説明

ポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法

【課題】ゴム中へ埋め込まれた状態での長時間高温下における接着劣化が少なく、かつゴム中に埋め込まれ繰り返し伸長圧縮下の疲労性劣化を抑制すると共に、生産性、ゴムとの接着性およびコード強力が優れ、かつ高弾性率を有するポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエステル繊維を、共役ジエン系単量体40〜60重量%、ビニルピリジン系単量体13〜20重量%およびスチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスを含む接着剤組成物で処理した後、0.2cN/dtex以上に調整されたノルマライジング張力下で熱処理を施すことを特徴とするポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接着組成物で処理されたポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、ゴム中へ埋め込まれた状態での長時間高温下における接着劣化が少なく、かつゴム中に埋め込まれ繰り返し伸長圧縮を受けたときの疲労性劣化を抑制すると共に、生産性、ゴムとの接着性およびコード強力が優れ、かつ高弾性率を有するポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート繊維で代表されるポリエステル繊維は、強度、モジュラスおよび寸法安定性などにすぐれているため、例えばタイヤ、ベルト、ホースなどのゴム中へ埋め込まれた状態で実用されるゴム補強用繊維として広く用いられている。
【0003】
しかし、ポリエステル繊維は、ナイロンやレーヨンなどの他の繊維にくらべてゴムとの接着性が悪いため、ポリエステル繊維とゴムとの接着性を改良する技術が従来から種々提案されている。
【0004】
そして、それらゴムとの接着性改良技術の代表的な手法は、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、ハロゲン化フェノール化合物などを含む接着剤組成物の使用であり、現在ではこれら接着剤組成物を付与されたポリエステル繊維が、自動車用タイヤ、ホース、ベルトなどのゴム製品の補強材として広く利用されている。
【0005】
しかしながら、上述した公知の接着剤処理を施されたポリエステル繊維は、その新たな用途展開、例えばゴム製品中で長時間高温にさらされる用途を考えた場合に、ゴムとポリエステル繊維との接着力が大幅に低下するという、つまり耐熱接着力が劣るという問題があった。
【0006】
タイヤコード用途では、ポリエチレンテレフタレート系繊維は、性能、コスト面の優位性より、ラジアルタイヤのカーカスプライコードの主流となっているが、ベルト外層部に用いられるキャッププライコードにおいては、特に耐熱接着性が強く要求される為、接着性に優れるナイロン66が主流である。
【0007】
その一方、ナイロン66繊維は、基本的に弾性率が低いため、高速耐久性を重視したタイヤではコード打ち込み数を増やすなどの対処が必要であり、タイヤの重量が重くなるという欠点がある。それに対して、より弾性率の高いポリエチレンテレフタレートを用いることも提案されているが、耐熱接着性が低いため実用上使えないのが実状である。(例えば、特許文献1参照)
【0008】
そして、上記耐熱接着力の不足は、高温下においてゴム配合物から発生するアンモニア、アミンおよび水分などの作用によるポリエステル繊維そのものの劣化や、ゴムとの接着結合の劣化が原因とされており、これに対して種々の改善案が提示されてきた。
【0009】
その代表例としては、2,6−ビス(2´,4´−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロルフェノ−ルのようなハロゲン化フェノールと、レゾルシンと、ホルムアルデヒドとの反応生成物を、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物およびゴムラテックスからなる液(RFL液)に混合したものを接着剤組成物として用い、ポリエステル繊維に対し付与する方法(例えば、特許文献2参照)が挙げられる。
しかるに、この方法では、十分な接着力(引抜力)を得るためには、接着剤組成物のポリエステル繊維に対する付着量を多くし、かつ高温熱処理を行うことが必要であり、これにより通常の温度条件下での初期接着力(引抜力)はほぼ満足されるが、逆に長時間高温にさらされたときの耐熱接着力および処理コードの強力が著しく低下するという問題があった。
【0010】
一方、ポリエステル繊維を、エポキシ化合物と、ブロックドイソシアネート化合物と、ゴムラテックスとの混合液からなる第1処理液を付与し、次いでRFLからなる第2処理液を付与する方法(例えば、特許文献3参照)も提案されているが、この方法では、得られる処理コードの初期接着力(引抜力)は比較的高いという利点を有する反面、高温にさらされた時の耐熱接着力は、上述した特許文献2に記載の方法に比較すれば若干高いものの、いまだに十分といえるものではないばかりか、処理コードが硬くなってコード強力低下を招くこと、成型加工が困難になること、および耐疲労性が低下することなどの種々の問題を包含していた。
【0011】
また、熱処理後の繊維コードの強力低下が少なく、かつゴムと繊維との間に良好な接着力を与える接着剤組成物として、レゾルシン−ホルマリン樹脂と、共役ジエン系単量体、ビニルピリジン系単量体およびこれらと共重合可能な単量体からなる共重合ラテックスを含むゴムと繊維との接着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、この接着剤組成物で処理されたコードは、接着性は満足されるが、コード剛さが剛く、タイヤ成型時にトッピングシートのうねり、そり等が発生する問題があり充分とはいえない。
【0012】
これら、問題に対して、ポリエステル繊維を、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスを含む接着剤組成物で処理する方法(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
しかしながら、上述の特許文献5では、具体的な用途について考慮されていない為、高弾性率が要求されるタイヤキャッププライコードに適した力学特性を有していない。
【0013】
【特許文献1】特開昭59−124407号公報
【特許文献2】特公昭46−11251号公報
【特許文献3】特公昭60−24226号公報
【特許文献4】特開平3−56579号公報
【特許文献5】特開平9−21072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述した従来技術における問題点を解消するために検討した結果、達成されたものである。したがって、本発明の目的は、ゴム中へ埋め込まれた状態での長時間高温下における接着劣化が少なく、かつゴム中に埋め込まれ繰り返し伸長圧縮を受けたときの疲労性劣化を抑制すると共に、生産性、ゴムとの接着性およびコード強力がすぐれ、かつ高弾性率を有するポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。即ち本発明は以下の構成をとるものである。
1.ポリエステル繊維を、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスを含む接着剤組成物で処理した後、0.2cN/dtex以上に調整されたノルマライジング張力下で熱処理を施すことを特徴とするポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
2.ポリエステル繊維を、ポリエポキシド化合物と、ブロックドポリイソシアネート化合物と、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスと、ケイ酸塩化合物との混合物からなる第1処理液で処理し、次いでレゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、前記三元共重合体ゴムラテックスと、エチレン尿素化合物との混合物からなる第2処理液で処理した後、0.2cN/dtex以上に調整されたノルマライジング張力下で熱処理を施すことを特徴とするポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
3.ポリエステル繊維を、ポリエポキシド化合物と、エチレン尿素化合物と、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスとの混合物からなる第1処理液で処理し、次いでレゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、前記三元共重合体ゴムラテックスと、エチレン尿素化合物との混合物からなる第2処理液で処理した後、0.2cN/dtex以上に調整されたノルマライジング張力下で熱処理を施すことを特徴とするポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
4.ノルマライジング張力が0.3cN/dtex以上である上記1〜3のいずれかに記載のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
5.ノルマライジング張力が0.4cN/dtex以上である上記1〜3のいずれかに記載のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
6.ポリエステル繊維としてK=T√Dで表されるコードの撚係数Kが2500以下となる撚り与えた未処理コードを使用したことを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
ここで、Tはコードの上撚り数(回/10cm)、Dはコードの基準繊度(dtex)。
【0016】
すなわち、本発明のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法は、ポリエステル繊維を、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスを含む接着剤組成物で処理することを特徴とする。より具体的には、次の2タイプの処理方法を包含する。
【0017】
第1として、ポリエステル繊維を、ポリエポキシド化合物と、ブロックドポリイソシアネート化合物と、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスと、ケイ酸塩化合物との混合物からなる第1処理液で処理し、次いでレゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、前記三元共重合体ゴムラテックスと、エチレン尿素化合物との混合物からなる第2処理液で処理することを特徴とするポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
【0018】
第2として、ポリエステル繊維を、ポリエポキシド化合物と、エチレン尿素化合物と、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスとの混合物からなる第1処理液で処理し、次いでレゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、前記三元共重合体ゴムラテックスと、エチレン尿素化合物との混合物からなる第2処理液で処理することを特徴とするポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
【0019】
そして、上記2タイプのポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法は、ポリエステル繊維に、K=T√Dで表される撚係数Kが2500以下(ここで、Tはコードの上撚り数(回/10cm)、Dはコードの基準繊度(dtex))となる撚り与えた未処理コードに、第1処理液を付与した後、70〜150℃で乾燥、200〜245℃で熱処理し、次いで第2処理液を付与した後、70〜150℃で乾燥した後、0.2cN/dtex以上、好ましくは0.3cN/dtex以上、更に好ましくは0.4cN/dtex以上に調整されたノルマライジング張力下で、220〜250℃で熱処理する二浴接着剤処方により製造されることが好ましい。
【0020】
以下に本発明について詳細に説明する。本発明で用いるポリエステル繊維とは、ポリエチレンテレフタレートまたは主としてエチレンテレフタレート単位からなる高分子量の線状ポリエステルを素材としてなるフィラメント糸、コード、織物および織布などの形態を含むものであり、本発明の接着剤組成物による処理は任意の形態のポリエステル繊維に対して施される。
【0021】
次に、本発明で使用する接着剤組成物について説明する。本発明で使用する接着剤組成物は、基本的に共役ジエン系単量体40〜60重量%、好ましくは45〜55重量%、ビニルピリジン系単量体13〜20重量%、好ましくは15〜18重量%、およびスチレン系単量体25〜45重量%、好ましくは30〜40重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスを含有することを必須要件とする。
【0022】
上記三元共重合体ゴムラテックスにおいて、共役ジエン系単量体としては1,3−ブタジエンが好ましく用いられ、この共役ジエン系単量体の共重合量が40重量%未満では得られる処理コードの初期接着力が低下し、60重量%を越えると処理コードの耐熱接着力が低下するため好ましくない。
【0023】
また、ビニルピリジン系単量体としては2−ビニルピリジンが好ましく用いられ、その共重合量が13〜20重量%の範囲を外れる場合には、処理コードの初期接着力および耐熱接着力が低下するため好ましくない。
【0024】
さらに、スチレン系単量体としてはスチレンが好ましく用いられ、その共重合量が25〜45重量%の範囲を外れる場合には、処理コードの初期接着力が低下する傾向となるため好ましくない。
【0025】
そして、三元共重合体ゴムラテックスは、分散ゴム粒子の重量平均粒子径が110〜250nmが好ましく、より好ましくは120〜180nmであり、ラテックスのムーニー粘度は100〜140が好ましく、より好ましくは110〜130である。
【0026】
なお、三元共重合体ゴムラテックスにおける分散ゴム粒子の重量平均粒子径が110nm未満では、処理コードの耐熱接着力が低下する傾向となり、250nmを越えると、ラテックス自体の安定性が損なわれることになるため好ましくない。
【0027】
また、三元共重合体ゴムラテックスのムーニー粘度が100未満では、熱処理時における処理コードの強力低下が大きくなり、140を越えると、処理コードの初期接着力が低下する傾向となるため好ましくない。
【0028】
上記三元共重合体ゴムラテックスは、二浴接着剤処方によりポリエステル繊維に対し付与される。
【0029】
二浴接着剤処方の接着剤組成物としては、次の二処方が挙げられ、これにより上記第1および第2タイプのポリエステルタイヤキャッププライコードが得られる。
【0030】
第1の処方は、ポリエポキシド化合物と、ブロックドポリイソシアネート化合物と、上記三元共重合体ゴムラテックスと、ケイ酸塩化合物との混合物からなる第1処理液、およびレゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、前記三元共重合体ゴムラテックスと、エチレン尿素化合物との混合物からなる第2処理液の二液からなり、これら第1処理液および第2処理液は、ポリエステル繊維に対し順次付与される。
【0031】
また、第2の処方は、ポリエポキシド化合物と、エチレン尿素化合物と、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、上記三元共重合体ゴムラテックスとの混合物からなる第1処理液、およびレゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、前記三元共重合体ゴムラテックスと、エチレン尿素化合物との混合物からなる第2処理液の二液からなり、これら第1処理液および第2処理液はポリエステル繊維に対し順次付与される。
【0032】
以下に、上記各接着剤組成物における構成成分の詳細について説明する。
【0033】
まず、上記二浴接着剤処方の第1処理液に含まれるポリエポキシド化合物とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を含有する化合物であり、具体的にはグリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類と、エピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂およびレゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂などの多価フェノール類と、前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、およびビス−(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキセンエポキシドなどの不飽和結合部分を酸化して得られるポリエポキシド化合物などが挙げられ、なかでも多価アルコール類とエピクロルヒドリンの反応生成物(多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物)が好ましく使用される。
【0034】
同じくブロックドポリイソシアネート化合物とは、加熱によりブロック剤が遊離して活性なイソシアネート化合物を生じるものであり、具体的にはトリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびトリフェニールメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物と、フェノール、クレゾール、レゾルシンなどのフェノール類,ε−カプロラクタム、バレロラクタムなどのラクタム類,アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム類およびエチレンイミンなどのブロック化剤との反応物が挙げられ、なかでもε−カプロラクタムでブロックされた芳香族ポリイソシアネート化合物(ブロックド芳香族ポリイソシアネート)およびジフェニルメタンジイソシアネートの芳香族化合物が好ましく使用される。
【0035】
エチレン尿素化合物は、加熱によりエチレンイミン環が開環して反応し、接着性を向上させるものであり、その代表例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびトリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族、脂肪族イソシアネートと、エチレンイミンとの反応生成物が挙げられ、なかでもジフェニルメタンジエチレン尿素などの芳香族エチレン尿素化合物が好ましく使用される。
【0036】
ケイ酸塩化合物としては、合成された親水性スメクタイトが好ましい。
【0037】
次に、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物は、上記三元共重合体ゴムラテックスと共に、通常RFLと呼ばれるラテックスを形成するものである。
【0038】
なお、本発明においては、上記三元共重合体ゴムラテックスと共に、他のゴムラテックス、例えばスチレン−ブタジエン系ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴムラテックス、クロロプレン系ゴムラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックス、アクリレート系ゴムラテックスおよび天然ゴムラテックスなどを適宜併用することができる。
【0039】
次に、本発明で使用する各接着剤組成物における各構成成分の配合割合について説明する。
【0040】
まず、上記二浴接着剤処方の第1の処方における第1処理液は、三元共重合体ゴムラテックスの固形分100重量部に対し、ポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物を、好ましくはそれぞれ12〜25重量部および25〜45重量部、より好ましくは14〜20重量部および30〜40重量部の割合で配合することが好ましい。
【0041】
この場合に、ケイ酸塩化合物、特に合成親水性スメクタイトは、上記ポリエポキシド化合物、ブロックドポリイソシアネート化合物および三元共重合体ゴムラテックスの混合物100重量部に対し、1〜15重量部、特に3〜10重量部の割合で配合することが好ましい。
【0042】
上記の配合割合において、ポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物の配合量が上記の範囲よりも少ない場合は、処理コードの初期接着力が低下するため好ましくない。
【0043】
また、合成親水性スメクタイトの配合量が1重量部未満では、処理コードが硬くなり、15重量部を越えると接着力が低下するため好ましくない。
【0044】
この第1の処方における第1処理液は、通常総固形分濃度3〜15%、特に4〜10%で使用するのが好ましく、ポリエステル繊維への付着率は、乾燥重量比でポリエステル繊維100重量部に対し0.8〜3.0重量部、特に1.0〜2.5重量部が好ましい。
【0045】
第1処理液の固形分濃度が高くなると、処理コードの硬化に伴ない耐疲労性が低下し、処理液の安定性にも問題を生じるため好ましくない。
【0046】
また、第1処理液の付着率が0.8重量部を下まわると、処理コードの接着力が、また3.0重量部を越えると、処理コードの疲労性が、それぞれ低下するため好ましくない。
【0047】
次に、上記二浴接着剤処方の第2の処方における第1処理液は、まず三元共重合体ゴムラテックスの固形分100重量部に対し、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物を好ましくは2〜10重量部、より好ましくは4〜6重量部混合してRFLとなす。
【0048】
ここで、三元共重合体ゴムラテックスに対するレゾルシン・ホルマリン初期縮合物の添加量が2重量部未満では、処理コードが硬くなり、10重量部を越えると、処理コードの耐熱接着力が低下するため好ましくない。
【0049】
また、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物は、アルカリ触媒下で得られたものが好ましく、レゾルシン/ホルマリンのモル比は、レゾルシン1モルに対しホルマリン0.75〜2.00モルの範囲が好ましい。
【0050】
そして、この第1処理液は、上記RFL100重量部に対し、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、エチレン尿素化合物を20〜40重量部混合することにより調製され、この配合割合を外れる場合には、本発明の目的を達成することができない。
【0051】
この第2の処方の第1処理液は、通常固形分濃度5〜15%で使用され、ポリエステル繊維への付着率は、乾燥重量基準でポリエステル繊維100部に対し1.0〜5.0部になるように処理することが好ましい。
【0052】
二浴接着剤処方における第2処理液においては、まずレゾルシン・ホルマリン初期縮合物および上記三元共重合体ゴムラテックスの混合物である通常RFLと呼ばれているものを準備する。
【0053】
ここで、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物は、アルカリ触媒下で得られたものが好ましく、レゾルシン1モルに対し、ホルマリン0.74〜2.0モルの割合であることが好ましい。
【0054】
また、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物と三元共重合体ゴムラテックスの配合比率は、固形分重量比で1:3〜1:12、好ましくは、1:5〜1:9の範囲で使用される。
【0055】
そして、上記のように調製されたRFL100重量部に対し、初期接着性向上のために、4,4´−ジフェニルメタンビスエチレン尿素などのエチレン尿素化合物を、5〜20重量部混合することにより、第2処理液が得られる。
【0056】
この第2処理液は、通常固形分濃度で8〜15%で使用され、ポリエステル繊維への付着率は、乾燥重量基準でポリエステル繊維100部に対し0.2〜2.5部になるように処理することが好ましい。
【0057】
なお、第1処理液および第2処理液は、上述の成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含んでもよい。
【0058】
上記二浴接着剤処方を用いてポリエステルタイヤキャッププライコードを製造するに際しては、まず、ポリエステル繊維に下撚りを付与し、次いで2本以上の下撚り糸を引き揃えて、K=T√Dで表される撚係数Kが2500以下となる上撚りを付与し、未処理コードとなすことが好ましい。撚係数Kが2500を超えると、高弾性率コードが得られ難くなるばかりでなく、強力も低下しタイヤキャッププライコードとして不向きである。ここで、Tはコードの上撚り数(回/10cm)、Dはコードの基準繊度(dtex)である。
【0059】
次に、この未処理コードに対し、上記第1処理液を付与し、引き続いて70〜150℃で乾燥した後、200〜245℃で熱処理を施す。引き続き、上記第2処理液を付与し、第1処理液の場合と同様に70〜150℃で乾燥した後、0.2cN/dtex以上、好ましくは0.3cN/dtex以上、更に好ましくは0.4cN/dtex以上に調整されたノルマライジング張力下で、220〜240℃で熱処理を施すことにより、本発明のポリエステルタイヤキャッププライコードが得られる。ノルマライジング張力が、0.2cN/dtex未満では、目的とする高弾性率コードを得ることができない。
【0060】
弾性率の評価メジャーとして、2.0cN/dtex荷重時の伸度(以下、中間伸度と称する)を用い、中間伸度は5.0%以下、好ましくは4.0%以下、更に好ましくは3.5%以下である。タイヤキャッププライコードにおいては高弾性率なコードを用いることによって、タイヤのロードノイズ低減、高速性向上が得られるのは公知の事実である。中間伸度が5.0%より高いとタイヤキャッププライコードとして不向きである。
【0061】
また、第1処理液を溶融紡糸したポリエステル未延伸糸上に付着させて延伸・熱処理を行った後、第2処理液で処理するようにしてもよい。
【0062】
なお、上記接着剤組成物をポリエステル繊維コードに付着せしめるには、ローラーとの接触、もしくはノズルからの噴霧による塗布、または液浴への浸漬など任意の方法を採用することができる。
【0063】
また、繊維に対する各処理液の固形分付着量を制御するために、圧接ローラーによる絞り、スクレバーによるかき落とし、空気吹き付けによる吹き飛ばし、吸引、吸収、およびピーターによる叩打などの手段を用いてもよい。
【0064】
さらには、上記の乾燥、熱処理後に処理繊維をエッジに摺接させて断糸が起こらない程度のブレーディング柔軟化処理を施すこともできる。
【0065】
このようにして処理して得られる本発明のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法は、特定処方の接着剤組成物を用いたため、従来の接着剤組成物で処理したものに比較してゴムとの初期接着力および耐熱接着力がすぐれると共に、接着剤処理時にローラーなどに付着するガムアップ現象が解消して生産性が向上し、かつ柔軟性、コード強力および耐疲労性が改良されたものであり、かつ、特定のノルマライジング張力下での熱処理により高弾性率を発現させることが可能となり、タイヤキャッププライコードとして極めて好適な製品を与えることができる。
【0066】
また、本発明の製造方法によれば、ガムアップ現象が解消して生産性がすぐれ、高品位のポリエステルタイヤキャッププライコードを効率的に製造することができる。
【実施例】
【0067】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0068】
なお、以下の各実施例および比較例における各測定値は、次の方法により求めたものである。
(強伸度)
JIS−L1017 8.5(2002)に準拠し、20℃、65%RHの温湿度管理された恒温室で24時間以上放置後、引張試験機で、強伸度を測定した。
弾性率の評価メジャーとして、2.0cN/dtex荷重時の伸度(以下、中間伸度と称する)を用いる。中間伸度が低いほど弾性率が高いことを示す。
(繊度)
JIS−L1017 8.3(2002)に準拠し、20℃、65%RHの温湿度管理された恒温室で24時間以上放置後、繊度を測定した。
(引抜接着)
JIS−L1017 附属書1 3.1(2002)のTテスト(A法)を改良したHテストにより評価した。
処理コードをタイヤ用ゴム中に1cmの長さ埋め込み、140℃で40分(初期)または170℃で60分(過加硫)加硫した後、常温でゴムからコードを300mm/分で引き抜くのに要する力をN/cmで表したものである。
(ゴム中強力劣化)
処理コードをタイヤ用ゴム中に埋め込み、170℃で180分加硫した後、ゴムからコードを取り出して加硫後の強力を測定し、加硫前との保持率で表したものである。
(耐疲労性)
JIS−L1017 附属書1 2.2.2(2002)のディスク疲労強さ(グッドリッチ法)により評価した。
処理コード2本をタイヤ用ゴム中に埋め込み、 140℃で40分加硫してゴムコンポジットを作成する。この試験片を圧縮12.5%、伸張6.3%の変形を回転数2600rpmで50時間与えた後、ゴムからコードを取り出して疲労後強力を測定し、疲労前との保持率で表したものである。
(コード硬さ)
JIS−L1096 8.20.1 A法(1999)のガーレ法により評価した。
ガーレ式ステフィネステスターの振子支点より下部5.08cmの位置に25gの荷重を取り付ける。コード長3.81cmの試料を可動アームのチャックに取り付け(チャックと振子の自由端間の試長は2.54cm)、可動アーム作動させ、試料が振子の自由端を離れる瞬間の目盛りRGとし、次式よりコード硬さを求めた。
コード硬さ(mN)=RG×2.46/コードゲージ(cm)
(ローラー汚れ)
ディップ処理機のローラーに付着した粕の状態を下記の基準で目視判定した。
○:粕付着殆ど見られず、△:部分的に粕付着見られる
【0069】
(実施例1)
固有粘度0.95dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを、紡糸温度300℃で孔数190の紡糸口金より溶融吐出させ、320℃の加熱領域を通過させた後、20℃の冷却風により冷却固化させ、紡糸速度550m/分で引き取り、続いて、延伸倍率5.8倍で延伸、3.0%弛緩させた後、巻き取った。こうして得られた1100dtex、190フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸(固有粘度0.88dl/g、強度8.3cN/dtex)を2本撚り合わせ、撚数47×47(t/10cm)の生コードを得た。
このコードを下記の第1処理液A中に浸漬させ、処理液の付いたコードを圧力調整した絞りロールで絞り、余剰な液を削除する。次いで、処理液を付与させたコードに4.0%のストレッチ率を与えながら、120℃のオーブンで56秒間乾燥、次いで、235℃のオーブンで45秒間熱処理させた。この時のホットストレッチ張力は11.0N/cord(0.50cN/dtex)であった。
引き続き、下記の第2処理液C中にコードを浸漬させ、エアーにより余剰な液を削除する。次いで、処理液を付与させたコードに−2.0%のリラックス率を与えながら、120℃オーブンで56秒間乾燥、次いで、235℃のオーブンで45秒間熱処理させた。この時のノルマライジング張力は5.6N/cord(0.25cN/dtex)であった。
【0070】
(実施例2)
実施例1の処理において、第2処理液付与後の乾燥・熱処理時のリラックス率を−1.0%に変更した。この時のノルマライジング張力は8.1N/cord(0.37cN/dtex)であった。それ以外は実施例1と同様の生コード、処理液を用いてディップ処理を行った。
【0071】
(実施例3)
実施例1の処理において、第2処理液付与後の乾燥・熱処理時のリラックス率を0%に変更した。この時のノルマライジング張力は10.6N/cord(0.48cN/dtex)であった。それ以外は実施例1と同様の生コード、処理液を用いてディップ処理を行った。
【0072】
(実施例4)
実施例1の処理において、撚数33×33(t/10cm)の生コードを用い、第2処理液付与後の乾燥・熱処理時のリラックス率を0%に変更した。この時のノルマライジング張力は14.1N/cord(0.64cN/dtex)であった。それ以外は実施例1と同様の処理液を用いてディップ処理を行った。
【0073】
(比較例1)
実施例1の処理において、第2処理液付与後の乾燥・熱処理時のリラックス率を−4.0%に変更した。この時のノルマライジング張力は3.5N/cord(0.16cN/dtex)であった。それ以外は実施例1と同様の生コード、処理液を用いてディップ処理を行った。
【0074】
(比較例2)
実施例4の処理において、第2処理液付与後の乾燥・熱処理時のリラックス率を−6.0%に変更した。この時のノルマライジング張力は3.1N/cord(0.14cN/dtex)であった。それ以外は実施例4と同様の生コード、処理液を用いてディップ処理を行った。
【0075】
(比較例3)
処理液の比較として、下記の第1処理液B、第2処理液Dを用い、それ以外は実施例1と同様の生コードを用い、同条件でディップ処理を行った。
【0076】
(第1処理液A)
ポリエポキシド化合物、ε−カプロラクタムでブロックされた4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ブタジエン55重量%/ビニルピリジン15重量%/スチレン30重量%からなる三元共重合体ゴムラテックス(ムーニー粘度110、重量平均粒子径170nm)および合成親水性スメクタイトを、固形分重量基準でそれぞれ10.0部、20.0部、66.0部および4.0部の割合で混合した固形分濃度5.5%の混合物を調製した。なお、上記において、RFLは、アルカリの存在下でレゾルシン1モルに対し、ホルマリン1.50モルの割合で得られたレゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、上記三元共重合体ゴムラテックスを、固形分重量比で1/20の割合で混合することにより調製した。
【0077】
(第1処理液B)
市販のブタジエン70重量%/ビニルピリジン15重量%/スチレン15重量%からなる三元共重合体ゴムラテックス(ムーニー粘度40、重量平均粒子径35nm)を使用した以外は、上記第1処理液Aと全く同様に調製した。
【0078】
(第2処理液C)
アルカリの存在下でレゾルシン1モルに対しホルマリンを1.50モルを反応させて得られた初期縮合物と、上記第1処理液Aで用いたビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ゴムラテックスとを、固形分重量比で1/6で混合し、24時間熟成させてRFLを調製した。次に、上記RFL100重量部に対し、ジフェニルメタン−ビス4,4´−N,N´−ジエチレン尿素の水分散液を10重量部で混合し、固形分濃度10%に調製した。
【0079】
(第2処理液D)
1,3−ブタジエン70重量%/ビニルピリジン15重量%/スチレン15重量%からなる三元共重合体ゴムラテックス(ムーニー粘度40、重量平均粒子径35nm)を使用した以外は、上記第2処理液Cと全く同様にして調製した。
【0080】
表1に実施例1〜4および比較例1〜3の撚数、ディップ条件、および処理コード物性を示す。表1の結果から明らかなように、本発明のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法は、ゴムとの初期接着力および過加硫接着力がすぐれると共に、接着剤処理時にローラーなどに付着するガムアップ現象が解消して生産性が向上し、かつ柔軟性、コード強力および耐疲労性が改良されると同時に、高弾性率を有するものである。
【0081】
【表1】

【0082】
具体的には、実施例1、2、3の比較より、ノルマライジング張力を上げることで、中間伸度が低下、すなわち高弾性率化している。実施例4では、撚数を下げることで、同一リラックス条件下でのノルマライジング張力が上がり、中間伸度は一段と低下している。
比較例1、2では、ノルマライジング張力が低いため、中間伸度が上がり、弾性率が不足である。
比較例3では、処理液に含有するゴムラテックスの違いにより、過加硫接着力、ゴム中劣化後の強力保持率、ディスク疲労後の強力保持率が不足である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法は、ゴム中へ埋め込まれた状態での長時間高温下における接着劣化が少なく、かつゴム中に埋め込まれ繰り返し伸長圧縮を受けたときの疲労性劣化を抑制すると共に、生産性、ゴムとの接着性およびコード強力が優れ、かつ高弾性率を有するポリエステルタイヤキャッププライコードを提供することができ、産業界に寄与することが大である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル繊維を、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスを含む接着剤組成物で処理した後、0.2cN/dtex以上に調整されたノルマライジング張力下で熱処理を施すことを特徴とするポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
【請求項2】
ポリエステル繊維を、ポリエポキシド化合物と、ブロックドポリイソシアネート化合物と、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスと、ケイ酸塩化合物との混合物からなる第1処理液で処理し、次いでレゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、前記三元共重合体ゴムラテックスと、エチレン尿素化合物との混合物からなる第2処理液で処理した後、0.2cN/dtex以上に調整されたノルマライジング張力下で熱処理を施すことを特徴とするポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
【請求項3】
ポリエステル繊維を、ポリエポキシド化合物と、エチレン尿素化合物と、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、(イ)共役ジエン系単量体40〜60重量%、(ロ)ビニルピリジン系単量体13〜20重量%および(ハ)スチレン系単量体25〜45重量%からなる三元共重合体ゴムラテックスとの混合物からなる第1処理液で処理し、次いでレゾルシン・ホルマリン初期縮合物と、前記三元共重合体ゴムラテックスと、エチレン尿素化合物との混合物からなる第2処理液で処理した後、0.2cN/dtex以上に調整されたノルマライジング張力下で熱処理を施すことを特徴とするポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
【請求項4】
ノルマライジング張力が0.3cN/dtex以上である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
【請求項5】
ノルマライジング張力が0.4cN/dtex以上である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
【請求項6】
ポリエステル繊維としてK=T√Dで表されるコードの撚係数Kが2500以下となる撚り与えた未処理コードを使用したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルタイヤキャッププライコードの製造方法。
ここで、Tはコードの上撚り数(回/10cm)、Dはコードの基準繊度(dtex)。

【公開番号】特開2007−177360(P2007−177360A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375784(P2005−375784)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】