説明

ポリエチレンテレフタレート(PET)のフレキシブル製造

少なくとも1つの実施態様において、本発明は未使用のポリエチレンテレフタレート(VPET)とVPET改質成分(PCM)とのブレンドを提供するための方法及びシステムに関する。一実施態様において、固体VPET供給源(12)及び固体PMC供給源(16)は別に設ける。これらの供給源とエンドユーザーへの配送に適当なバルクコンテナとの間には、導管(10)を設ける。VPET供給源からのVPET及びPMC供給源からのPMCは、所望の量で導管中に選択的に計量分配して、所定の比率のVPET及びPMCを含む均一ブレンド材料を形成する。材料のブレンドは、エンドユーザーへの配送用のバルクコンテナに輸送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの態様において、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリマーの商業的製造に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、優れた透明度及び光沢度を有する硬質ボトルを生成する定評のあるボトルポリマーである。これらの容器は、典型的には、PET樹脂を乾燥させ、プレフォームを射出成形し、最後にボトル完成品を延伸ブロー成形することを含む方法によって製造される。
【0003】
資源を節約するために、未使用ポリエチレンテレフタレート(VPET)ポリマーと使用済みの(post−consumer)再循環PET(PCR)材料とのブレンドが、PETボトルの形成に使用されている。これらのブレンドは、VPETとPCR材料とを任意の適当な比率で含むことができるが、典型的にはVPETを75重量%〜95重量%及びPCR材料を5重量%〜25重量%含む。
【0004】
VPET及び再循環PET(PCR)は、PET供給業者によってボトル製造業者に供給されることが多い。在庫品を減少させ且つ製造方法を簡素化するために、ボトル製造者は、同じバルクコンテナに一緒に包装されたブレンドを必要とする傾向がある。海用バルクコンテナ、バルクトラック、鉄道車両、ゲイロード及びバルクバッグのような種々の適当なバルクコンテナが使用されている。
【0005】
1つのコンテナでブレンドを供給する一般的な方法は、VPETとPCR材料とを所望の比率で溶融ブレンドし、次いでブレンドされたPET材料を押出して、そのペレットを形成するものである。従って、各ペレットはVPETとPCR材料を所望の又は所定の比率で含むものであった。この方法は、結晶化及び固相重合(solid・stating)のような追加の製造工程を必要とするので、時間とコストがかかる可能性があるのは明らかである。この方法はまた、ブレンドを別のブレンドに変える際にかなりの量の遷移材料を伴うことが考えられる。
【0006】
しかし、押出ブレンド法は、VPETとPCR材料の予備混合コンテナの供給に比較して典型的には好ましいものであった。これは、このような予備混合コンテナが典型的に他のより解決の難しい問題を有するためである。例えば、異なる用途及び異なるエンドユーザーには異なる比率のVPET及びPCR材料が必要であるので、VPET及びPCR材料の種々の予備混合コンテナを管理するのは実際的でない。このようなやり方は、空間、運転資本及び固定資本の非効率な使用を招く傾向にあり、従ってコストを増加させるものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、先行技術の問題の少なくとも1つを克服するVPETとPCR材料とのブレンドの供給方法を提供することができれば望ましい。更にまた、VPETとPCR材料以外の材料とのブレンドを提供することも望ましい。従って、先行技術の問題の1つ又はそれ以上を伴わずにこれらの型のブレンドを供給することも望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
少なくとも1つの実施態様において、本発明は、VPETとVPET改質成分(PMC)とのブレンドを供給する方法に関する。この方法は、VPET供給源及びVPET供給源とは別のPMC供給源を設けることを含む。この方法は更に、ブレンドをエンドユーザーに配送するバルクコンテナを用意することを含む。この方法は更に、これらの供給源とバルクコンテナとの間に伸びる導管を設けることを含む。この方法は更に、VPET及びPMCをそれらの各供給源から導管へ所望の量で選択的に計量分配して、VPET及びPMCを所定の比率で含むVPETとPMCとのブレンドを形成することを含む。この方法は更に、ブレンドの少なくとも一部をハウジングからエンドユーザーへの配送のためのバルクコンテナに輸送することを含む。
【0009】
少なくとも1つの実施態様において、VPET供給源は、好ましくは固体VPETを含有する1つ又はそれ以上のサイロのような貯蔵ビンを含む。少なくとも1つの実施態様において、PMC供給源も、好ましくは、固体PMCを含む、1つ又はそれ以上のサイロのような貯蔵ビンを含む。典型的に、VPET対PMCの比率のため、VPET供給源は通常はサイロを複数含み、PMC供給源は通常はサイロを1つだけ含む。
【0010】
少なくとも1つの態様において、PMCは使用済みの再循環PET(PCR)である。一部の実施態様において、材料のブレンドは75%〜95%のVPETと5%〜25%のPCR(重量又は容量%)を含むが、5%〜95%のVPETと95%〜5%のPCRを含むこともできる。
【0011】
少なくとも1つの実施態様において、材料(VPET及びPMC)の供給源のそれぞれは、バルクコンテナに輸送する前に、装填ビン(bin)に乾燥固体材料を送出できるように装填ビンと流体連通している。少なくとも1つの実施態様において、流体連通は好ましくは、空気濃密相又は稀薄相搬送導管又は運搬ラインによってもたらされる。少なくとも1つの実施態様においては、ブレンドプロセスを助けるためにブレンドプログラムを含むCPUを設けることによって、人為的ミス又は誤操作のおそれを減少させる。
【0012】
本発明の前記構成並びに他の構成及び利点は、添付図面に関連して解釈する場合に本発明に関する以下の詳細な説明から容易に理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を、以下の例に限って、また、添付図面に関してより詳細に説明する。添付図面において、図1は、本発明に係るブレンドシステムを示す。
【0014】
必要に応じて、本発明の詳細な実施態様をここに開示する。しかし、開示する実施態様は、本発明の代表例に過ぎず、本発明は種々の別の形態で具体化されることができることは言うまでもない。図面は、必ずしもスケール変更する必要はないが、個々の成分の細部を示すために一部の構成を誇張又は最小化することができる。従って、ここに開示された具体的な構造上及び機能上の細部は、限定的なものと解するのではなく、「特許請求の範囲」の単なる代表的な基準として且つ/又は当業者に本発明のさまざまな使用を教示するための単なる代表的な基準として解するべきである。
【0015】
特に断らない限り、本発明の最も広い範囲の説明においては、材料の量を示す本明細書中の数量は全て、「約」によって修飾されるものと解するべきである。記載した数値限界内の実施が一般に好ましい。また、特に断らない限り、%、「部」及び比の値は重量に基づき;用語「ポリマー」は、「オリゴマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」等を含み:1つの群又は類の材料が本発明に関連した特定の目的で適当であるか又は好ましいという記載は、その群又は類の構成員の任意の2つ又はそれ以上の混合物が同様に適当であるか又は好ましいという意味を含み;化学用語中の成分の記載は、その記載において特定された任意の組合せへの添加時における成分を意味し、混合時の混合物の成分間の化学的相互作用を必ずしも排除せず;頭字語又は他の略語の最初の定義は同じ略語の本明細書中における以後の全ての使用に適用され、最初に定義された略語の通常の文法上の違いには、必要な変更を加えて適用される。
【0016】
図1を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。図1に図示されるように、本発明は、VPETとVPET改質成分(PMC)とのブレンドを供給する方法及びシステムに関する。このシステムは、VPET(未使用ポリエチレンテレフタレート)の供給源12とPMCの供給源16を含む。少なくとも1つの実施態様において、VPETは固体の形態で用意し、より好ましくは固体ペレットとして用意する。しかし、VPETは、フレーク及びストランドのような他の固体の形態で用意することもできるであろう。VPETは任意の適当な方法で製造できる。
【0017】
少なくとも1つの実施態様においては、図1に示されるように、VPET供給源12は、VPETを含む貯蔵コンテナ20を複数含む。貯蔵コンテナ20は任意の適当な形状寸法及びデザインであることができ、少なくとも1つの実施態様においては、複数のサイロを含むことができる。サイロは、典型的には、50〜700メートルトン(mt)のVPETを含むことができる。VPET供給源は任意の適当な容量を含むことができるが、本発明はより好ましくは大規模操作に向いているので、少なくとも1つの実施態様では、VPET供給源は100〜10,000メートルトン(mt)、より好ましくは500〜2,000mtを含む。
【0018】
PMC供給源16は、好ましくは任意の適当な貯蔵コンテナであり、図中の一実施態様に示されるように、好ましくはサイロ24である。少なくとも1つの実施態様において、PMCは固体の形態で用意し、より好ましくは固体ペレットとして用意する。しかし、PMCはまた、短いストランド、フレーク、微小球、粉末又は固体VPETのようなキャリヤ上のコーティングの形態であることもできることを理解すべきである。PMC供給源は任意の適当な容量を含むことができるが、本発明はより好ましくは大規模操作に向いているので、少なくとも1つの実施態様において、PMC供給源は1〜3,000メートルトン(mt)、より好ましくは20〜300メートルトンを含む。
【0019】
PMCは、VPETとブレンドされた場合に、同様に成形された未改質VPETとは異なる性質又は特性を成形時に有するブレンドを形成する任意の適当な材料である。PMCの適当な例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定するものではない:使用済み再循環PET(PCR)のようなPCR材料、VPET再加熱特性改良剤、VPET結晶化速度改良剤、VPET UV(紫外線)遮断波長改良剤、VPETアセトアルデヒド(AA)削減及び/又は掃去剤、VPET酸素遮断及び/又は掃去剤、VPET気体遮断性改良剤、VPET固有延伸比(natural stretch ratio)改良剤、VPET摩擦係数改良剤並びにVPET加工剤。
【0020】
VPET再加熱特性改良剤に関しては、VPETの再加熱特性を改良する任意の適当な成分を使用できる。このような成分の適当な例としては、可視光スペクトルの近赤外線領域の光を吸収することができる、黒体(black body)、要素又は化合物の反応器製造コンセントレート又はポリエチレンテレフタレートマトリックス中分散体が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0021】
VPET結晶化速度改良剤に関しては、VPETの結晶化速度を改良する任意の適当な材料を使用できる。適当な例としては、改質が10重量%超であるシクロヘキサンジメタノール、ナフタレン、イソフタル酸、エチレングリコール又はポリエステルの縮合に適当な任意の他のコモノマーのコポリエステルが挙げられる。
【0022】
VPET UV遮断波長改良剤に関しては、VPET UV遮断波長を改良する任意の適当な材料を使用できる。適当な例としては、可視光スペクトルの紫外線領域に強い吸収を有する要素又は化合物あるいはまた、このような光を散乱又は屈折させることができる要素又は化合物の反応器製造コンセントレート又はポリエチレンテレフタレートマトリックス中分散体が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0023】
VPET AA削減及び/又は掃去剤に関しては、アセトアルデヒド(AA)の発生及び/又はAAの掃去に関するVPETの特性を改良する任意の適当な材料を使用できる。適当な例としては、VPETの加工時におけるアセトアルデヒドガスの形成を遅延させることができ且つ/又はVPETの加工時にアセトアルデヒドガスを形成されたらすぐに掃去できる能力を有する要素又は化合物の反応器製造コンセントレート又はポリエチレンテレフタレートマトリックス中分散体が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0024】
VPET酸素遮断及び/又は掃去剤に関しては、酸素遮断及び/又は酸素掃去に関するVPETの特性を改良する任意の適当な材料を使用できる。適当な例としては、成形品の壁を酸素が通過しようとする際に酸素を掃去又は吸収することによって、成形品中に含まれる製品の暴露を遅らせ且つ製品保存寿命を延長させる要素又は化合物の反応器製造コンセントレート又はポリエチレンテレフタレートマトリックス中分散体が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0025】
VPET気体遮断改良剤に関しては、PETの気体遮断性を改良する任意の適当な材料を使用できる。適当な例としては、ポリエチレンナフタレートホモポリマー又はコポリマー或いは気体分子が成形品中を通って拡散する曲がりくねった通路を増加させる要素又は化合物の反応器製造コンセントレート又はポリエチレンテレフタレートマトリックス中分散体が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0026】
VPET固有延伸改良剤に関しては、VPETの固有延伸比特性を改良する任意の適当な材料を使用できる。このような材料の適当な例としては、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、EX20、Irganox 626又はポリエステル製造用の他の適当なコモノマーが挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0027】
VPET摩擦係数改良剤に関しては、VPETの摩擦係数を改良する任意の適当な材料を使用できる。このような材料の適当な例としては、顕微鏡レベルで成形品表面の粗さを増加させるか、或いは製品表面を滑らかにして、摩擦を減少させるか又は成形品が同様な成形品に粘着又は付着する傾向を減少させる要素又は化合物の反応器製造コンセントレート又はポリエチレンテレフタレートマトリックス中分散体が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0028】
VPET加工剤に関しては、VPETの加工性を改良する任意の材料を使用できる。このような材料の適当な例としては、改質が10重量%超のシクロヘキサンジメタノール、ナフタレン、イソフタル酸、エチレングリコール又はポリエステル縮合に適当な任意の他のコモノマーが挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0029】
PMCに対するVPETの量は、所望の最終用途及び所望のエンドユーザーによって異なり得る。この量は典型的には0.01重量%〜40重量%であるが、必要に応じて変化し得る。しかし、一部の実施態様においては、PMC(改質成分)とVPETとの得られるブレンド中の改質成分の量は重量ベースで以下の量であることができる:
使用済み再循環PETのようなPCR 5%〜30%、好ましくは10%;
VPET再加熱特性改良剤5%〜30%、好ましくは10%;
VPET結晶化改良剤5%〜40%、より好ましくは10%;
VPET UV(紫外線)遮断波長剤0.1%〜15%、好ましくは2%;
VPETアセトアルデヒド(AA)削減及び/又は掃去改良剤0.1%〜10%、より好ましくは0.3%;
VPET酸素遮断及び/又は掃去剤0.5%〜15%、より好ましくは15%;
VPET気体遮断性改良剤5%〜40%、より好ましくは15%;
VPET固有延伸比改良剤5%〜40%、より好ましくは15%;
VPET摩擦係数改良剤0.5%〜15%、より好ましくは2%;及び
VPET加工剤2%〜30%、より好ましくは5%。
【0030】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、PMCは使用済み再循環PET(PCR)を含む。好ましい実施態様において、PCRはペレットの形態で供給される固体である。PCRのペレットの大きさは一般に1〜6mmであり、立方体、円筒、球又は円の形状である。PCRはフレークの形態であることもでき、その典型的な大きさは1cm2である。PCRは任意の適当な方法に従って製造できる。PCRが好ましいPCMであるので、以下、本明細書においては、PCRに関して記載するものとするが、他のPCRでないPMCを代わりに使用できること及び以下の記載は本発明をPCRの使用にのみ限定しないこと理解されたい。
【0031】
PCRはサイロ24中に含まれる。サイロ20及び24は、導管30によって1つ又はそれ以上の装填ビン40に接続される。装填ビン40は任意の適当な大きさであることができるが、本発明はより好ましくは大規模操作に向いているので、少なくとも1つの実施態様において、装填ビンは100〜700mtの容量の材料を収容できる。導管30は、サイロ24からPCRを送出し、1つ又はそれ以上のサイロ20から1つ又はそれ以上の装填ビン40にVPETを送出する。1つの実施態様において、図に示されるように、サイロ24はサイロ20の下流であって且つ装填ビン40の上流にある。図1には、2つの別個の導管30がサイロ20と装填ビン40との間に伸びているのが示されている。これは、これは単なる代表例であるので、それ以上、例えば8個(各サイロについて1個)又はそれ以下も使用できることを理解されたい。
【0032】
導管30は好ましくは、固体材料を運搬するのに適当な空気搬送ラインである。しかし、図に示された空気搬送ラインに加えて又はその代わりに、固体材料の送出に適当な他の装置又は設備を使用できることも理解されたい。適当な装置の例としては、空気稀薄相運搬システム、空気濃密相運搬システム、オーガー、コンベヤーベルト、振動コンベヤー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。運搬ライン中に存在できる他の成分としては、重量供給ライン、真空ポンプ、容量移送式ポンプ、メッシュ又は固体搬送管、溝付き搬送管、ガス抜き、フロー・バルブ及び一方通行弁、圧縮機等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0033】
サイロ20及び24は、バルブ60から導管30への材料の計量分配を容易にするためのプログラムブレンドを含むCPU 70と連絡できる。バルブ60は、導管30又はコンテナ50への材料の流れを制御するために各サイロ20、24及び40と導管30又はコンテナ50との間に配置された、オン/オフバルブ、計量弁及び/又は回転エアロックバルブのような任意の適当なバルブであることができる。サイロ20及び24に関しては、バルブ60は、サイロ20及び24とそれらの各導管30とを隔離する。これらのバルブ60は、材料を装填ビン40に搬送する導管30中へのVPET及びPCRの排出を可能にする。
【0034】
一実施態様において、サイロ20及び24は好ましくは、従来型のロードセル上にあり、サイロ中の材料の量(レベル)及び計量分配を監視し且つ制御を助けるために従来型のレーザーレベル測定システムを有する。CPU 70は、VPET及びPCRの供給速度を制御して所望のVPET/PCR比を得て且つ維持するために、サイロ20及び24並びに装填ビン40と接続される。一実施態様において、CPU 70は、サイロ20及び24の下部にあるバルブ60の開閉を制御する働きをするブレンドプログラムを含む。CPUは、PCR(PMC)及びVPETの目標とする混合を達成するために、いくつかの異なる方法を、別個に又は任意の組合せで用いることができることに注目されたい。これらの方法の例としては、サイロ重量の変化、サイロレベルの変化及び特に回転ロックバルブの速度が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
PCR及びVPETは均一に混合され、バルクコンテナ50中に散布される所望の所定の比で装填ビン40に搬送される。一実施態様において、サイロ24と導管30との間のバルブ60は、VPETと混合されるPCRの量を制御する。バルブ60に加えて、VPETとPCTとを均一に混合する任意の適当な混合装置も使用できる。一部の実施態様においては、好ましくは、回転エアロックバルブ又は乾燥固形分混合スクリューを使用する。一部の実施態様においては、導管30は、特別に作られ且つ/又は処理された運搬ライン又は内部ブレンド管(側面又は底部に取り付けられる)を用いることによって混合を助けることができる。更に、装填ビンはまた、ある種のサイロ及びコンテナ中では普通である追加の混合機を含むことができるであろう。
【0036】
図に示されるように、バルクコンテナ50は1つの装填ビン40の真下に設けられる。コンテナ50は、大量の材料ブレンドを輸送するのに適当な任意のコンテナであり、図に示されるように、好ましくは海用(sea)バルクコンテナ、バルクトラック、鉄道車両、ゲイロード又はバルクバッグである。バルクコンテナは任意の適当な大きさであることができるが、本発明はより好ましくは大規模操作に向いているので、少なくとも1つの実施態様において、バルクコンテナ40は、100〜700mtの容量の材料を収容できる。
【0037】
装填ビン40は受け入れ開口部54と計量分配用開口部56を有する。受け入れ開口部54は、計量分配開口部56の軸方向上方に配置される。PCRとVPETとの均一に混合されたブレンドは、導管30から開口部を経て装填ビン40に排出される。ビン40の内側で、PCRとVPETとのブレンドは、固体材料のブレンド62の均一配合物を維持し、又は更にもっと得るために、常用の設備を用いて混合し続けることができる。
【0038】
ブレンド62は、VPETとPCMとを所望の比率で含む。一部の実施態様において、所定の/望ましい比率は、重量基準でVPET 75%〜95%及びPCM 5%〜25%であるが、これはまた、積容基準でも同様であることができるであろう。材料のブレンド62又はブレンド62の少なくとも一部は、開口部56を経てバルクコンテナ50中に配送することができ、次いで、それはエンドユーザーの製造プラントで使用するためにエンドユーザーまで輸送する。
【0039】
本発明の実施態様を示し且つ説明したが、これらの実施態様は本発明の全ての可能な形態を示し且つ説明するものではない。例えば、本発明は、VPETと同様な材料、例えば低密度、高密度、線状又は中密度のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、及びVPETと同様なペレットの形態の任意の他のポリマー材料に適用できる。もっと正確に言えば、本明細書中で使用した用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の精神及び範囲から逸脱しなければ、種々の変更が可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るブレンドシステムを示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体VPET供給源を用意し;
VPET供給源とは別に、固体PMC供給源を用意し;
ブレンドをエンドユーザーに配送するバルクコンテナを用意し;
前記供給源とバルクコンテナとの間に導管を用意し;
VPET供給源からのVPET及びPMC供給源からのPMCを所望の量で導管中に選択的に計量分配して、VPET及びPMCを所定の比率で含む材料の均一ブレンドを導管中において形成し;そして
導管中のブレンドの少なくとも一部を、エンドユーザーに配送するバルクコンテナに輸送する
ことを含んでなるVPETとPCMとの均質化ブレンドの提供方法。
【請求項2】
前記PMCがPCR(使用済み再循環PET)を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PMCが非再循環PET材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記PMCが、VPETとブレンドした場合に、成形時に成形未改質VPETとは実質的に異なる特性を有するブレンドを形成する材料を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記PMCが、VPET再加熱特性改良剤、VPET結晶化速度改良剤、VPET UV(紫外線)遮断波長改良剤、VPETアセトアルデヒド(AA)削減及び/又は掃去剤、VPET酸素遮断及び/又は掃去剤、VPET気体遮断性改良剤、VPET固有延伸比改良剤、VPET摩擦係数改良剤並びにVPET加工剤からなる群から選ばれた材料である請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ブレンド材料がPCR5%〜25%及びVPET75%〜95%を含む請求項2に記載の方法。
【請求項7】
導管とバルクコンテナとの間に、多量のブレンドを貯蔵するのに適した装填ビンを配置する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
VPET供給源及びPMC供給源からの材料を計量分配する工程が1つの材料を第1の位置で導管中に計量分配し且つ他の材料を第1の位置とバルクコンテナとの間の第2の位置で導管中に計量分配することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
供給源からの材料の計量分配及びブレンドの混合を制御するCPUを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
固体VPET供給源;
前記VPET供給源とは別の固体PMC供給源;
これらの材料供給源と流体連通している導管(前記導管及び前記供給源は、導管中においてVPET及びPMCを含む材料の均一ブレンドを生成するように構成する);及び
前記ブレンド材料を受けることができるバルクコンテナ
を含んでなるVPETとPCMとのブレンドを提供するシステム。
【請求項11】
前記PMCがPCR(使用済み再循環PET)を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記PMCが非再循環PET材料を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記PMCが、VPETとブレンドした場合に、成形時に成形未改質VPETとは実質的に異なる特性を有するブレンドを形成する材料を含む請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記PMCが、VPET再加熱特性改良剤、VPET結晶化速度改良剤、VPET UV(紫外線)遮断波長改良剤、VPETアセトアルデヒド(AA)削減及び/又は掃去剤、VPET酸素遮断及び/又は掃去剤、VPET気体遮断性改良剤、VPET固有延伸比改良剤、VPET摩擦係数改良剤並びにVPET加工剤からなる群から選ばれた材料である請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
ブレンドされた材料がPCR5%〜25%及びVPET75%〜95%を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
導管とバルクコンテナとの間に、多量のブレンドを貯蔵するのに適した装填ビンを配置する請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記供給源が、それぞれ、各供給源と導管との間にバルブを有する請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記バルブが回転エアロックバルブを含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記供給源からの材料の計量分配を制御するPCUを更に含む請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
固体VPET供給源を用意し;
VPET供給源とは別個に、固体PMC供給源を用意し;
装填ビンを用意し;
前記供給源と前記装填ビンとの間に伸びる導管を用意し;
VPET供給源からのVPET及びPMC供給源からのPMCを所望の量で導管中に選択的に計量分配して、VPET及びPMCを所定の比率で含む材料の均一ブレンドを導管中において形成し;そして
導管中のブレンドの少なくとも一部を、エンドユーザーに配送するためのバルクコンテナ中に輸送する
ことを含んでなるVPETとPCMとの均質化ブレンドの提供方法。

【公表番号】特表2007−505972(P2007−505972A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526938(P2006−526938)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/029440
【国際公開番号】WO2005/028092
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】