説明

ポリマー電池用包装材料

【課題】 ポリマー電池包装に用いる材料として、ポリマー電池本体の保護物性とともに、エンボス成形工程等において生産性の良いポリマー電池用包装材料とその製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、ヒートシール層、流動パラフィン層からなり、ヒートシール層がポリオレフィンであることを特徴とするポリマー電池用包装材料であって前記化成処理がリン酸クロメート処理である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防湿性、耐内容物性を有する、液体または固体有機電解質(高分子ポリマー電解質)を持つポリマー電池用包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー電池とは、リチウム2次電池ともいわれ、高分子ポリマー電解質を持ち、リチウムイオンの移動で電流を発生する電池であって、正極・負極活物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。リチウム2次電池の構成は、正極集電材(アルミニウム、ニッケル)/正極活性物質層(金属酸化物、カーボンブラック、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリル等の高分子正極材料)/電解質層(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチレンメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、リチウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質)/負極活性物質(リチウム金属、合金、カーボン、電解液、ポリアクリロニトリルなどの高分子負極材料)/負極集電材(銅、ニッケル、ステンレス)及びそれらを包装する外装体からなる。ポリマー電池の用途としては、パソコン、携帯端末装置(携帯電話、PDA等)、ビデオカメラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星等に用いられる。前記ポリマー電池の外装体としては、金属をプレス加工して円筒状または直方体状に容器化した金属製缶、あるいは、基材層、アルミニウム、シーラント層から構成される積層体を袋状にしたものが用いられていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるに、ポリマー電池の外装体として、次のような問題があった。金属製缶においては、容器外壁がリジッドであるため、電池自体の形状が決められてしまう。そのため、ハード側を電池にあわせる設計をするため、該電池を用いるハードの寸法が電池により決定されてしまい形状の自由度が少なくなる。そこで、積層体を袋状にしてポリマー電池本体を収納するパウチタイプまたは、前記積層体をプレス成形して凹部を形成し、該凹部にポリマー電池本体を収納するエンボスタイプが開発されている。エンボスタイプは、パウチタイプと比較して、よりコンパクトな包装体が得られる。いずれのタイプの外装体であっても、ポリマー電池としての防湿性あるいは耐突き刺し性等の強度、絶縁性等は、ポリマー電池の外装体として欠かせないものである。そして、ポリマー電池用包装材料としては、少なくとも、基材層、バリア層、ヒートシール層からなる積層体とする。そして、前記各層の層間の接着強度が、ポリマー電池の外装体として必要な性質に影響をあたえることが確認されている。例えば、バリア層とヒートシール層との接着強度が不十分であると、外部から水分の浸入の原因となり、ポリマー電池を形成する成分の中の電解質と前記水分との反応により生成するフッ化水素酸により前記アルミニウム面が腐食して、バリア層とヒートシール層との間にデラミネーションが発生する。また、前記エンボスタイプの外装体とする際に、前記積層体をプレス成形して凹部を形成するが、この成形の際に基材層とバリア層との間にデラミネーションが発生することがある。そこで、本発明者らは、アルミニウム面に対して、酸変性ポリプロピレンのエマルジョンを塗布、焼付けして皮膜を形成し、酸変性ポリプロピレン樹脂からなる接着樹脂層とポリプロピレン樹脂からなるヒートシール層とを共押出しして積層体を形成すれば、積層体としての接着強度は改善されることを確認したが、前記酸変性ポリプロピレンのエマルジョンコート後の焼付けに時間がかかり生産効率が良くなかった。また、ヒートシール層にランダムポリプロピレン樹脂を用いた場合、エンボス成形において、成形オス型とヒートシール層との摩擦係数が大きく、ヒートシール層が白化したりその表面に軽微なクラックが発生することがあり、また、成形安定性が悪く、成形しわやクラックが発生することがあった。本発明の目的は、ポリマー電池包装に用いる材料として、ポリマー電池本体の保護物性とともに、エンボス成形工程等において生産性の良いポリマー電池用包装材料の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。すなわち、請求項1に記載した発明は、少なくとも基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、ヒートシール層、流動パラフィン層からなり、ヒートシール層がランダムポリプロピレンであることを特徴とするポリマー電池用包装材料からなる。請求項2に記載した発明は、前記化成処理がリン酸クロメート処理であることを特徴とするものである。請求項3に記載した発明は、請求項1に記載したヒートシール層をランダムプロピレンとするものである。請求項4に記載した発明は、記載したヒートシール層を線状低密度ポリエチレンとするものである。請求項5に記載した発明は、基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面に、ヒートシール層としてランダムポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により形成して積層体とし、積層体のランダムポリプロピレン表面に流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項6に記載した発明は、基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面に、酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂として、ヒートシール層としてランダムポリプロピレンフィルムを形成して積層体とし、該積層体を前記酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上になる条件に加熱し、かつ、積層体のランダムポリプロピレン表面に流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項7に記載した発明は、請求項6に記載した接着樹脂層とヒートシール層との形成がサンドイッチラミネート法によるポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項8に記載した発明は、請求項6に記載した接着樹脂層とヒートシール層との形成が共押出しラミネート法によることを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項9に記載した発明は、請求項6〜請求項8のいずれかに記載した流動パラフィンのコーティングが前記加熱とインラインで行なわれるポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項10に記載した発明は、請求項5〜請求項8のいずれかに記載した流動パラフィンのコーティングが前記加熱後に別工程において行なわれるポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項11に記載した発明は、基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記他の化成処理面に、該化成処理面の表面温度が接着樹脂である酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点温度以上に加熱して、酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂として、ヒートシール層となるランダムポリプロピレン樹脂とを形成して積層体とし、該積層体のランダムポリプロピレン表面に、(別工程において)流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項12に記載した発明は、前記請求項11に記載した接着樹脂層とヒートシール層との形成がサンドイッチラミネート法によることを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項13に記載した発明は、前記請求項11に記載した接着樹脂層とヒートシール層との形成が共押出しラミネート法によることを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項14に記載の発明は、前記請求項11に記載の流動パラフィンのコーティングが加熱とインラインで行なわれることを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項15に記載した発明は、前記請求項11に記載の流動パラフィンのコーティングが前記加熱後に別工程において行なわれることを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項16に記載した発明は、基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記他の化成処理面に、酸変性した線状低密度ポリエチレン樹脂を接着樹脂として、ヒートシール層となる線状低密度ポリエチレン樹脂フィルムサンドイッチラミネートして積層体とし、該積層体を前記酸変性ポリエチレン樹脂の軟化点以上になる条件に加熱し、かつ、積層体の線状低密度ポリエチレン表面に流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。請求項17に記載した発明は、基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、熱接着樹脂層、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記他の化成処理面に、酸変性ポリプロピレン樹脂からなる層とランダムポリプロピレンフィルムを熱ラミネート法により積層し、該積層体のランダムポリプロピレン表面に、(別工程において)流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法である。
【発明の効果】
【0005】
本発明のポリマー電池用包装材料におけるアルミニウムの両面に施した化成処理によって、エンボス成形時、及びヒートシール時の基材層とアルミニウムとの間でのデラミネーションの発生を防止することができ、また、ヒートシール層をサンドイッチラミネート法または共押出ラミネート法により形成した場合に、積層体の形成時の加熱、または積層体形成後の加熱によって、ポリマー電池の電解質と水分との反応により発生するフッ化水素によるアルミニウム面の腐食を防止できることにより、アルミニウムとの内容物側の層とのデラミネーションをも防止できる顕著な効果を示す。ヒートシール層の最内面に流動パラフィンをコーティングすることにより、エンボス成形性がよく、ランダムポリプロピレン、ポリエチレン等の滑り難い層であっても、成形工程が安定してでき、また、ヒートシール層のクラック等を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明のポリマー電池用包装材料における積層体の構成を積層方法別に示した断面であり、(a)ドライラミネート法、(b)サンドイッチラミネート法、(c)共押出ラミネート法、(d)熱ラミネート法の場合の構成例である。
【図2】ポリマー電池のパウチタイプの外装体を説明する斜視図である。
【図3】ポリマー電池のエンボスタイプの外装体を説明する斜視図である。
【図4】エンボスタイプにおける成形を説明する、(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、(c)X2−X2部断面図、(d)Y1部拡大図である。
【図5】ポリマー電池用包装材料を製造するサンドイッチラミネート法を説明する概念図である。
【図6】ポリマー電池用包装材料を製造する共押出し法を説明する概念図である。
【図7】ポリマー電池用包装材料とタブとの接着における接着性フィルムの装着方法を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、防湿性、耐内容物性、及び、生産性が良く、ヒートシール層にクラックが発生しにくいポリマー電池用包装材料である。その積層体の層構成および製造方法について、図等を利用してさらに詳細に説明する。図1は、本発明のポリマー電池用包装材料における積層体の構成を積層方法別に示した断面であり、(a)ドライラミネート法、(b)サンドイッチラミネート法、(c)共押出ラミネート法、(d)熱ラミネート法の場合の構成例である。図2は、ポリマー電池のパウチタイプの外装体を説明する斜視図である。図3は、ポリマー電池のエンボスタイプの外装体を説明する斜視図である。図4は、エンボスタイプにおける成形を説明する、(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、(c)X2−X2部断面図、(d)Y1部拡大図である。図5は、ポリマー電池用包装材料を製造するサンドイッチラミネート法を説明する概念図である。図6は、ポリマー電池用包装材料を製造する共押出し法を説明する概念図である。図7は、ポリマー電池用包装材料とタブとの接着における接着性フィルムの装着方法を説明する斜視図である。
【0008】
ポリマー電池用包装材料はポリマー電池本体を包装する外装体を形成するものであって、その外装体の形式によって、図2に示すようなパウチタイプと、図3(a)、図3(b)または図3(c)に示すようなエンボスタイプとがある。前記パウチタイプには、三方シール、四方シール等およびピロータイプ等の袋形式があるが、図2は、ピロータイプとして例示している。本発明のポリマー電池用包装材料は、特に前記エンボスタイプの外装体に適した積層体である。エンボスタイプは、図3(a)に示すように、片面に凹部を形成しても良いし、図3(b)に示すように、両面に凹部を形成してポリマー電池本体を収納して周縁の四方をヒートシールして密封しても良い。また、図3(c)に示すような折り部をはさんで両側に凹部形成して、ポリマー電池を収納して3辺をヒートシールする形式もある。
【0009】
ポリマー電池用包装材料が、例えばナイロン/接着層/アルミニウム/接着層/ヒートシール層、該ヒートシール層がサンドイッチラミネート法、ドライラミネート法、共押出しラミネート法、熱ラミネート法等により形成されていると、ポリマー電池の外装体がエンボスタイプの場合、プレス成形において、側壁部においてアルミニウムと基材層との間が剥離するデラミネーションがおこることが多く、また、ポリマー電池本体を外装体に収納してその周縁をヒートシールする部分においてもデラミネーションの発生があった。また、電池の構成要素である電解質と水分との反応により生成するフッ化水素により、アルミニウムの内面側表面が侵され、デラミネーションを起こすことがあった。また、前記ヒートシール層として、ランダムポリプロピレンを用いることが、ポリマー電池の保護性、ヒートシールの安定性、ラミネート加工性、経済性等から好ましいが、エチレンの含有量を増加させると、成形時や経時的なクラックの発生防止効果があるが、エンボス成形時のオス型とすべりが悪くなりしわが発生して安定した成形作業が難しかった。
【0010】
そこで、本発明者らは、エンボス成形性がよく、エンボス成形時またはヒートシール時において、基材層とバリア層とのデラミネーションの発生のない積層体であって、また、耐内容物性のあるポリマー電池用の外装体として満足できる包装材料について鋭意研究の結果、アルミニウムの両面に化成処理を施し、また、アルミニウムの内容物側の化成処理面に、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンとポリオレフィン(フィルムまたは樹脂)を、サンドイッチラミネート法または共押出し法により積層した後、得られた積層体を加熱することによって、前記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに到った。さらに、エンボス成形性を安定化させるためには、ヒートシール層の最内面に流動パラフィンをコーティングすることで、エンボス成形のオス型との滑りがよくなり成形工程が安定化し、また、ヒートシール層が流動パラフィンを含むことで引張り特性(ヤング率)が小さくなり、成形した時にクラックが発生しない。
【0011】
本発明のポリマー電池用包装材料の層構成は、図1(a)〜図1(d)に示すように、少なくとも基材層11、接着層16、化成処理層15(1)、アルミニウム12、化成処理層15(2)、ヒートシール層14、流動パラフィン層15からなる積層体10であり、前記ヒートシール層14と化成処理層(2)との接着は、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート法、共押出しラミネート法、熱ラミネート法のいずれかによって積層される。図1(a)は、ドライラミネート法を用いて得られる積層体の層構成を示す断面図である。図1(b)は、サンドイッチラミネート法を用いて得られる積層体の層構成を示す断面図である。図1(c)は、共押出しラミネート法を用いて得られる積層体の層構成を示す断面図である。図1(d)は、熱ラミネート法を用いて得られる積層体の層構成を示す断面図である。さらに、前記ラミネート法の内、サンドイッチラミネート法、共押出しラミネート法を用いた場合には、得られた積層体を、後述する前加熱または後加熱により接着強度の向上を図るものである。また、流動パラフィン層15を設けることによって成形性が向上するとともに、ヒートシール層の耐クラック性が向上する。
【0012】
ポリマー電池用包装材料をエンボスタイプとする場合、図4に示すように、積層された包装材料をプレス成形して凹部7を形成する。この際、プレス成形のオス型21と積層体10のヒートシール層との滑りが悪いと安定した成形品が得られないことがある。エンボスタイプ外装体用のポリマー電池用包装材料のヒートシール層14としてランダムポリプロピレン樹脂を用いると、耐熱性、クラックの発生のないこと、ヒートシール性、防湿性等の要望される性質に対して安定した性質を有するが、該ランダムポリプロピレンのエチレン含有量が大きくなると、特にクラックの発生は抑えられるが、成形時におけるオス型21との滑りが悪くなって成形工程が不安定になったり、金型によるコスレキズがヒートシール層の表面に発生しそれが微細なキズ(軽微なクラック)となった。また、ヒートシール層14にポリエチレンを用いるとポリプロピレンに比べ、樹脂物性が柔らかい為、滑り性が悪く、成形ピンホールが発生しやすかった。本発明者らは、鋭意研究の結果、ヒートシール層14のランダムポリプロピレン層または線状低密度ポリエチレン層の最内面側表面に流動パラフィンをコーティングすることにより、前記滑り性が良く、ヒートシール層にクラックの発生しにくい包装材料が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0013】
本発明において用いる前記流動パラフィンは、鎖状炭化水素系オイルであり、その物性は、比重0.83〜0.87、粘度が7.6〜80mm2/S(37.5℃)、分子量300〜500程度であり、また、10mmHgの条件における蒸留温度としては140〜245℃である。本発明のポリマー電池用包装材料およびその製造方法における流動パラフィンとしては、比重0.83、粘度7.7mm2/S(37.5℃)、分子量300、また、10mmHgの条件における蒸留温度としては141℃程度のものが好適に利用できる。
【0014】
本発明のポリマー電池用包装材料のヒートシール層に流動パラフィンをコーティングすることによって、流動パラフィンの一部または全部がヒートシール層のポリプロピレン層またはポリエチレン層内に浸透し、ポリプロピレン層またはポリエチレン層を膨潤させて、ヒートシール層が柔らかになり、伸び易くなるものと考えられる。すなわち、樹脂特性のうち、引張り特性(ヤング率)が変化し、よりポリエチレンの性質に近くなる。ポリエチレンをヒートシール層として用いると、成形における白化、クラック等の問題はないが、耐熱性、滑り性が劣る。すなわち、本発明によりポリプロピレンの耐熱性を維持し、成形性に問題のないヒートシール層とすることができた。また、ポリエチレンに流動パラフィンをコーティングすることで滑り性を改良できただけでなく、ポリエチレン樹脂に流動パラフィンが浸透することで、該ポリエチレンは、さらに伸びやすくなり成形性が向上した。ヒートシール層に流動パラフィンをコーティングした結果、エンボス成形時に発生する応力が分散し、成形で発生するポリプロピレン表層(ポリマー電池用包装材料のヒートシール層)でのクラックが低減または無くなり、また、コーティングされた流動パラフィンは、滑剤としての効果により、表面の滑り性が改善された。
【0015】
本発明のポリマー電池用包装材料の製造方法における流動パラフィンのコーティング方法としては、グラビアコート(ダイレクト、リバース)、3本リバースロールコート、キスタッチコート、スプレーコート等の方法を用いることができる。流動パラフィンは、塗布量として2〜6g/m2の範囲が適当である。次に、本発明のポリマー電池用包装材料である積層体の各層を構成する材料等について、図1(a)〜図1(d)等を参照して説明する。
【0016】
本発明における前記基材層11は、延伸ポリエステルまたはナイロンフィルムからなるが、この時、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロンとしては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
【0017】
前記基材層11は、ポリマー電池として用いられる場合、ハードと直接接触する部位であるため、基本的に絶縁性を有する樹脂層がよい。フィルム単体でのピンホールの存在、および加工時のピンホールの発生等を考慮すると、基材層は6μm以上の厚さが必要であり、好ましい厚さとしては12〜25μmである。
【0018】
本発明においては、基材層11は耐ピンホール性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させるために、積層化することも可能である。基材層を積層体化する場合、基材層が2層以上の樹脂層を少なくとも一つを含み、各層の厚みが6μm以上、好ましくは、12〜25μmである。基材層を積層化する例としては、図示はしないが次の1)〜7)が挙げられる。
1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
2)延伸ナイロン/延伸ポリエチレンテレフタレート
また、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中での搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質性)、2次加工とてポリマー電池用の外装体をエンボスタイプとする際に、エンボス時の金型と基材層との摩擦抵抗を小さくする目的あるいは電解液が付着した場合に基材層を保護するために、基材層を多層化、基材層表面にフッ素系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系樹脂層、ポリエステル系樹脂層等を設けることが好ましい。例えば、
3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン
7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂はフィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化)
【0019】
前記バリア層12は、外部からポリマー電池の内部に特に水蒸気が浸入することを防止するための層で、バリア層単体のピンホール、及び加工適性(パウチ化、エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホールをもたせるために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケルなどの金属、又は、無機化合物、例えば、酸化珪素、アルミナ等を蒸着したフィルムなども挙げられるが、バリア層として好ましくは厚さが20〜80μmのアルミニウムとする。ピンホールの発生をさらに改善し、ポリマー電池の外装体のタイプをエンボスタイプとする場合、エンボス成形におけるクラックなどの発生のないものとするために、本発明者らは、バリア層として用いるアルミニウムの材質が、鉄含有量が0.3〜9.0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%とすることによって、鉄を含有していないアルミニウムと比較して、アルミニウムの展延性がよく、積層体として折り曲げによるピンホールの発生が少なくなり、かつ前記エンボスタイプの外装体を成形する時に側壁の形成も容易にできることを見出した。前記鉄含有量が、0.3重量%未満の場合は、ピンホールの発生の防止、エンボス成形性の改善等の効果が認められず、前記アルミニウムの鉄含有量が9.0重量%を超える場合は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、積層体として製袋性が悪くなる。
【0020】
また、冷間圧延で製造されるアルミニウムは焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるアルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にあるアルミニウムがよい。前記、アルミニウムの柔軟性・腰の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定すればよい。たとえば、エンボス成形時のしわやピンホールを防止するためには、成形の程度に応じた焼きなましされた軟質アルミニウムを用いることができる。
【0021】
本発明の課題に対して、本発明者らは、鋭意研究の結果、ポリマー電池用包装材料のバリア層12であるアルミニウム表、裏面に化成処理を施すことによって、前記包装材料として満足できる積層体とすることができた。前記化成処理とは、具体的にはリン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物等の耐酸性皮膜を形成することによってエンボス成形時のアルミニウムと基材層との間のデラミネーション防止と、ポリマー電池の電解質と水分とによる反応で生成するフッ化水素により、アルミニウム表面の溶解、腐食、特にアルミニウムの表面に存在する酸化アルミが溶解、腐食することを防止し、かつ、アルミニウム表面の接着性(濡れ性)を向上させ、エンボス成形時、ヒートシール時の基材層とアルミニウムとのデラミネーション防止、電解質と水分との反応により生成するフッ化水素によるアルミニウム内面側でのデラミネーション防止効果が得られた。各種の物質を用いて、アルミニウム面に化成処理を施し、その効果について研究した結果、前記耐酸性皮膜形成物質のなかでも、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸の3成分から構成されたものを用いるリン酸クロメート処理が良好であった。
【0022】
ポリマー電池の外装体がエンボスタイプの場合には、アルミニウムの両面に化成処理することによって、エンボス成形の際のアルミニウムと基材層との間のデラミネーションを防止することができる。
【0023】
前記化成処理層2に、酸変性ポリプロピレン樹脂13とヒートシール層(ポリプロピレンフィルム)14とをサンドイッチラミネート法により積層する場合または共押出し法により積層する場合においては、化成処理面への押出酸変性ポリプロピレン樹脂の接着性が悪く、その対策として、本発明者らは、前記化成処理面に、酸変性ポリプロピレンのエマルジョン液をロールコート法等により塗布し、乾燥後、170〜200℃の温度で焼付けを行った後、前記共押出しして積層体とすると、その接着強度はよくなることを確認したが、前記焼付けの加工速度は極めて遅く、生産性の悪いものである。
【0024】
そこで、本発明者らは、酸変性ポリプロピレンの塗布、焼付けが無くとも、安定した接着強度を示す積層方法について鋭意研究の結果、基材層11と両面に化成処理したバリア層12の片面とをドライラミネートし、バリア層12の他の面に、酸変性ポリオレフィン13を押出してヒートシール層(ポリプロピレンフィルム)14をサンドイッチラミネートする場合、酸変性ポリプロピレン樹脂13とヒートシール層(ポリプロピレン樹脂)14とを共押出しして積層体とし、該積層体を前記酸変性ポリプロピレン樹脂がその軟化点以上になる条件に加熱することによって、所定の接着強度を有する積層体とすることができた。前記加熱の具体的な方法としては、熱ロール接触式、熱風式、近または遠赤外線等の方法があるが、本発明においてはいずれの加熱方法でもよく、前述のように、接着樹脂がその軟化点温度以上に加熱できればよい。
【0025】
また、別の方法としては、前記、サンドイッチラミネートまたは共押出しラミネートの際に、アルミニウムのヒートシール層側の表面温度が酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点に到達する条件に加熱することによっても接着強度の安定した積層体とすることができた。また、接着樹脂層を必要とする場合、ヒートシール層がポリプロピレン樹脂の場合には、酸変性ポリプロピレン樹脂を用い、ヒートシール層がポリエチレン樹脂の場合は酸変性ポリエチレンまたはポリエチレン樹脂を用いる。ポリエチレン樹脂を接着樹脂として用いる場合には、押出したポリエチレンの溶融樹脂膜のアルミニウム側のラミネート面をオゾン処理しながらラミネートする。
【0026】
本発明のポリマー電池用包装材料の積層体として、前記、基材層、バリア層、接着樹脂層、ヒートシール層(ポリプロピレンまたはポリエチレン)の他に、バリア層と接着樹脂層との間に、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等の2軸延伸フィルムからなる中間層を設けてもよい。中間層は、ポリマー電池用包装材料としての強度向上、バリア性の改善安定化、ポリマー電池外装体のヒートシール時のタブとバリア層との接触による短絡を防止するなどのために積層されることがある。
【0027】
本発明の積層体における前記の各層には、適宜、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性を向上、安定化する目的のために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理をしてもよい。
【0028】
本発明のポリマー電池用包装材料における積層体のヒートシール層14には、ポリオレフィン樹脂、すなわち、ランダムプロピレン、ホモプロピレン、ブロックプロピレン等の樹脂から製膜された単層フィルム、または、前記の樹脂をブレンドした樹脂から製膜された単層フィルム、これらの多層フィルムとして用いられる。ヒートシール層としてはランダムプロピレンが好適に用いられる。あるいは、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンの単層または多層、または、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンのブレンド樹脂からなる単層または多層からなるフィルムとしても使用できる。前記各タイプのポリプロピレン、すなわち、ランダムプロピレン、ホモプロピレン、ブロックプロピレンおよび、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンには、低結晶性のエチレンーブテン共重合体、低結晶性のプロピレンーブテン共重合体、エチレンとブテンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリマー、シリカ、ゼオライト、アクリル樹脂ビーズ等のアンチブロッキング剤(AB剤)、脂肪酸アマイド系の滑材等を添加してもよい。ヒートシール層14としては、前記のランダムポリプロピレンを用いることがのぞましく、それは、ランダムポリプロピレン同士でのヒートシール性がよいこと、防湿性、耐熱性等のポリマー電池用包装材料のヒートシール層14としての要求される保護物性を有し、また、ラミネート加工性、エンボス成形性の良さ等による。ヒートシール層14に用いられるランダムポリプロピレンとしては、(1)密度0.90g/cm3以上、ビガット軟化点115℃以上、融点120℃以上のものが望ましい。また、ヒートシール層14に用いられる線状低密度ポリエチレンまたは中密度ポリエチレンとしては、(1)密度0.91g/cm3以上、ビガット軟化点70℃以上、融点110℃以上のものが望ましい。
【0029】
また、前記ランダムポリプロピレンとしては、エチレン含有量が3〜4%の一般的なランダムポリプロピレンでもよいが、エチレン含有量が5〜10%のエチレンリッチなポリプロピレンを用いることがより望ましい。ランダムポリプロピレンをヒートシール層14とすることによって、柔軟性を付与し、耐折り曲げ性の向上、成形時でのクラック防止にも効果を示す。但し、ランダムポリプロピレンであってもエチレンの含有量が増加すると、表面の滑り性が悪くなるため、本発明においては、前述のごとくランダムポリプロピレンの最内面表面に流動パラフィンをコーティングすることによってヤング率を小さくして伸び易くするとともに滑り性を良くするものである。
【0030】
本発明のポリマー電池用包装材料の積層体を形成するラミネート方法としては、ドライラミネート法、図5に示すような装置30によるサンドイッチラミネート法、図6に示すような装置41による共押出ラミネート法、熱ラミネート法等を用いることができる。
【0031】
ただし、ランダムポリプロピレン、ポリエチレンおよび流動パラフィンは金属に対するヒートシール性がないため、ポリマー電池におけるタブ部のヒートシールの際には、図7(a)、図7(b)、図7(c)に示すように、タブと積層体のヒートシール層との間に、金属とPEとの双方に対してヒートシール性を有する接着性フィルムを介在させることにより、タブ部での密封性も確実となる。前記接着性フィルムは、図7(d)、図7(e)、図7(f)に示すように、タブの所定の位置に巻き付けても良い。前記接着性フィルムとしては、前記不飽和カルボングラフトポリオレフィン、金属架橋ポリエチレン、エチレンまたはプロピレンとアクリル酸、またはメタクリル酸との共重合物からなるフィルムを用いることができる。
【0032】
本発明のポリマー電池用包装材料における基材11とバリア層12の化成処理面とは、ドライラミネート法によって貼り合わせることが望ましい。前記、基材11とアルミニウムのリン酸クロメート処理面とのドライラミネートに用いる接着剤としては、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリエーテル系、シアノアクリレート系、ウレタン系、有機チタン系、ポリエーテルウレタン系、エポキシ系、ポリエステルウレタン系、イミド系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、シリコーン系の各種接着剤を用いることができる。
【0033】
本発明のポリマー電池用包装材料について、実施例によりさらに具体的に説明する。化成処理は、いずれも、処理液として、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸からなる水溶液を、ロールコート法により、塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件において焼き付けた。クロムの塗布量は、10mg/m2(乾燥重量)である。以下の各実施例、比較例ともに、エンボスタイプの外装体で、いずれも片面エンボスタイプとし、成形型の凹部(キャビティ)の形状を30mm×50mm,深さ3.5mmとしてプレス成形して成形性の評価をした。なお、各例とも、ポリマー電池のタブのシール部には、接着性フィルムとして、厚さ50μmの不飽和カルボン酸グラフト線状低密度ポリプロピレンからなるフィルムをタブのシール部に巻き付けてヒートシールした。
【実施例1】
【0034】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面を遠赤外線と熱風とにより、接着樹脂である酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上に加熱した状態として、酸変性ポリプロピレン樹脂(20μm)を接着樹脂として、ヒートシール層となるランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量4%、30μm)をサンドイッチラミネートし、一次積層体を形成した。該一次積層体を別装置で前記ランダムポリプロピレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティングして検体実施例1を得た。
【実施例2】
【0035】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面を遠赤外線と熱風とにより、接着樹脂である酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上に加熱した状態として、酸変性ポリプロピレン樹脂(20μm)を接着樹脂として、ヒートシール層となるランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量7%、30μm)をサンドイッチラミネートし、一次積層体を形成した。該一次積層体を同一装置内で前記ランダムポリプロピレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティングして検体実施例2を得た。
【実施例3】
【0036】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂(厚さ20μm)として、ランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量4%、30μm)をサンドイッチラミネートして一次積層体とした。該一次積層体を,熱風により酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱した後、別装置で前記ランダムポリプロピレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティングして検体実施例3を得た。
【実施例4】
【0037】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、他の面に、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂(厚さ20μm)として、ランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量7%、30μm)をサンドイッチラミネートして一次積層体とした。該一次積層体を,前記ランダムポリプロピレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティングした後、同一装置内で熱風により酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱し、検体実施例4を得た。
【実施例5】
【0038】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂(厚さ20μm)として、ランダムポリプロピレン樹脂(エチレン含有量4%、30μm)とを共押出ラミネートして一次積層体とした。該一次積層体を,熱風により酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱した後、別装置で前記ランダムポリプロピレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティングして検体実施例5を得た。得られた積層体をアルミニウムの表面温度が押出し樹脂温度の軟化点以上になる様に加熱して検体実施例1を得た。
【実施例6】
【0039】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、他の面に、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂(厚さ20μm)として、ランダムポリプロピレン樹脂(エチレン含有量10%、30μm)とを共押出ラミネートして一次積層体とした。該一次積層体のランダムプロピレン樹脂層に後グラビアリバース法により、流動パラフィン(2g/m2、wet)をコーティングした後、同一装置内で,熱風により酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱し検体実施例6を得た。
【実施例7】
【0040】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、ランダムポリプロピレン樹脂(エチレン含有量4%、30μm)をドライラミネートした後、前記ランダムポリプロピレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(6g/m2、wet)をコーティングして検体実施例7を得た。
【実施例8】
【0041】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に酸変性ポリプロピレン樹脂をロールコート法によりコーティングし、180℃、3秒間加熱乾燥して接着樹脂として、3μmの皮膜を形成後、ヒートシール層となるランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量7%、30μm)を熱ラミネートし一次積層体を得た。該一次積層体を同一装置内でランダムポリプロピレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティングして検体実施例7を得た。
【実施例9】
【0042】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に2軸延伸ポリエステルフィルム12μmと2軸延伸ナイロンフィルム15μmをドライラミネートした2層からなる基材層をドライラミネート法により(延伸ナイロン面をラミネート面として)貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に酸変性ポリプロピレン樹脂をロールコート法によりコーティングし、180℃、3秒間加熱乾燥して接着樹脂として、3μmの皮膜を形成後、ヒートシール層となるランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量7%、30μm)を熱ラミネートし、一次積層体を得た。該一次積層体を別装置を用いてランダムポリプロピレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティングして検体実施例9を得た。
【実施例10】
【0043】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂(厚さ20μm)として、以下1)〜7)に記載のヒートシール層をサンドイッチラミネートして一次積層体とした。該一次積層体を熱風により酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱した後前記ランダムポリプロピレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティングして検体実施例10(ヒートシール層の異なる7種)を得た。
1)ランダムプロピレン25/ホモプロピレン5
2)ランダムプロピレン5/ホモプロピレン20/ランダムプロピレン5
3)ホモプロピレン25/ランダムプロピレン5
4)ランダムプロピレン+ターポリマー(100:20)
5)ランダムプロピレン+エチレンーブテン共重合体(100:15)
6)ランダムプロピレン+ホモプロピレン(20:80)
7)ランダムプロピレン+ホモプロピレン(80:20)
[略号 /:積層、+:ブレンド、1)〜3)の数字は厚さμmを示し、4)〜7)の()内はブレンドの割合を重量比で示したもの)
【実施例11】
【0044】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、酸変性線状低密度ポリエチレンを接着樹脂(厚さ20μm)として線状低密度ポリエチレンフィルム(エチレン含有量4%、30μm)をサンドイッチラミネートして一次積層体とした。該一次積層体を,熱風により酸変性ポリエチレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱した後、別装置で前記線状低密度ポリエチレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティングして検体実施例11を得た。
【実施例12】
【0045】
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、中密度ポリエチレンを接着樹脂(厚さ20μm)として押出して、該溶融樹脂膜のアルミニウム側のラミネート面をオゾン処理しながら、線状低密度ポリエチレンフィルム30μmをサンドイッチラミネートして一次積層体とした。該一次積層体の前記線状低密度ポリエチレンの最内面にグラビアリバース法により、流動パラフィン(4g/m2、wet)をコーティング後,同一装置内で熱風により酸変性ポリエチレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱して検体実施例12を得た。
【0046】
[比較例1]
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面を遠赤外線と熱風とにより、接着樹脂である酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上に加熱した状態として、酸変性ポリプロピレン樹脂(20μm)を接着樹脂として、ヒートシール層となるランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量4%、30μm)をサンドイッチラミネートして検体比較例1を得た。
【0047】
[比較例2]
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面遠赤外線と熱風とにより、接着樹脂である酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上に加熱した状態として、酸変性ポリプロピレン樹脂(20μm)を接着樹脂として、ヒートシール層となるランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量7%、30μm)をサンドイッチラミネートして検体比較例2を得た。
【0048】
[比較例3]
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂(厚さ20μm)として、ランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量4%、30μm)をサンドイッチラミネートして一次積層体とした後、該一次積層体を,熱風により酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱して検体比較例3を得た。
【0049】
[比較例4]
アルミニウム40μmの片面に化成処理を施し、化成処理をしていない面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの面に、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂(厚さ20μm)として、ランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量7%、30μm)をサンドイッチラミネートして一次積層体とした後、該一次積層体を,熱風により酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱して検体実施例4を得た。
【0050】
[比較例5]
アルミニウム40μmの片面に化成処理を施し、化成処理をしていない面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した面に、他の面に、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂(厚さ20μm)として、ランダムポリプロピレン樹脂(エチレン含有量4%、30μm)とを共押出ラミネートして一次積層体とした後、該一次積層体を,熱風により酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱して検体比較例5を得た。得られた積層体をアルミニウムの表面温度が押出し樹脂の軟化点以上になる様に加熱して検体比較例5を得た。
【0051】
[比較例6]
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、他の面に、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂(厚さ20μm)として、ランダムポリプロピレン樹脂(エチレン含有量7%、30μm)とを共押出ラミネートして一次積層体とした後、該一次積層体を,熱風により酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱して検体比較例6を得た。
【0052】
[比較例7]
アルミニウム40μmの片面に化成処理を施し、化成処理をしていない面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した面に、ランダムポリプロピレン樹脂(エチレン含有量4%、30μm)をドライラミネートして検体比較例7を得た。
【0053】
[比較例8]
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に酸変性ポリプロピレン樹脂をロールコート法によりコーティングし、180℃、2秒間加熱乾燥して接着樹脂として、3μmの皮膜を形成後、ヒートシール層となるランダムポリプロピレンフィルム(エチレン含有量4%、30μm)を熱ラミネートして検体実施例8を得た。
【0054】
[比較例9]
加熱をしないことを除いては実施例1と同一条件として積層体を作成し、検体比較例9を得た。
【0055】
[比較例10]
加熱をしないことを除いては実施例2と同一条件として積層体を作成し、検体比較例10を得た。
【0056】
[比較例11]
加熱をしないことを除いては実施例3と同一条件として積層体を作成し、検体比較例11を得た。
【0057】
[比較例12]
加熱をしないことを除いては実施例4と同一条件として積層体を作成し、検体比較例12を得た。
【0058】
[比較例13]
加熱をしないことを除いては実施例11と同一条件として積層体を作成し、検体比較例13を得た。
【0059】
<評価方法>
1)成形性
ピンホールの発生の有無を確認した。
2)成形後のヒートシール層の表面変化
成形直後、ヒートシール層表面の白化(軽度のクラック)を目視により確認した。
3)基材層とアルミニウム層とのデラミネーション
成形直後に190℃、5秒、98N/cm2の条件でヒートシール後、90℃、24時間放置後に、アルミニウムと基材層とのデラミネーションの有無を確認した。
4)耐内容物性
保存条件として、各検体を、60℃、90%RHの恒温槽に、7日間保存した後に、アルミニウムとヒートシール層のデラミネーションの有無を確認した。
【0060】
<結果>
実施例1〜実施例12はいずれも、エンボス成形時、ピンホールの発生はなく、成形後のヒートシール層の白化もなく、また、基材とアルミニウムとのデラミネーションも発生しなかった。また、耐内容物に起因するデラミネーションも認められなかった。比較例1〜比較例13は、500検体中、1〜2検体にピンホールが発生していた。また、500検体中、1〜3検体に成形部のヒートシール層面に軽度な白化が認められた。比較例9〜比較例13は、成形時の成形しわの発生はなく、ヒートシール層面の白化、成形時のピンホール、基材層とアルミニウム層とのデラミネーションは認められなかったが耐内容物性においては全数がデラミネーションとなった。比較例1〜比較例8は耐内容物性でのデラミネーションはなかったが、比較例4、比較例5、比較例7は、基材とアルミニウムとのデラミネーションがあった。
【符号の説明】
【0061】
1 ポリマー電池
2 ポリマー電池本体
3 セル(蓄電部)
4 タブ(電極)
5 外装体
6 接着性フィルム(タブ部)
7 凹部
8 側壁部
9 シール部
10 積層体(ポリマー電池用包装材料)
11 基材層
12 アルミニウム(バリア層)
13 酸変性ポリオレフィン層(押出)
14 ヒートシール層(ポリプロピレン)
15 流動パラフィン層
16 化成処理層
17 接着層
18 酸変性ポリプロピレン(コーティング)
20 プレス成形部
21 オス型
22 メス型
23 キャビティ
30 サンドイッチラミネート装置
31 押出機
32 ダイ
33 溶融樹脂膜
34 チルロール
35 圧着ロール
36 ヒートシール層フィルム
37 積層体
40 共押出しラミネート装置
41 押出機
42 ダイ
43 溶融樹脂膜
44 チルロール
45 圧着ロール
46 積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、ヒートシール層、流動パラフィン層からなり、ヒートシール層がポリオレフィンであることを特徴とするポリマー電池用包装材料。
【請求項2】
化成処理がリン酸クロメート処理であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー電池用包装材料。
【請求項3】
ヒートシール層がランダムプロピレンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリマー電池用包装材料。
【請求項4】
ヒートシール層が線状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリマー電池用包装材料。
【請求項5】
基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面に、ヒートシール層としてランダムポリプロピレンをドライラミネート法により形成して積層体とし、積層体のランダムポリプロピレン表面に流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項6】
基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面に、酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂として、ヒートシール層としてランダムポリプロピレンフィルムを形成して積層体とし、該積層体を前記酸変性ポリオレフィン樹脂の軟化点以上になる条件に加熱し、かつ、積層体のランダムポリプロピレン表面に流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項7】
前記接着樹脂層とヒートシール層との形成がサンドイッチラミネート法によることを特徴とする請求項4記載のポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項8】
前記接着樹脂層とヒートシール層との形成が共押出しラミネート法によることを特徴とする請求項4記載のポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項9】
前記流動パラフィンのコーティングが前記加熱とインラインで行なわれることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか記載のポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項10】
前記流動パラフィンのコーティングが前記加熱後に別工程において行なわれることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか記載のポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項11】
基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記他の化成処理面に、該化成処理面の表面温度が接着樹脂である酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点温度以上に加熱して、酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂として、ヒートシール層となるランダムポリプロピレン樹脂とを形成して積層体とし、該積層体のランダムポリプロピレン表面に、流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項12】
前記接着樹脂層とヒートシール層との形成がサンドイッチラミネート法によることを特徴とする請求項9記載のポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項13】
前記接着樹脂層とヒートシール層との形成が共押出しラミネート法によることを特徴とする請求項9記載のポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項14】
前記流動パラフィンのコーティングが前記加熱とインラインで行なわれることを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれか記載のポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項15】
前記流動パラフィンのコーティングが前記加熱後に別工程において行なわれることを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれか記載のポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項16】
基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記他の化成処理面に、酸変性した線状低密度ポリエチレン樹脂を接着樹脂として、ヒートシール層となる線状低密度ポリエチレン樹脂フィルムをサンドイッチラミネートして積層体とし、該積層体を前記酸変性ポリエチレンの軟化点以上になる条件に加熱し、かつ、積層体の線状低密度ポリエチレン表面に流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法。
【請求項17】
基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、熱接着樹脂層、ヒートシール層、流動パラフィン層からなるポリマー電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記他の化成処理面に、酸変性ポリプロピレン樹脂からなる層とランダムポリプロピレンフィルムを熱ラミネート法により積層し、該積層体のランダムポリプロピレン表面に、流動パラフィンをコーティングしたことを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−262932(P2010−262932A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138945(P2010−138945)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【分割の表示】特願2000−62793(P2000−62793)の分割
【原出願日】平成12年3月8日(2000.3.8)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】