説明

ボタン電話装置

【課題】ボタン電話装置で提供される機能を利用する利便性を向上すること。
【解決手段】記録部203により、通話状態に以降した後から所定の機能が提供されるまでの間に、電話機で操作された一連のボタン操作手順を機能提供履歴として記録手段に記録し、記録部203により、次の通話時に電話機で機能提供履歴を要求する機能が割り当てられた専用ボタンが押下げられた場合に、記録手段から機能提供履歴を読み出して、電話機の表示手段に選択可能に表示させ、提供機能制御部205により、選択された機能提供履歴のボタン操作手順に基づいて機能を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主装置及び電話機で構成される構内電話交換装置(以下、ボタン電話装置という)の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のボタン電話装置は、発信時のダイヤル操作をダイヤル操作履歴として記憶し、過去に着信した着信呼の着信番号を着信番号履歴として記憶しておき、その後の発信操作において各履歴を用いることにより、ダイヤル操作を再度入力することを回避し、操作上の利便性向上を図っている。
【0003】
しかしながら、単にダイヤル番号を記憶しておくものであるため、上記2つの履歴を利用するのみでは、保留転送・三者通話・通話録音・通話モニタ等といった機能を実現することは難しく、機能を実現するために多数のボタン押下が必要になるなど、その利便性は著しく低下する。
【0004】
すなわち、ボタン電話装置で提供される上記機能を実現するために通話開始後にボタンを操作する場合には、その機能を実現する度に利用者がボタンを押下する操作が必要であり、所望する機能によってはボタンを複数回連続で押下することを必要とするため、煩雑で操作性が悪く、簡便に利用することはできない。
【0005】
また、使用頻度が低い機能についてはボタンを操作する手順を忘れてしまう場合が多く、その都度マニュアルを見ながら操作を行うため、誤操作により通話を切断して再度電話をかけ直す等の問題があった。
【0006】
このような問題を解決するため、従来のボタン電話装置では、電話番号を記憶するワンタッチボタンにダイヤルボタン以外の機能(例えば、保留機能や通話録音機能等)を登録可能にし、通話開始後に提供したい機能をワンタッチボタンに登録しておき、通話が開始されてから機能登録済みのワンタッチボタンを押下することにより、通話開始後に実行して提供されるボタン操作の利便性を向上させていた。
【0007】
また、保留機能や通話録音機能のような1つのボタン操作で提供される機能ではなく、保留転送機能や三者通話機能のような一連のボタン操作を必要とする機能を登録する場合には、図10に示すように、何らかのボタンを押下げて登録開始を明示し、一連のボタン操作が終了した後に何らかのボタンを押下げて登録終了を明示させて、上記機能をワンタッチボタンに登録しておき、通話が開始されてから該ワンタッチボタンを押下することにより、通話開始後に実行して提供されるボタン操作の利便性を向上させていた。
【0008】
なお、従来のボタン電話装置については特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−6010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、提供したい機能をワンタッチボタンに割り当てるため、ワンタッチボタンに対して提供機能を予め登録しておくことが必要であり、更にはワンタッチボタンに登録された機能しか提供できないという問題があった。
【0011】
特に、一連のボタン操作を必要とする機能については、登録開始及び登録終了を明示する指示を通話中に行う必要があり、機能提供の操作や通話のみに集中したい利用者に対してワンタッチボタンへの登録行為を求めることになるため、操作が煩雑になると共に、誤操作の原因になるという問題もあった。例えば、三者通話が行われた場合には、通話相手が二者であることにより通話内容に意識が集中してしまい、登録行為中であることを忘れて、登録終了を明示することをしないまま受話器をオンフックすることが多く、再び登録を行わなければならない。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ボタン電話装置で提供される機能を利用する利便性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の本発明は、通話状態に以降した後から所定の機能が提供されるまでの間に、電話機で操作された一連のボタン操作手順を機能提供履歴として記録手段に記録し、次の通話時に前記電話機で機能提供履歴を要求する機能が割り当てられた専用ボタンが押下げられた場合に、前記記録手段から前記機能提供履歴を読み出して、前記電話機の表示手段に選択可能に表示させ、選択された機能提供履歴のボタン操作手順に基づいて機能を提供する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、通話状態に以降した後から所定の機能が提供されるまでの間に、電話機で操作された一連のボタン操作手順を機能提供履歴として記録手段に記録し、次の通話時に電話機で機能提供履歴を要求する機能が割り当てられた専用ボタンが押下げられた場合に、記録手段から機能提供履歴を読み出して、電話機の表示手段に選択可能に表示させ、選択された機能提供履歴のボタン操作手順に基づいて機能を提供するため、ボタン電話装置で提供される機能を利用する利便性を向上することができる。
【0015】
請求項2に記載の本発明は、通話中の呼が前記電話機からの発信呼であるか前記電話機への着信呼であるかを判別し、発信呼の場合には、発信番号と同じ電話番号を持つ機能提供履歴を抽出し、着信呼の場合には、着信呼の発番号と同じ電話番号を持つ機能提供履歴を抽出して、前記電話機の表示手段に表示させることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、通話中の呼が電話機からの発信呼であるか電話機への着信呼であるかを判別し、発信呼の場合には、発信番号と同じ電話番号を持つ機能提供履歴を抽出し、着信呼の場合には、着信呼の発番号と同じ電話番号を持つ機能提供履歴を抽出して、電話機の表示手段に表示させるため、ボタン電話装置で提供される機能を利用する利便性を更に向上することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ボタン電話装置で提供される機能を利用する利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ボタン電話装置の全体構成を示す図である。
【図2】電話機及び主装置の機能構成ブロックを示す図である。
【図3】機能提供のために要するボタン操作手順を記録する動作フローの概要を示す図である。
【図4】主装置の記録動作フローを示す図である。
【図5】図3の動作フローを三者通話機能について適用した場合の動作フローを示す図である。
【図6】機能提供履歴のデータ構成の一例を示す図である。
【図7】一連のボタン操作手順を利用する動作フローの概要を示す図である。
【図8】図7の動作フローを三者通話機能について適用した場合の動作フローを示す図である。
【図9】機能提供履歴と電話番号との組み合わせを用いた主装置の動作フローを示す図である。
【図10】従来のボタン電話操作の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係るボタン電話装置の全体構成を示す図である。本ボタン電話装置1は、電話機100と、内線配線を介して電話機100に接続され、内線と外線間又は内線間を繋ぐ主装置200とで構成されている。
【0021】
図2は、ボタン電話装置を構成している各装置の機能構成ブロックを示す図である。電話機100は、機器表面に発信履歴ボタン10aと、着信履歴ボタン10bと、機能提供履歴ボタン10cと、選択キー10dとを備え、主装置通信制御部101と、ディスプレイ制御部102と、通話路制御部103と、ボタン制御部104とで構成されている。
【0022】
発信履歴ボタン10aは、過去に発信した発信番号の発信履歴をディスプレイ(不図示)に呼び出す機能を有し、着信履歴ボタン10bは、過去に着信した着信呼の発番号の着信履歴をディスプレイに呼び出す機能を有している。
【0023】
機能提供履歴ボタン10cは、主装置200に対して機能提供履歴を要求する機能が割り当てられた専用ボタンであり、ボタン電話装置1が過去に提供した機能の一覧である機能提供履歴をディスプレイに呼び出す機能を有している。選択キー10dは、ディスプレイに表示された複数の機能提供履歴から一の機能提供履歴を選択する機能を有している。本実施の形態では、この機能提供履歴ボタン10c及び選択キー10dを利用することにより、ボタン電話装置1により提供可能な機能を利用する際に過去に操作した一連のボタン操作手順を再利用することが可能となる。
【0024】
主装置通信制御部101は、ボタン制御部104で検知した電話機100のボタン操作等を主装置200に送信する情報や、電話機100のディスプレイに表示される情報であって主装置200からディスプレイ制御部102に送信されるものや、音声通話のチャネルの開閉情報であって主装置200から通話路制御部103に送信されるものを、主装置200の電話機通信制御部201と通信する機能や、通話路の接続を行う機能を有している。
【0025】
ディスプレイ制御部102は、主装置200からの情報を電話機100のディスプレイに表示する機能を有している。
【0026】
通話路制御部103は、主装置200からの情報に基づいて、音声通話のチャネルの開閉を行う機能を有している。
【0027】
ボタン制御部104は、発信履歴ボタン10a、着信履歴ボタン10b、機能提供履歴ボタン10c、選択キー10d、その他電話機100のダイヤルボタン等のボタン操作を検知する機能を有している。
【0028】
一方、主装置200は、電話機通信制御部201と、回線制御部202と、記録部203と、通話路制御部204と、提供機能制御部205とで構成されている。
【0029】
電話機通信制御部201は、電話機100の主装置通信制御部101と通信を行い、提供機能制御部205からの情報や、記録部203で読み出した発信履歴、着信履歴、機能提供履歴等の表示情報を電話機100に送信する機能を有している。また、電話機100からのボタン操作情報を提供機能制御部205に伝え、ボタン電話装置1として機能の提供を行うことや、ボタン操作情報を記録部203に伝える機能を有している。
【0030】
回線制御部202は、回線からの着信を提供機能制御部205に伝える機能や、提供機能制御部205からの指示により回線へ発信する機能を有している。回線への発信や回線からの着信により通話が開始された場合には、通話路制御部204と通話路を接続する機能を有している。
【0031】
記録部203は、電話機通信制御部201と通信を行い、電話機100の発信履歴及び着信履歴、電話機100により操作された一連のボタン操作手順である機能提供履歴を記録手段に記録し、読み出しを行う機能を有している。また、機能提供履歴を記憶手段から読み出して、電話機100のディスプレイに選択可能に表示させる機能を有している。なお、本実施の形態では、記録部203が、メモリ等の記録手段と、各履歴を記録手段に記録して記録手段から読み出す記録処理・読出処理手段との両手段を備えるものとして説明する。記録手段のみを具備させて、記録処理・読出処理手段を電話機通信制御部201に具備させるようにしてもよい。
【0032】
通話路制御部204は、提供機能制御部205からの指示により、回線制御部202からの通話路と電話機通信制御部201からの通話路を接続する機能を有している。
【0033】
提供機能制御部205は、ボタン電話機1で提供可能な機能を提供する中枢であり、各機能部からの情報が集まり、各機能部に対して指示を行う機能を有している。また、電話機100のディスプレイに表示された機能提供履歴から選択された一の機能提供履歴に係るボタン操作手順に基づく機能を提供する機能を有している。
【0034】
次に、電話機100から発信履歴を使用して電話発信する場合の処理フローについて説明する。最初に、電話機100における発信履歴ボタン10aの操作がボタン制御部104により検知され、主装置通信制御部101を介して主装置200の電話機通信制御部201に通知される(S1)。
【0035】
次いで、主装置200の記録部203により記録手段から発信履歴が読み出され、電話機通信制御部201により電話機100に送信される(S2)。
【0036】
次いで、電話機100の主装置通信制御部101により、ディスプレイに表示するために、送信された発信履歴がディスプレイ制御部102に通知される(S3)。
【0037】
次いで、ディスプレイ制御部102により、通知された発信履歴がディスプレイに表示される(S4)。
【0038】
次いで、ボタン操作により、表示されている発信履歴から所望する発信履歴が利用者によって選択されたボタン情報が検知され、主装置通信制御部101を介して主装置200の電話機通信制御部201および提供機能制御部205に伝えられる(S5)。
【0039】
最後に、提供機能制御部205により、選択された発信履歴を用いて回線制御部202に回線への発信指示が行われる(S6)。
【0040】
次に、通話開始後において所定の機能を提供するために行われた一連のボタン操作手順を記録する動作フローについて説明する。図3は、機能提供のために要するボタン操作手順を記録する動作フローの概要を示す図である。
【0041】
まず、通話開始後(通話中)に、電話機100によって保留転送や三者通話等の機能を提供するためにボタン操作が行われた場合(S11)には、ボタン制御部104によりそのボタン操作が検知され、主装置通信制御部101を介して主装置200にボタン押下データとして通知される(S12)。
【0042】
次いで、主装置200の電話機通信制御部201によりボタン押下データが受信され、提供機能制御部205によりボタン押下データに係るボタン操作に基づいて指示された機能が起動され(S13)、記録部203によりボタン操作の手順が機能提供履歴として記録される(S14)。
【0043】
その後、提供機能制御部205により起動された機能が電話機100に提供される(S15)。
【0044】
次に、主装置200において行われる記録動作をより詳細に説明する。図4は、主装置の記録動作フローを示す図である。
【0045】
主装置200は回線を随時捕捉しており(S21)、電話機100からの発信であるか、電話機100への着信であるかを把握する(S22)。
【0046】
電話機100からの発信の場合、電話機100によるキー操作、ダイヤル操作を受けて(S23)、通話中状態に移行しているか否かを把握する(S24)。
【0047】
通話中状態でなければ、電話機100から受信したダイヤル操作等を通話中状態になるまで発信履歴に繰り返し記録し(S25)、通話中状態であれば、電話機100から受信した機能の提供に必要なキー操作、ダイヤル操作をボタン操作手順として機能提供履歴に記録する(S26)。
【0048】
その後、機能の提供が可能となるまでに要するキー操作、ダイヤル操作を順次受信して(S27)、その都度、機能提供履歴に記録する。
【0049】
機能提供に必要な全てのキー操作、ダイヤル操作が終了した時点で、提供機能制御部205により、そのキー操作、ダイヤル操作に応じた機能が電話機100に提供される(S28)。
【0050】
なお、S22において、電話機100への着信の場合には、着信に対して応答し、通話中状態に移行して(S29)、着信呼の発番号を着信履歴に記録した(S30)後に、S27に進む。
【0051】
図5は、図3の動作フローを実際の機能である「三者通話」について適用した場合の動作フローを示す図である。
【0052】
まず、回線と電話機Aが通話中に、電話機Aにより三者通話を起動するボタン操作(例えば、機能ボタン+会議特番11の押下)が行われる(S31)。
【0053】
次いで、電話機Aのボタン制御部104によりそのボタン操作が検知され、主装置通信制御部101を介して、主装置200に対して「機能ボタン+会議特番11」がボタン押下データとして通知される(S32)。
【0054】
次いで、主装置200の電話機通信制御部201によりボタン押下データが受信され、提供機能制御部205によりボタン押下データに基づいて三者通話機能が起動される(S33)。
【0055】
次いで、電話機Aにより三者通話に参加させる電話機を呼び出すためのボタン操作(例えば、電話機Bの内線番号XXXの押下)が行われる(S34)。なお、この処理は、S31の直後に行われることも可能である。
【0056】
次いで、電話機Aのボタン制御部104によりS34のボタン操作が検知され、主装置通信制御部101を介して、主装置200に対して「電話機Bの内線番号XXX」がボタン押下データとして通知される(S35)。なお、この処理は、S33の前に行われることも可能である。
【0057】
次いで、主装置200の電話機通信制御部201によりS35で通知されたボタン押下データが受信され、三者通話機能が起動され且つ参加相手の電話番号が通知されている場合に、主装置200により電話機Bが呼び出される(S36)。
【0058】
次いで、電話機Aにより三者通話に移行するための操作(例えば、設定ボタンの押下)が行われる(S37)。
【0059】
次いで、電話機Aのボタン制御部104によりS37のボタン操作が検知され、主装置通信制御部101を介して、主装置200に対して「設定ボタンの押下信号」がボタン押下データとして通知される(S38)。
【0060】
次いで、主装置200の電話機通信制御部201によりS38で通知されたボタン押下データが受信され、記録部203によりS31からS38までに通知された一連のボタン操作手順が機能提供履歴(図6参照)として記録される(S39)。図6は、記録部により記録された機能提供履歴のデータ構成の一例を示す図である。ボタン操作データと、そのボタン操作データで提供された提供機能名称と、発信呼であったか着信呼であったかを示す発着情報と、機能提供時の通話相手の電話番号とが関連付けて記録されている。
【0061】
最後に、回線と電話機Aと電話機Bとで三者通話が開始される(S40)。
【0062】
なお、理解を容易ならしめるため、S38の後にS39が行われるとして説明したが、主装置200の記録部203は、S32,S33,S35,S38の各処理ごとにボタン操作を適宜記録し、最後の処理(S38)が行われた後に、それまでに記録した各ボタン操作を、三者通話機能に対する一連のボタン操作手順として記録することも可能である。
【0063】
次に、機能提供履歴を利用する動作フローについて説明する。図7は、記録された一連のボタン操作手順を利用する動作フローの概要を示す図である。
【0064】
まず、通話開始後(通話中)に、電話機100の利用者によって機能提供履歴ボタン10cが押下られた場合(S51)には、ボタン制御部104によりそのボタン操作が検知され、主装置通信制御部101を介して主装置200に機能提供履歴ボタンデータとして通知される(S52)。
【0065】
次いで、主装置200の電話機通信制御部201により機能提供履歴ボタンデータが受信され、記録部203により、記録手段に記録されている履歴データが参照され、機能提供履歴ボタン操作を行った電話機によって過去に操作された機能提供履歴データが読み出される(S53)。
【0066】
次いで、電話機100の操作性を向上させるため、記録部203により、読み出した機能提供履歴データから提供される提供機能名称と通話相手の電話番号とが抽出され、履歴データとして電話機100に通知される(S54)。
【0067】
次いで、電話機100の主装置通信制御部101により履歴データが受信され、ディスプレイ制御部102により提供機能名称及び通話相手の電話番号がディスプレイに表示される(S55)。
【0068】
次いで、電話機100の選択キー10dの押下により所望する提供機能名称及び通話相手の電話番号が選択され、機能提供履歴ボタン10cの押下により決定された場合(S56)には、ボタン制御部104によりそのボタン操作が検知され、主装置通信制御部101を介して主装置200に選択データとして通知される(S57)。
【0069】
次いで、主装置200の電話機通信制御部201により選択データが受信され、提供機能制御部205により電話機100によって選択された提供機能が起動される(S58)。
【0070】
最後に、電話機通信制御部201により選択データに係る機能提供履歴の一連のボタン操作手順に基づいて機能が提供される(S59)。
【0071】
図8は、図7の動作フローを実際の機能である「三者通話」について適用した場合の動作フローを示す図である。
【0072】
まず、回線と電話機Aが通話中に、電話機Aの利用者により機能提供履歴ボタン10cが押下られる(S61)。
【0073】
次いで、電話機Aのボタン制御部104によりそのボタン操作が検知され、主装置通信制御部101を介して主装置200に機能提供履歴ボタンデータとして通知される(S62)。
【0074】
次いで、主装置200の電話機通信制御部201により機能提供履歴ボタンデータが受信され、記録部203により、記録手段に記録されている履歴データが参照され、機能提供履歴ボタン操作を行った電話機Aによって過去に操作された機能提供履歴データが読み出される(S63)。
【0075】
次いで、電話機Aの操作性を向上させるため、記録部203により、読み出した機能提供履歴データから提供される提供機能名称が抽出され、機能名称データとして電話機Aに通知される(S64)。
【0076】
次いで、電話機Aの主装置通信制御部101により機能名称データが受信され、ディスプレイ制御部102により提供機能名称がディスプレイに表示される(S65)。
【0077】
次いで、電話機Aの選択キー10dの押下により所望する提供機能名称が選択され、機能提供履歴ボタン10cの押下により決定された場合(S66)には、ボタン制御部104によりそのボタン操作が検知され、主装置通信制御部101を介して主装置200に選択データとして通知される(S67)。
【0078】
次いで、主装置200の電話機通信制御部201により選択データが受信され、提供機能制御部205により電話機Aによって選択された三者通話機能が起動される(S68)。
【0079】
最後に、電話機通信制御部201により選択データに係る機能提供履歴の一連のボタン操作手順に基づいて、回線と電話機Aと電話機Bとで三者通話が開始される(S69)。
【0080】
図8に示す動作フローによれば、過去に提供された機能を選択可能に表示し、選択された三者通話機能を実現するために過去に行った一連のボタン操作手順に基づいて三者通話が開始されるので、図6に示した動作フローよりもボタン操作数を少なくすることが可能となり、電話機Aの利用者が頻繁に操作する機能が可視化され、ボタン電話装置で提供される機能を利用する利便性を向上することができる。
【0081】
次いで、機能提供履歴の利用例について説明する。図9は、機能提供履歴と電話番号との組み合わせを用いた主装置の動作フローを示す図である。機能提供履歴と電話番号とを組み合わせることにより、過去に提供した機能を、過去に操作した電話番号に対して提供することが可能となる。
【0082】
まず、通話中(S71)に、機能提供履歴ボタン10cが押下された場合(S72)には、記録部203により機能提供履歴が検索される(S73)。
【0083】
次いで、主装置200により、通話中の呼が電話機100からの発信呼であるか、電話機100への着信呼であるかが判別される(S74)。
【0084】
次いで、発信呼の場合には、発信番号と同じ電話番号を持つ項目を機能操作履歴から抽出し(S75)、着信呼の場合には、着信呼の発番号と同じ電話番号を持つ機能操作履歴を抽出して(S76)、抽出した項目を電話機100のディスプレイに表示させる(S77)。
【0085】
次いで、電話機100の選択キー10dの押下により所望する提供機能名称が選択され(S78)、機能提供履歴ボタン10cの押下により決定された後に(S79)、選択された機能が提供される(S80)。
【0086】
通常、同じ通話相手には同じ機能を提供することが多い。図9に示す動作フローによれば、電話機に対する発信呼又は着信呼に応じて表示する項目を機能操作履歴から抽出し、その抽出された項目のみを電話機100に表示させるので、ボタン電話装置で提供される機能を利用する利便性を更に向上することができる。
【0087】
なお、表示させる項目の優先度を変えることも可能である。例えば、過去に機能が提供された時刻を機能提供履歴に併せて記録しておき、通話中の呼が電話機100からの発信呼である場合には、発信番号と同じ電話番号を持つ項目を機能操作履歴から抽出し、抽出された複数の項目のうち時刻の新しい項目を上から順番に表示させ、抽出されなかった項目については抽出された項目の下に時刻の新しい順番で表示するようにしてもよい。
【0088】
本実施の形態によれば、従来のようにワンタッチボタンに所望する機能を設定するのではなく、通話開始後に当該機能を実現するために利用者によって操作された一連のボタン操作手順を機能提供履歴として記録しておき、次の通話開始後において、その機能提供履歴を電話機のディスプレイに表示させ、利用者によって一の機能提供履歴が選択された場合に、その選択された機能提供履歴に対応する一連のボタン操作手順を実行して選択された機能を提供するので、マニュアルを毎回見てボタン操作する煩わしさや、操作間違いによる通話切断等を防止することが可能となる。また、操作を繰り返すにつれて利用者が頻繁に操作する機能を記憶するので、利用者に対して高い利便性を与えることが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
1…ボタン電話装置
10a…発信履歴ボタン
10b…着信履歴ボタン
10c…機能提供履歴ボタン
10d…選択キー
100…電話機
101…主装置通信制御部
102…ディスプレイ制御部
103…通話路制御部
104…ボタン制御部
200…主装置
201…電話機通信制御部
202…回線制御部
203…記録部
204…通話路制御部
205…提供機能制御部
S1〜S6…ステップ
S11〜S15…ステップ
S21〜S28…ステップ
S31〜S40…ステップ
S51〜S59…ステップ
S61〜S69…ステップ
S71〜S80…ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話状態に以降した後から所定の機能が提供されるまでの間に、電話機で操作された一連のボタン操作手順を機能提供履歴として記録手段に記録し、
次の通話時に前記電話機で機能提供履歴を要求する機能が割り当てられた専用ボタンが押下げられた場合に、前記記録手段から前記機能提供履歴を読み出して、前記電話機の表示手段に選択可能に表示させ、
選択された機能提供履歴のボタン操作手順に基づいて機能を提供する、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項2】
通話中の呼が前記電話機からの発信呼であるか前記電話機への着信呼であるかを判別し、発信呼の場合には、発信番号と同じ電話番号を持つ機能提供履歴を抽出し、着信呼の場合には、着信呼の発番号と同じ電話番号を持つ機能提供履歴を抽出して、前記電話機の表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載のボタン電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−124766(P2011−124766A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280484(P2009−280484)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】