説明

ポインティングデバイスに基づくユーザインターフェイスシステム

【課題】カメラを用いた従来のリモートコントロールシステムの欠点は、そのカメラが、ポインティングデバイスによってポイントされる領域を必ずしも撮るとは限らないことである。
【解決手段】本発明のユーザインターラクションシステムは、デジタルシグナルプロセッサに画像を送信するカメラ102が接続されたポータブルポインティングデバイス101、及びビーコン180、181...を有する。前記デジタルシグナルプロセッサは、カメラがビーコンにより発せられる光や電磁波を認識する場合、カメラによって撮られた画像に基づいて、ユーザ100がポインティングデバイス101によってどこをポイントしているかを認識することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザインターラクションシステムであって、
− 電子装置と、
− 空間領域をポイントする、ユーザが操作可能なポータブルポインティングデバイスと、
− 画像を撮るカメラと、
− 前記画像を受信し処理することができ、前記画像から得られたユーザインターフェイス情報を前記電子装置に送信することができるデジタル信号プロセッサとを有するユーザインターラクションシステムに関する。
【0002】
本発明は、ユーザインターラクションシステムで使用されるポインティングデバイスにも関する。
【0003】
本発明は、上記のユーザインターラクションシステムで使用される電子装置にも関する。
【背景技術】
【0004】
上記のシステムは特許文献1で知られている。この文献はユニバーサルリモートコントロールシステムについて記載している。ユーザは認識可能な特徴を表示してディスプレイ上の位置をポインティングデバイス(例えば、赤いスポットを放射するレーザポインタ)でマークし、カメラがそのディスプレイの画像を捉える。ユーザがポイントした位置を計算する。コンピュータやテレビ等の電子装置がユーザのマーキングに対応した動作をする。例えば、レーザポインタを2回点滅してディスプレイ上のアイコンをマークしたとき、対応するコンピュータプログラムがスタートする。
【0005】
上記のシステムの欠点は、システムが特定のディスプレイに合うように作られていることである。例えば、そのディスプレイはスクリーン上のLCDベースのフロントプロジェクターからの投影であり、ラップトップコンピュータがプロジェクタに接続されている。上記のシステムのカメラは、そのスクリーンの画像を捉えることができるような位置とビューイングアングルを有している。次に、そのカメラからの画像中のエリアであって、ユーザにポイントされたスクリーン上の位置に対応するエリアをDSPが識別する。先行技術ではこれを簡単な方法で行うことができる。第1に、スクリーンの画像にはプロジェクタからの画像が、レーザポインタを照射した状態と照射しない状態の両方で捉えられている。この2つの画像を比較することにより、カメラが見ているように空間内のディスプレイのエリアが取得される。第2に、ディスプレイ上のポイントされた位置と投影された画像中の位置との間の関係を決める透視変換が、ラップトップコンピュータのフレームバッファ中で導き出される。特許文献1は、壁等の仮想ディスプレイへのポインティングも記載している。それには仮想ディスプレイのコーナーを選択する。しかし、このシステムは常に1つのディスプレイに合わせて調整されており、ユーザは他のディスプレイとインターラクトしたくても、システムを再度設定しなければならないか、または第2のシステムを使用しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許公報第2001/0030668号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1の目的は、冒頭のパラグラフで説明した種類のユーザインターラクションシステムであって、いくつかの利用可能な電子装置、より具体的にはディスプレイと比較的容易にインターラクトできるシステムを提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、冒頭のパラグラフで説明した種類のポインティングデバイスであって、いくつかの利用可能な電子装置と比較的容易にインターラクションできるポインティングデバイスを提供することである。
【0009】
本発明の第3の目的は、上記のユーザインターラクションシステムにおいて使用する電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の目的は、カメラをポインティングデバイスに接続し、動作中に、ポイントされた領域の画像を撮ることにより実現される。固定カメラは空間のある領域だけの画像を撮る。既知のユーザインターラクションシステムでは、ユーザのポインティングデバイスやポイントされたオブジェクトは、固定カメラの視界の中に無いことが起こる。例えば、ポイントされた領域に最も近い、ポインティングデバイスの先端に取り付けられたカメラを有するポインティングデバイスの利点は、そのカメラがポイントされた領域の画像を常に実質的に最適に撮ることである。ポイントされるオブジェクトは、一般に、ユーザインターフェイス情報(例えば装置制御データ)が送信される電子装置であるが、DSPにより認識可能な限り、ユーザがいる部屋に有るいかなるオブジェクトでもよい。制御される装置は、例えば、ポイントすることにより特定される。
【0011】
請求項2による実施形態において、前記ユーザインターフェイス情報は、前記電子装置の動作を制御する装置制御データを有する。リビングルームには、例えば音を出す装置はたくさんある。これらの機器は各々、音のボリュームを上げたり下げたりする制御をすることができる。ポインティングデバイスのカメラを装置に向けてポイントし、「ボリュームアップ」コマンドを実行することにより(例えば、ポインティングデバイス上のボタンを押したり、ポインティングデバイスで特定の動作をすることにより)、ポイントされた機器のボリュームが上昇する。既知のユニバーサルリモートコントロールを使用すると、同一のリモートコントロールコードを使用しているので、ユーザが意図しない装置が反応するという欠点がある。
【0012】
請求項3に記載したように、前記デジタルシグナルプロセッサは、オブジェクトを特定するオブジェクト特定手段に第1のオブジェクト特徴付けフィーチャ(feature)を供給することにより、前記カメラにより画像化された前記領域の前記画像中にあるオブジェクトまたは前記オブジェクトの一部を特徴付けるオブジェクト特徴付け手段を有し、前記オブジェクト特定手段は、前記ユーザインターフェイス情報が構成されるオブジェクト特定データを出力可能であることは有利である。
【0013】
異なる電子装置を制御する場合、すべてを自動的に認識しなければならない。DSPは、例えば、前記装置を特徴付けるアルゴリズムを実行する一般的プロセッサでもよいし、ASICでもよい。一般に、オブジェクト特徴付け手段は、装置の画像に画像処理アルゴリズムを適用する。例えば、装置の相対的な大きさを計算し、その装置のボタンの数と位置を分析することができる。オブジェクト特定手段は、例えば、装置テーブル中の情報により、装置をこれらの第1のオブジェクト特徴付けフィーチャと関連付ける。その装置が理解する装置制御データのような、その装置に関する他の情報、例えば「X社が製造したシリアルナンバーYの第1のテレビ」があってもよい。
【0014】
請求項4に記載のように、前記デジタルシグナルプロセッサは、前記ポインティングデバイスの動き軌跡を評価して、前記動き軌跡の数学的抽象化である第1の動き特徴付けサインを出力する動き軌跡評価手段と、前記第1の動き特徴付けサインを特定し、前記第1の動き特徴付けサインに対応するコマンド特定データを出力するサイン特定手段とを有し、前記コマンド特定データはユーザインターラクションコマンドを表し、前記コマンド特定データから前記ユーザインターフェイス情報が構成されることは有利である。
【0015】
異なるすべての装置に送信可能な異なるすべてのコマンドのためにポインティングデバイス上に多数のボタンを備える必要を無くし、ユーザインターラクションシステムをよりユーザフレンドリーにするため、ユーザが手に持っているであろうポインティングデバイスの動きに基づいて装置制御データの少なくとも一部を生成すれば有利である。上向きの動きのサインは「ボリュームアップ」を意味してもよい。しかし、標準的なリモートコントロールとは対照的に、本発明によれば、ボリューム変更の大きさは動きの強さにより決まってもよい。例えば、ユーザが腕をゆっくり上げたときボリュームは少しだけ変更され、腕を早く上げたときはボリュームは大きく上昇してもよい。ポインティングデバイスの動きの決定は、変形センサーの質量、ジャイロスコープ、ディファレンシァルGPS等の動き検知手段によりなされる。しかし、カメラがあるので、連続した画像を撮って動き評価アルゴリズムを適用することにより動きを決定することもできる。大域的動き評価は複数のオブジェクトの精密な動き評価よりも簡単なので、カメラは簡単なCMOSベースのカメラであってもよいし、少数の光検知エレメントの2次元アレイであってもよい。
【0016】
請求項5に記載したように、前記デジタルシグナルプロセッサは、オブジェクト特定データとして表された前記オブジェクトとコマンド特定データとして表されたユーザインターラクションコマンドが、所定のルールに基づきより高い信頼性で特定され、より信頼できるユーザインターフェイス情報を生じる確率をさらに改善することができる特定改善手段を有することは有利である。部屋の条件はよく変化するので、オブジェクトと動きサインの特定は必ずしも完全である必要はないので、識別改善手段を組み込んでもよい。この識別改善手段は、例えば、特定されたオブジェクト特定データとコマンド特定データに人工知能のルールを適用し、あるいは特徴付けフィーチャ、第1のオブジェクト特徴付けフィーチャと第1の動き特徴付けサインも考慮に入れる。例えば、ポイントされた装置を決定するルールには、ポインティングデバイスがある部屋や、1日のうちの時刻も考慮に入れることができる。例えば、ユーザが家に帰ってポインティングデバイスを手に持った時に最初にすることは、一般的に、室内灯をスイッチオンすることである。DSPは室内灯の画像に基づき、ユーザの意図を検証する。
【0017】
請求項6に記載の通り、前記所定のルールは、アプリオリに知られた情報{前記ポインティングデバイスがある部屋、ユーザにより前に発行されたコマンド、ユーザが特定のコマンドを発行する統計的頻度と時間}のうち少なくとも1つを考慮して、{オブジェクト特定データ、コマンド特定データ}ペアの尤度の確率的計算を有することはさらに有利である。例えば、コマンドの尤度は、ユーザが通常使用するコマンドの統計的プロファイルおよび事前に発行されたコマンドに基づき計算することができる。また、装置の尤度もポインティングデバイスがある部屋に基づき更新することができる。金曜夜8時に、ユーザは好みのテレビ番組を見たいと思うかも知れない。
【0018】
請求項7に記載したように、前記デジタルシグナルプロセッサは、前記オブジェクト特定手段にオブジェクト関連付けデータを提供するオブジェクト関連付け手段を有し、前記オブジェクト関連付けデータは、関連付けされたオブジェクト特徴付けフィーチャとオブジェクト関係データであるところのデータエンティティを少なくとも1つ有し、前記オブジェクト関連付けデータは、以下の方法:
− 前記オブジェクトテンプレートデータを、オブジェクト特徴付け手段により出力された第2のオブジェクト特徴付けフィーチャの所定の計算を実行するオブジェクトトレーニング手段から取得する方法、および
− 前記オブジェクトテンプレートデータを、入力されたオブジェクトデータから導き出す方法
のうち少なくとも1つの方法で取得した、オブジェクトメモリ中のオブジェクトテンプレートデータから導き出すことができることは有利である。
【0019】
ユーザインターラクションシステムは、生産者によって固定数の装置を制御するように事前に構成されているよりも、ユーザが自分の変化する環境に適当させることができれば、より一層用途が広くなる。例えば、ユーザが新しい装置を購入したとき、同じシステムにより制御可能であった方がよい。また、ユーザがカレンダーを購入し、壁に掛け、ポインティングデバイスでポイントしたとき、例えば、PCのカレンダーツールがスタートする方がよい。このため、オブジェクト関連付け手段が必要となる。ユーザは、例えば、新しい装置の画像を少数の異なったアングルで撮る。オブジェクト特徴付け手段上で実行されているいくつかの画像処理アルゴリズムが、このオブジェクトのフィーチャを抽出し、オブジェクトテンプレートとして記憶する。あるいは、その前に変化しない装置特有のフィーチャを計算する。その後、ユーザは、選択ユーザインターフェイスを用いて、どの装置がこのオブジェクトテンプレートに対応するかを選択する。これは、システムのいわゆるトレーニングフェーズである。その後、いわゆるコマンドフェーズでシステムを使用して、特定した装置に装置制御データを送信するとき、オブジェクト特定手段によるオブジェクトの特定は、オブジェクト関連付け手段に記憶されたデータにより支援される。例えば、オブジェクトテンプレートデータに基づき、オブジェクト特徴付け手段が第1のオブジェクト特徴付けフィーチャとして出力するものに対応するいくつかの関連付けられたオブジェクト特徴付けフィーチャがオブジェクト特定手段に送られる。オブジェクト特定手段は比較を行い、正しい特定された装置を選択する。これらのフィーチャは、オブジェクト特定手段にプリロードされることもできる。オブジェクト関連付け手段は、オブジェクト関係データもオブジェクト特定手段に送信できる。そのオブジェクト特定手段は、少なくとも前記装置の識別子を有し、あるいはサポートされたコマンド等のさらに別のデータを有する。別の実施形態において、オブジェクト関連付け手段はそれ自体オブジェクトの特定が可能である。この場合、オブジェクト関係データのみがオブジェクト特定手段に送られる。ユーザが選択ユーザインターフェイスを通して多数の情報を入力しなくてもよいように、オブジェクト関係データをオブジェクトデータ入力を通して、例えば特定され制御されるべき装置から直接、入力できる。この入力を介して、特徴オブジェクトテンプレートデータも入力することができる。例えば、装置の生産者がよく整った画像化環境で撮った画像を提供してもよい。
【0020】
請求項8に記載したように、前記デジタルシグナルプロセッサは、サイン関連付けデータを前記サイン特定手段に提供するサイン関連付け手段を有し、前記サイン関連付けデータは、関連付けられたサインフィーチャおよびコマンド関係データであるところのデータエンティティを少なくとも1つ有し、前記サイン関連付けデータは、以下の方法:
− 前記サインテンプレートデータを、前記動き軌跡評価手段により出力された第2の動き特徴付けサインの所定の計算を実行するサイントレーニング手段から取得する方法、および
− 前記コマンドテンプレートデータを入力されたコマンドデータから導き出す方法のうち少なくとも1つの方法で取得した、サインメモリ中のサインテンプレートデータから導き出すことができることも有利である。
【0021】
同様の理由で、サイン関連付け手段を備えて、ユーザによりポインティングデバイスに適用し、サインとして特徴付けられた新しい動き軌跡をトレーニングすることができる。これらの実施形態において、コマンドデータは、例えば自分がサポートしているコマンドのメニューを提供する装置により入力される。
【0022】
請求個9に記載したように、前記第1の動き特徴付けサインは、それぞれの瞬間に前記カメラで撮られた連続画像に基づき導き出されることも有利である。カメラがポインティングデバイスに取り付けてありその動きを常に画像化しているので、また大きな動きは簡単な動き評価アルゴリズムで評価できるので、連続して撮られた画像を用いて、意図されたユーザインターフェイスコマンドを導き出すことができる。
【0023】
第2の目的は、請求項10に記載の、カメラを有し、デジタルシグナルプロセッサに画像を送信することができるポインティングデバイスにより達成することができる。すでに上で説明したように、上古のポインティングデバイスを用いればユーザインターラクションシステムはより機能が豊富になる。
【0024】
ポインティングデバイスの一実施形態は、請求項11において、前記ポインティングデバイスが画像を送信することができる前記デジタルシグナルプロセッサは、前記画像に基づき電子装置にユーザインターフェイス情報を送信することができることを特徴とする。
【0025】
請求項12の実施形態によれば、前記デジタルシグナルプロセッサは前記ポインティングデバイスに含まれている。本ポインティングデバイスは、ユーザインターラクションシステムとは別に動作する。例えば、ポインティングデバイスをスーパーマーケットに持って行き、撮った画像を処理し、対応する第1のオブジェクト特徴付けフィーチャを記憶することができる。家庭の装置を後で制御することができる。
【0026】
請求項13に記載したように、前記ポインティングデバイスの動き軌跡を検知する動き検知手段を有することは有利である。デバイスをオブジェクトを認識するために使用するかどうかにかかわらず、ユーザによる動きに対応する装置制御データを送信するために使用することができる。ポインティングデバイスの上記のアプリケーションにおいて、意図された装置は、例えばボタンを用いて固定したり特定したりすることができる。
【0027】
請求項14に記載したように、ポイントされた領域に向けて特徴パターンを光学的に投影する特徴プロジェクタを有することは有利である。ユーザがどの装置または装置の一部をポイントしているかのフィードバックを得ることができれば有利である。さもないと、ユーザは、正しくポイントしていないとき、例えば、装置の間違ったボタンを押してしまうかも知れない。フィードバックの一形式は、ポインティングデバイスのディスプレイ上の、カメラが画像化している領域の中心を示す小さな画像である。ディスプレイの中心の装置または装置上のボタンが意図されたボタンである。フィードバックの他の形式は、例えば白い十字やレーザドット等の特徴パターンの投影である。これらの特徴パターンは装置の意図された部分を照らす。2次元グリッド線のようなより複雑なパターンは、DSPが画像化された装置のジオメトリーを特定する役に立つ。
【0028】
請求項15に記載したように、ポインティングデバイスが、プログラマブルユーザインターフェイスコードジェネレータと、コードを前記電子装置に送信する無線トランスミッタとを有することは有利である。例えば、ブルートゥースに基づくワイヤレスホームネットワークによりDSPが装置制御データを装置に送信するのではなく、ポインティングデバイスは、例えば赤外線の照射により、直接適当なリモートコントロールコマンドを送信することができる。従来のユニバーサルリモートコントロールと比較した場合の利点は、DSPが自動的にカメラ画像から装置を特定して、正しいコードを生成することである。
【0029】
請求項16に記載したように、ユーザインターフェイス情報のフィードバックをするフィードバック手段を有することは有利である。例えば、ディスプレイが便利である。他のフィードバックとして、質量が動くことによる力フィードバックの種類がある。これは、例えばテレビスクリーンに対するティッピングをシミュレートすることができる。
【0030】
第3の目的は、サポートされたコマンドに関する情報を請求項10に記載のポインティングデバイスに送信可能とするインターフェイス手段を有し、前記送信は前記電子装置に対する前記ポインティングデバイスの「サポートされたコマンド特定」コールに基づきなされることにより実現される。DSPまたはDSPの機能の一部が装置に組み込まれていてもよい。その装置はオブジェクト特徴付けフィーチャその他を送信することもできる。
【0031】
本発明は以下の説明と添付した図面を参照して明らかとなるであろう。添付した図面は、本発明によるユーザインターラクションシステムの構成要素とポインティングデバイスの実施例の概略を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるユーザインターラクションシステムを設置した部屋を示す概略図である。
【図2】本発明によるデジタルシグナルプロセッサを示すブロック図である。
【図3】本発明によるポインティングデバイスを示す概略図である。
【図4】図4a、4bは、モーショントラジェクトリおよびそれと対応するサインの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1には、ユーザインターフェイス情報Iを受信することができる様々な電子装置が設置された部屋が示されている。例えば、電子装置110はプラズマディスプレイである。パーソナルビデオレコーダ、電話、洗濯機などを設置し、ユーザ100がこれらとインターラクトできてもよい。この部屋には様々なオブジェクトが設置されており、電子装置や窓等の単なる物理的なオブジェクトである。オブジェクト130はオーディオ装置であり、花瓶170や電子装置110もある。これらはポインティングデバイス101によりポイントできる。
【0034】
本発明によれば、ポインティングデバイス101はカメラ102を含み、部屋の領域の画像やこれら領域のオブジェクトの画像をデジタルシグナルプロセッサ(DSP)120に送信することができる。このデジタルシグナルプロセッサ(DSP)は、カメラ102により撮られた画像に基づき、領域やオブジェクトを識別できる。カメラはポイントされた領域の画像をよく撮れるようにポインティングデバイス101と接続されている。例えば、そのカメラはポインティングデバイス101から遠い端にあってもよいし、角度をつけて横に設置してもよい。ユーザは好きなオブジェクトをポイントすることができ、非常にユーザフレンドリーで強力なユーザインターラクションシステムを実現することができる。
【0035】
DSP120は、例えば、ホームネットワーク中の装置を制御するホームコンピュータであってもよいし、ポインティングデバイス101に組み込まれていてもよい。カメラ102はCCDカメラやCMOSカメラである。カメラ102とDSP120は、もし離れていれば、無線で接続されていてもよい。ポインティングデバイス101は、オブジェクトの識別のためにDSP120により実行されるアルゴリズムの一部をすでに実行できる。そのため、ほんの少しの機能しか外部のDSP120に送信する必要はない。事実として、機能的に示したDSP200は、ポインティングデバイス101、部屋、異なる装置等のいくつかの部分に分散していてもよい。
【0036】
DSP120は、ユーザインターフェイス情報I(例えば、装置制御データac)を特定された装置に送信するように設計されている。例えば、ユーザ100は、室内灯160にポインティングデバイス101を向けて、ポインティングデバイス101上のオンボタンを押す。これにより、DSP120がその特定された室内灯160にオンコマンドを送信する。特定されるオブジェクトは制御される装置そのものでなくてもよい。例えば、花瓶170をポイントするとPC上で特定のプログラムが実行され、その出力がディスプレイ装置110に表示されてもよい。オブジェクトの一部をポイントしてもよい。例えば、オブジェクト130のボリュームボタン134をポイントすると、ボタンを押したりポインティングデバイス101を動かしたりという追加的な動作に応じて、このオーディオ装置のボリュームが上がったり下がったりする。チャンネル選択表示132ポイントして横方向に動かすとチャンネルが替わる。DSP120はオブジェクトの一部の状態を認識することもできる。例えば、カセットローダ136が開いていることを認識して、「クローズ」コマンドを発行することができる。その他特定の状況を検知したり監視したりすることもできる。ユーザ100は家具140またはその一部をポイントしてもよい。その家具140がカップボードである場合、異なる引き出しをポイントすると異なる動作が行われる。家具140がインテリジェント冷蔵庫である場合、それをポイントするとユーザが定義した動作が行われる。例えばインターネット経由でビールを注文することができる。装置制御データacとは別に、他のユーザインターフェイス情報I(例えば、画像データpd)を送信することもできる。例えば、第1の電子絵画150と第2の電子絵画152が表示する画像を変更できる。これは、電気泳動電子インクディスプレイで実現することができる。ユーザ100は、第1の電子絵画に表示された画像や壁に掛かっているカレンダーの画像を捉えて、あるいはパースペクティブコレクション等の画像処理ののち、第2の電子絵画152に画像データpdとして送信することができる。
【0037】
図2は、図1に示したデジタルシグナルプロセッサ120の実施形態であるところのデジタルシグナルプロセッサ200の機能的構成要素を示すブロック図である。ここで説明する構成要素のすべてがユーザインターラクションシステムの実施形態に必ずしも含まれるわけではない。DSP200は一般のプロセッサ、ASIC、回路基板上の個別部品として実現することができる。DSP200は、例えば動き検知手段304から、カメラ入力Cとセンサー入力Sを受信する。DSP200は、カメラ102により画像化されたオブジェクト130やその一部の画像を特徴付けるオブジェクト特徴付け部202を有する。そのオブジェクト特徴付け部202は、オブジェクト特定部204に第1のオブジェクト特徴付けフィーチャf1を供給することができる。第1のオブジェクト特徴付けフィーチャf1は、オブジェクト特定部204で実施された画像処理アルゴリズム応じた異なる種類であってもよい。一般的に、オブジェクトは最初、画像の残りの部分から分離される。これは例えば画像のエッジおよびカーブ検出により行われる。他のオプションとして、例えば投影グリッドや第2のカメラを用いた、画像化された領域の3次元分析がある。オブジェクトの一部を相関法(correlation technique)に基づき検出し、オブジェクトの残りを検証する。
【0038】
第2に、第1のオブジェクト特徴付けフィーチャf1を計算する。オブジェクトの輪郭とその構成部分を、曲率対角度特徴(curvature versus angle characteristic)により特徴付けることができる。幅と高さの比を計算してもよい。分離したオブジェクト領域自体を使用してもよいし、または、一般的にパースペクティブコレクションを最初に実施した後のオブジェクト領域を使用してもよい。
【0039】
オブジェクト特定部204は、オブジェクト特徴付け部202から受信した第1のオブジェクト特徴付けフィーチャf1に基づいてオブジェクトを特定する。例えば、多次元フィーチャ空間におけるいかなる既知の分類方法を用いてもよい。オブジェクト特定部204の出力はオブジェクト特定データoiであり、単純な数字または特定されたオブジェクトについての付加的情報を含むデータ構造である。例えば、DSP200を含むポインティングデバイスの生産者によってアプリオリに、いくつかの装置を特徴付けるフィーチャや別のデータがオブジェクト特徴メモリ230に記憶されてもよい。またはDSP200がコンピュータであれば、インターネットからプリロードしてもよい。オブジェクトを特定するのではなく、DSPは部屋の領域を特定してもよい。例えば、ポインティングデバイス101を天井に向けると、コマンド「室内灯オン」が発行され、床に向けると室内灯がスイッチオフされる。部屋の隅に向けると関連するコマンドが発行される。部屋の隅はそこにあるオブジェクトによって特定してもよい。例えば、左側には植物があり右側にはカップボードがある。
【0040】
ユーザが花瓶170等の新しいオブジェクトを教え込むことができれば、ユーザインターラクションシステムはより一層便利である。それゆえ、オブジェクト関連付け部212が含まれていてもよく、このオブジェクト関連付け部212はオブジェクト特定部204にオブジェクト関連付けデータoadを供給する。オブジェクト関連付けデータoadは、オブジェクトテンプレートに基づく、第1のオブジェクト特徴付けフィーチャf1に類似した、オブジェクトの特徴付けフィーチャfaを有する。オブジェクトテンプレートは、トレーニングフェーズを適用することにより取得できる。新しいオブジェクトは、異なったアングルや照明等のいくつかの条件下でカメラ102により画像化される。オブジェクト特徴付け部202は、すべての画像について第2のオブジェクト特徴付けフィーチャf2を生成する。オブジェクト関連付け部212中のオブジェクトトレーニング部221は、オブジェクトメモリ220に記憶されているオブジェクトに対応するオブジェクトテンプレートを生成する。テンプレートは、すべての画像の第2のオブジェクト特徴付けフィーチャf2のクラスター、または平均フィーチャ、または可変の第2のオブジェクト特徴付けフィーチャf2に基づいて計算されたいくつかの不変フィーチャである。オブジェクトテンプレートは、オブジェクトデータodとして外部から入来する特徴付けフィーチャに基づきオブジェクトトレーニング部221により導き出される。このオブジェクトデータは、例えば、生産者により異なるアングルで撮られた自分の画像を入力する装置のものであってもよい。オブジェクトデータodとオブジェクト関連付けデータoadは、オブジェクト関係データid、すなわちサポートされたコマンドのような装置に関係したすべての種類の情報を有してもよい。
【0041】
オブジェクト認識を容易にするために、装置110等のオブジェクトは特徴パターン116を表示してもよい。例えば、ポインティングデバイスの「オブジェクト特定」コールに応じて、異なるオン/オフ間隔で所定回数赤い十字を点滅させてもよい。装置110は、本発明によるユーザインターラクションシステムをより便利にするインターフェイス部190を有してもよい。例えば、インターネットラジオ等の装置は、ポインティングデバイス101と通信する「サービス発見」機能を有し、その機能はポインティングデバイス101がサポートしている。これらのコマンドに対応する赤外リモートコントロールシーケンスを送信してもよい。この機能はユーザ100によるDSP120、200のトレーニングを容易にする。例えば、通信に応じて、ポインティングデバイス101のディスプレイ316上に所定のアイコンのメニューとしてコマンドが表示される。インターフェイス部190は別に実現することもできる。例えば、洗濯機は複雑なリモートコントロール機能は有していないかも知れない。DSP200から標準コマンドを受信して、装置を簡単な方法でインターフェイスする(例えばスタートする)プラグオンボックスを備えてもよい。
【0042】
DSP200は、ユーザ100によりポインティングデバイス101でなされた身振りを分析する構成要素を有してもよい。このために、ポインティングデバイス101の図4に示した動き軌跡400を使用する。この動き軌跡400は、例えばカメラ102の画像に基づいて計算される。図4aは3次元座標系404中の上向き動き軌跡400を示す。この上向き動き軌跡400は、その数学的表現であるサイン402により要約される。サイン402は、例えばコマンドテーブルにより、コマンド特定データciとリンクさせることができる。例えば、この場合、ユーザ100はこの動きを「ボリュームアップ」コマンドとして確保してもよい。丸い動き軌跡410と丸いサイン412は、あるユーザにとっては「巻き戻し」を意味するが、他のユーザはこの丸いサイン412を「機器オン」コマンドと関係付けるようにDSP200に教えているかも知れない。ユーザがポインティングデバイス101をおおよそ室内灯160の方に向けて、「機器オン」の動きをすると、この動きに基づきDSP200は室内灯160をスイッチオンする。あるいは、ユーザ100は空中のどこかで「機器オン」の動きをしてから、室内灯160、テレビ、その他スイッチオンしたいオブジェクトをポイントすることもできる。サイン402、412をいかなる方法でパラメータ化しても、またいかなる既知の曲線フィッティング方法でマッチングしてもよい。例えば、サイン402は、特定長さとセグメント間角度を有するいくつかのラインセグメントとしてサイン402をコード化してもよい。
【0043】
動き軌跡評価部206は、動き検知手段304またはカメラ102からの連続画像に基づき、動き軌跡400を計算する。例えば、光フローまたはブロックベース動き評価法を2つの連続した画像に適用して、動き軌跡400の一部401を取得することができる。動きベクトル場の発散を用いてオブジェクトに向かう(すなわち、一般的にはポインティングデバイス101の軸に沿った)動きを評価することもできる。動き軌跡400に基づき、サイン生成部209は第1の動き特徴付けサインs1を出力する。サイン特定部208は、第1の動き特徴付けサインs1を特定し、それをコマンド特定データciとリンクする。このコマンド特定データciは、例えば、ユーザインターラクションコマンドの数値的表現である。第1の動き特徴付けサインs1は、サイン特徴メモリ232に記憶された異なるサインのサイン特徴と比較される。例えば、おおよそ丸いか、または元に戻るような動きをすると、丸いサインテンプレートは線形サインテンプレートよりよくマッチする。幾何学的かつ構造的曲線マッチング方法を同様の計算に適用することができる。
【0044】
DSP200が新しいオブジェクトを特定することを学習できることが有利であるのと同様に、DSP200がユーザ100が好む新しい動きを特定できれば有利である。それゆえ、サイン関連付け部214は、サイン関連付けデータSADをサイン特定部208に供給してもよい。サイン関連付けデータSADは、関連付けられたサインフィーチャsa(例えば、丸いサイン412の数学的表現)および/または(例えば、DSP200にコマンドデータcdとしてサポートされたコマンドを送信する装置から受信された)コマンド関係データを有していてもよい。サインメモリ222中のサインテンプレートは、動き軌跡評価部206からの第1の動き特徴付けサインs2に基づきサイントレーニング部223から、またはコマンドデータcdから取得することができる。
【0045】
例えば、1日の内で照明が変化することにより、ユーザの環境は非常に変わりやすいので、オブジェクト130またはコマンド(すなわちサイン402)の特定は、間違っているときがある。それゆえ、DSP200は特定改善部210を有してもよい。意図されるコマンドは、例えば、ポイントするオブジェクト130に依存したり、その前に与えられたコマンドなどに依存することがある。オブジェクトは、ポインティングデバイスがある部屋に無ければ、間違って特定されている。それゆえ、点滅するLED等の部屋認識手段185がある。ユーザ100は、部屋に入った時、ポインティングデバイス101で部屋認識手段185をスキャンする。カメラ102とは別に、部屋認識手段185を検知するために、ポインティングデバイス101にはフォトダイオードが備えられている。部屋位置限定ビーコン180、181、182があり、DSP200は、ポインティングデバイス101が部屋のどの部分をポイントしているのかを認識できるようにしてもよい。カメラ102が認識する場合、ビーコンは光を放射するが、電磁波を放射してもよい。オブジェクトの認識に、部屋にあるオブジェクトを利用してもよい。例えば、花瓶170がオブジェクト130の隣にあるとき、オブジェクト130を認識するときに花瓶170の認識を利用できる。ポインティングデバイスの過去の軌跡の分析でも利用することができる。ポインティングデバイスがオブジェクト130をポイントし、その後、右に動いたとき、そのポインティングデバイスは装置110をポイントしている。これらの情報をすべて考慮して、特定改善部210は、例えばベイズ確率を計算したりファジー論理を用いて、オブジェクト130や意図されたコマンドのより確かな特定に到達することができる。
【0046】
DSP200により出力されるユーザインターラクション情報Iは、一般的に、オブジェクト特定データoiとコマンド特定データciを有する構造であるところの制御装置データac、または、それらに基づき、特定の装置110について意図されたコマンドを特定する、新しい識別子を有する。ユーザインターラクション情報Iは画像データpdを有していてもよい。
【0047】
図3は、本発明によるポインティングデバイス300(図1に示した実施形態101)を示す概略図である。図示したすべてのフィーチャが必要なわけではない。簡単なポインティングデバイスはカメラ302と、フィードバックのための例えばディスプレイ316を有しているだけでもよい。ボタン308等のいくつかのボタンがあってもよい。これにより、ボタンを押すだけでコマンドを与えることができる。ポインティングデバイス300を同様に動かしても、ボタン308を押しながら動かす場合と押さないで動かす場合とで、2つの異なるコマンドとして使用することができる。例えば、ポイントする位置に向けてレーザスポットを投影するための特徴プロジェクタ320があってもよい。ポインティングデバイスのカメラは、外部のDSP120に画像を送ることができる。こうして、ポインティングデバイスは室外でも使用することができる。ユーザ100が持ち歩いていないポインティングデバイス103は、装置110や部屋を監視するために使用することもできる。カメラにより動きを検知するのではなく、ジャイロスコープやディファレンシャルGPS等の他の動き検知手段304を有してもよい。装置110にコマンドを直接送るために、プログラマブルコードジェネレータ309とワイヤレストランスミッタ310があってもよい。付加的情報をユーザに提供するため、フィードバック手段があってもよい。例えば、ライト312、サウンド発生デバイス314、力フィードバック手段306、特にディスプレイ316が設けられてもよい。力フィードバック手段は、小さな可動質量を有し、装置の振動をシミュレートできる。ディスプレイは、例えば、あるいは画像の中心にグラフィックとして十字を重ね合わせて、ポイントされている領域の中心を表示することができる。これはテレビに表示することもできる。同様に、ライト160がライト312の替わりにフィードバック用に使用されてもよい。ディスプレイ316上のフィードバックは、例えば、動き軌跡400を示してもよく、動き軌跡トレーニングフェーズ中に、前の動き軌跡とどのくらい類似しているかを示して、ユーザ100が安定した動きを学習する助けをしてもよい。ディスプレイ316は、いくつかの画像処理ステップの後に画像を表示して、DSP200が見ているもの(例えば、検知したエッジと特定した機器の名前のテキストを含む画像)を表示してもよい。
【0048】
指紋センサー、パスワード入力、パーソナルスマートカード等である、ユーザ特定手段330があってもよい。このように、DSP200は、ユーザ100に特化した動作モードに設定することができる。ユーザは自分がいる部屋に応じて異なるコマンドを与えてもよい。ポインティングデバイス300の動きにより与えられたコマンドを補助するために、音声認識手段340が備えられてもよい。現実世界へのインターフェイス機器としてポインティングデバイス101を使用することにより、ゲームをすることもできるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインターラクションシステムであって、
電子装置と、
空間領域をポイントする、ユーザが操作可能なポータブルポインティングデバイスと、
画像を撮るカメラと、
前記画像を受信し処理することができ、前記画像から得られたユーザインターフェイス情報を前記電子装置に送信することができるデジタルシグナルプロセッサとを有し、
前記カメラは前記ポインティングデバイスに接続され、動作中ポイントされる前記領域の画像を撮ることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のユーザインターラクションシステムであって、
前記ユーザインターフェイス情報は、前記電子装置の動作を制御する装置制御データを有することを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のユーザインターラクションシステムであって、
前記デジタルシグナルプロセッサは、オブジェクトを特定するオブジェクト特定手段に第1のオブジェクト特徴付けフィーチャを供給することにより、前記カメラにより画像化された前記領域の前記画像中にあるオブジェクトまたは前記オブジェクトの一部を特徴付けるオブジェクト特徴付け手段を有し、
前記オブジェクト特定手段は、前記ユーザインターフェイス情報が構成されるオブジェクト特定データを出力可能であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のユーザインターラクションシステムであって、
前記デジタルシグナルプロセッサは、
前記ポインティングデバイスの動き軌跡を評価して、前記動き軌跡の数学的抽象化である第1の動き特徴付けサインを出力する動き軌跡評価手段と、
前記第1の動き特徴付けサインを特定し、前記第1の動き特徴付けサインに対応するコマンド特定データを出力するサイン特定手段とを有し、
前記コマンド特定データはユーザインターラクションコマンドを表し、前記コマンド特定データから前記ユーザインターフェイス情報が構成されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項3または4に記載のユーザインターラクションシステムであって、
前記デジタルシグナルプロセッサは、
オブジェクト特定データとして表された前記オブジェクトとコマンド特定データとして表されたユーザインターラクションコマンドが、所定のルールに基づきより高い信頼性で特定され、より信頼できるユーザインターフェイス情報を生じる確率をさらに改善することができる特定改善手段を有することを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のユーザインターラクションシステムであって、
前記所定のルールは、アプリオリに知られた情報{前記ポインティングデバイスがある部屋、ユーザにより前に発行されたコマンド、ユーザが特定のコマンドを発行する統計的頻度と時間}のうち少なくとも1つを考慮して、{オブジェクト特定データ、コマンド特定データ}ペアの尤度の確率的計算を有することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項3に記載のユーザインターラクションシステムであって、
前記デジタルシグナルプロセッサは、前記オブジェクト特定手段にオブジェクト関連付けデータを提供するオブジェクト関連付け手段を有し、
前記オブジェクト関連付けデータは、関連付けされたオブジェクト特徴付けフィーチャとオブジェクト関係データであるところのデータエンティティを少なくとも1つ有し、
前記オブジェクト関連付けデータは、以下の方法:
− 前記オブジェクトテンプレートデータを、オブジェクト特徴付け手段により出力された第2のオブジェクト特徴付けフィーチャの所定の計算を実行するオブジェクトトレーニング手段から取得する方法、および
− 前記オブジェクトテンプレートデータを、入力されたオブジェクトデータから導き出す方法
のうち少なくとも1つの方法で取得した、オブジェクトメモリ中のオブジェクトテンプレートデータから導き出すことができることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項4に記載のユーザインターラクションシステムであって、
前記デジタルシグナルプロセッサは、サイン関連付けデータを前記サイン特定手段に提供するサイン関連付け手段を有し、
前記サイン関連付けデータは、関連付けられたサインフィーチャおよびコマンド関係データであるところのデータエンティティを少なくとも1つ有し、
前記サイン関連付けデータは、以下の方法:
− 前記サインテンプレートデータを、前記動き軌跡評価手段により出力された第2の動き特徴付けサインの所定の計算を実行するサイントレーニング手段から取得する方法、および
− 前記コマンドテンプレートデータを入力されたコマンドデータから導き出す方法
のうち少なくとも1つの方法で取得した、サインメモリ中のサインテンプレートデータから導き出すことができることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項4に記載のユーザインターラクションシステムであって、
前記第1の動き特徴付けサインは、それぞれの瞬間に前記カメラで撮られた連続画像に基づき導き出されることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のユーザインターラクションシステムにおいて使用するポインティングデバイスであって、
カメラを有し、デジタルシグナルプロセッサに画像を送信することができることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項11】
請求項10に記載のポインティングデバイスであって、
前記ポインティングデバイスが画像を送信することができる前記デジタルシグナルプロセッサは、前記画像に基づき電子装置にユーザインターフェイス情報を送信することができることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項12】
請求項10に記載のポインティングデバイスであって、前記デジタルシグナルプロセッサは前記ポインティングデバイスに含まれていることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項13】
請求項10に記載のポインティングデバイスであって、
前記ポインティングデバイスの動き軌跡を検知する動き検知手段を有することを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項14】
請求項10に記載のポインティングデバイスであって、
ポイントされた領域に向けて特徴パターンを光学的に投影する特徴プロジェクタを有することを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項15】
請求項10に記載のポインティングデバイスであって、プログラマブルユーザインターフェイスコードジェネレータと、コードを前記電子装置に送信する無線トランスミッタとを有することを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項16】
請求項10に記載のポインティングデバイスであって、
ユーザインターフェイス情報のフィードバックをするフィードバック手段を有することを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項17】
請求項1に記載のユーザインターラクションシステムにおいて使用する電子装置であって、
サポートされたコマンドに関する情報を請求項10に記載のポインティングデバイスに送信可能とするインターフェイス手段を有し、
前記送信は前記電子装置に対する前記ポインティングデバイスの「サポートされたコマンド特定」コールに基づきなされることを特徴とする電子装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−217829(P2009−217829A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−98091(P2009−98091)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【分割の表示】特願2008−300814(P2008−300814)の分割
【原出願日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】