説明

ボディへのフィルタ取付け構造

【課題】フィルタがボディの凹部に挿入された状態でボディに固定されるボディへのフィルタ取付け構造において、コストの低減およびボディの小型化を可能としつつ、異物を確実に捕捉する。
【解決手段】通路110の上流側で凹部111Aの一部を構成するとともに凹部111Aの軸線と直交する平面に沿って平坦な環状の突き当て面116が軸方向外方に臨んでボディ15Aに形成され、金属製のフィルタ20Aが、凹部111Aへの挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とした有底円筒状に形成され、突き当て面116に当接する環状の当接面117がフィルタ20Aの一端に形成され、凹部111Aに圧入される圧入面118がフィルタ20Aの少なくとも軸方向一端側外周に設けられ、当接面117の外周および圧入面118間を結ぶようにしてフィルタ20Aの一端部外周に環状の面取り部119が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボディに、該ボディの側面に外端を開口する凹部と、該凹部の内端部に連なる通路とが設けられ、前記通路に導入される流体を浄化するためのフィルタが前記凹部に挿入された状態で前記ボディに固定されるボディへのフィルタ取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス用減圧弁のボディに設けられた凹部の内端部に当接されるようにしてフィルタが凹部に挿入され、凹部の外端側に、前記フィルタとの間にばねを介在せしめるようにして管継手が螺合され、ばねの弾発力によって凹部の内端部に押しつけられるようにしてフィルタが凹部内でボディに固定されるようにしたものが、特許文献1で知られている。
【特許文献1】特開2002−180907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1で開示されたものでは、凹部の内周およびフィルタの外周間に環状の間隙が生じており、フィルタがその軸線を凹部の軸線に対して傾けてボディに固定される可能性があり、その場合、凹部の内端部およびフィルタ間に隙間が生じて異物が下流側に流出する虞がある。
【0004】
また管継手およびフィルタ間にばねが縮設される構造であるので、部品点数の増加によってコスト高を招くとともに、ばねを配置するスペースを凹部内に確保する必要があることによってボディの大型化を招いてしまう。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コストの低減およびボディの小型化を可能としつつ、異物を確実に捕捉し得るようにしたボディへのフィルタ取付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ボディに、該ボディの側面に外端を開口する凹部と、該凹部の内端部に連なる通路とが設けられ、前記通路に導入される流体を浄化するためのフィルタが前記凹部に挿入された状態で前記ボディに固定されるボディへのフィルタ取付け構造において、前記通路の上流側で前記凹部の一部を構成するとともに前記凹部の軸線と直交する平面に沿って平坦な環状の突き当て面が軸方向外方に臨んで前記ボディに形成され、金属製の前記フィルタが、前記凹部への挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とした有底円筒状に形成され、前記突き当て面に当接する環状の当接面が前記フィルタの前記一端に形成され、前記凹部に圧入される圧入面が前記フィルタの少なくとも軸方向一端側外周に設けられ、前記当接面の外周および前記圧入面間を結ぶようにして前記フィルタの一端部外周に環状の面取り部が形成されることを特徴とする。
【0007】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、ガス用減圧弁の弁機構が、前記通路に通じる高圧室および減圧室間に介在するようにして前記ボディに収容されることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項3記載の発明は、ボディに、該ボディの側面に外端を開口する凹部と、該凹部の内端部に連なる通路とが設けられ、前記通路に導入される流体を浄化するためのフィルタが前記凹部に挿入された状態で前記ボディに固定されるボディへのフィルタ取付け構造において、金属製の前記フィルタが、前記凹部への挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とするとともに前記一端から半径方向外方に張り出す環状鍔部を一体に有して有底円筒状に形成され、前記通路に接続されるべき流路を形成して前記ボディに流体密に取付けられる流路形成体に、前記環状鍔部に一端を突き当てるまで前記フィルタの少なくとも前記環状鍔部側外周を圧入せしめるとともに前記凹部に同軸に挿入される円筒部が設けられ、該円筒部の一端部内周に環状の面取り部が形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成に加えて、ガス用減圧弁の弁機構が、前記通路に通じる高圧室および減圧室間に介在するようにして前記ボディに収容され、前記流路形成体が入口継手であることを特徴とする。
【0010】
さらに請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の発明の構成に加えて、前記フィルタが、前記流路形成体の円筒部に圧入される圧入面が外周に形成されるようにして前記環状鍔部に一端が同軸に連なる大径円筒部分と、該大径円筒部分よりも小径に形成されて前記大径円筒部分の他端に一端が同軸に連なる小径円筒部分とを一体に有し、前記流路形成体の円筒部の内周および前記小径円筒部分間に環状流路が形成されることを特徴とする。
【0011】
なお第1実施例の高圧フィルタ20A、第2実施例の高圧フィルタ20Bが本発明のフィルタに対応し、第2実施例の入口継手112Bが本発明の流路形成体に対応し、第2実施例の取付け筒部135が本発明の円筒部に対応する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、フィルタはボディの凹部に圧入されることでボディに固定されるので、凹部およびフィルタ間に隙間が生じることはなく、フィルタで異物を確実に捕捉することができる。またフィルタの固定にあたってばね等の他の部材を用いることはないので、フィルタの固定に必要なスペースを小さくすることが可能であり、コストの低減を図るとともにボディの小型化を図ることができ、汎用性を高めることができる。さらに凹部内へのフィルタの圧入時に発生する切粉は、フィルタの一端部外周の環状の面取り部と、凹部の内周面および突き当て面との間に封じられることになり、凹部の内端部に連なる通路側に前記切粉が流出することはなく、またフィルタよりも上流側の切粉は該フィルタで捕捉されるので問題とはならない。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、ガス用減圧弁の高圧室に異物が侵入することをフィルタで確実に防止し、弁機構で異物の噛み込みによるシート不良が生じることを確実に防止することができ、ガス用減圧弁の小型化も可能である。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、円筒部を凹部に同軸に挿入してボディに流体密に取付けられる流路形成体の円筒部に圧入されることでフィルタがボディに固定されるので、流路を形成する流路形成体およびフィルタ間に隙間が生じることはなく、フィルタで異物を確実に捕捉することができる。またフィルタの固定にあたってばね等の他の部材を用いることはないので、フィルタの固定に必要なスペースを小さくすることが可能であり、コストの低減を図るとともにボディの小型化を図ることができ、汎用性を高めることができる。さらに流路形成体の円筒部へのフィルタの圧入時に発生する切粉は、円筒部の一端部内周の環状の面取り部と、フィルタの環状鍔部ならびに該環状鍔部寄りの外周面との間に封じられることになり、凹部の内端部に連なる通路側に前記切粉が流出することはなく、またフィルタよりも上流側の切粉は該フィルタで捕捉されるので問題とはならない。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、ガス用減圧弁の高圧室に異物が侵入することをフィルタで確実に防止し、弁機構で異物の噛み込みによるシート不良が生じることを確実に防止することができ、ガス用減圧弁の小型化も可能である。しかも入口継手をボディに固定する前に、入口継手にフィルタを圧入するので、フィルタの組付け状態を確認し易く、確実なフィルタの装着が可能となり、品質および生産性を高めることができる。
【0016】
さらに請求項5記載の発明によれば、フィルタは、流路形成体の円筒部に圧入される大径円筒部と、大径円筒部に同軸に連なる小径円筒部とを一体に有し、流路形成体の円筒部の内周および小径円筒部間に環状流路が形成されるので、フィルタの流通面積を充分に確保することができ、流量を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0018】
図1および図2は本発明の第1実施例を示すものであり、図1はガス用減圧弁の縦断面図、図2は図1の2矢示部拡大図である。
【0019】
先ず図1において、このガス用減圧弁は、流体である圧縮天然ガスを減圧してエンジン(図示せず)に供給するためのものであり、第1および第2ボディ部材17A,18が相互に結合されて成るボディ15Aと、該ボディ15Aに結合されるダイヤフラムカバー16とを備え、前記ボディ15Aには、弁機構19が収容されるとともに高圧フィルタ20Aおよびリリーフ弁21が配設される。
【0020】
ボディ15Aは、第1および第2ボディ部材17A,18が上下に重なりつつ複数個所で締結されて成るものである。第1ボディ部材17の中央部には、半径方向内方に張り出す内向き鍔22を上端に有して上下に延びる収容孔23が設けられており、この収容孔23は、前記内向き鍔22側から順に、小径孔23aと、該小径孔23aよりも大径のねじ孔23bと、該ねじ孔23bよりも大径の大径孔23cとが同軸に連なって成り、大径孔23cの下端は第1ボディ部材17Aの下端面で下方に開放される。
【0021】
前記弁機構19は、ダイヤフラム28によって駆動されるものであり、ガイド孔29を有する弁ガイド部材30と、該弁ガイド部材30との間に弁室32を形成して前記弁ガイド部材30に結合されるとともに前記ガイド孔29と同軸の弁孔33を中央部に開口させて前記弁室32に臨む弁座34が設けられる弁座部材31と、前記弁孔33を緩く貫通しつつ前記ガイド孔29に摺動可能に嵌合される弁軸35と、前記弁座34に着座することを可能として前記弁室32内で前記弁軸35に固設される弁体36とを有するものであり、該弁機構19は、前記弁室32に通じる高圧室37ならびに前記弁孔33に通じる減圧室38間に介在するようにしてボディ15Aの第1ボディ部材17Aに取付けられる。
【0022】
前記弁体36は、該弁体36の内周に弾発的に接触する環状のシール部材44を弁軸35との間に介在させて該弁軸35の外周に装着される。また弁軸35のうち前記ガイド孔29に摺動可能に嵌合される部分の外周にはガイド孔29の内周に摺接する環状のシール部材45が装着され、前記弁ガイド部材30および前記弁座部材31には、前記高圧室37および前記弁室32間に介在する円筒状のフィルタ46が、装着、支持される。
【0023】
ところで前記弁体36、前記弁軸35、前記弁ガイド部材30および前記弁座部材31を有する弁機構19と、前記弁ガイド部材30および前記弁座部材31に装着、支持される前記フィルタ46とは、弁機構19にフィルタ46が予め組付けられることで弁機構ユニット51を構成するものであり、この弁機構ユニット51がボディ15Aの第1ボディ部材17Aに取付けられる。
【0024】
前記弁機構ユニット51は、第1ボディ部材17Aに設けられた収容孔23の小径孔23に前記弁座部材31側から挿入されて前記ボディ15Aの第1ボディ部材17Aに取付けられるものであり、弁座部材31の内向き鍔22に対向する面に装着されて弁孔33を同軸に囲繞する環状のシール部材52を前記内向き鍔22に弾発接触させるようにして収容孔23の小径孔23aに挿入され、弁ガイド部材30の外周には小径孔23aの内周に弾発接触する環状のシール部材53が装着される。この弁機構ユニット51の前記小径孔23aへの挿入状態では、小径孔23aの内周および弁機構ユニット51間に環状の高圧室37が形成される。
【0025】
前記収容孔23のねじ孔23bには、前記弁ガイド部材30に当接して弁ガイド部材30および弁座部材31を前記内向き鍔22との間に挟持するリング状の押さえ部材55が螺合される。而して弁機構ユニット51における弁軸35の一端部は弁ガイド部材30のガイド孔29から突出するものであり、前記押さえ部材55には、前記弁軸35よりも大径であるねじ孔56が、弁軸35の一端部を挿入するようにして該弁軸35と同軸に設けられる。しかも押さえ部材55の前記弁機構ユニット51とは反対側の端面には、前記ねじ孔23bに螺合すべく前記押さえ部材55を回転操作するための工具(図示せず)を係脱可能に係合するための有底の係合孔57が設けられる。
【0026】
前記収容孔23の開口端は調節部材58で気密に閉じられる。この調節部材58は、前記収容孔23における大径孔23cの内面に弾発的に接触する環状のシール部材59が外周に装着されて前記大径孔23cに嵌合される大径部58aと、該大径部58aよりも小径に形成されるとともに前記押さえ部材55のねじ孔56に螺合する雄ねじ60が外周に刻設されるようにして前記大径部58aに同軸にかつ一体に連設される小径部58bと、図示しない工具を係合することを可能としてたとえば六角形状に形成されるとともに前記大径部58aの一端から同軸に突設される工具係合部58cとを一体に有する。而して雄ねじ60を押さえ部材55のねじ孔56に螺合した状態で工具係合部58cに工具を係合して回転操作することにより、前記調節部材58は、弁機構ユニット51の弁軸35と同軸の軸線に沿う方向の進退が可能となる。
【0027】
また前記調節部材58には、前記弁軸35側に開放した有底の収容凹部61が弁軸35と同軸に設けられており、弁軸35の一端に装着されたばね受け部材62と、前記収容凹部61の閉塞端との間に背面コイルばね63が縮設される。而して前記調節部材58の軸方向に沿う進退位置を該調節部材58の回転操作によって調節することにより、前記背面コイルばね63のばね荷重を調節することができる。
【0028】
第2ボディ部材18には、前記第1ボディ部材17A側に配設される弁機構19の軸線に沿う中間部に位置する隔壁64が設けられる。一方、第1ボディ部材17Aは、第2ボディ部材18の下部に嵌合される嵌合突部17aを一体に有しており、嵌合突部18aの外周には第2ボディ部材18との間に介在する環状のシール部材68が装着される。而して前記嵌合突部17aを第2ボディ部材18の下部に嵌合した状態で、第1および第2ボディ部材17A,18は、嵌合突部17aを囲繞して第1ボディ部材17Aに装着された環状のシール部材69を相互間に介在せしめるようにして図示しないボルトで結合されるものであり、第1および第2ボディ部材17A,18の結合状態では、嵌合突部17aの先端および隔壁64間には減圧室38が形成されることになり、この減圧室38は前記弁機構19の弁孔33に連通する。
【0029】
第2ボディ部材18には、減圧室38の内面に内端を開口させる出口通路72が、減圧室形38の半径方向に軸線を沿わせるようにして設けられる。すなわち出口通路72は減圧室38に通じるものであり、出口通路72に同軸に連なって第2ボディ部材18に設けられた出口側接続孔73に、減圧された圧縮天然ガスを導出する出口側接続管(図示せず)が圧入等によって気密に接続される。
【0030】
前記リリーフ弁21は、減圧室38内の圧力が設定圧以上となるのに応じて開弁するものであり、ボディ15Aの第2ボディ部材18と、第2ボディ部材18に固定される弁ハウジング75と、弁ハウジング75でガイドされる弁体76と、弁ハウジング75および弁体76間に縮設されるばね77とで構成される。
【0031】
第2ボディ部材18には、前記出口通路72と同軸上に軸線を配置して前記減圧室38に通じる弁孔78と、該弁孔78を中央部に臨ませた環状の弁座80を内端に有して前記弁孔78よりも大径に形成される取付け孔79とが同軸に連なって設けられ、取付け孔79の外端は外部に開放される。
【0032】
前記弁ハウジング75は、一端側を小径として段付き円筒状に形成されるガイド筒81と、該ガイド筒81の他端側に圧入、固定されるキャップ82とから成るものであり、ガイド筒81の一端部が前記取付け孔79に圧入され、前記キャップ82には外部開放孔83が設けられる。
【0033】
前記弁体76は、弁ハウジング75におけるガイド筒81の一端側に摺動可能に嵌合されるものであり、弁ハウジング75および弁体76と、第2ボディ部材18との間には、弁室84が形成される。しかも弁体76は、前記弁孔78側を閉塞端として有底円筒状に形成されており、この弁体76の側壁には、前記弁室84に通じる複数の連通孔85…が設けられ、前記弁室84は、連通孔85…、弁体76の内部および外部開放孔83を介して外部に開放される。
【0034】
前記弁体76の前記弁孔78側の閉塞端外面には、たとえばゴムから成る環状のシート部86が設けられており、このシート部86を前記弁座80に着座させる方向のばね力を発揮するばね77が、前記弁ハウジング75におけるキャップ82および前記弁体76間に縮設される。
【0035】
前記ダイヤフラム28は、少なくともその周縁部および中央部の板厚を自然な状態では一定とした円板状のゴム板から成るものであり、この実施例ではダイヤフラム28の全体が自然な状態では板厚を一定とした円板状に形成される。該ダイヤフラム28の周縁部は、前記ボディ15Aにおける第2ボディ部材18と、第2ボディ部材18に固定されるダイヤフラムカバー16との間に挟持されるものであり、第2ボディ部材18およびダイヤフラム28間には圧力作用室88がダイヤフラム28の一面を臨ませるようにして形成され、ダイヤフラム28およびダイヤフラムカバー16間にはダイヤフラム28の他面を臨ませるばね室89が形成され、該ばね室89に収容されるコイル状のばね90がダイヤフラムカバー16およびダイヤフラム28間に縮設される。
【0036】
ダイヤフラムカバー16は、略有底円筒状に形成されるものであり、このダイヤフラム28の開放端部がダイヤフラム28の周縁部を前記ボディ15Aにおける第2ボディ部材18との間に挟持するようにして、第2ボディ部材18にかしめ結合される。
【0037】
前記ダイヤフラム28の圧力作用室88に臨む面の中央部にはリング状の第1リテーナ94が当接され、前記ダイヤフラム28のばね室89に臨む面の中央部には、前記ダイヤフラム28の中央部を第1リテーナ94との間に挟むリング状の第2リテーナ95が当接される。
【0038】
一方、弁機構19の弁体36に一端側が連接されるダイヤフラムロッド96の他端側が前記ダイヤフラム28の中央部に連結されるものであり、このダイヤフラムロッド96の他端側には、圧力作用室88側でダイヤフラム28側に臨む環状の段部96aを形成するようにして軸部96bが同軸にかつ一体に設けられ、軸部93bの外周には雄ねじ97が刻設される。前記軸部96bは、第1リテーナ94、ダイヤフラム28および第2リテーナ95の中央部に挿通されるものであり、第1リテーナ94および前記段部96a間には環状のシール部材98が介装される。
【0039】
前記雄ねじ97には、前記第2リテーナ95に当接するリング状のリテーナ共まわり防止部材99と、該リテーナ共まわり防止部材99に当接するワッシャ100とを第2リテーナ95との間に挟むようにしてナット101が螺合されるものであり、ナット101を締めつけることにより、ダイヤフラム28の中央部にダイヤフラムロッド96の他端側が連結、固定されることになる。
【0040】
前記コイルばね90は、ダイヤフラムカバー16の上部閉塞端および第2リテーナ95間に縮設されており、このコイルばね90のばね荷重は、前記弁機構19における弁軸35および弁体36に開弁方向に作用するが、弁軸35および調節部材58間に縮設される背面コイルばね63のばね荷重は、前記弁体36に閉弁方向に作用するものであり、背面コイルばね63のばね荷重を調節することにより前記コイルばね90のばね荷重も実質的に調節されることになる。
【0041】
またダイヤフラムカバー16の上部閉塞端には、ばね室89に通じる負圧導入管102が、たとえば圧入、ろう付けによって接続されており、この負圧導入管102はエンジンに接続され、前記ばね室89にはエンジンの吸気負圧が導入される。
【0042】
前記ダイヤフラムロッド96は第2ボディ部材18における隔壁64の中央部を軸方向移動可能に貫通するものであり、該ダイヤフラムロッド96の軸方向移動を案内する合成樹脂製のガイド部材103が前記隔壁64に装着される。
【0043】
ガイド部材103は、前記ダイヤフラムロッド96を摺動自在に嵌合せしめるガイド孔104を形成して円筒状に形成されるガイド部103aと、該ガイド部103aから半径方向外方に延出されて圧力作用室88側から前記隔壁64に対向する延出部103bと、前記ガイド部103aから離隔した位置で前記延出部103bから突出する係合部103c…とを一体に有するものであり、前記ガイド部103aの一端側を第2ボディ部材18における前記隔壁64の中央部に設けられる貫通孔105に嵌入するとともに、前記係合部103c…をボディ15Aの前記隔壁64に弾発係合せしめるようにして前記隔壁64に装着される。
【0044】
前記ガイド部材103の前記延出部103bには、前記隔壁64を貫通するアスピレータチューブ106が一体に連設されており、ガイド部材103が前記隔壁64に装着された状態で前記アスピレータチューブ106は前記減圧室38内に突入される。
【0045】
前記ガイド部材103には、前記ガイド部103aの前記ダイヤフラム28側の端部から半径方向外方に張り出すストッパ部103dが、前記圧力作用室88の容積を縮小する側への前記ダイヤフラム28の変位を規制するようにして一体に設けられる。
【0046】
前記ダイヤフラムロッド96は、前記ガイド部材103のガイド孔106に摺動可能に嵌合され、ダイヤフラムロッド96の外周にはガイド孔106の内周に摺接する環状のシール部材107が装着される。而して前記ダイヤフラムロッド96の一端部はガイド孔106から減圧室38に突入されるものであり、減圧室38内でダイヤフラムロッド96の一端部に前記弁機構19における弁軸35の他端部が連結される。
【0047】
このようなガス用減圧弁においては、ダイヤフラム28が、圧力作用室88の圧力によりコイルばね90のばね力に抗してばね室89側に撓むと、弁機構19は閉弁し、また前記圧力作用室88の圧力低下によってダイヤフラム28が圧力作用室88側に撓むと、弁機構19は開弁し、このような弁機構19の開閉が繰り返されることにより、高圧室37に導入された高圧の圧縮天然ガスが減圧されて出口側接続孔73から出力される。
【0048】
図2を併せて参照して、高圧フィルタ20Aは、本発明に従ってボディ15Aにおける第1ボディ部材17Aの下部に取付けられるものであり、ボディ15Aの第1ボディ部材17Aに、第1ボディ部材17Aの下部側面に外端を開口する凹部111Aと、該凹部111Aの内端部に同軸に連なる通路110とが設けられ、通路110は、高圧室37に連通され、前記通路110に導入される圧縮天然ガスを浄化するためのフィルタである高圧フィルタ20Aが、前記凹部111Aに挿入された状態で前記ボディ15Aの第1ボディ部材17Aに固定される。
【0049】
前記凹部111Aは、第1ボディ部材17Aの下部側面に外端を開口する大径部114と、該大径部114よりも小径に形成されて大径部114の内端に外端が同軸に連なる小径部115と、該小径部115の内端および前記通路110間に介在する段部として形成されて軸方向外方に臨む環状の突き当て面116とで構成され、大径部114において小径部115寄りの部分を除く内面には雌ねじ113が刻設される。また前記突き当て面116は、前記通路110の上流側で前記凹部111Aの一部を構成するとともに前記凹部111Aの軸線と直交する平面に沿って平坦に形成され、前記通路110の外端部は、突き当て面116の中央に開口され、突き当て面116に近接するにつれて大径となるようにしてテーパ状に形成される。
【0050】
前記高圧フィルタ20Aは、前記凹部111Aへの挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とした有底円筒状として金属たとえば銅の焼結材により形成され、前記突き当て面116に当接する環状の当接面117が前記高圧フィルタ20Aの前記一端に形成され、前記凹部111Aに圧入される圧入面118が前記高圧フィルタ20Aの少なくとも軸方向一端側外周に設けられ、前記当接面117の外周および前記圧入面118間を結ぶようにして前記高圧フィルタ20Aの一端部外周に環状の面取り部119が形成される。
【0051】
前記高圧フィルタ20Aは、この第1実施例では、前記凹部111Aへの挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とした有底円筒部120と、該有底円筒部120の一端から半径方向外方に張り出す環状鍔部121とを有して、金属たとえば銅の焼結によって形成されるものであり、前記環状鍔部121の前記突き当て面116に対向する端面に前記突き当て面116に当接する環状当接面117が形成され、環状鍔部121の外周が、前記小径部115に圧入される圧入面118として形成され、テーパ状である前記面取り部119が、当接面117の外周および前記圧入面118間を結ぶようにして高圧フィルタ20Aの一端部外周に形成される。
【0052】
前記ボディ15Aの第1ボディ部材17Aには、前記通路110に接続されるべき流路109を形成する入口継手112Aが気密に取付けられる。この入口継手112Aは、第1ボディ部材17Aの側面に当接されるとともに図示しない工具を係合可能として非円形の平板状に形成される工具係合部124と、前記凹部111Aにおける大径部114の雌ねじ113に螺合される雄ねじ121が外周に刻設されるようにして前記工具係合部124の一端面中央部に連なる円筒状の取付け筒部125と、該取付け筒部125と反対側に延びるようにして前記工具係合部124の他端面中央部に連なるとともに外周に雄ねじ122が刻設される円筒状の接続筒部126とを一体に有するものである。
【0053】
而して入口継手112Aは、前記取付け筒部125を囲繞する環状のシール部材123を前記工具係合部124の一端中央部および第1ボディ部材17A間に介在させるようにして第1ボディ部材17Aに取付けられ、取付け筒部125の内径は高圧フィルタ20Aの有底円筒部120の外径よりも大径に設定される。また入口継手112Aの接続筒部126には、前記雄ねじ122に螺合するようにして図示しない管路が接続されるものであり、前記管路で導かれる圧縮天然ガスが入口継手112Aの前記流路109から高圧フィルタ20Aを経て前記通路110に導入される。
【0054】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、ボディ15Aにおける第1ボディ部材17Aには、高圧室37に通じる通路110を内端部に連ならせる凹部111Aが、その外端を第1ボディ部材17Aの下部側面に開口するようにして設けられ、前記通路110の上流側で前記凹部111Aの一部を構成するとともに前記凹部111Aの軸線と直交する平面に沿って平坦な環状の突き当て面116が軸方向外方に臨んで第1ボディ部材17Aに形成され、金属製である高圧フィルタ20Aは、凹部111Aへの挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とした有底円筒状に形成されており、突き当て面116に当接する環状の当接面117が高圧フィルタ20Aの前記一端に形成され、凹部111Aに圧入される圧入面118が高圧フィルタ20Aの少なくとも軸方向一端側外周に設けられ、当接面117の外周および圧入面118間を結ぶようにして高圧フィルタ20Aの一端部外周に環状の面取り部119が形成されている。
【0055】
すなわち高圧フィルタ20Aは、第1ボディ部材17Aの凹部111Aに圧入されることでボディ15に固定されるので、凹部111Aおよび高圧フィルタ20A間に隙間が生じることはなく、高圧フィルタ20Aで異物を確実に捕捉することができる。
【0056】
また高圧フィルタ20Aの固定にあたってばね等の他の部材を用いることはないので、高圧フィルタ20Aの固定に必要なスペースを小さくすることが可能であり、コストの低減を図るとともにボディ15Aの小型化を図ることができ、汎用性を高めることができる。
【0057】
さらに凹部111A内への高圧フィルタ20Aの圧入時に発生する切粉は、高圧フィルタ20Aの一端部外周の環状の面取り部119と、凹部111Aにおける小径部115の内周面および突き当て面116との間に封じられることになり、凹部111Aの内端部に連なる通路110側に前記切粉が流出することはなく、また高圧フィルタ20Aよりも上流側の切粉は該高圧フィルタ20Aで捕捉されるので問題とはならない。
【0058】
しかもボディ15Aには、ガス用減圧弁の弁機構19が、通路110に通じる高圧室37および減圧室38間に介在するようにして収容されるので、ガス用減圧弁の高圧室37に異物が侵入することを高圧フィルタ20Aで確実に防止し、弁機構19で異物の噛み込みによるシート不良が生じることを確実に防止することができ、ガス用減圧弁の小型化も可能である。
【0059】
本発明の第2実施例について図3を参照しながら説明すると、高圧フィルタ20Bは、本発明に従ってボディ15Bにおける第1ボディ部材17Bの下部に取付けられるものであり、ボディ15Bの第1ボディ部材17Bに、第1ボディ部材17Bの下部側面に外端を開口する凹部111Bと、高圧室37(第1実施例参照)に通じるとともに前記凹部111Bの内端部に同軸に連なる通路110とが設けられ、通路110に導入される圧縮天然ガスを浄化するためのフィルタである高圧フィルタ20Bが、前記凹部111Bに挿入された状態で前記ボディ15Bの第1ボディ部材17Bに固定される。
【0060】
前記凹部111Bは、前記通路110側に向かうにつれて小径となるように形成されたテーパ部127を内端部に有しており、前記通路110の外端部はテーパ部127の小径端に同軸に連なる。また凹部111Bにおいて前記テーパ部127寄りの部分を除く内面には雌ねじ128が刻設される。
【0061】
高圧フィルタ20Bは、前記凹部111Bへの挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とするとともに前記一端から半径方向外方に張り出す環状鍔部130を一体に有して金属たとえば銅の焼結材により有底円筒状に形成され、通路110に接続されるべき流路129を形成してボディ15Bの第1ボディ部材17Bに気密に取付けられる流路形成体としての入口継手112Bに、前記環状鍔部130に一端を突き当てるまで高圧フィルタ20Bの少なくとも前記環状鍔部130側外周を圧入せしめるとともに前記凹部111Bに同軸に挿入される円筒部としての取付け筒部135が設けられ、該取付け筒部135の一端部内周に環状の面取り部138が形成される。
【0062】
入口継手112Bは、第1実施例の入口継手112Aと同様に、第1ボディ部材17Bの側面に当接されるとともに図示しない工具を係合可能として非円形の平板状に形成される工具係合部134と、前記凹部111Bの雌ねじ128に螺合される雄ねじ132が外周に刻設されるようにして前記工具係合部134の一端面中央部に連なる円筒状の取付け筒部135と、該取付け筒部135と反対側に延びるようにして前記工具係合部134の他端面中央部に連なるとともに外周に雄ねじ133が刻設される円筒状の接続筒部136とを一体に有し、取付け筒部135を囲繞する環状のシール部材142を前記工具係合部134の一端中央部および第1ボディ部材17B間に介在させるようにして第1ボディ部材17Bに取付けられる。
【0063】
しかも入口継手112Bの一端すなわち前記取付け筒部135の内端には、前記環状鍔部130に突き当てる環状の当接面137が形成され、前記取付け筒部135に、前記環状鍔部130に当接面137を突き当てるまで高圧フィルタ20Bの少なくとも前記環状鍔部130側外周が圧入される。
【0064】
前記高圧フィルタ20Bは、この第2実施例では、前記凹部111Bへの挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とした有底円筒部131と、該有底円筒部131の一端から半径方向外方に張り出す環状鍔部130とを有して、金属たとえば銅の焼結によって形成されるものであり、前記環状鍔部130の前記当接面137に対向する端面に前記当接面137を突き当てるための環状の突き当て面139が形成される。
【0065】
高圧フィルタ20Bの前記有底円筒部131は、前記入口継手112Bにおける取付け筒部135に圧入される圧入面140が外周に形成されるようにして環状鍔部130に一端が同軸に連なる大径円筒部分131aと、該大径円筒部分131aよりも小径に形成されて大径円筒部分131aの他端に一端が同軸に連なる小径円筒部分131bとを一体に有するものであり、小径円筒部分131bは、この実施例では大径円筒部分131aから離反するにつれて小径となるテーパ状に形成されており、小径円筒部分131bの他端は閉じられる。
【0066】
而して入口継手112Bに高圧フィルタ20Bが圧入された状態で、入口継手112Bには、接続筒部136の先端から高圧フィルタ20Bに至る前記流路129が形成されるのであるが、入口継手112Bにおける取付け筒部135の内周および前記小径円筒部分131b間には、前記流路129の一部を構成する環状流路部141が形成される。
【0067】
高圧フィルタ20Bが圧入された入口継手112Bの工具係合部134を第1ボディ部材17Bの側面に当接させるまで取付け筒部135を凹部111Bにねじ込んで入口継手112Bを第1ボディ部材17Bに取付けた状態で、高圧フィルタ20Bの環状鍔部130は凹部111Bの内端部のテーパ部127に対向することになるが、高圧フィルタ20Bが第1ボディ部材17Bに取り付けられた入口継手112Bから万が一抜け出して前記テーパ部127に当接するまでの距離L1は、高圧フィルタ20Bにおける大径円筒部分131aの軸方向長さ、すなわち高圧フィルタ20Bの入口継手112Bへの圧入長さL2よりも小さく設定される。
【0068】
このように上記長さL1,L2が設定されていると、異物を捕捉することによって高圧フィルタ20Bに目詰まりが生じ、高圧フィルタ20Bの上流側すなわち入口継手112Bの流路129と、高圧フィルタ20Bの下流側すなわち通路1110との間の液圧差が大きくなることにより、万が一、高圧フィルタ20Bが入口継手112Bから前記通路110側に抜け始めたとしても、高圧フィルタ20Bが凹部111Bの内端部のテーパ部127に当接するので、高圧フィルタ20Bが入口継手112Bから脱落してしまうことがなく、高圧フィルタ20Bの入口継手112Bへの圧入、保持状態が維持されるので、異物が通路110側すなわち弁機構19側に流れてしまうことはない。
【0069】
この第2実施例によれば、金属製である高圧フィルタ20Bが、ボディ15Bに設けられた凹部111Bへの挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とするとともに前記一端から半径方向外方に張り出す環状鍔部130を有して有底円筒状に形成されており、高圧室37に通じる通路110に接続されるべき流路129を形成してボディ15Bに気密に取付けられる入口継手112Bに、環状鍔部130に一端を突き当てるまで高圧フィルタ20Bの少なくとも環状鍔部130側外周を圧入せしめるとともに凹部111Bに同軸に挿入される取付け筒部135が設けられるので、入口継手112Bの取付け筒部135に圧入されることで高圧フィルタ20Bがボディ15Bに固定されることになり、流路129を形成する入口継手112Bおよび高圧フィルタ20B間に隙間が生じることはなく、高圧フィルタ20Bで異物を確実に捕捉することができる。また高圧フィルタ20Bの固定にあたってばね等の他の部材を用いることはないので、高圧フィルタ20Bの固定に必要なスペースを小さくすることが可能であり、コストの低減を図るとともにボディ15Bの小型化を図ることができ、汎用性を高めることができる。
【0070】
また入口継手112Bにおける取付け筒部135の一端部内周には環状の面取り部138が形成されており、取付け筒部135への高圧フィルタ20Bの圧入時に発生する切粉は、前記面取り部138と、高圧フィルタ20Bの環状鍔部130ならびに該環状鍔部130寄りの外周面との間に封じられることになり、凹部111Bの内端部に連なる通路110側に前記切粉が流出することはなく、また高圧フィルタ20Bよりも上流側の切粉は該高圧フィルタ20Bで捕捉されるので問題とはならない。
【0071】
しかも入口継手112Bをボディ15Bに固定する前に、入口継手112Bに高圧フィルタ20Bを圧入するので、高圧フィルタ20Bの組付け状態を確認し易く、確実な高圧フィルタ20Bの装着が可能となり、品質および生産性を高めることができる。
【0072】
またガス用減圧弁の弁機構19が、通路110に通じる高圧室37および減圧室38間に介在するようにしてボディ15Bに収容されているので、ガス用減圧弁の高圧室37に異物が侵入することを高圧フィルタ20Bで確実に防止し、弁機構19で異物の噛み込みによるシート不良が生じることを確実に防止することができ、ガス用減圧弁の小型化も可能である。
【0073】
さらにフィルタ20Bは、入口継手112Bの取付け筒部135に圧入される圧入面140が外周に形成されるようにして環状鍔部130に一端が同軸に連なる大径円筒部分131aと、該大径円筒部分131aよりも小径に形成されて前記大径円筒部分131aの他端に一端が同軸に連なる小径円筒部分131bとを一体に有し、入口継手112Bにおける取付け筒部135の内周および前記小径円筒部分131b間に、流路129の一部を構成する環状流路部141が形成されるので、高圧フィルタ20Bの流通面積を充分に確保することができ、流量を確保することができる。
【0074】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0075】
たとえば上記第1実施例では、高圧フィルタ20Aの形状を第2実施例の高圧フィルタ20Bと同一としたが、同一形状に限定される必要はなく、有底円筒状に形成されていればよい。
【0076】
また本発明は、ガス用減圧弁のボディ15A,15Bに配設される高圧フィルタ20A,20Bに限定されるものではなく、通路に連なってボディの側面に外端を開口する凹部に挿入されてボディに固定されるフィルタに関連して広く実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1実施例のガス用減圧弁の縦断面図である。
【図2】図1の2矢示部拡大図である。
【図3】第2実施例の図2に対応した断面図である。
【符号の説明】
【0078】
15A,15B・・・ボディ
19・・・弁機構
20A,20B・・・フィルタ
37・・・高圧室
38・・・減圧室
110・・・通路
111A,111B・・・凹部
112B・・・流路形成体である入口継手
116・・・突き当て面
117・・・当接面
118,140・・・圧入面
119,138・・・面取り部
129・・・流路
130・・・環状鍔部
131a・・・大径円筒部分
131b・・・小径円筒部分
135・・・円筒部である取付け筒部
141・・・環状流路部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディ(15A)に、該ボディ(15A)の側面に外端を開口する凹部(111A)と、該凹部(111A)の内端部に連なる通路(110)とが設けられ、前記通路(110)に導入される流体を浄化するためのフィルタ(20A)が前記凹部(111A)に挿入された状態で前記ボディ(15A)に固定されるボディへのフィルタ取付け構造において、前記通路(110)の上流側で前記凹部(111A)の一部を構成するとともに前記凹部(111A)の軸線と直交する平面に沿って平坦な環状の突き当て面(116)が軸方向外方に臨んで前記ボディ(15A)に形成され、金属製の前記フィルタ(20A)が、前記凹部(111A)への挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とした有底円筒状に形成され、前記突き当て面(116)に当接する環状の当接面(117)が前記フィルタ(20A)の前記一端に形成され、前記凹部(111A)に圧入される圧入面(118)が前記フィルタ(20A)の少なくとも軸方向一端側外周に設けられ、前記当接面(117)の外周および前記圧入面(118)間を結ぶようにして前記フィルタ(20A)の一端部外周に環状の面取り部(119)が形成されることを特徴とするボディへのフィルタ取付け構造。
【請求項2】
ガス用減圧弁の弁機構(19)が、前記通路(110)に通じる高圧室(37)および減圧室(38)間に介在するようにして前記ボディ(15A)に収容されることを特徴とする請求項1記載のボディへのフィルタ取付け構造。
【請求項3】
ボディ(15B)に、該ボディ(15B)の側面に外端を開口する凹部(111B)と、該凹部(111B)の内端部に連なる通路(110)とが設けられ、前記通路(110)に導入される流体を浄化するためのフィルタ(20B)が前記凹部(111B)に挿入された状態で前記ボディ(15B)に固定されるボディへのフィルタ取付け構造において、金属製の前記フィルタ(20B)が、前記凹部(111B)への挿入時に内端となる軸方向一端を開放端とするとともに前記一端から半径方向外方に張り出す環状鍔部(130)を有して有底円筒状に形成され、前記通路(110)に接続されるべき流路(129)を形成して前記ボディ(15B)に流体密に取付けられる流路形成体(112B)に、前記環状鍔部(130)に一端を突き当てるまで前記フィルタ(20B)の少なくとも前記環状鍔部(130)側外周を圧入せしめるとともに前記凹部(111B)に同軸に挿入される円筒部(135)が設けられ、該円筒部(135)の一端部内周に環状の面取り部(138)が形成されることを特徴とするボディへのフィルタ取付け構造。
【請求項4】
ガス用減圧弁の弁機構(19)が、前記通路(110)に通じる高圧室(37)および減圧室(38)間に介在するようにして前記ボディ(15B)に収容され、前記流路形成体(112B)が入口継手であることを特徴とする請求項3記載のボディへのフィルタ取付け構造。
【請求項5】
前記フィルタ(20B)が、前記流路形成体(112B)の円筒部(135)に圧入される圧入面(140)が外周に形成されるようにして前記環状鍔部(130)に一端が同軸に連なる大径円筒部分(131a)と、該大径円筒部分(131a)よりも小径に形成されて前記大径円筒部分(131a)の他端に一端が同軸に連なる小径円筒部分(131b)とを一体に有し、前記流路形成体(112B)の円筒部(135)の内周および前記小径円筒部分(131b)間に、前記流路(129)の一部を構成する環状流路部(141)が形成されることを特徴とする請求項3または4記載のボディへのフィルタ取付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−150485(P2009−150485A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329179(P2007−329179)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)
【Fターム(参考)】