ボイラ装置
【課題】火炉内へ通じる貫通孔に設けたノズルと貫通孔に間隙があっても、火炉壁内面に沿う強い旋回流を形成できると共に輻射熱による焼損を抑制し、健全性の高い空気供給ノズルを備えた信頼性、経済性を高めたボイラ装置を提供する。
【解決手段】水管で構成される火炉壁に貫通孔を備え、前記貫通孔に空気を供給するノズルが挿入され、前記ノズルと前記貫通孔に間隙を有した空気供給ノズルにおいて、前記ノズルの先端位置が火炉壁内面からノズル内直径の0.8倍以上離間し、前記ノズル内から噴出する気体に旋回速度成分を有することで構成されている。
【解決手段】水管で構成される火炉壁に貫通孔を備え、前記貫通孔に空気を供給するノズルが挿入され、前記ノズルと前記貫通孔に間隙を有した空気供給ノズルにおいて、前記ノズルの先端位置が火炉壁内面からノズル内直径の0.8倍以上離間し、前記ノズル内から噴出する気体に旋回速度成分を有することで構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボイラ装置に係り、特に火炉内に空気を供給する空気供給ノズルを有するボイラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば石炭を微粉砕し、火炉内で浮遊させて燃焼させる微粉炭焚きボイラでは、特許文献1に開示されているようにボイラ火炉には下部に微粉炭バーナが設けられ、バーナの下流(ボイラ上部)にはアフタエアノズルが設けられ、バーナからは微粉炭燃料と燃焼用空気が供給され、アフタエアノズルからは空気のみが供給される。
【0003】
バーナ部での燃焼では、微粉炭燃料を完全燃焼させるために必要な理論空気比以下となる量の空気をバーナから供給し、空気不足の状態で微粉炭を燃焼させ、還元雰囲気とし、NOx生成を抑制している。しかしながら、この還元雰囲気では酸素不足により未燃焼分が残り、CO(一酸化炭素)が発生する。この還元雰囲気で発生した未燃焼分やCOを完全燃焼させるため、バーナの下流に位置するアフタエアノズルから理論空気比の不足分となる空気量より若干多めの燃焼用空気を火炉内に供給し、未燃焼分やCOを低減した燃焼排ガスが火炉から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−310807号公報
【特許文献2】特開平4−52414号公報
【特許文献3】特開2009−174751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
微粉炭焚きボイラや油焚きボイラなどの燃焼装置では燃料を完全燃焼させることが重要である。このため、例えば前述の微粉炭焚きボイラのようにバーナ下流のアフタエアノズルから空気を供給し完全燃焼させる場合、空気を火炉内に均一に分布させて未燃焼分との混合を促進することが望ましい。この場合には、火炉中央に空気を供給するほか、火炉壁近傍の燃料の未燃焼分を低減させるため火炉壁近傍に空気を供給する必要がある。空気を火炉壁近傍に供給する手段としては、空気をノズル内で旋回させて旋回流として火炉内に供給する方法がある。例えば、特許文献2にはアフタエア噴流の流動様式を調整し、混合を促進するため空気に直進流と旋回流を与える旋回構造が開示されている。上記構造にて火炉壁近傍に空気を供給する場合、旋回流の割合を増やし、遠心力により空気をノズルから噴出後に拡散させる方法がとられる。特に強い旋回流を生じさせると、ノズルから噴出後も空気が壁面に沿って流れるコアンダ効果により火炉壁面に沿った壁面流が形成できる。
【0006】
ところで、ボイラの火炉を構成する隔壁である火炉壁は炉内温度の上昇に伴い熱膨張する。一般に火炉はその上部が支持され、吊り下げられる。このため、熱膨張により火炉壁は下方向に移動する。また、火炉をその下部で支持する場合は、熱膨張により火炉壁が上方向に移動する。このため、アフタエアノズル等の空気供給ノズルは、火炉内へ通じる貫通孔に密着させず間隙(ギャップ)を設けることが一般的である。間隙を設けることで熱膨張により移動する火炉壁の貫通孔に対し、設備基礎に固定される空気供給ノズルとの接触や干渉が生じない。
【0007】
一方、火炉内は燃焼ガスが炉外へ流出しないようにするため負圧に制御されており、この間隙から火炉内へ向かって空気がリーク流として流入する。リーク流は直進して火炉内へ向かって流れるため旋回流の流れを阻害する方向に働き、壁に沿う強い壁面流を形成するのが困難となる。また、空気供給ノズルと火炉壁との間に空気の流入を阻止する構造物(シール部材)を設けた場合でも、空気供給ノズルと火炉壁との間に生じる段差部分は、流路が急拡大するため、流れが壁面から剥離し、循環流が生じてノズルから噴出する空気が壁面に沿って流れるのを妨げる。このため、火炉壁面に沿った流れの形成が難しくなり、火炉壁近傍に空気が充分に供給されず未燃焼分が残留する可能性がある。
【0008】
特許文献3には、水管壁に沿って空気を噴出させるノズルが開示されている。しかしながら構成部材が火炉内部に突き出しており、バーナ火炎の輻射熱によりノズル部材が焼損して必要な空気噴流が形成できないおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、火炉内へ通じる火炉壁の貫通孔に設けたノズルと貫通孔の間に間隙があっても、強い旋回流を形成し火炉内壁面に壁面流を形成できると共に輻射熱によるノズル焼損を抑制し健全性を高めた空気供給ノズルを提供し、信頼性、経済性を高めたボイラ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、火炉内に供給された燃料を燃焼するバーナと、水管が配設され貫通孔が形成された火炉を構成する火炉壁と、貫通孔に挿入され火炉内に空気を供給するノズルおよびノズル内に供給された空気に旋回速度成分を与える旋回部材とを有し、ノズルと貫通孔の間に間隙を有する空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、空気供給ノズルの貫通孔内における先端位置を火炉壁内面からノズル内直径の0.8倍以上の距離を離間して設置することを特徴とする。
【0011】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、ノズル先端部が下流側に向かい断面積が拡がる拡管構造を有することを特徴とする。
【0012】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、ノズル内部に下流側に向かい断面積が拡がる円筒状の拡管部材を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、ノズルの先端に凹凸状の部材を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、貫通孔の火炉内面側が拡管構造を持つことを特徴とする。
【0015】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、火炉壁の外側と前記ノズルが接する箇所に空気の流入を阻止する構造物を設けたことを特徴とする。
【0016】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、流体の旋回速度成分を調整する調整部材を設けたことを特徴とする。
【0017】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記バーナの下流側に空気供給ノズルを設けたことを特徴とする。
【0018】
さらに、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、バーナの下流側にバーナでの燃焼用空気不足分を火炉内に供給するノズルを少なくとも2段以上設け、前記ノズルの一部として前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする。
【0019】
さらに、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、バーナを配置した高さに前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ノズルの先端が火炉壁内面から0.8D以上離間し設置されているためノズルから噴出した流れは徐々に径方向に拡大し、貫通孔出口より上流側で貫通孔の内壁に沿って流れる。貫通孔出口でさらに拡がり、水管表面の火炉壁内面を沿って流れる。このため、火炉内へ通じる貫通孔に設けたノズルと貫通孔に間隙があっても壁に沿う壁面流を形成できる。
【0021】
本発明の空気供給ノズルをバーナの下流に設置した場合は、壁近傍に十分な酸素を供給でき壁近傍に存在する未燃焼分やCOが低減する。また、バーナを配置した高さに設置した場合は、火炉壁表面に沿って酸素を供給し、腐食を抑制できると共に、ノズルが火炉内に突出していないため輻射熱によるノズルの焼損を抑制でき信頼性、経済性の高いボイラ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1による空気供給ノズルの正面図。
【図2】図1のA−A断面を示す模式図。
【図3】Lと間隙24の有無による噴流状態を表すグラフ。
【図4】図3での壁面流の場合(H領域)の噴流を示す模式図。
【図5】図3での壁面流にならない場合(F領域)の噴流を示す模式図。
【図6】本発明の実施例2による空気供給ノズルの模式図。
【図7】本発明の実施例3による空気供給ノズルの模式図。
【図8】本発明の実施例4による空気供給ノズルの模式図。
【図9】本発明の実施例5による空気供給ノズルの模式図。
【図10】本発明の実施例6による空気供給ノズルの模式図。
【図11】本発明の実施例7を示すボイラ装置の模式図。
【図12】本発明の実施例7を示すボイラ装置の模式図。
【図13】図12のボイラのB−B矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例であるボイラについて図面を参照して以下に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1に本発明の実施例による空気供給ノズル4の正面図を、図2に図1のA−A断面の模式図を示す。火炉壁1の表面には水管11が設けられ、円形の貫通孔30に干渉しないように水管11も貫通孔30の形状に沿って変形して設置されている。火炉壁1は火炉内の熱による熱膨張で下方に伸びるため、貫通孔30内に設置するノズル20の外径と貫通孔30の内径との間に間隙24を設けている。ノズル20内には空気の旋回部材として円形の旋回羽根25を設置している。ダクト16は空気15をノズル20を介して貫通孔30から火炉内に供給できるよう構成されている。
空気15はダクト16内を通り、ノズル20に設けた流入孔22から流入し、旋回羽根25により旋回速度成分の流速を有する旋回流となりノズル20の先端から流出し、貫通孔30から火炉内へ流れる。空気流量はダンパ21の開度で調整する。空気15が火炉内に全量流れるように火炉壁1とダクト16を密着させるが、ダクト16と火炉壁1の間に間隙26が存在する。
【0025】
火炉内は燃焼ガスが炉外に出ないように運転時は常に負圧に制御されている。よって間隙26から空気が流入し、間隙24から火炉内に噴出するリーク流23が存在する。このリーク流23は火炉内へ向かう直進流であるため、ノズル20から噴出する強旋回流による壁に沿う壁面流を阻害する。また、リーク流23を抑制するために空気の流入を阻止するシール部材27でシールした場合でも、間隙24があるためノズル20の先端部分で循環流31が生じてノズル20から噴出する旋回流が壁面に沿って流れるのを妨げる。
【0026】
図3に間隙24の有無が及ぼす噴流への影響を示す。横軸は図2に示すノズル20の先端から火炉壁1内面までの距離Lをノズル20の内直径Dで除した値(L/D)を示す。縦軸は間隙24の有無を示す。図中の○は貫通孔30からの噴流が壁に沿って噴出する壁面流であることを示し、×は壁面流でないことを示す。図中のハッチング部Hが壁面流が生じる領域を示し、Fは非壁面流領域を示している。図中の領域Fでも一時的に壁面流が生じる場合もあるが、火炉内の圧力変動などによる外乱を与えると壁面流を安定して維持できない。領域Hの条件下では、これら外乱にも影響されず安定した壁面流を形成できる。図3から間隙24がある場合に壁面流を形成するにはノズル20の先端から火炉壁1内面までの距離Lはノズル20の内直径Dの約0.8倍以上必要であることがわかる。
【0027】
図4に、図3の領域Hに相当する壁面流となる場合の噴流の模式図を示す。ノズル20の先端位置が火炉壁1内面から0.8D以上、十分離間し設置されているため、ノズルから噴出した旋回流は徐々に径方向に拡大し、リーク流23、循環流31の流れを抑え込みながら貫通孔30の出口でさらに拡がり、水管11表面の火炉壁1内面を沿って流れる壁面流となる。
【0028】
一方、図3の領域Fに相当する非壁面流の場合の噴流の模式図を図5に示す。ノズル20の先端が火炉壁1内面近くにあるため、ノズル20から噴出した旋回流は径方向に拡がらないうちに火炉内に向かって流出する。リーク流23は火炉内に向かって直進して流れ、循環流31も壁面流となるのを阻害するため、安定した壁面流となり難くい。
【0029】
実施例1によれば、火炉へ通じる貫通孔30とノズル20との間隙24がある場合でも、ノズル20の先端位置を火炉壁1内面からノズル20の内直径Dの0.8倍以上離間することで、炉内圧力の変動などによる外乱にも影響されず安定した壁面流を形成することができる。
【実施例2】
【0030】
図6に本発明の実施例2によるノズルの模式図を示す。実施例1のノズル先端位置の条件に加え、本ノズルはノズル20の先端が下流側に向かい断面積が拡がる拡管構造となっている。実施例2によれば、ノズル20に設けた拡管部32が径方向に向かっているため循環流31の生成を抑制し、ノズル20から噴出した旋回流が径方向に拡がり易くなり、より安定した壁面流を形成できるというメリットがある。
【実施例3】
【0031】
図7に本発明の実施例3によるノズルの模式図を示す。本ノズルはノズル20内側の先端部に、下流側に向かい断面積が拡がる円筒状の拡管部材33を設けている。実施例3も拡管部材33が径方向に向かっているため旋回流が径方向に拡がり易く、循環流31の生成を抑制するため、より安定した壁面流を形成できる。また拡管部材33がノズル内部にあるため輻射熱による影響も少なくて済むというメリットがある。
【実施例4】
【0032】
図8に本発明の実施例4によるノズルの模式図を示す。本ノズルはノズル20内の先端部に歯状または短冊状の部材を円周方向に配列した凹凸状の部材34を設けている。部材34によってノズルから噴出する流れに乱れが生じ、周方向に流れが拡散し易くなる。このため、ノズルから噴出する流れが拡がり易くなり、循環流31の生成を抑制するため、ノズル20から噴出する流れは安定した壁面流となる。
【実施例5】
【0033】
図9に本発明の実施例5によるノズルの模式図を示す。本ノズルは火炉壁1の貫通孔30出口部分に、出口に向かって拡大した拡管部28が形成された拡管構造を有している。実施例5によれば、ノズル20から噴出した旋回流が貫通孔30出口で径方向に拡がり易く、循環流31の生成を抑制するため、より安定した壁面流を形成できるとういうメリットがある。
【実施例6】
【0034】
図10に本発明の実施例6によるノズルの模式図を示す。図9に示す旋回羽根25に替えて、円周方向に配列した半径方向の羽根の角度を傾斜調整可能とした案内羽根29としたものである。空気流量はダンパ36で調整する。実施例6でも図9と同様に壁面流となる強旋回流を発生できる。さらに案内羽根29の角度を調整部材である調整ハンドル35で調整することで、旋回速度成分(旋回強度)を調整できるため、噴流の形状を幅広く制御できるというメリットがある。
【実施例7】
【0035】
図11に、実施例7における本発明のノズル構造を適用したボイラの模式図を示す。ボイラの下部にはバーナ2を備え、バーナ部から上昇する未燃焼分を含むガス5をボイラ上部に設けたアフタエアノズル3からアフタエア(空気)7を供給し未燃焼分を完全燃焼させて排ガス9として炉外へ排出している。アフタエアノズル3の下段には本発明の空気供給ノズル4を備えている。アフタエアノズル3では供給できない壁近傍に空気(酸素)を壁面流8として供給することで、火炉内で均一に空気を混合でき、壁近傍の未燃焼分、COを低減することができる。よって火炉内での燃料の燃焼率が向上し、経済性の高いボイラを提供することができる。
【実施例8】
【0036】
図12に、実施例8における本発明の空気供給ノズル構造を適用したボイラの模式図を示す。実施例8ではボイラの下部のバーナ2近傍に空気供給ノズル4を備えている。バーナ近傍は酸素濃度が低く、火炉壁の腐食が生じ易い。図13に図12のB−B矢視図を示す。バーナ設置高さに本発明の空気供給ノズル4を設置することで、図13に示す噴流8のように火炉壁に沿った壁面流により空気(酸素)が水管表面を流れるため水管表面を酸化雰囲気にでき、腐食を抑制することができる。また、ノズルを構成する部材が火炉内に突出していないので輻射熱による焼損もなく、信頼性も高い。図12ではバーナ2は片側にしかないが、図11のように両側にバーナ2があっても効果は同じである。また、本実施例を示す図12では、バーナ2設置面以外の3面に空気供給ノズル4を備えるが、バーナ2設置面に設けることも可能である。また、本実施例を示す図12では、バーナ2の最下段高さに空気供給ノズル4を備えるが、アフタエアノズル3より下側(上流側)であるバーナ2の設置高さの何れでも良い。
【0037】
本発明によれば、火炉内へ通じる貫通孔に設けたノズルと貫通孔に間隙があっても、壁に沿う流れを形成でき、バーナの下流に位置するアフタエアノズルに適用すると、壁近傍に酸素を供給でき、壁近傍に存在する未燃焼分、COが低減する。また、バーナ近傍に適用すると水管表面に沿って酸素を供給でき、火炉壁の腐食を抑制できると共にノズルを構成する構造材が火炉内に突出していないため、輻射熱によるノズル部材の焼損を抑制でき、信頼性、経済性の高いボイラ装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・火炉壁
3・・・アフタエアノズル
4・・・空気供給ノズル
8・・・空気噴流
9・・・燃焼排ガス
11・・・水管
15・・・空気流
20・・・ノズル
23・・・リーク流
24、26・・・間隙
25・・・旋回羽根
27・・・シール部材
28、32・・・拡管部
29・・・案内羽根
30・・・貫通孔
31・・・循環流
33・・・円筒状拡管部材
34・・・凸凹状部材
35・・・調整ハンドル
D・・・ノズル内直径
L・・・ノズル先端と火炉壁内面の距離
【技術分野】
【0001】
本発明はボイラ装置に係り、特に火炉内に空気を供給する空気供給ノズルを有するボイラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば石炭を微粉砕し、火炉内で浮遊させて燃焼させる微粉炭焚きボイラでは、特許文献1に開示されているようにボイラ火炉には下部に微粉炭バーナが設けられ、バーナの下流(ボイラ上部)にはアフタエアノズルが設けられ、バーナからは微粉炭燃料と燃焼用空気が供給され、アフタエアノズルからは空気のみが供給される。
【0003】
バーナ部での燃焼では、微粉炭燃料を完全燃焼させるために必要な理論空気比以下となる量の空気をバーナから供給し、空気不足の状態で微粉炭を燃焼させ、還元雰囲気とし、NOx生成を抑制している。しかしながら、この還元雰囲気では酸素不足により未燃焼分が残り、CO(一酸化炭素)が発生する。この還元雰囲気で発生した未燃焼分やCOを完全燃焼させるため、バーナの下流に位置するアフタエアノズルから理論空気比の不足分となる空気量より若干多めの燃焼用空気を火炉内に供給し、未燃焼分やCOを低減した燃焼排ガスが火炉から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−310807号公報
【特許文献2】特開平4−52414号公報
【特許文献3】特開2009−174751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
微粉炭焚きボイラや油焚きボイラなどの燃焼装置では燃料を完全燃焼させることが重要である。このため、例えば前述の微粉炭焚きボイラのようにバーナ下流のアフタエアノズルから空気を供給し完全燃焼させる場合、空気を火炉内に均一に分布させて未燃焼分との混合を促進することが望ましい。この場合には、火炉中央に空気を供給するほか、火炉壁近傍の燃料の未燃焼分を低減させるため火炉壁近傍に空気を供給する必要がある。空気を火炉壁近傍に供給する手段としては、空気をノズル内で旋回させて旋回流として火炉内に供給する方法がある。例えば、特許文献2にはアフタエア噴流の流動様式を調整し、混合を促進するため空気に直進流と旋回流を与える旋回構造が開示されている。上記構造にて火炉壁近傍に空気を供給する場合、旋回流の割合を増やし、遠心力により空気をノズルから噴出後に拡散させる方法がとられる。特に強い旋回流を生じさせると、ノズルから噴出後も空気が壁面に沿って流れるコアンダ効果により火炉壁面に沿った壁面流が形成できる。
【0006】
ところで、ボイラの火炉を構成する隔壁である火炉壁は炉内温度の上昇に伴い熱膨張する。一般に火炉はその上部が支持され、吊り下げられる。このため、熱膨張により火炉壁は下方向に移動する。また、火炉をその下部で支持する場合は、熱膨張により火炉壁が上方向に移動する。このため、アフタエアノズル等の空気供給ノズルは、火炉内へ通じる貫通孔に密着させず間隙(ギャップ)を設けることが一般的である。間隙を設けることで熱膨張により移動する火炉壁の貫通孔に対し、設備基礎に固定される空気供給ノズルとの接触や干渉が生じない。
【0007】
一方、火炉内は燃焼ガスが炉外へ流出しないようにするため負圧に制御されており、この間隙から火炉内へ向かって空気がリーク流として流入する。リーク流は直進して火炉内へ向かって流れるため旋回流の流れを阻害する方向に働き、壁に沿う強い壁面流を形成するのが困難となる。また、空気供給ノズルと火炉壁との間に空気の流入を阻止する構造物(シール部材)を設けた場合でも、空気供給ノズルと火炉壁との間に生じる段差部分は、流路が急拡大するため、流れが壁面から剥離し、循環流が生じてノズルから噴出する空気が壁面に沿って流れるのを妨げる。このため、火炉壁面に沿った流れの形成が難しくなり、火炉壁近傍に空気が充分に供給されず未燃焼分が残留する可能性がある。
【0008】
特許文献3には、水管壁に沿って空気を噴出させるノズルが開示されている。しかしながら構成部材が火炉内部に突き出しており、バーナ火炎の輻射熱によりノズル部材が焼損して必要な空気噴流が形成できないおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、火炉内へ通じる火炉壁の貫通孔に設けたノズルと貫通孔の間に間隙があっても、強い旋回流を形成し火炉内壁面に壁面流を形成できると共に輻射熱によるノズル焼損を抑制し健全性を高めた空気供給ノズルを提供し、信頼性、経済性を高めたボイラ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、火炉内に供給された燃料を燃焼するバーナと、水管が配設され貫通孔が形成された火炉を構成する火炉壁と、貫通孔に挿入され火炉内に空気を供給するノズルおよびノズル内に供給された空気に旋回速度成分を与える旋回部材とを有し、ノズルと貫通孔の間に間隙を有する空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、空気供給ノズルの貫通孔内における先端位置を火炉壁内面からノズル内直径の0.8倍以上の距離を離間して設置することを特徴とする。
【0011】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、ノズル先端部が下流側に向かい断面積が拡がる拡管構造を有することを特徴とする。
【0012】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、ノズル内部に下流側に向かい断面積が拡がる円筒状の拡管部材を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、ノズルの先端に凹凸状の部材を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、貫通孔の火炉内面側が拡管構造を持つことを特徴とする。
【0015】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、火炉壁の外側と前記ノズルが接する箇所に空気の流入を阻止する構造物を設けたことを特徴とする。
【0016】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、流体の旋回速度成分を調整する調整部材を設けたことを特徴とする。
【0017】
また、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記バーナの下流側に空気供給ノズルを設けたことを特徴とする。
【0018】
さらに、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、バーナの下流側にバーナでの燃焼用空気不足分を火炉内に供給するノズルを少なくとも2段以上設け、前記ノズルの一部として前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする。
【0019】
さらに、空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、バーナを配置した高さに前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ノズルの先端が火炉壁内面から0.8D以上離間し設置されているためノズルから噴出した流れは徐々に径方向に拡大し、貫通孔出口より上流側で貫通孔の内壁に沿って流れる。貫通孔出口でさらに拡がり、水管表面の火炉壁内面を沿って流れる。このため、火炉内へ通じる貫通孔に設けたノズルと貫通孔に間隙があっても壁に沿う壁面流を形成できる。
【0021】
本発明の空気供給ノズルをバーナの下流に設置した場合は、壁近傍に十分な酸素を供給でき壁近傍に存在する未燃焼分やCOが低減する。また、バーナを配置した高さに設置した場合は、火炉壁表面に沿って酸素を供給し、腐食を抑制できると共に、ノズルが火炉内に突出していないため輻射熱によるノズルの焼損を抑制でき信頼性、経済性の高いボイラ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1による空気供給ノズルの正面図。
【図2】図1のA−A断面を示す模式図。
【図3】Lと間隙24の有無による噴流状態を表すグラフ。
【図4】図3での壁面流の場合(H領域)の噴流を示す模式図。
【図5】図3での壁面流にならない場合(F領域)の噴流を示す模式図。
【図6】本発明の実施例2による空気供給ノズルの模式図。
【図7】本発明の実施例3による空気供給ノズルの模式図。
【図8】本発明の実施例4による空気供給ノズルの模式図。
【図9】本発明の実施例5による空気供給ノズルの模式図。
【図10】本発明の実施例6による空気供給ノズルの模式図。
【図11】本発明の実施例7を示すボイラ装置の模式図。
【図12】本発明の実施例7を示すボイラ装置の模式図。
【図13】図12のボイラのB−B矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例であるボイラについて図面を参照して以下に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1に本発明の実施例による空気供給ノズル4の正面図を、図2に図1のA−A断面の模式図を示す。火炉壁1の表面には水管11が設けられ、円形の貫通孔30に干渉しないように水管11も貫通孔30の形状に沿って変形して設置されている。火炉壁1は火炉内の熱による熱膨張で下方に伸びるため、貫通孔30内に設置するノズル20の外径と貫通孔30の内径との間に間隙24を設けている。ノズル20内には空気の旋回部材として円形の旋回羽根25を設置している。ダクト16は空気15をノズル20を介して貫通孔30から火炉内に供給できるよう構成されている。
空気15はダクト16内を通り、ノズル20に設けた流入孔22から流入し、旋回羽根25により旋回速度成分の流速を有する旋回流となりノズル20の先端から流出し、貫通孔30から火炉内へ流れる。空気流量はダンパ21の開度で調整する。空気15が火炉内に全量流れるように火炉壁1とダクト16を密着させるが、ダクト16と火炉壁1の間に間隙26が存在する。
【0025】
火炉内は燃焼ガスが炉外に出ないように運転時は常に負圧に制御されている。よって間隙26から空気が流入し、間隙24から火炉内に噴出するリーク流23が存在する。このリーク流23は火炉内へ向かう直進流であるため、ノズル20から噴出する強旋回流による壁に沿う壁面流を阻害する。また、リーク流23を抑制するために空気の流入を阻止するシール部材27でシールした場合でも、間隙24があるためノズル20の先端部分で循環流31が生じてノズル20から噴出する旋回流が壁面に沿って流れるのを妨げる。
【0026】
図3に間隙24の有無が及ぼす噴流への影響を示す。横軸は図2に示すノズル20の先端から火炉壁1内面までの距離Lをノズル20の内直径Dで除した値(L/D)を示す。縦軸は間隙24の有無を示す。図中の○は貫通孔30からの噴流が壁に沿って噴出する壁面流であることを示し、×は壁面流でないことを示す。図中のハッチング部Hが壁面流が生じる領域を示し、Fは非壁面流領域を示している。図中の領域Fでも一時的に壁面流が生じる場合もあるが、火炉内の圧力変動などによる外乱を与えると壁面流を安定して維持できない。領域Hの条件下では、これら外乱にも影響されず安定した壁面流を形成できる。図3から間隙24がある場合に壁面流を形成するにはノズル20の先端から火炉壁1内面までの距離Lはノズル20の内直径Dの約0.8倍以上必要であることがわかる。
【0027】
図4に、図3の領域Hに相当する壁面流となる場合の噴流の模式図を示す。ノズル20の先端位置が火炉壁1内面から0.8D以上、十分離間し設置されているため、ノズルから噴出した旋回流は徐々に径方向に拡大し、リーク流23、循環流31の流れを抑え込みながら貫通孔30の出口でさらに拡がり、水管11表面の火炉壁1内面を沿って流れる壁面流となる。
【0028】
一方、図3の領域Fに相当する非壁面流の場合の噴流の模式図を図5に示す。ノズル20の先端が火炉壁1内面近くにあるため、ノズル20から噴出した旋回流は径方向に拡がらないうちに火炉内に向かって流出する。リーク流23は火炉内に向かって直進して流れ、循環流31も壁面流となるのを阻害するため、安定した壁面流となり難くい。
【0029】
実施例1によれば、火炉へ通じる貫通孔30とノズル20との間隙24がある場合でも、ノズル20の先端位置を火炉壁1内面からノズル20の内直径Dの0.8倍以上離間することで、炉内圧力の変動などによる外乱にも影響されず安定した壁面流を形成することができる。
【実施例2】
【0030】
図6に本発明の実施例2によるノズルの模式図を示す。実施例1のノズル先端位置の条件に加え、本ノズルはノズル20の先端が下流側に向かい断面積が拡がる拡管構造となっている。実施例2によれば、ノズル20に設けた拡管部32が径方向に向かっているため循環流31の生成を抑制し、ノズル20から噴出した旋回流が径方向に拡がり易くなり、より安定した壁面流を形成できるというメリットがある。
【実施例3】
【0031】
図7に本発明の実施例3によるノズルの模式図を示す。本ノズルはノズル20内側の先端部に、下流側に向かい断面積が拡がる円筒状の拡管部材33を設けている。実施例3も拡管部材33が径方向に向かっているため旋回流が径方向に拡がり易く、循環流31の生成を抑制するため、より安定した壁面流を形成できる。また拡管部材33がノズル内部にあるため輻射熱による影響も少なくて済むというメリットがある。
【実施例4】
【0032】
図8に本発明の実施例4によるノズルの模式図を示す。本ノズルはノズル20内の先端部に歯状または短冊状の部材を円周方向に配列した凹凸状の部材34を設けている。部材34によってノズルから噴出する流れに乱れが生じ、周方向に流れが拡散し易くなる。このため、ノズルから噴出する流れが拡がり易くなり、循環流31の生成を抑制するため、ノズル20から噴出する流れは安定した壁面流となる。
【実施例5】
【0033】
図9に本発明の実施例5によるノズルの模式図を示す。本ノズルは火炉壁1の貫通孔30出口部分に、出口に向かって拡大した拡管部28が形成された拡管構造を有している。実施例5によれば、ノズル20から噴出した旋回流が貫通孔30出口で径方向に拡がり易く、循環流31の生成を抑制するため、より安定した壁面流を形成できるとういうメリットがある。
【実施例6】
【0034】
図10に本発明の実施例6によるノズルの模式図を示す。図9に示す旋回羽根25に替えて、円周方向に配列した半径方向の羽根の角度を傾斜調整可能とした案内羽根29としたものである。空気流量はダンパ36で調整する。実施例6でも図9と同様に壁面流となる強旋回流を発生できる。さらに案内羽根29の角度を調整部材である調整ハンドル35で調整することで、旋回速度成分(旋回強度)を調整できるため、噴流の形状を幅広く制御できるというメリットがある。
【実施例7】
【0035】
図11に、実施例7における本発明のノズル構造を適用したボイラの模式図を示す。ボイラの下部にはバーナ2を備え、バーナ部から上昇する未燃焼分を含むガス5をボイラ上部に設けたアフタエアノズル3からアフタエア(空気)7を供給し未燃焼分を完全燃焼させて排ガス9として炉外へ排出している。アフタエアノズル3の下段には本発明の空気供給ノズル4を備えている。アフタエアノズル3では供給できない壁近傍に空気(酸素)を壁面流8として供給することで、火炉内で均一に空気を混合でき、壁近傍の未燃焼分、COを低減することができる。よって火炉内での燃料の燃焼率が向上し、経済性の高いボイラを提供することができる。
【実施例8】
【0036】
図12に、実施例8における本発明の空気供給ノズル構造を適用したボイラの模式図を示す。実施例8ではボイラの下部のバーナ2近傍に空気供給ノズル4を備えている。バーナ近傍は酸素濃度が低く、火炉壁の腐食が生じ易い。図13に図12のB−B矢視図を示す。バーナ設置高さに本発明の空気供給ノズル4を設置することで、図13に示す噴流8のように火炉壁に沿った壁面流により空気(酸素)が水管表面を流れるため水管表面を酸化雰囲気にでき、腐食を抑制することができる。また、ノズルを構成する部材が火炉内に突出していないので輻射熱による焼損もなく、信頼性も高い。図12ではバーナ2は片側にしかないが、図11のように両側にバーナ2があっても効果は同じである。また、本実施例を示す図12では、バーナ2設置面以外の3面に空気供給ノズル4を備えるが、バーナ2設置面に設けることも可能である。また、本実施例を示す図12では、バーナ2の最下段高さに空気供給ノズル4を備えるが、アフタエアノズル3より下側(上流側)であるバーナ2の設置高さの何れでも良い。
【0037】
本発明によれば、火炉内へ通じる貫通孔に設けたノズルと貫通孔に間隙があっても、壁に沿う流れを形成でき、バーナの下流に位置するアフタエアノズルに適用すると、壁近傍に酸素を供給でき、壁近傍に存在する未燃焼分、COが低減する。また、バーナ近傍に適用すると水管表面に沿って酸素を供給でき、火炉壁の腐食を抑制できると共にノズルを構成する構造材が火炉内に突出していないため、輻射熱によるノズル部材の焼損を抑制でき、信頼性、経済性の高いボイラ装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・火炉壁
3・・・アフタエアノズル
4・・・空気供給ノズル
8・・・空気噴流
9・・・燃焼排ガス
11・・・水管
15・・・空気流
20・・・ノズル
23・・・リーク流
24、26・・・間隙
25・・・旋回羽根
27・・・シール部材
28、32・・・拡管部
29・・・案内羽根
30・・・貫通孔
31・・・循環流
33・・・円筒状拡管部材
34・・・凸凹状部材
35・・・調整ハンドル
D・・・ノズル内直径
L・・・ノズル先端と火炉壁内面の距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火炉内に供給された燃料を燃焼するバーナと、水管が配設され貫通孔が形成された前記火炉を構成する火炉壁と、前記貫通孔に挿入され前記火炉内に空気を供給するノズルおよび該ノズル内に供給された空気に旋回速度成分を与える旋回部材とを有し、前記ノズルと前記貫通孔の間に間隙を有する空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、
前記空気供給ノズルの前記ノズルの貫通孔内における先端位置を前記火炉壁内面からノズル内直径の0.8倍以上の距離を離間して設置することを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項2】
請求項1記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記ノズル先端部が下流側に向かい断面積が拡がる拡管構造を有することを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項3】
請求項1記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記ノズル内部に下流側に向かい断面積が拡がる円筒状の拡管部材を設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項4】
請求項1記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記ノズルの先端に凹凸状の部材を設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記貫通孔の火炉内面側が拡管構造を持つことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記火炉壁の外側と前記ノズルが接する箇所に空気の流通を防止する構造物を設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記流体の旋回速度成分を調整する調整部材を設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記バーナの下流側に前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項9】
請求項8記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記バーナの下流側にバーナでの燃焼用空気不足分を火炉内に供給するノズルを少なくとも2段以上設け、前記ノズルの一部に前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記バーナを配置した高さに前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項1】
火炉内に供給された燃料を燃焼するバーナと、水管が配設され貫通孔が形成された前記火炉を構成する火炉壁と、前記貫通孔に挿入され前記火炉内に空気を供給するノズルおよび該ノズル内に供給された空気に旋回速度成分を与える旋回部材とを有し、前記ノズルと前記貫通孔の間に間隙を有する空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、
前記空気供給ノズルの前記ノズルの貫通孔内における先端位置を前記火炉壁内面からノズル内直径の0.8倍以上の距離を離間して設置することを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項2】
請求項1記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記ノズル先端部が下流側に向かい断面積が拡がる拡管構造を有することを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項3】
請求項1記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記ノズル内部に下流側に向かい断面積が拡がる円筒状の拡管部材を設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項4】
請求項1記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記ノズルの先端に凹凸状の部材を設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記貫通孔の火炉内面側が拡管構造を持つことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記火炉壁の外側と前記ノズルが接する箇所に空気の流通を防止する構造物を設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記流体の旋回速度成分を調整する調整部材を設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記バーナの下流側に前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項9】
請求項8記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記バーナの下流側にバーナでの燃焼用空気不足分を火炉内に供給するノズルを少なくとも2段以上設け、前記ノズルの一部に前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の空気供給ノズルを備えたボイラ装置において、前記バーナを配置した高さに前記空気供給ノズルを設けたことを特徴とする空気供給ノズルを備えたボイラ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−145267(P2012−145267A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3617(P2011−3617)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005441)バブコック日立株式会社 (683)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005441)バブコック日立株式会社 (683)
【Fターム(参考)】
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