説明

ポリ乳酸系樹脂組成物およびそれからなるプリフォーム、ブロー成形ボトル

【課題】 透明性、耐熱性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物、プリフォーム、ブロー成形ボトルを提供する。
【解決手段】 ポリ乳酸(A)と、乳酸成分を30〜70質量%含有する乳酸系共重合ポリマー(B)と、少なくとも1つの水酸基を有するアミド系結晶核剤(C)とを含有するポリ乳酸系樹脂組成物であって、質量比率(A/B)が50/50〜95/5であり、(A)と(B)の合計100質量部に対して、(C)の含有量が0.01〜5質量部であり、下記(i)〜(iii)を満たす。
(i)DSCで20℃/分の昇温速度で測定した際の結晶化ピーク温度が60〜120℃。
(ii)DSCで測定した昇温過程の75℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間が10分以下、かつ結晶化熱量の絶対値が5〜25J/g。
(iii)DSCで測定した降温過程の130℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間が5分以上。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性と耐熱性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物、プリフォーム、ブロー成形ボトルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保全に関する社会的要求の高まりに伴い、微生物などにより分解される生分解性ポリマーが注目されている。生分解性ポリマーの具体例としては、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルや、テレフタル酸/1,4ブタンジオール/アジピン酸の共重合体などの脂肪族−芳香族共重合ポリエステル等のように、溶融成形可能なポリエステルが挙げられる。前記脂肪族ポリエステルの中でも、ポリ乳酸は、透明性が良好で、かつ最もガラス転移温度(Tg)が高い樹脂の1つであり、またトウモロコシやサツマイモなどの植物由来原料から大量生産可能なためコストが安く、このため石油原料の使用量削減にも貢献できることから、有用性が高い。しかし、例えば飲料容器のような保存容器として使用するには、耐熱性が低いという問題点があった。
【0003】
ポリ乳酸は一般的に結晶化速度が遅いため、金型を結晶化温度領域に設定しても工程中に結晶化が十分に進まず、その結果、正確な寸法の成形品が得られなかったり、あるいは成形品が得られた場合にも、結晶化により透明性を損なったり、耐熱性に劣るものであった。
【0004】
そこでポリ乳酸からなる成形体を結晶化させて耐熱性を付与する方法が開発されている。例えば、特許文献1、2では、ポリ乳酸にビスアミド化合物を添加することにより結晶化を促進する方法が開示されている。また特許文献3では、ポリ乳酸とポリ乳酸系共重合体とアミド系化合物とからなる樹脂組成物シートが開示されている。
しかし特許文献1、2に開示された樹脂組成物には、結晶化が速すぎてブロー成形できない、あるいは成形できた場合にも白化が起こり透明性を損なわれる問題があった。また特許文献3において使用されているアミド系化合物は樹脂との相溶性に劣るものであり、樹脂組成物やそれから得られる成形体の透明性が損なわれる問題があった。
【特許文献1】特許第3411168号公報
【特許文献2】特開2005−179619号公報
【特許文献3】特開2004−149692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、前記問題点を解決し、透明性、耐熱性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物、プリフォーム、ブロー成形ボトルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリ乳酸系樹脂の結晶化速度を制御することにより、前記問題点が解決できること見出し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)ポリ乳酸(A)と、乳酸成分を30〜70質量%含有する乳酸系共重合ポリマー(B)と、少なくとも1つの水酸基を有するアミド系結晶核剤(C)とを含有するポリ乳酸系樹脂組成物であって、(A)と(B)との質量比率(A/B)が50/50〜95/5であり、(A)と(B)の合計100質量部に対して、(C)の含有量が0.01〜5質量部であり、下記(i)〜(iii)を満たすポリ乳酸系樹脂組成物。
(i)示差走査型熱量計(DSC)で20℃/分の昇温速度で測定した際の結晶化ピーク温度が60〜120℃である。
(ii)DSCで測定した昇温過程の75℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間(tmax1)が10分以下であり、かつ結晶化熱量(ΔH)の絶対値が5〜25J/gである。
(iii)DSCで測定した降温過程の130℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間(tmax2)が5分以上である。
(2)上記(A)と(B)との質量比率(A/B)が50/50〜90/10であることを特徴とする(1)記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
(3)180℃で射出成形した厚み2mmの成形片のヘイズが15%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなることを特徴とするプリフォーム。
(5)口部が結晶化されたことを特徴とする(4)記載のプリフォーム。
(6)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなることを特徴とするブロー成形ボトル。
(7)口部が結晶化されたことを特徴とする(6)記載のブロー成形ボトル。
(8)胴部のヘイズが10%以下である(6)または(7)に記載のブロー成形ボトル。
(9)ポリ乳酸(A)と、乳酸成分を30〜70質量%含有する乳酸系共重合ポリマー(B)と、少なくとも1つの水酸基を有するアミド系結晶核剤(C)とを含有し、(A)と(B)との質量比率(A/B)が50/50〜95/5であり、(A)と(B)の合計100質量部に対して、(C)の含有量が0.01〜5質量部であるポリ乳酸系樹脂組成物からプリフォームを製造し、次いでこのプリフォームを加熱後、ブロー成形してブロー成形ボトルを製造する方法において、ブロー成形と同時に、ブロー成形ボトルを70〜130℃の金型内で保持するか、および/またはブロー成形の後に、ブロー成形ボトルを70〜130℃の温度に保持することを特徴とするブロー成形ボトルの製造方法。
(10)ブロー成形の前に、またはブロー成形の後に、口部を加熱結晶化することを特徴とする(9)記載のブロー成形ボトルの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ブロー成形の際に透明性を損なうことなく、実用性のある成形サイクル時間での加熱により結晶化可能で、結晶化後の透明性、耐熱性に優れた、ブロー成形ボトルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸(A)と、乳酸成分を30〜70質量%含有する乳酸系共重合ポリマー(B)と、少なくとも1つの水酸基を有するアミド系結晶核剤(C)とを含有する。
【0009】
本発明において、ポリ乳酸(A)は、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL−乳酸、またはこれらの混合体が使用できる。
乳酸系共重合ポリマー(B)と混合して得られるプリフォームやブロー成形体の融点は160℃以上であることが好ましい。プリフォームやブロー成形体の融点が160℃未満であると耐熱性に劣る場合がある。ところで、ポリ乳酸(A)の融点は、L−乳酸とD−乳酸の共重合比によって異なり、D−乳酸の含有率が増加するとポリ乳酸自体の結晶性が低下し、融点が低下する。そこで、プリフォームやブロー成形体の融点を160℃以上にする方法としては、D−乳酸の含有率が2モル%以下のポリ乳酸(A)を主体として用いる方法が挙げられる。D−乳酸の含有率が2モル%以下のポリ乳酸に、D−乳酸の含有率が10%以上で実質的に非晶性であるポリ乳酸を一部混合することにより、160℃以上の融点を有しつつ、結晶化度や結晶化速度を制御することができ、所望の結晶性を得る手法として有効である。
【0010】
ポリ乳酸(A)の重量平均分子量は、5万〜30万の範囲にあることが好ましく、より好ましくは8万〜25万であり、最も好ましくは10万〜20万ある。ポリ乳酸(A)の重量平均分子量が5万未満であると溶融粘度が低くすぎて、得られたブロー成形体は機械的特性に劣るものになり、重量平均分子量が30万を超えると溶融粘度が高くなりすぎて成形加工が困難となる。
【0011】
本発明において乳酸系共重合ポリマー(B)は、乳酸成分を30〜70質量%含有することが必要であり、30〜60質量%含有することが好ましい。乳酸成分の含有量が30質量%未満では、ポリ乳酸(A)との相溶性が悪く、透明なプリフォームやブロー成形体を得ることが難しい。また、含有量が70質量%を超えるとポリ乳酸(A)の結晶化速度を速める効果が小さく、結晶化に必要な熱処理時間が長くて実用性に劣り、しかも結晶化した際の透明性も劣る。
【0012】
乳酸系共重合ポリマー(B)において、乳酸成分以外の共重合成分としては、ジカルボン酸とジオールからなるポリエステルもしくはポリエーテルであることが好ましい。
ジカルボン酸成分は特に限定するものではないが、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。ポリ乳酸との相溶性の面から炭素数が10以下のジカルボン酸が好ましい。
【0013】
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等が挙げられる。ポリ乳酸との相溶性の面から炭素数が10以下のジオール酸が好ましい。
中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、または、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールといったポリエーテル成分が共重合されていることが好ましく、特に、ポリエーテルの重量平均分子量は200〜5000であることが好ましい。特定の重量平均分子量のポリエーテル成分を共重合することにより、ポリ乳酸との相溶性を低下させずに、ポリ乳酸に柔軟性を付与することができる。
【0014】
さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量用いてもよい。これらの共重合成分は2種以上併用してもよい。
【0015】
乳酸系共重合ポリマー(B)は、結晶性であり、その融点が130℃以上、特に140℃以上であることが好ましい。融点が130℃未満であると、ポリ乳酸(A)の結晶化温度範囲と乳酸系共重合ポリマー(B)の結晶化温度範囲のズレが大きくなり、昇温時の結晶化速度の向上効果が小さくなる。また、結晶化後の耐熱性が劣る場合がある。
【0016】
ポリ乳酸(A)および/または乳酸系共重合ポリマー(B)に存在する残留ラクチド量は、その量が多すぎるとポリ乳酸(A)の加水分解を促進することが知られている。本発明においては樹脂組成物中の残留ラクチド量は特に限定しないが、成形体の分解抑制の点から、0.6質量%以下であることが好ましい。残留ラクチド量が0.6質量%を超えると、結晶化は促進されるものの加水分解を促進する作用が強まってしまうため好ましくない。
【0017】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物において、ポリ乳酸(A)と乳酸系共重合ポリマー(B)との質量比率(A/B)は、50/50〜95/5であることが必要であり、50/50〜85/15であることが好ましい。ポリ乳酸(A)成分が50質量%未満では、ガラス転移温度や融点が低下して非晶状態の予備成形体の取り扱い性に劣ったり、ブロー成形体を結晶化しても耐熱性が低下する。一方、ポリ乳酸(A)成分が95質量%を超えると、結晶化速度の向上効果が小さく、成形加工の実用性に劣る。
【0018】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、少なくとも1つの水酸基を有するアミド系結晶核剤(C)を、ポリ乳酸(A)と乳酸系共重合ポリマー(B)合計100質量部に対して、0.01〜5質量部含有することが必要であり、0.05〜2質量部含有することが好ましく、0.1〜1質量部含有することがさらに好ましい。アミド系結晶核剤(C)の含有量が0.01質量部未満では結晶化を促進する効果に乏しく、一方、5質量部を超える場合は透明性が損なわれたり、加工性が低下し、また結晶化速度が適切な範囲から外れて外観不良を起こしたり、着色の原因になったりするため好ましくない。
【0019】
本発明において少なくとも1つの水酸基を有するアミド系結晶核剤(C)としては、ポリ乳酸(A)及び乳酸系共重合ポリマー(B)との相溶性が良好であり、かつポリ乳酸(A)及び乳酸系共重合ポリマー(B)からなるポリ乳酸系樹脂組成物の結晶化速度を高め、かつ、結晶化した時は透明性を維持するものが選択される。
このようなアミド系結晶核剤(C)の具体的な化合物としては、リシノレイン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、N−ヒドロキシエチル−リシノレイン酸アミド、N−ヒドロキシエチル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N′−エチレン−ビス−リシノレイン酸アミド、N,N′−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N′−ヘキサメチレン−ビス−リシノレイン酸アミド、N,N′−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N′−キシリレン−ビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。
この中でも特に、N,N′−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N′−ヘキサメチレンビス−リシノレイン酸アミド、N,N′−ヘキサメチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N′−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドが好適に用いられる。
これらのアミド系結晶核剤は、単独で使用しても複数組み合わせて使用してもよい。
【0020】
好ましく用いられるアミド系結晶核剤(C)の原料となるリシノレイン酸や12−ヒドロキシステアリン酸はヒマシ油をケン化分解して得られる脂肪酸で植物由来であり、これらを用いることもまた石油原料の使用量削減に貢献している。
【0021】
本発明におけるブロー成形体の結晶性を高めるためには、アミド系結晶核剤(C)の化学構造が対称構造であることがさらに好ましい。また、ポリ乳酸(A)および乳酸系共重合ポリマー(B)との相溶性を高めるためには、アミド系結晶核剤(C)中の炭素数が4〜60の範囲内にあることが好ましい。
【0022】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は下記(i)〜(iii)を満たす必要がある。
(i)示差走査型熱量計(DSC)で20℃/分の昇温速度で測定した際の結晶化ピーク温度が60〜120℃である。
(ii)DSCで測定した昇温過程の75℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間(tmax1)が10分以下であり、かつ結晶化熱量(ΔH)の絶対値が5〜25J/gである。
(iii)DSCで測定した降温過程の130℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間(tmax2)が5分以上である。
なお、上記、結晶化ピーク温度、tmax1、tmax2、結晶化熱量の絶対値の具体的な測定方法は実施例の欄に記載した。
【0023】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物において、DSCで20℃/分の昇温速度で測定した際の結晶化ピーク温度が60℃未満であると、プリフォームを軟化するための加熱時に結晶化してしまい、ブロー成形性に劣る場合がある。また、結晶化ピーク温度が120℃を超えると結晶化に時間がかかりすぎて成形加工の実用性に劣るばかりか、結晶化後に白化しやすい。結晶化ピーク温度は60℃〜100℃であることがさらに好ましい。
【0024】
また、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物において、昇温過程の75℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間(tmax1)が10分を超える場合は、結晶化が遅すぎるため上記同様の実用性に劣る。
また、結晶化熱量の絶対値が5J/g未満であると、ブロー成形時に十分に結晶化が進まず、一方、結晶化熱量の絶対値が25J/gを超えると、結晶化時に白化しやすい。透明性と耐熱性を両立するためには、結晶化熱量の絶対値は10〜25J/gであることがさらに好ましい。
【0025】
さらに、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物において、降温過程の130℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間(tmax2)が5分未満である場合は、結晶化が速すぎるためプリフォーム成形時に結晶化してしまい、白化が起こるため透明性に劣るだけでなく、その後のブロー工程を行うことができず成形性も劣ることがある。
【0026】
本発明においては、上記特定範囲に加えて、{(tmax2)−(tmax1)}および{(tmax2)/(tmax1)}の値が大きいほど好ましい。具体的に、{(tmax2)−(tmax1)}は、5以上が好ましく、8以上がさらに好ましく、15以上が特に好ましい。{(tmax2)/(tmax1)}は2以上が好ましく、3以上がさらに好ましく、5以上が特に好ましい。
【0027】
本発明において、ポリ乳酸系樹脂組成物の結晶化ピーク温度、tmax1、tmax2、結晶化熱量の絶対値を上記範囲に設定する方法としては、樹脂組成物を構成するポリ乳酸(A)を選定し、乳酸系共重合ポリマー(B)やアミド系結晶核剤(C)の種類や添加量を調整する方法、溶融混合時の混練条件を調整する方法などが挙げられる。
【0028】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、180℃で射出成形した厚み2mmの成形片のヘイズが15%以下であることが好ましく、12%以下であることがより好ましい。透明性に優れたボトルを成形するためには、プリフォームは透明である必要がある。この成形片におけるヘイズが15%以上であると、射出成形したプリフォームが白化してしまい、その結果、透明性に優れたボトルが得られ難い傾向となる。
【0029】
本発明の樹脂組成物には、その特性を損なわない限り、本発明で規定する以外のタルク、スメクタイト、バーミキュライト、膨潤性フッ素雲母などに代表される層状珪酸塩などの無機系の結晶核剤、あるいは他の有機系結晶核剤を含有させてもよい。その含有量は、0.1〜15質量%の範囲であることが好ましい。含有量が0.1質量%未満であると結晶核剤としての効果を十分発揮できなくなり、含有量が15質量%を超えると透明性が低下したり、成形品が脆くなるなど物性に悪影響を与えてしまう。これらの無機および有機の結晶核剤は、単独で使用しても複数組み合わせて使用してもよい。
【0030】
また、本発明の樹脂組成物には、ポリ乳酸の結晶化速度をより促進するために必要に応じて有機過酸化物などの架橋剤や架橋助剤を併用して、ポリ乳酸に極軽度の架橋を施すことも可能である。
【0031】
架橋剤としては、n−ブチル−4,4−ビス−t−ブチルパーオキシバリレート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−t−ブチルパーオキシヘキシン−3などの有機過酸化物、無水フタル酸、無水マレイン酸、トリメチルアジピン酸、無水トリメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸、蟻酸リチウム、ナトリウムメトキシド、プロピオン酸カリウム、マグネシウムエトキシドなどの金属錯体、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルなどのエポキシ化合物、ジイソシアネート、トリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物などが挙げられる。架橋剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して0.01〜20質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜3質量部であることがさらに好ましい。
【0032】
架橋助剤としては、トリメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ノルマル−ブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられる。架橋助剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して0.02〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。架橋助剤の添加量が0.02質量部未満では反応性を高める効果が低く、20質量部を超える場合には、コスト面で好ましくない。
【0033】
本発明の樹脂組成物には、耐久性向上のために、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物およびオキサゾリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の末端封鎖剤を添加してもよい。末端封鎖剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましく、0.05〜2質量部であることがより好ましい。
【0034】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤、紫外線防止剤、光安定剤、防曇剤、防霧剤、帯電防止剤、難燃剤、着色防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、離型剤、防湿剤、酸素バリア剤などをブロー成形ボトルの特性を損なわない範囲で添加あるいはコートしてもよい。
【0035】
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されないが、全ての原料をドライブレンドして成形機の供給ホッパーから投入しても構わないし、あるいは予め溶融混練などの公知の方法でペレット化したものを成形機に供給しても構わない。溶融混練に際しては、単軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダーなどの一般的な混練機を使用することができ、添加剤の分散性向上のためには二軸押出機を使用することが好ましい。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、各種ブロー成形法によって、ボトル形状に成形することができる。ブロー成形法としては、特に限定されないが、押出成形でプリフォームを成形後にブロー成形を行うダイレクトブロー法や、射出成形でプリフォーム(有底パリソン)を成形後にブロー成形を行う射出ブロー成形法などが挙げられる。
後者の射出ブロー成形法としては、プリフォーム成形後に連続してブロー成形を行うホットパリソン法(1ステージ法とも呼ばれる)や、いったんプリフォームを冷却し取り出してから再度加熱してブロー成形を行うコールドパリソン法(2ステージ法とも呼ばれる)のいずれの方法も採用できる。
本発明の樹脂組成物は、降温時の結晶化が遅く、昇温時の結晶化が速いという特徴から、射出成形により透明なプリフォームを予め成形しておき、そのプリフォームを再加熱してブロー成形を行うコールドパリソン法を用いることが特に好ましい。
【0037】
本発明において、ポリ乳酸系樹脂組成物から、従来公知の方法、たとえば射出成形や押出成形などで得られたプリフォームは、65〜120℃、好ましくは70〜110℃に加熱して、ブロー成形することによって、ブロー成形ボトルを得ることができる。
プリフォームの予熱温度が低すぎると、軟化が不十分でブローすることができず、加熱温度が高すぎたり時間が長すぎると、プリフォームの結晶化が進行し過ぎて成形性や透明性が低下する。
なお、ブロー成形における延伸倍率は、特に限定されないが、(縦延伸倍率×横延伸倍率)で5〜15倍、好ましくは6〜10倍であることが望ましい。
【0038】
本発明においては、ブロー成形と同時に、ブロー成形ボトルを70〜130℃の金型内で保持することが好ましく、または、ブロー成形後に、ブロー成形ボトルを70〜130℃の雰囲気温度に保持することが好ましい。70〜130℃の金型で成形したブローボトルを、さらに70〜130℃の雰囲気温度に保持してもよい。
ブロー成形ボトルを、70〜130℃、より好ましくは80〜120℃の金型温度や雰囲気温度で1秒以上、より好ましくは3秒以上保持することにより、結晶化が促進されるため、ブロー成形ボトルの耐熱性およびバリア性を向上させることができる。
なお、金型温度や雰囲気温度が70℃未満であるとポリ乳酸の結晶化が進行しなくなり、一方、これらの温度が130℃を超えるとポリ乳酸の結晶化が極端に遅くなるとともに、ポリ乳酸の融点に近づくため結晶が融解してしまうおそれがあり、結果的に結晶化による硬化が遅れ離型に必要な剛性を得るのに時間がかかってしまうため好ましくない。
【0039】
本発明においては、プリフォームやブロー成形ボトルの口部は結晶化されていることが好ましい。口部が結晶化されることによって、口部の機械的強度や耐熱性を向上させることができる。
口部を結晶化する方法としては、ブロー成形の前に、またはブロー成形の後に、口部を加熱結晶化する方法が挙げられる。加熱結晶化する温度としては、60〜130℃が好ましく、70〜120℃がより好ましい。本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、昇温時の結晶化が速いので、プリフォームの口部またはボトルの口部を高速で結晶化させることができる。
【0040】
上記方法によって製造されるプリフォームやブロー成形ボトルの形状・肉厚は、特に限定されないが、透明性のためには、プリフォームの肉厚は、10mm以下であることが好ましく、6mm以下であることがさらに好ましく、5mm以下であることがより好ましい。また、強度の点から、ブロー成形ボトルの肉厚は、0.1mm以上であることが好ましく、0.1〜5mmであることがより好ましく、0.3〜2mmであることがさらに好ましい。
【0041】
ブロー成形ボトルの具体的な使用例としては、乳製品や清涼飲料水や酒類などのための飲料用コップおよび飲料用ボトル、醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、食用油などの調味料の一時保存容器、シャンプー、リンスなどの容器、化粧品用容器、農薬用容器などが挙げられる。
【実施例】
【0042】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例における樹脂組成物の原料、および、特性値の測定法は、次の通りである。
(原料)
(1)ポリ乳酸(A):NatureWorks製 4032D、D−乳酸含有率1.4mol%、重量平均分子量(MW)=160,000、Tg59℃、Tm167℃。
(2)乳酸系共重合ポリマー(B):大日本インキ化学工業製 プラメートPD−350、乳酸成分含有量50質量%、Tm154℃。
(3)アミド系結晶核剤(C):N,N′−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、川研ファインケミカル製 WX−1。
【0043】
(測定法)
(1)結晶化ピーク温度:
DSC(パーキンエルマー社製DSC7)を用い、25℃から200℃に20℃/分で昇温し、その温度を10分間維持した。その後−55℃まで−20℃/分で降温し、再び200℃まで20℃/分で昇温した。2回目の昇温時に得られた発熱ピークのトップを樹脂の結晶化ピーク温度とした。
【0044】
(2)昇温時結晶化のtmax1および結晶化熱量ΔH(J/g):
樹脂組成物について、DSCを用いて200℃まで500℃/分で昇温して、5分間維持した。その後、−500℃/分で0℃まで降温して、5分間維持した。さらにその後、75℃まで500℃/分で昇温して、その温度を保持して樹脂を等温結晶化させた。この際に得られる等温結晶化曲線において、等温結晶化の温度(75℃)に到達してから結晶化による発熱ピークがピークトップを示すまでの時間をtmax1とした。この時間が短いほど、昇温時の結晶化の速い樹脂であると判断できる。等温結晶化時の発熱ピークとベースラインで囲まれる面積をΔH(J/g)とした。
【0045】
(3)降温時結晶化のtmax2および結晶化熱量ΔH(J/g):
樹脂組成物について、DSCを用いて200℃まで500℃/分で昇温して、5分間維持した。その後、−500℃/分で130℃まで降温して、その温度を保持して樹脂を等温結晶化させた。この際に得られる等温結晶化曲線において、等温結晶化の温度(130℃)に到達してから結晶化による発熱ピークがピークトップを示すまでの時間をtmax2とした。この時間が長いほど、降温時の結晶化の遅い樹脂であると判断できる。等温結晶化時の発熱ピークとベースラインで囲まれる面積をΔH(J/g)とした。
【0046】
(4)樹脂組成物のヘイズ:
射出成形機(東芝機械社製IS−80G型)を用い、樹脂温度180℃、金型温度15℃、射出圧60%、射出時間10秒、冷却時間10秒、インターバル2秒とし、厚み2mmのカラープレートを成形した。この成形品について、日本電色工業社製NDH−2000型濁度・曇り度計を用いて、測定を行った。
【0047】
(5)ブロー成形ボトルのヘイズ:
ブロー成形ボトルの胴部からサンプル(厚み0.4mm)を切り出し、このサンプルについて、日本電色工業社製NDH−2000型濁度・曇り度計を用いて、測定を行った。
【0048】
(6)成形性:
(6−1)口部結晶化:
○:変形なくサイクル時間内で口部結晶化が行える。
×:変形が生じてサイクル時間内で口部結晶化が行えない。
(6−2)ブロー成形:
○:生産性の良い安定したブロー成形が行える。
△:口部結晶化ができなかったため、ブロー成形が生産性良く行えない。
×:破裂によりブロー成形が行えない。
【0049】
(7)耐熱性:
ブロー成形ボトルを90℃の熱風乾燥機の中で30分間熱処理を行い、熱処理前後の外観、形状を比較して評価した。
○:熱処理前後で、外観、形状の変化がない。
×:熱処理前後で、外観、形状が変化した。
【0050】
実施例1
[樹脂組成物Aの製造]
ポリ乳酸(A)92.5質量部と、乳酸系共重合ポリマー(B)7.5質量部と、アミド系結晶核剤(C)1.0質量部とをドライブレンドし、スクリュー径30mmφの二軸押出機(池貝社製PCM−30)を用いて、190℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量100g/minで溶融混練を行い、樹脂組成物Aを得た。
[プリフォームの成形]
射出ブロー成形機(日精ASB機械製 ASB−50)を用いて、上記樹脂組成物Aの融解開始温度Tmまたは流動開始温度以上の温度で溶融して、口径28mm、胴部厚み3.7mmのプリフォーム(有底パリソン)を得た。
主要な成形条件は、樹脂乾燥温度60℃、乾燥時間12時間以上、バレル温度150℃〜180℃、ホットランナー温度180℃、射出型設定水温度16℃、射出時間16秒、冷却時間25秒、V−P時間1.1秒、保圧3.7MPa、計量時間2.8秒、計量スクリュー回転数100RPM、成形サイクル49秒である。
[プリフォーム口部の結晶化]
口部結晶化装置(日精ASB機械製 CM−2000)を用いて、上記にて成形されたプリフォームの口部を熱処理により結晶化させた。
主要な結晶化条件は、口部加熱ヒータ設定50〜60%、口部内面矯正コア設定温度40℃、矯正コア挿入深さ20.8mm(口部天面より)、サイクル1600本/時間である。
[ブロー成形ボトルの成形]
ブロー成形機HSO−6(日精ASB機械製)の1次ブロー型設置位置に最終型を設置して、ワンブロー機として使用した。ここでワンブローとは、プリフォームを再加熱してブロー成形する工程において、ブロー金型を1つだけ使用する成形方法のことを称する。上記口部結晶化処理後のプリフォームを、85℃の金型にてブロー成形し、容量350ml、胴部厚み約0.4mmのブロー成形ボトルを得た。得られたボトルの耐熱性、ヘイズを表1に示した。
主要な成形条件は、プリフォーム再加熱ヒータ設定32〜43%(プリフォーム表面実測温度72℃)、加熱後プリフォーム温度70〜74℃、1次ブロー型設定温度20℃、1次上底型設定温度20℃、1次ブロー時間3秒、成形サイクル7.5秒である。
【0051】
実施例2
表1の組成にした以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物Bを得た。樹脂組成物Bを用いて実施例1と同様にして、プリフォーム、ブロー成形ボトルを得た。得られたボトルの耐熱性、ヘイズを表1に示した。
【0052】
比較例1
表1の組成にした以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物Cを得た。樹脂組成物Cを用いて実施例1と同様の方法でプリフォームを成形したが、昇温時の結晶化が遅く、口部結晶化ができなかった。次に、口部結晶化をしなかった以外は実施例1と同様にして、ブロー成形ボトルを得た。
主要な成形条件は、プリフォーム再加熱ヒータ設定32〜43%(プリフォーム表面実測温度85℃)、加熱後プリフォーム温度約80〜90℃、ブロー型設定温度20℃、上底型設定温度20℃、ブロー時間3秒、成形サイクル7.5秒である。
【0053】
比較例2
表1の組成にした以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物Dを得た。樹脂組成物Dを用いて実施例1と同様の方法でプリフォームを成形したが、降温時の結晶化が速いため、プリフォーム成形時に結晶化が起こってしまい、白濁したプリフォームが得られた。次に、比較例1と同様にブロー成形を試みたが、すでに結晶化が起こってしまっているため、プリフォームを予熱しても延伸が行えず破裂してしまい、ブロー成形ボトルを得ることはできなかった。
【0054】
【表1】

【0055】
表1に示したとおり本発明の樹脂組成物AやBからなるボトルは成形性、耐熱性ともに良好であった。
一方、アミド系結晶核剤を含まない樹脂組成物Cでは、口部結晶化が出来ないため成形性に劣り、かつ耐熱性も低かった。乳酸系共重合ポリマーを含まない樹脂組成物Dでは、特性値を特定の範囲内にすることができなかったため、ブロー成形性に劣った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ乳酸(A)と、乳酸成分を30〜70質量%含有する乳酸系共重合ポリマー(B)と、少なくとも1つの水酸基を有するアミド系結晶核剤(C)とを含有するポリ乳酸系樹脂組成物であって、(A)と(B)との質量比率(A/B)が50/50〜95/5であり、(A)と(B)の合計100質量部に対して、(C)の含有量が0.01〜5質量部であり、下記(i)〜(iii)を満たすポリ乳酸系樹脂組成物。
(i)示差走査型熱量計(DSC)で20℃/分の昇温速度で測定した際の結晶化ピーク温度が60〜120℃である。
(ii)DSCで測定した昇温過程の75℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間(tmax1)が10分以下であり、かつ結晶化熱量(ΔH)の絶対値が5〜25J/gである。
(iii)DSCで測定した降温過程の130℃における等温結晶化曲線の発熱ピークがピークトップを示すまでの時間(tmax2)が5分以上である。
【請求項2】
(A)と(B)との質量比率(A/B)が50/50〜90/10であることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
【請求項3】
180℃で射出成形した厚み2mmの成形片のヘイズが15%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなることを特徴とするプリフォーム。
【請求項5】
口部が結晶化されたことを特徴とする請求項4記載のプリフォーム。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物からなることを特徴とするブロー成形ボトル。
【請求項7】
口部が結晶化されたことを特徴とする請求項6記載のブロー成形ボトル。
【請求項8】
胴部のヘイズが10%以下である請求項6または7に記載のブロー成形ボトル。
【請求項9】
ポリ乳酸(A)と、乳酸成分を30〜70質量%含有する乳酸系共重合ポリマー(B)と、少なくとも1つの水酸基を有するアミド系結晶核剤(C)とを含有し、(A)と(B)との質量比率(A/B)が50/50〜95/5であり、(A)と(B)の合計100質量部に対して、(C)の含有量が0.01〜5質量部であるポリ乳酸系樹脂組成物からプリフォームを製造し、次いでこのプリフォームを加熱後、ブロー成形してブロー成形ボトルを製造する方法において、ブロー成形と同時に、ブロー成形ボトルを70〜130℃の金型内で保持するか、および/またはブロー成形後に、ブロー成形ボトルを70〜130℃の温度に保持することを特徴とするブロー成形ボトルの製造方法。
【請求項10】
ブロー成形の前に、またはブロー成形の後に、口部を加熱結晶化することを特徴とする請求項9記載のブロー成形ボトルの製造方法。

【公開番号】特開2008−308613(P2008−308613A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158979(P2007−158979)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】