンダラでは、IR RCが、IR受信器にRCコマンドを送信する。次に、IR受信器の出力が、メディアレンダラにより、IRPT−IDによって表されるIRパススルー・エンコード/デコード・プロトコルを用いてエンコードされる。次に、エンコードされた複数のRCコマンドが、IRPT−IDに関連したIRPT−CPを用いて、メディアレンダラからメディアサーバに、AVメディアストリームの逆方向に、ネットワークを介して送信される。エンコードされた複数のRCコマンドは、IRPT−IDによって表される同一のIRパススルー・エンコード/デコード・プロトコルに従ってメディアサーバでデコードされ、次にIR送信器に送信される。その後、メディアサーバのIR送信器は、メディア供給元デバイスの動作を制御するためにそれらRCコマンドをIR RCコマンドとしてメディア供給元デバイスに送信する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エンコードされた赤外線リモートコントロール信号がメディアレンダラ等からローカルエリアネットワークを介してオーディオビデオ・メディアサーバへ送信されると、赤外線デコーダが、エンコードされた赤外線リモートコントロール信号を、赤外線送信器からメディア供給元デバイスへ送信するためのリモートコントロール・コマンドにデコードし、赤外線送信器が、デコードされた赤外線リモートコントロール・コマンドをメディア供給元デバイスに送信することができる。これにより、赤外線リモートコントロール・コマンドによってメディア供給元デバイスの動作を制御することが可能になる。したがって、メディアレンダラ等からローカルエリアネットワークを介してメディア供給元デバイスの動作を制御することが可能になる。
【0011】
さらに、本発明によれば、上記オーディオビデオ・メディアサーバが、赤外線デコーダで使用可能な赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームを表す少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子を含むメモリを備えているので、赤外線デコーダが、赤外線パススルー・プロトコル識別子で表される赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームに従って赤外線リモートコントロール信号を送信用のリモートコントロール信号にデコードすることができる。したがって、上記オーディオビデオ・メディアサーバが、異なるIR信号を用いる複数のAVメディア供給元デバイスに接続されている場合であっても、各AVメディア供給元デバイスに適合した送信用のリモートコントロール信号を各AVメディア供給元デバイスに送信して、各AVメディア供給元デバイスを制御することができる。
【0012】
さらに、本発明によれば、赤外線パススルー・プロトコル識別子が各メディアコンテンツ・アイテムに関連付けられているので、エンコードされた赤外線リモートコントロール信号として特定のメディアコンテンツ・アイテムを選択して再生する信号がオーディオビデオ・メディアサーバへ送信されると、赤外線デコーダが、その選択されたメディアコンテンツ・アイテムに応じた赤外線パススルー・プロトコル識別子で表される赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームに従って赤外線リモートコントロール信号を送信用のリモートコントロール信号にデコードすることができる。したがって、選択されたメディアコンテンツ・アイテムに適合した送信用のリモートコントロール信号を各AVメディア供給元デバイスに送信して、選択されたメディアコンテンツ・アイテムに対応するAVメディア供給元デバイスからそのメディアコンテンツ・アイテムに対応するメディアコンテンツを受信することができる。さらに、本発明によれば、上記オーディオビデオ・メディアサーバが、メディアコンテンツをメディア供給元デバイスからローカルエリアネットワークを介して受信し、受信したメディアコンテンツをアダプタによってネットワーク送信フォーマットに変換して、メディアレンダラ等へ送信することができる。これらの結果、選択されたメディアコンテンツ・アイテムに対応するメディアコンテンツをメディアレンダラ等へ送信することができる。
【0013】
本発明の性質および利点についてさらに十分に理解するために、添付図と共に説明する次の詳細な説明を参照されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明によれば、ネットワークデバイスを制御するのに用いる特定のIRパススルー・プロトコルを発見することができる。本発明は、ネットワークを介してRCコマンドを搬送するIR RCおよびIRパススルー・プロトコルによってストリームを制御できる場合、メディアレンダリングデバイスがいつAVメディアストリームに接続するかを決定することを可能にする。本発明は、ユニバーサル・プラグアンドプレイ技術(UPnP(登録商標))に基づくローカルエリアネットワークにおけるシステムおよび方法に適用できる。本発明は、サーバデバイスおよびレンダリングデバイスの間にAVメディアコンテンツを分配するホーム・ネットワークに、特にUPnP(登録商標) AV技術を用いるホーム・ネットワークに適用できる。UPnP(登録商標)技術は、「UPnPデバイス・アーキテクチャ、バージョン1.0」で規定されており、また、インターネット・プロトコル(IP)、転送制御プロトコル(TCP)、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコルHTTP、および拡張可能マークアップ言語(XML)で構築される。
【0015】
UPnP(登録商標) AV技術は、メディアサーバ、メディアレンダラ、およびコントロールポイントを規定する。メディアサーバは、メディアコンテンツにアクセスし、そのメディアコンテンツをネットワーク上の他のデバイスへ送信することができる。メディアサーバとして機能することができる、より新しいデジタル・デバイスの例は、MP3サーバ、パーソナル・ビデオ・レコーダ(PVR)、およびホーム・メディアサーバ(パーソナルコンピュータ(PC)など)を含んでいる。メディアサーバに接続できる従来のメディア供給元デバイスには、VCR、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、オーディオ・テーププレーヤ、静止画カメラ、カムコーダ、ラジオ、TVチューナ、およびセットトップ・ボックスが含まれる。メディアレンダラは、メディアコンテンツを受信し、そのメディアコンテンツをレンダリングすることができる。メディアレンダリングデバイスの例は、TVおよびステレオシステムなどのような従来のデバイスを含んでいる。典型的な実施態様において、メディアレンダラは、表示装置に接続されるか、あるいは、レンダリングされたコンテンツを表示するために表示装置と一体化される。コントロールポイントは、ユーザの要望を遂行するためにメディアサーバおよびメディアレンダラの動作を協調させる。
【0016】
UPnP(登録商標) AV仕様は、メディアレンダラおよびメディアサーバを管理するために必要なサービスのテンプレートを含んでいる。そのようなサービスは、接続マネージャー・サービス、AV伝送サービス、およびコンテンツ・ディレクトリ・サービス(CDS)を含んでいる。接続マネージャー・サービスは、コントロールポイントが、メディア供給元デバイス(CDSではメディアコンテンツ「アイテム」と呼ばれる)およびメディアレンダリングデバイスの受信能力および供給能力を他の制御の詳細と共に得る方法を提供する。AV伝送サービスは、メディアレンダリングデバイスの制御方法を提供する。
【0017】
CDSは、メディアコンテンツおよびその属性を体系化するための制御方法およびスキームを提供する。CDSの実施態様において、メディアファイル(例えば、オーディオファイル、ビデオ・ファイル、画像など)および実際のメディアコンテンツは、オブジェクトとして表現される。最新版のCDSの仕様書は、メディアオブジェクトを表現するためのクラス体系を記述している。基本クラスは、オブジェクトクラスである。2つのクラスは、オブジェクトクラスである、アイテム・クラスおよびコンテナ・クラスに由来する。アイテム(つまりアイテム・クラスのインスタンス)は、いかなる他のオブジェクトも含んでいない。コンテナ(つまりコンテナ・クラスのインスタンス)は、少なくとも1つの他のオブジェクトを含みうる。CDSは、主としてXML Schemaによって規定されるが、他の規格によって追加の制約を受けることがある。XML Schemaは、DIDL−Lite要素セットを使用している。DIDL−Liteは、ISO/MPEG21(DIDL)内で開発されたデジタル・アイテム宣言言語DIDLのサブセットから得られる。CDSの部分の例を下記のXMLフラグメント1に示す。このXMLフラグメント1は、多くのチャネルを持つTVチューナを表すXMLデータを示す。この例は、DLNA(登録商標)ガイドラインから得られる。
【0018】
XMLフラグメント1
<DIDL-Lite
xmlns="urn:schemas-upnp-org:metadata-1-0/DIDL-Lite/"
xmlns:dc=”http://purl.org/dc/elements/1.1/”
xmlns:upnp="urn:schemas-upnp-org:metadata-1-0/upnp/"
xmlns:dlna="urn:schemas-dlna-org:metadata-1-0/”>
<!-- ルートコンテナ -->
<container id="0" parentID="-1" restricted=”1” childCount=”2”>
<dc:title>DLNA Device</dc:title>
<upnp:class>object.container</upnp:class>
<!-- NTSC TVチューナ・コンテナ --><container id="1" parentID="0" restricted="1" childCount="2">
<dc:title>NTSC TV Tuner</dc:title>
<upnp:class>object.container</upnp:class>
<dlna:containerType>Tuner_1_0</dlna:containerType>
<!-- NTSC TVチャンネル -->
<item id="1-1" parentID="1" restricted="1">
<!-- 完全な記述 -->
<dc:title>Cartoons, Cartoons, Cartoons</dc:title>
<upnp:class>object.item.videoItem.videoBroadcast</upnp:class>
<upnp:genre>Movie</upnp:genre>
<upnp:channelNr>2</upnp:channelNr>
<upnp:channelName>PBS</upnp:channelName>
<res protocolInfo="http-get:*:video/mpeg:DLNA.ORG_PN=MPEG_PS_NTSC">
http://192.168.0.20:58849/Tuner1/ch2.mpg
</res>
</item>
<item id="1-2" parentID="1" restricted="1">
<!-- 最小の記述 -->
<dc:title>Channel 4</dc:title>
<upnp:class>object.item.videoItem.videoBroadcast</upnp:class>
<upnp:channelNr>4</ upnp:channelNr>
<res protocolInfo="http-get:*:video/mpeg:DLNA.ORG_PN=MPEG_PS_NTSC">
http://192.168.0.20:58849/Tuner1/ch4.mpg
</res>
</item>
</container>
<!-- FMラジオ・チューナ・コンテナ -->
<container id="2" parentID="0" restricted="1" childCount="3">
<dc:title>FM Radio Tuner</dc:title>
<upnp:class>object.container</upnp:class>
<dlna:containerType>Tuner_1_0</dlna:containerType>
<!-- FMラジオ・チャンネル -->
<item id="2-1" parentID="2" restricted="1">
<!-- プリセット#1 -->
<dc:title>FM 89.9</dc:title>
<upnp:class>object.item.audioItem.audioBroadcast</upnp:class>
<upnp:channelNr>1</upnp:channelNr>
<upnp:channelName>FM 89.9</upnp:channelName>
<res protocolInfo="http-get:*:audio/L16:DLNA.ORG_PN=LPCM">
http://192.168.0.20:58849/Tuner2/ch1.L16
</res>
</item>
<item id="2-2" parentID="2" restricted="1">
<!-- プリセット#2 -->
<dc:title>FM 101.9</dc:title>
<upnp:class>object.item.audioItem.audioBroadcast</upnp:class>
<upnp:channelNr>2</upnp:channelNr>
<res protocolInfo="http-get:*:audio/L16:DLNA.ORG_PN=LPCM">
http://192.168.0.20:58849/Tuner2/ch2.L16
</res>
</item>
<item id="2-3" parentID="2" restricted="1">
<!-- プリセット#3 -->
<dc:title>FM 95.5</dc:title>
<upnp:class>object.item.audioItem.audioBroadcast</upnp:class>
<upnp:channelNr>3</upnp:channelNr>
<res protocolInfo="http-get:*:audio/L16:DLNA.ORG_PN=LPCM">
http://192.168.0.20:58849/Tuner2/ch3.L16
</res>
</item>
</container>
</container>
</DIDL-Lite>
図1は、本発明のシステムおよび方法を用いたホーム・ネットワークの高レベルブロック図である。上記ネットワークは、IEEE(登録商標) 802.11無線LANなどのような無線ネットワーク20として、無線ネットワーク20に接続されたメディアサーバ10およびメディアレンダラ40と共に図示している。単に例証の目的で無線LANを示したが、他の多数のタイプの無線および有線のネットワークが、本発明に使用できる。
【0019】
メディアサーバ10は、ビデオカセットレコーダ(VCR)およびデジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD)プレーヤなどのような、メディアコンテンツを提供する2つのレガシーメディア供給元デバイス(メディアコンテンツ・アイテム)30および31に接続されているものとして図示している。レガシーデバイスは、「補助の(auxiliary)」入力としてメディアサーバ10に与えられ、その結果、それらのメディアコンテンツ、例えばメディアサーバ10へ送信すべき実際のビデオ・ファイルは、「生の(live)」メディアコンテンツとみなされる。PVRやホーム・メディアPCなどのようなメディアサーバ10は、典型的には、デジタル映像、写真、および音楽などのような「格納された(stored)」メディアコンテンツを含むハード・ディスク・ドライブも含んでいるであろう。
【0020】
メディアサーバ10は、IR RCコマンドをメディア供給元デバイス30および31に送信するための少なくとも1つのIR送信器XMTRを含んでいる。各メディア供給元デバイス30または31は、IR受信器RCVRを有しており、IR RCによって制御可能である。メディア供給元デバイス30および31は、それらのIR受信器RCVRがメディアサーバ10のIR送信器XMTRのIR範囲内となるように配置されている。図1では、IR送信器XMTRを1つだけ備えたメディアサーバ10を図示したが、メディアサーバ10は、1つ以上の追加のIR送信器XMTRを有していてもよい。例えば、メディアサーバ10は、複数のメディア供給元デバイスとのIR接続を保証するために1つ以上の複数のメディア供給元デバイス30および31に各々が割り当てられた複数のIR送信器を有していてもよい。メディアサーバ10からメディア供給元デバイス30および31へのIR送信は、市販のIR「ドングル」によって容易に実現できる。このIR「ドングル」は、メディアサーバ10上のユニバーサル・シリアル・バス(USB)または他のポートにプラグ接続し、IR出力をメディア供給元デバイス10のIR受信器RCVRの近くに位置させることができる。
【0021】
メディアサーバ10は、メディア供給元デバイス30および31からのメディアコンテンツを、AVメディアストリームとして無線ネットワーク20を介してメディアレンダラ40へ送信可能なフォーマットに変換するための、メディアサーバ・アダプタ1も含んでいる。VCRおよびDVDプレーヤからなるメディア供給元デバイス30および31は、例証の目的だけで示したものである。CDプレーヤ、オーディオ・テーププレーヤ、静止画像カメラ、カムコーダ、ラジオ、TVチューナ、生のメディアコンテンツを供給する他のメディア供給元デバイスなど、他の多数のメディア供給元デバイスがメディア供給元デバイス30および31として利用可能である。無線LANの場合には、メディアサーバ・アダプタ1が、無線トランシーバを含むであろう。
【0022】
メディアサーバ10は、IRデコーダとしてのプロセッサ(例えばマイクロプロセッサやマイクロコントローラ)2および関連付けられたメモリ3も含んでいる。メモリ3は、IRパススルー・プロトコルまたはIRパススルー・スキームに対応するエンコード/デコード・アルゴリズムを含んでいる。IRパススルー・プロトコルまたはIRパススルー・スキームは、VCR30およびDVDプレーヤ31を制御するために、メディアレンダラ40から無線ネットワーク20を介して送信されたRCコマンドをメディアサーバ10のIR送信器XMTRが送信用のRCコマンドに変換することを可能にする。メディアサーバ10は、複数のIRパススルー・プロトコルを処理することができるので、複数のアルゴリズムをメモリ3内に格納してもよい。メモリ3は、CDSも含む。CDSは、メディアコンテンツ・アイテムのリストおよび関連付けられたメタデータだけでなく、メディアコンテンツ・アイテムに関連付けられたIRパススルー・プロトコル識別子(IRPT−ID)、およびIRPT−IDに関連付けられたIRPT接続ポイント(IRPT−CP)も含んでいるものとして図示している。CDS内のメディアコンテンツ・アイテムは、特定のメディア供給元デバイスを表す。少なくとも1対のIRPT−ID/IRPT−CP、あるいは複数対のIRPT−ID/IRPT−CPのリストが、CDS内の各メディアコンテンツ・アイテムに関連付けられる。上記各対は、IRパススルー・プロトコルおよびそのIP接続ポイントを表す。単一のIR送信器XMTRによって制御される複数のメディアコンテンツ・アイテムがメディアサーバ10内にある場合、複数のメディアコンテンツ・アイテムが同一のIRPT−ID/IRPT−CPの対を有していてもよい。メディアサーバ10が、1つより多くのIR送信器を有している場合、例えば第2のメディア供給元デバイスを制御するための第2のIR送信器を有している場合、第2のメディアコンテンツ・アイテムは、第1のメディアコンテンツ・アイテムと同じIRPT−IDを有していてもよく、異なるIRPT−CPを有していてもよい。メディアサーバ10は、IRPT−CPに基づいてどのIR送信器を使用するかを選択する。
【0023】
メディアレンダラ40は、ディスプレイと、メディアサーバ10からのネットワーク送信をディスプレイ上でレンダリングできるフォーマットに変換するためのメディアレンダラ・アダプタとを含んでいる。メディアレンダラ40は、さらに、IR RCによって制御可能であり、それゆえIR受信器RCVRを含んでいる。メディアレンダラ40は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサやマイクロコントローラ)および関連付けられたメモリも含んでいる。図1に示すように、メディアレンダラ40の構成要素は全て、デジタルTVなどのような単一ユニット内に含めることができる。メディアレンダラ40は、さらに個別のメディアレンダラ・アダプタに接続されたレガシーTVであってもよい。その場合には、メディアレンダラ・アダプタは、プロセッサおよび関連付けられたメモリを含むであろう。例えば、Linksys(登録商標)WMA11bなどのような市販のメディアレンダラ・アダプタが利用可能である。このメディアレンダラ・アダプタは、標準的な家庭用電子機器ケーブルを用いてレガシーTVおよびステレオシステムに取り付けられるものであり、無線のIEEE(登録商標) 802.11bあるいは有線の10/100 Ethernet(登録商標)を介してホーム・ネットワークPC(メディアサーバ10)に接続する。
【0024】
メディアレンダラ40のメモリは、1つ以上のIRパススルー・エンコード/デコード・アルゴリズムを含んでいる。上記各アルゴリズムは、特定タイプのIRパススルー・プロトコルまたはIRパススルー・スキームに対応しており、固有のIRPT−IDによって識別可能である。各IRPT−IDは、関連付けられたインターネット・プロトコル(IP)接続ポイント(IRPT−CP)を有している。CDS内の提供された情報は、メディアレンダラ40の閲覧機能が起動されたときに、メディアレンダラ40がメディアコンテンツ・アイテムに関連付けられたIRPT−ID/IRPT−CPの対(1つまたは複数)を発見することを可能にする。メディアレンダラ40は、上記メディアコンテンツ・アイテムおよびそれに関連付けられたIRPT−ID/IRPT−CPの対を識別するために、CDSを閲覧する。メディアレンダラ40にあるIR RCは、IRPT−IDによって表されるIRパススルー・プロトコルを用いてエンコードされたRCコマンドをメディアレンダラ40に送信する。IR RCの出力は、メディアレンダラ40のIR受信器RCVRによって受信される。プロセッサは、IRPT−IDに関連付けられたIRパススルー・エンコード・アルゴリズムをメモリから再度呼び出し、このアルゴリズムを用いてIR受信器RCVRからのIR信号をエンコードする。エンコードされたRCコマンドは、メディアレンダラ・アダプタによって無線ネットワーク20経由で送信可能なフォーマットに変換された後、上記ネットワークを介してメディアサーバ・アダプタ1へAVメディアストリームの逆方向に送信できる。メディアサーバ・アダプタ1が、ネットワーク送信を受信し、それをエンコードされたRCコマンドに変換する。次に、メディアサーバ10のプロセッサ2が、エンコードされたRCコマンドを、IRPT−IDによって識別された同じIRパススルー・エンコード/デコード・アルゴリズムを用いてデコードする。その後、メディアサーバ10のIR送信器XMTRが、メディア供給元デバイス30または31を制御するために、上記IR RCコマンドをメディア供給元デバイス30または31(VCRまたはDVDプレーヤ)上のIR受信器RCVRに送信する。メディアサーバ10が1つより多くのIR送信器XMTRを有している場合、例えば1つ以上のメディア供給元デバイス30および31の各々について1つずつのIR送信器XMTRが指定されている場合、上記IRPT−ID/IRPT−CPの対の中における特定のIRPT−CPによって正しいIR送信器XMTRが識別されるので、正しいIR送信器XMTRが選択される。
【0025】
本発明には多くの実施態様がある。とり得る実施態様をより良く理解するために、IRパススルー・プロトコルのサポートがCDS内で発行されない基本の場合を下記のXMLフラグメント2で示す。
【0026】
XMLフラグメント2
<item id="1-2" parentID="1" restricted="1">
<dc:title>Auxilary Input 1</dc:title>
<upnp:class>object.item.videoItem.videoBroadcast</upnp:class>
<upnp:channelNr>1</ upnp:channelNr>
<res protocolInfo="http-get:*:video/mpeg:DLNA.ORG_PN=MPEG_PS_NTSC">
http://192.168.0.20:58849/Tuner1/ch1.mpg
</res>
</item>
これは、任意のタイプのメディア供給元デバイスが接続され得る場合、メディアコンテンツ・アイテムが「補助入力」に相当することを示す。AVメディアストリームは、それが格納されたメディアコンテンツではなく生のメディアコンテンツであることを示すクラス「videoBroadcast」である。AVメディアストリームを検索するプロトコルは「HTTP」であり、「GET」メソッドを使用しなければならない。メディアフォーマットは、DLNA(登録商標) MIME形式およびMPEG 2 PSによって規定される。ホストIPアドレスおよびポート番号が、リソース(“res”)要素のURIフィールド内に与えられる。
【0027】
下記のXMLフラグメント3は、基本の場合にIRパススルー・プロトコルのサポートを追加した場合の一実施態様を示す。
【0028】
XMLフラグメント3
<item id="1-2" parentID="1" restricted="1">
<dc:title>Auxilary Input 1</dc:title>
<upnp:class>object.item.videoItem.videoBroadcast</upnp:class>
<upnp:channelNr>1</ upnp:channelNr>
<res protocolInfo="http-get:*:video/mpeg:DLNA.ORG_PN=MPEG_PS_NTSC"
CntrlIRProtocol=”IRPT_FFIR”
CntrlProtocol =”tcp” CntrlIPAddress=”192.168.0.20” CntrlPortNumber=”60000”>
http://192.168.0.20:58849/Tuner1/ch1.mpg
</res>
</item>
この場合、メディアコンテンツ・アイテムに関連付けられた“res”要素に、複数の新しい属性が追加される。これらの新しい属性は、本発明の方法に係るIRパススルーのために必要な情報を提供する。「CntrlIRProtocol」属性は、メディアコンテンツ・アイテムがIR RCによって制御可能であることをメディアレンダラ40に通知する機能を果たし、また、メディアコンテンツ・アイテム(XMLフラグメント3内では「FFIR」と呼ばれる)に関連付けられたIRパススルー・プロトコルを識別する。「CntrlProtocol」は、使用されるIPプロトコルを識別する。使用されるIPプロトコルは、TCPかUDPの何れかになり得る。「CntrlIPAddress」および「CntrlPortNumber」は、IRPT−CP情報を提供する。
【0029】
XMLフラグメント3で示す方法は、新しい属性の理解を可能とするためには、スキームの変更が必要である。この方法では、1つの“res”アイテムについて単一のIRパススルー・プロトコルだけがサポートされる。さらに、この方法は、IRパススルー・プロトコルを、特定のメディアフォーマット(つまり“res”アイテム)にリンクさせるが、典型的にはIRパススルー・プロトコルとメディアフォーマットとの間に従属性はない。
【0030】
下記のXMLフラグメント4は、基本の場合にIRパススルー・プロトコルのサポートを追加した場合の第2の実施態様を示す。
【0031】
XMLフラグメント4
<item id="1-2" parentID="1" restricted="1">
<dc:title>Auxilary Input 1</dc:title>
<upnp:class>object.item.videoItem.videoBroadcast</upnp:class>
<upnp:channelNr>1</ upnp:channelNr>
<res protocolInfo="http-get:*:video/mpeg:DLNA.ORG_PN=MPEG_PS_NTSC">
http://192.168.0.20:58849/Tuner1/ch1.mpg
</res>
<res protocolInfo="sharp.co.jp:*:x-infrared:SHARP.COM_PN=IRPT_FFIR”>
tcp://192.168.0.20:60000
</res>
</item>
この場合、IRPT−IDおよびIRPT−CPを提供するために、第2の“res”要素がメディアコンテンツ・アイテムに追加される。この場合、同じプロパティ「protocolInfo」が使用されるが、このプロパティの複数の値が、IRパススルー・プロトコルを識別するために用いられ、“res”要素の値が、接続ポイントを決定するのに用いられる。IRPT−IDは、「protocolInfo」属性の値によって規定される。UPnP(登録商標)内で規定された方法が、専用のプロトコルを規定するのに用いられる。この場合、最初のフィールド「sharp.co.jp」は、この専用のプロトコルをSHARP(登録商標)専用のIRパススルー・プロトコルとして規定し、最後のフィールド「x−infrared(SHARP.COM_PN=IRPT_FFIR)」は、プロトコルを規定するMIME形式である。“res”要素の値「tcp://192.168.0.20:60000」は、専用のURIのようなフォーマットでIRPT−CP情報を提供する。
【0032】
この方法は、DIDL−Liteスキームに変更を加えることを必要としない。この方法では、res”要素が、コントロールプロトコルのためにではなく写真、歌、ビデオなどのような何らかのタイプのバイナリ・アセット(asset)のために設計されている。したがって、“res”要素は、意図しない方法で使用される。しかしながら、これは、CDSを閲覧するクライアントデバイスにとって問題を引き起こさない。なぜなら、クライアントデバイスは、典型的には、理解されない“res”要素を無視するからである。「protocolInfo」を理解するクライアントだけが、“res”アイテムを使用するであろう。この方法は、さらに、メディアフォーマットに何ら依存することなく、CDS内で複数の異なるIRパススルー・プロトコルを発行することを可能にする。
【0033】
下記のXMLフラグメント5は、基本の場合にIRパススルー・プロトコルのサポートを追加した場合の第3の実施態様を示す。
【0034】
XMLフラグメント5
<DIDL-Lite
xmlns="urn:schemas-upnp-org:metadata-1-0/DIDL-Lite/"
xmlns:dc=”http://purl.org/dc/elements/1.1/”
xmlns:upnp="urn:schemas-upnp-org:metadata-1-0/upnp/"
xmlns:dlna="urn:schemas-dlna-org:metadata-1-0/”>
<item id="1-2" parentID="1" restricted="1">
<dc:title>Auxilary Input 1</dc:title>
<upnp:class>object.item.videoItem.videoBroadcast</upnp:class>
<upnp:channelNr>1</ upnp:channelNr>
<res protocolInfo="http-get:*:video/mpeg:DLNA.ORG_PN=MPEG_PS_NTSC">
http://192.168.0.20:58849/Tuner1/ch1.mpg
</res>
<desc xmlns:av=”urn:schemas-sharp-co-jp:av” id=”l1description” nameSpace=”urn:schemas-sharp-co-jp:av”>
<av:irpt protocolInfo="sharp.co.jp:*:x-infrared:SHARP.COM_PN=IRPT_FFIR">
tcp://192.168.0.20:65531
</av:irpt>
</desc>
</item>
この場合、新しいXMLネームスペース(「xmlnms」)が使用される。新しい要素「av:irpt」は、ネームスペース「urn:schemas−sharp−co−jp:av」に属するものとして規定される。これによって、専用の要素を理解しないXML構文解析系(parser)が、そのような専用の要素の属性または値をチェックすることなく、専用の要素を無視することが可能になる。この方法は、さらにDIDL−Liteスキームに従う。
【0035】
最後に、メディアサーバ10の赤外線デコーダは、ハードウェアロジックによって構成してもよいが、次のように、デコーダプログラムを記録した記録媒体(メモリ3等)とデコーダプログラムを実行するプロセッサ2とを用いてソフトウェア的に実現できる。
【0036】
すなわち、メディアサーバ10は、デコーダプログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)等のプロセッサ2、上記デコーダプログラムを格納したROM(read only memory)、上記デコーダプログラムを展開するRAM(random access memory)、上記デコーダプログラムおよび各種データを格納するメモリ3等の記憶装置(記録媒体)などを備えるコンピュータで実現できる。本発明の目的は、上述した赤外線デコーダの機能を実現するソフトウェアであるデコーダプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータ(プロセッサ2そのもの、あるいはプロセッサ2およびRAM)で読み取り可能に記録した記録媒体を、メディアサーバ10に供給し、そのコンピュータが記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって、達成可能である。
【0037】
上記デコーダプログラムは、メディア供給元デバイス30・31からのAVメディアコンテンツをネットワーク送信するためのネットワーク20への接続に適合されたメディアサーバ10を動作させるためのものであって、IRPT−IDで表されるIRパススルー・エンコード/デコード・スキームを用いて、ネットワーク20を介して受信されたエンコードされたIR RC信号を、赤外線送信器XMTRからメディア供給元デバイス30・31へ送信するためのリモートコントロール・コマンドにデコードするための赤外線デコーダとしてコンピュータを機能させるものである。メディアサーバ10は、前述したように、IR RCコマンドをメディア供給元デバイス30・31に送信するための赤外線送信器XMTRと、メディアサーバ10で利用可能なメディア供給元デバイス30・31を表す複数のメディアコンテンツ・アイテムを格納し、かつIRパススルー・エンコード/デコード・スキームを表す少なくとも1つのIRパススルー・プロトコル識別子を各メディアコンテンツ・アイテムに関連付けて格納するメモリ3とを備えている。
【0038】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0039】
また、メディアサーバ10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0040】
本発明を好ましい実施形態に関して詳細に示し記述したが、当業者であれば、本発明の精神および範囲から外れない限りにおいて形式および詳細の種々の変更を行い得ることが理解できるであろう。従って、開示された発明は、単に説明のための例として考えられるべきものであり、添付の請求項で指定された通りにのみ範囲が限定されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のシステムおよび方法を用いたホーム・ネットワークのブロック図である。
【符号の説明】
【0042】
1 メディアサーバ・アダプタ
2 プロセッサ(赤外線デコーダ)
3 メモリ
10 メディアサーバ
20 無線ネットワーク
30 メディア供給元デバイス(VCR)
31 メディア供給元デバイス(DVDプレーヤ)
40 メディアレンダラ
XMTR 赤外線送信器(赤外線ブラスター)
RCVR 赤外線受信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア供給元デバイスからのオーディオビデオのメディアコンテンツをネットワーク送信するためのローカルエリアネットワークへの接続に適合されたオーディオビデオ・メディアサーバであって、
赤外線リモートコントロール・コマンドを上記メディア供給元デバイスに送信するための赤外線送信器と、
上記メディア供給元デバイスからの上記メディアコンテンツをネットワーク送信フォーマットに変換するためのアダプタと、
上記ローカルエリアネットワークを介して受信されたエンコードされた赤外線リモートコントロール信号を、上記オーディオビデオ・メディアサーバの上記赤外線送信器から上記メディア供給元デバイスへ送信するためのリモートコントロール・コマンドにデコードするための赤外線デコーダと、
メモリとを備え、
上記メモリが、上記オーディオビデオ・メディアサーバで利用可能な複数のメディア供給元デバイスを表す複数のメディアコンテンツ・アイテムと、各メディアコンテンツ・アイテムに関連付けられた少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子とを含み、上記赤外線パススルー・プロトコル識別子が、上記オーディオビデオ・メディアサーバの上記赤外線デコーダで使用可能な赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームを表すオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項2】
上記メモリが、ユニバーサル・プラグアンドプレイのコンテンツ・ディレクトリ・サービスを含み、
上記メディアコンテンツ・アイテムが、上記コンテンツ・ディレクトリ・サービス内に含まれる請求項1記載のオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項3】
上記コンテンツ・ディレクトリ・サービスが、拡張可能マークアップ言語で表現され、
その少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子に関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムの各々が、第1のリソース拡張可能マークアップ言語要素を含み、上記第1のリソース拡張可能マークアップ言語要素が、上記メディアコンテンツ・アイテムのメディアフォーマットを表す第1の属性を有する請求項2記載のオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項4】
上記第1のリソース拡張可能マークアップ言語要素が、上記赤外線パススルー・プロトコル識別子を表す第2の属性を有する請求項3記載のオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項5】
その少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子に関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムの各々が、上記赤外線パススルー・プロトコル識別子を表す第2のリソース拡張可能マークアップ言語要素を含む請求項3記載のオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項6】
その少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子に関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムの各々が、第1の拡張可能マークアップ言語ネームスペース内で表され、上記少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子が、第2の拡張可能マークアップ言語ネームスペース内で表される請求項3記載のオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項7】
上記メモリ内に複数の赤外線パススルー・プロトコル識別子があり、それら赤外線パススルー・プロトコル識別子の各々が、固有の赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームを表す請求項1記載のオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項8】
上記メモリ内の少なくとも1つのメディアコンテンツ・アイテムが、生のメディアコンテンツ・アイテムであり、
上記赤外線パススルー・プロトコル識別子が、上記少なくとも1つの生のメディアコンテンツ・アイテムに関連付けられている請求項1記載のオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項9】
上記メモリが、各赤外線パススルー・プロトコル識別子に関連付けられたインターネット・プロトコル接続ポイントを含んでいる請求項1記載のオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項10】
上記赤外線送信器が、第1の赤外線送信器であり、
上記オーディオビデオ・メディアサーバが、第2の赤外線送信器をさらに備え、
上記各赤外線送信器が、インターネット・プロトコル接続ポイントによって識別されている請求項9記載のオーディオビデオ・メディアサーバ。
【請求項11】
ローカルエリアネットワーク上でオーディオビデオのメディアコンテンツを送信するためのローカルエリアネットワークに接続可能なオーディオビデオ・メディアサーバ・システムであって、
メディアコンテンツを上記ローカルエリアネットワークに供給するためのメディアサーバと、
メディアコンテンツを上記メディアサーバに供給するためのデバイスであって、赤外線リモートコントロール・コマンドによって制御可能なメディア供給元デバイスと、
上記メディアコンテンツをネットワーク送信フォーマットに変換するためのアダプタと、
上記ローカルエリアネットワークを介して受信されたエンコードされた赤外線リモートコントロール信号を、リモートコントロール・コマンドにデコードするための赤外線デコーダと、
上記メディア供給元デバイスを制御するために、上記リモートコントロール・コマンドを上記メディア供給元デバイスに送信するための赤外線ブラスターと、
メモリとを含み、
上記メモリが、拡張可能マークアップ言語で表現されたコンテンツ・ディレクトリ・サービスを含み、上記コンテンツ・ディレクトリ・サービスが、上記メディアサーバで利用可能なメディア供給元デバイスを表すメディアコンテンツ・アイテムと、各メディアコンテンツ・アイテムに関連付けられた少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子とを含み、上記赤外線パススルー・プロトコル識別子が、赤外線デコーダで使用可能な赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームを表すオーディオビデオ・メディアサーバ・システム。
【請求項12】
上記赤外線パススルー・プロトコル識別子に関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムの各々が、第1のリソース拡張可能マークアップ言語要素を含み、該第1のリソース拡張可能マークアップ言語要素が、上記メディアコンテンツ・アイテムのメディアフォーマットを表す第1の属性と、上記赤外線パススルー・プロトコル識別子を表す第2の属性とを有する請求項11記載のオーディオビデオ・メディアサーバ・システム。
【請求項13】
赤外線パススルー・プロトコル識別子と関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムの各々が、上記メディアコンテンツ・アイテムのメディアフォーマットを表す第1のリソース拡張可能マークアップ言語要素と、上記赤外線パススルー・プロトコル識別子を表す第2のリソース拡張可能マークアップ言語要素とを含む請求項11記載のオーディオビデオ・メディアサーバ・システム。
【請求項14】
赤外線パススルー・プロトコル識別子と関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムの各々が、第1の拡張可能マークアップ言語ネームスペース内で表され、上記赤外線パススルー・プロトコル識別子が、第2の拡張可能マークアップ言語ネームスペース内で表される請求項11記載のオーディオビデオ・メディアサーバ・システム。
【請求項15】
上記コンテンツ・ディレクトリ・サービスが、各赤外線パススルー・プロトコル識別子に関連付けられたインターネット・プロトコル接続ポイントを含む請求項11記載のオーディオビデオ・メディアサーバ・システム。
【請求項16】
上記赤外線ブラスターが、第1の赤外線ブラスターであり、
上記オーディオビデオ・メディアサーバ・システムが、第2の赤外線ブラスターをさらに備え、
上記各赤外線ブラスターが、インターネット・プロトコル接続ポイントによって識別されている請求項11記載のオーディオビデオ・メディアサーバ・システム。
【請求項17】
メディア供給元デバイスからメディアサーバを通してメディアレンダラへオーディオビデオのメディアコンテンツを送信するためのローカルエリアネットワーク内において、メディアレンダラによるメディア供給元デバイスの赤外線リモートコントロールを可能にする方法であって、
上記メディアサーバを通して上記メディアレンダラへメディアコンテンツを供給するメディア供給元デバイスを表すメディアコンテンツ・アイテムと、メディアコンテンツ・アイテムに関連付けられ、赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームを表す少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子とを含むコンテンツ・ディレクトリ・サービスを上記メディアサーバ内に設けるステップと、
送信すべきメディアコンテンツ・アイテムとそれに関連付けられた少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子とを識別するために上記メディアレンダラから上記コンテンツ・ディレクトリ・サービスを閲覧するステップと、
リモートコントロール・コマンドを赤外線によってリモートコントロールから上記メディアレンダラへ送信するステップと、
上記メディアレンダラで、上記少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子によって表される上記赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームに従って上記リモートコントロール・コマンドをエンコードするステップと、
上記のエンコードされたリモートコントロール・コマンドをメディアレンダラからローカルエリアネットワークを介してメディアサーバへ送信するステップと、
上記メディアサーバで、上記少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子によって表される赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームに従って上記リモートコントロール・コマンドをデコードするステップと、
上記メディア供給元デバイスの動作を制御するために、上記リモートコントロール・コマンドを赤外線によって上記メディアサーバから上記メディア供給元デバイスへ送信するステップとを含む方法。
【請求項18】
上記赤外線パススルー・プロトコル識別子を設けるステップが、拡張可能マークアップ言語で表現された赤外線パススルー・プロトコル識別子を設けるステップを含み、
上記赤外線パススルー・プロトコル識別子に関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムを設けるステップが、上記メディアコンテンツ・アイテムのメディアフォーマットを表す第1の属性を有する第1のリソース拡張可能マークアップ言語要素を表現するステップを含む請求項記載17の方法。
【請求項19】
上記赤外線パススルー・プロトコル識別子を表す第2の属性を有する第1のリソース拡張可能マークアップ言語要素を表現するステップをさらに含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
上記赤外線パススルー・プロトコル識別子と関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムを設けるステップが、上記赤外線パススルー・プロトコル識別子を表す第2のリソース拡張可能マークアップ言語要素を表現するステップを含む請求項18記載の方法。
【請求項21】
上記赤外線パススルー・プロトコル識別子と関連付けられたメディアコンテンツ・アイテムを設けるステップが、上記メディアコンテンツ・アイテムを第1の拡張可能マークアップ言語ネームスペース内で表現するステップを含み、
上記赤外線パススルー・プロトコル識別子を設けるステップが、上記赤外線パススルー・プロトコル識別子を第2の拡張可能マークアップ言語ネームスペース内で表現するステップを含む請求項18記載の方法。
【請求項22】
上記コンテンツ・ディレクトリ・サービス内に、各赤外線パススルー・プロトコル識別子ごとにインターネット・プロトコル接続ポイントを設けるステップをさらに含む請求項17記載の方法。
【請求項23】
少なくとも2つのメディア供給元デバイスがローカルエリアネットワーク上にあり、上記メディアサーバから赤外線によって上記リモートコントロール・コマンドを送信するステップが、上記少なくとも2つのメディア供給元デバイスへ上記リモートコントロール・コマンドを送信するステップを含む請求項17記載の方法。
【請求項24】
メディア供給元デバイスからのオーディオビデオのメディアコンテンツをネットワーク送信するためのローカルエリアネットワークへの接続に適合されたオーディオビデオ・メディアサーバであって、赤外線リモートコントロール・コマンドを上記メディア供給元デバイスに送信するための赤外線送信器と、上記オーディオビデオ・メディアサーバで利用可能な複数のメディア供給元デバイスを表す複数のメディアコンテンツ・アイテムを格納し、かつ赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームを表す少なくとも1つの赤外線パススルー・プロトコル識別子を各メディアコンテンツ・アイテムに関連付けて格納するメモリとを備えるオーディオビデオ・メディアサーバを動作させるためのデコーダプログラムであって、
上記赤外線パススルー・プロトコル識別子で表される赤外線パススルー・エンコード/デコード・スキームを用いて、上記ローカルエリアネットワークを介して受信されたエンコードされた赤外線リモートコントロール信号を、赤外線送信器からメディア供給元デバイスへ送信するためのリモートコントロール・コマンドにデコードするための赤外線デコーダとしてコンピュータを機能させるためのデコーダプログラム。
【請求項25】
請求項24記載のデコーダプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【公開番号】特開2007−336553(P2007−336553A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156748(P2007−156748)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】