説明

ポリマーペレットの非付着処理方法

a)冷却水の存在下でポリマーをペレット化し、ポリマーペレットを提供すること;b)遠心脱水機によりポリマーペレットを乾燥させることを含み、ここで、工程b)において、抗付着剤を含む水性組成物を前記遠心脱水機内部に計量投入することを特徴とするポリマーペレットの付着防止処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーペレットの凝集傾向を減少させるために当該ポリマーペレットの非付着処理方法に関する。特に、本発明は、冷却水の存在下でのペレット化、それに続く,遠心脱水機によるペレットの乾燥を含む切断装置からもたらされるポリマーペレットの付着性を可及的に少なくする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、市場におけるプラスチック樹脂固体の殆どがペレット形態であることが知られている。プラスチック樹脂は、輸送、取り扱い、安全及び最終用途への加工性特性を改良するためにペレットの形態の固体である。
【0003】
押出装置は、重合プラントに結合された押出ライン、並びにペレット及び異なる形態のポリマー材料(粉末、ビーズ、粗粒等)で直接供給される配合用押出機であることも知られている。押出処理の間、添加剤、充填剤及び/又は顔料等のその他の成分が、通常、ポリマー特性を改良するために添加される。押出処理の最終段階で、溶融ポリマーは,強制的にダイプレートを流れた後、ペレットに切断される。
【0004】
ペレットの寸法、形体及び均一性は,製造中、に直面する重要な特性である。ペレット化段階も操作観点から重要である。ペレット化装置の不調は、特に、大規模押出ラインにとり、深刻な財務上の結果を伴うプロセス停止及び製造休止をもたらす可能性がある。結果として、ペレット化段階は、ポリマー製造プラントの製造ライン及びさらに押出工程の間の配合ライン双方において重要な段階であると認められている。
【0005】
最終ポリマーが,ペレットの流動性の悪さ及び凝集をもたらす軟質性及び付着性を示すとき特に効率的で満足のゆくペレット化を達成するのが困難である。これらの特性及び挙動は、例えば、ポリオレフィンコポリマー類、アタクチックホモポリマー類(例、アタクチックポリブテン−1),並びに総ての熱可塑性エラストマー類及び熱可塑性ポリオレフィン類のような代表的なポリマーの低結晶性に直接結びつく。
【0006】
この凝集は,通常、ホモポリマー及びコポリマー双方に起こるが、コポリマーの場合より深刻なようである。これは、コポリマーが、通常、ホモポリマーよりもゆっくりとした結晶速度およびより低い結晶性のためである。例えば、ブテン−1のコポリマー、特に、ブテン−1/エチレンコポリマーは、ペレット化の間、強い付着傾向を示し、これらのコポリマーのゆっくりとした結晶速度及び凝固速度によりもたらされる。
【0007】
事実、ペレットが切断刃を離れるとき、ペレットは非常に粘着性であり、互いにぶつかると、凝集体を形成する傾向にある。水中フェイスカッターや湿式ストランド切断用ペレット化装置によりポリマーペレットを形成した後、同伴する水の量を可及的に少なくするために、ペレットは遠心脱水機へ運搬される。
【0008】
ペレットの付着及び凝集現象がペレット化装置ボールを遠心脱水機に連絡するラインに沿って容易に起こりうる。さらに、ペレットの凝集体がペレット化装置ボール及び遠心脱水機を詰まらす可能性があり、その結果、詰まった部分を洗浄するために押出ラインを停止しなければならず、したがって、望ましくない生産停止をもたらす。さらに、最終生成物に大量のペレット合体が示され、使用者の製造処理に許容できず、この凝集の悪結果は,このような製品を使用者は購買するのを嫌う。
【0009】
種々のシステムが提案され、ペレット凝集に対する傾向を回避又は制限するために使用されてきたが、しかし、基本的にそれらは下記の2方法で再分割できる。すなわち、
1)ポリマー自身内に改質剤を導入し、結晶化動力学の増加によるか又は改質剤の表面移動により付着性の減少をもたらす
2)微細粉末物質(例えば、HDPE、タルク、シリカ等の無機若しくは有機物質の双方)を用いるペレットの表面処理、又は異なる商品名で市場化されているこの目的のために入手できる液体配合物を用いるペレット表面処理
である。
【0010】
この目的のため、ビスオレアミドのような物質をモノマー反応混合物に添加し、次いで、ポリマーを形成する。ビスオレアミドはポリマー物質と混和せず、そして、やがて、粒子表面に移動し、凝集に抵抗する被覆を付与する.シリカやタルク粉末を用いてポリマー粒子表面を被覆し凝集を阻止することも知られている。
【0011】
微小ポリオレフィン粉末被覆をポリマーペレット上に施用し、ペレットの付着性を減少させることも知られている。該微小粉末は、ペレット切断後冷却する、水中ペレット化装置の切断水中に配合することにより施用することができる。或いは、回転、空気搬送や同様の事後処理により、既に成形したポリマーペレットに該微小粉末を被覆するのに使用できる。また、ポリマーペレットの電位と異なる電位を持つよう流動化粉末浴を静電電荷することにより、被覆することができる。
【0012】
さらに、結晶化を促進するために、高密度ポリエチレン(HDPE)粉末のようなポリオレフィン核生成剤を含む、ポリマー核生成剤の使用が知られている。該核生成剤は、外部ペレット化助剤として作用し、ペレット凝集生成を減少させる。ポリオレフィン粉末核生成剤は、典型的には水より低い密度を有し、したがって、ポリマーペレットを処理する水浴又は水タンクの表面に浮く。この浮揚は水浴からポリオレフィン粉末のオーバーフローをもたらし、これは、装置や作業環境の時々の洗浄が必要となる処理中断をもたらし得る。この従来技術方法の成功は、ポリマーペレットを含有する水タンク中のポリオレフィン粉末の良好な分散に強く依存する。したがって、ペレット化助剤としてのポリオレフィン粉末の効率的利益を得るために、通常、激しい撹拌が必要となる。ペレット凝集を減少させるこの方法は非常に厄介であり、労働集約的である。最高状況下でさえ、ペレット悪品質やペレット凝集のために、ポリマー生産物のかなりの割合を廃棄しなければならない。
【0013】
ペレット凝集問題を可及的に少なくするために有機金属界面活性剤を使用することも当業界で知られている。しかし、これらの界面活性剤を有効量で使用するとき、しばしば、深刻な発泡問題をもたらし、この発泡は水タンクからの床へのオーバーフローとなる可能性があり、それにより、厄介な操作及び安全でない作業コンディションをもたらす。脱泡剤(例えば、FOAMTROL)と有機金属界面活性剤(例えば、ステアリン酸亜鉛)との組み合わせの使用はいくらかの成功を収めている。しかし、この組み合わせは、FOAMTROLの発がん性の可能性の欠点を有する。
【0014】
米国特許第4,359,544号明細書は、ペレット化助剤として核生成剤パッケージの使用を提案し、当該パッケージはHDPEとステアラミドとの混合物である。しかし、HDPE及びステアラミド双方とも水中でうまく分散しないため、ペレット化助剤として水浴中でうまく作用しない。
【0015】
米国特許第5,206,292号明細書は、新たに製造したポリオレフィンペレットの凝集を可究的に少なくするために酸化高密度ポリエチレン粉末の使用を提案する。この特許の実施例にしたがえば、水及び少量の酸化HDPEを含有する半透明混合タンクにペレットを供給する。空気活性化スターラーを使用して得られたスラリーを攪拌状態に維持する。この技術は多くの欠点を有する。まず第1に、酸化HDPEは、直接食品接触に関連する応用に対してFDAによって承認されていない。さらに、約30分の長い攪拌時間は、ポリマーペレットを含有する冷却剤中で酸化HDPEの良好な分散を達成することが必要である。また、スターラーから離れた領域では、いくらかのペレットが、その結晶化完了前に互いに容易に粘着する可能性がある。
【0016】
米国特許第5,623,012号明細書は、新たに製造したポリオレフィンペレットの付着性減少方法に関する。この方法は、ポリマー核生成剤と金属脂肪酸界面活性剤との混合物を冷却剤に添加することを含む。有機金属界面活性剤としてのステアリン酸亜鉛、及びポリマー核生成剤としてのHDPE粉末を冷却剤に添加する。好ましくは、水を冷却剤として使用する。ポリマーペレットと共に得られるスラリーを金属製結晶化タンク中にポンプで送り込む。攪拌機を使用して、該タンク中で水を攪拌し、HDPE粉末及び金属界面活性剤をより均質に分散するようにする。この特許の開示によれば、HDPE粉末及び金属界面活性剤を使用することにより相乗効果が得られ、その結果、ペレット凝集及び形成の双方が減少する。しかし、この特許に記載されているようなポリマーペレット処理技術は非常に混沌としやっかいである。水より低い密度を有する、HDPE粉末は水に浮く傾向があり:結晶化タンクの全容量中に当該粉末の許容できる分散を確保するために、連続して強力な攪拌をしなければならない。この攪拌が原因で、結晶化タンク内部のペレットの運動が非常に無秩序であり、その結果、残りのペレットのある間にペレットの一部がタンクの出口に達し:結晶化タンク操作中異なる滞留時間を含む。HDPE粉末の良好な分散が得られない領域では、結晶完了前にいくらかのペレットが互いに容易に付着し、一方で、その他のペレットは、充分に冷却され且つ凝固されることなく結晶化タンクを去り、こうして、プロセスの別の工程で付着問題をもたらす。
【0017】
米国特許第6,328,728号明細書は、ペレットのようなポリマーサブストレートに抗凝集特性を付与するために、ポリマーサブストレートにポリマー被覆を施用する方法に関する。この被覆ポリマーサブストレートは、ポリマーコーティングを水性被覆用組成物に配合し、サブストレート粒子の表面に前記組成物を噴霧することにより施用して製造できる。米国特許第6,328,728号明細書の方法は、刃先アセンブリー(auger assembly)中にポリマーペレットを導入することを含み、スプレー領域より出口領域に運搬する。刃先アセンブリーの操作中、ペレットは、ペレットが機械的に混合されると同時に前方に運搬されるので、水性被覆用組成物を用いて噴霧される。出口領域から、得られた被覆ペレットは、流動床のような乾燥装置に運ばれる。流動床は高温で操作し、空気流を与え、該空気流は被覆ペレットを徹底的に攪拌する。高温と攪拌空気流の組み合わせは、ポリマーペレットから水及びその他の揮発性成分を除去する。その後、被覆ペレットは冷却され、包装又は貯蔵ステーションに移動される。
【0018】
WO04/111111号公報は、ポリマーペレットの凝集傾向を減少させるために当該ポリマーペレットの処理方法を記載し、この方法はポリオレフィンペレットの冷却を含む一方で当該ペレットは冷却塔を上昇し、ここで、ペレットは、冷却剤、好ましくは、水の対向下降流とぶつかる。冷却されたペレットは、2〜20分の間の滞留時間後、冷却塔の頂部から採集する。この処理の間、各ペレットの表面を効率的に冷却し且つ硬化し、同時に、ペレット間の表面接触を可及的に少なくする。WO04/111111号公報の方法は、水中ペレット化装置をポリマーを乾燥する目的の遠心脱水機に連結するラインに沿う付着問題を防止するのに有効であることを明らかにするが、主に嵩の張る装置、すなわち、冷却塔を設置する必要のあるような、特許請求する方法に関連するいくらかの欠点を有する。前記装置は、ポンプ、熱交換器、水流コントローラー(FC)及びペレットレベルコントローラー(LC)のような多くの処理装置を必要とする。事実、塔に沿って連続的に下降する冷却水流は、塔の底部から頂部にポンプによる水の連続循環及び水の連続冷却を伴う。さらに、塔内部のペレットの膨張の程度を、塔への冷却水の供給ラインに配置する流コントローラー(FC)により制御しなければならず、一方、塔の内部にポリマーペレットのホールドアップを測定し、差圧セルによるレベルコントローラー(LC)により調整しなければならない。したがって、WO04/111111号公報の冷却塔の使用は、追加の操作コスト及びメンテナンスコストを伴う。さらに、最も付着し軟質のポリマーについて、冷却塔内の滞留時間の程度は、乾燥工程中の凝集を回避する脱水機に直接ペレットを送るのに充分でないと考えざるを得ない。
【0019】
上述した従来技術ペレット処理の使用に関連する多くの欠点に鑑み、ペレット切断装置の下流に位置する処理装置中のペレットの凝集を防ぐために、ポリマーペレットを効率的に処理するための革新的でより簡便な方法を提供することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第4,359,544号明細書
【特許文献2】米国特許第5,206,292号明細書
【特許文献3】米国特許第5,623,012号明細書
【特許文献4】米国特許第6,328,728号明細書
【特許文献5】WO04/111111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明の目的はポリマーペレットの付着防止処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の付着防止処理方法は、a)冷却水の存在下でポリマーをペレット化し、ポリマーペレットを提供すること;b)遠心脱水機によりポリマーペレットを乾燥させることを含み、ここで、工程b)において、抗付着剤を含む水性組成物を前記遠心脱水機内部に計量投入することを特徴とする付着防止処理方法にある。
【0023】
本願中では抗付着剤は化学化合物として定義され、当該化学化合物とペレット表面とが接触することによりペレット表面を被覆でき、これにより、ポリマーペレットの付着性を減少させることができる。
【0024】
本発明の方法は、押出及びペレット化から得られるポリマーペレットの付着性の顕著な減少をもたらすのに特に効率的である。
遠心脱水機内部に直接抗付着剤を供給することが、ポリマーペレットの付着性を減少させるのに効率的であることが明らかになり、その結果、凝集問題がなくペレットを後に貯蔵することができる。脱水機のローターにより発生する遠心効果が、ポリマーペレットの表面に対する抗付着添加剤の接着を相当に増強することに寄与する。
【0025】
軟質性が高く付着性の高いポリマーや硬化時間の長いポリマー等のすべてのタイプのポリマーが本発明のプロセスにしたがって処理するのに適している。本明細書中で使用するポリマーという用語は、特記しないかげり、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー及びその他のすべての公知のポリマー物質の組み合わせや形態を含む。ホモポリマーは、一般に、結晶性問題が少なく、したがって、それらの各のペレットは互いに凝集の傾向が低い。
【0026】
ポリオレフィンコポリマーは、典型的には、長時間結晶時間をもたらすよりゆっくりとした結晶速度を示す。上述したように、遅い結晶化からもたらされる過剰の付着は好ましくない。熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomers:TPE)や熱可塑性ポリオレフィン(Thermoplastic polyolefins:TPO)と呼ばれるすべてのポリマーから誘導されるペレットが概して問題をもたらす。例として、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレン−1コポリマー、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、エチレンビニルアクリレート、スチレンブタジエン及びエチレンブチレンコポリマー等を挙げることができる。本発明のプロセスは、押出及びペレット化からくるポリマーペレットの付着防止処理に適用し、周知の慣用技術にしたがって行うことができる。押出は、溶融ポリマーと適当な添加剤、充填剤及び顔料とを混合する機能を有し、配合ポリマーをポンプ送りしてダイプレートを通過させ、それにより、回転ナイフ刃の作用により、ペレットに切断するポリマーストランドを得る。
【0027】
工程a)のポリマーペレット化は、水中ペレット化、ウオーターリングペレット化や湿式ストランドペレット化であることができる。工程a)の切断装置は、押出機からくる溶融ポリマーストランドに作用するか、あるいは切断装置の上流で形成される冷却済みポリマーストランドに作用することができる。結果として、切断装置は、水中ペレット化装置、ウオーターリングペレット化装置や湿式ストランドペレット化装置に属することができる。
【0028】
ペレット化工程a)は、冷却剤として水の存在下で行う。水の存在は、切断直後のペレット凝集を回避する。冷却水との接触がペレットの結晶化を促進し、その結果、ペレット表面が徐々に硬化するからである。
【0029】
本発明では、冷却水の連続流が形成したポリマーペレットを同伴し、工程a)から工程b)の遠心脱水機にポリマーペレットを運搬する。冷却水の量は、HO/ペレット重量比が10〜500、好ましくは、30〜300の範囲のような量である。
【0030】
ペレットと接触する前の冷却水の温度は、通常、5〜50℃の範囲である。水移動ラインの長さは、ペレットが遠心脱水機に入るのでペレットの温度も決定し、その温度は、通常、10℃〜60℃である。
【0031】
好ましくは、ペレットと接触してくる冷却水の流れは、ペレットが互いに付着するのを防止する特定の添加剤を含有し、工程a)の切断装置を工程b)の遠心脱水機に連結する移動ラインに沿う。前記添加剤は、好ましくは、シリコンオイル、脂肪酸塩の水性溶液、フードオイルを含有するエマルション、ポリエチレンワックスの分散液、ステアリン酸金属の懸濁液、立体障害フェノールのエマルション等から選択される。
【0032】
ポリマー凝集体の捕捉装置は、普通、遠心脱水機の上流に設置する。前記凝集体捕捉装置は、ペレット化工程及び遠心脱水機の間のラインに究極的に形成される大きなペレット塊(凝集体)を除くことにより脱水機を保護する作用を示す。したがって、ペレット凝集体を除き去り、一方で水及びポリマーの流れは脱水機の予備脱水領域に達することができ、そこで、殆どのプロセス水がペレットから分離する。脱水機の予備脱水領域は適切数の篩段からなる。
【0033】
ポリマーペレットを含有する水流は遠心脱水機の底部領域に入り、当該脱水機はリフター要素を備えたローター及び1以上の垂直配置モジュラスに製造された静止円筒篩を含む。
【0034】
脱水機の軸に沿ってローターを配置し、静止円筒篩内で作動する。この円筒篩の開口は、ローター及び篩自身間にペレットを維持し、同時に水を円筒篩中で連続的に分離できる。
【0035】
ローター速度は、通常、200〜2000rpmである。遠心力及びローター内部のリフター要素の設計に鑑み、ポリマーペレットを篩に対して投げ、螺旋通路に続いてローターに沿って上方に移動する。
【0036】
殆どの水は脱水機の円筒篩を通って除かれ、同時に、ペレットは上方に流れ脱水機上方領域に移動する。分離された水は、普通連続的に冷却されペレット化工程a)に再循環される。
【0037】
本発明の革新的な方法では、抗付着剤を含む水性組成物は連続的に計量装置により遠心脱水機内部に導入される。該水性組成物の導入点は、脱水機の静置円筒篩の半分より上、好ましくは、篩自身の上部3分の1に対応する部分に適切に配置される。したがって、抗付着化合物は脱水機の領域中のポリマーペレットに合い、そこでは、残留水は、普通、重量で1%未満である。
【0038】
本発明の方法を効率的に改良するために、脱水機の円筒篩の上部モジュールを、円筒篩の開口部より水及び抗付着剤の通過を防ぐように、改善できる。本発明の第1実施態様では、この円筒篩の上部半分を、一枚以上の開口部のないシートにより置き換えることができ、その結果、本発明の水性組成物の供給点を、前記開口部のないシートの表面を通って適切に配置できる。
【0039】
本発明の代替実施態様では、脱水機の円筒篩の上部半分を開口部のないシートのより単に覆い、その結果、水性組成物の供給点を、前記開口部のないシートの表面を通って配置できる。
【0040】
これらの開口部のないシートは、注入したばかりの抗付着剤が脱水機の円筒篩の開口部を通って直ぐに排出されてしまうのを防止し、ポリマーペレットと接触する抗付着剤の量を可究的に多くすることができる。
【0041】
脱水機内部に計量された水性組成物は、1〜50重量%、好ましくは、2〜40重量%の量で抗付着剤を含有する。適切な量は、選択した抗付着性成分に依存して変動することは明らかである。
【0042】
抗付着剤は、遠心脱水機に入るポリマーペレットの流量に関して、50〜5000重量ppm、好ましくは、150〜2000重量ppmの量で計量投入する。
本発明の工程b)に供給する前に、被覆効率を改良するために、水性組成物を空気又は窒素流中に霧状にする(atomize又はnebulize)ことができる。適切な供給温度は、標準的には室温に近く、5〜40℃の範囲であることができるが、水性組成物の熱安定性に依存して、もっと高い温度に加熱することにより上げることもできる。
【0043】
本発明の工程b)の水性組成物は、抗付着剤を含む、水性溶液、水性エマルション、水性分散液から選択できる。
本願明細書中、水性分散液という用語は、水中に分散した小固体粒子からなる2相系を意味し、粒子分散液は攪拌によるかよらないの双方で達成され、その結果、水性分散液という用語は水性懸濁液も含む。
【0044】
本発明で使用する抗付着剤は、シリコンオイル、脂肪酸塩、ポリエチレンワックス、金属ステアレート、立体障害フェノール、食品オイルから選択される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の1実施態様を示す図面である。
【符号の説明】
【0046】
1 ポリマー粒子投入口
2 押出機
3 水中ペレット化装置
9 遠心脱水機
10 ローター
12 静置円筒篩
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明のプロセスを、本発明の例証的実施態様である、添付の図1を参照しながら詳細に説明するが、特許請求する方法を制限するものではない。
図1を参照して、たとえば、重合反応器(図示せず)から来るポリマー粒子1は押出機2に入り、ここで、ポリマーは溶融され、充填剤及び/又は顔料のような特定の成分を添加することにより配合され、ポリマー特性を改良する。次いで、溶融ポリマーをダイプレート中に流入させ、それから水中ペレット化装置3中でペレットに切断する。
【0048】
冷却水4の連続流が、形成したペレットを同伴し、それらを凝集体捕捉装置22中に運搬し、さらに予備脱水領域5に運搬し、当該領域5は遠心脱水機の底部に連絡している。予備脱水領域5は脱水スクリーン6を備え、殆どの冷却水をペレットから分離する。分離した水は、脱水スクリーン6を通過し、ライン7を介して水再循環ライン8に達する。
【0049】
ペレット及び残留水の流れは遠心脱水機9の底部領域に入る。脱水機9のローター10は、螺旋運動でペレット上方流を促進するリフター要素11を備えている。脱水機9の静置円筒篩12は、ローター10と円筒篩12との間にペレットを維持するのに適切な開口部を有し、一方、篩12の開口部より水を排出する。分離した水は脱水機9の底部に集められ、排出口13を介して排出し、水再循環ライン8と合流する。排出口13からの水と脱水スクリーン6からの水とが一緒になってライン8を介して貯蔵タンク14に運搬される。水の貯蔵タンク14は、ペレット化工程b)において要求される温度に冷却することにより再使用でき:この場合、貯蔵タンク14から来る水はポンプ15により加圧され、熱交換機16により冷却され、それから、ライン4を介して水中ペレット化装置に供給される。
【0050】
本発明では、抗付着剤を含む水性組成物を計量装置により遠心脱水機内部に連続的に導入する。図1に示されているように円筒篩12の上部3分の1の部分に開口部のないシート17により置き換えられており、1カ所以上の水性組成物供給部18が配置されている。脱水機9の上部に一旦導入されると、抗付着剤化合物は水性組成物から迅速に放出され、ポリマーペレットの表面と直接接触できる。本発明の方法により処理したペレットは、排出ライン19を介して脱水機9の頂部より排出される。
【0051】
遠心脱水機9は、入り口20a及び20bを介して脱水機9の頂部に入る乾燥空気の対向流を発生する外部ファン(図1に図示せず)を備えている。この乾燥空気の下降流はペレットからの残留表面水分を除去する目的である。高湿空気及び蒸気を排出口21により脱水機から除去する。
【0052】
上述したプロセスにしたがって、抗付着剤化合物は水性組成物から直ぐに放出され、ポリマーペレットと直接接触できる。ローターによりもたらされたペレットの運動は、ペレット表面を抗付着剤化合物に晒し、抗付着剤化合物の均質付着を達成する改良をもたらし、こうして、ポリマーペレットの相互流動性を向上させる。
【0053】
本発明の代替実施態様では、上記抗付着剤添加剤は、水に分散若しくは溶解させることなく、脱水機内部に直接計量投入することができる。したがって、本発明の別の目的はポリマーペレットの抗付着処理方法であり、当該方法は:
a) 冷却水の存在下ポリマーをペレット化してポリマーペレットを与え;
b) 得られたポリマーペレットを遠心脱水機により乾燥させることを含み、ここで、工程b)において、遠心脱水機内部に抗付着剤を計量投入する。
【0054】
本発明の方法は、計量した量の抗付着添加剤を用いてポリマーペレットの表面を直接処理でき、一般に市販されている遠心脱水機の上部の軽微な修正で済み、ペレット上に添加剤を分配するためのその他の重要な装置を使用する必要がない。
【0055】
したがって、本発明の別の目的は、リフター要素を備えたローター及び1以上の垂直配列モジュラスで製造した静置円筒篩を含む遠心脱水機であり、当該遠心脱水機は:
− 前記円筒篩の上部3分の1が1以上の開口部のないシートで覆われており;
− 注入点が、抗付着剤を含む水性組成物を計量投入するために1以上の開口部のないシートの表面を貫通して配置されている
ことを特徴とする。
【0056】
本発明の遠心脱水機はペレット乾燥という通常の作用に加えてペレット上に抗付着剤を分配するという作用に使用される。
次の実施例は、代表的例証であり本発明の範囲を制限すると考えるべきでない。
【実施例】
【0057】
ポリマー押出
次の条件:スクリュー速度=160rpm;ポリマー流量=30kg/h;溶融温度=190℃ で操作するCoperion W&P ZSK40SC 二軸スクリュー押出機により行う。
【0058】
−ペレット化工程−
2.5mm直径の3ホールを有するダイプレート及び2200rpmで操作する3ナイフを有するカッターハブを備えたFiltecによる水中ペレット化装置UG50/25により操作する。
【0059】
−乾燥工程−
円筒篩の上部3分の1が開口部のないシートで覆われた遠心脱水機で行う。
−流動性試験手順A−
ペレットの流動性を、パイプの底部に配置されたオリフィスを通過して自由に降下するペレットの能力として測定できる。ペレットの4kg試料を円錐底部(オリフィス直径=5.5cm)を有するパイプ(高さ=110cm;直径=10.8cm)中に装填する。ホットオイルジャケットにより40℃の温度にパイプを維持する。ペレット試料を48kgの重量により圧縮し、一定温度条件下パイプ内部に6時間ペレットを残した。
【0060】
次いで、パイプの底部に配置されているオン−オフバルブを開くことによりペレットを排出する。ペレットがパイプ外部に流れ、パイプが完全に空になるまでに要した時間を測定する。時間が短いほどペレットの流動性は高い。
【0061】
−流動性試験手順B−
ペレットの流動性を測定する代替方法は、袋中に商業上包装された物質の挙動により表示するが、延長した(48時間)圧縮(400kg/m2)後、20kg袋中に包装したペレットの条件を示すことである。圧縮試験後袋を開け、ペレットが自由に流動するか、結合程度、及び最終的に形成した凝集体の寸法を示す。袋の三方を切断することにより袋を開け、水平平面に袋をおき、この平面の縁に袋を突きだし、その重量でペレットが自由に流動するかを観察する。
【0062】
(実施例1)
エチレン含量が8重量%のエチレン/ブテン−1コポリマー(Mw/Mn=2.5;Mn=171.360)を、図1に示したプラント配置にしたがって本発明の方法に付した。エチレン/ブテン−1コポリマーを押出機2により押出し、続いて、水中ペレット化装置3によりペレットに切断する。形成したペレット(30kg/h)を、20℃の温度でライン4に沿って流れる冷却水流(9000kg/h)と接触させることにより冷却する。冷却水は0.2重量%Irgastab PVC 11 EMを含有する。冷却水流はペレットを同伴させペレットを遠心脱水機の予備脱水領域5に運搬する。遠心脱水機を1500rpmの回転速度で操作し、その静置円筒篩12は円形開口部(直径=1.5mm)を備える。
【0063】
脱水機底部に分離した水を集め、排出口13を介して出て水再循環ライン8と合流する。脂肪酸のカリウム塩を15重量%含有する水性溶液(Kemi SBC07として販売)を水で稀釈して脂肪酸のカリウム塩の最終濃度を2.5重量%にする。得られた水性溶液360g/hを連続的に圧縮空気と共に計量してインジェクター18(図1に示されているように開口部のないシート17に配置)中に投入する。抗付着剤の計量量は、遠心脱水機9に投入するポリマーペレットの流量に関して300重量ppmに相当する。
【0064】
上記溶液により処理したペレットを遠心脱水機の頂部から排出し、プラスチック製袋中に入れる(各20kgのポリマーを含有する)。ペレットの流動性を手順Bにしたがって測定:袋を400kg/m2に荷重する圧縮条件に付し、48時間の試験時間後、ペレット袋を開けると、ポリマーペレットは、凝集を示すことなく自由に流動することが見いだされた。
【0065】
(実施例2)
実施例1の脂肪酸カリウム塩の水性溶液の計量量が180g/hである以外は実施例1を繰り返し、その結果、計量した抗付着剤の量は遠心脱水機9に入るポリマーペレットの流量に関して150重量ppmに相当する。
【0066】
脱水機から排出されるペレットを、実施例1と同じ手順に付した。48時間の試験後、ペレット袋を開き、ペレットが自由に流動することが見出され、容易に分離できるわずかなペレット凝集体のみを示す。
【0067】
(実施例3)
微粉化ポリエチレンワックスの水性分散液を遠心脱水機内部に計量投入した以外は実施例1を繰り返す。40重量%の微粉化ポリエチレンワックス(HORDAMER PE03として販売)を含有する水性分散液を水で稀釈し、ポリエチレンワックスの最終濃度を13.3重量%に等しくする。圧縮空気と共に300g/hの上記分散液を、図1に示されている固体シート17の表面に配置したインジェクター18に連続的に計量投入する。抗付着剤の計量量は、遠心脱水機9に入るポリマーペレットの流量に関して1330重量ppmに相当する。脱水機から排出されるペレットを実施例1と同様の手順で処理する。試験時間後、ペレット袋を開き、ペレットが自由に流動することが見出され、ペレット凝集体は観察されない。
【0068】
(実施例4)
ステアリン酸カルシウムの水性懸濁液を遠心脱水機内部に計量投入した以外は実施例1を繰り返す。50重量%のステアリン酸カルシウム(FLUOCASTとして販売)を含有する水性懸濁液を水で稀釈し、ステアリン酸カルシウムの最終濃度を5.0重量%に等しくする。圧縮空気と共に400g/hの上記水性懸濁液を、図1に示されている固体シート17の表面に配置したインジェクター18に連続的に計量投入する。抗付着剤の計量量は、遠心脱水機9に入るポリマーペレットの流量に関して667重量ppmに相当する。脱水機から排出されるペレットを実施例1と同様の手順で処理する。試験時間後、ペレット袋を開き、ペレットが自由に流動することが見出され、ペレット凝集体は観察されない。
【0069】
(実施例5)比較例
遠心脱水機9の上部に配置されたインジェクター18に、抗付着剤を含有する水性組成物を投入しない以外は実施例1を繰り返す。脱水機の排出導管19の壁にペレットの付着が観察され、さらに、ペレット同士が凝集し、結論として、遠心脱水機からペレットを通常通り排出するのが妨げられる。脱水機から排出されるペレットを実施例1と同様の手順で処理する。試験時間後、ペレット袋を開き、ペレットが自由に流動しないことが見出され、機械的作用を適用しても凝集をばらすことができず、大きなペレット凝集体を観察する。
【0070】
(実施例6)比較
実施例1で使用した脂肪酸のカリウム塩の同じ水性溶液の300g/hの遠心脱水機内部への導入をせず、遠心脱水機9直前の予備脱水領域5の端部に水及びペレット流を供給する以外は実施例1を繰り返す。脱水機の排出口19に、ペレットの付着並びにペレットの凝集体を観察し、双方が遠心脱水機からのペレットの通常の排出を妨げる。脱水機から排出されるペレットを実施例1と同様の手順で処理する。試験時間後、ペレット袋を開き、ペレットが自由に流動しないことが見出され、機械的作用を適用しても凝集をばらすことができず、ペレット凝集体を観察する。
【0071】
(実施例7)
MFR=3.7g/10分(190℃/2.16kg)のスチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(Kraton D1155BJ)を実施例1に記載されているのと同様の押出条件で処理する。
【0072】
スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマーを押出機2(図1参照)により押出し、続いて、水中ペレット化装置3によりペレットに切断する。形成したペレット(30kg/h)を、30℃の温度でライン4に沿って流れる冷却水(9,000kg/h)の流れと接触させることにより冷却する。冷却水流はペレットを同伴し、当該ペレットを遠心脱水機の予備脱水領域5に運搬する。
【0073】
回転速度1500rpmの回転速度で遠心脱水機を操作し、その静置円筒篩12は円形開口(直径=1.5mm)を備える。15重量%の脂肪酸のカリウム塩(Kemi SBC07として販売)を含有する水性溶液を水で稀釈し5重量%に等しい脂肪酸カリウム塩の最終濃度にする。
【0074】
上記Kemi SBC07を含有する稀釈液の180g/h及び360g/hそれぞれを、本発明の方法にしたがって、順に試験する:この溶液を圧縮空気と共に、図1に示されている通りの遠心脱水機の開口のないシート17の表面を通って配置されているインジェクター18に計量投入する。
【0075】
上記水性溶液により処理したペレットを遠心乾燥機の頂部より排出し、プラスチック製袋中に集め、各は20kgのポリマーを含有する。ペレットの流動性を手順Bにしたがって測定する。試験時間後、ペレット袋を開き、各ペレットが自由に流動することが見出され、容易に分離できるわずかなペレット凝集体のみを示し、凝集体を示さないで自由に流動する。
【0076】
(比較例7)
遠心脱水機9の上部には位置されたインジェクター18に抗付着剤添加剤を計量投入しなかった以外は実施例7を繰り返した。
【0077】
手順Bにしたがってペレットの流動性を測定する。試験時間後ペレットの袋を開き、ペレットは、粉砕するのに強力な機械的作用を必要とする大きな凝集体を示し、自由に流動しないことが見いだされる。
【0078】
(実施例8)
ポリプロピレン及びエチレン/プロピレンの異相コポリマーのマトリックスを含む軟質プロピレン/エチレンコポリマー(Softell 7469 XEP、エチレン含量40重量%)を、図1に示されているプラント配置にしたがって本発明の方法で処理する。実施例1と同じ押出条件を使用する。
【0079】
形成したペレット(30kg/h)を、40℃の温度でライン4に沿って流れる冷却水(9,000kg/h)の流れと接触させることにより冷却する。冷却水流はペレットを同伴し、当該ペレットを遠心脱水機の予備脱水領域5に運搬する。
【0080】
15重量%の脂肪酸のカリウム塩(Kemi SBC07として販売)を含有する水性溶液を水で稀釈し5重量%に等しい脂肪酸カリウム塩の最終濃度にする。
異なる投与速度(表1参照、表中、ペレットの流量にわたるKemi SBC07の重量ppmを記載)でこの水性溶液を圧縮空気と共に、図1に示されている通りの遠心脱水機の開口のないシート17の表面を通って配置されているインジェクター18に計量投入する。
【0081】
上記水性溶液により処理したペレットを遠心乾燥機の頂部より排出し、40℃で、手順Aについての流動性試験に付す。流動性試験の結果を表1に示す。
(比較例8)
第1ケースでは、遠心脱水機9に抗付着剤添加剤を計量投入しなかった以外は実施例8を繰り返し、一方、第2のケースでは、実施例8で使用した脂肪酸のカリウム塩の水性溶液を、遠心脱水機9の入口直前の予備脱水領域5の端部に水及びペレットの流れに供給する。得られたペレットを遠心乾燥機の頂部より排出し、40℃で、手順Aについての流動性試験に付す。流動性試験の結果を表1に示す。
【0082】
(実施例9)
実施例8の軟質プロピレン/エチレンコポリマーを、図1に示されているプラント配置にしたがって本発明の方法に付す。微粉ポリエチレンワックス(HORDAMER PE03として販売)40重量%含有する水性分散液を水で稀釈して13.3重量%に等しい最終濃度のポリエチレンワックスにする。
【0083】
異なる投与速度(表2参照、表中、ペレットの流量にわたるポリエチレンワックスの重量ppmを記載)でこの水性溶液を圧縮空気と共に、図1に示されている通りの遠心脱水機の開口のないシート17の表面に配置されているインジェクター18に計量投入する。
【0084】
上記水性溶液により処理したペレットを遠心乾燥機の頂部より排出し、40℃で、手順Aにしたがって流動性試験に付す。流動性試験の結果を表2に示す。
(比較例9)
第1ケースでは、遠心脱水機9に抗付着剤添加剤を計量投入しなかった以外は実施例9を繰り返し、一方、第2のケースでは、実施例9で使用したのと同じ微粉ポリエチレンワックス水性溶液を、遠心脱水機9の入口直前の予備脱水領域5の端部に水及びペレットの流れに供給する。得られたペレットを遠心乾燥機の頂部より排出し、40℃で、手順Aについての流動性試験に付す。流動性試験の結果を表2に示す。
【0085】
【表1】

【0086】
【表2】

【0087】
上記表1及び2に示すデータは、本願の特許請求の範囲で請求した操作条件にしたがって操作する、満足のいく結果が、ペレット流動性に関して達成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)冷却水の存在下でポリマーをペレット化し、ポリマーペレットを提供すること
b)遠心脱水機によりポリマーペレットを乾燥させること
を含み、ここで、工程b)において、抗付着剤を含む水性組成物を前記遠心脱水機内部に計量投入することを特徴とするポリマーペレットの付着防止処理方法。
【請求項2】
工程a)を、水中ペレット化装置、ウオーターリングペレット化装置又は湿式ストランドペレット化装置で行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記冷却水の連続流が、工程a)からのポリマーペレットを工程b)の遠心脱水機に運搬する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記脱水機がリフター要素を具備したローター及び1以上の垂直配列モジュラスより作製した静置円筒篩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記円筒篩の半分より上部に沿って配置される注入点により前記遠心脱水機中に前記水性組成物を連続的に計量投入する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記注入点が、前記円筒篩の上部3分の1に沿って配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記円筒篩の上部3分の1に置き換えられた開口部のない1以上のシートの表面を貫通して前記水性組成物を供給する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記円筒篩の上部3分の1を覆う開口部のない1以上のシートの表面を貫通して前記水性組成物を供給する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記抗付着剤を、前記遠心脱水機に入るポリマーペレットの流量に関して、50〜5000重量ppmの範囲の量で計量投入する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記水性組成物を、抗付着剤を含む、水性溶液、水性エマルション、水性分散液から選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記抗付着剤を、シリコンオイル、脂肪酸塩、ポリエチレンワックス、金属ステアレート、立体障害フェノール、食品オイルから選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
a)冷却水の存在下でポリマーをペレット化し、ポリマーペレットを提供すること
b)遠心脱水機によりポリマーペレットを乾燥させること
を含み、ここで、工程b)において、抗付着剤を前記遠心脱水機内部に計量投入することを特徴とするポリマーペレットの付着防止処理方法。
【請求項13】
リフター要素を備えたローター及び1以上の垂直配列モジュラスで作製した静置円筒篩を含む遠心脱水機であり、当該遠心脱水機は:
− 前記円筒篩の上部3分の1が1以上の開口部のないシートで覆われており;
− 注入点が、抗付着剤を含む水性組成物を計量投入するために1以上の開口部のないシートの表面を貫通して配置されていることを特徴とする。

【図1】
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【公表番号】特表2012−526676(P2012−526676A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510214(P2012−510214)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056159
【国際公開番号】WO2010/130619
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(506126071)バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (138)
【Fターム(参考)】