説明

ポリエステル樹脂組成物及び光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法

【課題】
従来にない高速成形性を有し、寸法安定性や硬度にも優れた光ファイバールースチューブ用のポリエステル樹脂組成物、及び光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】
光ファイバー被覆用ルースチューブを成形するためのポリエステル樹脂組成物であって、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするポリブチレンテレフタレート樹脂、及び0.005〜1.0重量%の結晶化促進剤を含有し、且つ、固有粘度[η]が1.35dl/g以上(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒30℃で測定した場合)であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を押出成形することを特徴とする光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバー被覆用ルースチューブを成形するためのポリエステル樹脂組成物に関し、詳しくはブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とし、特定の物性を有するポリエステル樹脂組成物、及び、光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバー被覆用ルースチューブを構成する材料としては、成形性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性等の物性バランスに優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物(以下、PBT樹脂組成物と言うことがある)が主流となっている。
ポリブチレンテレフタレートからなる光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法としては、例えば、単軸スクリュ押出機でポリブチレンテレフタレートを溶融し、チューブ成形クロスヘッドダイより、サイジングダイへ導き、引き取りチューブを得て、このチューブ成形工程で光ファイバーをジェリーとともにポリエステルチューブ内に導入して結束成形するのが一般的な方法である。
【0003】
このようなPBT樹脂組成物を使用したルースチューブに関し、特許文献1には、固有粘度が1.0以上のPBT樹脂組成物を押出成形してなる、結晶融解熱量△Hmが40J/g以上の光ファイバー被覆チューブが、成形性や寸法安定性に優れることが開示されている。また、特許文献2には、オリゴマー含有量や揮発ガス量等が特定値以下で、固有粘度が1.0〜1.2のPBT樹脂組成物を用いることにより、100m/分の成形スピードであっても、耐加水分解性に優れ、メヤニの発生しにくいルースチューブが得られることが開示されている。更に、特許文献3には、特定の末端カルボキシル基濃度で、固有粘度が1.0〜1.2のPBT樹脂と、特定量のポリエチレン系ワックスとからなるPBT樹脂組成物を用いることにより、250m/分の高速の引き取り速度においてもメヤニの発生のないルースチューブが得られることが開示されている。
【0004】
しかし、このような従来の製造方法においては、生産効率を上げるために、PBT樹脂組成物の押出し量を増量し、ルースチューブの引き取りスピードを更にアップすると、チューブ径やチューブ肉厚に周期的な寸法ムラが発生したり、成形後のチューブ長さ方向の寸法安定性が著しく低下する等の問題が生じていた。
従って、250m/分を超える成形スピードにおいてもチューブ径に厚みムラが発生せず、成形後の長さ方向の寸法安定性にも優れた光ファイバー被覆用ポリエステル樹脂組成物の出現が望まれていた。
【0005】
なお、上記特許文献1〜3に開示されている、固有粘度1.0〜1.2とは、オルソクロルフェノール中、25℃で測定した値であり、後述する本発明の固有粘度の測定条件である、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒30℃で測定した場合に換算すると1.13〜1.33dl/gに相当するものである。また、これらの文献には、PBT樹脂が固相重合法により得られたものであり、PBT樹脂組成物の固有粘度が1.2(オルソクロルフェノール中、25℃で測定した値)を超えると、ルースチューブの押出成形性が劣ることが記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開平8−227030号公報
【特許文献2】特開2000−111768号公報
【特許文献3】特開2001−2904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来にない高速成形性を有し、寸法安定性や硬度にも優れた光ファイバールースチューブ用のポリエステル樹脂組成物、及び光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、固有粘度が1.35以上(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒30℃で測定した場合)であり、PBT樹脂と0.005〜1.0重量%の結晶化促進剤を含有するPBT樹脂組成物を用いることにより、250m/分を超える高速で成形した場合でも、チューブの肉厚ムラがなく、また、寸法安定性や硬度に優れた光ファイバー被覆用ルースチューブが得られることを見出し、本発明を完成した。上述したように、従来技術においては、このような固有粘度が1.35以上のPBT樹脂組成物は、押出成形性が劣るため使用されなかったが、本発明者らは、意外にも、このような比較的高い固有粘度を有するPBT樹脂組成物でも、高速における成形性及び寸法安定性に優れることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は、光ファイバー被覆用ルースチューブを成形するためのポリエステル樹脂組成物であって、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするポリブチレンテレフタレート樹脂、及び0.005〜1.0重量%の結晶化促進剤を含有し、且つ、固有粘度[η]が1.35dl/g以上(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒30℃で測定した場合)であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を押出成形することを特徴とする光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法、に存する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、高速成形が可能で、チューブの肉厚ムラもなく、また寸法安定性や硬度に優れた光ファイバールースチューブ用のポリエステル樹脂組成物、及び、光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明で使用するブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、PBT樹脂とも言う)とは、多価アルコール成分として1,4−ブタンジオール、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を用いて重合することにより得られる樹脂である。主たる繰り返し単位とは、ブチレンテレフタレート単位が、全多価カルボン酸−多価アルコール単位中の70モル%以上であることを意味し、好ましくは80モル%以上、更には90モル%以上、特には95モル%以上であるのが好ましい。
【0011】
本発明のPBT樹脂に用いられるテレフタル酸以外の多価カルボン酸成分の例としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等の芳香族多価カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、或いは上記多価カルボン酸のエステル形成性誘導体(例えばテレフタル酸ジメチル等の多価カルボン酸の低級アルキルエステル類等)が挙げられる。これらの多価カルボン酸成分は単独でテレフタル酸と共に用いても良いし、複数をテレフタル酸と混合して用いても良い。
【0012】
一方、1,4−ブタンジオール以外の多価アルコール成分の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族多価アルコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式多価アルコール、ビスフェノールA等の芳香族多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。これら多価アルコール成分は単独で1,4−ブタンジオールと共に用いても良いし、複数を1,4−ブタンジオールと混合して用いても良い。
【0013】
本発明のPBT樹脂は、本発明の要件を満たせば、単独であってもよいし、或いは溶融張力、末端カルボキシル基濃度、融点、触媒量等の異なる複数のPBT樹脂の混合物を溶融し、ペレット状等に成形したものであってもよい。
【0014】
本発明においては、ポリエステル樹脂組成物(以下、PBT樹脂組成物とも言う)の固有粘度[η]は、テトラクロロエタンとフェノールが1:1(重量)混合溶媒中30℃の条件で測定した場合、1.35dl/g以上であることが特徴である。下限は1.37以上が好ましく、更には1.40以上であり、特には1.42以上が好ましい。一方、上限は、2.50dl/g以下が好ましく、更には2.20以下であり、特には1.80以下が好ましい。1.35未満では、PBT樹脂を製造する際の重合方法によっては所定の押出しスピード又は高速成形性が得られない場合があり、また、2.50を越える場合は溶融粘度が高く、押出し量が制限される傾向があったり、またポリエステル原料ペレットの生産効率が低下する傾向がある。
【0015】
本発明のPBT樹脂組成物は、チューブ寸法安定化の観点から、結晶化促進剤を0.005〜1.0重量%含有することを特徴とする。結晶化促進剤量が0.005重量%未満であると、成形後のチューブの寸法変化が大きいため好ましくなく、一方、1.0重量%を超えた場合には、結晶化促進剤の添加量を増量しても寸法安定化効果は飽和する一方、長時間運転でチューブに黒い焼けが混入したり、ダイス部に目ヤニが発生したり、成形チューブ表面が粗れる等の観点で好ましくない。このような寸法安定性、成形性の観点から、結晶化促進剤の含有量の下限は、0.008重量%以上が好ましく、更には0.010重量%以上、特には0.015重量%以上が好ましく、一方上限は、0.5重量%以下が好ましく、更には0.2重量%以下、特には0.1重量%以下が好ましい。
【0016】
結晶化促進剤としては、無機系、有機系が挙げられるが、長期安定性の観点から無機系の結晶化促進剤が好ましい。無機系の結晶化促進剤の具体例としては、タルク、酸化チタン、モンモリロナイト、マイカ、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ、窒化ホウ素等が挙げられるが、安定性の観点からタルク、カオリン、シリカ等が特に好ましい。
【0017】
結晶化促進剤の添加方法には特に制限はなく、PBT樹脂の製造時に所定濃度となるよう添加する方法、あるいは製造時に結晶化促進剤を高濃度添加したPBT樹脂を、結晶化促進剤無添加のPBT樹脂とドライブレンドし、所定の結晶化促進剤濃度とする方法、あるいは結晶化促進剤を高濃度添加したマスターバッチをニ軸押出機等を用いた溶融混練法により作製した後、結晶化促進剤無添加のPBT樹脂とドライブレンドし、所定の結晶化促進剤濃度とする方法などが挙げられ、このようにして得たポリエステル樹脂組成物を成形機ホッパーに投入し成形する方法などが挙げられる。
【0018】
本発明のPBT樹脂組成物の250℃における溶融張力は、キャピラリーより押し出された溶融ストランド状ポリマーを引き取る際の張力値を指し、通常2.0〜10mNであり、例えば、東洋精機(株)製キャピログラフにより求めることができるものである。溶融張力は、ルースチューブの高速成形性と密接な関係を有し、300m/分以上の高速チューブ成形を可能にする為には、好ましくは2.2〜8.0mN、特には2.4〜6.0mNであるのがよい。
【0019】
PBT樹脂組成物の250℃における溶融張力が2.0(mN)未満であると、チューブの成形スピードが高速になるに従い、チューブ径および肉厚に周期的な変動が発生する傾向がある。一方、溶融張力が10(mN)を超えると、押出機のスクリュ負荷が過大になり、PBT樹脂組成物の押出し量が制限され、チューブの高速成形が困難となる傾向がある。本発明の樹脂組成物は、溶融張力が2.0〜10mNであれば、単独のPBT樹脂を使用してもよいし、或いは複数の樹脂を混合した結果、溶融張力が2.0〜10mNとなるPBT樹脂組成物を使用してもよい。カラーマスターバッチ等を配合してチューブを着色する場合においても、PBT樹脂組成物の溶融張力は、通常2.0〜10mNが要求される。
【0020】
本発明のPBT樹脂組成物の末端カルボキシル基量は、通常40(eq/T)以下であり、好ましくは35(eq/T)以下である。PBT樹脂(A)の末端カルボキシル基量を40(eq/T)以下とすることにより、ルースチューブの耐湿熱性を向上させることができる。
【0021】
末端カルボキシル基含有量の測定方法は、樹脂のサンプルを粉砕し、乾燥した後、粉砕したサンプル0.1gを試験管に精秤する。次いで、ベンジルアルコール3mlを加えた後、195℃の加熱浴に入れ、窒素を吹き込みながら粉砕したPBT樹脂を溶解させる。溶解後、クロロホルムを5mlを加え、冷却し指示薬を添加する。ついで、窒素を吹き込みながら0.1N−NaOH/ベンジルアルコール溶液で滴定し、滴定量を求め、次式により末端カルボキシル基量を算出する。
末端カルボキシル基量=(滴定量×0.1×F)/サンプル量
ここで、Fは0.1N−NaOH/ベンジルアルコール溶液の力価であり、末端カルボキシル基量の単位はμeq/g、滴定量の単位はμl、サンプル量の単位はgである。
【0022】
本発明に使用される、PBT樹脂組成物中の残存テトラヒドロフラン量は、300ppm(重量比)以下であり、より好ましくは200ppm(重量比)以下である。PBT樹脂組成物中の残存テトラヒドロフラン量は、PBTペレットを水に浸漬して120℃で6時間処理し、水中に溶出したテトラヒドロフラン量をガスクロマトグラフィーで定量することにより、求めることができる。PBT樹脂組成物中の残存テトラヒドロフラン量を300ppm(重量比)以下とすることにより、本発明樹脂組成物から得られる成形品を高温で使用してもテトラヒドロフランなどのガスの発生が少なくなるため、ルースチューブに好適に使用することができる。PBT樹脂組成物中の残存テトラヒドロフラン量が300ppm(重量比)を超えると、成形品を高温で使用した際に、テトラヒドロフランなどのガスの発生が多くなり、クラックを引き起こすおそれがある。
【0023】
残存テトラヒドロフラン量の下限は、特に限定されるものではないが、通常、50ppm(重量比)程度である。残存テトラヒドロフラン量が少ない方が、有機ガスの発生が少なくなる傾向はあるものの、残存量と、ガス発生量は必ずしも比例するものではない。
【0024】
上述した本発明のPBT樹脂の製造方法としては、エステル交換法、直接重合法等が挙げられるが、成形後のチューブの寸法安定性の観点から、PBT樹脂の降温結晶化温度を高くすることが好ましい。即ち、高結晶性のPBT樹脂を効率的に製造するために直接重合方法であることが好ましく、中でも直接連続重合方法を採用することが生産性の観点から好ましい。
【0025】
本発明においては、高速成形性と寸法安定性に優れた、固有粘度1.35以上のPBT樹脂組成物を製造するためには、PBT樹脂全体の中に、特に溶融重縮合反応により得られるPBT樹脂を少なくとも30重量%以上、更には40重量%以上、特には50重量%以上含有することが好ましい。従来技術においては、固相重合品のみが使用されていたが、固相重合品はペレットの表層部と中心部で固有粘度や結晶化度、融点が不均一となるため、高速の成形スピードにおいては、押出負荷や圧力変動が大きくなる結果、チューブの肉厚ムラが生じやすく、また、チューブの寸法変化も大きくなる傾向があった。詳細は明らかでないが、本発明では、溶融重縮合品を少なくとも一部使用することで、従来品と同程度の溶融張力を有するPBT樹脂組成物が得られ、その結果ルースチューブの高速成形性を向上させることができるものと推定される。
【0026】
溶融重縮合による直接重合法の具体例としては、テレフタル酸にブチレングリコールを所定量の割合で添加して、チタン化合物等の触媒存在下、約150〜250℃で加熱反応させ、脱水反応で水を留出させる。次いで3mmHg以下の減圧度にて、200〜280℃で加熱し溶融重縮合させてPBT樹脂を得る方法が挙げられる。
【0027】
さらに、上記のごとく溶融重縮合して得られたPBT樹脂ペレットを、不活性ガス気流下170〜210℃で高温加熱処理するか、又は真空加熱して、固相重合することにより得られるPBT樹脂を、上述の溶融重縮合品と合わせて溶融混練することにより本発明のPBT樹脂とすることもできる。溶融重縮合品と固相重合品との混合比率(重量%)としては、押出量の安定性の観点から、通常90:10〜40:60であり、好ましくは80:20〜50:50である。
【0028】
ここで、溶融重縮合品は、ペレット状のPBT樹脂の表層部と中心部で固有粘度や結晶化度、融点がほぼ均一であり、ペレット表層部の固有粘度IV(S)とペレット中心部の固有粘度IV(C)との差△IV(=|IV(S)−IV(C)|)が0.1以下であることが特徴であり、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.03以下、更に好ましくは0.01以下である。一方、固相重合品は、△IVが0.1以上あることが特徴である。
ペレットの表層部と中心部の固有粘度の差(△IV)とは、ペレット全体を基準として、ペレットの外周部から5±1重量%以内の部分の固有粘度IV(S)とペレット中心から5±1重量%以内の部分の固有粘度IV(C)との差を言う。
【0029】
ペレットの表層部と中心部の固有粘度は、PBTが可溶である溶媒中にペレットを静置し、経時的に新鮮な溶媒と置換する操作を繰り返すことによって、ペレット表層から順にPBT溶液のフラクションを得、ペレットを溶かしはじめた最初のフラクションと、ペレットが完全に溶解した最後のフラクションから、各々の溶媒を除去し、ペレット表層部と中心部のPBTを別々に得、それぞれの固有粘度を測定することによって求めることができる。ここで使用する溶媒は、ヘキサフルオロイソプロパノール、o−クロロフェノール、テトラクロロエタン/フェノール混合溶媒等である。
【0030】
ペレットの外周および中心から5±1重量%以内のフラクションを得るためには、予め溶媒に対するペレットの溶解度を確認後、その溶解度に応じて、ペレット全体の5±1重量%以内となるようなフラクションを採取してもよいし、短時間毎のフラクションを採取し、ペレット全体の5±1重量%以内となるようにいくつかのフラクションを混合することによりペレットの表層部及び中心部を得ることができる。
【0031】
本発明のペレットの長軸方向に垂直な断面の短径と長径の平均値(各ペレットについて、長軸方向に垂直な断面の短径と長径を足して2で割った値を求め、ラミネートする全てのペレットについてそれらの値の平均をとった値)の上限は、好ましくは5.0mm、より好ましくは4.0mm、さらに好ましくは3.5mm、特に好ましくは3.0mmであり、下限は、好ましくは1.0mm、好ましくは1.5mm、より好ましくは2.0mm、特に好ましくは2.5mmである。ペレットの長軸方向の平均の長さも同様の理由から、通常1〜6mm、中でも2〜4mmが好ましい。また、本発明で使用するPBT樹脂のペレットを100粒採取し秤量した場合のペレット重量は、通常1.8〜3.5gであり、好ましくは2.0〜3.0g、更に好ましくは2.2〜2.7gであるのがよい。
【0032】
また本発明のPBT樹脂を製造する際には、触媒としては通常、チタン化合物が使用され、その具体例としては、酸化チタン、四塩化チタン等の無機チタン化合、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等が挙げられる。これらの中ではテトラアルキルチタネートが好ましく、その中ではテトラブチルチタネートが特に好ましい。
【0033】
また、チタン化合物の他に、スズ化合物が触媒として併用されていても良い。スズ化合物の具体例としては、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸などが挙げられる。
【0034】
また、チタン化合物の他に、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等のマグネシウム化合物、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、カルシウムアルコキサイド、燐酸水素カルシウム等のカルシウム化合物の他、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、ジルコニウム化合物、コバルト化合物、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、それらのエステルや金属塩などの燐化合物、水酸化ナトリウム、安息香酸ナトリウムなどの反応助剤を併用してもよい。
【0035】
また、本発明のPBT樹脂組成物は、チタン原子とスズ原子の合計含有量が100ppm以下であるのが好ましい。これらの原子は、重合反応の触媒残渣であるチタン化合物及びスズ化合物として含有されるものである。触媒として、チタン化合物以外にスズ化合物を併用しない場合は、PBT樹脂組成物は、実質的にスズ原子を含まないため、チタン原子の含有量が100ppm以下である樹脂が好ましい。
更に、本発明においては、チタン原子の含有量自体を特定量とすることが、溶融熱安定性や耐加水分解性の観点でという点で好ましい。具体的には、PBT樹脂組成物中のチタン原子含有量の下限が、好ましくは10ppm、更に好ましくは20ppmである。一方上限は、好ましくは90ppm以下、より好ましくは80ppm、更に好ましくは60ppm以下である。チタン原子の含有量が100ppmより多い場合は、チューブ押出後のポリエステルの分子量低下が大きくなる傾向があるので好ましくない。一方10ppmより少ない場合は、ポリエステル重合効率が低下する傾向があるなお、チタン原子又はスズ原子の含有量は、湿式灰化などの方法でポリマー中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、Induced Coupled Plasma(ICP)等の方法を使用して測定することが出来る。
【0036】
本発明において、ペレット状のポリエステル樹脂組成物(PBT樹脂組成物)の回転安息角は、36.5°以下であることが好ましく、より好ましくは36.0°以下、更には35.5°以下、特には35.0°以下であるのが良い。本発明において回転安息角とは、水平面上へ上方からペレットを落下させて生じる円錐状の堆積層が水平面との間につくる傾斜角を指し、23℃、湿度50%に24時間放置したPBT樹脂組成物を、例えば三輪式円筒回転安息角測定器(筒井理化製)のスリ合わせ栓付きサンプル容器に140gを入れ、30秒回転させた後、回転安息角(θ)を測定し、5回の平均値をとった値とする。回転安息角が36.5°を超えると、高速チューブ成形時のチューブ径や肉厚ムラが大きくなる傾向があり、成形スピードが上げられないので好ましくない。
【0037】
回転安息角を36.5°以下とする方法の具体例としては、PBT樹脂のペレットに滑剤を添加する方法、固相重合法により製造して表面を荒らした樹脂を一部使用する方法、溶融重合で製造したPBT樹脂組成物のペレットに微細な凸凹処理を施し、ペレットの表面を荒らす方法が挙げられるが、中でも高速成形性の観点から滑剤を添加する方法が好ましい。
【0038】
滑剤には、一般的に、PBT樹脂組成物と成形機との接触面の摩擦を低下させて、潤滑をもたせる外部滑性を有するものと、樹脂相互間の潤滑性を向上させる内部滑性を有するもの、或いは両者の滑性を有するものがあり、例えば、脂肪族金属塩類、脂肪族炭化水素類、高級アルコール類、金属せっけん、アミド類、エステル類やこれらの複合滑剤等が挙げられる。本発明においては、これらの中でも、脂肪族金属塩類、アミド類、エステル類等の外部滑性を有する滑剤が好ましく、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、モンタン酸ナトリウム等の脂肪酸金属塩類が特に好ましい。
【0039】
また、本発明において滑剤を添加する方法としては、PBT樹脂組成物に外部添加(以下、外添とも言う)するのが好ましい。滑剤を外添するとは、PBT樹脂組成物を押出成形機のホッパーに投入する前に、ブレンダーミキサー等の装置を用いて、滑剤を樹脂組成物と混合することであり、樹脂組成物に外添された滑剤の量は、PBT樹脂組成物のペレットをヘキサン、エタノールなどの溶媒に浸漬した後、当該ペレットを除去した溶液から溶媒を留去して秤量することにより求めることができる。
また、特に安定した回転安息角を得る為には、PBT樹脂組成物に対し、滑剤を0.001〜0.5重量%、好ましくは0.005〜0.1重量%、更には0.01〜0.05重量%外添するのが好ましい。
【0040】
上述した滑剤は、チューブの成形性を向上させる他、結晶化促進剤としても作用しうるため、チューブの結晶化度を上げ、寸法安定性を向上させることができる。また、滑剤を外添することにより、チューブの表面を荒らすことができ、チューブの巻き出し性やすべり性を向上させるという利点もある。
【0041】
本発明のポリエステル樹脂組成物(PBT樹脂組成物)には、熱安定剤、酸化防止剤等を更に配合しても良く、その含有量は、PBT樹脂組成物100重量部に対し、0.01〜3.0重量部であることが好ましい。熱安定剤や酸化防止剤の含有量が0.01重量部未満であると所望の熱安定性効果が得られず、3.0重量部を越えると効果が飽和する上、成形時のガス発生や目ヤニが発生し、ルースチューブ表面にブリードアウト等の悪影響が生じる傾向がある。
【0042】
上述した本発明のPBT樹脂組成物を使用することにより、250m/分を超える高速、好ましくは270m/分以上、特には300m/分以上で押出成形した場合でも、チューブの肉厚のムラが少なく、寸法安定性や硬度の良好な光ファイバー被覆用ルースチューブを製造することができる。
【0043】
本発明の光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法としては、乾燥機で100ppm程度以下の水分率に乾燥したPBT樹脂組成物を、シリンダー温度220〜260℃の単軸押出機より押出し、チューブ成形クロスヘッドダイより、40〜100℃のサイジングダイへ導き、冷却バス水槽を経て引き取りチューブを得ることができるが、このチューブ成形工程でクロスヘッドダイを用い、被覆ファイバーをジェリーとともにチューブ内に導入して結束成形する方法が挙げられる。
【0044】
本発明のPBT樹脂組成物を押出成形することにより製造されるルースチューブの結晶化度は、通常8〜40%であり、好ましくは9〜35%、更に好ましくは10〜30%である。8%未満であると、高温又は高湿度に晒された際に、特に長さ方向での寸法変化が大きくなる傾向がある。一方40%を大きく超えると、チューブが硬く脆くなり、曲率を上げて巻き上げた際やチューブを高曲率で施工した場合、チューブ割れが発生する場合がある。
【0045】
また、本発明により得られるルースチューブの降温結晶化温度(Tc)は、185℃以上が好ましく、更には190℃以上、特には195℃以上であるのがよい。降温結晶化温度(Tc)が185℃未満であると、成形後の寸法安定性やチューブ硬度が劣る傾向がある。本発明において、降温結晶化温度(Tc)は、示差走査熱量計で、降温速度20℃/分の条件で測定した結晶化温度を意味し、この降温結晶化温度は、ルースチューブが溶融した状態から降温速度20℃/分で冷却したときに現れる結晶化による発熱ピークの温度である。
【実施例】
【0046】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの例に限定されるものではない。なお、PBT樹脂組成物の物性測定法、ルースチューブの特性評価法、及びPBT樹脂の製造法は以下のとおりである。
【0047】
[PBT樹脂組成物の物性測定法]
(1)溶融張力
PBT樹脂組成物をヘキサン洗浄した後、5mm程度に切断し、熱風乾燥機120℃にて6時間以上乾燥し、含水量を100ppm以下にした。得られたサンプル10gについてキャピログラフ(東洋精機(株)製)を用いて溶融張力を測定した。キャピラリーサイズは、キャピラリー径0.5mm、キャピラリー長5.0mmのものを用い、シリンダー内にポリエステル10gを投入した時間をカウント開始点とし、5分間溶融させた後、5mm/分のピストン降下スピードで測定を開始し、6〜7分における溶融張力の1分間の平均値を、PBT樹脂組成物の250℃における溶融張力とした。尚、引き取り速度は20m/分とした。
【0048】
(2)固有粘度
PBT樹脂組成物を120℃で約6時間熱風乾燥後、ウベローデ型粘度計を使用し、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒30℃で固有粘度[η](dl/g)を測定した。
(3)回転安息角
23℃湿度50%に24時間放置したPBT樹脂組成物のペレットを、三輪式円筒回転安息角測定器(筒井理化製)のスリ合わせ栓付きサンプル容器に140gを入れ、30秒回転させた後、回転安息角(θ)を測定した。5回の平均値を採用した。
【0049】
[ルースチューブの特性評価法]
(1)熱特性
ルースチューブを約10mg削り出し、セイコーインスツルメント社製のDSC(示差走査熱量計「DSC220U型」)を使用し、窒素雰囲気下、アルミパンに封入した試料を、30〜300℃の範囲で±20℃/分のスピードで昇降温し、ルースチューブの降温結晶化温度(Tc)℃を測定した。
(2)結晶化度
ルースチューブの結晶化度は、チューブ成形後のポリエステルの比重より算出した。比重測定には、島津製作所(株)製アキュピック1330(密度勾配管)を使用し、計算に用いた各相比重は、結晶相が1.404g/cm、非晶相が1.28g/cmである。成形したルースチューブより光ファイバーとジェリーをヘキサン・塩化メチレンによる洗浄にて除去して測定した。
【0050】
(3)成形スピード
チューブ外径、肉厚ムラの変動がともに5%以内となる最高の成形スピードを下記指標で評価した。
A:300〜330m/分
B:270〜300m/分
C:200〜270m/分
D:200m/分未満
【0051】
(4)寸法変化量
成形したルースチューブ1000.0cmを85℃で24時間放置し、次いで、23℃、湿度50%に24時間放置した後、チューブ長の変化量(%)を精評した。
(5)チューブ硬度
ルースチューブをヘキサン洗浄しジェリーを除去した後、チューブを裂いて平板サンプルを作製した。平板サンプルについてビッカース硬度試験により表面硬度を測定した。
【0052】
[PBT樹脂組成物の製造法]
(PBT−1:溶融重縮合品)
テレフタル酸1モルに対して1,4−ブタンジオールを1.8モルの割合で両原料をスラリー調製槽に供給し、攪拌装置で混合して調製したスラリーを、温度230℃、圧力78.7kPa(590mmHg)に調整したエステル化反応槽に連続的に供給すると共に、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを連続的に供給し、攪拌装置による攪拌下に、滞留時間3時間としてエステル化反応させて、エステル化反応率97.5%のオリゴマーを得た。
【0053】
エステル化反応により得られたオリゴマーにタルク200ppmを混合した後、オリゴマー化合物を温度250℃、圧力2.66kPa(20mmHg)に調整した第1重縮合反応槽に連続的に供給し、攪拌装置の攪拌下に滞留時間2時間で重縮合反応させ、固有粘度0.250dl/gのプレポリマーを得た。そのプレポリマーを温度260℃、圧力0.133kPa(1mmHg)に調整した第2重縮合反応槽に連続的に供給し、攪拌装置の攪拌下に滞留時間5時間で重縮合反応を更に進めて、ポリマー抜き出しダイに移送し、ダイスから円柱状にポリマーを押出し、20℃の冷却水で0.9秒間冷却した後、カッターを用いてカットし、固有粘度[η]=1.42dl/g、チタン含有量60ppmのポリブチレンテレフタレート粒状ペレットを得た。
【0054】
(PBT−2:溶融重縮合品)
PBT−1と同様な重合工程により、溶融重縮合後の固有粘度[η]=1.38dl/g、チタン含有量60ppmのポリブチレンテレフタレート粒状ペレットを得た。
【0055】
(PBT−3:溶融重縮合品)
PBT−1と同様な重合工程により、溶融重縮合後の固有粘度[η]=1.55dl/g、チタン含有量60ppmのポリブチレンテレフタレート粒状ペレットを得た。
【0056】
(PBT−4:固相重合品)
撹拌機、温度計、ガス置換口、蒸留塔を備えた反応器に、ジメチルテレフタレート、1,4−テトラメチレングリコール、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを仕込み、窒素置換後200℃まで40分かけて昇温し、200℃で2時間保持してメタノールを留出させた。この後240℃まで60分かけて昇温し、同時に反応系を徐々に減圧として真空度を3Torr以下とし、更に2時間保持した。この後ポリマーをダイ穴から水中に押出して引き取り、カッティングして固有粘度[η]=0.85、チタン含有量60ppmのポリブチレンテレフタレート粒状ペレットを得た。このポリブチレンテレフタレートペレットについて窒素雰囲気下、200℃で7時間、固相重合処理を行い、固有粘度[η]=1.50dl/gまで高分子量化した。
【0057】
(PBT−5:固相重合品)
PBT−4と同様な工程により固相重合処理を行い、固有粘度[η]=1.19dl/gのポリブチレンテレフタレートペレットを得た。
(PBT−6:固相重合品)
チタン系重合触媒60ppm用いて直接重合法により作製した固有粘度[η]=0.70dl/g、ペレット重量2.2g(100粒)のポリブチレンテレフタレートペレットを、窒素雰囲気下、200℃で7時間、固相重合処理を行い、固有粘度[η]=1.33dl/gまで高分子量化した。
【0058】
(PBT−7:固相重合品)
チタン系重合触媒60ppmを用いて直接重合法により作製した固有粘度[η]=0.70dl/g、ペレット重量2.2g(100粒)のポリブチレンテレフタレートペレットを、窒素雰囲気下、200℃で7時間、固相重合処理を行い、固有粘度[η]=1.45dl/gまで高分子量化した。
【0059】
[実施例1〜5及び比較例1〜3]
上述した方法で製造されたPBT−1〜7を表1及び表2に記載の条件となるよう配合したPBT樹脂組成物を調製した。これらの樹脂組成物を、120℃の熱風乾燥機で100ppm程度以下の水分率に乾燥した後、ブレンダーミキサーを用いて、滑剤であるステアリン酸カルシウムと混合した。次いで、滑剤が外添された樹脂組成物をシリンダー温度220〜260℃の単軸押出機より押出し、チューブ成形クロスヘッドダイより、40〜100℃のサイジングダイへ導き、45℃の冷却水槽を経て引き取りチューブを得た。チューブ成形工程でクロスヘッドダイより、光ファイバーとジェリーはチューブ内に導入した。引き取りスピードは150〜330m/分の範囲内で実施し、成形スピード、チューブ肉厚等より成形性を評価した。また得られたルースチューブを用いて寸法安定性も評価した。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバー被覆用ルースチューブを成形するためのポリエステル樹脂組成物であって、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするポリブチレンテレフタレート樹脂、及び0.005〜1.0重量%の結晶化促進剤を含有し、且つ、固有粘度[η]が1.35dl/g以上(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒30℃で測定した場合)であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
【請求項2】
250℃における溶融張力が2.0〜10mNである請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項3】
滑剤が0.001〜0.5重量%外部添加された請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項4】
ポリエステル樹脂組成物がペレット状であり、回転安息角が36.5°以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を押出成形することを特徴とする光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法。
【請求項6】
270m/分以上の成形スピードで押出成形する請求項5に記載の光ファイバー被覆用ルースチューブの製造方法。

【公開番号】特開2006−111655(P2006−111655A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−297687(P2004−297687)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【出願人】(594137579)三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 (609)
【Fターム(参考)】