説明

ポリメタクリルイミドを製造するためのコポリマーの合成方法

2つの工程におけるポリメタクリルイミドの製造方法:1)水含有希釈剤の存在での(メタ)アクリルアミド(A、(Me,H)HC=CHCONHR)及びアルキル(メタ)アクリルエステル(B)並びに場合により別のエチレン系不飽和モノマーのラジカル共重合。モノマー(A)は、アクリルアミド及びメタクリルアミドに加えて窒素上で置換されている(メタ)アクリルアミド(R<>H)も含む。モノマー(B)は、第二アルコール又は第三アルコールの(メタ)アクリルエステル、好ましくはt−ブチルメタクリレートである。2)アルケンの脱離下での1)からのコポリマーのポリメタクリルイミドもしくはR<>HについてはN−置換ポリメタクリルイミドへの熱的な又は触媒による反応。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水含有希釈剤中でのラジカル重合により製造される、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルエステルをベースとするコポリマーに関する。これらのコポリマーは、ポリメタクリルイミドフォーム又はポリメタクリルイミド成形材料の製造のための成形材料として使用されることができる。
【0002】
技術水準
ポリメタクリルイミドは、誘導体化(Derivatisierung)の2つの形で大工業的に使用される。一方では、ここでは、商標名PLEXIMID(登録商標)で入手可能である、ポリ−N−メチルメタクリルイミド(PMMI)を挙げることができる。PMMIは、高いUV安定性を有し、高温形状安定で透明なプラスチックである。PMMIは射出成形可能な成形材料として例えば自動車分野において使用される。PMMI−成形材料の製造は押出機中でポリメチルメタクリレート−成形材料とメチルアミンとのポリマー類似の(polymeranaloge)反応により行われる。
【0003】
第二の大工業的に入手可能なポリメタクリルイミドタイプは置換されていない変異体であり、すなわちN−アルキル化は存在しない。故にこれは単にポリメタクリルイミド(PMI)と呼ばれる。製造は注型法において行われる、それというのもPMIはPMMIとは異なり高い重合度を有し、かつもはや溶融可能でないからである。PMIは、サンドイッチ構造物の場合に高温形状安定で、耐クリープ性のフォームとして幅広く使用され、かつ商標名ROHACELL(登録商標)で入手可能である。
【0004】
PMI−フォームの製造は注型法において行われる(DE 3346060)。この場合に、モノマーであるメタクリル酸及びメタクリロニトリルは開始剤、発泡剤及び場合により他のモノマー又は添加剤と混合され、かつシーリングコードを用いて特定の距離に保持されるガラス及び/又は金属プレートからなる室中へ充填される。この室は、定義された温度を有する水浴中に沈められ、かつ得られたコポリマーは第二工程において150℃〜250℃の温度への加熱によりポリメタクリルイミドへ変換され、かつ同時に発泡される。この場合に問題となるのは、メタクリル酸の重合速度がメタクリロニトリルの重合速度よりも本質的に大きいことである、それというのも重合の間にまず最初にメタクリル酸が反応するので、明らかに異なる組成を有するコポリマーからなる混合物が得られるからである。さらに注型法の場合に重合熱の除去は難しい。とりわけ、ポリマー厚さが増大するにつれて(>20mm)、不十分な熱除去又は高過ぎる重合温度の場合に、材料の破壊及び場合によりまたそのすぐ近くの周囲の破壊の結果となる制御されない重合が始まりうる。故に、選択される重合温度ひいては重合速度は、室法の場合に、重合期間が厚さに応じて1週間を上回りうるように低く調節されなければならない。
【0005】
JP 04170408及びEP532023にはPMI−フォームの製造が記載されている。まず最初にバルク重合によりt−ブチルメタクリレート、メタクリル酸及びメタクリロニトリルからなるコポリマーが製造される。その場合に、加熱の際にイソブテンを脱離するt−ブチルメタクリレートの使用により、別の発泡剤の添加が放棄されることができる。またこの方法は2つの欠点を有する:一番目に、上記のように、注型法であり、これは既に論じられた熱除去を伴う問題を必然的に伴う。二番目に、メタクリロニトリルをベースとする特許の保護が請求された組成物は、他の官能基によるイミド−水素原子の置換を許容しない。
【0006】
既に幾つかの前記の問題を解決することができた別の公知方法は、シクロデキストリンの存在での水含有希釈剤中でのN−置換ポリメタクリルイミドのWO03/033556に記載された製造である。しかし、そこに記載された方法は、そこで重合に必要なシクロデキストリンがモノマー100mol%に対して150mol%の相対的に高い濃度で及びより多く使用されなければならず、引き続いて費用をかけてポリマーから分離されなければならないという欠点を有する。さらにまた、置換されていないメタクリルアミドが使用されることができない、それというのも、このモノマーは極性すぎて、シクロデキストリンとの包接化合物を形成しないからである。
【0007】
課題
故に、課題は、加熱することによりPMI−フォームへさらに加工されることができる成形材料の製造方法を開発することである。該方法は、十分な熱除去を保証すべきであり、ひいては短い時間で多量の製造を可能にすべきである。
【0008】
さらに、該方法は、側鎖の選択によりフォーム特性に意図的に影響を及ぼすために、ポリメタクリルイミドのイミド−水素原子の置換の可能性を可能にするべきである。とりわけ該方法の範囲内で、コモノマー対であるメタクリル酸/メタクリロニトリルに比較して匹敵しうる反応性を有するモノマーが反応されるべきである。
【0009】
故に本発明の範囲内で好ましくは、理想的にランダムなコポリマーを供給する(r≒1、r≒1、r及びrは共重合パラメーターである)か又はそれどころか交互コポリマーの傾向がある(r、r≒0)、モノマーが使用されるべきである。さらにまた、ポリマーの費用のかかる精製工程を回避するために、シクロデキストリンの使用が放棄されるべきである。
【0010】
解決手段
前記課題は、水性希釈剤の存在でのモノマーの沈殿重合又は懸濁重合により解決されることができる。
【0011】
水相の存在での重合の実施により、水の高い熱容量のために、特に前述の注型重合と比較して抜群の熱除去が保証されている。
【0012】
本発明による方法の場合に、
(メタ)アクリルアミド HC=CRCONHR (A)
及びアルキル(メタ)アクリルエステル HC=CRCOOR (B)
は希釈剤(C)の存在で共重合される。
【0013】
(メタ)アクリルアミド(A)(R=H、CH)の群は、水溶性メタクリルアミドに加えて、N−置換(メタ)アクリルアミド(R<>H)も含む。その場合に、Rは炭素原子36個までを有するアルキル基又はアリール基であってよく、該アルキル基又はアリール基は付加的に、典型的な有機官能価、例えばエーテル官能基、アルコール官能基、酸官能基、エステル官能基、アミド官能基、イミド官能基、ホスホン酸官能基、ホスホン酸エステル官能基、リン酸エステル官能基、ホスフィン酸官能基、ホスフィン酸エステル官能基、スルホン酸官能基、スルホン酸エステル官能基、スルフィン酸官能基、スルフィン酸エステル官能基の形の酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びリン原子、ケイ素原子、アルミニウム原子及びホウ素原子又はまたハロゲン、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨウ素を有していてよい。Rの例として次のものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない:メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル、−R−PO(OR、[ここでRは炭素原子12個までを有するアルキル基であり、かつRは炭素原子4個までを有するアルキルである]、メチレンジメチルホスホネート、メチレンジエチルホスホネート、メチレンジイソプロピルホスホネート。さらに異なるメタクリルアミドからなる混合物も使用されることができる。
【0014】
分枝鎖状アルキルメタクリレート(B)として、t−ブチルメタクリレート(R=t−ブチル)に加えて、例えばイソプロピルメタクリレート(R=イソプロピル)、s−ブチルメタクリレート(R=イソブチル)も又はより長鎖の第二アルコールもしくは第三アルコール(R=アルキル)のメタクリルエステルも使用されることができる。また、相応するアルキルエステルアクリレート(R=H)又は挙げられたモノマーの混合物も使用可能である。1つ又はそれ以上の別のエチレン系不飽和モノマーとの共重合により、ポリマーの化学的性質及び物理的性質は変更されることができる。
【0015】
モノマー(A)及び(B)の重合は、沈殿重合又は懸濁重合の種類に従って水性媒体(C)中、好ましくは水中で行われる。水性媒体という概念は、本明細書に関連して、水及び水と混和性の有機液体からなる混合物であると理解されるべきである。そのような有機液体は例えばグリコール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなるブロックコポリマー、アルコキシル化されたC−〜C20−アルコール、さらにメタノール、エタノール、イソプロパノール及びブタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン又はまた混合物である。重合が水及び水と混和性の溶剤からなる混合物中で行われる場合には、混合物中の水と混和性の溶剤の含分は45質量%までである。しかしながら、好ましくは重合は水中で実施される。
【0016】
モノマーの沈殿重合又は懸濁重合は通常、酸素排除下に、10〜200℃、好ましくは20〜140℃の温度で行われる。重合は、不連続にか又は連続的に実施されることができる。好ましくは、モノマー、開始剤及び場合により調節剤の少なくとも一部が重合の間に均一に反応容器中へ計量供給され、その場合に成分の混合は反応容器の外側で連続的にか又は不連続に行われることもできる。しかしながらモノマー及び重合開始剤はより小さなバッチの場合に反応器中に装入され、かつ重合されることができ、その場合に、場合により冷却することにより重合熱の十分に迅速な除去が配慮されなければならない。
【0017】
重合開始剤として、重合条件下でラジカルを供給し、ラジカル重合の場合に通常使用される化合物、例えば過酸化物、ヒドロペルオキシド、ペルオキソ二硫酸塩、過炭酸塩、ペルオキシエステル、過酸化水素及びアゾ化合物が考慮の対象となる。開始剤の例は、過酸化水素、過酸化ジベンゾイル、ジシクロヘキシルペルオキソジカーボネート、ジラウリルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルネオデカノエート、t−アミルペルピバレート、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペルベンゾエート、ペルオキソ二硫酸リチウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム及びペルオキソ二硫酸アンモニウム、アゾイソブチロニトリル、2,2′−アゾ−ビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル及び4,4′−アゾビス(シアノ吉草酸)である。開始剤は、重合すべきモノマーに対して通常15質量%まで、好ましくは0.02〜10質量%の量で使用される。また、還元成分がモル不足量で使用される公知のレドックス開始剤の使用が適している。公知のレドックス開始剤は、例えば遷移金属の塩、例えば硫酸鉄(II)、塩化銅(I)、酢酸マンガン(II)、酢酸バナジウム(III)である。レドックス開始剤としてさらに還元作用する硫黄化合物、例えばアルカリ金属及びアンモニウム化合物の亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜二チオン酸塩及び四チオン酸塩又はリンが1〜4の酸化数を有する還元作用するリン化合物、例えば次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸及びホスフィットが考慮の対象となる。さらに、前記の開始剤もしくは開始剤系の混合物も使用されることができる。
【0018】
ポリマーの分子量を制御するために、重合は場合により調節剤の存在で実施されることができる。調節剤として例えばアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド及びイソブチルアルデヒド、ギ酸、ギ酸アンモニウム、硫酸ヒドロキシルアンモニウム及びリン酸ヒドロキシルアンモニウムが適している。さらに、硫黄を有機結合された形で有する調節剤、例えばSH基を有する有機化合物、例えばチオグリコール酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトヘキサノール、ドデシルメルカプタン及びt−ドデシルメルカプタンが使用されることができる。調節剤としてさらにヒドラジンの塩、例えば硫酸ヒドラジニウムが使用されることができる。調節剤の量は重合すべきモノマーに対して、0〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%である。
【0019】
場合により窒素−雰囲気下又は真空中で、100〜300℃にコポリマーを加熱することにより、t−ブチルエステル−単位(I)からの熱的syn-脱離によりイソブテンもしくはアルキルエステル−単位からなる他の易揮発性の脱離生成物が得られる。その場合に生じる酸基は、一部が隣接したアミド基とさらに反応し、かつイミド−、無水物−、アミド−及び残りのアルキルエステル−単位(II)からなるコポリマーを生じる。
【0020】
【化1】

【0021】
熱的syn-脱離は、ポリ(t−ブチルメタクリレート)の場合に解重合に比較して好まれている。メタクリル酸−及び/又はメタクリル酸無水物−単位の形成は、解重合、ひいてはそれぞれのモノマーへの崩壊を防止する(G.Scott, Polymer Degradation and Stabilisation, 1. Polymers and Polymerisation, University Press, Cambridge, GB, 1985)。イソブテンの遊離は、光発生される(photogenerierte)酸PAGによるカルボン酸の脱保護によっても触媒されることができる、Chem. Mater. 1996, 8, 2282-2290参照。同じように脱離は酸性加水分解により行われることができる (K. Matsumoto他, J. Polym. Sci. Part A Polym. Chem. 2001, 39巻, 86-92)。
【0022】
熱的脱離により遊離したアルケンは発泡剤として働く。反応が薄層中で実施される場合には、発泡剤は拡散脱離し、かつ気泡を含まない無色フィルムが得られる、Angew. Makromol. Chem., II, 1970, 119, 91-108参照。発泡は、加熱する前に、例えばプレスすることにより、ブロックがポリマーから製造されることによってか又はポリマーが加圧下に溶融されるので生じるガス状発泡剤がポリマー中に溶解されたままであることによって達成されることができる。後者は、例えば押出しによるか又はフォーム射出成形により達成されることができる。
【0023】
本発明の範囲内で記載された、水性希釈剤の存在での(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミドからなるコポリマーの重合は、技術水準と比較して次の利点を有する:
希釈剤である水中もしくは水性溶剤混合物中での重合により、常に反応熱の良好な除去は保証されているので、重合温度は高い反応速度でも狭い範囲内で遵守されることができる。
【0024】
重合は、費用がかからずに常圧下に、しかしまた必要な場合には高められた圧力下で又は真空中でも、実施されることもできる。
【0025】
有機溶剤の大幅な放棄は経済的であり、かつ資源保護により生態学的な利点を有する。また作業安全性の観点で利点がもたらされる、それというのも水は溶剤として完全に懸念がなく、かつ水との混合物中の有機溶剤は蒸気圧を本質的に低下させるので、室内空気の汚染並びに火災及び爆発の危険が減少されているからである。
【0026】
生じるコポリマーが希釈剤及び冷却剤である水中に不溶性であるので、ポリマーの分離は、技術的に単純かつ費用のかからない経路で、例えばろ過によるか又は遠心分離にかけることにより可能である。シクロデキストリンの使用が放棄されることができるので、ポリマーのさらなる精製工程は不要である。
【0027】
コポリマーを加熱する際に、第二アルコールエステルもしくは第三アルコールエステルの熱的syn-脱離が行われる。その場合に生じるアルケンは、フォーム形成のための発泡剤として作用する。すなわち発泡は発泡剤を付加的に使用せずに行われる。それにもかかわらず、フォーム密度の調節のために、付加的な発泡剤、例えばアゾジカルボンアミド又は尿素の使用が可能である。添加される発泡剤の量は通常0〜20質量%であるが、しかしより高くてもよい。
【0028】
(メタ)アクリルエステルについてのコモノマーとしての(メタ)アクリルアミドの使用は、メタクリロニトリル及び(メタ)アクリルエステルの共重合に比較して、(メタ)アクリルアミドの窒素上の水素原子が置換されることによるN−置換イミドが入手可能であるという利点を提供する。
【0029】
本発明により製造されるポリマーは、フォーム又は、またN−置換された、PMI−成形材料の製造に適している。
【0030】
実施例
ポリ(t−ブチルメタクリレート−コ−N−メタクリルアミド)の合成
【0031】
【化2】

【0032】
例1:
KPG−撹拌機及び窒素−フィードを備えた4L−三つ口フラスコを3回真空排気し、アルゴンを通気した。超音波浴中で脱気した蒸留水3400mLをフラスコ中へ導入した。注射針を用いてアルゴンを溶液に10時間導通させた。次に、アルゴン−向流下にメタクリルアミド24.03g(0.282mol)及びt−ブチルメタクリレート45.83mL(0.282mol)を添加した。反応バッチを、新たに激しく撹拌しながら何度も脱気し、アルゴンを通気した。1h撹拌後に反応混合物を40℃に加熱した。次に、開始剤溶液1mL(レドックス−開始剤K及びNa)を反応溶液中へピペットで添加したので、開始剤濃度はモノマーに対して1mol%であった。共重合を4h後に氷浴中での冷却により及び空気の押し込みにより終了させた。沈殿したコポリマーをろ別し、水3×100mLで洗浄し、引き続いて高真空中で乾燥させた。コポリマーは80%の収率で得られた。NMRによれば0.57の割合のアミドが組み込まれた。質量平均分子量は774 400g/molであり、数平均分子量は383 500g/molであり、かつ多分散性は2.0であった。コポリマーのガラス転移温度は125℃である。
【0033】
例2:
製造及び重合を例1に類似して行った。しかしながら単にメタクリルアミド0.41g(4.8mmol)及びt−ブチルメタクリレート0.68g(4.8mmol)を使用した。反応を250mL−三つ口フラスコ中で50℃の温度で実施した。重合を4h後に中断した。コポリマーは30%の収率で得られた。NMRによれば0.53の含分のアミドが組み込まれた。質量平均分子量は233 100g/molであり、数平均分子量は107 900g/molであり、かつ多分散性は2.2であった。コポリマーのガラス転移温度は122℃である。
【0034】
例3:
窒素−フィードを備えた100mL−三つ口フラスコを3回真空排気し、窒素を通気した。次に、開始剤溶液(水23mL中のレドックス−開始剤K 0.215g(0.8mmol)及びNa 0.15g)を三つ口フラスコ中へ導入した。反応バッチを窒素−雰囲気下に撹拌し、それぞれの反応温度に加熱した(第1表)。t−ブチルメタクリレート2.84g(20mmol)及びメタクリルアミド1.7g(20mmol)をメタノール7mL中に溶解させた。この混合物を一滴ずつ15分かけて開始剤溶液に滴加し、その間弱い窒素−流を溶液に導通させた。共重合を、それぞれの反応期間(第1表)後に、抑制剤としてのメチルヒドロキノン0.1gの添加により終了させた。沈殿したコポリマーをろ別し、メタノール200mLで洗浄し、ろ別し、新たにメタノール3×50mLで洗浄し、引き続いて高真空中で乾燥させ、かつ分析した。
【0035】
【表1】

【0036】
例4:
窒素−フィードを備えた100mL−三つ口フラスコを3回真空排気し、窒素を通気した。メタクリルアミド2.55g(20mmol)を、脱気した蒸留水30mL中に溶解させた。次に、撹拌しながら及び窒素−向流中でt−ブチルメタクリレート2.84g(30mmol)を添加した。乳濁液を窒素−雰囲気下に10分撹拌し、引き続いてそれぞれの反応温度に加熱した。共重合を開始剤(K 0.27g(1mmol)及びNa 0.19g(1mmol))の添加により開始させた。共重合をそれぞれの反応期間(第2表)後に、抑制剤としてのメチルヒドロキノン0.1gの添加により終了させた。沈殿したコポリマーをろ別し、メタノール200mLで洗浄し、ろ別し、新たにメタノール3×50mLで洗浄し、引き続いて高真空中で乾燥させ、かつ分析した。
【0037】
【表2】

【0038】
ポリ(メタクリルイミド)へのコポリマーの加熱分解
【0039】
【化3】

【0040】
例5〜9:例1からのコポリマーの発泡
例1からのコポリマーを微細に粉末化し、直径1.25mm(例5、8、9)又は40mm(例6、7)を有するタブレットに加工した。タブレットを、第3表に記載された条件下で加熱することにより発泡させた。コポリマーフォームの組成をNMRを用いて、ガラス転移温度をDSCを用いて決定した。
【0041】
【表3】

【0042】
例10〜12:例2からのコポリマーの発泡
例2からなるコポリマーを微細に粉末化し、直径1.25mmを有するタブレットに加工した。タブレットを、第4表に記載された条件下で加熱することにより発泡させた。コポリマーフォームの組成をNMRを用いて、分子量をPS標準に基づく体積排除クロマトグラフィーを用いて、かつガラス転移温度をDSCを用いて決定した。
【0043】
【表4】

【0044】
比較例1:
メタクリル酸5700g、メタクリロニトリル4380g及びアリルメタクリレート31gからなる混合物に、発泡剤としてイソプロパノール330g及びホルムアミド100gを添加した。さらに、混合物にt−ブチルペルピバレート4g、t−ブチルペル−2−エチル−ヘキサノエート3.2g、t−ブチルペルベンゾエート10g、クミルペルネオデカノエート10.3g、酸化マグネシウム22g、離型剤(PAT 1037a) 15g及びヒドロキノン0.07gを添加した。
【0045】
この混合物を40℃で68h及び大きさ50×50cmの2枚のガラス板及び18.5mm厚さのエッジシール(Randabdichtung)から形成された室中で重合させた。引き続いて、該ポリマーを最終重合のために32h、32℃から115℃までに達する熱処理プログラムにかけた。
【0046】
その後の発泡を205℃で2h25min行った。こうして得られたフォームは235kg/mの容積重を有していた。
【0047】
比較例2:
71kg/mの容積重を有するフォームをDE 33 46 060に従って製造し、その場合にDMMP 10質量部を防炎加工剤として使用した。このためには、メタクリル酸5620g及びメタクリロニトリル4380gの等モル部からなる混合物に、ホルムアミド140g及び水135gを発泡剤として添加した。さらに、混合物にt−ブチルペルベンゾエート10.0g、t−ブチルペルピバレート4.0g、t−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート3.0g及びクミルペルネオデカノエート10.0gを開始剤として添加した。さらにまた、混合物にジメチルメタンホスホネート(DMMP)1000gを防炎加工剤として添加した。最終的に、混合物は離型剤(MoldWiz) 20g及びZnO 70g及びヒドロキノン0.07gを含有していた。
【0048】
この混合物を40℃で92h、大きさ50×50cmの2枚のガラス板及び2.2cm厚さのエッジシールから形成された室中で重合させた。引き続いて、ポリマーを最終重合のために17.25h、40℃から115℃までに達する熱処理プログラムにかけた。その後の発泡を215℃で2h行った。
【0049】
こうして得られたフォームは71kg/mの容積重を有していた。
【0050】
比較例3
このためには、メタクリル酸5700g及びメタクリロニトリル4300gの混合物にホルムアミド140g及び水135gを発泡剤として添加した。さらに、混合物にt−ブチルペルベンゾエート10.0g、t−ブチルペルピバレート4.0g、t−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート3.0g及びクミルペルネオデカノエート10gを開始剤として添加した。さらにまた、混合物にジメチルメタンホスホネート(DMMP)1000gを防炎加工剤として添加した。最終的に混合物は離型剤(PAT)15g及びZnO 70g及びヒドロキノン0.07gを含有していた。
【0051】
この混合物を40℃で92h、大きさ50×50cmの2枚のガラス板及び2.2cmの厚さのエッジシールから形成された室中で重合させた。引き続いて、ポリマーを最終重合のために17.25h、40℃から115℃までに達する熱処理プログラムにかけた。その後の発泡を220℃で2h行った。
【0052】
こうして得られたフォームは、51kg/mの容積重を有していた。
【0053】
比較例4
本質的には、発泡を210℃で行い、それゆえ得られたフォームの容積重が110kg/mであった以外は、比較例2の場合のように実施した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)式I
C=CRCONHR
で示される(メタ)アクリルアミド(A)、ここで:
=H又はCHであり、
は、付加的に、典型的な有機官能価、例えばエーテル官能基、アルコール官能基、酸官能基、エステル官能基、アミド官能基、イミド官能基、ホスホン酸官能基、ホスホン酸エステル官能基、リン酸エステル官能基、ホスフィン酸官能基、ホスフィン酸エステル官能基、スルホン酸官能基、スルホン酸エステル官能基、スルフィン酸官能基、スルフィン酸エステル官能基の形の酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びリン原子、ケイ素原子、アルミニウム原子及びホウ素原子又はまたハロゲン、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨウ素を有していてよい、炭素原子36個までを有するアルキル基又はアリール基であり、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル、又は−R−PO(OR;[ここでRは炭素原子12個までを有するアルキル基であり、かつRは炭素原子4個までを有するアルキルである]、メチレンジメチルホスホネート、メチレンジエチルホスホネートを意味することができる、
B)アルキル(メタ)アクリルエステル HC=CRCOOR
ここで:Rは前記の意味を有し、Rはイソプロピル又はt−ブチルの意味であるとみなしてよいか又はイソブチルとみなしてよく、さらにRはより長鎖の第二アルコール又はより長鎖の第三アルコールであってもよい、
C)水含有希釈剤
及び場合により、A)又はB)と共重合性の別のモノマー
からなるコポリマーの製造方法において、
モノマーA)及びB)を1:10〜10:1のモル比で使用することを特徴とする、コポリマーの製造方法。
【請求項2】
モノマーA)及びB)を1:5〜5:1のモル比で使用する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
モノマーA)及びB)を1:2〜2:1のモル比で使用する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
希釈剤C)として、メタノール、水及び場合により別の有機溶剤からなる混合物を使用する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
希釈剤C)の50質量%超が水からなる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
希釈剤C)の80質量%超が水からなる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
モノマー(B)としてt−ブチルメタクリレートを使用する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
コポリマーを、ガス状の反応生成物の脱離下に加熱することにより反応させてポリメタクリルイミドへ変換する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
コポリマーのアルキルエステルをまず最初に触媒反応により脱離させ、反応生成物を第二工程において加熱することにより反応させてポリメタクリルイミドへ変換する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記請求項のいずれか1項記載のコポリマー並びに付加的な発泡剤を含有している、組成物。
【請求項11】
発泡剤が、炭素原子3〜8個を有するアルコール、尿素、N−モノメチル尿素及び/又はN,N′−ジメチル尿素、ギ酸、ホルムアミド及び/又は水である、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
フォームの製造方法において、
請求項1から11までのいずれか1項記載のコポリマー又は組成物を成形体にプレスし、引き続いて加熱することにより発泡させることを特徴とする、フォームの製造方法。
【請求項13】
一般的な成形材料としての、請求項1から11までのいずれか1項により得ることができるコポリマーの使用。
【請求項14】
フォームの製造のための、請求項13記載の成形材料の使用。
【請求項15】
請求項13記載の成形材料を、フォーム押出し又はフォーム射出成形により加工する、フォーム体の製造方法。
【請求項16】
塗料の使用もしくは製造のための、請求項1から9までのいずれか1項により得ることができるコポリマーの使用。
【請求項17】
膜材料の使用もしくは製造のための、請求項1から9までのいずれか1項により得ることができるコポリマーの使用。
【請求項18】
サンドイッチ構造物における、請求項12、14及び15に挙げられたフォームの使用。
【請求項19】
宇宙船、航空機、船舶又は陸上車両における前記請求項のいずれか1項により製造可能なフォーム又はサンドイッチ構造物の使用。

【公表番号】特表2007−504289(P2007−504289A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524322(P2006−524322)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009472
【国際公開番号】WO2005/023883
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(390009128)レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (293)
【氏名又は名称原語表記】Roehm GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】