説明

ポリウレタンフォームを製造するためのヒドロキシル基と界面活性基を含有する発泡用触媒組成物

【課題】ポリウレタンフォームを調製するための触媒として有用な第三アミンを提供する。
【解決手段】第三アミンは、イソシアネートの三量化反応、並びにイソシアネートと、活性水素含有化合物、例えば、ポリオール及び/又は発泡剤との反応を触媒するのに用いられる。このような第三アミンは、一般式


を有する(R1、R2、Y、Z及びnは本発明において規定される)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロキシル基と界面活性基を含有する第三アミン、並びにポリウレタンフォームを調製するための触媒としての当該第三アミンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは、自動車、住宅及びその他の産業において広く知られそして使用されている。このようなフォームは、種々の添加剤の存在下においてポリイソシアネートとポリオールを反応させることにより製造される。このような添加剤の1つはクロロフルオロカーボン(CFC)発泡剤であり、それは反応の発熱の結果として気化し、それにより重合体が生じてフォームが形成される。CFCが成層圏のオゾンを枯渇させるということが発見され、その結果としてCFCの使用を低減することが義務づけられた。それゆえ、水とポリイソシアネートの反応で発生するCO2を用いて発泡が行われる水発泡型フォームの製造がますます重要になっている。発泡、例えば、CO2を発生させるための水とポリイソシアネートの反応、及びゲル化、例えば、ポリオールとイソシアネートの反応を促進させるのに第三アミン触媒が典型的に使用される。
【0003】
発泡又はゲル化を選択的に促進させる第三アミン触媒の能力は、特定のポリウレタンフォームを製造するための触媒を選択する上で重要な考慮事項である。触媒があまりにも高い程度まで発泡反応を促進させると、イソシアネートとポリオールが十分反応する前にCO2が多く発生し、CO2が配合物から泡となって出て、その結果、重合体が破壊され、低品質のフォームが産出されることになる。対照的に、触媒があまりにも強くゲル化反応を促進させると、かなりの程度の重合が生じた後に相当部分のCO2が発生する。この場合もやはり、高密度、破壊された若しくは明確には画定されない気泡、又は他の望ましくない特性によって特徴付けられる低品質のフォームが製造されることになる。
【0004】
第三アミン触媒は一般に悪臭を放ちかつ不快感を与えるものであり、その多くが低分子量のために高い揮発性を有する。フォームを処理する際の第三アミンの放出は安全性及び毒性の重大な問題を招く恐れがあり、顧客向け製品からの残留アミンの放出は一般に望ましくない。一方で、低蒸気圧−高分子量のアミン触媒は、窒素/炭素比が低いため非常に多くの触媒使用量を必要とし、製造コストが過度に高くなることが予想される。
【0005】
ヒドロキシル基並びにC6以上のアルキル基又は脂肪酸基を含有するアミン触媒は優れた活性を示し、高分子量にもかかわらず、それらの使用レベルが比較的適度である。さらに、高分子量、低揮発性及び低臭気により、操作員及びエンドユーザーが攻撃的なアミン蒸気にさらされるのを制限できる。加えて、ヒドロキシル官能基を含有するアミン触媒は反応の際にウレタンと化学結合するため、最終製品からのそれらの放出を制限することができる。第二ヒドロキシル官能基を含有するアミン触媒が一般に好ましい。なぜなら、これらのアミン触媒は、活性水素−イソシアネート反応(ゲル化及び発泡)の促進と、それら触媒自体のイソシアネートとの反応性の間に望ましいバランスを示すからである。それゆえ、高い触媒活性と、少ない使用レベルと、ウレタンマトリックスへの高い結合能力とを有する新規の第三アミン及びこのような第三アミンを用いた触媒系を作り出すことが望ましい。さらに、このような第三アミンの触媒系を用いるポリウレタンフォームを製造するための方法を提供することが望ましい。これらの目的に本発明は向けられる。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、ポリウレタンフォームを調製するための触媒として有用な新規の第三アミンに関する。これらの第三アミンは、イソシアネートの三量化反応を触媒することができ、同様にイソシアネートと活性水素含有化合物、例えば、ポリオール及び/又は水との反応を触媒することができる。第三アミンは一般式
【化1】

を有し、
式中、
1及びR2が独立して1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Yが
【化2】

又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Zが
【化3】

であり;
3が水素、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜約10個の炭素原子を有するアルケニル基であり;
4が1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基であり;
5が水素、1〜約35個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約35個の炭素原子を有するアルケニル基であり;及び
nが1と7を含めた1〜7の整数である。
【0007】
本発明はまた、少なくとも1つの有機イソシアネート化合物と、少なくとも1つのポリオールと、少なくとも1つの発泡剤と、第三アミン触媒組成物とを接触させることを含むポリウレタンフォームを製造する方法に関する。本発明は、少なくとも1つのイソシアネート化合物と、少なくとも1つの活性水素含有化合物、例えば、ポリオール及び/又は水との反応を触媒する方法をさらに提供する。本発明はまた、イソシアネート化合物の三量化反応を触媒する方法も包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、ポリウレタンフォームを製造するのに有用な新規の第三アミン触媒を提供する。本発明の1つの態様は、少なくとも1つのイソシアネート化合物と、少なくとも1つの活性水素含有化合物、例えば、ポリオール及び/又は水との反応を触媒する第三アミン化合物を含む。本発明の別の態様は、イソシアネート化合物の三量化を触媒する第三アミン化合物に向けられる。本発明はまた、ヒドロキシル基と界面活性基を含有する第三アミン触媒組成物を用いてポリウレタンフォームを製造する方法を提供する。本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つのイソシアネート化合物と、少なくとも1つのポリオール化合物と、少なくとも1つの発泡剤と、少なくとも1つの第三アミン触媒組成物とを接触させることにより、ポリウレタンフォームを製造することを包含する。本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つのイソシアネート化合物と、少なくとも1つの活性水素含有化合物、例えば、ポリオール及び/又は発泡剤との反応を触媒する方法に向けられる。本発明の別の態様は、イソシアネート化合物の三量化反応を触媒する方法を包含する。
【0009】
[第三アミン触媒組成物]
本発明による触媒組成物は、イソシアネートの三量化反応、及びイソシアネートと活性水素含有化合物との反応を触媒する。活性水素含有化合物は、例えば、アルコール、ポリオール、アミン又は水であることができる。したがって、本触媒組成物は、数ある反応の中でも、ポリウレタンを生成するためのポリオールとイソシアネートのゲル化反応、二酸化炭素を放出するための水とイソシアネートの発泡反応、イソシアネート化合物の三量化、又はそれら3つのすべての反応を促進させることができる。
【0010】
本発明の1つの態様においては、第三アミン触媒組成物は一般式
【化4】

を有し、
式中、
1及びR2が独立して1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Yが
【化5】

又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Zが
【化6】

であり;
3が水素、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜約10個の炭素原子を有するアルケニル基であり;
4が1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基であり;
5が水素、1〜約35個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約35個の炭素原子を有するアルケニル基であり;及び
nが1と7を含めた1〜7の整数である。
【0011】
本発明の別の態様においては、
1及びR2はメチル基であり;
Yはメチル基、又は
【化7】

であり;
3は水素であり;
4は1〜約18個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約18個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基であり;
5は水素、1〜約17個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約17個の炭素原子を有するアルケニル基であり;及び
nは2と7を含めた2〜7の整数であるか、又は1と3を含めた1〜3の整数である。
【0012】
本発明による触媒組成物は、アルキルグリシジルエーテルとエチレンアミンを反応させることにより調製することができる。好適なエチレンアミンの例としては、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、及びペンタエチレンヘキサミン(PEHA)が挙げられるがそれらに限定されない。好適なアルキルグリシジルエーテルの例としては、アルキル基が1〜約35個の炭素原子を有するアルキルグリシジルエーテルが挙げられるがそれらに限定されない。アルキル基は、例えば、オクタデシル、ヘプタデシル、ヘキサデシル、ペンタデシル、テトラデシル、トリデシル、ドデシル、ウンデシル、デシル、ノニル、オクチル、ヘプチル、ヘキシル、ペンチル、ブチル、エチル又はメチルであることができる。未反応のアミンは蒸留によって除去することができ、生成物は金属触媒、例えば、カーボン担持5%パラジウムの存在下において約60〜約120℃の温度で以ってホルムアルデヒド及び加圧水素と反応させることができる。
【0013】
種々のアルキルグリシジルエーテル、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社のEpodil(登録商標)製品ライン、例えば、Epodil(登録商標)746及びEpodil(登録商標)748から商業的に入手可能である。Epodil(登録商標)製品は本発明において特に有利である。なぜなら、これらは約0.1〜約2wt%の加水分解性塩化物イオンを含有しているからである。同様に、加水分解性塩化物イオンを含有する他のアルキルグリシジルエーテルを本発明において使用することもできる。その参照により全体として本明細書に含まれるダウ・グローバル・テクノロジーズ社のPCT/2004/113410において論じられているように、重合反応の際に少量の加水分解性塩化物イオンを存在させることは、最終ポリウレタンフォーム生成物の耐湿潤老化特性を改善するのに役立つことができる。
【0014】
本発明の1つの態様においては、本発明の第三アミン触媒組成物としては、N−(2−ヒドロキシプロピル−オクタデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘプタデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキサデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ペンタデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−テトラデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−トリデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ドデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ウンデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−デシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ノニルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘプチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ペンチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ブチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−エチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−メチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクタデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘプタデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキサデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ペンタデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−テトラデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−トリデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ドデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ウンデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−デシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ノニルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘプチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ペンチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ブチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−エチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−メチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。
【0015】
本発明の別の態様においては、本発明の第三アミン触媒組成物としては、N−(2−ヒドロキシプロピル−オクタデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキサデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−テトラデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ドデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−デシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ブチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクタデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキサデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−テトラデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ドデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−デシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ブチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。
【0016】
触媒組成物の触媒的に効果的な量をポリウレタン配合物において使用することができる。1つの態様においては、触媒組成物の好適な量は、ポリウレタン配合物中のポリオール100重量部当たり約0.01〜約10部(pphp)の触媒組成物、又は約0.05〜約2pphpの触媒組成物であることができる。
【0017】
本発明の触媒組成物のヒドロキシル官能基は、触媒組成物が重合中及び重合後にポリウレタンマトリックスと反応してポリウレタンマトリックスに固定化されるのを可能にする。さらに、低揮発性、低臭気及び高分子量により、操作員及びエンドユーザーが攻撃的なアミン蒸気にさらされるのを制限できる。
【0018】
[ポリオール]
有機イソシアネート化合物とポリオールヒドロキシル基の重合反応によってポリウレタンが生成される。本発明の触媒組成物は、イソシアネートと活性水素含有化合物、例えば、ポリオールとの反応を触媒するのに有用である。本発明の触媒組成物とともに使用するのに好適なポリオールとしては、ポリアルキレンエーテルポリオール及びポリエステルポリオールが挙げられるがそれらに限定されない。ポリアルキレンエーテルポリオールは、ジオール及びトリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、及び同様の低分子量ポリオールを含む多水酸基化合物に由来する末端水酸基を有するポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のポリマー及びコポリマーなどのポリ(アルキレンオキシド)ポリマーを含む。
【0019】
本発明の1つの態様においては、単一の高分子量ポリエーテルポリオールを使用することができる。あるいはまた、高分子量ポリエーテルポリオールの混合物、例えば、二及び三官能性材料及び/又は異なる分子量又は異なる化学組成の材料の混合物を使用することもできる。このような二及び三官能性材料としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、グリセリンに基づいたポリエーテルトリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンに基づいたポリエーテルトリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。
【0020】
有用なポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸と過剰のジオール、例えば、アジピン酸とエチレングリコール若しくはブタンジオールを反応させることにより、又はラクトンと過剰のジオール、例えば、カプロラクトンとプロピレングリコールを反応させることにより生成されるポリエステルポリオールが挙げられるがそれらに限定されない。
【0021】
ポリアルキレンエーテルポリオール及びポリエステルポリオールに加えて、ポリマーポリオールもまた本発明において使用するのに好適である。ポリマーポリオールは、ポリウレタンフォームの変形に対する耐性を高めるのに、例えば、ポリウレタンフォームの耐荷重特性を改善するのにポリウレタンフォームにおいて使用される。ポリマーポリオールの例としては、グラフトポリオール又はポリウレア改質ポリオール(Polyharnstoff Dispersionのポリオール)が挙げられるがそれらに限定されない。グラフトポリオールは、ビニルモノマーがグラフト共重合されたトリオールを含む。好適なビニルポリマーとしては、例えば、スチレン又はアクリロニトリルが挙げられる。ポリウレア改質ポリオールは、ポリオールの存在下においてジアミンとジイソシアネートを反応させることにより形成されたポリウレア分散体を含有するポリオールである。ポリウレア改質ポリオールの変形態様は、ポリイソシアネート重付加(PIPA)ポリオールである。これらのポリオールは、ポリオール中におけるイソシアネートとアルカノールアミンの現場反応により形成される。耐荷重要件に応じて、ポリマーポリオールは、合計ポリオール含有量の約20〜約80wt%であることができる。
【0022】
[発泡剤]
ポリウレタンフォームは、発泡剤の存在下でイソシアネートとポリオールを反応させ、重合の際にポリウレタンマトリックス中に気孔を生成することにより典型的に製造される。好適な発泡剤としては、例えば、発熱重合反応の際に気化される低沸点の不活性化合物が挙げられる。このような発泡剤は、一般的には重合反応の際に分解又は反応しない不活性化合物である。反応の発熱は、発泡剤を気化するのに一般に十分であり、次いで発泡剤がポリウレタンマトリックス中に捕捉され、結果として気孔又は気泡が形成される。任意選択で、反応の際にさらに熱を加えて発泡剤の気化を促進することができる。このような発泡剤の例としては、クロロフルオロカーボン、水素化フルオロカーボン、水素化クロロフルオロカーボン、低沸点炭化水素、例えば、シクロペンタン、イソペンタン、n−ペンタン又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。
【0023】
好ましい発泡剤は水である。本発明の触媒組成物は、イソシアネートと水の反応を触媒して二酸化炭素を生成するのに有用である。二酸化炭素ガスが生成するにつれ、それがポリウレタンマトリックス中に捕捉され、気孔又は気泡が形成される。
【0024】
[任意選択の添加剤]
本発明の触媒組成物は、ポリウレタンフォームを生成するのに任意選択の補助成分とともに使用することができる。補助成分の例としては、気泡安定剤、架橋剤、連鎖延長剤、顔料、充填剤、難燃剤、補助ゲル化触媒、補助発泡触媒、遷移金属触媒、又はそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。
【0025】
気泡安定剤としては、例えば、シリコン界面活性剤又はアニオン性界面活性剤を挙げることができる。好適なシリコン界面活性剤の例としては、ポリアルキルシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオール改質ジメチルポリシロキサン、アルキレングリコール改質ジメチルポリシロキサン、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。好適なアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸の塩、硫酸エステルの塩、リン酸エステルの塩、スルホン酸塩、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。
【0026】
好適な架橋剤としては、ヒドロキシル基、第一アミノ基、第二アミノ基、又はイソシアネート基と反応性の他の活性水素含有基から選択された少なくとも2つの基を有する低分子化合物が挙げられるがそれらに限定されない。架橋剤としては、例えば、多価アルコール、ポリアミン、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な多価アルコールの限定的でない例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。ポリアミン架橋剤の限定的でない例としては、ジエチルトルエンジアミン、クロロジアミノベンゼン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、1,6−ヘキサンジアミン、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0027】
連鎖延長剤の例としては、ヒドロキシル官能基又はアミノ官能基を有する化合物、例えば、グリコール、アミン、ジオール及び水が挙げられるがそれらに限定されない。連鎖延長剤のさらに限定的でない例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、エトキシル化ヒドロキノン、1,4−シクロヘキサンジオール、N−メチルエタノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、4−アミノシクロ−ヘキサノール、1,2−ジアミノエタン、2,4−トルエンジアミン、又はそれらの任意の混合物が挙げられる。
【0028】
顔料は、製造の際にポリウレタンフォームを色分けして生成物及び/又は生成物の等級を同定するか又は黄変を隠すのに使用することができる。顔料は、任意の好適な有機又は無機顔料を含むことができる。例えば、有機顔料又は着色剤としては、アゾ/ジアゾ染料、フタロシアニン、ジオキサジン又はカーボンブラックが挙げられるがそれらに限定されない。無機顔料の例としては、二酸化チタン、酸化鉄又は酸化クロムが挙げられるがそれらに限定されない。充填剤は、ポリウレタンフォームの密度及び耐荷重特性を高めるのに使用することができる。好適な充填剤としては、硫酸バリウム又は炭酸カルシウムが挙げられるがそれらに限定されない。難燃剤は、ポリウレタンフォームの燃焼性を低減するのに使用することができる。例えば、好適な難燃剤としては、塩素化リン酸エステル、塩素化パラフィン又はメラミン粉末が挙げられるがそれらに限定されない。
【0029】
補助ゲル化触媒としては、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社によりDABCO 33LV(登録商標)触媒として商業的に供給されるジアザビシクロオクタン(トリエチレンジアミン);キニクリジン及び置換キニクリジン;置換ピロリジン若しくはピロリジジン;又はDABCO(登録商標)NE1070、DABCO(登録商標)NE1060、DABCO(登録商標)NE200、DABCO(登録商標)NE400、DABCO(登録商標)NE500、及びDABCO(登録商標)NE600として商業的に供給されるN,N−ジメチルアミノアルキル尿素及び同様の混合物を挙げることができるがそれらに限定されない。
【0030】
好適な補助発泡触媒の限定的でない例としては、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社によりDABCO(登録商標)BL−11触媒として商業的に供給されるビス−ジメチルアミノエチルエーテル;ペンタメチル−ジエチレントリアミン及び関連する組成物;高級過メチル化ポリアミン;2−[N−(ジメチルアミノエトキシエチル)−N−メチルアミノ]エタノール及び関連する構造体;アルコキシル化ポリアミン;イミダゾール−ホウ素組成物;又はアミノプロピル−ビス(アミノ−エチル)エーテル組成物が挙げられる。本発明による触媒組成物はまた、遷移金属触媒、例えば、有機スズ触媒と組み合わせて使用することもできる。
【0031】
[ポリウレタンフォーム]
ポリウレタンフォームは、当技術分野で説明されるように任意の好適な有機イソシアネート化合物と任意の好適なポリオール化合物の反応によって生成することができる。有機イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、及び4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が挙げられるがそれらに限定されない。本発明の1つの態様においては、2,4−TDI、2,6−TDI又はそれらの組み合わせは、ポリウレタンフォームを生成するのに使用できる。他の好適なイソシアネート化合物は、「粗MDI」として商業的に知られるジイソシアネートの混合物である。これはダウ・ケミカル・カンパニーによりPAPIとして販売されており、このPAPIは、他の異性体及び類似の高級ポリイソシアネートとともに約60%の4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートを含有している。ポリイソシアネートとポリエーテル又はポリエステルポリオールの部分的に予備反応された混合物を含むこれらのイソシアネート化合物の「プレポリマー」も好適である。
【0032】
本発明の触媒組成物を用いて生成されたポリウレタンフォームは、従来技術において記載される触媒組成物を用いて生成されたフォームと同等であるか又はそれよりも優れている。例えば、本発明による触媒組成物を用いて生成されたポリウレタンフォームは、臭気が低減されかつアミンの放出が少ない。
【0033】
本発明の1つの態様に従って生成されたポリウレタンフォームは、約70〜約115のイソシアネート指数を有し、以下の成分を下記重量で含む。
【0034】
【表1】

【0035】
「イソシアネート指数」という用語(NCO指数とも一般に称される)は、イソシアネートの当量数を活性水素の合計当量数で割って100掛けたものとして本明細書で規定される。NCO指数は、式
NCO指数=[NCO/(OH+NH)]×100
によって表される。
【0036】
本発明は軟質ポリウレタンフォームを調製するのに有用なものとして記載されているが、本発明は半軟質及び硬質のポリウレタンフォームを調製するのに用いることもできる。硬質ポリウレタンフォームは、硬質フォーム中に存在するイソシアヌレートのレベルがより高いことにより軟質ポリウレタンフォームと区別することができる。軟質フォームは、約4000〜5000の重量平均分子量(Mw)と約28〜35のヒドロキシル数(OH#)を有する従来のトリオールとともに、フォーム組成物中の合計ポリオール含有量の一部としてポリマーポリオールを典型的に使用する。対照的に、硬質ポリウレタンフォーム組成物は、約3〜8のヒドロキシル官能価と約160〜700のOH#を有する約500〜1000Mwのポリオールを使用する。硬質フォームはまた、フォーム組成物のイソシアネート(NCO)指数によって軟質フォームと区別することもできる。硬質フォーム組成物が100〜300のNCO指数を典型的に使用するのに対し、軟質フォーム組成物は70〜115のNCO指数を典型的に必要とする。
【0037】
積層体(断熱板)及び電気製品のフォームを作製する場合には、NCO指数は典型的に約100〜約300である。開放気泡のフォームを作製する場合には、NCO指数は典型的に約100〜約120であり、このフォームは通常はすべて水発泡型である。半軟質の成形フォームは、自動車分野の多くの用途に利用されている。主な用途は計器盤及びインテリアトリムである。2つの主成分は、ベースポリオールとコポリマーポリオール(CPP)である。ベースポリオールは約70〜100pphpのレベルで利用される。ベースポリオールの分子量は、トリオールの場合には約4500〜約6000であり、ジオールの場合には約2000〜約4000である。エチレンオキシドでキャップされたポリエーテルポリオールが、ベースポリオールとしてほとんどのポリエステルポリオールの代わりに使用されている。第一ヒドロキシルの含有量は、通常、約75wt%よりも大きく、キャッピング範囲は典型的に約10〜20wt%である。他の主成分は、最大約20wt%のレベルで使用されるCPPである。ベースポリオールとCPPは、硬さを高め、成形品の取り出しをより速くするために低分子量架橋剤と混合される。架橋剤のレベルは、完成部品の硬さ要件に応じて変化する。水のレベルは、約3〜約6ポンドの自由起泡密度を与えるよう選択される。さらに、硬化サイクル中にフォームの内圧を下げ、したがって圧力逃し気孔及び「分割線」を低減するため、気泡開放剤が半軟質フォームにおいて利用される。ビニルスキンの品質に応じて接着促進剤を添加し、ポリウレタンフォームとビニルスキンの間の接着を改善することができる。本発明の触媒組成物を使用することで従来のアミン触媒に関して典型的に観測されるビニルスキンの変色を低減することができる。なぜなら、アミド官能基のN−H基がイソシアネートと反応してポリウレタンポリマーと共有結合を形成することができるからである。
【0038】
以下の例において記載されるように、反応性の触媒組成物を用いて作製されたフォームは、産業標準により作製されたフォームと同じか又はそれよりも優れた品質を有する。さらに、本発明による触媒組成物は、以下の利点、即ち、完成ポリウレタン製品の低アミン放出;第三アミン触媒の低蒸気圧;完成ポリウレタン製品の低臭気;重合中及び重合後の第三アミン触媒の効果的な固定化;完成ポリウレタン製品のより低いアミン濃度;及び最適の物理的なポリウレタンフォーム特性、例えば、低減された圧潰力値を提供する。
【実施例】
【0039】
以下の例は説明を目的として与えられるものであり、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0040】
[例1:N−[2−ヒドロキシプロピル−(2−エチルヘキシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンの合成]
商業的に入手可能なトリエチレンテトラミン(約67wt%TETA)の試料約100g(0.647モル)を、Teflon(登録商標)コーティングされたマグネチックスターラーと圧力均一化滴下漏斗を備えた500mLの三口丸底フラスコに装入した。アミンを約80℃に加熱して窒素で加圧した。(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズよりEpodil(登録商標)746として商業的に入手可能な)2−エチルヘキシルグリシジルエーテル約60.2g(0.32モル)を30分間にわたってフラスコにゆっくりと添加した。添加の際、緩やかな発熱が観察され、温度が約84℃に上昇した。添加終了後、混合物を約120℃に加熱し、その温度で約30分間維持した。生成物を捕集し、真空下で蒸留して未反応のTETA(約59.0g)を除去した。粗生成物(約99.3g)をメタノールに溶解し、カーボン担持5%パラジウムの触媒約20gと一緒に反応器に入れた。反応器を水素で加圧し約80℃に加熱した。水素圧を監視しながら、ホルマリン(水中37%ホルムアルデヒド)をゆっくりと添加した。添加が終了した時点で、反応を約80℃で約30分間保持した。生成物を濾過し、蒸留によって生成物からメタノールと水を除去し、N−[2−ヒドロキシプロピル−2−(エチルヘキシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンを含有する混合物を得た。
【0041】
[例2:N−[2−ヒドロキシプロピル−(ドデシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンとN−[2−ヒドロキシプロピル−(テトラデシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンの合成]
商業的に入手可能なトリエチレンテトラミン(約67wt%TETA)の試料約100g(0.647モル)を、Teflon(登録商標)コーティングされたマグネチックスターラーと圧力均一化滴下漏斗を備えた500mLの三口丸底フラスコに装入した。アミンを約80℃に加熱して窒素で加圧した。(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズよりEpodil(登録商標)748として商業的に入手可能な)ドデシル/テトラデシルグリシジルエーテルの商業的に入手可能な混合物約87.3g(0.32モル)を30分間にわたってフラスコにゆっくりと添加した。添加の際、緩やかな発熱が観察され、温度が約84℃に上昇した。添加終了後、混合物を約120℃に加熱し、その温度で約30分間維持した。生成物を捕集し、真空下で蒸留して未反応のTETA(約53.3g)を除去した。粗生成物(約132.1g)をメタノールに溶解し、カーボン担持5%パラジウムの触媒20gと一緒に反応器に入れた。反応器を水素で加圧し約80℃に加熱した。水素圧を監視しながら、ホルマリン(水中37%ホルムアルデヒド)をゆっくりと添加した。添加が終了した時点で、反応を約80℃で約30分間保持した。生成物を濾過し、蒸留によって生成物からメタノールと水を除去し、N−[2−ヒドロキシプロピル−(ドデシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンとN−[2−ヒドロキシプロピル−(テトラデシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンを含有する混合物を得た。
【0042】
[例3:ポリウレタンフォームの起泡速度]
4つのフォームを調製した。フォームAは、ビス−ジメチルアミノエチルエーテル(DABCO(登録商標)BL−11)を用いて調製した。フォームBは、2−[N−(ジメチルアミノエトキシエチル)−N−メチルアミノ]エタノール(DMAEE−NM−EA)を用いて調製した。フォームCは、N−[2−ヒドロキシプロピル−2−(エチルヘキシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン(例1)を用いて調製した。フォームDは、N−[2−ヒドロキシプロピル−(ドデシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンとN−[2−ヒドロキシプロピル−(テトラデシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンの混合物(例2)を用いて調製した。
【0043】
各フォームについて、32オンス(951mL)の紙コップ内の(表2に記載される)予備混合物約192gに触媒を加えた。2インチ(5.1cm)直径の撹拌パドルを備えたオーバーヘッドスターラーにより配合物を約6000RPMで約10秒間混合した。
【0044】
【表2】

【0045】
約100のイソシアネート指数を有するフォームを生成するのに十分な量でトルエンジイソシアネートを添加した。同じスターラーにより配合物を約6000RPMで約6秒間十分に混合した。32オンスのコップを、スタンド上の128オンス(3804mL)の紙コップの底に設けられた穴を通すように降ろした。穴は32オンスのコップの口を捕らえるような大きさにした。紙コップの合計した総容積は約160オンス(4755ml)であった。フォームは、発泡プロセスの終了時にこの容積に近くなった。最大フォーム高さを記録した。フォームAとフォームBの特性の比較を下表3及び4に示す。
【0046】
【表3】

1:DABCO 33−LV(登録商標)は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズによって供給される商業的に入手可能な触媒である[ジプロピレングリコール中トリエチレンジアミンの33%溶液]。
2:DABCO(登録商標)B−11は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズによって供給される商業的に入手可能な触媒である[ジプロピレングリコール中ビス−ジメチルアミノエチルエーテルの70%溶液]。
3:DABCO(登録商標)NE1060は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズによって供給される商業的に入手可能な触媒である[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−尿素(87%)とN,N'−ビス−(3−ジメチルアミノプロピル)−尿素(13%)の75%ジプロピレングリコール溶液]。
4:DMAEE−NM−EA又は2−[N−(ジメチルアミノエトキシエチル)−N−メチルアミノ]エタノールは、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズによって供給される商業的に入手可能な触媒である。
【0047】
【表4】

【0048】
表3及び4に示されるように、同様の反応条件下では、本発明の触媒は、標準的な触媒(DABCO BL−11(登録商標)及びDMAEE−NM−EA)と同等の活性を有する。さらにはフォームの外観及び収縮率も本質的に同一であり、このことは、本発明の触媒組成物が標準的な触媒と比較して反応性の低下を示すことがなく、また、標準的な触媒によって生成されたフォームと比較してフォーム品質の低下を示すこともないことを示している。
【0049】
[例4:ポリウレタンフォームの物理的性質]
例1及び2の触媒と補助ゲル化触媒としてDABCO(登録商標)NE1060触媒を用いて自動車用クッションを製造した。2つのフォーム、フォームE(例1の触媒を使用)とフォームF(例2の触媒を使用)を、加熱された試験ブロック型において約65℃で作製した。圧潰力(FTC)の結果は、1000ポンド(453.6kg)の容量圧力変換器を50平方インチ(322.6cm2)の円形プレートと駆動軸の間に設けた機械装置により得た。Daytonモーター仕様、モデル4Z528は、1800のF/Lrpmと5.63インチ−ポンド(6.36×104m)のF/Lトルクで1/6馬力(124.3J/s)を含む。
【0050】
フォームパッドを元の厚さの50%に圧縮し、圧縮するのに必要な力を測定して総ポンド(ニュートン)で記録した。使用した装置は、ASTM D−3574、押込み力撓み試験と類似のものであり、1分後に取り出されたフォームの初期の硬さ又は軟らかさに関する数値が得られる。表5に示すように、界面活性基を有するアミン触媒を用いて生成したフォームからはより低いFTC値が得られる。
【0051】
【表5】

【0052】
[例5:ポリウレタンフォームの起泡速度及び物理的性質]
3つのフォーム、フォームG(例1の触媒を使用)、フォームH(例2の触媒を使用)及びフォームI(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズから商業的に入手可能な触媒、DABCO BLV(登録商標)を使用)を調製した。各フォームについて、32オンス(951mL)の紙コップ内の(表6に記載される)予備混合物339.2gに触媒を加えた。2インチ(5.1cm)直径の撹拌パドルを備えたオーバーヘッドスターラーにより配合物を約6000RPMで約10秒間混合した。
【0053】
【表6】

5:VORANOL 3512A(登録商標)は、ダウ・ケミカルズによって供給される商業的に入手可能なポリオールである。
6:DABCO(登録商標)DC5982は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズによって供給される商業的に入手可能なシリコン界面活性剤である。
7:DABCO(登録商標)T−10は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズによって提供される商業的に入手可能なスズ触媒である。
【0054】
約108のNCO指数を有するフォームを生成するのに十分な量でトルエンジイソシアネートを添加した。同じスターラーにより配合物を約6000RPMで約6秒間十分に混合した。紙コップの内容物を3.5ガロンの容器に注いだ。フォームは、発泡プロセスの終了時にこの容積に近くなった。起泡速度を記録し、物理的性質を評価した。フォームG、H及びIの特性の比較を下表7及び8に示す。
【0055】
【表7】

【0056】
【表8】

【0057】
[例6:N−[2−ヒドロキシプロピル−(2−エチルヘキシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンの化学分析]
Varian 3400ガスクロマトグラフに接続されたFinnigan SSQ7000シングル四重極質量分析計を用いたガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)によって例1の触媒組成物を分析した。0.1μmの膜厚を有する30M×0.25mm ID架橋型(5%フェニル)メチルポリシロキサンのキャピラリーカラムを成分の分離に使用した。キャリヤーガスとしてヘリウムを使用した。電子エネルギー70eVの電子イオン化(EI)モードで試料を分析し、構造を同定するための断片を得た。さらに、化学イオン化ガスとしてアンモニアを用いて化学イオン化(CI)モードで試料を分析し、分子量を得た。アンモニア−d3を用いてCI分析を繰り返し、所定化合物の不安定水素の数を測定した。
【0058】
試料において同定した主な成分は、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルと反応するTETAの1:1生成物であった。TETAは5つの直鎖及び環状化合物の混合物であるため、1:1生成物の8つの異性体が可能である。8つすべての異性体を試料中に観測した。これらの成分は以下に与える構造を有する。
【0059】
成分A
【化8】

【0060】
成分B
【化9】

【0061】
成分C
【化10】

【0062】
成分D
【化11】

【0063】
成分E
【化12】

【0064】
成分F
【化13】

【0065】
成分G
【化14】

【0066】
成分H
【化15】

【0067】
ピーク面積の割合から計算したこれら8つの1:1異性体生成物の近似分布を下表9に示す。
【0068】
【表9】

【0069】
種々の1:2(TETA:グリシジルエーテル)異性体をGC−MS分析で観測した。これらの成分の分子量は、約574及び約572ダルトンであった。分析される化合物の揮発性が高いため、1:2生成物の観測は困難であり、如何なる1:3又は1:4生成物も観測されない。TETA:グリシジルエーテル付加分布を測定するために、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析を実施した。MALDI実験は、Bruker Biflex TOFMSによって実施した。試料をメタノール中で調製し、約0.25Mの2,5−ジヒドロ安息香酸マトリックス溶液と混合した。試料をN2レーザーで照射し、陽イオンをTOFMSで分析した。1:1、1:2及び1:3のTETA/グリシジルエーテル成分を表すピーク群を観測した。1:4のTETA/グリシジルエーテル成分は本方法では検出されなかった。MALDI分析によって確認した3つのグループの分布を下表10に示す。
【0070】
【表10】

【0071】
[例7:N−[2−ヒドロキシプロピル−(ドデシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンとN−[2−ヒドロキシプロピル−(テトラデシル)−エーテル]−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンの化学分析]
例2の触媒組成物を例6で示したように分析した。試料において同定した主な成分は、ドデシル/テトラデシルグリシジルエーテルと反応するTETAの1:1生成物であった。可能性のある8つの1:1異性体生成物のうち7つをGC−MS分析において観測した。おそらく濃度が非常に低いために本方法では観察されない1つの異性体(成分I)は、例6の成分Aに類似した構造である。これらの成分は以下に与える構造を有する。
【0072】
成分I
【化16】

【0073】
成分J
【化17】

【0074】
成分K
【化18】

【0075】
成分L
【化19】

【0076】
成分M
【化20】

【0077】
成分N
【化21】

【0078】
成分O
【化22】

【0079】
成分P
【化23】

【0080】
ピーク面積の割合から計算したこれら8つの1:1異性体生成物の近似分布を下表11に示す。
【0081】
【表11】

【0082】
1:1、1:2のTETA/グリシジルエーテル成分を表すピーク群をMALDI分析により観測した。MALDI分析によって確認したこれらのグループの分布を下表12に示す。
【0083】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化1】

を有し、
式中、
1及びR2が独立して1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Yが
【化2】

又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Zが
【化3】

であり;
3が水素、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜約10個の炭素原子を有するアルケニル基であり;
4が1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基であり;
5が水素、1〜約35個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約35個の炭素原子を有するアルケニル基であり;及び
nが1と7を含めた1〜7の整数である、化合物。
【請求項2】
1及びR2がメチル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yがメチル基又は
【化4】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
3が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
4が1〜約18個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約18個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
5が水素、1〜約17個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約17個の炭素原子を有するアルケニル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
nが1と3を含めた1〜3の整数である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
1及びR2がメチル基であり;
Yがメチル基又は
【化5】

であり;
3が水素であり;
4が1〜約18個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約18個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基であり;
5が水素、1〜約17個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約17個の炭素原子を有するアルケニル基であり;及び
nが1と3を含めた1〜3の整数である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
N−(2−ヒドロキシプロピル−オクタデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘプタデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキサデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ペンタデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−テトラデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−トリデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ドデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ウンデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−デシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ノニルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘプチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ペンチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ブチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−エチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−メチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクタデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘプタデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキサデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ペンタデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−テトラデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−トリデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ドデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ウンデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−デシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ノニルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘプチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ペンチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ブチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−エチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−メチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;又はそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
N−(2−ヒドロキシプロピル−オクタデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキサデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−テトラデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ドデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−デシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ブチルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクタデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキサデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−テトラデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ドデシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−デシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−オクチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ヘキシルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル−ブチルエーテル)−N,N',N''テトラメチルジエチレントリアミン;又はそれらの任意の組み合わせである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
N−(2−ヒドロキシプロピル−ドデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンとN−(2−ヒドロキシプロピル−テトラデシルエーテル)−N,N',N'',N'''ペンタメチルトリエチレンテトラミンの混合物である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
アルキルグリシジルエーテルとエチレンアミンを反応させることによって製造される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記アルキルグリシジルエーテルが、オクタデシルグリシジルエーテル、ヘプタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記エチレンアミンが、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミンである、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
一般式
【化6】

を有し、
式中、
1及びR2が独立して1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Yが
【化7】

又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Zが
【化8】

であり;
3が水素、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜約10個の炭素原子を有するアルケニル基であり;
4が1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基であり;
5が水素、1〜約35個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約35個の炭素原子を有するアルケニル基であり;及び
nが1と7を含めた1〜7の整数である、一般式
【化9】

を有する化合物を製造する方法。
【請求項16】
前記アルキルグリシジルエーテルが、1〜約35個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アルキル基が、オクタデシル、ヘプタデシル、ヘキサデシル、ペンタデシル、テトラデシル、トリデシル、ドデシル、ウンデシル、デシル、ノニル、オクチル、ヘプチル、ヘキシル、ペンチル、ブチル、エチル又はメチルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記エチレンアミンが、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、又はペンタエチレンヘキサミンである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
(a)少なくとも1つの有機イソシアネート化合物と;
(b)少なくとも1つのポリオールと;
(c)少なくとも1つの発泡剤と;
(d)一般式
【化10】

を有し、
式中、
1及びR2が独立して1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Yが
【化11】

又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Zが
【化12】

であり;
3が水素、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜約10個の炭素原子を有するアルケニル基であり;
4が1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基であり;
5が水素、1〜約35個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約35個の炭素原子を有するアルケニル基であり;及び
nが1と7を含めた1〜7の整数である少なくとも1つの第三アミン触媒化合物と
を接触させることを含む、発泡ポリウレタンを製造する方法。
【請求項20】
(a)少なくとも1つの有機イソシアネート化合物と;
(b)少なくとも1つの活性水素含有化合物と;
(c)一般式
【化13】

を有し、
式中、
1及びR2が独立して1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Yが
【化14】

又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Zが
【化15】

であり;
3が水素、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜約10個の炭素原子を有するアルケニル基であり;
4が1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基であり;
5が水素、1〜約35個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約35個の炭素原子を有するアルケニル基であり;及び
nが1と7を含めた1〜7の整数である少なくとも1つの第三アミン触媒化合物と
を接触させることを含む、有機イソシアネート化合物と活性水素含有化合物の反応を触媒する方法。
【請求項21】
(a)少なくとも1つの有機イソシアネート化合物と;
(b)一般式
【化16】

を有し、
式中、
1及びR2が独立して1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Yが
【化17】

又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり;
Zが
【化18】

であり;
3が水素、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜約10個の炭素原子を有するアルケニル基であり;
4が1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、1〜約36個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルケニル基、又は一般式−CO−R5を有するアシル基であり;
5が水素、1〜約35個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル基、又は1〜約35個の炭素原子を有するアルケニル基であり;及び
nが1と7を含めた1〜7の整数である少なくとも1つの第三アミン触媒化合物と
を接触させることを含む、少なくとも1つの有機イソシアネート化合物の三量化反応を触媒する方法。

【公開番号】特開2006−257086(P2006−257086A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−74621(P2006−74621)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】