説明

ポリマーおよびそれを含むポリマー物品用分解促進剤

天然ポリマーおよび/または合成ポリマー、あるいはかかるポリマーから製造されたポリマー物品の光および/または熱および/または湿気による分解を改善する方法において、化学式(I)の化合物を前記の天然ポリマーおよび/または合成ポリマー中に混合することを含む方法(化学式(I)中でmは1または2であり、nは1〜100であり、Xは特定のベンゾフェノン誘導成分から選択され、且つR、R1、R2はそれぞれ特定の残基から選択される)、前記の化学式(I)の新規の化合物、およびA)天然ポリマーおよび/または合成ポリマーと、B)前記の化学式(I)の化合物である分解促進剤とを含む組成物から製造され、光および/または熱および/または湿気の存在下での分解性が改善したポリマー物品を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天然ポリマーおよび/または合成ポリマーの分解方法、前記のポリマーのための分解促進剤として有用な新規化合物、および天然および/または合成ポリマーとそのための分解促進剤とを含有する組成物から製造されたポリマー物品に関し、前記のポリマー物品は光および/または熱および/または湿気の存在下で促進された分解性を示す。
【0002】
何十年も前から、プラスチック物品はそれらの使用における耐久性および費用効果のために、毎日の暮らしの中で幅広い用途を見出されている。適切な安定化によって、大半の市販プラスチックは何年間も持ちこたえるように製造されている。
【0003】
しかしながら近年、環境問題が多様な原料および性質のいわゆる生分解性材料の開発を導いている。生分解材料は使用期間の間、その機能と結合性を維持しているが、使用後、二酸化炭素と水とに分解し、分解は化学的な手段あるいは微生物のいずれかによって引き起こされる。しかしながら、生分解性と使用期間の間の結合性との間の適した均衡を確立することが問題である。
【0004】
現在の市場におけるほとんどのバイオポリマーは、短期間の用途、例えば使い捨てのナイフ・フォーク・スプーン類、食器、(即席)食品の梱包材、並びにゴミ袋および買い物袋用に供給されている。それらの用途に使用される材料は、熱可塑性デンプンと、合成または天然ポリエステル、細菌性発酵物から誘導されるポリエステル、例えばポリヒドロキシエステルとの化合物から変化するか、あるいは天然原料から得られるモノマーに基づき、それが次の段階で縮合ポリマー(例えばポリ乳酸の場合)に変換される。それらの材料すべてに共通する特徴は、ヘテロ原子、好ましくは酸素または窒素がポリマー主鎖中に存在することである。このことで、前記の材料は加水分解、微生物の攻撃を受けやすくなり、従って二酸化炭素と水とに崩壊し、それが"生分解"特性とされる。それらの短寿命製品のために最も普及している製品の1つは、Mater−Bi(登録商標)である。前記はNovamont(イタリア)社によって供給される脂肪族ポリエステルと混合された変性デンプンの混合物である。大半のそれらの材料の機械的特性は、より高められた力学的側面を必要とされる用途、例えば農業用の膜に対しては事実上、充分ではない。この障害を克服するために、BASFによってEcoflex(登録商標)の商標の下で市販されている脂肪族−芳香族コポリエステルが、例えばそれらの先進的な用途のためのポリエステルとして使用されている。しかしながら、機械的強度と生分解性との間の歩み寄りは、時として所定の時間枠内での生分解速度の低下をもたらす。従って、それらの材料に対しても、分解速度の向上が望まれることがある。
【0005】
合成熱可塑性プラスチック、例えばポリオレフィンホモポリマーおよびコポリマーの場合、プラスチックの分解が必要とされる多くの用途において、従来の分解添加剤、例えば鉄、コバルト、マンガン、セリウム、銅、またはニッケルに基づく遷移金属塩がよく作用する。それらの場合においては、ポリマー基質それ自身が加水分解を経由する固有の生分解性ではないので、酸化反応を経由して炭素−炭素鎖に沿って進行しなければならない。ポリオレフィンの酸化は、多価の金属イオンの酸化還元サイクルによって触媒される。酸化が進行し、そしてポリマー鎖が特定の分子量に到達したとき、微生物による分解が起きる。しかしながら、多くの国が健康上の理由のために、かかる遷移金属の使用について制限する規制を有している。
【0006】
70年代初期から主張されている、合成熱可塑性プラスチックの生分解を強化するための異なる方法は、芳香族光増感剤、例えばアントラキノンまたはベンゾフェノン誘導体の混合である。しかしながら、それらの添加物の使用は様々な不都合をもたらす。なぜなら、それらは一般に低分子量の化合物だからである。例えば、比較的低沸点の添加剤または昇華可能な添加剤は、樹脂が成形、造形、あるいは、他に熱の下で加工された場合、蒸発、昇華、またはその種のものをこうむる。さらには、機能剤と樹脂との間の適合性が乏しいので、長期の使用の間に樹脂表面でブリーディングやブルーミングが引き起こされる。さらには、ブルーミングは、添加剤の浸出を引き起こすことがあり、それはプラスチック製品が食品または作物と接して使用される場合、特に望ましくない。従って、添加される機能剤の量には制限がかけられる。従って、それらの問題をなくすか、あるいは緩和することが求められている。
【0007】
分解性プラスチック組成物は、例えばUS−A−4042765号、WO−A−92/11298号、US−A−4495311号、およびUS−A−3993634号内に記載されている。
【0008】
オリゴマーベンゾフェノン誘導体も、種々の目的のためのポリマー技術において既に使用されている。
【0009】
JP−A−2000−248178号は、下記の化学式:
【化1】

を有するポリイミド前駆体、それらの調製およびそれらから得られる被膜について記載している。
【0010】
US−A−7015304号は、ポリイミド基質複合剤製造のための、2,3,3’,4’−ベンゾフェノン二無水物と芳香族ジアミンとの反応から誘導される低溶融粘度のイミドオリゴマーについて記載している。
【0011】
JP−A−10−195195号は、化学式:
【化2】

のオリゴマー化合物について記載し、それは1つまたはそれより多くのテトラカルボン酸二無水物、ジアミンおよびモノアミンの反応によって得られ、且つ熱可塑性樹脂の溶融粘度を低下させ、且つそれらの結晶化特性を改善する変性剤として有用である。ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物をベースとする2つの化合物が特に記載されている。ここで、第一のものはR7およびR8がC18アルキルであり、X4およびX5が−(フェニル)−CO−(フェニル)−であり、Y2が−CH2−(フェニレン)−CH2−であり、且つbが1であり、且つ、第二のものはR7およびR8が2−エチルヘキシルであり、X4およびX5が−(フェニル)−CO−(フェニル)−であり、Y2がドデカニレンであり、且つbが3である。
【0012】
今回、分子内にベンゾフェノンを含むオリゴマー化合物、即ち下記の化学式(I)の化合物
【化3】

[式中、
nは1〜100である;
mは1または2である;
Xは化学式(1)、(2)、(3)および(4):
【化4】

[式中、
YはC、N、O、Sおよび水素原子から選択される1〜20個の原子を含む二価の基であり、
Zは>(C=O)または>SO2であり、
hはそれぞれ相応するオキシアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、
jは0または1であり、且つ
sはそれぞれ相応するオキシアルキレン成分について独立して2〜4の整数である]
の基から選択されるm+1価の基である;
Rは以下から選択されるm+1価の基
−G−(C2〜C34−アルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−、
−G−(C1〜C18−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(C1〜C18−アルキレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−G−、
−G−(C1〜C18−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−(C1〜C18−アルキレン)−G−
[式中、
前記のC2〜C34−アルキレンまたはC1〜C18−アルキレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、およびC1〜C4−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、且つ、前記のC5〜C7−シクロアルキレンおよびC6〜C12−アリーレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C10−アルキル、C1〜C10−アルケニルおよびC1〜C10−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、
Gは不在であるか、あるいは−O−および>(C=O)から選択され、且つ
k(およびk’)は1または2である];および
下記の化学式の基:
【化5】

[式中、
それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つ、gは1〜10である]
である;
R1はH;Cl;Br;I;OH;NH2、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニル、C1〜C30−アルキルオキシ、C2〜C30−アルケニルオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);C3〜C12−シクロアルキル、C3〜C12−シクロアルキルオキシ、C5〜C12−シクロアルケニル、C5〜C12−シクロアルケニル、C6〜C12−アリール、C6〜C12−アリールオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);あるいは
R1は基−X3−R3−R4
[式中、
X3は上で定義された化学式(3)の基であり、且つ
R3はGが不在であるRの意味の1つを有し、且つ
R4はH、NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、Cl、Br、I、OH、COOH、COOC1〜C4−アルキルである]
である;且つ
R2はH、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニル、C1〜C30−アルキルオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH、COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);C3〜C12−シクロアルキル、C5〜C12−シクロアルケニル、C6〜C12−アリールから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);あるいは
R2は基−R5−R6
[式中、
R5は−C2〜C34−アルキレンを除き、且つGが不在であるRの意味の1つを有し;且つ
R6はH、NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、Cl、Br、I、OH、COOH、COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキル、またはC1〜C4−アルコキシである]
であるか;あるいは
R2は−O−である;
ここで、前記の星印は、前記のオリゴマー化合物の化学式中の不斉基RおよびYの配向を指し示す]
が、天然ポリマーおよび/または合成ポリマーに対する良好な分解促進剤であり、且つ前記のポリマーの生分解に関する上述の問題を容易に克服できることが判明した。本発明によって見出された前記の化合物の重要な利点は、それらのポリマー材料外への揮発が非常に低減される傾向にあることである。他の重要な利点は、それらの化合物が特定の樹脂の特有のニーズに合うように容易に設計できることである。
【0013】
従ってこの意味において本発明は、上記の化学式(I)の化合物を天然ポリマーおよび/または合成ポリマー用の分解促進剤として用いる使用に関し、並びにかかるポリマーを含む組成物で製造された天然ポリマーおよび/または合成ポリマー物品の光および/または熱および/または湿気による分解を改善する方法において、化学式(I)の化合物を前記の天然ポリマーおよび/または合成ポリマー中に混合することを含む方法に関する。前記の混合を実施した後、天然ポリマーおよび/または合成ポリマーと前記の化学式(I)の化合物とを含む組成物からポリマー物品を製造する。
【0014】
さらなる態様において、本発明は光および/または熱および/または湿気によって引き起こされる分解性のポリマー物品であって(以降、"生分解性"として示される特性も)、
(A) 天然ポリマーおよび/または合成ポリマー、および
(B) 上述の化学式(I)の化合物である分解促進剤、特に前記の化学式(I)から選択される化合物であって、化学式(II)の化合物(a)および(b)の化合物を除くもの
【化6】

[式中、
(a) R7およびR8はC18−アルキルであり、X4およびX5は−(フェニル)−CO−(フェニル)−であり、Y2は−CH2−(フェニレン)−CH2−であり、且つbは1である、あるいは
(b) R7およびR8は2−エチルヘキシルであり、X4およびX5は−(フェニル)−CO−(フェニル)−であり、Y2はC12−アルキレンであり、且つbは3である]
を含有する組成物から製造される物品に関する。
【0015】
化学式(I)内の記号nは、1〜20である。nは前記の範囲内の任意の自然数であってもよく、且つ、整数である必要はない。nについて非整数の値が見出されるのは、例えば2つまたはそれより多くの化学式(I)のオリゴマー、例えば2つまたはそれより多くの前記のオリゴマーの混合物が、同一の化学式の繰り返し単位を示すにもかかわらず、異なる長さの主鎖を示す、即ち、異なる数の前記の繰り返し単位からなる場合である。nの値は、例えば化合物の数平均分子量(Mn)から測定され、それは当該技術分野でよく知られた方法、例えばゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって、以下の式に従って測定できる:
【数1】

[式中、
Mn(化学式(I)の化合物)は、化合物の数平均分子量を意味し、MWは前記の化合物の括弧で括られた成分の化学式から計算された分子量を意味し、R1およびR2は前記の化合物の特定の残基R1およびR2を意味し、且つ、"繰り返し単位"は、前記の化合物の化学式における特定の繰り返し単位
【化7】

を意味する]。
【0016】
さらには、記号nが実際には測定における特定の実験上の誤差と共にのみ測定され、その測定のために使用する特定の方法に依存することが、当業者には明らかである。これは小さい値のnに関して、特にn=1または約1に関して特に重要である。従って、本願の目的では、記号nの範囲の下限値1の値は、理論上はnに関するかかる値が不可能であるにもかかわらず、1未満の値も含むことを意味する。nに関する理論値からの偏差は実際には、約±50%までであり得る。即ち、例えば上述の方法に従って操作した場合、0.5の低さのnの値が実験的に見出される。従って記号nに対する"1"の意味の中に含まれる。
【0017】
好ましくは、nは1〜20、より好ましくは、1〜10、特に>1〜10、即ち、1〜7、例えば>1〜7の範囲である。
【0018】
好ましくは、化学式(I)におけるXは、下記の基から選択される基である:
【化8−1】

【0019】
【化8−2】

[式中、Y、h、jおよびsは既に上記で示された意味を有している]。
【0020】
YはC、N、O、Sおよび水素原子から選択される1〜20個の原子を含む二価の基である。1つまたはそれより多くの前記の原子の組み合わせを含む化学的に安定な任意の二価の基は、前記の定義、例えば以下の基に含まれることを意味する:
【化9】

[式中、rは2〜4の整数、好ましくは2または3である]。
Yのより好ましい例は、
【化10】

を含む。
【0021】
基Xの化学式(2)および(2−A)、(2−B)および(2−C)におけるs、並びに基Xの化学式(3)のhは、それぞれ相応するオキシアルキレン成分について独立して2〜4の整数であってよいが、しかしながら好ましくはそれぞれの成分において同一である。好ましくは、sおよびhについて2または3の値であり、特に2である。
【0022】
化学式(3)の基Xの上述の実施態様のほかに、前記の基Xは特にjが0であるそれらの基を含む。
【0023】
本発明の目的に適したアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、およびエイコシルである。反対に、示されていなければ、C1〜C16−アルキル、特にC4〜C16−アルキルまたはC6〜C16−アルキルが一般に好ましい。
【0024】
1〜C30−アルキルオキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、2−エチルブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、1−メチルペンチルオキシ、1,3−ジメチルブチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチルヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブチルオキシ、1−メチルヘプチルオキシ、3−メチルヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、1,1,3−トリメチルヘキシルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルペンチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、1−メチルウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、オクタデシルオキシ、およびエイコシルオキシである。C1〜C20−アルキルオキシが好ましい。
【0025】
2〜C30−アルケニルの例は、アリル、2−メタリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルおよびオレイルである。1位の炭素原子は好ましくは飽和している。C3〜C18−アルケニルが特に好ましい。
【0026】
2〜C30−アルケニルオキシの例は、アリルオキシ、2−メタリルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシおよびオレイルオキシである。C3〜C18−アルケニルオキシが特に好ましい。
【0027】
置換されていない、あるいは1つまたはそれより多くの置換基によって置換されているC3〜C12−シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、および2−メチルシクロヘキシルを含む。置換されていない、あるいはメチルによって置換されているC5〜C6−シクロアルキルが好ましい。
【0028】
置換されていない、あるいは1つまたはそれより多くの置換基によって置換されているC3〜C12−シクロアルキルオキシの例は、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロドデシルオキシ、および2−メチルシクロヘキシルオキシである。置換されていない、あるいはメチルによって置換されているC5〜C6−シクロアルキルオキシが好ましい。
【0029】
置換されていない、あるいは1つまたはそれより多くの置換基によって置換されているC5〜C12−シクロアルケニルの例は、シクロヘキセニルおよびメチルシクロヘキセニルを含む。
【0030】
置換されていない、あるいは1つまたはそれより多くの置換基によって置換されているC5〜C12−シクロアルケニルオキシの例は、シクロヘキセニルオキシおよびメチルシクロヘキセニルオキシを含む。
【0031】
6〜C12−アリールの例は、随意に置換され得るフェニルおよびナフチルである。置換されていない、またはフェニルで置換されているものが好ましい。
【0032】
置換フェニルの例は、4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、4−エチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,6−ジエチルフェニル、2−エチル−6−メチルフェニル、および2,6−ジイソプロピルフェニルである。
【0033】
置換されていない、あるいは1つまたはそれより多くの置換基によって置換されているC6〜C12−アリールオキシの例は、4−メチルフェニルオキシ、2−エチルフェニルオキシ、4−エチルフェニルオキシ、4−イソプロピルフェニルオキシ、4−tert−ブチルフェニルオキシ、4−sec−ブチルフェニルオキシ、4−イソブチルフェニルオキシ、3,5−ジメチルフェニルオキシ、3,4−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジメチルフェニルオキシ、2,6−ジエチルフェニルオキシ、2−エチル−6−メチルフェニルオキシ、および2,6−ジイソプロピルフェニルオキシである。
【0034】
34個までの炭素原子を有するアルキレンの例は、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカメチレン、およびドデカメチレンを含む。C6〜C12−アルキレンが一般的に好ましい。
【0035】
−(C1〜C18−アルキレン)−NH2の好ましい意味は、アルキレン基が置換されていないか、あるいは1〜3つのC1〜C4−アルキルによって置換されている−(直鎖C2〜C6−アルキレン)−NH2である。
【0036】
5〜C12−シクロアルキレンの例は、シクロペンチレン、シクロヘプチレン、および特にシクロヘキシレンであり、それらは上で定義された通り、随意に置換され得る。
【0037】
6〜C12−アリーレンの例は、フェニレンおよびナフチレンであり、それらは上で定義された通り、随意に置換され得る。置換されていない、または置換されたフェニルが好ましい。
【0038】
置換されていない、あるいは1つまたはそれより多くの置換基によって置換されている(C5〜C12−シクロアルキレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C5〜C12−シクロアルキレン)の例は、メチレン−ジシクロペンチレン、メチレンジ(シクロヘキシレン);2,2’−プロピレン−ジ(シクロヘキシレン)、2,2’−ブチレン−ジ(シクロヘキシレン)、および2,2’−プロピレン−ジ(3−メチルシクロヘキシレン)を含む。
【0039】
−(C1〜C18−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(C1〜C18−アルキレン)−の特定の例は、特に−(C1〜C18−アルキレン)−(C5〜C6−シクロアルキレン)−(C1〜C18−アルキレン)−、例えば下記の化学式の残基を含む:
【化11】

【0040】
前記は置換されていなくても、あるいは1つまたはそれより多くの、特に1つまたは2つのC1〜C10−アルキル基によって置換されていてもよく、例えば下記の基である:
【化12】

【0041】
−(C6〜C12−アリーレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)の例は、メチレンジ(フェニレン);2,2’−プロピレン−ジ(フェニレン)、2,2’−ブチレン−ジ(フェニレン)を含む。
【0042】
−(C1〜C18−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−(C1〜C18−アルキレン)−の好ましい実施態様は、相応するフェニレン誘導体である。
【0043】
kは、上述の−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−において1または2であってよい。−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−の例は、例えば1,1’−メチレン;1,1’−エチレン;1,1’−プロピレン;2,2’−プロピレン;1,1’−ブチレンおよび2,2’−ブチレンを含む。好ましくは、1,1’−メチレンおよび2,2’−プロピレンである。
【0044】
化学式:
【化13】

の基の適した例は、
gが1、2、3または4であり、且つfがそれぞれのアルキレン成分について異なるか、あるいは好ましくは同一であって、2、3、または4、特に2または3である基を含み、例えば
【化14】

である。
【0045】
化学式(I)における記号mは、1または2であってよい。mが2である場合、Xは化学式(4)の基であり、且つ、R2は−O−である。しかしながら好ましくは、mは1である。
【0046】
化学式(I)の化合物は、既に上で述べられた化学式(II)の化合物(a)および(b)以外は新規である。従って、本発明のさらなる課題は、化学式(II)
【化15】

[式中、同時に
(a) R7およびR8はC18−アルキルであり、X4およびX5は−(フェニル)−CO−(フェニル)−であり、Y2は−CH2−(フェニレン)−CH2−であり、且つbは1である、あるいは
(b) R7およびR8は2−エチルヘキシルであり、X4およびX5は−(フェニル)−CO−(フェニル)−であり、Y2はC12−アルキレンであり、且つbは3である]
以外の上述の化学式(I)の化合物である。
【0047】
化学式(I)のそれらの新規化合物の特記される小群は、上記で定義された化学式(I)の化合物であって、Rが下記から選択されるm+1価の基
−G−(C2〜C34ーアルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−、
−G−(C2〜C18−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(C2〜C18−アルキレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−G−、
−G−(C2〜C18−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−(C2〜C18−アルキレン)−G−
[式中、
前記のC2〜C34−アルキレンまたはC2〜C18−アルキレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、およびC1〜C4−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、且つ、前記のC5〜C7−シクロアルキレンおよびC6〜C12−アリーレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C10−アルキル、C1〜C10−アルケニルおよびC1〜C10−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、
Gは不在であるか、あるいは−O−および>(C=O)から選択され、且つ
k(およびk’)は1または2である];および
以下の化学式の基:
【化16】

[式中、
それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つ、gは1〜10である]
であり、且つ
R1がH;Cl;Br;I;OH;NH2、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニル、C1〜C30−アルキルオキシ、C2〜C30−アルケニルオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);C3〜C12−シクロアルキル、C3〜C12−シクロアルキルオキシ、C5〜C12−シクロアルケニル、C5〜C12−シクロアルケニル、C6〜C12−アリール、C6〜C12−アリールオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい)であるか、あるいは
R1が−X3−R3−R4の基
[式中、
X3は上で定義された化学式(3)の基であり、且つ
R3は−(C2〜C8−アルキレン)−以外で、且つGが不在であるRの意味の1つを有し、且つ
R4はH、NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、Cl、Br、I、OH、COOH、COOC1〜C4−アルキルである]
である。
【0048】
化学式(I)の化合物の他の好ましい群においては、Rは特に下記から選択される:
2〜C12−アルキレン;−G−(C2〜C12−アルキレン)−G−;
シクロヘキシレン;−G−(シクロヘキシレン)−G−;
−(シクロヘキシレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(シクロヘキシレン)−、
−G−(シクロヘキシレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(シクロヘキシレン)−G−、
−(C2〜C12−アルキレン)−(シクロヘキシレン)−(C2〜C12−アルキレン)−、
−G−(C2〜C12−アルキレン)−(シクロヘキシレン)−(C2〜C12−アルキレン)−G−;
フェニレン;−G−(フェニレン)−G−;
[式中、
前記のC2〜C12−アルキレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、およびC1〜C4−アルコキシから選択される1、2または3つの置換基によって置換されていてもよく、且つ、前記のシクロヘキシレンおよびフェニレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C10−アルキル、およびC1〜C10−アルコキシから選択される1、2または3つの置換基によって置換されていてもよく、
Gは−O−および>(C=O)から選択され、且つ
k(およびk’)は1または2である];および
下記の化学式の基:
【化17】

[式中、fは2または3であり、且つgは1〜3である];
ただし、化学式(II)
【化18】

[式中、R7およびR8は2−エチルヘキシルであり、X4およびX5は−(フェニル)−CO−(フェニル)−であり、Y2はC12−アルキレンであり、且つbは3である]
の化合物を除く。
【0049】
化学式(I)の上述の化合物のさらに他の好ましい群において、R1はH;Cl、Br、OH;NH2;C1〜C4−アルキルおよびC1〜C4−アルコキシから選択される基から選択されるか、あるいは
R1は−X3−R3−R4の基
[式中、
X3は上で定義された化学式(3)の基であり、且つ
R3は−(C9〜C20−アルキレン)−であり、且つ
R4はHである]
である。
【0050】
化学式(I)の上述の化合物の他の特定の実施態様は、
R2がH、C1〜C4−アルキル、C10〜C20−アルキルおよびC1〜C4−アルキルオキシ(ここで、前記の基は置換されていなくても、1、2または3つのCl;Br;I;OH;NH2またはC1〜C4−アルコキシによって置換されていてもよい)から選択されるか、あるいは
R2が基−R5−R6(ここで、R5はC2〜C34−アルキレンを除き、且つGが不在であるRの1つを意味し、且つR6はHまたはNH2である)であるか、あるいは、
R2が−O−である化合物である。
【0051】
本発明の目的に特に有用な化学式(I)の化合物のさらに特定の群は、下記の化学式(I)の化合物において:
nは1〜7であり;
Xは化学式(1−A)および(3−A):
【化19】

[式中、
Yは下記の群:
【化20】

から選択される]
の基から選択されるm+1価の基であり;
RはC6〜C12−アルキレンおよび−G−(C6〜C12−アルキレン)−G−から選択される基であって、前記C6〜C12−アルキレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2およびC1〜C4−アルコキシから選択される1、2または3つの置換基によって置換されていてもよく;且つ
Gは−O−であり;
R1はC1〜C12−アルキルまたはC1〜C12−アルキルオキシであるか、あるいはXが化学式(3−A)の基である場合、基X3−R3−R4
[式中、X3は化学式(3−A)の基であり、
R3は−C9〜C20−アルキレン−であり、且つ
R4はHである]であってもよく;且つ
R2はH、または置換されていないか、またはCl;Br;I;OH;NH2およびC1〜C4−アルコキシから選択される1、2または3つの置換基によって置換されているC6〜C12−アルキルである化合物である。
【0052】
化学式(I)の化合物は、好ましくは下記の化学式(I−a)の化合物に相当する:
【化21】

[式中、
nは1〜10、好ましくは1.5〜8の数字である;
Xは化学式(1−A)、(1−D)、(2−A)または(3−A)の基である
【化22】

【0053】
Yは−O−または化学式
【化23】

の基である;
sは2である;
rは2である;
RはC6〜C12−アルキレン、−O−(C6〜C12−アルキレン)−O−、−CO−フェニレン−CO−、−シクロヘキシレン−(C1〜C6−アルキレン)−シクロヘキシレン(ここで、前記のシクロヘキシレン基は置換されていないか、あるいは1〜3つのC1〜C4−アルキルによって置換されている);

【化24】

(ここで、それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つgは1〜10の整数である)あるいは、
化学式
【化25】

の基である;
R1は水素、−Br、−OH、−NH2、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルキルオキシである;且つ
R2は水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C4−アルキルオキシ;−シクロヘキシレン−(C1〜C6−アルキレン)−シクロヘキシレン−NH2(ここで、前記のシクロヘキシレン基は置換されていないか、あるいは1〜3つのC1〜C4−アルキルによって置換されている);−(C1〜C18−アルキレン)−NH2、または基
【化26】

(ここで、それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つgは1〜10の整数である)]。
【0054】
Xが化学式(1)の基である化学式(I)の化合物の特に好ましい例は、以下の化合物である:
【化27】

【0055】
(ここで、nは上で定義された通りである)。
【0056】
Xが化学式(2)の基である化学式(I)の化合物の特に好ましい例は、以下の化合物である:
【化28】

【0057】
(ここで、nは上で定義された通りである)。
【0058】
Xが化学式(3)、または化学式(4)の基である化学式(I)の化合物の特に好ましい例は、以下の化合物である:
【化29】

【0059】
(ここで、nは上で定義された通りである)。
【0060】
特に、以下の化学式:
【化30】

の化合物であって、且つ数平均分子量(Mn)約2740g/molおよび融点範囲83℃〜93℃を有するもの;並びに
化学式:
【化31】

の化合物であって、且つ数平均分子量(Mn)約1040g/molおよび融点範囲166℃〜174℃を有するものが本発明の目的に非常に適している。
【0061】
上述の化学式(I)の化合物を公知の方法に従って、特に本願の実施例内に記載される方法と類似して製造できる。必要な出発材料を当業者は容易に製造でき、且つ、多くの場合、市販の化合物、例えば、ほんの一部に言及すれば、2,6−ジヒドロキシ−アントラキノン; 1,2−ジヒドロキシ−アントラキノン; 1,5−ジヒドロキシ−アントラキノン; ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物; 2−ベンゾイル安息香酸; 3−ベンゾイル安息香酸; 4−ベンゾイル安息香酸; アントラキノン−1−スルホン酸, アントラキノン−2−スルホン酸; アントラキノン−1,5−ジスルホン酸; アントラキノン−2,6−ジスルホン酸またはアントラキノン−2,7−ジスルホン酸およびそれらの塩、特に相応するナトリウム塩;またはアントラキノン−2−カルボン酸である。
【0062】
上述の化学式(I)の分解促進剤化合物のほかに、本発明によるポリマー物品は成分(A)として天然ポリマーおよび/または合成ポリマーを含む。
【0063】
成分(A)として適したポリマーの例は、下記を含む:
1. モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、並びにシクロオレフィンのポリマー、例えばシクロペンテンまたはノルボルネン、ポリエチレン(随意に架橋していてよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。
【0064】
ポリオレフィン、即ち、前記の段落に例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンは異なる方法、および特に以下の方法によって製造される:
a) ラジカル重合(通常、高圧且つ高温下にて)
b) 通常、1つまたは1つより多くの周期律表IVb、Vb、VIbまたはVIII族金属を含有する触媒を使用した触媒重合。それらの金属は通常、1つまたはそれより多くの配位子、典型的にはオキシド、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル、および/またはアリールを有し、それらはπまたはσ配位のいずれかであってよい。それらの金属錯体は遊離した形態か、あるいは基質、典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたはケイ素酸化物に固定されていてよい。それらの触媒は重合媒体中で可溶性または不溶性であってよい。重合において、該触媒をそれのみで使用するか、あるいはさらなる活性剤、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドまたは金属アルキルオキサンを使用してもよく、前記の金属は周期律表のIa、IIaおよび/またはIIIa族の元素である。前記の活性剤を適宜、さらなるエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基で変性してもよい。それらの触媒系は通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(−Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセンまたはシングルサイト触媒(SSC)と称される。
【0065】
2. 1)で述べられたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)、および異なる型のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0066】
3. モノオレフィンおよびジオレフィンのお互いの、または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマ−(例えばエチレン/ノルボルネン、例えばCOC)、エチレン/1−オレフィンコポリマー、ここで1−オレフィンはインサイチューで生成される; プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマーまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(イオノマー)、並びにエチレンとプロピレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー、;および、かかるコポリマー同士の、および上記1)で述べられたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−ビニルアセテートコポリマ−(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、および交互またはランダムなポリアルキレン/一酸化炭素コポリマーおよびそれらと他のポリマーとの混合物、例えばポリアミド。
【0067】
4. 炭化水素樹脂(例えばC5〜C9)。それらの水素化改質物(例えば粘着性付与剤)およびポリアルキレンとデンプンとの混合物を含む。
【0068】
1)〜4)からのホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック、またはアタクチックを含む任意の立体構造を有してよく、ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0069】
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0070】
6. スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンの全ての異性体、およびそれらの混合物を含む、ビニル芳香族モノマーから誘導される芳香族ホモポリマーおよびコポリマー。ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック、またはアタクチックを含む任意の立体構造を有してよく、ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0071】
6a. エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニルおよび塩化ビニルまたはアクリル誘導体およびそれらの混合物、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;耐衝撃性スチレンコポリマーと他のポリマーとの混合物、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー;およびスチレンのブロックコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンから選択される、先述のビニル芳香族モノマーおよびコモノマーを含むコポリマー。
【0072】
6b. 6)で述べられたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー。特にアタクチックポリスチレンを水素化することによって製造されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、それはしばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として示される。
【0073】
6c. 6a)で述べられたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー。
【0074】
ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック、またはアタクチックを含む任意の立体構造を有してよく、ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0075】
7. ビニル芳香族モノマー、例えばスチレンまたはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイン酸無水物;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびマレイン酸無水物またはマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレート上のスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル、並びにそれらと6)で示されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして公知のコポリマー混合物。
【0076】
8. ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはスルホ塩素化(sulphochlorinated)ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンホモポリマーおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、並びにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0077】
9. α,β−不飽和酸から誘導されるポリマーおよびその誘導体、例えばポリアクリレートおよびポリメタクリレート;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル、ブチルアクリレートを用いたそれらの耐衝撃性改質物。
【0078】
10. 9)で述べられたモノマー同士の、または他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアクリルアクリレートまたはアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマーまたはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0079】
11. 不飽和アルコールおよびアミンまたはアシル誘導体またはそれらのアセタールから誘導されるポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン;並びにそれらと上記の1)で述べられたオレフィンとのコポリマー。
【0080】
12. 環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはビスグリシジルエーテルとのそれらのコポリマー。
【0081】
13. ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン、およびコモノマーとしてエチレンオキシドを含有するそれらのポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで改質されたポリアセタール。
【0082】
14. ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、およびポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
【0083】
15. 一方で末端にヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエン、且つ他方で脂肪族または芳香族ポリイソシアネートから誘導されるポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0084】
16. ジアミンおよびジカルボン酸から、および/またはアミノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されるポリアミドおよびコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸または/およびテレフタル酸から製造され、且つ改質剤としてのエラストマーを有するまたは有さないポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;および上述のポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー、あるいは化学結合またはグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;またはポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;並びにEPDMまたはABSで改質されたポリアミドまたはコポリアミド;および加工の間に縮合したポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0085】
17. ポリウレア、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール。
【0086】
18. ジカルボン酸およびジオールから誘導される、および/またはヒドロキシカルボン酸または相応するラクトンから誘導されるポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)およびポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル基を末端にもつポリエーテルから誘導されるブロックコポリエーテルエステル;およびポリカーボネートまたはMBSで改質されたポリエステル。
【0087】
19. ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
【0088】
20. ポリケトン。
【0089】
21. ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、およびポリエーテルケトン。
【0090】
22. 一方でアルデヒド、且つ他方でフェノール、ウレアおよびメラミンから誘導される架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、ウレア/ホルムアルデヒド樹脂、およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0091】
23. 乾燥型および非乾燥型アルキド樹脂。
【0092】
24. 飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコール、および架橋剤としてのビニル化合物とのコポリエステルから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、およびそれらの低燃焼性のハロゲン含有改質物。
【0093】
25. 置換アクリレートから誘導される架橋可能なアクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、またはポリエステルアクリレート。
【0094】
26. メラミン樹脂、ウレア樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、およびアクリレート樹脂。
【0095】
27. 脂肪族、脂環式、ヘテロ環式または芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂、例えばビスフェノールAとビスフェノールFとのジグリシジルエーテル製品であって、従来のハードナー、例えば無水物またはアミンを用い、促進剤を用いて、または用いないで架橋されているもの。
【0096】
28. 天然ポリマー、例えばセルロース、ゴム、ゼラチン、および化学的に改質されたそれらのホモロガス誘導体、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート、およびセルロースブチレート、またはセルロースエーテル、例えばメチルセルロース;並びにロジンおよびそれらの誘導体。
【0097】
29. 上述のポリマー(ポリブレンド)の混合物、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA 6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0098】
成分(A)は好ましくは熱可塑性合成ポリマーである。好ましい例は、
a)オレフィンモノマー、例えばエチレンおよびプロピレン、また、高級1−オレフィン、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンのホモポリマーおよびコポリマー。ポリエチレンLDPEおよびLLDPE、HDPEおよびポリプロピレンが好ましい。
【0099】
b) オレフィンモノマーとジオレフィンモノマー、例えばブタジエン、イソプレン、および環式オレフィン、例えばノルボルネンのホモポリマーおよびコポリマー。
【0100】
c) 1つまたはそれより多くの1−オレフィンおよび/またはジオレフィンと一酸化炭素との、および/または他のビニルモノマー(限定されずに、アクリル酸、およびその相応するアクリルエステル、メタクリル酸、およびその相応するエステル、酢酸ビニル、ビニルケトン、スチレン、マレイン酸無水物および塩化ビニルを含む)とのコポリマー。
【0101】
d) ポリビニルアルコール。
【0102】
e) 他の熱可塑性プラスチック、例えばポリ(メタ)アクリレートエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、液晶ポリエステル(LCPs)、ポリアセタール(例えばPOM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート、ポリウレタンおよびポリフェニレンスルフィド(PPS); それらの樹脂の2つまたはそれより多くから形成されるポリマーブレンドまたはポリマーアロイ; および充填剤、例えばガラス繊維、炭素繊維、半炭素化繊維、セルロース繊維およびガラスビーズ、難燃剤、膨張剤、抗菌物質、架橋剤、微細なポリオレフィン樹脂粉末、ポリオレフィンワックス、エチレンビスアミドワックス、金属石鹸、およびその種のものを単独あるいは組み合わせて、それらの樹脂へ添加することによって得られる化合物。他方、熱硬化性樹脂の例は、熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂、メラミン樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂;および充填剤、例えばガラス繊維、炭素繊維、半炭化繊維、セルロース繊維およびガラスビーズ、難燃剤、およびその種のものを単独あるいは組み合わせて、それらの樹脂に混合することによって得られる化合物を含んでよい。
【0103】
さらに好ましい成分(A)の例は、生分解性ポリマー、例えば特にポリエチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリブチレンスクシネート/カーボネート、ポリブチレンスクシネート/テレフタレート(terephtalate)、ポリカプロラクトン、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)(hydroxyalcanoates)、ポリ 3−ヒドロキシ酪酸、ポリ乳酸、ポリエステルアミド、またはそれらの材料と天然デンプンまたは変性デンプンとの混合物、多糖類(polysaccarides)、リグニン、木粉、セルロースおよびキチンである。
【0104】
本発明の特に好ましい実施態様によれば、成分(A)はポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマー、ポリエステルホモポリマーまたはコポリマー、ポリアミドホモポリマーまたはコポリマー、それらの混合物、デンプン変性ポリオレフィンまたはデンプンベースのポリマー組成物である。
【0105】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、成分(A)はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンコポリマーまたはポリプロピレンコポリマーである。
【0106】
特定の実施態様によれば、前記の組成物は追加的に、遷移金属の無機または有機塩である成分(C)を含有する。
【0107】
成分(C)は好ましくは、C2〜C36、特にC12〜C36の範囲の炭素数を有する脂肪酸の金属塩である。特に好ましい例は、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、オレイン酸(C18)、リノール酸(C18)およびリノレン酸(C18)の金属カルボキシレートである。成分(C)のさらなる例は、芳香族酸、例えば安息香酸である。Fe、Ce、Co、Mn、CuまたはVのC2〜C36−カルボキシレート、例えばC12〜C20−アルカノエートまたはC12〜C20−アルケノエートとしての成分(C)が特に興味深い。
【0108】
成分(C)のさらなる例は、チタン酸マンガン、ホウ酸マンガン*)、硫酸マンガンカリウム*)、ピロリン酸マンガン*)、スルファミド酸マンガン*)、マンガンフェライト、炭酸カルシウム含有四ホウ酸マンガン(ll)、二酸化マンガン、硫酸マンガン*)、硝酸マンガン*)、塩化マンガン*)、および燐酸マンガン*)を含む。*)によって示される塩は、水和した形態または水和していない形態で使用できる。
【0109】
さらには、本発明によるプラスチック物品の製造に有用な組成物は追加的に、市販の、あるいは公知の方法によって製造される1つまたはそれより多くの従来の添加剤を含有してよい。かかる添加剤の例は以下を含む:
1.酸化防止剤
酸化防止剤は、プラスチック物品の加工および成形工程の間にポリマーを安定化させる量で存在してよい。しかしながら、量が多いとポリマー物品の分解を妨げるので望ましくない。酸化防止剤の適した例は以下を含む:
1.1 アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、ノニルフェノール(側鎖内で直鎖または分岐鎖であってよい)、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノール、およびそれらの混合物。
【0110】
1.2 アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0111】
1.3 ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0112】
1.4 トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、およびそれらの混合物(ビタミンE)。
【0113】
1.5 ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィド。
【0114】
1.6 アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール ビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0115】
1.7 O−、N−、およびS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0116】
1.8 ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0117】
1.9 芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0118】
1.10 トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0119】
1.11 ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0120】
1.12 アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウルアニリド(hydroxylauranilide)、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチル N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0121】
1.13 β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0122】
1.14 β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとのエステル。
【0123】
1.15 β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0124】
1.16 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と、一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0125】
1.17 β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド (Naugard(登録商標)XL−1、供給元Uniroyal)。
【0126】
1.18 アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0127】
1.19 アミン系酸化防止剤、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチル−アミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノアルキル化およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミン、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジン、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エンの混合物。
【0128】
2. 紫外線吸収剤および光安定剤。
【0129】
2.1 2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシ−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]; 2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールと、ポリエチレングリコール300とのエステル交換反応生成物;
【化32】

【0130】
ここで、前記R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]−ベンゾトリアゾール; 2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0131】
2.2 2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシおよび2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0132】
2.3 置換された、および置換されていない安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレソルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レソルシノール、ベンゾイルレソルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0133】
2.4 アクリレート、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナメート、メチル α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート。
【0134】
2.5 ニッケル化合物、例えば、2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば1:1または1:2錯体であって、さらなる配位子、例えばn−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシルジエタノールミンを有するまたは有さないもの、ニッケル ジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチルまたはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシムの、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体であって、さらなる配位子を有するもの、または有さないもの。
【0135】
2.6 立体障害アミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、並びにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7]); N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−yl)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor (Clariant; CAS 登録番号[106917−31−1])、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス−[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)−アミノ)−s−トリアジン。
【0136】
2.7 オキサミド、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド(butoxanilide)、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド(ethoxanilide)、およびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドとの混合物、およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドとの混合物。
【0137】
2.8 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−diヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0138】
3. 金属不活性化剤、例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0139】
4. ホスフィットおよびホスホナイト、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル) 4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ−[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0140】
下記のホスフィットが特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット(lrgafos(登録商標)168、Ciba Specialty Chemicals Inc)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化33】

【0141】
5. ヒドロキシルアミン、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化タローアミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0142】
6. ニトロン、例えば、N−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン(tridecylnnitrone)、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタ−デシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素化タローアミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシル−アミンから誘導されるニトロン。
【0143】
7. チオ相乗剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート(dimistryl thiodipropionate)、ジステアリルチオジプロピオネート、またはジステアリルジスルフィド。
【0144】
8. 過酸化物除去剤、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルのエステル、メルカプトベンズイミダゾールまたは2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0145】
9. ポリアミド安定剤、例えば、銅塩とヨウ化物および/またはリン化合物との組み合わせ、および二価のマンガン塩。
【0146】
10. 塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、ウレア誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウムおよびパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモンまたはピロカテコール酸亜鉛。
【0147】
11. 成核剤、例えば、無機物質、例えば滑石、金属酸化物、例えば二酸化チタンまたは酸化マグネシウム、好ましくはアルカリ土類金属の燐酸塩、炭酸塩または硫酸塩; 有機化合物、例えばモノカルボン酸またはポリカルボン酸およびそれらの塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム; ポリマー化合物、例えばイオン性コポリマー(イオノマー)。特に好ましくは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0148】
12. 充填剤および強化剤、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉および他の天然物の粉末または繊維、合成繊維。
【0149】
13. 他の添加剤、例えば、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、流動添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤および膨張剤。
【0150】
14. ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えば、U.S.4325863号; U.S.4338244号; U.S.5175312号; U.S.5216052号; U.S.5252643号; DE−A−4316611号; DE−A−4316622号; DE−A−4316876号; EP−A−0589839号、EP−A−0591102号; EP−A−1291384号内に開示されているもの、あるいは3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシ−エトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチル−ベンゾフラン−2−オン。
【0151】
好ましい実施態様によれば、該組成物は1つまたはそれより多くの下記の成分を含有する:
(D−I) 充填剤または強化剤、
(D−II) 顔料、
(D−III) 光安定剤、
(D−IV) プロセス添加剤、
(D−V) 酸化防止剤、
(D−VI) Ca、Mg、ZnまたはAlの無機および有機塩、あるいはCa、Mg、ZnまたはAlの酸化物、
(D−VIII) テルペン誘導体、アントラキノン誘導体、および/またはベンゾフェノン誘導体、
(D−VIII) 無機酸化剤。
【0152】
成分(D−I)は、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉、他の天然物の粉末、合成繊維、および充填剤として使用される金属のステアリン酸塩、例えばステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛; 不飽和有機ポリマー、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリオクテナマー、または不飽和酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸; およびさらなるポリマー、例えば、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドを包含する。
【0153】
成分(D−II)は、例えば、カーボンブラック、二酸化チタン(アナターゼまたはルチルであって、粒径約1000μm〜10nmの範囲であってよく、且つ随意に表面処理されていてよい)、あるいは農業用途において頻繁に使用される他の有機または無機の色素顔料(例えばカーボンブラック、茶色、銀色、赤、緑)である。
【0154】
成分(D−III)は好ましくは、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)または紫外線吸収剤である。上記の項目2の添加剤リスト内に例が開示されている。好ましいヒンダードアミン系光安定剤の例は、例えばWO−A−01/92392号内で成分(A)、(B)および(C)として開示される化合物でもあり、ここで参照をもって開示されるものとし、且つ、それは米国特許出願第10/257339号に関しても同様である。
【0155】
成分(D−IV)は、例えば、スリップ防止/粘着防止添加剤、可塑剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、または膨張剤である。
【0156】
成分(D−V)は、例えば、上記の項目1の添加剤リスト内で列挙された酸化防止剤の1つである。フェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0157】
成分(D−VI)は例えば、金属のステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛;または亜鉛酸化物(例えば粒径1000μm〜10nmの範囲であってよく、且つ随意に表面処理されていてよい)である。
【0158】
成分(D−VII)は、例えば天然または合成由来のポリテルペン樹脂である。前記のポリテルペンは、市販品でも、あるいは公知の方法によって製造してもよい。
【0159】
前記のポリテルペン樹脂は、例えば非環式テルペン、または環式テルペン、例えば、単環式テルペンまたは二環式テルペンをベースとしている。テルペン炭化水素をベースとしたポリテルペンが好ましい。
【0160】
非環式テルペンの例は、テルペン炭化水素、例えば、ミルセン、オシメンおよびベータ−ファルネセン; テルペンアルコール、例えばジヒドロミルセノール(2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール)、ゲラニオール(3,7−ジメチル−トランス−2,6−オクタジエン−1−オール)、ネロール(3,7−ジメチル−シス−2,6−オクタジエン−1−オール)、リナロオール(3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール)、ミルセノール(2−メチル−6−メチレン−7−オクテン−2−オール)、ラバンデュドール、シトロネロール(3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール)、トランス−トランス−ファルネソール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)およびトランス−ネロリドール(3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オール); テルペンアルデヒドおよびアセタール、例えばシトラール(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール)、シトラールジエチルアセタール(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アールジエチルアセタール)、シトロネラール(3,7−ジメチル−6−オクテン−1−アール)、シトロネリルオキシアセトアルデヒドおよび2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール; テルペンケトン、例えばタゲトン、ソラノンおよびゲラニルアセトン(6,10−ジメチル−5,9−ウンデカジエン−2−オン); テルペン酸およびエステル、例えばシス−ゲラニウム酸、シトロネル酸、ゲラニルエステル(ギ酸ゲラニル、酢酸ゲラニル、プロピオン酸ゲラニル、イソ酪酸ゲラニル、およびイソ吉草酸ゲラニルを含む)、ネリルエステル(酢酸ネリルを含む)、リナリルエステル(ギ酸リナリル、酢酸リナリル、プロピオン酸リナリル、酪酸リナリル、およびイソ酪酸リナリルを含む)、ラバンデュリルエステル(酢酸ラバンデュリルを含む)、シトロネリルエステル(ギ酸シトロネリル、酢酸シトロネリル、プロピオン酸シトロネリル、イソ酪酸シトロネリル、;イソ吉草酸シトロネリル、およびチグリン酸シトロネリルを含む); および窒素含有不飽和テルペン誘導体、例えばシス−ゲラニウム酸ニトリルおよびシトロネル酸ニトリル。
【0161】
環式テルペンの例は、環式テルペン炭化水素、例えば、
リモネン(1,8−p−メンタジエン)、アルファ−テルピネン、ガンマ−テルピネン (1,4−p−メンタジエン)、テルピノレン、アルファ−フェランドレン(1,5−p−メンタジエン)、ベータ−フェランドレン、アルファ−ピネン(2−ピネン)、ベータ−ピネン (2(10)−ピネン)、カンフェン、3−カレン、カリオフィレン、(+)−バレンセン、ツジョプセン、アルファ−セドレン、ベータ−セドレンおよびロンギホレン; 環式テルペンアルコールおよびエステル、例えば、(+)−ネオイソ−イソプレゴール、イソプレゴール(8−p−メンテン−3−オール)、アルファ−テルピネオール(1−p−メンテン−8−オール)、ベータ−テルピネオール、ガンマ−テルピネオール、デルタ−テルピネオールおよび1−テルピネン−4−オール(1−p−メンテン−4−オール); 環式テルペンアルデヒドおよびケトン、例えばカルボン(1,8−p−マンタジエン−6−オン)、アルファ−イオノン(C1320O)、ベータ−イオノン(C1320O)、ガンマ−イオノン(C1320O)、イロン(アルファ−、ベータ−、ガンマ−)(C1422O)、n−メチルイオノン(アルファ−、ベータ−、ガンマ−)(C1422O)、イソメチルイオノン(アルファ−、ベータ−、ガンマ−)(C1422O)、アリルイオノン(C1624O)、擬イオノン、n−メチル擬イオノン、イソメチル擬イオノン、ダマスコン(1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキセニル)−2−ブテン−1−オン; ベータ−ダマスコン(1−(2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキセニル(cyclohadienyl)−2−ブテン−1−オン))、ヌートカトン(5,6−ジメチル−8−イソプロペニルビシクロ[4.4.0]−1−デセン−3−オン)およびセドリルメチルケトン(C1726O)を含む;および環式テルペンエステル、例えばアルファ−酢酸テルピニル(1−p−メンテン−8−イルアセテート)、酢酸ノピル((−)−2−(6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン−2−イル)エチルアセテート)および酢酸クシミル(khusymil acetate)。
【0162】
さらなる適したテルペン誘導体は、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,John Wiley&Sons,第4版(1994), Vol.23, p.833−882内に見出される。
【0163】
ポリテルペンのベースとしてはたらき得るテルペンの好ましい例は、トリシクレン、アルファ−ピネン、アルファ−フェンチェン、カンフェン、ベータ−ピネン、ミルセン、シス−ピナン、シス/トランス−p−8−メンテン、トランス−2−p−メンテン、p−3−メンテン、トランス−p−メンタン、3−カレン、シス−p−メンタン、1,4−シネオール、1,8−シネオール、アルファ−テルピネン、p−1−メンテン、p−4(8)−メンテン、リモネン、p−シメン、ガンマ−テルピネン、p−3,8−メンタジエン、p−2,4(8)−メンタジエンおよびテルピノレンである。
【0164】
成分(D−VII)のさらなる例は、構造的にテルペンに関連する脂環式化合物、例えば下記のアルコール、例えば、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−3−メチルペンタン−2−オール; アルデヒド、例えば2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン カルボキシアルデヒド、4−(4−メチル−3−ペンテン−1−イル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒドおよび4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド; ケトン、例えばシベトン、ジヒドロジャスモン(3−メチル−2−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オン)、シス−ジャスモン (3−メチル−2−(2−シス−ペンテン−1−イル)−2−シクロペンテン−1−オン)、5−シクロヘキサデセン−1−オン、2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2−ナフタレニルメチルケトンおよび3−メチル−2−シクロペンテン−2−オール−1−オン;およびエステル、例えば4,7−メタノ−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−5−(または6)−インデニルアセテート、アリル3−シクロヘキシルプロピオネート、メチルジヒドロジャスモネートメチル(3−オキソ−2−ペンチルシクロペンチル)アセテートである。
【0165】
本発明において使用されるポリテルペンは、前述のテルペンと他の不飽和有機化合物との共重合から誘導されてもよい。
【0166】
成分(D−VII)の他の例は、不飽和コールタール副生成物ポリマー、例えばクマロン−インデン樹脂、ロジン、およびその種のものである。
【0167】
当該の成分(D−II)は、好ましくは、ポリ−アルファ-ピネン、ポリ-ベータ-ピネン、ポリリモネン、またはアルファ-ピネンのコポリマー、ベータ-ピネンのコポリマー、またはリモネンのコポリマーからなる群から選択されるポリテルペン樹脂である。ポリ−ベータ−ピネンが特に好ましい。
【0168】
テルペンベースの炭化水素樹脂は、典型的にはアルファ−ピネン、ベータ−ピネンおよびd−リモネンなどの生成物に基づき、それらはそれぞれ木材産業および柑橘産業から得られる。テルペンベースの樹脂は1930年代半ばから利用されている(Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,John Wiley&Sons,第4版(1994),Vol.13,p.717−718)。モノテルペンの重合は、最も一般にはカルボカチオン重合によって、フリーデル−クラフツ型触媒系、例えば塩化アルミニウムを使用して実施される(Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,John Wiley&Sons,第4版(1994),Vol.1.p.459)。
【0169】
一般に、成分(D−VII)のポリテルペンは1つより多くのテルペン単位を有する。それらは好ましくは、約400g/mol〜約1400g/molの分子量を有する。
【0170】
成分(D−VIII)は、特に無機の過酸化物または無機の超酸化物、特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属または遷移金属の過酸化物または超酸化物である。過酸化物としての成分(D−VIII)の適した例は、過酸化マグネシウム(MgO2)、過酸化カルシウム(CaO2)、過酸化ストロンチウム(SrO2)、過酸化バリウム(BaO2)、過酸化リチウム(Li22)、過酸化ナトリウム(Na22)、過酸化カリウム(K22)、過酸化亜鉛(ZnO2)、過酸化銀(Ag22)、過酸化銅または過酸化鉄である。超酸化物としての成分(D−VIII)の適した例は、超酸化リチウム(LiO2)、超酸化ナトリウム(NaO2)、超酸化カリウム(KO2)、超酸化ルビジウム(RbO2)、および超酸化セシウム(CsO2)である。好ましくは、過酸化リチウム、過酸化ナトリウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、過酸化亜鉛、および超酸化カリウムである。特に好ましいのは、過酸化ナトリウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、および過酸化亜鉛である。本発明に有用な無機の過酸化物または超酸化物の包括的な要約は、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,John Wiley&Sons,第4版(1994),Vol.18,202−229ページ内に与えられており、ここで参照をもって開示するものとする。上述の過酸化物および/または超酸化物の混合物も使用できる。
【0171】
成分(D−VIII)は好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属の無機の過酸化物、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属の無機の超酸化物である。
【0172】
成分(D−III)のさらに好ましい例は、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化バリウム、過酸化リチウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化亜鉛、過酸化銀、過酸化銅、過酸化鉄、超酸化リチウム、超酸化ナトリウム、超酸化カリウム、超酸化ルビジウムおよび超酸化セシウム、特に過酸化ナトリウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、および過酸化亜鉛;特に過酸化カルシウムである。
【0173】
都合の良いことに、成分(D−VIII)は湿気と接したときに水と反応して活性な予備分解剤(prodegradant)種を遊離する化合物であって、且つ、温度範囲100〜300℃で熱加工可能である。
【0174】
本発明によるポリマー物品は、天然の日光および/または湿気中において、低温、室温または高温での分解を強化される必要がある任意のタイプのプラスチック物品であってよい。
【0175】
例えば、適したポリマー物品はプラスチックフィルム、シート、袋、瓶、発泡スチロールカップ、皿、調理器具、ブリスターパッケージ、箱、パッケージ包装、プラスチック繊維、テープ、農業用物品、例えば縒糸の農業用フィルム(twine agricultural film)、マルチフィルム、小トンネル用フィルム、バナナ袋、直接被覆用膜(direct cover)、不織布、農業用途のポット、ジオテキスタイル(goetextile)、ゴミ埋め立て用カバー、工業用カバー、廃棄物用カバー、一時的な足場シート、建築用のフィルム、シルトフェンス、家禽用カーテン、一時的な避難所建築物を建てるためのフィルム、使い捨ておむつ、使い捨て衣料、およびその種のものである。
【0176】
好ましい実施態様によれば、前記のポリマー物品は、例えばマルチフィルム、畦用覆い、小トンネル用フィルム、バナナ袋、直接被覆用膜、不織布、縒糸、およびポットからなる群から選択される農業用物品である。
【0177】
厚さ5〜100ミクロンを有する単層または3層マルチフィルムであるポリマー物品が特に好ましい。
【0178】
厚さ5〜100ミクロンを有する単層または3層マルチフィルムであって、且つ部分的に土に埋められるポリマー物品もまた好ましい。
【0179】
他の好ましい実施態様によれば、ポリマー物品は梱包材料、および/または民生品用に使用されるものである(例えばスーパーマーケットの袋、またはごみ袋)。前記の梱包材料は、特に、食品、飲料または化粧品用である。
【0180】
さらに好ましい実施態様によれば、前記のポリマー物品は衛生用物品または医療用物品である。
【0181】
フィルム、繊維、形材、瓶、タンク、容器、シート、袋、発泡スチロールカップ、皿、ブリスターパッケージ、箱、パッケージ包装、およびテープからなる群から選択されるポリマー物品もまた好ましい。
【0182】
本発明によるポリマー物品は、建設現場用、例えばジオメンブレン、ジオテキスタイル、ジオグリッド、または足場用フィルムに有用である。
【0183】
前記のポリマー物品は、当業者が利用可能な任意の方法によって製造でき、前記方法は限定されずに押出成形、押出ブロー成形、フィルムキャスティング、フィルムブロー成形、圧延、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、熱成形、紡績、インフレーション法、および回転成形を含む。
【0184】
射出成形、ブロー成形、圧縮成型、回転成形、スラッシ成形、押出、フィルムキャスティング、フィルムブローイング、圧延、熱成形、紡績、または回転キャスティングによって成形されたポリマー物品が特に好ましい。
【0185】
ポリマー成分(A)の分解速度は、単に成分(B)、分解促進剤の濃度を変えることによって調製できる。即ち、より遅い分解が望まれる場合には、より少ない成分(B)を添加する。成分(B)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.01〜10%、好ましくは0.01〜5%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0186】
成分(C)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0187】
成分(D−I)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.05〜80%、好ましくは0.5〜70%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0188】
成分(D−II)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.05〜40%、好ましくは0.05〜30%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0189】
成分(D−III)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.01〜20%、好ましくは0.01〜10%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0190】
成分(D−IV)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.05〜10%、好ましくは0.05〜5%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0191】
成分(D−V)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.005〜1%、好ましくは0.01〜0.3%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0192】
成分(D−VI)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.005〜5%、好ましくは0.05〜1%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0193】
成分(D−VII)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.01〜10%、好ましくは0.01〜5%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0194】
成分(D−VIII)は好ましくは、成分(A)の質量に対して0.005〜20%、好ましくは0.1〜15%の量でポリマー物品を形成する組成物中に存在する。
【0195】
下記の実施例1および3の化合物が特に好ましい。
【0196】
実施例:
以下の実施例によって本発明を説明する。実施例中の全ての部またはパーセントは、、特段記載されない限り質量比であり、以降の明細書および請求項内も同様である。室温は特段記載されない限り、20〜30℃の範囲の温度を意味する。元素分析で得られるデータは、C、HおよびNの元素に対して計算された(cal)あるいは実験的に測定された(exp)質量%である。実施例において、下記の略記を使用する:
PP ポリプロピレン;
LDPE 低密度ポリエチレン;
LLDPE 直鎖状低密度ポリエチレン;
NMR 核磁気共鳴(特段示されない限り、1Hのもの);
Mn GPCによって測定される数平均分子量(g/mol);
GPC ゲル透過クロマトグラフィー。
【0197】
実施例において、個々の化合物の分子量(Mn)はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定されている。前記のGPCを、屈折率検出器パーキンエルマーLC30(reflective index Perkin Elmer LC30)を装備したパーキンエルマーLC50液体クロマトグラフにおいて実施し、そのデータをパーキンエルマーソフトウェア(TurboSEC)を使用して算出した。全てのGPC測定を、0.02Mのジエタノールアミン溶液を使用し、溶剤としてのクロマトグラフィー等級のテトラヒドロフラン(THF)中、45℃でPLGEL(Polymer Laboratories)300mm×7.5mmカラムにおいて固定層としてPLgel 3μm MIXED−Eを用いて実施する。校正曲線のために標準ポリスチレンを使用する。視覚的な融点および溶融範囲をGallenkampの装置を使用して測定する。
【0198】
"水素化ダイマー酸"は、主な化合物が
【化34】

である異性体混合物である。
【0199】
"水素化ダイマー酸"ジエチルエステルは、"水素化ダイマー酸"から、当業者に公知のエステル化反応条件によって得られる。前記のジメチルエステルの主要な化合物は
【化35】

である。
【0200】
合成例:
生成物(1−a):
【化36】

【0201】
nは数平均分子量に基づいて6.1である。
【0202】
生成物(1−b):
【化37】

【0203】
nは数平均分子量に基づいて7.3である。
【0204】
生成物(1−c):
【化38】

【0205】
生成物(1−d):
【化39】

【0206】
nは数平均分子量に基づいて3.1である。
【0207】
生成物(1−e):
【化40】

【0208】
nは数平均分子量に基づいて2.3である。
【0209】
生成物(1−f):
【化41】

【0210】
生成物(2−a):
【化42】

【0211】
nは数平均分子量に基づいて2.5である。
【0212】
生成物(2−b):
【化43】

【0213】
nは数平均分子量に基づいて3.2である。
【0214】
生成物(3−a):
【化44】

【0215】
nは数平均分子量に基づいて1.58である。
【0216】
生成物(3−b):
【化45】

【0217】
nは数平均分子量に基づいて1.75である。
【0218】
生成物(3−c):
【化46】

【0219】
生成物(3−d):
【化47】

【0220】
生成物(3−e):
【化48】

【0221】
nは数平均分子量に基づいて3.1である。
【0222】
【表1−1】

【0223】
【表1−2】

【0224】
【表1−3】

【0225】
【表1−4】

【0226】
実施例1:
【化49】

の合成
合成工程:
【化50】

【0227】
工程A: 2,6−ジヒドロキシアントラキノン50gをジメチルアセトアミド300ml中で溶解し、そして攪拌しながら、炭酸カリウム71gを該混合物に添加する。その反応物を80℃で1時間加熱し、その後、ブロモイソプロピルアセテート87gを該反応混合物に滴下する。その後、該反応混合物を加熱し、そして100℃で8時間保持し、その後、減圧下で濃縮する。その残留物をジクロロメタン中で溶解し、そして水で数回洗浄する。その後、その有機相を真空下で濃縮する。2,6−ビス(メチルエステルプロピオンオキシ) 9,10−ジアントラキノン64.5gが、融点169〜176℃を有する黄色い固体として得られる。提案された構造がNMR分析によって確認された。
【0228】
工程B: 2,6−ビス(メチルエステルプロピオンオキシ) 9,10−ジアントラキノン64g、1,6−ヘキサンジオール18.5g、およびp−トルエンスルホン酸0.8gをキシレン300ml中で溶解する。前記の溶液を還流温度まで加熱し、そして10時間攪拌する。その後、ジクロロメタン300mlを添加し、そして、その有機相を水で数回洗浄し、そして減圧下で濃縮する。所望の生成物(Mn=2700;n=6.1、上に記載された通りに算出)68gが、融点83〜93℃を有する黄色い固体として得られる。提案された構造がNMR分析によって確認された。
【0229】
熱重量分析/質量損失のデータ:260℃ 0.41% − 280℃ 0.57% − 300℃ 0.87%。
【0230】
実施例2:
【化51】

の合成
機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物80.0gおよび氷酢酸400mlで連続的に充填する。ドデシルアミン22.9gとポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)42.8gとの溶液を、室温で前記の溶液に滴下する。該反応物を攪拌しながら還流温度で6時間加熱し、その後、該混合物をジクロロメタン400ml中に注ぎ、そして、その有機相を水で数回洗浄し、そして真空下で乾燥させる。所望の生成物が、融点85〜95℃を有するわずかに黄色い固体として得られる(Mn=1031;n=1.58、上に記載された通りに算出)。提案された構造がNMR分析によって確認された。
【0231】
実施例3:
【化52】

の合成
機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物122.0g、およびジメチルアセトアミド850mlで連続的に充填する。1,12−ドデカンジアミン37.9gとドデシルアミン73.7gとをジメチルアセトアミド350ml中に溶かした溶液を、室温で前記の溶液に滴下する。攪拌された反応物を還流温度で3時間加熱する。その後、室温で冷却し、粗混合物を濾過によって除去することによって不溶性の材料を回収し、メタノールで洗浄し、そして50℃の減圧下のオーブン内で乾燥させる。所望のオリゴマー(olygomeric)生成物194.0gが、融点153〜163℃を有するわずかに黄色い固体として得られる(Mn=1038;n=1.75、上に記載された通りに算出)。提案された構造がNMR分析によって確認された。
【0232】
熱重量分析/質量損失のデータ:260℃ 1.90% − 280℃ 2.00% − 300℃ 2.21%。
【0233】
実施例4:
【化53】

の合成
合成工程:
【化54】

【0234】
工程A: 機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、2−ベンゾイル−安息香酸100gおよびジクロロメタン300mlで連続的に充填する。前記の混合物を20℃に冷却し、そして塩化チオニル164gを該溶液に滴下する。前記の反応物を38℃で20時間加熱し、その後、減圧下で濃縮する。2−ベンゾイル−ベンゾイルクロリドが、融点66〜73℃を有する白い固体として得られる。提案された構造がNMR分析によって確認された。
【0235】
工程B: 機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、ジエタノールアミン430gおよびTHF1000mlで連続的に充填する。前記の混合物を5〜10℃に冷却し、そして工程Aで得られた2−ベンゾイル−ベンゾイルクロリド100gを200mlのTHF中に溶かして滴下する。反応を室温で20時間保持する。その後、前記の反応混合物を濃縮し、そしてジクロロメタン溶液中に注ぐ。その有機相を水で洗浄し、そして減圧下で濃縮する。2−ベンゾイル−N,N−ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−ベンズアミドが、融点121〜127℃を有する白い固体として得られる。提案された構造がNMR分析によって確認された。
【0236】
工程C: 機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、2−ベンゾイル−N,N−ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−ベンズアミド25g、トリエチルアミン24.2gおよびTHF350mlで連続的に充填する。THF100ml中のテレフタロイルクロリド16.2gを滴下し、そして該反応混合物を還流温度で4時間加熱する。前記の反応混合物を濃縮し、そして粗生成物をエタノールおよび水で洗浄し、そしてその後、真空下で乾燥させる。所望の生成物が、融点140〜147℃を有する白い固体として得られる(Mn=1103;n=2.5、上に記載された通りに算出)。
【0237】
熱重量分析/質量損失のデータ:210℃ 0.95% − 260℃ 1.81% − 300℃ 2.15%。
【0238】
実施例5:
【化55】

の合成
該生成物は、実施例1において報告された方法と類似して、実施例1の工程Aで得られた2,6−ビス(メチルエステルプロピオンオキシ) 9,10−ジアントラキノンを1当量の1,12−ドデカンジオールと反応させることで得られる。
【0239】
Mn=4025; n=7.3
融点: 50〜60℃。
【0240】
実施例6:
【化56】

の合成
機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、2,6−ジヒドロキシアントラキノン72.0g、およびジメチルアセトアミド400mlで連続的に充填する。そして、炭酸カリウム96.6gを、55℃に加熱された前記の攪拌された混合物に添加し、その後、ジメチルアセトアミド100ml中に溶解した1,10−ジブロモデカン90.0gを該混合物に滴下する。前記の反応物をその後、120℃に加熱して、そして攪拌しながら5時間反応させておき、その後、水溶液に滴下する。形成された沈殿物を溶液から分離し、そして水、アセトンおよびシクロヘキサンで数回洗浄する。前記で得られた黄色い固体をその後、オーブン内、真空下でさらに乾燥させる(essicated)。提案された構造がNMR分析によって確認された。
【0241】
融点: 208〜216℃。
【0242】
実施例7:
【化57】

の合成
機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、"水素化ダイマー酸"99.7g、およびジトルエン200mlで連続的に充填する。そして、塩化オキサリル44.4gを反応混合物に添加し、そして形成されたCO2の放出が終了するまで該反応物を室温で反応させておく。そして、前記の混合物を還流温度で1時間加熱し、その後、50℃に冷却する。その後、キニザリン42.0g、ジメチルアセトアミド300ml、およびピリジン41.5gを前記の溶液に滴下し、そして該反応混合物50℃で3時間、反応させておく。前記の混合物を真空下で濃縮し、その後、ジクロロメタンおよび水をその残留物に添加する。その有機相を分離し、そして減圧下で濃縮して生成物として赤い液体が得られる。提案された構造が1H−NMR分析によって確認された。
【0243】
Mn=1803;n=2.3
1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ0.8−2.7(70H,m);7.2−8.1(6H,m)。
【0244】
熱重量分析/質量損失のデータ:210℃ 0.13% − 260℃ 1.09% − 300℃ 4.08%。
【0245】
実施例8:
【化58】

の合成
機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、キニザリン4.8g、ジメチルアセトアミド100mlで連続的に充填する。その後、炭酸カリウム96.6gを、55℃に加熱された前記の攪拌された混合物に添加する。そして、ジメチルアセトアミド100ml中に溶解した1,10−ジブロモデカン90.0gを前記の反応混合物に滴下する。該反応混合物をその後、加熱して、そして120℃で5時間保持し、その後、該反応混合物を水溶液に滴下する。形成された沈殿物を溶液から分離し、水、アセトンおよびシクロヘキサンで数回洗浄する。このように得られた黄色い固体をその後、オーブン内、真空下でさらに乾燥させる。提案された構造がNMR分析によって確認された。
【0246】
融点: 127〜135℃。
【0247】
実施例9:
【化59】

の合成
合成工程:
【化60】

【0248】
工程A: 機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、9,10−アントラキノン−2,6−ジスルホン酸二ナトリウム塩10g、およびジメチルホルムアミド200mlで連続的に充填する。そして、前記の反応物をー5℃に冷却し、その後、塩化チオニル23.1gを該混合物に添加し、それをその後、0℃で2時間、次に自然に室温で20時間、反応させておく。そして、前記の反応物を水溶液に添加する。その後、形成された黄色い沈殿物を溶液から分離し、そして減圧下で乾燥させる。化合物1の構造がNMR分析によって確認された。
【0249】
融点: 240〜247℃。
【0250】
工程B: 機械攪拌器、熱電対、滴下漏斗および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、この実施例の工程Aで得られた化合物3.0g、ジクロロメタン100ml、およびエタノールアミン1.8gで連続的に充填する。前記の反応物を25℃で4時間反応させておき、その後、形成された沈殿物を溶液から分離し、そして水およびメタノールで洗浄する。その後、得られた白い固体を減圧下で乾燥させる。化合物2の構造がNMR分析によって確認された。
【0251】
融点: 280〜284℃。
【0252】
工程C: 所望の生成物は実施例7において報告された方法と類似して1.05当量の"水素化ダイマー酸"とこの実施例の工程Bで得られた1当量の化合物2とを反応させて得られる。所望の化合物の構造がNMR分析によって確認された。
【0253】
Mn=3044; n=3.1
融点: 198〜207℃。
【0254】
実施例10:
【化61】

の合成
機械攪拌器、熱電対、および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、実施例4の工程Bで得られた2−ベンゾイル−N,N−ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−ベンズアミド3.0g、"水素化ダイマー酸"ジメチルエステル5.99g、ジブチルスズオキシド0.04g、およびキシレン60mlを連続的に充填する。前記の反応物を環流温度に加熱し、そして4時間反応させておく。そして、前記の混合物を減圧下で乾燥させ、そして茶色いワックスが得られる。所望の化合物の構造がNMR分析によって確認された。
【0255】
Mn=2683; n=3.2
1H−NMR(300MHz、CDCl3): δ0.8〜2.7 (68H,m); 3.4〜4.5 (8H,m); 7.2〜8.4 (9H,m)
熱重量分析/質量損失のデータ:210℃ 0.49% − 260℃ 1.37% − 300℃ 2.73%。
【0256】
実施例11:
【化62】

の合成
機械攪拌器、熱電対、および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物5.0g、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン3.7g、およびジメチルアセトアミド40mlで連続的に充填する。そして、前記の混合物を150℃に加熱し、そしてこの温度で2時間反応させておく。その後、前記の反応物を室温に冷却する。所望の生成物がエタノールを用いた再結晶化で得られる。該化合物の構造がNMR分析によって確認された。
【0257】
融点: 238〜258℃。
【0258】
実施例12:
【化63】

の合成
機械攪拌器、熱電対、および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物5.0g、1,5−ジアミノ−2−メチル−ペンタン1.8g、およびジメチルアセトアミド35mlで連続的に充填する。そして、前記の混合物を150℃に加熱し、そしてこの温度で2時間反応させておく。その後、前記の反応物を室温に冷却し、続いて水を該溶液に添加する。その後、沈殿した生成物を分離し、そして水で数回洗浄する。該化合物の構造がNMR分析によって確認された。
【0259】
融点: 203〜268℃。
【0260】
実施例13:
【化64】

の合成
機械攪拌器、熱電対、および凝縮器を装備した四ツ口丸底フラスコを、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物10.0g、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノ−プロピルエーテル)(Mn=230)7.14g、および氷酢酸100mlで連続的に充填する。そして、前記の混合物を環流温度に加熱し、そしてこの温度で2時間反応させておく。その後、前記の反応物を室温に冷却し、続いてジクロロメタンと水とを該溶液に添加する。その有機相を水で数回洗浄し、そして減圧下で濃縮して黄色い固体を得る。該化合物の構造がNMR分析によって確認された。
【0261】
Mn=1674; n=3.1
融点: 125〜134℃。
【0262】
適用例A:
適用データ:
参照:
実施例1; 膜4
実施例2; 膜6
実施例3; 膜7
実施例4; 膜9
膜の製造:
50μm厚の膜が下記の方法で得られた:
ターボミキサー(Caccia、Labo10)内で、LLDPEの質量に対して1%の前記の添加剤を、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフィット0.12質量%、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.02質量%、およびオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.03質量%を含有し、且つメルトインデックス1.1g/10分(190℃/2.16kg)を有するLLDPE Dowlex NG 5056−Eと混合する。前記の混合物を、最高温度200℃でO.M.C.ツインスクリュー押出機(モデルebv19/25)を使用して押し出して顆粒にし、それを次にブロー押出機(Formac(商標))を使用して最高温度210℃で作業して膜厚50μmの膜に変換する。
【0263】
【表2】

【0264】
25μm厚の膜が下記の方法でマスターバッチを経て得られた:
ターボミキサー(Caccia、Labo10)内で、樹脂の質量に対して10%の添加剤を、LLDPE Dowlex NG 5056−Eと混合する。前記の混合物を、最高温度200℃でO.M.C.ツインスクリュー押出機(モデルebv19/25)を使用して押し出してポリマーの顆粒をもたらし、それを次に同じLLDPEで希釈して最終的な組成物をもたらし、そしてブロー押出機(Dolci(商標))を使用して最高温度210℃で作業して膜厚25μmの膜に変換する。
【0265】
表3にLLDPE膜の最終的な組成を示す。
【0266】
【表3】

【0267】
他の50μm厚の膜が下記の方法でマスターバッチを経て得られた:
ターボミキサー(Caccia,Labo10)内で、LLDPEの質量に対して10%の前記の添加剤を、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフィット0.10質量%とオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.032質量%を含有し、且つメルトインデックス1.1g/10分(190℃/2.16kg)を有するLLDPE Dowlex NG 5056−Gと混合する。前記の混合物を、最高温度200℃でO.M.C.ツインスクリュー押出機(モデルebv19/25)を使用して押し出して顆粒にし、それを次に同じLLDPEで希釈して最終的な組成物をもたらし、そしてブロー押出機(Dolci(商標))を使用して最高温度210℃で作業して膜厚50μmの膜に変換した。
【0268】
【表4】

【0269】
暴露:
1) 膜の試料を、6500Wのキセノンランプ(常時点灯サイクル、ブラックパネル温度=63℃)を装備したアトラスウェザロメーター(モデルCi65A)内で暴露した。
【0270】
2) 得られた膜の試料を、40℃で稼働中の空気循環オーブン(HORO 080V)内でも暴露する。
【0271】
測定パラメータ:
1) カルボニル増分(CO):暴露時間の関数としてのカルボニルバンド増分(1710cm-1)の測定を、FT−IR Perkin−Elmer Spectrum Oneを用いてモニターする。
【0272】
2) クラッキングまでの時間:膜の試料の視覚上の破壊を、表面クラッキングの初めの兆候までの時間によって評価する。
【0273】
3) ブルーミング:膜外への添加剤の浸出を視覚的に評価する。
【0274】
結果:
下記の表はカルボニル増分の増加およびクラッキングまでの時間についての結果を示す。
【0275】
【表5】

【0276】
【表6】

【0277】
【表7】

【0278】
【表8】

【0279】
【表9】

【0280】
【表10】

【0281】
【表11】

【0282】
【表12】

【0283】
【表13】

【0284】
アントラキノンの膜製造直後の強度のブルーミング(膜2についてのブルーミング結果を参照)は、プラスチック製品が食品または作物と接して使用される場合に特に望ましくない問題である。それに対して、かかるオリゴマー光増感剤(膜4、6、7、9についてのブルーミング結果を参照)は、樹脂と良好な適合性を示し、且つ、強化された光分解性が必要とされるプラスチック製品中で使用できる。
【0285】
本発明は特に下記の実施態様および好ましい実施態様に関する:
実施態様1: 天然ポリマーおよび/または合成ポリマー、またはかかるポリマーで製造されたポリマー物品の光および/または熱および/または湿気による分解の改善方法において、化学式(I)の化合物を前記の天然ポリマーおよび/または合成ポリマー中に混合することを含む方法:
【化65】

[式中、
nは1〜100である;
mは1または2である;
Xは化学式(1)、(2)、(3)および(4)の基から選択されるm+1価の基である:
【化66】

[式中
YはC、N、O、Sおよび水素原子から選択される1〜20個の原子を含む二価の基であり、
Zは>(C=O)または>SO2であり、
hはそれぞれの相応するオキシアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、
jは0または1であり、且つ
sはそれぞれの相応するオキシアルキレン成分について独立して2〜4の整数である]
Rは以下から選択されるm+1価の基
−G−(C2〜C34−アルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−、
−G−(C1〜C18−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(C1〜C18−アルキレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−G−、
−G−(C1〜C18−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−(C1〜C18−アルキレン)−G−
[式中、
前記のC2〜C34−アルキレンまたはC1〜C18−アルキレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、およびC1〜C4−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、且つ、前記のC5〜C7−シクロアルキレンおよびC6〜C12−アリーレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C10−アルキル、C1〜C10−アルケニルおよびC1〜C10−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、
Gは不在であるか、あるいは−O−および>(C=O)から選択され、且つ
k(およびk’)は1または2である];および
下記の化学式の基:
【化67】

[式中、
それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つ、gは1〜10である]
である;
R1はH;Cl;Br;I;OH;NH2、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニル、C1〜C30−アルキルオキシ、C2〜C30−アルケニルオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);C3〜C12−シクロアルキル、C3〜C12−シクロアルキルオキシ、C5〜C12−シクロアルケニル、C5〜C12−シクロアルケニル、C6〜C12−アリール、C6〜C12−アリールオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);あるいは
R1は基−X3−R3−R4
[式中、
X3は上で定義された化学式(3)の基であり、且つ
R3はGが不在であるRの意味の1つを有し、且つ
R4はH、NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、Cl、Br、I、OH、COOH、COOC1〜C4−アルキルである]
である;且つ
R2はH、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニルから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH、COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);C3〜C12−シクロアルキル、C5〜C12−シクロアルケニル、C6〜C12−アリールから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);あるいは
R2は基−R5−R6
[式中、
R5は−C2〜C34−アルキレンを除き、且つGが不在であるRの意味の1つを有し;且つ
R6はH、NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、Cl、Br、I、OH、COOH、COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキル、またはC1〜C4−アルコキシである]であるか、あるいは
R2は−O−である;
ここで、前記の星印は、前記の化合物の化学式中の不斉基RおよびYの配向を指し示す]。
【0286】
実施態様2: 実施態様1において定義された化学式(I)の化合物において、化学式(II)の化合物(a)および(b)を除いた化合物
【化68】

[式中、
(a) R7およびR8はC18−アルキルであり、X4およびX5は−(フェニル)−CO−(フェニル)−であり、Y2は−CH2−(フェニレン)−CH2−であり、且つbは1であり、且つ
(b) R7およびR8は2−エチルヘキシルであり、X4およびX5は−(フェニル)−CO−(フェニル)−であり、Y2はC12−アルキレンであり、且つbは3である]。
【0287】
実施態様3: 実施例2の化合物において、
Rは以下から選択されるm+1価の基
−G−(C2〜C34−アルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−、
−G−(C2〜C18−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(C2〜C18−アルキレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−G−、
−G−(C2〜C18−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−(C2〜C18−アルキレン)−G−
[式中、
前記のC2〜C34−アルキレンまたはC2〜C18−アルキレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、およびC1〜C4−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、且つ、前記のC5〜C7−シクロアルキレンおよびC6〜C12−アリーレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C10−アルキル、C1〜C10−アルケニルおよびC1〜C10−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、
Gは不在であるか、あるいは−O−および>(C=O)から選択され、且つ
k(およびk’)は1または2である];および
下記の化学式の基:
【化69】

[式中、
それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つ、gは1〜10である]
であり、且つ
R1はH;Cl;Br;I;OH;NH2、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニル、C1〜C30−アルキルオキシ、C2〜C30−アルケニルオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);C3〜C12−シクロアルキル、C3〜C12−シクロアルキルオキシ、C5〜C12−シクロアルケニル、C5〜C12−シクロアルケニル、C6〜C12−アリール、C6〜C12−アリールオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);あるいは
R1は基−X3−R3−R4
[式中、
X3は上で定義された化学式(3)の基であり、且つ
R3は−(C2〜C8−アルキレン)−以外で、且つGが不在であるRの意味の1つを有し、且つ
R4はH、NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、Cl、Br、I、OH、COOH、COOC1〜C4−アルキルである]
である化合物。
【0288】
実施態様4: 実施態様2または3に記載の化合物において、
R1がH;Cl、Br、OH;NH2;C1〜C4−アルキルおよびC1〜C4−アルコキシから選択される基から選択されるか、あるいは
R1が−X3−R3−R4
[式中、
X3は上で定義された化学式(3)の基であり、且つ、
R3は−(C9〜C20−アルキレン)−であり、且つ、
R4はHである]
である化合物。
【0289】
実施態様5: 実施態様2から4までのいずれか1つに記載の化合物において、
R2がH、C1〜C4−アルキルおよびC10〜C20−アルキル(前記の基は置換されていなくても、またはCl;Br;I;OH;NH2またはC1〜C4−アルコキシの1、2または3つによって置換されていてもよい)から選択されるか、あるいは
R2が基−R5−R6
[式中、
R5は−C2〜C34−アルキレンを除き、且つGが不在であるRの意味の1つを有し;且つ
R6はHまたはNH2である]である;あるいは
R2が−O−である化合物。
【0290】
実施態様6: 実施態様2から5までのいずれか1つに記載の化合物において、化学式(I)のXが以下の基から選択される化合物
【化70−1】

【0291】
【化70−2】

[式中、Y、h、jおよびsは実施態様2で定義された意味を有している]。
【0292】
実施態様7: 実施態様2から6までのいずれか1つに記載の化合物において、Yが以下の基から選択される化合物
【化71】

[式中、rは2〜4の整数、好ましくは2または3である]。
【0293】
実施態様8: 実施態様2から7までのいずれか1つに記載の化合物において、mが1である化合物。
【0294】
実施態様9: 実施態様2から8までのいずれか1つに記載の化合物において、
nは1〜7である;
Xは化学式(1−A)または(3−A)の基から選択されるm+1価の基である
【化72】

[式中、
Yは下記の群:
【化73】

から選択される];
Rは以下から選択される基である:
6〜C12−アルキレンおよび−G−(C6〜C12−アルキレン)−G−;
(ここで、前記のC6〜C12−アルキレン基はH、または置換されていないか、またはCl;Br;I;OH;NH2およびC1〜C4−アルコキシから選択される1、2または3つの置換基によって置換されていてもよく、且つ
Gは−O−である);
R1はC1〜C12−アルキルまたはC1〜C12−アルキルオキシであるか、あるいはXが化学式(3−A)の基である場合、基X3−R3−R4
[式中、
X3は化学式(3−A)の基であり、
R3はC9〜C20−アルキレンであり、且つ、
R4はHである]であってもよく、且つ、
R2はH、または置換されていないか、またはCl;Br;I;OH;NH2およびC1〜C4−アルコキシから選択される1、2または3つの置換基によって置換されているC6〜C12−アルキルである化合物。
【0295】
実施態様10: 実施態様2から9までのいずれか1つに記載の化合物において、以下から選択される化学式を有する化合物
【化74】

[式中、nは実施態様2から9において定義された通りである]。
【0296】
実施態様11: 実施態様2から8までのいずれか1つに記載の化合物において、以下から選択される化学式を有する化合物
【化75】

[式中、nは実施態様2から9において定義された通りである]。
【0297】
実施態様12: 実施態様2から9までのいずれか1つに記載の化合物において、以下から選択される化学式を有する化合物
【化76】

[式中、nは実施態様2から9において定義された通りである]。
【0298】
実施態様13: 化学式
【化77】

の化合物であって、数平均分子量(Mn)約2740g/molおよび溶融範囲83〜93℃を有する化合物;あるいは、化学式
【化78】

の化合物であって、数平均分子量(Mn)約1040g/molおよび溶融範囲166〜174℃を有する化合物。
【0299】
実施態様14: 光および/または熱および/または湿気の存在下で分解性のポリマー物品において、
(A) 天然ポリマーおよび/または合成ポリマー、および
(B) 実施態様1に記載の化学式(I)の化合物である分解促進剤
を含む組成物から製造されるポリマー物品。
【0300】
実施態様15: 実施態様14に記載のポリマー物品において、分解促進剤が実施態様2から13までのいずれか1つにおいて定義された化学式(I)の化合物であるポリマー物品。
【0301】
実施態様16: 実施態様14または15に記載のポリマー物品において、成分(A)が熱可塑性合成ポリマーであるポリマー物品。
【0302】
実施態様17: 実施態様14から16までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、成分(A)がポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマー、ポリエステルホモポリマーまたはコポリマー、ポリアミドホモポリマーまたはコポリマー、それらの配合物、デンプン改質ポリオレフィン、またはデンプンベースのポリマー組成物であるポリマー物品。
【0303】
実施態様18: 実施態様14から17までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、成分(A)がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンコポリマー、またはポリプロピレンコポリマーであるポリマー物品。
【0304】
実施態様19: 実施態様14から18までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、製造される組成物が追加的に(C)遷移金属の無機または有機塩を含有するポリマー物品。
【0305】
実施態様20: 実施態様14から19までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、組成物が追加的に1つまたはそれより多くの下記の成分
(D−I) 充填剤または強化剤、
(D−II) 顔料、
(D−III) 光安定剤、
(D−IV) プロセス添加剤、
(D−V) 酸化防止剤、
(D−VI) Ca、Mg、ZnまたはAlの無機または有機塩、あるいはCa、Mg、ZnまたはAlの酸化物、
(D−VII) テルペン誘導体、
(D−VIII) 無機過酸化物または超酸化物から選択される無機酸化剤
を含有するポリマー物品。
【0306】
実施態様21: 実施態様14から20までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、農業用物品であるポリマー物品。
【0307】
実施態様22: 実施態様21に記載のポリマー物品において、農業用物品がマルチフィルム、小トンネル用フィルム、畦用覆い、バナナ袋、直接被覆用膜、不織布、縒糸、およびポットからなる群から選択されるポリマー物品。
【0308】
実施態様23: 実施態様14から22までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、厚さ5〜100ミクロンを有する単層または3層マルチフィルムであって、随意に部分的に埋められるポリマー物品。
【0309】
実施態様24: 実施態様14から20までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、梱包材料、および/または民生品に使用されるポリマー物品。
【0310】
実施態様25: 実施態様24に記載のポリマー物品において、梱包材料が食品、飲料または化粧品用であるポリマー物品。
【0311】
実施態様26: 実施態様14から20までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、衛生用物品または医療用物品であるポリマー物品。
【0312】
実施態様27: 実施態様14から26までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、フィルム、繊維、形材、瓶、タンク、容器、シート、袋、発泡スチロールカップ、皿、ブリスターパッケージ、箱、パッケージ包装、およびテープからなる群から選択されるポリマー物品。
【0313】
実施態様28: 実施態様14から27までのいずれか1つに記載のポリマー物品において、射出成形、ブロー成形、圧縮成型、回転成形、スラッシ成形、押出、フィルムキャスティング、フィルムブローイング、圧延、熱成形、紡績、または回転キャスティングによって成形されたポリマー物品。
【0314】
実施態様29: 実施態様1において定義された化学式(I)の化合物を、随意に遷移金属の無機または有機塩と組み合わせて食品の梱包材中の酸素除去剤として用いる使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ポリマーおよび/または合成ポリマー、またはかかるポリマーで製造されたポリマー物品の光および/または熱および/または湿気による分解の改善方法において、化学式(I)の化合物を前記の天然ポリマーおよび/または合成ポリマー中に混合することを含む方法
【化1】

[式中、
nは1〜100である;
mは1または2である;
Xは以下の化学式(1)、(2)、(3)および(4)の基から選択されるm+1価の基である
【化2】

[式中、
YはC、N、O、Sおよび水素原子から選択される1〜20個の原子を含む二価の基であり、
Zは>(C=O)または>SO2であり、
hはそれぞれの相応するオキシアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、
jは0または1であり、且つ
sはそれぞれの相応するオキシアルキレン成分について独立して2〜4の整数である];
Rは以下から選択されるm+1価の基
−G−(C2〜C34−アルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−、
−G−(C1〜C18−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(C1〜C18−アルキレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−G−、
−G−(C1〜C18−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−(C1〜C18−アルキレン)−G−
[式中、
前記のC2〜C34−アルキレンまたはC1〜C18−アルキレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、およびC1〜C4−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、且つ、前記のC5〜C7−シクロアルキレンおよびC6〜C12−アリーレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C10−アルキル、C1〜C10−アルケニルおよびC1〜C10−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、
Gは不在であるか、あるいは−O−および>(C=O)から選択され、且つ
k(およびk’)は1または2である];および
下記の化学式の基:
【化3】

[式中、
それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つ、gは1〜10である]
である;
R1はH;Cl;Br;I;OH;NH2、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニル、C1〜C30−アルキルオキシ、C2〜C30−アルケニルオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);C3〜C12−シクロアルキル、C3〜C12−シクロアルキルオキシ、C5〜C12−シクロアルケニル、C5〜C12−シクロアルケニル、C6〜C12−アリール、C6〜C12−アリールオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);あるいは
R1は基−X3−R3−R4
[式中、
X3は上で定義された化学式(3)の基であり、且つ
R3はGが不在であるRの意味の1つを有し、且つ
R4はH、NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、Cl、Br、I、OH、COOH、COOC1〜C4−アルキルである]
である;且つ
R2はH、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニル、C1〜C30−アルキルオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH、COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);C3〜C12−シクロアルキル、C5〜C12−シクロアルケニル、C6〜C12−アリールから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);あるいは
R2は基−R5−R6
[式中、
R5は−C2〜C34−アルキレンを除き、且つGが不在であるRの意味の1つを有し;且つ
R6はH、NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、Cl、Br、I、OH、COOH、COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキル、またはC1〜C4−アルコキシである]であるか、あるいは
R2は−O−である;
ここで、前記の星印は、前記の化合物の化学式中の不斉基RおよびYの配向を指し示す]。
【請求項2】
化学式(I)
【化4】

の化合物において、
式中、R1、R2、R、X、mおよびnは請求項1において定義された通りであって、化合物(a)および(b)
【化5】

を除く化合物。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物において、
Rが以下から選択されるm+1価の基:
−G−(C2〜C34−アルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−;
−G−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−G−、
−G−(C2〜C18−アルキレン)−(C5〜C7−シクロアルキレン)−(C2〜C18−アルキレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−G−;
−G−(C6〜C12−アリーレン)−(k,k’−C1〜C4−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−G−、
−G−(C2〜C18−アルキレン)−(C6〜C12−アリーレン)−(C2〜C18−アルキレン)−G−
[式中、
前記のC2〜C34−アルキレンまたはC2〜C18−アルキレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、およびC1〜C4−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、且つ、前記のC5〜C7−シクロアルキレンおよびC6〜C12−アリーレン基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、C1〜C10−アルキル、C1〜C10−アルケニルおよびC1〜C10−アルコキシから選択される1つまたはそれより多くの置換基によって置換されていてもよく、
Gは不在であるか、あるいは−O−および>(C=O)から選択され、且つ
k(およびk’)は1または2である];および
下記の化学式の基:
【化6】

[式中、
それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つ、gは1〜10である]
であり;
R1がH;Cl;Br;I;OH;NH2、C1〜C30−アルキル、C2〜C30−アルケニル、C1〜C30−アルキルオキシ、C2〜C30−アルケニルオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい);C3〜C12−シクロアルキル、C3〜C12−シクロアルキルオキシ、C5〜C12−シクロアルケニル、C5〜C12−シクロアルケニル、C6〜C12−アリール、C6〜C12−アリールオキシから選択される基(前記の基は置換されていなくても、あるいはCl;Br;I;OH;NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、COOH;COOC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシの1つまたはそれより多くによって置換されていてもよい)であるか、あるいは
R1が基−X3−R3−R4
[式中、
X3は上で定義された化学式(3)の基であり、且つ
R3は−(C2〜C8−アルキレン)−を除き、且つGが不在であるRの意味の1つを有し、且つ
R4はH、NH2、NH(C1〜C4−アルキル)、N(C1〜C4−アルキル)2、Cl、Br、I、OH、COOH、COOC1〜C4−アルキルである]
である化合物。
【請求項4】
請求項2に記載の化合物において、
R1がH;Cl、Br、OH;NH2;C1〜C4−アルキルおよびC1〜C4−アルコキシから選択される基から選択されるか、あるいは
R1が基−X3−R3−R4
[式中、
X3は上で定義された化学式(3)の基であり、且つ
R3は−(C9〜C20−アルキレン)−であり、且つ
R4はHである]
であり、且つ
R2がH、C1〜C4−アルキル、C10〜C20−アルキルおよびC1〜C4−アルキルオキシ(前記の基は置換されていなくても、またはCl;Br;I;OH;NH2またはC1〜C4−アルコキシの1、2または3つによって置換されていてもよい)から選択されるか、あるいは
R2が基−R5−R6
[式中、
R5は−C2〜C34−アルキレンを除き、且つGが不在であるRの意味の1つを有し;且つ
R6はHまたはNH2である]
であるか、あるいは
R2が−O−
である化合物。
【請求項5】
請求項2に記載の化合物において、化学式(I)におけるXが以下の基
【化7−1】

【化7−2】

[式中、Y、h、jおよびsは請求項2で定義された意味を有している]
から選択される化合物。
【請求項6】
請求項2に記載の化合物において、Yが基
【化8】

[式中、rは2〜4の整数、好ましくは2または3である]
から選択される化合物。
【請求項7】
請求項2に記載の化合物において、
nが1〜7である;
Xが下記の化学式(1−A)または(3−A)の基から選択されるm+1価の基である
【化9】

[式中、
Yは下記の群:
【化10】

から選択される];
Rが以下から選択される基である:
6〜C12−アルキレンおよび−G−(C6〜C12−アルキレン)−G−;
[式中、
前記のC6〜C12−アルキレン基は置換されていないか、またはCl;Br;I;OH;NH2およびC1〜C4−アルコキシから選択される1、2または3つの置換基によって置換されていてもよい、且つ
Gは−O−である];
R1がC1〜C12−アルキルまたはC1〜C12−アルキルオキシであるか、あるいはXが化学式(3−A)の基である場合、基X3−R3−R4
[式中、
X3は化学式(3−A)の基であり、
R3は−C9〜C20−アルキレン−であり、且つ
R4はHである]であってもよい;且つ
R2がH、または置換されていないか、またはCl;Br;I;OH;NH2およびC1〜C4−アルコキシから選択される1、2または3つの置換基によって置換されているC6〜C12−アルキルである
化合物。
【請求項8】
請求項2に記載の化合物において、化学式(I−a)に相応する化合物
【化11】

[式中、
nは1〜10の数字である;
Xは化学式(1−A)、(1−D)、(2−A)または(3−A)の基である
【化12】

Yは−O−または化学式
【化13】

の基である;
sは2である;
rは2である;
RはC6〜C12−アルキレン、−O−(C6〜C12−アルキレン)−O−、−CO−フェニレン−CO−、−シクロヘキシレン−(C1〜C6−アルキレン)−シクロヘキシレン(ここで、前記のシクロヘキシレン基は置換されていないか、あるいは1〜3つのC1〜C4−アルキルによって置換されている);基
【化14】

(ここで、それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つgは1〜10の整数である);あるいは、
化学式
【化15】

の基である;
R1は水素、−Br、−OH、−NH2、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルキルオキシである;且つ
R2は水素、C1〜C18−アルキル、C1〜C4−アルキルオキシ;−シクロヘキシレン−(C1〜C6−アルキレン)−シクロヘキシレン−NH2(ここで、前記のシクロヘキシレン基は置換されていないか、あるいは1〜3つのC1〜C4−アルキルによって置換されている);−(C1〜C18−アルキレン)−NH2、または基
【化16】

(ここで、それぞれのfは前記の基のそれぞれのアルキレン成分について独立して2〜4の整数であり、且つgは1〜10の整数である)である]。
【請求項9】
請求項2に記載の化合物において、下記からなる群から選択される化合物
【化17−1】

【化17−2】

【化17−3】

[式中、nは1〜10、好ましくは1.5〜8の数字である]。
【請求項10】
光および/または熱および/または湿気の存在下で分解性のポリマー物品において、
(A) 天然ポリマーおよび/または合成ポリマー、および
(B) 請求項1に記載の化学式(I)の化合物
を含む組成物から製造されるポリマー物品。
【請求項11】
請求項10に記載のポリマー物品において、成分(A)がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンコポリマー、またはポリプロピレンコポリマーであるポリマー物品。
【請求項12】
請求項10に記載のポリマー物品において、組成物が追加的に(C)遷移金属の無機または有機塩を含有するポリマー物品。
【請求項13】
請求項10に記載のポリマー物品において、組成物が追加的に1つまたはそれより多くの下記の成分
(C) 遷移金属の無機または有機塩、
(D−I) 充填剤または強化剤、
(D−II) 顔料、
(D−III) 光安定剤、
(D−IV) プロセス添加剤、
(D−V) 酸化防止剤、
(D−VI) Ca、Mg、ZnまたはAlの無機または有機塩、あるいはCa、Mg、ZnまたはAlの酸化物、
(D−VII) テルペン誘導体、
(D−VIII) 無機過酸化物または超酸化物から選択される無機酸化剤
を含有するポリマー物品。
【請求項14】
請求項10に記載のポリマー物品において、マルチフィルム、小トンネル用フィルム、畦用覆い、バナナ袋、直接被覆用膜、不織布、縒糸、およびポットからなる群から選択される農業用物品であるポリマー物品。
【請求項15】
請求項10に記載のポリマー物品において、梱包材料、および/または民生品用に使用されるポリマー物品。

【公表番号】特表2010−535257(P2010−535257A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518622(P2010−518622)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際出願番号】PCT/EP2008/059681
【国際公開番号】WO2009/016083
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】