説明

ポイントメークアップ化粧料

【課題】 パール顔料乃至はラメ剤とを含有するポイントメークアップ化粧料において、高照度下での化粧映えの維持性を向上させる。
【解決手段】 1)オクトクリレンと、2)パール顔料乃至はラメ剤とをポイントメークアップ化粧料に含有させる。前記パール顔料乃至はラメ剤は、積層樹脂小片であることが好ましく、有機色素で着色されたものであることが好ましい。前記ポイントメークアップ料は、チークカラー、リップカラー、リップグロス、リップライナー、アイカラー及びアイライナーから選択されるものであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細にはポイントメークアップ化粧料として好適な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ポイントメークアップ化粧料は、脣、瞼、頬などの比較的に狭い部位に華やかな彩りを添えるための化粧料であり、その為には、演色性の高い色材が使用される。この様な演色性の高い色材の代表例としては、回折干渉光を利用した、パール剤乃至はラメ剤が挙げられる。パール剤はマイカやセリサイトなどの板状粉体の表面上に微細な二酸化チタンの粒子をコートして、このに酸化チタンの粒子の作る回折格子によって干渉縞を呈しパール光沢を発現させる色材であり、ラメ剤はPET等の樹脂薄膜を貼り合わせて、100〜1000μm程度の大きさの小片に加工した色材であり、薄膜間の空間が作る回折格子により干渉光を発現させる色材である。場合によっては、アルミ箔などをラミネートし、鏡面反射率を向上させたものも存する。又、色味を強調するため、無機色素や有機色素を更に被覆したパール剤やラメ剤も存する。従って、パール剤やラメ剤の演色性は、回折格子の堅牢度と、被覆色材の堅牢度とに依存すると言える。
【0003】
近年、コンビニエンスストアなどに見られるように、照明の照度の急激な上昇と、光照射時間の急増により、化粧料に於いては従来では考えられないような光劣化が時として見受けられ、ポイントメークアップ化粧料においては、前記光劣化は演色性の顕著な低下として現れることが存する。通常、油脂成分等や色素自体の光劣化には、桂皮酸系、ベンジルアミン系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の添加により対応される(例えば、特許文献2を参照)が、パール剤上に被覆された色素に対しては、これらの物質はあまり有効には働かない場合が存する。これはこの様な変化が、パール剤に於いては、色素を担持する粉体の影響が強く働くためと考えられるし、ラメ剤に於いては積層した薄膜の間隔或いはその接着状況が光により変化するための変化であり、単なる色素の光分解とは機作が異なるためと考えられる。この為、店頭に並べられた商品については、頻繁に商品を交換することで対応されるが、皮膚上に塗布された化粧料については、劣化に任せるしか手がないのが現状であった。
【0004】
この様な状況から、この様なパール剤、ラメ剤における色相の安定のためには、干渉光源をコレスチック液晶ポリマーなどに変える以外方法が存しないとこれまでは信じられていた。(例えば、特許文献2を参照)しかしながら、この様な原材料を化粧料に用いることには、多くの安全性上の課題を解決しなければならず、実用的とは言い難い面が存した。
【0005】
オクトクリレンなどのシアノジフェニルプロペン酸エステル類も、化粧料に於いて、ジベンゾイルメタンと同様に紫外線吸収剤として使用可能であることは既に知られている(例えば、特許文献3を参照)。しかしながら、1)オクトクリレンと、2)パール顔料乃至はラメ剤とを含有することを構成とするポイントメークアップ化粧料は全く知られていないし、この様な構成により、高照度下での使用で、皮膚上に於いて劣化が少なく、化粧効果の変化の少ない化粧料が得られることは全く知られていなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2002−154915号公報
【特許文献2】特開2002−249694号公報
【特許文献3】特開2004−182732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、パール顔料乃至はラメ剤とを含有するポイントメークアップ化粧料において、高照度下での化粧映えの維持性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、パール顔料乃至はラメ剤とを含有するポイントメークアップ化粧料において、高照度下での化粧映えの維持性を向上させる手段を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、オクトクリレンの添加により為されることを見いだし、発明を完成させた。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
<1>1)オクトクリレンと、2)パール顔料乃至はラメ剤とを含有することを特徴とする、ポイントメークアップ化粧料。
<2>前記パール顔料乃至はラメ剤は、積層樹脂小片であることを特徴とする、<1>に記載のポイントメークアップ化粧料。
<3>前記パール顔料乃至はラメ剤は、有機色素で着色されたものであることを特徴とする、<1>又は<2>に記載のポイントメークアップ化粧料。
<4>前記ポイントメークアップ料は、チークカラー、リップカラー、リップグロス、リップライナー、アイカラー及びアイライナーから選択されるものであることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載のポイントメークアップ化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パール顔料乃至はラメ剤とを含有するポイントメークアップ化粧料において、高照度下での化粧映えの維持性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)本発明のポイントメークアップ化粧料の必須成分であるオクトクリレン
本発明のポイントメークアップ化粧料は、オクトクリレンを含有することを特徴とする。本発明の化粧料では、かかる成分は、後記パール剤、ラメ剤が高照度の光照射を受けた際に、これらの色材がその光学的効果を減じる現象を抑制する効果を発揮する。この様な高照度の光照射におけるパール剤、ラメ剤の光学効果の変化に対しては、ベンゾフェノン誘導体、p−メトキシ桂皮酸エステル類及びベンゾイルメタン誘導体等のオクトクリレンと構造の系統を異にする紫外線吸収剤の添加は効を奏しにくい。又、この様な成分は光の照射により、自身が着色してしまうため、パール光沢剤の光学効果を生かすポイントメークアップ化粧料では欠点の方が大きくなってしまう可能性が高い。従って、本発明の化粧料では、オキシベンゾン、スリソベンゾン等のベンゾフェノン類、p−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルなどのp−メトキシ桂皮酸エステル類、t−ブチルメトキシベンゾイルメタンなどのベンゾイルメタン類等のオクトクリレンと構造の系統を異にする紫外線吸収剤は実質的に含有しないことが好ましい。本発明の爪用の化粧料におけるオクトクリレンの好ましい含有量は、0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.2〜2質量%である。オクトクリレンの含有量が少なすぎると前記効果を発揮しない場合が存し、多すぎても効果が頭打ちになり、系の安定性を損なう場合も存する。
【0011】
(2)本発明のポイントメークアップ化粧料の必須成分であるパール剤、ラメ剤
本発明のポイントメークアップ化粧料は、前記皮膜成分によって光学効果を著しく奏する素材であるパール剤、ラメ剤を含有することを特徴とする。ここで、パール剤とは、粉体表面に存する光回折格子による干渉光により、真珠様光沢、煌めき感を呈する粉体の総称であり、大きく分けて、チタンマイカなどの二酸化チタンの微粒子で表面を被覆された、マイカや硝子フレークなどの板状粉体が好ましく例示できる。れらのパール剤は、所望により、何れも無機顔料や有機色素で着色されていても良い。かかる成分は、唯一種を含有させることも可能であるし、二種以上を組み合わせて含有させることも可能である。特に、本願発明の効果が著しいのは、有機色素を被覆したパール剤と積層小片型のラメ剤である。本発明の化粧料に於いて、パール剤、ラメ剤は、総量で、化粧料全量に対し5〜50質量%含有することが好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
【0012】
(3)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、ポイントメークアップ化粧料であって、前記必須成分を含有する。本発明のポイントメークアップ化粧料が適用される化粧料としては、例えば、リップカラー、リップライナー、リップグロス、チークカラー、アイカラー、アイライナー、マスカラ、ネイルカラーなどが好適に例示でき、リップカラー、リップライナー、リップグロス、チークカラー、アイカラー、アイライナーが特に好ましい。これは、これらの化粧料の光学効果に対する、パール剤、ラメ剤の光学効果の寄与率が大きいためである。又、これらの化粧料の剤形としては、溶剤溶液剤形、固形粉体剤形、オイルゲル剤形、乳化剤形の何れもが可能であり、固形粉体剤形乃至はオイルゲル剤形が特に好ましい。これもパール剤、ラメ剤の光学効果の寄与が高いからである。
【0013】
本発明の化粧料においては、かかる成分以外に、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、これらの具体例を示せば、例えば、チタンマイカとしては、BASF社から、フラメンコ(Flamenco;登録商標)レッド100、フラメンコ(Flamenco;登録商標)ゴールド、フラメンコ(Flamenco;登録商標)グリーン、フラメンコ(Flamenco;登録商標)ブルー、フラメンコ(Flamenco;登録商標)スパークルオレンジ等のフラメンコシリーズ、クロイゾネ(CLOISONNE;登録商標)G ブロンズ等のクロイゾネシリーズ、ジェムトン(登録商標)タン オパール等のジェムトンシリーズ、デュオクロム(DUOCROME;登録商標)YR、デュオクロム(DUOCROME;登録商標)R、デュオクロム(DUOCROME;登録商標)GY等のデュオクロムシリーズ、ティミカ(TIMICA;登録商標)カッパー、ティミカ(TIMICA;登録商標)パールホワイト、ティミカ(TIMICA;登録商標)ゴールドSP、ティミカ(TIMICA;登録商標)Gブロンズ等のティミカシリーズなどが市販されており、メルク・ジャパン社から、ティミロン(登録商標)1001、ティミロン(登録商標)MP1005、ティミロン(登録商標)MP115、ティミロン(登録商標)MP149等のティミロンシリーズ、コロロナ(登録商標)ブライトゴールド、コロロナ(登録商標)ブロンズファイン等のコロロナシリーズなどが市販されており、日本光研(株)より、プロミネンス(PROMINENCE;登録商標)SFなどのプロミネンスシリーズが市販されており、またガラスフレーク系のパール粉体としは、BASF社より、リフレクスポインポインツオブパール等のリフレクスシリーズ、日本板硝子(株)よりメタシャイン(登録商標)MC1080RYS1などのメタシャインシリーズが市販されており、積層小片としては、角八魚燐箔株式会社より、アルミフレークシルバー0.01等のアルミフレークシリーズが、ダイヤ工業株式会社より、ダイヤホログラムHG−S40EP、ダイヤホログラムHG−S60EP等のダイヤホログラムシリーズ、DCグリッターシルバーCNo.0.005等のDCグリッターシリーズ、尾池工業株式会社より、MAuグリッター等のMAuグリッターシリーズ、イリデセント・グリッターIF−4101(BASF社製)、(PET/Al)ラミネート、(PET/MMP)ラミネート等が市販されており、これらが好ましく例示できる。かかる成分は総量で、0.1〜20質量%含有することが好ましく、1〜10質量%がより好ましい。パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類等のオクトクリレン以外の紫外線吸収剤;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
【0014】
本発明のポイントメークアップ化粧料は、前記の必須成分、任意成分を常法に従って処理することにより製造できる。
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加える。
【実施例1】
【0015】
以下に示す処方に従って、本発明のポイントメークアップ化粧料(チークカラー)を作製した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合し、しかる後に、0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーで混合しながら、一様に溶解させたロの成分を噴霧してコーティングを行い、1.5mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿に充填して加圧成形し、本発明の化粧料である、固形粉末化粧料1(チークカラー)を得た。同様に操作して、オクトクリレンをp−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルに置換した比較例1、シリコーン処理「チミロンMP1005」とシリコーン処理「クロイゾネレッド」とをシリコーン処理マイカに置換した比較例2、オクトクリレンをp−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルに置換し、且つ、シリコーン処理「チミロンMP1005」とシリコーン処理「クロイゾネレッド」とをシリコーン処理マイカに置換した比較例3も作製した。
【0016】
【表1】

【0017】
<評価1>
固形粉末化粧料1、比較例1〜3について、耐光性を調べた。即ち、40Wの蛍光灯下30cmにサンプルを置き、1万ルックスの光を照射し、非照射のサンプルとの色差をコニカミノルタ色彩色差計CR400を用いて測定した。(例数3)結果を表2に示す。これより、本発明のポイントメークアップ化粧料は高照度下での耐光性に優れることがわかる。
【0018】
【表2】

【実施例2】
【0019】
実施例1と同様に、下記の処方に従って、本発明のポイントメークアップ化粧料である、固形粉末化粧料2(チークカラー)を作成し、実施例1と同様に評価したところ、照射検体と非照射検体との色差は1.01±2.37で効果は認められたものの、着色パール剤を使用している場合ほどではなかった。
【0020】
【表3】

【実施例3】
【0021】
実施例1と同様に、下記の処方に従って、本発明のポイントメークアップ化粧料である、固形粉末化粧料3(アイカラー)を作成し、実施例1と同様に評価したところ、照射検体と非照射検体との色差は0.71±4.81で同様の効果が確認された。
【0022】
【表4】

【実施例4】
【0023】
次に示す処方に従って、本発明のポイントメークアップ化粧料である、オイルゲル化粧料3(リップグロス)を作成した。即ち、処方成分を90℃に加熱し、金型に流し込み、冷却固化してオイルゲル化粧料を得た。実施例1と同様に評価したところ、照射検体と非照射検体との色差は0.56±2.09で同様の効果が確認された。
【0024】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、ポイントメークアップ化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)オクトクリレンと、2)パール顔料乃至はラメ剤とを含有することを特徴とする、ポイントメークアップ化粧料。
【請求項2】
前記パール顔料乃至はラメ剤は、積層樹脂小片であることを特徴とする、請求項1に記載のポイントメークアップ化粧料。
【請求項3】
前記パール顔料乃至はラメ剤は、有機色素で着色されたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポイントメークアップ化粧料。
【請求項4】
前記ポイントメークアップ料は、チークカラー、リップカラー、リップグロス、リップライナー、アイカラー及びアイライナーから選択されるものであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載のポイントメークアップ化粧料。

【公開番号】特開2009−179598(P2009−179598A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20026(P2008−20026)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】