説明

マイクロサンプリング装置

【課題】 デバイス等の不良原因となる10μm以下の微小異物等の分析前処理として、異物等を単離採取する際、周辺の基材を混合することなく目的物のみを採取することを目的としている。
【解決手段】 デバイス表面または膜中埋没異物の分析前処理における目的異物の採取するマイクロサンプリング装置において、切削部、異物採取部、観察部、および試料搬送ステージを有する。さらに切削部と異物採取部とにおいて、観察部で観察した座標を共有化する構成となっている。またマニピュレータ部の刃先をコンピュータからの制御により駆動することができる構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料中の微小対象物を採取、単離するためのマイクロサンプリング装置に関する。更に詳しくは、電子デバイス等の試料中に存在する1〜数十μm程度の微小異物を採取、単離するための分析前処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス等の製造工程で不良原因となる微小異物の同定のために種々の分析を行う上で、基板からの異物の採取・単離が分析精度向上のためには重要となる。単離不可能な場合、基板と異物とを同時に分析することになり目的シグナルのS/Nが極端に低下してしまう。例えば電子デバイス上の有機微小異物の分析には、顕微FT-IR分光分析法が有効であるが、顕微FT-IR分光分析法では空間分解能が10μm程度であり、数μmの異物を分析しようとすると異物以外の情報が大部分を占め、異物からの情報がバックグラウンドに隠れてしまい異物の同定ができない。しかし異物を単離することができれば、目的異物のみの情報が得られ分析精度は大きく向上する。
【0003】
微小異物の採取・単離には、通常市販されているマイクロマニピュレータシステムを用いる。例えば、島津製作所製MMS−77があり、空間分解能としては1μm以下の位置決めが可能である。しかしながらニードル(またはナイフ状のブレード)をマニピュレータ先端部として用いた場合、ニードル先端部を試料の目的部位に移動することは可能だが、異物を採取することは難しく、異物と異物以外の箇所を混合してしまうことさえある。まして異物が露出しておらず膜中に埋没している場合などは更に採取するすることが難しくなる。
【0004】
上記の問題を解決するために、例えば特許文献1ではマニピュレータ先端部形状に改良を施している。例えば、マニピュレータ先端部をモース硬度6以上の材料でナイフ状の形状とし切削性を高めている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−22625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1においてはマニピュレータ先端部の改良はなされたが、駆動方法については考慮されておらず、特に膜中埋没異物の採取は困難である。膜中に埋没した異物の単離には、まず異物上層の除去が必要である。その際、上層部が異物と混合しないよう薄皮を剥ぐように除去することが必要である。切削加工でいう、いわゆる流れ形で上層部を除去することが望ましい。
【0007】
また試料表面を切削する方法としては特開2003−254894号に開示されている塗膜付着強度・せん断強度測定装置を用いる方法がある。該装置は本来、塗膜の物性を測定する装置であるが、試料表面を非常に薄く切削することが可能である。しかしながら装置の構造上切削加工部をリアルタイムで観察することが難しく、1μmオーダでの切削位置の特定は困難である。
【0008】
かかる課題を考慮してなされた本発明の第一の目的は、試料中の微小対象物を採取・単離するため、1μm程度の空間分解能で規定される特定の箇所を切削し、同箇所をマニピュレータ操作により微小対象物を試料本体基板より採取・単離するマイクロサンプリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための手段として、本発明のマイクロサンプリング装置は、膜中に埋没した微小対象物の試料表面を薄く除去する切削部、微小対象物を採取、単離する試料採取部(マニピュレータ部)、試料を拡大観察する試料観察部と、試料を各部間で移動させるための試料搬送ステージ部とを有している。試料は試料搬送ステージを介して各々を往復でき、また各々で座標を共有することができる。また顕微鏡を備えた観察部で拡大観察した箇所の位置座標を記憶させることで、目的箇所の切削ならびにマニピュレートが可能な機構となっている。
【0010】
本発明に備えられる試料搬送ステージは各軸1μm程度の位置決め精度を有し、この精度は目的とする微小対象物と同等であることが望ましい。また本発明に備えられる試料搬送ステージは電動駆動でPCから制御できる機構となっている。また任意の座標を記憶し、記憶した座標への移動や、予め設定しておいた移動幅の移動がPCからの制御により可能な構成となっている。
【0011】
また本発明のマニピュレータ部は0.1μm程度の精度で位置を制御できるものが好ましい。
【0012】
本発明の観察部では目的の箇所をおおよそ探索するための低倍率(数十倍)、目的の微小対象と周辺部を観察するための中倍率(100〜500倍)、目的微小対象物を詳細に観察するための高倍率(500倍以上)の各倍率の顕微鏡を備えている。またこれら範囲をカバーするズームタイプの顕微鏡でも構わない。また試料採取の際には顕微鏡レンズ直下での作業が必要なためなるべく長作動の対物レンズであることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明はデバイス表面または膜中埋没異物の分析前処理における目的異物の採取するマイクロサンプリング装置において、切削部、異物採取部、観察部、および試料搬送ステージを有し、かつ切削部と異物採取部とにおいて、観察部で観察した座標を共有化することにより、異物採取能力を高めることが可能となった。また、異物採取部のマニピュレータの駆動方法ならびに刃先の新規運動軌跡の開発により採取物の目的異物比率を飛躍的に高めることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(実施例1)
本発明の実施形態を図にしたがって説明する。
図1に装置概要を示す。定盤1上に、切削部2、試料採取部3、試料搬送ステージ4、試料観察部5とが設置されている。図で試料観察部5は便宜上定盤と固定されていないように描かれているが、実際には定盤と固定されている。図中試料台10を便宜上2個描いているが、実際には1個の試料台が試料搬送ステージを介して、切削部2と試料採取部3との間を往復するものである。試料採取部3は、試料観察部5のほぼ直下に配置されており、試料搬送ステージ4を適宜移動させることにより試料台10上の試料表面を観察することができる。
【0015】
微小異物が膜中に埋没した試料を例に、微小異物を単離する際の本発明のプロセスの説明を、図2のフローチャートを用いて行う。(1)まず試料を試料台10上に設置する。このとき例えば真空チャック機構を設けるなどして試料を固定する。(2)次に試料を切削部2の切刃2a直下に移動する。このときは対象異物ではなく試料上の適当な位置を切刃2aの直下に位置するようにする。(3)このときの座標情報を試料搬送ステージ制御用PC8内の記憶装置8aに記録し(X1、Y1、Z1)とする。(4)次に切削部制御用のPC9から操作し、切刃2aを試料上に降下させる。切刃2aに荷重をかけ試料表面に顕微鏡で観察できる程度のキズを付ける。これは位置決めのために行う操作であり、実際の切削を行う必要はないが、実際に切削を行ってもよい。(5)切刃2aを再び上昇させたのち、切刃2aでつけたキズを観察するため試料搬送ステージにより、試料を観察用顕微鏡直下に移動させる。(6)切刃のキズを観察用顕微鏡で確認し、座標情報を試料搬送ステージ制御用PC8内の記憶装置8aに記録し(X2、Y2、Z2)とする。この操作により、顕微鏡5aで観察した箇所を切削部2の切刃2a直下に確実に移動させるためには、試料搬送ステージを(X1−X2、Y1−Y2、Z1−Z2)だけ移動すればよいことになる。(7)次に、目的としている微小異物を顕微鏡5bで観察し、(8)この座標を(X3、Y3、Z3)とする。(9)異物観察位置から(X1-X2、Y1−Y2、Z1−Z2)だけ移動する。すなわち(X3−(X2−X1)、Y3−(Y2−Y1)、Z3−(Z2−Z1))へ移動する。この移動により目的の微小異物は切削部2の切刃2a直下に移動する。(10)この状態で切削加工を行えば確実に切刃2aが目的異物上に降下し切削加工をすることができる。(11)切削が完了したら目的箇所が顕微鏡5aで観察できるよう座標を(X3、Y3、Z3)へ移動する。(12)切削箇所を観察し、切削により埋没異物が露出していれば、(13)異物採取部3のマイクロマニピュレータ10を用い異物を採取、試料本体基板からの単離を行う。もし切削により異物が露出していなければ、(9)へ戻り再度切削を行う。複数個の異物を処理する場合には、フローチャートの(7)へ戻ればよい。上記操作により、膜中埋没異物を表面に露出した後確実にマニピュレータでの採取・単離が可能となる。なお、上述のフローで(3)と(4)は順序が逆でも構わない。すなわち、切削部の切刃でキズをつけてから座標(X1、Y1、Z1)を記憶しても構わない。
(実施例2)
次に表面に異物を露出させた後の単離方法について説明する。切削により膜中埋没異物を露出させた後、試料搬送ステージにより試料を異物採取部3に移動させる。異物採取部3のマニピュレータ10の先端部は硬い材質の刃からなっている。硬質材料としてダイヤモンドや超硬合金等が好ましい。異物採取部3にある試料は観察部5の顕微鏡5aを用いて容易にその表面を観察できる。マニピュレータ10の先端部を徐々に目的異物の極近傍に移動させ、先端部を試料表面にわずかに接触する程度まで近づける。このとき顕微鏡5aを覗き込みながら移動させてもよいし、また顕微鏡の観察像をモニタ5bに映し出し、それを見ながら移動させてもよい。図3aに示すように、2個のマニピュレータを用い異物の両側から刃先を近づけることが好ましい。次にマニピュレータ先端部の刃先を基板表面からわずかに斜めに押し下げるように力を加え、異物が基板から剥離するよう刃先を異物方向に移動させる(図3b)。さらに両側から刃先を進め異物を刃先で挟みこむようにして目的異物を基板から単離するすることができる(図3c)。図3cではあたかも異物を両側からピンセットで挟むよう示したが必ずしもこの通りでなくても構わない。例えば、図3dに示すように2つの刃先が上下しても構わない。この場合、異物はどちらか一方の刃先に付着して基板から単離される。ここで刃先を2個用いる例を示したが、1個では異物を基板から切り離し、基板上を押して移動させることはできても、基板から上方へ持ち上げることが非常に困難であるためである。マニピュレータはステッピングモータ駆動、ピエゾ駆動など微小距離の移動が可能であればその方式は特に問わない。
【0016】
刃先をそのままマニピュレータから取り外して目的異物を分析してもよいし、また基板からの単離に用いた2個のマニピュレータを用い、新たな分析用基板に再度付着させてから分析してもよい。
【0017】
次に、微小異物を単離する際に目的異物以外の基材をなるべく含まないための異物単離方法について説明する。図4に膜中埋没異物の模式図を示した。ここでは切削部を用いた表面露出を施していない状態を示した。単離後の分析精度向上の鍵は、目的の異物部分22とそれ以外のデバイス構成部23他の体積比で決まる。極力目的異物22以外の部分を採取しないようにするためには、刃先21の運動軌跡も重要となる。一般に、3次元空間を運動するマニピュレータでも各軸の運動は直線運動、または半径一定の円(弧)運動である。しかしながら異物の埋没状況によっては、これら単純な運動ではどうしても目的外のデバイス構成部23を多く採取してしまう。発明者らは各種デバイス中の異物に対し、刃先の最適な軌跡の検討を行った。その結果、試料表面から刃先が進入する際の角度は、5〜30゜程度が好ましい。その後の軌跡はマニピュレータの駆動軸の構成により異なる。マニピュレータの可動軸が図5に示すごとくr軸、θ軸での動きをする場合、刃先が試料表面に侵入した直後から、刃と試料表面とのなす角度を徐々に小さく変化させながら刃先を試料内部に侵入させることにより採取物の目的異物比率を高められることを見出した。具体的には進入する際の刃先の軸方向と試料表面とのなす角度(刃先下側と試料表面とのなす角度)は5〜30゜が好ましい。また、回転θに対する刃先の回転半径が10〜30mm程度のとき、r方向におよそ異物の幅だけ刃先を移動させた後の刃先と試料表面との角度は、進入時の角度よりも約0.002〜0.05゜程度小さくするのが好ましい。こうすることにより刃先は異物をすくうような軌跡となり、極力目的異物のみを採取することが可能となる。
【0018】
また図6に示すごとくx軸、y軸での動きをする場合、刃先を試料表面に進入させた直後にはy軸成分を大きくし刃先を試料内部に切込、その後徐々にx成分を大きくしながら異物の下側をすくうような軌跡とすることにより採取物の目的異物比率を高められることを見出した。
(実施例3)
次に、採取部におけるマニピュレータ先端部の形状について説明する。先の実施例2では刃先の形状が図7に示すごとくノミ状または彫刻刀でいう平刀形状であることを前提に説明を行ってきた。しかしながら平刀状の刃先では刃先(図7の直線AB)と試料表面とが完全に平行にならない限り必ず刃先は試料に対して片当りとなる。すなわち図8に示すごとく平刀の刃のどちらか一方しか試料に接しておらず、刃のエッジ部で採取するためスムーズな異物の採取ができない。本発明では図9に示すごとく、刃先を丸刀状ならびに刃の軸を円筒状とすることにより、図10に示すごとく刃先が試料表面に対して傾いて接触しても常に刃の腹部が試料表面に接するため、非常にスムーズな目的物の採取が可能となる。
(実施例4)
膜中埋没異物が上層の膜や基材と強固に固着している場合、異物の採取、基板からの単離は困難である。こうした場合、図11に示すように、予め異物周辺部を除去しておくと異物の採取は比較的容易になる。ここではレーザを用いた異物周辺部の除去方法について説明する。観察部の顕微鏡の光学系にレーザ発振器を取り付け、顕微鏡の光学系を用いて整形されたビームを対物レンズから試料表面に照射することにより、レーザの照射領域を除去することができる。レーザ波長は除去する対象によって、最適な波長を選択する必要があるが、有機物の場合、可視〜紫外領域の波長が好ましい。例えば、YAGレーザの第2高調波(532nm)、第3高調波(355nm)、第4高調波(266nm)等が適当である。レーザ強度も対象により最適値を選択する必要がる。レーザ強度が大きすぎると照射領域以外にまでダメージが及び、また強度が小さすぎると除去できない。レーザで除去する場合にはなるべく深くまで、できれば下地基板表面まで除去することが好ましいが、レーザパワーを大きくして照射領域以外にまでダメージが及んでしまうような場合は、低パワーで複数回照射した方が照射領域のみを除去することができる。こうして、図11のごとく試料を前処理した後は、実施例1に示したのと同様の手順で異物を採取すればよい。あるいは実施例1に示した切削部による表面層の除去を行った後、レーザを用いた周辺除去を実施してもよい。その後さらに実施例1に示した方法で異物を採取すればよい。異物採取前にレーザを用いた周辺部の除去を行うことにより異物が基板から分離しやすく、採取性も向上する。
(実施例5)
図7のような平刀状の刃先を用いる場合には試料表面と刃先との平行度の確保が非常に難しく、装置への刃先の取り付けが少しでもずれてしまうと図8のような片当たりとなってしまう。この不具合を避けるために試料の傾き角を変化させることのできる機構をステージに付加した。傾き角を変化させることのできる機構はマイクロメータにより、ステージの水平角度を0.01゜以下の精度で調整が可能な機構となっている。角度を移動させるのは手動でも、電動でも構わない。本機構をXYZステージの最上段に取付け、更にその上方に試料台を設置した。この結果、刃先と試料表面との平行度が格段に向上し、異物の採取性が向上した。
(実施例6)
異物周辺部の除去方法として、超音波を用いる方法を説明する。ピエゾを用いた超音波発振器に取付けた刃先またはニードルの先端で異物周辺を除去できる。ここで用いる超音波発振器は通常の市販されている超音波カッタに用いられているものと同等のものでよい。発振周波数は数MHz〜数GHz程度がよい。超音波による刃先の振幅が大きいと、異物周辺のみを除去することが難しいため、超音波発振器に投入できるパワーは可変のものが好ましい。超音波を用いて異物周辺部の除去を行う際にどうしてもクズが発生してしまう場合があるが、エアブロー等でクズを吹き飛ばしながら作業することで異物周辺部をきれいに除去できることを確認した。
【0019】
本発明のサンプリング装置を用いた場合と、そうでない場合とで分析による異物の同定率をまとめた結果を図13に示す。この図より、本発明が3から10μmの大きさの異物に対して非常に有効であることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のマイクロサンプリング装置説明した図。
【図2】異物採取方法を示したフロー図。
【図3】本発明を用いた異物採取方法を説明した図。
【図4】本発明を用いた異物採取方法を説明した図。
【図5】刃先軌跡の例を説明した図。
【図6】刃先運動軌跡を説明した図。
【図7】平刀状刃先を説明した図。
【図8】平刀状刃先で試料を処理した状態を説明した図。
【図9】丸刀状刃先を説明した図。
【図10】丸刀状刃先で試料を処理した状態を説明した図。
【図11】異物周辺部を除去した様子を説明した図。
【図12】本発明による効果を説明した図。
【符号の説明】
【0021】
1…基板、2…切削部、2a…切削部刃先、3…異物採取部、4…試料搬送ステージ、5…観察部、5a…観察用顕微鏡、5b…観察モニタ、6…マニピュレータ制御部、7…試料搬送ステージ制御部、8…マニピュレータ、試料搬送ステージ制御用パソコン、8a…記憶装置、9…切削部制御用パソコン、10…試料台、21…マニピュレータ刃先、21a…平刀状刃先、21b…丸刀状刃先、21c…円筒状刃先、21d…丸刀状先端凸状刃先、22…対象異物、23…構成基材(膜)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料表面を切削するための切削加工部と、試料表面または試料内部の一部を採取するための試料採取部と、試料を移動させるための試料搬送ステージと、試料表面を拡大して観察するための試料観察部とを備え、前記試料搬送ステージにより試料が前記切削加工部と前記試料採取部との間を移動可能であることを特徴とするマイクロサンプリング装置。
【請求項2】
前記試料観察部において観察した試料上の任意の少なくともひとつの位置座標情報を記憶装置に格納し、前記試料搬送ステージを用いて、記憶された試料上の任意の位置座標を前記切削加工部へ移動し、切削可能であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項3】
前記試料観察部において観察した試料上の任意の少なくともひとつの位置座標情報を記憶装置に格納し、前記試料搬送ステージを用いて、記憶された試料上の任意の位置座標を前記試料採取部へ移動し、試料表面または試料内部の一部を採取可能であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項4】
前記試料観察部において観察した試料上の任意の少なくともひとつの位置座標情報を記憶装置に格納し、前記試料搬送ステージを用いて、記憶された試料上の任意の位置座標を前記切削加工部へ移動し、切削した後、前記試料採取部に移動し、その後前記試料採取部を用いて、前記切削加工部にて加工した部位およびその近傍から試料の一部を採取可能であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項5】
前記切削加工部において試料を切削する際に、切刃が深さ(垂直)方向と水平方向とに同時または交互に動き、両方向に対する移動量が非線形であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項6】
前記試料採取部において試料表面または内部の一部を採取する際に、試料採取のためのアーム先端(ヘラ、刃etc.)が深さ(垂直)方向と水平方向とに同時または交互に動き、両方向に対する移動量が非線形であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項7】
前記試料採取部において試料表面または内部の一部を採取する際に、試料採取のためのアーム先端と、試料を搭載した試料搬送ステージ部とが同時または交互に動き、試料に対し相対的にアーム先端部が曲線状に移動することを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項8】
前記試料採取部において試料表面または内部の一部を採取するためのアーム先端部がナイフ状をしており、なおかつ刃先先端部が凸になっていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項9】
前記試料採取部において試料表面または内部の一部を採取するためのアーム先端部がナイフ状をしており、なおかつ刃先の試料表面に接する側が凸になっていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項10】
前記試料搬送ステージに搭載された試料を傾ける機構を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項11】
レーザ発振器、およびレーザ光を所望の形状に整形し前記試料搬送ステージに搭載された試料表面の少なくとも一部に照射するための光学系を備えることを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項12】
前記搬送ステージに搭載された試料を室温以下に冷却する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。
【請求項13】
前記試料採取部において試料表面または試料内部の一部を採取する際、試料採取のアーム先端が超音波振動することを特徴とする請求項1に記載のマイクロサンプリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−329733(P2006−329733A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−151753(P2005−151753)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】