説明

ポール式視線誘導標用カバー

【課題】ポール式視線誘導標に装着されるポール式視線誘導標用カバーの問題点を解消する。具体的には、劣化などで低下したポール式視線誘導標の視認性を回復させるだけでなく、新品時を超える良好な視認性をポール式視線誘導標に付与する。
【解決手段】ポール式視線誘導標Pに装着されるポール式視線誘導標用カバー1であって、ポール式視線誘導標Pの外周面を覆う筒部2と、該筒部2の外周面から外方に延出し、ポール式視線誘導標Pの視認幅を拡張する翼部3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポール式視線誘導標に装着されるポール式視線誘導標用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
車線分離などの目的で道路に設置されるポール式視線誘導標が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のポール式視線誘導標は、外周面に再帰性反射シートなどを貼着することにより、良好な視認性を確保しているが、長期に亘って設置すると、表面の汚れ、劣化、損傷などに起因し、視認性が低下するという問題がある。汚れを原因とする場合は、清掃作業により視認性を随時回復可能であるが、劣化や損傷を原因とする場合は、ポール式視線誘導標の本体を交換しないと視認性の回復が難しいため、交換費用が嵩むという問題があった。
【0003】
そこで、ポール式視線誘導標に装着するポール式視線誘導標用カバーが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この種のポール式視線誘導標用カバーは、新品時のポール式視線誘導標と同等の視認性を備えているので、ポール式視線誘導標に被せるだけで、ポール式視線誘導標の視認性を回復することができ、その結果、ポール式視線誘導標を交換する場合に比して大幅なコストの削減が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3290310号公報
【特許文献2】特開平5−156612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなポール式視線誘導標用カバーによれば、劣化などで低下したポール式視線誘導標の視認性を新品時と同等なレベルまで回復させることが可能であるが、新品時を超えるような視認性をポール式視線誘導標に付与することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、ポール式視線誘導標に装着されるポール式視線誘導標用カバーであって、前記ポール式視線誘導標の外周面を覆う筒部と、該筒部の外周面から外方に延出し、前記ポール式視線誘導標の視認幅を拡張する翼部とを備えることを特徴とする。
また、前記翼部は、前記筒部の外周面において上下方向に沿って連続的に形成されることを特徴とする。
また、前記翼部は、前記筒部の外周面において周方向に所定の間隔を存して複数形成されることを特徴とする。
また、平面視で直線的に連続する一対の前記翼部を有し、該一対の前記翼部が正面視で視認幅全域にわたるフラットな表示面を形成することを特徴とする。
また、前記筒部及び前記翼部は、左右方向に沿い、かつ、上下方向に並列する複数の条列からなる縞模様を有し、前記翼部は、前記条列を長さ方向に延長させる方向に延出されることを特徴とする。
また、前記筒部及び前記翼部は、再帰性反射シートを用いて形成されることを特徴とする。
また、前記筒部及び前記翼部の表面には、親水性のセルフクリーニングフィルムが積層されることを特徴とする。
また、前記筒部の内周面を前記ポール式視線誘導標の外周面に両面粘着テープで固定するにあたり、一方の粘着面に剥離紙が貼られた前記両面粘着テープの他方の粘着面を、予め前記筒部の内周面に上下方向に沿って貼り付けると共に、前記剥離紙の下端部に連結される長尺物の上端部を前記筒部の上部開口から引き出したことを特徴とする。
また、所定の間隔を存して立設される複数のポール式視線誘導標に装着される複数のポール式視線誘導標用カバーであって、複数のポール式視線誘導標用カバーの組み合せで所定の絵柄又は文字が表示されるように、所定の絵柄又は文字を分割して各ポール式視線誘導標用カバーの外観に施したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、ポール式視線誘導標用カバーは、ポール式視線誘導標の外周面を覆う筒部と、該筒部の外周面から外方に延出し、ポール式視線誘導標の視認幅を拡張する翼部とを備えるので、劣化などで低下したポール式視線誘導標の視認性を回復させることができるだけでなく、新品時を超える良好な視認性をポール式視線誘導標に付与することができる。
また、請求項2の発明によれば、翼部は、筒部の外周面において上下方向に沿って連続的に形成されるので、上下方向の全域においてポール式視線誘導標の視認幅を拡張することができる。
また、請求項3の発明によれば、翼部は、筒部の外周面において周方向に所定の間隔を存して複数形成されるので、様々な視点においてポール式視線誘導標の視認幅を拡張することができる。
また、請求項4の発明によれば、平面視で直線的に連続する一対の前記翼部を有し、該一対の前記翼部が正面視で視認幅全域にわたるフラットな表示面を形成するので、フラットな表示面において視認性の高い表示を行うことができる。例えば、フラットな表示面において縞模様、絵柄、文字などを表示するようにした場合、曲面による縞模様、絵柄、文字などの歪みを防止し、表示する縞模様、絵柄、文字などの視認性を高めることができる。
また、請求項5の発明によれば、筒部及び翼部は、左右方向に沿い、かつ、上下方向に並列する複数の条列からなる縞模様を有し、翼部は、条列を長さ方向に延長させる方向に延出されるので、縞模様を強調することができ、その結果、ポール式視線誘導標の視認性をさらに向上させることができる。
また、請求項6の発明によれば、筒部及び翼部は、再帰性反射シートを用いて形成されるので、夜間におけるポール式視線誘導標の視認幅を拡張し、夜間の視認性を向上させることができる。
また、請求項7の発明によれば、筒部及び翼部の表面には、親水性のセルフクリーニングフィルムが積層されるので、ポール式視線誘導標にセルフクリーニング機能を付与することができる。
また、請求項8の発明によれば、筒部の内周面をポール式視線誘導標の外周面に両面粘着テープで固定するにあたり、一方の粘着面に剥離紙が貼られた両面粘着テープの他方の粘着面を、予め筒部の内周面に上下方向に沿って貼り付けると共に、剥離紙の下端部に連結される長尺物の上端部を筒部の上部開口から引き出したので、ポール式視線誘導標に筒部を被せた後、筒部の上部開口から引き出された長尺物を上方に引っ張るだけで、両面粘着テープの一方の粘着面から剥離紙を剥がすことができ、その結果、剥離紙を剥がした状態で筒部をポール式視線誘導標に被せる場合に比べ、ポール式視線誘導標用カバーの装着容易性を向上させることができる。
また、請求項9の発明によれば、所定の間隔を存して立設される複数のポール式視線誘導標に装着される複数のポール式視線誘導標用カバーであって、複数のポール式視線誘導標用カバーの組み合せで所定の絵柄又は文字が表示されるように、所定の絵柄又は文字を分割して各ポール式視線誘導標用カバーの外観に施したので、視認幅が拡張された複数のポール式視線誘導標用カバーの組み合せで所定の絵柄又は文字を視認性良く表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(A)はポール式視線誘導標用カバーの平面図、(B)はポール式視線誘導標用カバーの左側面図、(C)はポール式視線誘導標用カバーの正面図である。
【図2】ポール式視線誘導標用カバーの斜視図である。
【図3】(A)は使用状態を示すポール式視線誘導標用カバーの平面図、(B)は使用状態を示すポール式視線誘導標用カバーの左側面図、(C)は使用状態を示すポール式視線誘導標用カバーの正面図である。
【図4】使用状態を示すポール式視線誘導標用カバーの斜視図である。
【図5】(A)は翼部の数を1枚としたポール式視線誘導標用カバーの平面図、(B)は翼部の数を3枚としたポール式視線誘導標用カバーの平面図、(C)は翼部の数を4枚としたポール式視線誘導標用カバーの平面図である。
【図6】ポール式視線誘導標用カバーの層構造を示す拡大断面図である。
【図7】ポール式視線誘導標用カバーの翼部形成方法を示す正面図である。
【図8】(A)〜(C)はポール式視線誘導標用カバーの装着手順を示す斜視図である。
【図9】(A)は第二実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの平面図、(B)は第二実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの左側面図、(C)は第二実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの正面図、(D)は第二実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの右側面図、(E)は第二実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの背面図である。
【図10】(A)は第三実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの平面図、(B)は第三実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの左側面図、(C)は第三実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの正面図、(D)は第三実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの右側面図、(E)は第三実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの背面図である。
【図11】第四実施形態に係るポール式視線誘導標用カバーの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1〜図4において、1はポール式視線誘導標用カバーであって、該ポール式視線誘導標用カバー1は、劣化などで視認性が低下したポール式視線誘導標Pに装着し、当該ポール式視線誘導標Pの視認性を回復させるためのものである。
【0010】
本発明のポール式視線誘導標用カバー1は、ポール式視線誘導標Pの外周面を覆う筒部2と、該筒部2の外周面から外方に延出し、ポール式視線誘導標Pの視認幅を拡張する翼部3とを備えている。このように構成されたポール式視線誘導標用カバー1によれば、劣化などで低下したポール式視線誘導標Pの視認性を回復させることができるだけでなく、翼部3による視認幅の拡張に基づいて、新品時を超える良好な視認性をポール式視線誘導標Pに付与することが可能になる。
【0011】
また、翼部3は、筒部2の外周面において上下方向に沿って連続的に形成されることが好ましい。その理由は、上下方向の全域においてポール式視線誘導標Pの視認幅を拡張することができるからである。
【0012】
また、翼部3は、図5の(A)に示すように、1枚でも良いが、筒部2の外周面において周方向に所定の間隔を存して複数形成されることが好ましい。その理由は、様々な視点においてポール式視線誘導標Pの視認幅を拡張することができるからである。例えば、図1〜図4は、翼部3が2枚のポール式視線誘導標用カバー1を示し、図5の(B)は、翼部3が3枚のポール式視線誘導標用カバー1を示し、図5の(C)は、翼部3が4枚のポール式視線誘導標用カバー1を示しているが、翼部3の数は、5枚以上としても良い。
【0013】
また、筒部2及び翼部3は、左右方向に沿い、かつ、上下方向に並列する複数の条列4からなる縞模様5を有する。例えば、白色の条列4と、オレンジ色の条列4を交互に並列させた縞模様5とする。このとき翼部3は、条列4を長さ方向に延長させる方向に延出されることが好ましい。その理由は、翼部3を形成することにより縞模様5が強調され、ポール式視線誘導標Pの視認性がさらに向上するからである。
【0014】
次に、ポール式視線誘導標用カバー1の層構造について、図6を参照して説明する。
【0015】
図6に示すように、本実施形態に係るポール式視線誘導標用カバー1の筒部2及び翼部3は、ベースシート6に、反射シート7及び表面フィルム8を積層した3層構造のシート体9からなり、ベースシート6としては、EVAターポリン、ウレタンターポリン、オレフィンPPターポリンなどの防水布を好適に用いることができる。
【0016】
反射シート7としては、再帰性反射シートを用いることが好ましい。その理由は、夜間におけるポール式視線誘導標Pの視認幅を確実に拡張し、夜間の視認性を向上させることができるからである。再帰性反射シートとしては、キューブコーナーレンズを用いたものや、ガラスビーズを用いたものが知られているが、再帰性が高い前者が好ましい。
【0017】
表面フィルム8としては、親水性のセルフクリーニングフィルムを用いることが好ましい。その理由は、ポール式視線誘導標Pにセルフクリーニング機能を付与することができるからである。親水性のセルフクリーニングフィルムとしては、例えば、親水性を付与するための特殊表面処理が施された塩化ビニルフィルムを用いることができる。この種のセルフクリーニングフィルムは、屋外の雨水がかかる場所に設置されることにより、セルフクリーニング機能を発揮し、フィルム表面が汚れにくい状態を維持することができる。
【0018】
次に、ポール式視線誘導標用カバー1における翼部3の形成方法について、図7を参照して説明する。
【0019】
例えば、翼部3が2枚の場合は、2枚のシート体9を重ね、その左右両端側を翼部3の幅分だけ接合することにより、筒部2及び翼部3を形成することができる。シート体9の接合方法としては、縫付け、接着、熱溶着、面ファスナ、ホックなどを用いることができる。
【0020】
図7は、シート体9の左右両端側を縫付けにより接合した例を示している。縫付けによる接合の場合は、表裏のシート体9を、翼部3の外端部に沿って縫付ける縫付けラインL1や、翼部3の内端部に沿って縫付ける縫付けラインL2が形成されることになるが、図7に示す例では、縫付けラインL2を垂直とせず、下側ほど筒部2が幅広となるように傾きを付けて形成されている。このようにすると、下側ほど径が大きいポール式視線誘導標や、ポール下端部の外周面に補強リブを突設したポール式視線誘導標にもポール式視線誘導標用カバー1を装着することが可能になる。
【0021】
次に、ポール式視線誘導標用カバー1の装着手順について、図8を参照して説明する。
【0022】
図8は、筒部2の内周面をポール式視線誘導標Pの外周面に両面粘着テープ10で固定する場合の装着手順を示している。
この装着方法では、まず、図8の(A)に示すように、一方の粘着面に剥離紙11が貼られた両面粘着テープ10の他方の粘着面を、予め筒部2の内周面に上下方向に沿って貼り付ける。このとき、剥離紙11の下端部には、ポール式視線誘導標用カバー1の高さよりも長い長尺物12の下端部を連結し、長尺物12の上端部を筒部2の上部開口から引き出しておく。長尺物12は、任意の材料で形成可能であるが、剥離紙11を延長して長尺物12とすることが好ましい。
【0023】
次に、図8の(B)に示すように、ポール式視線誘導標用カバー1の筒部2を上方からポール式視線誘導標Pに被せる。その後、図8の(C)に示すように、筒部2の上部開口から引き出された長尺物12の上端部を上方に引っ張る。これにより、両面粘着テープ10の一方の粘着面から剥離紙11が剥がれると共に、筒部2内から除去される。その後、両面粘着テープ10の部分を筒部2の外周側から押圧すれば、両面粘着テープ10を介して筒部2の内周面がポール式視線誘導標Pの外周面に粘着固定されることになる。
【0024】
叙述の如く構成された本実施形態によれば、ポール式視線誘導標Pに装着されるポール式視線誘導標用カバー1であって、ポール式視線誘導標Pの外周面を覆う筒部2と、該筒部2の外周面から外方に延出し、ポール式視線誘導標Pの視認幅を拡張する翼部3とを備えるので、劣化などで低下したポール式視線誘導標Pの視認性を回復させることができるだけでなく、新品時を超える良好な視認性をポール式視線誘導標Pに付与することができる。
【0025】
また、翼部3は、筒部2の外周面において上下方向に沿って連続的に形成されるので、上下方向の全域においてポール式視線誘導標Pの視認幅を拡張することができる。
【0026】
また、翼部3は、筒部2の外周面において周方向に所定の間隔を存して複数形成されるので、様々な視点においてポール式視線誘導標Pの視認幅を拡張することができる。
【0027】
また、筒部2及び翼部3は、左右方向に沿い、かつ、上下方向に並列する複数の条列4からなる縞模様5を有し、翼部3は、条列4を長さ方向に延長させる方向に延出されるので、縞模様5を強調することができ、その結果、ポール式視線誘導標Pの視認性をさらに向上させることができる。
【0028】
また、筒部2及び翼部3は、再帰性反射シートを用いて形成されるので、夜間におけるポール式視線誘導標Pの視認幅を拡張し、夜間の視認性を向上させることができる。
【0029】
また、筒部2及び翼部3の表面には、親水性のセルフクリーニングフィルムが積層されるので、ポール式視線誘導標Pにセルフクリーニング機能を付与することができる。
【0030】
また、筒部2の内周面をポール式視線誘導標Pの外周面に両面粘着テープ10で固定するにあたり、一方の粘着面に剥離紙11が貼られた両面粘着テープ10の他方の粘着面を、予め筒部2の内周面に上下方向に沿って貼り付けると共に、剥離紙11の下端部に連結される長尺物12の上端部を筒部2の上部開口から引き出したので、ポール式視線誘導標Pに筒部2を被せた後、筒部2の上部開口から引き出された長尺物12を上方に引っ張るだけで、両面粘着テープ10の一方の粘着面から剥離紙11を剥がすことができ、その結果、剥離紙11を剥がした状態で筒部2をポール式視線誘導標Pに被せる場合に比べ、ポール式視線誘導標用カバー1の装着容易性を向上させることができる。
【0031】
次に、本発明の実施形態に係るポール式視線誘導標用カバー1の第二〜第四実施形態について、図9〜図11を参照して説明する。
【0032】
図9に示すように、第二実施形態に係るポール式視線誘導標用カバー1Bは、前記実施形態と同様に、筒部2の外周面から外方に延出し、ポール式視線誘導標1Bの視認幅を拡張する翼部3を備えるものであるが、平面視で直線的に連続する一対の翼部3を有し、該一対の翼部3が正面視で視認幅全域にわたるフラットな表示面13を形成する点が前記実施形態と相違している。
【0033】
このような第二実施形態のポール式視線誘導標用カバー1Bによれば、平面視で直線的に連続する一対の翼部3を有し、該一対の翼部3が正面視で視認幅全域にわたるフラットな表示面13を形成するので、フラットな表示面13において視認性の高い表示を行うことができる。例えば、フラットな表示面13において縞模様、絵柄、文字などを表示するようにした場合、曲面による縞模様、絵柄、文字などの歪みを防止し、表示する縞模様、絵柄、文字などの視認性を高めることができる。
【0034】
図10に示すように、第三実施形態に係るポール式視線誘導標用カバー1Cは、第二実施形態と同様に、平面視で直線的に連続する一対の翼部3を有し、該一対の翼部3が正面視で視認幅全域にわたるフラットな表示面13を形成するものであるが、フラットな表示面13を正面だけでなく背面にも形成する点が第二実施形態と相違している。
【0035】
このような第三実施形態のポール式視線誘導標用カバー1Cによれば、正面及び背面に形成されるフラットな表示面13において縞模様、絵柄、文字などを歪みなく表示することができる。特に、対向2車線の車線分離を行うポール式視線誘導標用カバー1Cとして使用した場合には、対向2車線を通行する車両にそれぞれフラットな表示面13を見せることができるという利点がある。
【0036】
図11に示すように、第四実施形態に係るポール式視線誘導標用カバー1Dは、所定の間隔を存して立設される複数のポール式視線誘導標Pに装着される複数のポール式視線誘導標用カバー1Dであって、複数のポール式視線誘導標用カバー1Dの組み合せで所定の絵柄又は文字が表示されるように、所定の絵柄又は文字を分割して各ポール式視線誘導標用カバー1Dの外観に施した点が前記実施形態と相違している。例えば、図11に示す例では、5本のポール式視線誘導標用カバー1Dの組み合せで左方向を指す矢印が表示されるように、この矢印の絵柄を5つに分割して各ポール式視線誘導標用カバー1Dの外観に施している。
【0037】
このような第四実施形態のポール式視線誘導標用カバー1Dによれば、複数のポール式視線誘導標用カバー1Dの組み合せで所定の絵柄又は文字が表示されるように、所定の絵柄又は文字を分割して各ポール式視線誘導標用カバー1Dの外観に施したので、視認幅が拡張された複数のポール式視線誘導標用カバー1Dの組み合せで所定の絵柄又は文字を視認性良く表示することができる。
尚、図11に示すポール式視線誘導標用カバー1Dは、フラットな表示面13を備える第二実施形態や第三実施形態のポール式視線誘導標用カバー1B、1Cをベースとしているが、フラットな表示面13を持たない第一実施形態のポール式視線誘導標用カバー1でも同様な組み合せ表示を行うことができる。
【符号の説明】
【0038】
1 ポール式視線誘導標用カバー
1B ポール式視線誘導標用カバー(第二実施形態)
1C ポール式視線誘導標用カバー(第三実施形態)
1D ポール式視線誘導標用カバー(第四実施形態)
2 筒部
3 翼部
4 条列
5 縞模様
6 ベースシート
7 反射シート
8 表面フィルム
9 シート体
10 両面粘着テープ
11 剥離紙
12 長尺物
13 フラットな表示面
P ポール式視線誘導標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポール式視線誘導標に装着されるポール式視線誘導標用カバーであって、
前記ポール式視線誘導標の外周面を覆う筒部と、
該筒部の外周面から外方に延出し、前記ポール式視線誘導標の視認幅を拡張する翼部と
を備えることを特徴とするポール式視線誘導標用カバー。
【請求項2】
前記翼部は、前記筒部の外周面において上下方向に沿って連続的に形成されることを特徴とする請求項1記載のポール式視線誘導標用カバー。
【請求項3】
前記翼部は、前記筒部の外周面において周方向に所定の間隔を存して複数形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のポール式視線誘導標用カバー。
【請求項4】
平面視で直線的に連続する一対の前記翼部を有し、該一対の前記翼部が正面視で視認幅全域にわたるフラットな表示面を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のポール式視線誘導標用カバー。
【請求項5】
前記筒部及び前記翼部は、左右方向に沿い、かつ、上下方向に並列する複数の条列からなる縞模様を有し、前記翼部は、前記条列を長さ方向に延長させる方向に延出されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポール式視線誘導標用カバー。
【請求項6】
前記筒部及び前記翼部は、再帰性反射シートを用いて形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポール式視線誘導標用カバー。
【請求項7】
前記筒部及び前記翼部の表面には、親水性のセルフクリーニングフィルムが積層されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポール式視線誘導標用カバー。
【請求項8】
前記筒部の内周面を前記ポール式視線誘導標の外周面に両面粘着テープで固定するにあたり、一方の粘着面に剥離紙が貼られた前記両面粘着テープの他方の粘着面を、予め前記筒部の内周面に上下方向に沿って貼り付けると共に、前記剥離紙の下端部に連結される長尺物の上端部を前記筒部の上部開口から引き出したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のポール式視線誘導標用カバー。
【請求項9】
所定の間隔を存して立設される複数のポール式視線誘導標に装着される複数のポール式視線誘導標用カバーであって、複数のポール式視線誘導標用カバーの組み合せで所定の絵柄又は文字が表示されるように、所定の絵柄又は文字を分割して各ポール式視線誘導標用カバーの外観に施したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のポール式視線誘導標用カバー。

【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−94470(P2011−94470A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75296(P2010−75296)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【特許番号】特許第4599467号(P4599467)
【特許公報発行日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(391013531)株式会社吾妻製作所 (18)
【出願人】(591247020)株式会社産業資材センター (2)
【Fターム(参考)】