説明

ポリエーテルを含む分散および乳化樹脂

本発明は、1種または複数のオキシランとカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂のヒドロキシル基との部分もしくは完全反応、ならびに、所望する場合、その後の有機酸および/または無機酸による完全もしくは部分エステル化によって得られる固体用分散樹脂に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斬新的な分散樹脂、その調製、および固体を分散させるためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
液体媒質中に固体(例えば充填剤、染料または顔料)を分散させるには、固体の有効な分散を達成するために、分散に要する機械的せん断力を低減するために、また同時に、非常に高度な充填(filling)を実現するために、分散剤を使用するのが通常のやり方である。この分散剤は、凝集体の破壊を助け、界面活性剤として分散しようとする粒子を濡らしおよび/または被覆し、望ましくない再凝集化に対してこれらの粒子を安定化する。
【0003】
ペイント、ワニス、印刷インキ、および他の塗料の製造において、分散剤は、充填剤および顔料などの固体の配合を容易にするものであり、例えば、重要な配合成分として、このような系の視覚的外観および物理化学的特性の不可欠な決定因子である。最適な利用のためには、第1にこれらの固体が配合物内で均一に分布され、第2に分布の状態が、到達されたら安定化されることを要する。
【0004】
今日、数多くの様々な物質が、固体用分散剤として用いられている。レシチン、脂肪酸およびそれらの塩、ならびにアルキルフェノールエトキシレートなどの非常に単純な低分子質量の化合物の他に、より複雑な高分子質量構造体も分散剤として使用されている。ここでは特に、アミノ官能性系およびアミド官能性系が、幅広い用途を見出している。
【0005】
例えば、US−A−4224212、EP−B−0208041、WO−A−00/24503およびWO−A−01/21298は、ポリエステル変性(polyester-modified)ポリアミンに基づく分散剤を記載している。DE−B−19732251は、ポリアミン塩、ならびに顔料および充填剤用分散剤としてのそれらの使用について記述している。
【0006】
しかし、このような製品の使用はまた、様々な欠点をも伴うものである。すなわち、それらを顔料ペーストに使用する場合、高レベルの分散添加剤をしばしば必要とし、このペーストの達成可能な着色レベルが不満足で低く、このペーストの安定性、したがってそれらの粘性のコンシステンシーが不十分であり、凝固および凝集をいつも避け得るとは限らない。多くの例では、これらのペーストは、貯蔵後の色相の一定性に欠け、種々のバインダーとの適合性に欠けている。既知の分散添加剤の使用は、多くの場合、塗料の耐水性あるいは耐光性にも悪影響を及ぼし、その上、製造および加工の過程で生じた望ましくない気泡をさらに安定化する。その他、数多くの溶解ビヒクル中の分散樹脂の適合性に欠けるため、光沢がたびたび望ましくない影響を受ける。
【0007】
したがって、最新の技術と比較してさらに改良された特性を示す固体用分散剤への増大する需要が存在する。その要求条件は、数多くの様々な固体への非常に高い安定化作用を有する分散剤を求めている。
【0008】
例えば、より有効な分散剤によれば、色強度の低下を許容する必要がなく、使用される高価な顔料のレベルを低減することが可能である。
【0009】
その上、例えば、ペースト、ペイント、ワニス、印刷インキ、ならびに、染料、または充填剤および/もしくは顔料などの固体を含む他の塗料の粘性特性は、使用される分散剤によってきわどく同時決定される。ここにおける要求は、特に、液体ペイントおよびワニスにおける非常に低い粘性をもたらし、かつ、このような粘性をニュートン粘性挙動を優先して保持する分散剤を求めている。
【0010】
さらに、建築用ペイント業界において、適正な場合助溶剤を含有する水性顔料ペーストが使用され、これらは、直鎖アクリレート、スチレン−アクリレートまたはシリケートベースの水性エマルジョンペイントにおいておよび非極性長油アルキドベース装飾ペイントにおいても、着色のため万能的に使用される。
【0011】
この目的により具体的に適するのはリン酸エステルである。
【0012】
リン酸エステルおよび分散剤としてのその使用は知られており、従来技術において見出すことができる。例えば、US−A−4720514は、水性顔料分散液を配合するのに有利に使用することができる一連のアルキルフェノールエトキシレートのリン酸エステルを記載している。同様な使用向けのリン酸エステルは、EP−A−0256427により記述されている。さらに、DE−A−3542441は、ブロックコポリマーの二リン酸モノエステルおよびそれらの塩を開示している。分散剤および乳化剤としての、より具体的には収穫物保護用配合物を調製するための、それらの使用可能性も記述されている。US−A−4872916は、顔料分散剤としての、直鎖もしくは分岐脂肪族化合物のアルキレンオキシドに基づくリン酸エステルの使用を記述している。US−A−3874891中に同様な形で概説されるものは、対応する硫酸エステルもしくは塩の使用である。資料US−A−5130463およびUS−A−5151218は、それぞれヒドロキシ末端重付加生成物および重縮合生成物に基づくリン酸エステルであり、高充填性ポリエステル成形化合物の製造に、特にSMCおよびBMC配合物(SMC=シート成形化合物;BMC=バルク成形化合物)に用途を見出しているリン酸エステルについて報告している。J.Appl.Polym.Sci.65、2545(1997)により、マンニッヒ−メドリツァー(Moedritzer)反応により調製した二官能性リン酸エステル、およびそれらの炭酸カルシウム上への吸着特性が記述されている。US−A−4456486により記述される主題事項には、ある青色顔料を処理する薬剤としての脂肪族アルコールおよびアルコキシル化脂肪族アルコールの酸性もしくは中性リン酸エステルが含まれる。同様な形で、EP−A−0256427は、水性用途に適していると言われる顔料分散液を調製するためのアルコキシル化脂肪族アルコールのリン酸エステルの使用を記述している。US−A−4720514は、種々の構造のアルコキシレートのリン酸エステルを使用した顔料分散液を記述している。US−A−4698099は、それらの分散剤としてモノヒドロキシ末端ポリエステルのリン酸エステルを含む顔料分散液を記述している。
【0013】
DE−A−3930687は、リン酸エステル(OH)−nPO−(OR)およびそれらの塩であって、Rが、少なくとも1個のエーテル酸素原子(−O−)、少なくとも1個のカルボン酸部分(−COO−)および/またはウレタン基(−NHCOO−)を含有する、Zerewitinoff水素を含まない脂肪族、環式脂肪族および/または芳香族基を表し、平均分子量200〜10000を有し、脂肪族基のいくつかの水素原子がハロゲン原子で置き換えられていることが可能であり、分子中の(またはそれぞれの基R中の)カルボン酸エステル基および/またはウレタン基の数の比率が1:20〜20:1の範囲にあり、nが1または2を表すことを特徴とするリン酸エステルおよびそれらの塩を記載している。より具体的には、分散剤としてのこれらのリン酸エステルの使用も述べられている。
【0014】
エマルジョンポリマーを調製するためのこのようなリン酸エステルの使用も知られ、特に低凝集物含量のエマルジョンポリマーを含む、このようなエマルジョンポリマーの即時顔料着色性(pigmentability)が特に強調されている(DE−A−19810658、JP−A−11−246799、およびWO99/46337)。
【0015】
DE−A−19806964は、単官能性出発アルコールから出発し、スチレンオキシドおよびアルキレンオキシドを順次付加することにより調製される、ポリスチレン−ブロック−ポリアルキレンオキシドコポリマーに基づく特定のリン酸エステルについて記述している。これらのリン酸エステルの特性には、それらを調製するための、少なくとも2モルのスチレンオキシドの使用が含まれる。同様に記述されているのは、顔料および充填剤のための分散剤としてのこれらのリン酸エステルの使用である。DE−A−19940797は、非イオン性ブロックコポリマーであるスチレンオキシド含有ポリアルキレンオキシドの低気泡顔料湿潤剤としての使用を記述しており、このブロックコポリマーの特性は、それらを調製するための、2モル未満のスチレンオキシドの使用を含む。
【0016】
既知のリン酸エステルは、分散添加剤とバインダーの間のまたは分散添加剤と周囲媒質(水性または溶剤系配合物)の間の十分な適合性の不足がしばしば存在するので、一般に万能的には使用することができない不利な点を有する。やはり、リン酸エステルの化学構造が大きい役割を果たしており、水性配合物では、分子内において、エステル基またはウレタン基などの、さらなる加水分解性官能基を有しないリン酸エステルだけを使用することが好ましい。しばしば、凝集の発生を抑えるために分散添加剤の高レベルの添加が必要とされ、達成することができる充填度が不満足で低く、分散液の安定性、したがってそれらの粘性のコンシステンシーがたびたび不十分であり、凝固および凝集をいつも避け得るとは限らず、したがって、目に見える分離および流動欠陥および表面欠陥も存在し得る。
【0017】
ペイントおよび印刷インキ業界では、スチレンオキシドを含有するブロックコポリマーの適用により、いくつかのこれらの不利な点を除いている。既知のコポリマーには、ポリスチレンオキシド−ブロック−ポリアルキレンオキシドコポリマーが含まれ(DE−A−19806964)、これらは単官能性出発アルコールから出発し、少なくとも2モルのスチレンオキシドおよびアルキレンオキシドを順次付加すること、およびその後リン酸化することにより反応して、対応するリン酸エステルを形成するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明者ら自身の広範な所見を示してきたが、これらの製品に共通の特徴は、ある程度の残留する遊離スチレンオキシド含量である。スチレンオキシドは健康被害を誘発し得る。したがって、化学製品により提起される毒物学的および環境的リスクにわたる論議を継続する中で、スチレンオキシドを含まない製品の開発および提供は、極めて重要なことである。
【0019】
したがって、従来技術の1つまたは複数の不利な点を無くすことが、本発明の目的であった。本発明の特定の目的は、広い基準に基づく改良された分散性能を示し、かつ固体を含む配合物の粘性およびレオロジ特性に肯定的な影響を有する固体用分散剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
驚くべきことに、1種または複数のオキシランとの、カルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂のヒドロキシル基の部分もしくは完全反応、ならびに、所望する場合、その後の有機酸および/または無機酸による完全もしくは部分エステル化により得られる新たな固体用分散樹脂によって、前述の目的が達成されることが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に従って、1種または複数のオキシラン化合物とのカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂の反応において、一般式(I)のオキシラン化合物
【0022】
【化1】


(式中、
Rは、任意選択により置換され、任意選択によりヘテロ原子を含有する脂肪族、環式脂肪族、芳香族または芳香脂肪族炭化水素基、好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、または水素とすることができ、
およびRは、同じであるか異なることができ、水素またはアルキル基とすることができ、アルキル基は2つのオキシラン炭素原子と一緒になって5〜8員環、より具体的には6員環を形成してもよく、
eは、=0または1とすることができ、
また、任意選択によりその後、有機酸および/または無機酸により完全にもしくは部分的にエステル化される)を使用することが好ましい。
【0023】
本発明はさらに、一般式(II)の化合物
K−(OX) (II)
(式中、
Kは、カルボニル−水素化ケトン−ホルムアルデヒド樹脂であり、
Xは、水素原子、または
基Y=[(C2lO)−(C2mO)−(C2nO)−(SO)−Z]であり、
a、bおよびcは、互いに独立して、0〜100、好ましくは5〜35、より具体的には10〜20であり、ただしa+b+cの合計が>0であり、
dは、=0〜10、好ましくは<5、より具体的には0であり、
l、mおよびnは、互いに独立して、≧2〜14、好ましくは2〜4であり、
wは、2〜15、好ましくは3〜12、より具体的には4〜12であり、
SOは、=スチレンオキシドであり、
Zは、水素、ならびに/またはスルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸、カルボン酸、イソシアネートおよびエポキシドからなる、より具体的にはリン酸および(メタ)アクリル酸からなる群から選択される基であり、
ただし、基Yは、分子内に少なくとも1回存在する)を提供する。
【0024】
本発明による一般式(II)の好ましい化合物は、Zがモノエステル化および/もしくはジエステル化リン酸の基であるものである。
【0025】
当業者は、これらの化合物が、統計的法則により実質的に支配される分布を有する混合物の形態で存在できることに十分気付いている。これはオキシラン基の分布だけでなく、酸基、およびそれらのエステル化の度合、すなわちモノエステル、ジエステル、およびトリエステルにも当てはまり、エステル結合が分子間および/または分子内にあることが可能である。特定の一実施形態において、オキシラン基はブロックとして配列されてもよい。
【0026】
本発明は、さらに、固体用分散剤、より具体的にはバインダーを含むおよびバインダーを含まない顔料ペースト、塗料、印刷インキ、およびプリントワニスを製造するための分散剤としての上記の反応生成物の使用、より具体的には一般式(II)の化合物の使用を提供する。
【0027】
本発明によりさらに提供されるものは、上記の反応生成物の、および/または一般式(II)の化合物の少なくとも1種の化合物を含む、液体媒質中の固体の分散液である。
【0028】
本発明のさらなる主題事項は、本特許請求範囲によって特性付けられる。
【0029】
本反応において使用することができるカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂は、すべて既知の樹脂である。
【0030】
ケトン−ホルムアルデヒド樹脂は、すでに長い間知られている。その調製方法は、例えばDE3324287、US2540885、US2540886、DE1155909、DD12433、DE1300256、およびDE1256898に記載されている。
【0031】
通例、調製のため、ケトンおよびホルムアルデヒドを塩基の存在下で互いに反応させる。
【0032】
ケトン−アルデヒド樹脂は、塗料において、初期乾燥速度、光沢、硬度または引っかき抵抗性などのある種の特性を改良するために、例えば、塗膜形成添加剤成分として使用される。それらの比較的低い分子量のため、典型的なケトン−アルデヒド樹脂は低い溶融粘度および溶液粘度を有し、ゆえに、とりわけ塗料における塗膜形成機能性充填剤の役割を果たす。
【0033】
例えば、日光の照射により、ケトン−アルデヒド樹脂のカルボニル基は、ノリッシュ(Norrish)IまたはII型の反応などの従来の分解反応を受ける[Laue, Plagens, Namen- und Schlagwort-Reaktionen, Teubner Studienbuecher, Stuttgart, 1995]。
【0034】
したがって、未変性ケトン−アルデヒド樹脂またはケトン樹脂を、例えば、より具体的には風化および熱に関して高抵抗性の特性が要求される屋外分野の高品質用途向けに使用することはできない。これらの不利な点は、カルボニル基を水素化することによって軽減させることができる。ケトン−アルデヒド樹脂の水素化によるカルボニル基の第二級アルコールへの変換は、長い間実用されている(DE826974、DE870022、JP11−012338、US6222009)。
【0035】
芳香族基を含有するケトンに基づくカルボニル−水素化および環水素化ケトン−アルデヒド樹脂の調製が、同様に可能である。この種の樹脂はDE3334631に記載されている。
【0036】
しかし、カルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂のアルコキシ化を記述している資料は存在しない。
【0037】
本発明による特に好ましいものは、ホルムアルデヒドに基づくカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂であって、式(III−a)〜(III−c)の構造要素
【0038】
【化2】


(式中、
Rは、炭素原子6〜14個を有する芳香族炭化水素基、または炭素原子1〜12個を有する(環式−)脂肪族炭化水素基であり、
R’=HまたはCHOHであり、
k=2〜15、好ましくは3〜12、より好ましくは4〜12であり、
m=0〜13、好ましくは0〜9であり、
l=0〜2であり、
k+l+mの合計は、5と15の間であり、kは>mであり、好ましくは5と12の間であり、3つの構造要素は交互にもしくはランダムに分布することができ、これらの構造要素はCH基を介して直鎖状に結合し、および/またはCH基を介して分岐を有して結合され、
A)無溶媒で、もしくは水混和性有機溶媒を使用して、少なくとも1種の塩基性触媒および所望する場合には少なくとも1種の相間移動触媒の存在下で、少なくとも1つのケトンを少なくとも1つのアルデヒドと縮合させることによりベース樹脂を調製すること、
およびその後、
B)触媒の存在下で、50と350バールの間の、好ましくは100と300バールの間の、より好ましくは150と300バールの間の圧力における水素により、40と140℃の間、好ましくは50と140℃の間で、溶融物としてまたは適正な溶媒中の溶液内において、A)で得られたケトン−アルデヒド樹脂のカルボニル基に連続的、半バッチ式もしくはバッチ式水素化を享受させること
によって得られる)を実質的に含有するカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂である。
【0039】
これらの化合物及びその調製方法は、本明細書の優先権年月日において未公開であり、かつ、参照により本明細書に組み込まれる特許出願DE102006009079.9の主題事項である。
【0040】
さらに、本発明において好ましいものは、二反応性ケトンおよびホルムアルデヒドに基づくカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂であって、式(IV)の構造要素
【0041】
【化3】


(式中、
R’=H、炭素原子1〜12個を有する脂肪族炭化水素基、またはCHOHであり、
およびR=H、炭素原子1〜18個を有する脂肪族および/または環式脂肪族炭化水素基であり、この場合
およびRは、同じであるか異なってよく、または結合した環式脂肪族環の一部であってよく、
k=1〜15、好ましくは2〜12、より好ましくは3〜12であり、
l=1〜13、好ましくは1〜9であり、
m=0〜2であり、
k+l+mの合計は、3と15の間であり、好ましくは4と12の間であり、3つの構造要素が交互にもしくはランダムに分布されることが可能であり、これらの構造要素がCH基を介して直鎖状に結合されることが可能であり、Rおよび/またはR=Hである場合、これらの構造単位はCH基を介して分岐を有して結合されることが可能であり、
A)無溶媒でもしくは水混和性有機溶媒を使用して、少なくとも1種の塩基性触媒および所望する場合には少なくとも1種の相間移動触媒の存在下で、少なくとも1つのケトンを少なくとも1つのアルデヒドと縮合させることによりベース樹脂を調製すること、
およびその後、
B)触媒の存在下で、50と350バールの間、好ましくは100と300バールの間、より好ましくは150と300バールの間の圧力における水素により、40と140℃の間、好ましくは50と140℃の間で溶融物としてまたは適正な溶媒中の溶液内において、ケトン−アルデヒド樹脂(A)のカルボニル基に連続的、半バッチ式もしくはバッチ式水素化を享受させること
によって得られる)を実質的に含有するカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂である。
【0042】
これらの化合物およびそれらの調製方法は、本明細書の優先権年月日において未公開であり、かつ、参照により本明細書に組み込まれる特許出願DE102006009080.2の主題事項である。
【0043】
アルキレンオキシドの例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、ドデセンオキシド、テトラデセンオキシド、2,3−ジメチルオキシラン、シクロペンテンオキシド、1,2−エポキシペンタン、2−イソプロピルオキシラン、グリシジルメチルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、エピクロロヒドリン、3−メトキシ−2,2−ジメチルオキシラン、8−オキサビシクロ[5.1.0]オクタン、2−ペンチルオキシラン、2−メチル−3−フェニルオキシラン、2,3−エポキシプロピルベンゼン、2−(4−フルオロフェニル)オキシラン、およびテトラヒドロフラン、ならびにそれらの純粋な鏡像異性体対または鏡像異性体混合物からなる群から選択される1種または複数の化合物である。
【0044】
アルキレンオキシドの互いに対するおよび樹脂Kに対する比率によって、例えば、親水性/疎水性、融点範囲、粘度、硬度などの特性を同時決定することが可能である。これについての規則は、当業者にはよく知られている。
【0045】
本発明の目的用の固体は、原則として任意の固体有機もしくは無機材料とすることができる。
【0046】
このような固体の例は、顔料、充填剤、染料、蛍光増白剤(optical brightener)、セラミック材料、磁性材料、ナノ分散性固体、金属、殺生物剤、農薬、および分散液の形態で用いられる薬剤である。
【0047】
好ましい固体は、例えばカラーインデックス(Colour Index)、第3版、第3巻、The Society of Dyers and Colourists(1982)、およびその後の改訂版において特定された顔料である。
【0048】
顔料の例は、例えば、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化亜鉛、紺青、酸化鉄、硫化カドミウム、クロム酸塩などのクロム顔料、モリブデン酸塩、および鉛、亜鉛、バリウム、カルシウムの混合クロム酸塩および硫酸塩、ならびにそれらの混合物などの無機顔料である。無機顔料のさらなる例は、H.Endrissによる書籍、Aktuelle anorganische Bunt−Pigmente、incentz Verlag、Hanover(1997)に挙げられている。
【0049】
有機顔料の例は、アゾ、ジスアゾ、縮合アゾ、ナフトール、金属錯体、チオインジゴ、インダントロン、イソインダントロン、アンタントロン、アントラキノン、イソジベンザントロン、トリフェンジオキサジン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、およびフタロシアニン顔料の群からのものである。有機顔料のさらなる例は、W.Herbst、K.Hungerによる書籍、Industrial Organic Pigments、VCH、Weinheim(1993)に挙げられている。
【0050】
さらに好ましい固体は、タルク、カオリン、けい石粉、バライト粉、および石灰などの充填剤;例えば、酸化アルミニウム、ケイ酸塩、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、混合窒化ケイ素/窒化アルミニウムおよびチタン酸金属などのセラミック材料;例えば、酸化鉄、コバルトドープ酸化鉄、およびフェライトなどの、遷移金属の磁性酸化物などの磁性材料;例えば、鉄、ニッケル、コバルト、およびそれらの合金などの金属;ならびに例えば殺生物剤、農薬、および防カビ剤などの薬剤である。
【0051】
本発明の目的向けの顔料ペースト、塗料、印刷インキ、および/またはプリントワニスは、任意の非常に幅広い様々な製品であってもよい。例えば、それらは充填剤、顔料および/または染料を含む系としてよい。液体媒質として、それらは、既知としての、最新技術としての、使用されるバインダーの機能に応じた有機溶剤および/または水を含んでよい。さらに、例えばポリオールなどのバインダー成分を液体媒質であるとみなすことも可能である。
【0052】
しかし、塗料、印刷インキ、および/またはプリントワニスは、必ずしも液相を含有する必要はなく、その代わり粉体塗料として知られているものとしてもよい。
【0053】
塗料、印刷インキ、および/またはプリントワニスは、例えば、湿潤剤、流動制御剤または消泡剤などの典型的な最新技術の添加剤を含んでよく、従来技術に従う様々な方法によっても硬化、架橋および/または乾燥してよい。
【0054】
本発明の目的向けの塗料の例は、ペイント、ワニス、印刷インキ、ならびに、溶剤系および無溶剤塗料、粉体塗料、UV硬化性塗料、低ソリッド、中間ソリッドおよび高ソリッド塗料、自動車上塗り塗料、ウッドワニス、焼付けワニス、2K[二成分]塗料、金属塗料、ならびにトナー組成物などの他の塗料である。塗料のさらなる例は、Bodo Mueller、Ulrich Poth、Lackformulierung und Lackrezeptur、Lehrbuch fuer Ausbildung und Praxis、Vincentz Verlag、Hanover(2003)に、およびP.G.Garrat、Strahlenhaertung、Vincentz Verlag、Hanover(1996)に挙げられている。
【0055】
本発明の目的向けの印刷インキおよび/またはプリントワニスの例は、溶剤系印刷インキ、フレキソ印刷インキ、グラビアインキ、活版印刷または凸版インキ、オフセットインキ、平版用インキ(lithographic inks)、包装印刷用の印刷インキ、スクリーン印刷インキ、インクジェットプリンター用インキ、インクジェットインキ、ならびにオーバープリントワニスなどのプリントワニスである。
【0056】
印刷インキ配合物および/またはプリントワニス配合物のさらなる例は、E.W.Flick、Printing Ink and Overprint Varnish Formulations−Recent Developments、Noyes Publications、Park Ridge NJ、(1990)およびその後の版中に挙げられている。
【0057】
本発明の分散樹脂は、顔料ペースト、染料、印刷インキおよび/またはプリントワニス中に0.01重量%〜90.0重量%の、好ましくは0.5重量%〜35重量%の、より好ましくは1重量%〜25重量%の濃度で使用することができる。適正な場合、それらは湿潤剤および従来技術の分散剤との混合物として使用することができる。
【実施例】
【0058】
本発明を、実施例を参照して、以下により大きく詳細に例示する。
【0059】
反応物:
カルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂
カルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂を次のように調製した。
【0060】
アセトフェノンおよびホルムアルデヒドに基づくさらなる水素化のためのベース樹脂の調製
1200gのアセトフェノン、220gのメタノール、0.3gの塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、および360gの濃度30%ホルムアルデヒド水溶液を容器に投入し、攪拌により均質化する。次いで、攪拌しながら、32gの濃度25%水酸化ナトリウム水溶液を添加する。次いで、攪拌しながら80〜85℃において、655gの濃度30%ホルムアルデヒド水溶液を90分にわたって添加する。還流温度で5時間攪拌した後、攪拌機を止め、樹脂相から水性相を分離する。粗製生成物を、酢酸を添加しておいた水で洗浄し、樹脂の溶融物試料が透明に見えるようになるまで洗浄を継続する。その時点で、蒸留により樹脂を乾燥する。
【0061】
これにより、1270gの淡黄色の樹脂が得られる。この樹脂は透明で、脆く、融点72℃を有する。ガードナー色数は0.8である(酢酸エチル中50%)。この樹脂は、例えば、酢酸ブチルおよび酢酸エチルなどの酢酸エステルおよびトルエンおよびキシレンなどの芳香族化合物に可溶である。この樹脂はエタノールに不溶である。ホルムアルデヒド含量は35ppmである。この生成物をベース樹脂と名づける。
【0062】
アセトフェノンおよびホルムアルデヒドに基づくベース樹脂の水素化
カルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂I:
300gのベース樹脂を加熱により700gのイソブタノールに溶解させる。次いで、100mlのラネー型ニッケル触媒を充填した触媒かごを有するオートクレーブ(Parr社から)内において260バールおよび120℃で水素化を行う。8時間後、反応混合物を、濾過器を通して反応器から排出する。
【0063】
カルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂II:
300gのベース樹脂を700gのテトラヒドロフラン(水分含量約7%)中に溶解させる。次いで、100mlの商業的慣用Ru触媒(酸化アルミニウム上3%Ru)を充填した触媒かごを有するオートクレーブ(Parr社から)内において260バールおよび120℃で水素化を行う。20時間後、反応混合物を濾過器を通して反応器から排出する。
【0064】
カルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂III:
加熱によりベース樹脂をイソブタノール中に溶解させて、濃度30%の溶液をもたらす。シリカ上に担持した商業的慣用銅/クロム触媒400mlを充填した連続運転される固定床反応器内において水素化を行う。300バールおよび130℃で、500ml/時の反応混合物を反応器の頂部から底部まで通過させる(細流方式)。水素を追加供給することにより、圧力を一定に保っている。
【0065】
実施例I〜IIIのカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂溶液を真空中で溶媒から分離させる。これにより、対応するカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂I〜IIIが得られる。
【0066】
1種または複数のアルキレンオキシドとのカルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂の反応、および、所望する場合、リン酸による完全もしくは部分エステル化
DE10029648において詳説されるように、本発明のポリエーテルを調製した。得られた変性ポリエーテルは、下記の一般構造式を有する:
[U−(SO)(EO)(PO)(BO)P(O)(OH)3−i
上式において、
U=カルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂、
SO=−CH−CH(Ph)−O−(ただしPh=フェニル基)、
EO=エチレンオキシド、
PO=プロピレンオキシド、
BO=ブチレンオキシドである。
【0067】
【表1】

【0068】
モノマーとしてのアルキレンオキシドについて上記に示した順序は、得られたポリエーテル構造に関して何らかの制約を及ぼすものではなく、その代わり例示的な列挙であり、この時点で、上述のモノマーを使用して、ランダムおよびブロック方式のいずれでもポリエーテルを構成できることが明確に指摘される。当業者は、変性もしくは非変性ポリエーテルがリン酸化反応によって調製されており、その反応はランダムに進行することを認識する。値iは、ポリエーテルとリン酸塩基のモル比を表す。値iは、0と2.9の間で変動することができる。
【0069】
適用例:
比較例として、脂肪酸エトキシレートB1(Tego Dispers 740W、Tego社)、9モルのエチレンオキシドを有するノニルフェノールエトキシレートB2(Berol 09、Akzo社)、対応するモノリン酸塩誘導体B3(Berol(登録商標)733、Akzo社)、および10モルのEOでエトキシル化したオレイルアルコールB4(Alkanol 010、Tego社)を使用した。
【0070】
分散添加剤としての本発明の使用のための化合物の活性および比較化合物の活性を調べるため使用した手順は、以下の通りであった:
【0071】
顔料ペーストの調製
顔料ペーストを調製するため、それぞれの添加剤を水、および適正な場合には消泡剤と混合し、その後顔料を添加した。空冷付きSkandex社振とう機内で粉砕媒体(ガラスビーズ2〜3mm、顔料ペーストと同体積)の添加に続いて、1時間(無機顔料)または2時間(有機顔料およびカーボンブラック)分散を行った。
【0072】
青色ペーストの配合
青色ペーストを下記の通り配合した(重量%での量):
45.9 水
12.2 本発明の化合物または比較化合物(固形分100%基準)、
1.0 消泡剤(Tego Foamex 830、Tego Chemie Service GmbH)、
40.8 染料(Heliogenblau 7080、青色染料、BASF社)、
0.1 防腐剤(Bodoxin(登録商標)AH、Bode-Chemie社)。
【0073】
黒色ペーストの配合
黒色ペーストを下記の通り配合した(重量%での量):
56.9 水
15.0 本発明の化合物または比較化合物(固形分100%基準)、
1.0 消泡剤(Tego(登録商標)Foamex 830、Tego Chemie Service GmbH)、
0.1 防腐剤(Bodoxin(登録商標)AH、Bode-Chemie社)。
27.0 顔料(Flammruss 101ランプブラック、Degussa社)、
【0074】
赤色酸化鉄ペーストの配合(重量%での量):
25.8 水
8.1 本発明の化合物または比較化合物(固形分100%基準)、
0.1 防腐剤(Bodoxin(登録商標)AH、Bode-Chemie社)。
1.0 消泡剤(Tego(登録商標)Foamex 830、Tego Chemie Service GmbH)、
65.0 赤色酸化鉄(Bayferrox 140M、Bayer社)、
【0075】
これらの場合において、本発明の顔料ペーストの調製は、気泡安定性が低下するため、より低濃度の消泡剤(1.0%ではなく0.8%)によって行うことが可能であった。
【0076】
試験用ペイント
直鎖アクリレート分散液(Mowilith(登録商標)DM771)を主成分とする、また無溶剤長油アルキド(Alkydal(登録商標)F681、75%)を主成分とする2種の市販白色ペイントを使用した。
【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
色顔料1gと白色顔料25gの割合で色ペーストおよび白色ペイントを手で混合することにより、着色ペイントを作製した。
【0080】
ペースト安定性の試験
ペースト安定性を測定するため、2つの異なるせん断速度(20l/sおよび1000l/s)における達成可能な初期粘度および50℃における4週間貯蔵後の粘度を確認した。
【0081】
【表4】

【0082】
【表5】

【0083】
【表6】

【0084】
検討したすべての型の顔料について、本発明の顔料ペーストの効果的な安定性は、それぞれの場合における粘度の上昇が少ないことから容易に明らかになり、一方、限られた場合にのみ比較例では安定な顔料調製物の調製が可能であった。
【0085】
分散特性の試験
濡れフィルム厚さ200μmを有する試験用配合物の減少(drawdown);5分乾燥後における表面の1/3に対する擦り取り(rub-out)試験。X−Rite社のXP68分光光度計を使用した減少物の比色測定。
【0086】
【表7】

【0087】
【表8】

【0088】
【表9】

【0089】
【表10】

【0090】
【表11】

【0091】
【表12】

【0092】
本発明の分散添加剤により、色強度の好ましい発現が達成でき、擦り取り試験がすべての場合に好ましいことが証明された。
【0093】
これは、特に、限られた場合にのみ良好な色強度の発現を示した比較例と比べた場合には顕著に、その通りであった。特に明らかなのは、水性系および溶剤ベース系両方におけるすべての型の顔料についての優れたデルタE擦り取り値に基づく本発明の使用における本発明の化合物が優れていることであった。
【0094】
特に強調に値する他の特徴は、乾いたもしくは乾き始めた調製物の部分の著しく改良された再分散性である。その上、それらの部分は、乾き始めるのがもしくは完全に乾くのが非常に遅い傾向を有する。したがって、優れた計量ができるための粘性、流動特性、および必要な前提条件が、その結果著しく改良されている。本発明の顔料調製物は、非常に高い色強度および明るさを有する。高い顔料濃度を達成することができる。あまり大きな粉砕の手間をかけずに顔料濃縮物が調製可能であった。これらの因子は両方とも、大きな経済的利点と関連付けられる。
【0095】
エマルジョンポリマーの調製についての使用例
乳化剤A2を水中に溶解させ、アンモニアを使用してpH9に調節した。
【0096】
初期投入物:
1.5g 乳化剤A2、
250g 水、
36g フィード流1の一部(フィード流1:8.5gの乳化剤A2、200gの水、15gのアクリルアミド(水中50%濃度)、12.5gのアクリル酸、242gのスチレン、237gのアクリル酸n−ブチル)、
5g フィード流2の一部(フィード流2:2.5gのペルオキソ二硫酸Na、98gの水)
【0097】
アンカー形攪拌機を取り付けた重合容器中の初期投入物、還流冷却器、および2つのフィード容器を、温度85℃まで窒素雰囲気下で加熱し、15分間最初に重合させた。次いで、フィード流1を2時間にわたって計り入れ、フィード流2を2.5時間にわたって計り入れた。これに続いてさらに1時間重合させた。次いで、メッシュサイズ500μmのふるいを通して生成物を濾過し、湿潤状態における凝集物分画が計量により<0.1重量%であることを見出した。粘度130mPasにおける分散液の固形分含量は48%であった。
【0098】
乳化重合のための本発明のこれらの化合物の使用は、ペイントを配合するのにバインダーを使用する場合、これらの乳化剤により分散液中の高顔料濃度が可能になり、したがってこのポリマーの顔料結合力が大きく、これが再び−当業者が十分認識するように−より高い耐摩耗性をもたらすので、特に有利である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボニル−水素化ケトン−アルデヒド樹脂のヒドロキシル基と1種または複数のオキシランとの部分もしくは完全反応、ならびに、所望する場合、その後の有機酸および/または無機酸による完全もしくは部分エステル化により得られる固体用分散樹脂。
【請求項2】
調製法中に、1種または複数の一般式(I)のオキシラン化合物
【化4】


(式中、
Rは、任意選択により置換され、任意選択によりヘテロ原子を含有する脂肪族、環式脂肪族、芳香族もしくは芳香脂肪族炭化水素基、または水素であり、
およびRは、同じであるか異なっており、水素または2つのオキシラン炭素原子と一緒になって5〜8員環を形成してもよいアルキル基であり、
eは、=0または1である)
が使用される、請求項1に記載の分散樹脂。
【請求項3】
Rは、1〜10個のC原子を有するアルキル基である、請求項2に記載の分散樹脂。
【請求項4】
およびRは、2つのオキシラン炭素原子と一緒になって6員環を形成するアルキル基である、請求項2または3に記載の分散樹脂。
【請求項5】
一般式(II)
K−(OX) (II)
(式中、
Kは、カルボニル−水素化ケトン−ホルムアルデヒド樹脂であり、
Xは、水素原子、または
基Y=[(C2lO)−(C2mO)−(C2nO)−(SO)−Z]であり、
a、bおよびcは、互いに独立して、0〜100の値であり、ただしa+b+cの合計が>0であり、
d=0〜10であり、
l、mおよびnは、互いに独立して、≧2〜14であり、
w=KにおけるOH基の数であり、=2〜15であり、
SO=スチレンオキシドであり、
Zは、水素、ならびに/またはスルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸、カルボン酸、イソシアネートおよびエポキシドからなる群から選択される基であり、
ただし、基Yは、分子内に少なくとも1回存在する)
で表される分散樹脂。
【請求項6】
a、bおよびcは、互いに独立して、5〜35の値をとる、請求項5に記載の分散樹脂。
【請求項7】
dは、<5である、請求項5または6の少なくとも一項に記載の分散樹脂。
【請求項8】
dは、0である、請求項5または6の少なくとも一項に記載の分散樹脂。
【請求項9】
l、mおよびnは、互いに独立して、2〜4である、請求項5から8の少なくとも一項に記載の分散樹脂。
【請求項10】
wは、3〜12である、請求項5から9の少なくとも一項に記載の分散樹脂。
【請求項11】
Zは、リン酸および(メタ)アクリル酸からなる群から選択される、請求項5から10の少なくとも一項に記載の分散樹脂。
【請求項12】
Zは、モノエステル化もしくはジエステル化リン酸の基である、請求項5から10の少なくとも一項に記載の分散樹脂。
【請求項13】
請求項1から12の少なくとも一項に記載の少なくとも1つの分散樹脂を含む、液体媒質中における固体の分散液。
【請求項14】
固体用分散剤としての、請求項1から12の少なくとも一項に記載の分散樹脂の使用。
【請求項15】
バインダーを含むもしくはバインダーを含まない顔料ペースト、塗料、印刷インキまたはプリントワニスを製造するための、請求項1から12の少なくとも一項に記載の分散樹脂の使用。

【公表番号】特表2010−525088(P2010−525088A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503444(P2010−503444)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053604
【国際公開番号】WO2008/128846
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】