説明

ボート類の車載装置

【課題】 一人でボートを車載可能であることは勿論、比較的非力な男性や女性であっても簡単且つ確実にボート等を車載することができるようにする。
【解決手段】
自動車Cのルーフキャリア1上に取り付けられるボート類の車載装置であって、方形枠体2と、方形枠体2の一側に取り付けられた略コ字形のハンドル14と、方形枠体2の上面に複数設けられたボート台座10A・10Bと、方形枠体2における対向する主枠部材3の溝3a内に嵌め入れられた回転自在なローラ8を両端に有するローラ軸9と、ルーフキャリア1の上面に取り付けられ、方形枠体2の端枠部材5が嵌め入れられるストッパー付の止め部材16と、主枠部材3の溝3aにおける端枠部材5とローラ軸9との間に嵌め入れられたボートバランス用棒状部材17と、一側の台座10Aに設けられた舷掛止用突部18とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的小型のボートやヨット、あるいはカヌー等のボート類を人力で自動車の屋根等に載せるための車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボートを人力でワゴン車やライトバン等の屋根に載せる場合、該屋根に予め棒状の二本のルーフキャリアを取り付けておき、一人がボートの前部を持ち、もう一人がボートの後部を持って、先ずボートを反転させた状態とし、次に前後の人がそれぞれボートを自動車の屋根の高さまで持ち上げて、前記ルーフキャリア上にボートを載せなければならなかった。そのため、ボートを自動車の屋根に載せるには最低二人の人間が必要であり、またある程度、力のある男性でなければ、前述した車載作業が事実上困難であり、また自動車の屋根が高い場合には、ボートを持ち上げつつ、更に体を伸したり、脚立に載ったりする必要も生ずることから、前述したボートを載せる作業は勿論、ボートを下ろす作業においても危険を伴うという問題もあった。
このような問題に対処するために、本件実用新案登録出願の出願人は、全体が方形の枠状基体と、ボートを反転させるためのストッパーと、基体上にボートを反転させた状態で載せるための台座および舷受と、基体をスライドさせるためのベアリング軸と、基体を操作するためのハンドル等を備え、該ハンドルの操作によって、基体を自動車の横に傾斜状態に立て掛け、この状態でボートを反転させて基体の台座上に載せて固定し、ハンドルを持ち上げてボートを前記基体ごと自動車の屋根に積み上げるようにした小型ヨット車載装置を発明している。
【特許文献1】実用新案登録第3008629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記車載装置によれば、一人でもボートの車載が行えるが、前記ハンドルを持ち上げる際に要する力や自動車の屋根上における基体の安定性等の点で不十分な面があった。
【0004】
本発明の目的は、一人でボート等を車載可能であることは勿論、比較的非力な男性や女性であっても簡単且つ確実にボート等を車載することができるボート類の車載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明は、自動車のルーフキャリア等上に取り付けられるボート類の車載装置であって、溝同士が互いに対向するように配置された二本の平行なチャンネル状の主枠部材と主枠部材同士をつなぐ枠部材とを有する方形枠体と、方形枠体の一端に取り付けられたハンドルと、両主枠部材の上面に複数設けられたボート台座と、両主枠部材の溝内に嵌め入れられ、ベアリングを介して回転自在となされたローラを両端に有するローラ軸と、ルーフキャリアの上面に取り付けられ、方形枠を着脱自在に止める止め手段と、主枠部材の溝に嵌め入れられたボートバランス用棒状部材と、主枠部材上に設けられた舷掛止用突部とを備えているものである。
【0006】
請求項2記載の本発明は、自動車のルーフキャリア等上に取り付けられるボート類の車載装置であって、方形のベース枠体とベース枠体上をスライドし、且つベース枠体とほぼ同サイズの方形なスライド枠体とを備えており、ベース枠体は互いに溝同士が対向する配置とされたチャンネル状の一対の主枠部材と両主枠部材の両端部間に渡し止められた左右一対の端枠部材とにより構成され、ベース枠体の一端にはハンドルが設けられ、ベース枠体内には両端に主枠部材の溝内に嵌め入れられ、ベアリングを介して回転自在となされたローラを両端に有するローラ軸を有しており、主枠部材の溝内にはボートバランス用棒状部材が嵌め入られており、スライド枠体は、ベース枠体の主枠部材上に重ねられ、かつ主枠部材上を摺動する前後一対の摺動枠部材と、これら摺動枠部材同士を連結する横枠部材と、摺動枠部材上に設けられた複数の台座と、ボートの舷を掛止する舷掛止用突部と、ベース枠体にスライド枠体が重ね合わされた状態とベース枠体からスライド枠体が突出した状態とをそれぞれ維持するための位置決め手段とを有しており、ルーフキャリアにはベース枠体を着脱自在に止める止め手段が設けられているものである。
【0007】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載のボート類の車載装置について、ベース枠体におけるハンドルと反対側の端枠部材にボートを懸吊する滑車が取り付けられる懸吊用支柱が立設されたことを特徴とするものである。
【0008】
なお、ボート類には、ボートの他、ヨット、カヌー等も含まれる。また、本出願では、説明の都合上、本発明に係る車載装置を自動車のルーフキャリアに取り付ける場合について述べているが、自動車のルーフキャリア以外のものにも取り付けて使用し得ることは勿論である。例えば、一般家庭やボートハウス等に設置されたボート収納用の棚にも本発明の車載装置を取り付けてボート類を積み上げ、積み下ろすことも可能である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の車載装置によれば、ハンドルを手前に引くことで、方形枠体が引き寄せられると共に、ボートバランス用棒状部材の一端がローラ軸に当接し、ルーフキャリアに固定した該ローラ軸を支点として方形枠体を降ろすことで、車の横に方形枠体を傾斜状に立てかけ、そして、方形枠体上の舷掛止用突部にボートの一側の舷を掛けた状態でボートを反転させることで方形枠体の台座上にボートを反転状態に置き、ベルト等でボートを方形枠体に固定した後、ローラ軸を支点としてハンドルを持ち上げると共に、該ハンドルを押すことでボートを自動車のルーフキャリア上に載せることができる。この際、前記ボートバランス用棒状部材によって方形枠体およびボートは常にバランスがとれた状態で積み上げられることとなる。また、ボート車載時においては、方形枠体における端枠部材はルーフキャリアの止め部材によって係止された状態であるため、方形枠体やボートが勝手に落下するおそれもない。
【0010】
請求項2記載の車載装置によれば、前記請求項1記載の車載装置と同様に、少ない人力でボートを容易に自動車の屋根に積むことができるが、請求項2記載の車載装置では、ベース枠体上からスライド枠体が下方にスライドしてボートの反転状態での載せ作業が行えるため、更に容易にボートの積み上げ作業、および積み降ろし作業を行うことができる。
【0011】
請求項3記載の車載装置によれば、前記反転状態でのボートの載せ作業をロープを使った懸吊により行えるため、ボートの反転作業も少ない人力で行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0013】
なお、前後、左右、上下は図1における自動車Cを基準とし、前方向とは自動車Cの前部方向を、後方向とは自動車の後部方向を指し、また左方向とは自動車Cの前進方向左側を、右方向とは自動車Cの前進方向右側を示し、上下方向はそれぞれ自動車Cの上下方向を指すものとする。
【0014】
(実施形態1)
【0015】
図1〜図8は、実施形態1の車載装置に係る説明図であり、1は自動車Cの屋根に取り付けられた前後一対の平行な市販のルーフキャリア、2はルーフキャリア1上に取り付けられた方形枠体であって、ルーフキャリア1と平行なリップ溝型鋼よりなる一対の主枠部材3と、主枠部材3同士をそれらの溝3aが互いに向き合うように連結する二本の横枠部材4と、両端が両主枠部材3の左端部3b側面にそれぞれ固定された端枠部材5とにより構成される。
【0016】
そして、方形枠体2は、端枠部材5の両端に嵌め被せられた円筒状部材6と、ベアリングを介して回転自在となされたローラ8が両端に設けられたローラ軸9と、ローラ軸9の両端寄り部分をルーフキャリア1の右端部3cに固定する取付金具11と、主枠部材3の上面両端部に取り付けられて、ボートBの舷を載せるための合計4つの台座10A・10Bと、主枠部材3の右端部3c下面に一体に設けられた継手管12と、両端部14aが継手管12に嵌め入れられ、継手管12に取り付けられたボルト状ネジ13によって、主枠部材3の右方へ突出自在に設けられた平面から見てコ字型のハンドル14と、ハンドル14の中央軸部14bの両端寄り部分に固定されたリング状部材15と、両ルーフキャリア1の左端上面に取り付けられ、円筒状部材6が嵌め入れられるコ字形止め部材16と、主枠部材3の溝3aにおける左側部分に嵌め入れられ、方形枠1やボートBの積み上げまたは積み下ろしの際に、ボートのバランスをとるためのボートバランス用棒状部材17とを有する。
【0017】
4つの台座10A・10Bは、いずれのボートBの舷を受けてボートBを自動車Cの屋根に安定的に載せるために自動車Cの屋根の長さ中央部方向に向かって徐々に低くなる傾斜状となされ、また主枠部材3の右部における台座10AにはボートBの舷を引っ掛けるための舷掛止用突部18が一体に立設されている。
【0018】
次に、前述した構造の車載装置を用いてボートBを自動車Cの屋根上のルーフキャリア1に載せる場合の要領について説明すると、ボートBが載る前は、方形枠体2は図1(a)の状態になっており、この状態で使用者が主枠部材3から右方に出た状態となっているハンドル14を手で持って手前(右方)に引くことにより、ローラ8が回転して主枠部材3が手前へ引き寄せられる。この際、図2に示すように、主枠部材3の溝3a内のボートバランス用棒状部材17の右端がローラ8に当接して主枠部材3の移動が止められ、この状態で図2に示すように、使用者がハンドル14を地面に置くことにより、方形枠体2全体が傾いた状態となる。この場合、方形枠体2の傾斜角度は、前記ボートバランス用棒状部材17の長さによって決まる。すなわち、棒状部材17が短いほど方形枠体2は緩やかな傾斜となり、棒状部材17が長いほど方形枠体2はより立った状態となる。そして、方形枠体2はローラ軸9を支点、ハンドル14の中央軸部14bを作用点として図1の水平状態から図2の傾斜状態になるため、ボートバランス用棒状部材17の長さを適切に設定することで方形枠体2の水平状態と傾斜状態との相互の状態変更が小さな力でバランス良く行われることとなる。そして、このことは後述するボートBの積み上げ、積み下ろし作業においても有効となる。
【0019】
すなわち、先ずボートBを自動車Cの屋根に載せる場合には、図2の状態から、図3に示すように、ボートBの左舷B1を台座10Aにおける舷掛止用突部18に引っ掛け、この状態で使用者がボートBの右舷B2を持ち上げてボートBを反転させることによって、図4に示すように、台座10A・10B上にボートBが載った状態となる。この状態でベルト(図示せず)によって、ボートBを方形枠体2上に固定した上、使用者がハンドル14を持ち上げ、ローラ軸9を支点としてボートBを自動車Cの屋根のルーフキャリア1上に載せることにより、ボートBが車載される(図5参照)。この際も前述した通り、ボートバランス用棒状部材17によって、ボートBのバランスがとれた状態となっているため、前記車載が容易に行える。
【0020】
そして、前述したように、ボートBが自動車Cの屋根のルーフキャリア1に載った際には、図7および図8に示すように、方形枠体2における端枠部材5両端の円筒状部材6がコ字形止め部材16に嵌め入れられると共に、止め部材16に取り付けられたスプリング22付のストッパー23により方形枠体2全体が固定された状態となる。
【0021】
すなわち、ストッパー23は、方形板状であって、ビス20により止め部材16のベース部16aに回動可能に取り付けられ、円筒状部材6がコ字形止め部材16内に進入してきた際、スプリング22のバネ力に抗してストッパー23が水平に押し倒され、次に円筒状部材6がストッパー23を通過した時点でストッパー23がスプリング22のバネ力によって元の状態に復帰し、その結果、円筒状部材6および方形枠体2全体が確実に固定された状態となる。
【0022】
その後、ボルト状ネジ13を緩めてハンドル14を自動車Cの屋根の幅中央部方向へ押すことにより、ハンドル14が方形枠体2における主枠部材3の下側に収容され、またこの際、主枠部材3の下面に固着された磁石21にハンドル14の両端部14aが磁着されることで自動車Cの走行時等におけるハンドル14のガタツキが防止される。
【0023】
また、自動車Cが目的地に着いて、ボートBを降ろす場合には、前記と逆の手順で行えば良い。
【0024】
(実施形態2)
【0025】
本実施形態の車載装置は、図9および図10に示すように、方形のベース枠体31とベース枠体31上をスライドし、且つベース枠体とほぼ同様のサイズの方形なスライド枠体32とを備えており、ベース枠体31は互いに溝33a同士が向かい合うように配置とされたリップ溝型鋼よりなる前後一対の主枠部材34と、両主枠部材34の左端部間に渡し止められた右端枠部材38と、両主枠部材34の左端部間に渡し止められた左端枠部材40とにより構成され、またベース枠体31は、両端に、主枠部材34の溝33a内に嵌め入れられたローラ35がベアリング(図示せず)を介して回転自在に取り付けられたローラ軸37と、両主枠部材34の右端部下面に設けられた横断面凹形の継手部材39と、両端が継ぎ手部材39に嵌め入れられた平面から見てコ字形のハンドル41とを有している。ハンドル41は、継手部材39内に軸支された小ローラ(図示せず)によって、左右方向に移動自在となされている。
【0026】
また、一対の主枠部材34の溝33a内におけるローラ軸37と左端枠部材40との間には実施形態1と同様にボートバランス用棒状部材51が嵌め入られている(図9、図10および図17参照)。
なお、図中42は、ハンドル41の両端を継手部材39に止めるためのボルト状ネジ、43はハンドル41の中央軸部41aの両端寄り部分に嵌められたリング状部材を示す。
【0027】
また、左端枠部材40の両端には円筒状部材44が嵌め被せられ、左端枠部材40の中央にはスリーブ45が一体に設けられ、該スリーブ45には後述するロープの懸吊用支柱46が抜き外し自在に立設されている。
【0028】
スライド枠体32は、ベース枠体31の主枠部材34に重ねられ、かつ主枠部材34上を摺動する前後一対のL型アングル製摺動用枠部材47と、これら摺動枠部材47同士を連結する横枠部材48と、摺動用枠部材47の両端部に設けられた台座49A・49Bとを有する。
【0029】
図19に示すように、スライド枠体32の両側面の左端寄り部分には、ブラケット51を介して合体用小ローラ52が取り付けられ、合体用小ローラ52がベース枠体31における主枠部材34の下面34aに係合することで、スライド枠体32はベース枠体31上から外れることなく、ベース枠体31上をスライドすることとなる。
【0030】
また、図9〜図15に示すように、スライド枠体32の両側面右端には、略方形のストッパー53がビス54により回動可能に取り付けられ、一端がスライド枠体32のL型アングル製摺動用枠部材47の側面、他端がストッパー53の先端部に固定された引っ張りバネ55によりL型アングル製摺動用枠部材47の中央方向に付勢させている。一方、ベース枠体31の右端にはストッパー53と係合するボルト56が取り付けられている。スライド枠体32の両側面の下縁中央寄り部分には、前記ボルト56に当接するスライド位置決め用凸部57が設けられている。
【0031】
更に、本実施形態では、図14及び図15に示すように、台座49AにボートB固定用のベルト(図示せず)を締めるための荷締め器58が取り付けられている。
【0032】
次に、本実施形態に係る車載装置の使用要領について説明すると、図10に示すように、先ずベース枠体31におけるローラ軸37を自動車Cの前後のルーフキャリア1の右端に架け渡した状態で取付金具30により固定する。また図11〜図13に示すように、ルーフキャリア1の左端上面には左端枠部材40の両端の円筒状部材44が嵌め入れられるコ字形止め部材59が固定される。より詳細には、コ字形の止め部材59の下部にはルーフキャリア1の右端に上方から嵌め被せて固定されるベース部59aが一体に設けられ、またベース部59aの側面には前記実施形態1におけるストッパー23と同様のストッパー(図示せず)が取り付けられ、該ストッパーにより円筒状部材44がコ字形止め部材59内に嵌め入れられた際、この状態が維持されるようになされている。
【0033】
先ず、ボートを積み込む際には、使用者が前記実施形態1と同様、ハンドル41を伸ばした状態で該ハンドル41を手前(右方)に引くことで、図10および図17に示すように、ベース枠体31におけるボートバランス用棒状部材51の右端が自動車Cのルーフキャリア1に取付金具30で固定されたローラ軸37のローラ35に当接し、この状態でハンドル41を地面に置くことにより、ベース枠体31とスライド枠体32が自動車Cの右側に傾斜状に立てかけられる。このとき、スライド枠体32はストッパー53がボルト56に掛止されているため、下降せずにベース枠体31上に重ね合わされたままの状態となっている。次に、前記ストッパー53を回動させて該ストッパー53によるスライド枠体32の掛止を解除することで、図11・図12に示すように、スライド枠体32が下降し、そのスライド位置決め用凸部57がベース枠体31のボルト56に当接して(図14参照)、スライド枠体32がボートBの所定の積み込み高さまで下降した状態となる。そして、この状態で図11に示すように、台座49Aにおける舷掛止用突部18にボートBの左舷を引っ掛けて、図14に示すように、反転させることにより、ボートBが台座49A・49B上に載せられる。その後、使用者がハンドル41を持ち上げてスライド枠体32を上昇させることで,図13および図15に示すように、スライド枠体32の右端(下端)のボルト56がストッパー53によって再び係止され、スライド枠体32とベース枠体31とが再び重ね合わされた状態となる。次に、使用者がハンドル41を更に持ち上げてボートBが載った状態の両枠体31・32を自動車Cの屋根のルーフキャリア1上に押し上げることでボートBが車載される。この際、ボートバランス用棒状部材51によりボートはバランスがとれた状態で積み上げられるため、女性等の非力な人でも一人で容易にボートBを車載することができる。
【0034】
また、前述したボート車載作業において、更に人力を少なくさせたい場合には、図11〜図13に示すように、台座49Aにおける舷掛止用突部18にボートBの左舷を引っ掛けた状態において、ベース枠体31の左端枠部材40中央のスリーブ45に立設した懸吊用支柱46とボートBの右舷にそれぞれ取り付けた滑車55A・55Bおよびロープ50の操作によって、ボートを反転させても良い。なお、このようなボートBの積み込み作業において、図16に示すように、前記荷締め器58はボートBを台座49A・49B上にベルト60で固定する際に用いられる
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るボート類の車載装置によれば、一人で自動車の屋根に対してボート等の積み上げおよび積み降ろしが簡単且つ安全に行えるため、幅広い利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施形態1に係る車載装置を自動車の屋根に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】同車載装置自体の側面図である。
【図3】同車載装置を自動車の右側に立てかけた状態の斜視図である。
【図4】同車載装置における台座の舷掛止用突部にボートの左舷を掛けた状態を示す正面図である。
【図5】同車載装置にボートを積み込んだ状態の正面図である。
【図6】車載装置上のボートを自動車の屋根に積み上げた状態を示す部分正面図である。
【図7】図6において、車載装置のハンドルを収納した状態を示す正面図である。
【図8】自動車のルーフキャリア端部におけるコ字形止め部材への円筒状部材の嵌め入れ前の状態を示す斜視図である。
【図9】図7において、コ字形止め部材への円筒状部材の嵌め入れ前の状態を示す斜視図である。
【図10】実施形態2に係る車載装置の分解斜視図である。
【図11】同車載装置の組み立て状態を示す斜視図である。
【図12】同車載装置における台座の舷掛止用突部にボートの左舷を掛けた状態を示す正面図である。
【図13】図11の状態からボートを反転させた状態を示す正面図である。
【図14】図12の状態からスライド枠体を引き上げた状態を示す正面図である。
【図15】ベース枠体からスライド枠体が下方にスライドした状態を示す部分拡大正面図である。
【図16】スライド枠体をベース枠体上に押し上げた状態を示す部分拡大正面図である。
【図17】車載装置上でのボートの固定状態を示す斜視図である。
【図18】ボートバランス用棒状部材の当接状態を示す斜視図である。
【図19】ベース枠体とスライド枠体との合体状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ルーフキャリア
2 方形枠体
3 主枠部材
4 横枠部材
5 端枠部材
6 円筒状部材
8 ローラ
9 ローラ軸
10A・10B 台座
14 ハンドル
16 コ字形止め部材
17 ボートバランス用棒状部材
23 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のルーフキャリア等上に取り付けられるボート類の車載装置であって、溝同士が互いに対向するように配置された二本の平行なチャンネル状の主枠部材と主枠部材同士をつなぐ枠部材とを有する方形枠体と、方形枠体の一端に取り付けられたハンドルと、両主枠部材の上面に複数設けられたボート台座と、両主枠部材の溝内に嵌め入れられ、ベアリングを介して回転自在となされたローラを両端に有するローラ軸と、ルーフキャリアの上面に取り付けられ、方形枠を着脱自在に止める止め手段と、主枠部材の溝に嵌め入れられたボートバランス用棒状部材と、主枠部材上に設けられた舷掛止用突部とを備えている、ボート類の車載装置。
【請求項2】
自動車のルーフキャリア等上に取り付けられるボート類の車載装置であって、方形のベース枠体とベース枠体上をスライドし、且つベース枠体とほぼ同サイズの方形なスライド枠体とを備えており、ベース枠体は互いに溝同士が対向する配置とされたチャンネル状の一対の主枠部材と両主枠部材の両端部間に渡し止められた左右一対の端枠部材とにより構成され、ベース枠体の一端にはハンドルが設けられ、ベース枠体内には両端に主枠部材の溝内に嵌め入れられ、ベアリングを介して回転自在となされたローラを両端に有するローラ軸を有しており、主枠部材の溝内にはボートバランス用棒状部材が嵌め入られており、スライド枠体は、ベース枠体の主枠部材上に重ねられ、かつ主枠部材上を摺動する前後一対の摺動枠部材と、これら摺動枠部材同士を連結する横枠部材と、摺動枠部材上に設けられた複数の台座と、ボートの舷を掛止する舷掛止用突部と、ベース枠体にスライド枠体が重ね合わされた状態とベース枠体からスライド枠体が突出した状態とをそれぞれ維持するための位置決め手段とを有しており、ルーフキャリアにはベース枠体を着脱自在に止める止め手段が設けられている、ボート類の車載装置。
【請求項3】
ベース枠体におけるハンドルと反対側の端枠部材にボートを懸吊する滑車が取り付けられる懸吊用支柱が立設されたことを特徴とするものである。請求項2記載のボート類の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−273506(P2008−273506A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82488(P2008−82488)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3133519号
【原出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(594169075)
【Fターム(参考)】