説明

マイクロチャンネルを有するマイクロアレイ

成形可能な平板の平面状表面において形成された多数のマイクロウェルを含み、各マイクロウェルが少なくとも単一の細胞を含有する大きさである多数のマイクロウェルセット、および、マイクロアレイの第1の領域からマイクロアレイの第2の領域へ液体が移行することを可能にするように構成された、成形可能な平板の平面状表面において形成された多数のマイクロチャンネルを含む、成形可能な平板の平面状表面において形成されたマイクロアレイに関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年2月20日に出願された米国特許出願第12/390,279号の優先権を主張し、該出願は全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
細胞の単離は典型的に、個々の抗体分泌細胞のスクリーニングおよび回収においてなど、医学研究の重要な部分である。ある特定の状況において、医学研究者は、さらなる研究を行うために多数の細胞を含有する懸濁液から個々の細胞を単離することを願望する可能性がある。1つの技術は、マイクロウェルを含むマイクロアレイの使用を含む。細胞の懸濁液をマイクロアレイ上に置き、それにより少数の細胞が個々のマイクロウェル中に定着することを可能にする。ある特定の状況において、細胞の単離を補助するためおよびプリントマイクロアレイの作製を可能にするためにマイクロアレイ上に基板を置く。マイクロアレイと基板との間の過剰な残留した液体は、信頼できない結果を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0003】
概要
一般に、1つの局面において、本発明は、成形可能な平板の平面状表面において形成された多数のマイクロウェルを含み、各マイクロウェルが少なくとも単一の細胞を含有する大きさである多数のマイクロウェルセット、および、マイクロアレイの第1の領域からマイクロアレイの第2の領域へ液体が移行することを可能にするように構成された、成形可能な平板の平面状表面において形成された多数のマイクロチャンネルを含む、成形可能な平板の平面状表面において形成されたマイクロアレイを提供する。
【0004】
本発明の実行は、1つまたは複数の以下の特徴を提供し得る。マイクロチャンネルは、第1および第2のマイクロチャンネルのセットを含み、該第1および第2のマイクロチャンネルのセットは格子を形成し、かつ流体連通し(in fluid communication)、該格子は多数の行間領域(interlineal region)を規定する。少なくとも1つのマイクロウェルセットは、行間領域の少なくとも1つに配置される。マイクロチャンネルの格子の形態は、四角形および六角形からなる群より選択される。成形可能な平板と基板との間にシールが形成されるように成形可能な平板の平面状表面が基板の平面状表面と接触して置かれる時、マイクロチャンネルは、成形可能な平板の平面状表面の上の液体がマイクロチャンネルを介して界面領域から排除されるように構成される。
【0005】
本発明の実行はまた、1つまたは複数の以下の特徴を提供し得る。マイクロウェルの各々がその中に含有される少なくとも1つの細胞を維持するのに十分な液体を保持するような様式において、液体が界面領域から排除される。マイクロアレイは、マイクロチャンネルと流体連通し、およびマイクロウェルセットの周りに配置される外周マイクロチャンネルをさらに含む。ポートが成形可能な平板を通して形成され、該ポートはマイクロチャンネルと流体連通し、該ポートおよびマイクロチャンネルの形態は、マイクロチャンネルの吸引がポートを介して行われ得る状態である。マイクロウェルセットの各々は、マイクロウェルセットにおいて他のマイクロウェルから区別された少なくとも1つのマイクロウェルを含む。少なくとも1つの区別されたマイクロウェルは、マイクロウェルセットの向きが目視検査により判定され得るようにマイクロウェルセットの各々においてあらかじめ設定された位置に設置される。
【0006】
本発明の実行はさらに、1つまたは複数の以下の特徴を提供し得る。少なくとも1つの区別されたマイクロウェルは、マイクロアレイにおいてマイクロウェルセットの各々の位置を判定するために使用され得る情報を示す。情報は、縦列および横行の数である。区別されたマイクロウェルは、マイクロウェルセットにおいて他のマイクロウェルとは異なる形状である。各マイクロウェルセットの大きさは、マイクロウェルセットを観察するために使用されるカメラの視野と実質的に同一である。マイクロウェルの各々は、マイクロチャンネルと流体連通する。マイクロウェルの各々は、実質的に50μm×50μm×50μmである。各行間領域は、4個の縦列および4個の横行に配列された16個のマイクロウェルセットを含む。マイクロチャンネルは、成形可能な平板の外側の端まで及ぶ。
【0007】
本発明の種々の局面は、1つまたは複数の以下の可能性を提供し得る。多数の単細胞をアレイを用いて単離することができる。アレイの表面と第2の基板との間に捕捉された液体を効率的に排出することができる。マイクロウェルセットの向きを目視検査により判定することができる。アレイ内のマイクロウェルの位置を目視検査により明白に判定することができる。基板上にプリントマイクロアレイを作製するためにアレイを使用することができる。プリントマイクロアレイを特定の機器による照合(interrogation)に最適化できるようにアレイをあつらえることができる。プリントマイクロアレイの品質を先行技術を超えて改善することができる。サブナノリットル培養を規定できるように各マイクロウェルを基板によりシールすることができる。アレイを手動および/または自動化顕微操作に最適化することができる。
【0008】
本発明のこれらおよび他の可能性は、本発明自体と共に、以下の図面、詳細な説明、および添付の特許請求の範囲の審査の後に、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】多数のマイクロウェルセットおよびマイクロチャンネルを含むアレイの一部の図である。
【図2】図1に示されたアレイの線I-Iに沿って得られた横断図である。
【図3】マイクロウェルセットの図である。
【図4】アレイおよび基板の組み合わせの一部の図である。
【図5】ポートを含むアレイの一部の図である。
【図6】多数のポートを含むアレイの一部の図である。
【図7】多数のマイクロウェルセットおよびマイクロチャンネルを含むアレイの一部の図である。
【図8】アドレス情報を含むマイクロウェルセットの図である。
【図9】例示的なマイクロウェルセットの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
本発明の態様は、相互接続されたマイクロチャンネルのネットワークにより細分されたマイクロウェルのアレイを提供するための技術を提供する。アレイの平面状表面は、例えば、新たなモノクローナル抗体を発見する段階における使用のための配列を形成するように、基板(例えば、ガラス、プラスチック、金属、シリコン、ゴム)の平面状表面と接触して置かれるように構築される。アレイが基板と接触して置かれた時にアレイの表面と基板との間に捕捉された液体がアレイの端へ効率的に排出されることを可能にするような形態に、アレイを配列させることができる。多数のマイクロウェルがマイクロチャンネルの間の空間に設置される四角形または六角形の形態に、アレイを配列させることができる。マイクロチャンネルはアレイの端でチャンネルの輪と交差することができ、およびシステムからの過剰な培地の吸引を可能にするポートを含むことができる。さらに、個々のマイクロウェルの形状は、アレイ内のマイクロウェルの個々のセットの位置をコード化するために変化させることができる。他の態様が本発明の範囲内である。
【0011】
図1〜2を参照すると、アレイ5の一部を示している。好ましくは、アレイ5は、成形可能な平板10などの適合した組成において形成される。好ましくは、成形可能な平板10は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いて構築されるが、他の材料が使用され得る。例えば、成形可能な平板10はまた、シリコンの変異体、ラテックス、天然ゴム、ヒドロゲル(例えば、コラーゲン、ポリアクリルアミド)、および/または、好ましくはPDMSに類似したヤング率を有する他の気体透過性、生体適合性の材料を用いて構築され得る。
【0012】
アレイ5は好ましくは、多数のマイクロウェルブロック15および多数のマイクロチャンネル20を含む。マイクロチャンネル20は典型的に、均等に10〜100μmの幅であり、かつ1〜4 mm離れているが、他の幅および間隔もまた使用され得る。好ましくは、多数のマイクロチャンネル20は、マイクロウェルブロック15が位置づけられ得る多数の行間領域を規定するマイクロチャンネルの格子を形成するように構成される。例えば、マイクロチャンネル20は、四角形の「都市の道路」形態を形成するように、平行−垂直様式において構成され得るが、他の形態が可能である(例えば、マイクロチャンネル20は、「蜂の巣状」形態を形成するように六角形形態に構成され得る)。アレイ5の大きさは、適用に依存して変化し得る。例えば、アレイ5の寸法は、顕微鏡に使用される25 mm x 60 mmのカバーガラスおよび標準的なスライドガラスに適合性であるように構成され得る。
【0013】
図3にも言及すると、マイクロウェルブロック15の各々は好ましくは、4×4形態において多数のマイクロウェルセット25を含み、アレイ5および基板40の界面での接着を改善し得るが、他の形態が可能である。好ましくは、マイクロウェルセット25の各々は、典型的な市販のカメラ(例えば、1360 x 1024ピクセル)において使用されるCCD上で利用可能である視野に見合うように最適化されるような大きさである。マイクロウェルブロック15の大きさもまた、アレイ5が基板40と組み合わされる時に歪みを減少させるように最適化され得る。例えば、マイクロチャンネル20は、例えば、機械的ストレスの軽減をもたらすことにより、マイクロウェルブロック15の間のデカップリング緩衝体として機能し得る。試験において、4×4形態のマイクロウェルブロック15は、ある特定の状況における歪みを減少させることが見出されている(例えば、マイクロウェルブロック15の1つ由来の微細彫刻(microengraving)プリントは歪んでおり、一方周囲マイクロウェルブロック15由来のプリントは申し分ない)。さらに、マイクロウェルブロック15は多数のマイクロウェルセット25を含むと説明されているが、アレイ5は、マイクロウェルブロック15の各々が単一のマイクロウェルセットを含むように構成され得る。単離された細胞を含む例示的なマイクロウェルセットの写真を図9に示す。さらに、図1は32×64形態のマイクロウェルセット25を示すが、他の大きさも可能である(例えば、96ウェルトレイのフットプリントの大きさ)。
【0014】
マイクロウェルセット25の各々は、マイクロウェルの間に100μmの間隔を有する、長方形の5×7形態に配列した多数の立方のマイクロウェル30を含む。マイクロウェル30は好ましくは立方であり、および、手動顕微操作によるマイクロウェルからの細胞の回収を促進するが、マイクロウェル当たりに負荷される細胞の数を最小化する大きさである(例えば、50μm×50μm×50μm)。例えば、マイクロウェル30は、細胞を含有する懸濁液をアレイ5の上に置いた時に1〜3細胞の平均細胞密度が達成されるような大きさであり得る。マイクロウェルの四角形形状もまた、目視検査によりプリントマイクロアレイの品質を評価することを促進し得る(例えば、その形状は人工産物から陽性要素を識別することをより容易にし得る)。前述にもかかわらず、マイクロウェル30は、他の形状、大きさ、および間隔において構成され得る。さらに、マイクロウェルセット25は、他の大きさ(例えば、変動する数のマイクロウェル)および形状(例えば、長方形、六角形、三角形など)であり得る。
【0015】
マイクロウェルセット25の各々は、任意の所定のマイクロウェルセット25の向きが一見して判定され得るように構成され得る。1つの技術において、マイクロウェルセット25の各々における1つまたは複数のあらかじめ設定されたマイクロウェル30は、異なる形状であり、および/またはわずかに異なって構成される。例えば、各マイクロウェルセット25における左上のマイクロウェル(例えば、マイクロウェル35)は、ダイアモンド形であり得る(上から見た時に残りのマイクロウェル35に対して)。この様式において、観察者は、ダイアモンド形のマイクロウェルの位置を観察することによりマイクロウェルセット25の向きを判定することができる。マイクロウェルセット25の向きを暗示するために他の技術もまた使用され得る(例えば、他の形状のマイクロウェルを用いて)。
【0016】
アレイ5は好ましくは、ソフトリソグラフィー微細彫刻技術を用いて構築される。例えば、アレイ5は、地形的にパターン化された表面を含むマスター型に対して生体適合性のエラストマーゴム(例えば、PDMS)をキャストおよび/または成形(例えば、注入成形、移送成形、圧縮成形など)することにより製造され得る。マスター上のパターンは、浅浮き彫りにおいて成形されたゴムに転写され得る。好ましくは、マスターは、大抵の大学および/またはナノファブリケーションセンターでクリーンルーム施設において典型的に見出されるフォトリソグラフィーのための標準的な設備を用いて作製される、フォトレジストのパターンを支持するシリコンウエハーである。例示的な施設は、Stanford Microfluidics Foundry、the KNI Microfluidic Foundry、およびthe Harvard Center for Nanoscale Systemsを含む。他の技術および/または施設が、アレイ5を構築するために使用され得る。
【0017】
図4を参照すると、アレイ5は微細彫刻における使用のために構成され得、そこで、細胞を含有する懸濁液をアレイ5上に置くこと、および懸濁液由来の細胞が個々のマイクロウェル30中に定着するのを可能にすることによりマイクロウェル30のアレイ5に細胞を負荷する。アレイ5は、細胞から分泌された抗体に結合するように適切に機能化されている基板40(例えばスライドガラス)と接触して置かれるように構成され得る。インキュベーションの期間の間(例えば、10〜60分)、各細胞から分泌された抗体は好ましくは基板40の表面上に捕獲され、典型的に、アレイ上の各スポットがアレイ5におけるマイクロウェル30に対応する基板40上のタンパク質マイクロアレイを結果としてもたらす。
【0018】
各々の平面状表面が接触して置かれる時(例えば、それぞれ表面45および50)、アレイ5は基板40と等角シールを形成するように構成される。例えば、アレイ5の形態は、アレイ5が基板40と接触して置かれた時にアレイ5の表面と基板40の表面との間に捕捉された液体がアレイ5の端へ効率的に排出され得る状態であり得る。従って、アレイ5の形態は、流体が界面領域(例えば、領域55)から排除されることを可能にし、かつ2つの表面がシールすることを可能にする。さらに、開示されたアレイ5の形態を用いると、アレイ5と基板40との間にシールが達成された後、マイクロウェルの中に含有されたいかなる細胞も損傷および/または殺傷しないために、マイクロウェルの各々は好ましくは十分な液体を含有する(例えば、各マイクロウェルはサブナノリットル培養を規定するようにシールされ得る)。マイクロチャンネル20の各々がアレイ5を出る場所(例えば、領域50)などの、複数の位置において過剰な液体が吸引され得る。さらに、アレイ5および基板40が共に保持されるように、ならびにマイクロウェル30をシールするのを補助するために圧力が適用され得るように、アレイ5はクランプを伴う使用のために構成され得る。
【0019】
マイクロチャンネル20の形態は変化し得、および1つまたは複数の吸引オプションが可能である。例えば、アレイと基板との間に等角シールが達成される時、および/または達成された時、(例えば、アレイおよび基板の)界面領域から排除された過剰な液体を収集するために吸引ポートが提供され得る。
【0020】
例えば、図5および6を参照すると、アレイ105を示している。アレイ105において、マイクロチャンネル20の形態は、アレイ5に関して説明したものと異なる。例えば、マイクロチャンネル20は、アレイ105の外側の端まで及ばない。むしろマイクロチャンネル20は、マイクロウェルブロック15の周りに外周を形成する外側マイクロチャンネル110と流体連通している。外側マイクロチャンネル110は、マイクロチャンネル20より幅が広く(例えば、0.5〜5 mmの幅)あり得る(例えば、図5に示すように)が、他の幅のマイクロチャンネル110が可能である(例えば、図6に示すように)。マイクロチャンネル110に連結されるのはポート115であり得る。好ましくは、ポート115は成形可能な平板10を通して形成されている穴である。ポート115を用いて、過剰な液体がアレイ105から吸引され得る。あるいは、界面領域から排除された過剰な液体を収集するための貯蔵所としてポート115および/またはマイクロチャンネル20が使用され得、それにより吸引の必要性を減少させるか、または除去しさえする。
【0021】
ポート115は、アレイ105上の1つまたは複数の位置に置かれ得る。例えば、図5を参照すると、ポート115は外側マイクロチャンネル110の外側に位置づけられ得、およびカップリングマイクロチャンネル120を介して外側マイクロチャンネル110と流体的に結合され得る。図6を参照すると、複数のポート115がまた、外側マイクロチャンネル110に沿って置かれ得る。他の形態のポート115もまた可能である(例えば、マイクロチャンネル20の1つまたは複数に沿って置かれたポート)。
【0022】
図7を参照すると、アレイ5はまた、マイクロウェルセット25の各々をマイクロチャンネル20に結合し得る追加的なマイクロチャンネル125を含み得る。マイクロチャンネル125を用いて、マイクロウェルセット25の各々から/へ追加的な液体を運ぶことおよび/または導入することが可能であり得る。例えば、低分子(例えば、薬物、代謝産物)を拡散によりマイクロウェルセット25へ導入することができ得る。
【0023】
アレイ5、105上の任意の所定のマイクロウェルセット25の正確な位置が判定され得るように、マイクロウェルセット25の各々は一意的にコード化され得る。従って、アレイ5、105の解析により関心対象の細胞を含有するマイクロウェルの位置を特定した後、関心対象の各マイクロウェルの「アドレス」が同定され得る。この様式において、例えば、関心対象のマイクロウェル由来の細胞が、確信を持って後で回収され得る。
【0024】
図8を参照すると、例示的なコード化スキームはマイクロウェルセット25をあらかじめ設定された領域130、135、140、145中へ区分し、および領域の各々内のマイクロウェル30の個々にあらかじめ設定された値を割り当てる。例えば、領域130、135は、マイクロウェルセット25が位置づけられる縦列の最上位数および最下位数をそれぞれ表す。同様に、領域140、145は、マイクロウェルセット25が位置づけられる横行の最上位数および最下位数をそれぞれ表す。領域の各々におけるマイクロウェルの各々は、値を割り当てられ得る(例えば、図8に示すように)。従って、領域130、135、140、および145の各々において表される数は、指定されたマイクロウェルの形状を変えることにより(例えば、適切な数字を同定するためにダイアモンド形のマイクロウェルを用いることにより)同定され得る。数ゼロは、特異的なマイクロウェルをゼロとして指定することにより表され得、または代替的に、特定の領域にダイアモンド形のマイクロウェルが無いことが数ゼロを示し得る。従って、図8に示すマイクロウェル35を解釈すると、縦列20、横行58のアドレスを示している。このコード化スキームを用いて、アレイ5、105上の特異的なマイクロウェルは6桁の数で同定され得、ここで、最初の2桁は関心対象のマイクロウェルセットの縦列を表し、3番目および4番目の桁は関心対象のマイクロウェルの横行を表し、ならびに、最後の2桁は関心対象のマイクロウェルセット内のマイクロウェルの横行および縦列を表す。例えば、224757のアドレスは、アレイ5、105の縦列22、横行47に設置されたマイクロウェルセットの右下のマイクロウェルを表すと考えられる。
【0025】
他の態様が本発明の範囲および趣旨内である。本明細書において説明された実施例の種々の構成要素が他の実施例における種々の構成要素と相互交換および/または置換され得ること、ならびに他の修飾が可能であり得ることが、当業者により認識されるであろう。参照により本明細書に組み入れられる材料の任意が本開示の用語と矛盾する程度まで、本開示が支配的であるよう意図される。
【0026】
さらに、上記の説明は本発明に言及するが、説明は1つより多い発明を含み得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形可能な平板の平面状表面において形成された多数のマイクロウェルを含み、各マイクロウェルが少なくとも単一の細胞を含有する大きさである多数のマイクロウェルセット;および
マイクロアレイの第1の領域からマイクロアレイの第2の領域へ液体が移行することを可能にするように構成された、成形可能な平板の平面状表面において形成された多数のマイクロチャンネル
を含む、成形可能な平板の平面状表面において形成されたマイクロアレイ。
【請求項2】
マイクロチャンネルが第1および第2のマイクロチャンネルのセットから成り、該第1および第2のマイクロチャンネルのセットが格子を形成し、かつ流体連通し(in fluid communication)、該格子が多数の行間領域(interlineal region)を規定する、請求項1記載のマイクロアレイ。
【請求項3】
少なくとも1つのマイクロウェルセットが、行間領域の少なくとも1つに配置される、請求項2記載のマイクロアレイ。
【請求項4】
マイクロチャンネルの格子の形態が、四角形および六角形からなる群より選択される、請求項1記載のマイクロアレイ。
【請求項5】
成形可能な平板と基板との間にシールが形成されるように成形可能な平板の平面状表面が基板の平面状表面と接触して置かれる時、マイクロチャンネルが、成形可能な平板の平面状表面の上の液体がマイクロチャンネルを介して界面領域から排除されるように構成される、請求項2記載のマイクロアレイ。
【請求項6】
マイクロウェルの各々がその中に含有される少なくとも1つの細胞を維持するのに十分な液体を保持するような様式において、液体が界面領域から排除される、請求項5記載のマイクロアレイ。
【請求項7】
マイクロチャンネルと流体連通し、およびマイクロウェルセットの周りに配置される外周マイクロチャンネルをさらに含む、請求項1記載のマイクロアレイ。
【請求項8】
ポートが成形可能な平板を通して形成され、該ポートがマイクロチャンネルと流体連通し、該ポートおよびマイクロチャンネルの形態が、マイクロチャンネルの吸引がポートを介して行われ得る状態である、請求項1記載のマイクロアレイ。
【請求項9】
マイクロウェルセットの各々が、マイクロウェルセットにおいて他のマイクロウェルから区別された少なくとも1つのマイクロウェルを含む、請求項1記載のマイクロアレイ。
【請求項10】
少なくとも1つの区別されたマイクロウェルが、マイクロウェルセットの向きが目視検査により判定され得るようにマイクロウェルセットの各々においてあらかじめ設定された位置に設置される、請求項9記載のマイクロアレイ。
【請求項11】
少なくとも1つの区別されたマイクロウェルが、マイクロアレイにおいてマイクロウェルセットの各々の位置を判定するために使用され得る情報を示す、請求項9記載のマイクロアレイ。
【請求項12】
情報が縦列および横行の数である、請求項11記載のマイクロアレイ。
【請求項13】
少なくとも1つの区別されたマイクロウェルが、マイクロウェルセットにおいて他のマイクロウェルとは異なる形状である、請求項9記載のマイクロアレイ。
【請求項14】
マイクロウェルセットの各々の大きさが、マイクロウェルセットを観察するために使用されるカメラの視野と実質的に同一である、請求項1記載のマイクロアレイ。
【請求項15】
マイクロウェルの各々がマイクロチャンネルと流体連通する、請求項1記載のマイクロアレイ。
【請求項16】
マイクロウェルの各々が実質的に50μm×50μm×50μmである、請求項1記載のマイクロアレイ。
【請求項17】
各行間領域が、4個の縦列および4個の横行に配列された16個のマイクロウェルセットを含む、請求項3記載のマイクロアレイ。
【請求項18】
マイクロチャンネルが成形可能な平板の外側の端まで及ぶ、請求項1記載のマイクロアレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−518411(P2012−518411A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551249(P2011−551249)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/024733
【国際公開番号】WO2010/096652
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (233)
【Fターム(参考)】