説明

マイクロファイバーおよびミクロ粉末を含有するスラリー、ならびにその使用方法および製造方法

マイクロファイバーおよびミクロ粉末を含有するスラリー、ならびにかかるスラリーの製造方法が提供される。マイクロファイバーおよびミクロ粉末を含有するスラリーは、ミクロ粉末のみを含有するスラリーと比較してより安定であり、処理するのが容易であり、そしてミクロ粉末はスラリーから分離したり、または凝集する可能性が少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの液体媒体、少なくとも1つのマイクロファイバーおよび少なくとも1つのミクロ粉末を含有するスラリーに、ならびに該スラリーの製造方法および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維または微粒子添加物は、例えば、ポリマー、水、ポリマー前駆体などのような多種多様な材料へ組み入れて多種多様な最終製品を製造することができる。
【0003】
例えば、フルオロポリマーミクロ粉末などの微粒子添加剤は、例えば、濾過および脱水プロセスに使用される織物物品;カーペット;スポーツウェアおよび上着用の布;熱気球;車および飛行機シート;ならびに傘などの産業織物を製造するために使用される熱可塑性ポリマーに添加することができる。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフルオロポリマーミクロ粉末をかかるポリマー中へ組み入れると、例えば、きれいにするのが容易である織物などの、ある種の利点を有する織物、向上した引張強度を有する繊維などを製造することができる。
【0004】
例えば、繊維は、先進エンジニアリング複合材料をはじめとする、複合材料を製造するために使用される熱可塑性ポリマーに加えることができる。繊維の補強効果は、熱可塑性ポリマーの特性を著しく改質するかもしれない。ケブラー(Kevlar)(登録商標)繊維などのポリアミド繊維か、カーボン繊維かのどちらかが樹脂の熱可塑性ポリエステルマトリックス中へ組み入れられた先進エンジニアリング複合材料は、例えば、スポーツ用品などの、物品に広く使用される。
【0005】
繊維はまた、マニキュア液またはペイントコーティング組成物中へ組み入れることができ、ミクロ粉末は様々な化粧品中へ組み入れることができる。
【0006】
特許文献1は、艶出溶剤システム中に、フィルム形成物質、樹脂、可塑剤、および0.01〜0.5重量%アラミド繊維(ポリ[パラフェニレンテレフタルアミド])を含有する無色のまたは着色したマニキュア液に関する。
【0007】
特許文献2は、組み合わせて、フィブリル化ポリマーマトリックス、少なくとも1つの顔料、少なくとも1つのバインダー、および少なくとも1つの溶剤を含んでなる表面コーティング組成物、ならびにその製造方法に関する。
【0008】
特許文献3は、フィブリル化可能なポリマーのマトリックス内に維持される顔料として化粧品成分を含む化粧品に関する。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,370,866号明細書
【特許文献2】米国特許第5,416,156号明細書
【特許文献3】米国特許第4,938,952号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、少なくとも1つの液体媒体、少なくとも1つのマイクロファイバー、および少なくとも1つのミクロ粉末を含んでなるスラリーである。
【0011】
本発明の別の態様は、少なくとも1つのマイクロファイバー、少なくとも1つのミクロ粉末、および少なくとも1つの液体媒体を含んでなるスラリーの製造方法である。
【0012】
本発明のこれらのおよび他の態様は、次の開示および添付の特許請求の範囲を考えれば当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の特徴および利点は、次の詳細な説明を読めば当業者にさらに容易に理解されるであろう。別個の実施形態との関連で本明細書に記載される本発明のある種の特徴を組み合わせて単一実施形態を形成できることもわかるはずである。逆に、単一実施形態との関連で記載される本発明の様々な特徴を組み合わせてそのサブ組み合わせを形成することができる。
【0014】
加えて、本明細書では特に明記しない限り、単数形で行われる言及にはまた、複数形も含まれる(例えば、「a」および「an」は1つ、または1つもしくはそれ以上を意味してもよい)。さらに、本明細書では特に明記しない限り、本明細書で用いられる様々に述べられる数値範囲のいずれかの最小値および最大値は、述べられた範囲の上および下のわずかな変動が述べられた範囲内のそれらの値と同じ結果を実質的に達成するために用いられ得るように、語句「約」によって先行されると理解される近似値であるにすぎない。さらに、様々に述べられる範囲のそれぞれは、該範囲のそれぞれの述べられた最大値と最小値との間のあらゆる値を包含するように連続であることを意図される。
【0015】
さらに、好ましい上限値および好ましい下限値のリストとして与えられる量、濃度、または他の値もしくはパラメーターは、範囲が別々に開示されてもされなくても、好ましい上限値および好ましい下限値の任意のペアから形成されるすべての範囲を具体的に開示するとして理解されるべきである。
【0016】
本明細書に言及されるすべての特許、特許出願および特許公開は、参照により本明細書にその全体が援用される。
【0017】
本発明は、スラリーの総重量を基準にして、少なくとも1つの液体媒体、約0.01〜約15重量%の少なくとも1つのマイクロファイバー、および約0.5〜約50重量%の少なくとも1つのミクロ粉末を含んでなるスラリーを提供する。少なくとも1つのミクロ粉末および少なくとも1つのマイクロファイバーを含有するスラリーは、ミクロ粉末のみを含有するスラリーと比較してスラリーからのミクロ粉末の分離に抗してより安定である。加えて、かかるスラリーは、ミクロ粉末のみを含有するスラリーと比較してミクロ粉末の凝集を効果的に減らすことが分かった。結果として、かかるスラリーは、分散された粒子が十分に分離され、そして好ましくは再凝集しないように、ミクロ粉末粒子の改善された分散を提供する。
【0018】
本発明はまた、少なくとも1つの液体媒体、少なくとも1つのマイクロファイバー、および少なくとも1つのミクロ粉末を含有するスラリーの製造方法を提供する。本方法は、その中に分散された粒子が十分に分離され、そして好ましくは再凝集しないように、液体媒体中にマイクロファイバーおよびミクロ粉末の改善された分散を提供する。
【0019】
本発明がいかなる特定の理論によっても縛られることは意図されないが、マイクロファイバーおよびミクロ粉末の改善された分散は一つには異なった形状を有する粒子の物理的相互作用のためであると考えられる。
【0020】
用語「スラリー」は、液体媒体、マイクロファイバー、ミクロ粉末および任意の添加剤および/または加工助剤を含有する組成物を意味するために本明細書では用いられる。
【0021】
用語「マイクロファイバー」は本明細書で用いるところでは、そのアスペクト比のために繊維と一般に記載することができる「加工繊維」を意味する。本明細書に開示されるように、スラリー中に好ましくは含有されるマイクロファイバーは、好ましくは約10:1〜約1000:1、より好ましくは約10:1〜約500:1、さらにより好ましくは約25:1〜約300:1の範囲のアスペクト比を有する。好ましくは、マイクロファイバーは約0.01〜約100ミクロン、より好ましくは約0.1〜約100ミクロン、さらにより好ましくは約0.1〜約50ミクロン、もっとより好ましくは約0.5〜約50ミクロン、最も好ましくは約0.5〜約25ミクロンの体積平均長さを有する。マイクロファイバーは好ましくは約1nm〜約12ミクロン、より好ましくは約5ナノメートル〜約1ミクロン、最も好ましくは約5ナノメートル〜約100ナノメートルの直径を有する。一般に、マイクロファイバーは約25〜約500m/グラムの範囲の平均表面積を有する。しかしながら、これらの寸法は近似値にすぎない。さらに、用語「直径」の使用は、マイクロファイバーが形状で円筒形であり、または断面で円形であることを要求されることを示唆すると意図されない。アスペクト比は、本明細書で用いるところでは、このようにマイクロファイバーの長さ(最大寸法)と最小寸法との間の比を意味する。
【0022】
マイクロファイバーはまた「ナノファイバー」と言われてもよく、それは、少なくとも1つの寸法で、繊維材料のサイズがナノメートルのオーダーにあることの指標である。マイクロファイバーはまた、特にスラリーまたは分散系の形態にあるときに、「微細パルプ」か、「ナノパルプ」かのどちらかと言われてもよい。用語「マイクロファイバー」は本明細書では、繊維がスラリー中に含有されようとされまいと加工繊維を意味するために用いられる。
【0023】
用語「ミクロ粉末」は本明細書では、好ましくは約0.01〜約100ミクロン、より好ましくは約0.1〜約50ミクロン、最も好ましくは約0.5〜約25ミクロンの範囲の平均直径の、細分された、容易に分散される粉末または粒子を意味するために用いられる。ミクロ粉末は一般的に有機材料または無機材料を含んでなる。
【0024】
マイクロファイバーは、繊維出発原料から製造され、有機および/または無機マイクロファイバーを含むが、それらに限定されない。繊維出発原料は、有機および/または無機繊維含むが、それらに限定されない。
【0025】
用語「繊維」は本明細書では、パルプ、短い繊維またはフィブリドを意味するために用いられる。例えば、マイクロファイバーを製造するのに出発原料として特に有用である、アラミドパルプなどのパルプは、アラミド繊維を精製してアラミド繊維材料の短い部分をフィブリル化することによって製造することができる。かかるパルプは、4.2〜15m/gの範囲の表面積、および0.6〜1.1ミリメートル(mm)の範囲のカジャーニ(Kajaani)重量平均長さを有すると報告されてきた。かかるパルプはまた、微細パルプと比較して高い体積平均長さを有する。例えば、デュポン、デラウェア州ウィルミントン(DuPont,Wilmington,Delaware)から入手可能なマージ(Merge)1F543アラミドパルプは、0.6〜08mmの範囲のカジャーニ(Kajaani)重量平均長さ、および、レーザー回折を用いてパルプを測定するときに、約0.5〜0.6mmの体積平均長さを有する。重合溶液から直接アラミドパルプを製造する代わりの方法は米国特許第5,028,372号明細書に開示されている。
【0026】
短い繊維(時々フロックと呼ばれる)は、繊維を有意にフィブリル化することなく連続フィラメントを短い長さへカットすることによって製造することができる。短い繊維は典型的には、長さが約0.25mm〜12mmの範囲である。例えば、米国特許第5,474,842号明細書に開示されている補強繊維は好適な短い繊維である。
【0027】
フィブリドは、5:1〜10:1の範囲の長さ対幅アスペクト比で0.2〜1mmの範囲の平均最大長さを有する非粒状フィルム様粒子である。厚さ寸法はミクロンの分数のオーダーにある。アラミドフィブリドは当該技術で周知であり、米国特許第5,209,877号明細書、同第5,026,456号明細書、同第3,018,091号明細書、および同第2,999,788号明細書に開示されている方法に従って製造することができる。該方法は典型的には、溶剤中の有機ポリマーの溶液を、該ポリマーにとって非溶剤であるが該溶剤と混和性である別の液体に加える工程と、激しく攪拌を行いフィブリドを凝集させる工程とを含む。凝集したフィブリドは精製され、分離され、乾燥されて高い表面積を有するフィブリドの塊をもたらし、塊は次に開かれて微粒子フィブリド製品をもたらす。
【0028】
有機マイクロファイバーは、有機繊維中に含まれた任意の有機材料を含有することができる。有機材料には、脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリフルオロカーボン、フェノール系誘導体、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレントリアゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、および/または芳香族ポリアミドなどの合成ポリマー;セルロース、綿、絹、および/または羊毛繊維などの天然繊維;ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0029】
使用することができる商業的に入手可能な有機繊維には、東洋紡(日本国)から入手可能な、ザイロン(ZYLON)(登録商標)PBO−AS(ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール))繊維、ザイロン(登録商標)PBO−HM(ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール))繊維;ならびにDSM(オランダ国(Netherlands))から入手可能な、ダイニーマ(DYNEEMA)(登録商標)SK60およびSK71超高強度ポリエチレン繊維;両方ともエンジニアリング・ファイバーズ・テクノロジー、コネチカット州シェルトン(Engineering Fibers Technology,Shelton,Connecticut)から入手可能である、セラニーズ・ベクトラン(Celanese VECTRAN)(登録商標)HSパルプおよびEFT 1063−178;スターリング・ファイバーズ社、フロリダ州ペイス(Sterling Fibers,Inc.,Pace,Florida)から入手可能である、CFFフィブリル化アクリル繊維(CFF Fibrillated Acrylic Fiber);ならびにダイセル化学工業株式会社、日本国堺市から入手可能であるチアラ・アラミド(Tiara Aramid)KY−400Sパルプが含まれるが、それらに限定されない。
【0030】
幾つかの用途では、有機繊維は好ましくは芳香族ポリアミドポリマー、特にポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)および/またはポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)でできており、それらはまたアラミド繊維としても知られている。本明細書で用いるところでは、「アラミド」は、その少なくとも85%が2つの芳香環に直結しているアミド(−CONH−)結合を有するポリアミドである。
【0031】
マイクロファイバーを製造するために使用される有機繊維はまた、公知の添加剤を含有することができる。例えば、アラミド繊維は1つもしくはそれ以上の他のポリマー材料をアラミドとブレンドされることができる。具体的には、アラミド繊維は約10重量%以下の他のポリマー材料を含有することができる。必要ならば、アラミドの共重合体は、10%もの1つもしくはそれ以上の他のジアミンがアラミドのジアミンに置き換わるか、10%もの他の二酸塩化物がアラミドの二酸塩化物に置き換わるかのどちらかであることができる。かかる有機繊維は米国特許第3,869,430号明細書、同第3,869,429号明細書、同第3,767,756号明細書、および同第2,999,788号明細書に開示されている。
【0032】
好ましくは、本発明に従って使用される芳香族ポリアミド有機繊維は、ケブラー(登録商標);ケブラー(登録商標)アラミドパルプ(デュポン、デラウェア州ウィルミントン)からマージ1F543として入手可能な);1.5ミリメートル(mm)ケブラー(登録商標)アラミドフロック(デュポン、デラウェア州ウィルミントンからマージ1F561として入手可能な);およびノメックス(NOMEX)(登録商標)アラミドフィブリド(デュポン、デラウェア州ウィルミントンからマージF25Wとして入手可能な)として商業的に入手可能である。
【0033】
無機繊維には、アルミナでできた繊維;ガラス繊維;カーボン繊維;カーボンナノキューブ;炭化ケイ素繊維;例えば、ウォラストナイト(CaSiO)でできた鉱物繊維;ならびに例えば、炭化ケイ素、ホウ素、および炭化ホウ素などの、単結晶の材料である、そしてガッチャー(Gachter)およびマラー(Muller)著、「プラスチック添加剤(Plastics Additives)」、第3版、ニューヨークのハンサー出版社(New York,Hanser Publishers)、1990年にもっと十分に記載されているウィスカーが含まれるが、それらに限定されない。
【0034】
本発明に従った使用に好適なミクロ粉末には、有機材料、無機材料、微粉鉱物、およびそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。
【0035】
有機材料には、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)ポリマーとして知られるポリマーの群などの有機ポリマーが含まれるが、それらに限定されない。TFEポリマー群には、樹脂が依然として溶融加工可能でないようにホモポリマーとコポリマーそれぞれが個々に低濃度の少なくとも1つの共重合可能な変性モノマーを含有するPTFEホモポリマーおよびPTFE共重合体(変性PTFE)が含まれるが、それらに限定されない。
【0036】
変性モノマーは、例えば、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE)、パーフルオロブチルエチレン、クロロトリフルオロエチレン、または側鎖をポリマー分子へ導入する別のモノマーであることができる。ポリマー中のかかる共重合変性剤の濃度は通常1モルパーセント未満である。本発明で使用することができるPTFEおよび変性PTFE樹脂には、乳化重合に由来するものだけでなく、懸濁重合に由来するものも含まれる。
【0037】
微粉鉱物は、例えば、粘土、タルク、炭酸カルシウムまたは雲母であることができる。
【0038】
無機材料は、例えば、沈澱および溶融シリカ、ケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸第二鉄または第一鉄、二酸化チタン、酸化アルミニウム、および酸化亜鉛であることができる。
【0039】
本発明に従った使用に好適なミクロ粉末は、粉末化有機ポリマー、微粉鉱物、および細分された粉末である、または研削装置によって細分粉末へ小さくされた無機材料をベースにする。様々に入手可能は研削装置には、ハンマーミルおよび/またはグラインダーが含まれるが、それらに限定されない。許容される研削装置は当業者に周知である。
【0040】
好ましくは、ミクロ粉末はフルオロポリマーである、より好ましくは、ミクロ粉末はTFEポリマーである。より好ましくは、ミクロ粉末は、デュポン、デラウェア州ウィルミントンから入手可能な、そして約0.2ミクロンの平均粒子径を有するゾニール(Zonyl)(登録商標)MP1600などのPTFE粉末である。
【0041】
マイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーは、1)マイクロファイバーへまだ小さくされていない有機および/または無機繊維出発原料、または2)マイクロファイバーへ既に小さくされた有機および/または無機繊維を含有するマイクロファイバー含有スラリーを提供することによって製造することができる。マイクロファイバーは、有機および/または無機繊維出発原料から製造することができる。マイクロファイバーは、本明細書に開示されるように液体媒体中で製造し、液体から分離し、次に必要に応じて使用することができる。
【0042】
有機および/または無機繊維出発原料が提供される場合、有機および/または無機繊維出発原料の量は、マイクロファイバーおよびミクロ粉末の両方を含有する生成スラリーの総重量を基準にして、好ましくは約0.01〜約50重量%、より好ましくは約0.10〜約25重量%、最も好ましくは約1〜約10重量%の範囲である。有機および/または無機繊維出発原料は、通常の混合およびポンプ送液装置を用いてミクロ粉末および液体媒体と組み合わせることができる。
【0043】
マイクロファイバースラリーが提供される場合、マイクロファイバースラリーは好ましくは、スラリーの総重量を基準にして少なくとも約0.01重量%のマイクロファイバーを含有する。しかしながら、マイクロファイバースラリーは、スラリーの総重量を基準にして約25または50重量%以下のマイクロファイバーを含有することができ、ここで、スラリー中のマイクロファイバー量の実用的な上限はハンドリングおよび装置要件によって決定される。より好ましくは、スラリーは、スラリーの総重量を基準にして少なくとも約0.1重量%のマイクロファイバーを含有する。スラリーは好ましくは、スラリーの総重量を基準にして約15重量%もしくはそれ未満、より好ましくは約10重量%もしくはそれ未満、さらにより好ましくは約5重量%もしくはそれ未満のマイクロファイバーを含有する。幾つかの好ましい実施形態では、スラリーは、スラリーの総重量を基準にして約0.01〜約50重量%のマイクロファイバー、好ましくは約0.1〜約15重量%、より好ましくは約0.1〜約10重量%、さらにより好ましくは約0.1〜約5重量%、もっとより好ましくは約0.1〜約2.5重量%、最も好ましくは約0.2〜約1重量%のマイクロファイバーを含有する。スラリーは、通常の混合およびポンプ送液装置を用いてミクロ粉末および液体媒体と組み合わせることができる。
【0044】
マイクロファイバー含有スラリーは、マイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーと同じ有機および/または無機繊維出発原料から製造することができる。繊維出発原料は、出発原料および液体媒体を撹拌タンクミキサー中で予備混合して液体媒体中に出発原料を分配させることによってマイクロファイバーへ加工することができる。プレミックスはその後、出発原料のサイズを小さくするおよび/または原料の形状を修正するために攪拌装置中で固体成分と攪拌される。マイクロファイバーへの出発原料の加工は好ましくは、液体媒体中に実質的に一様に分散されているマイクロファイバーをもたらすであろう。
【0045】
場合により、出発原料および液体媒体を、撹拌タンクミキサーを用いて予備混合し、プレミックスを形成した後、プレミックスは、出発原料をマイクロファイバーへ小さくするのにさらに役立つかもしれない固体成分を含有する攪拌装置のチャンバーに加えることができる。いかなる撹拌タンクミキサーも、任意のプレミックスを調製するために用いることができる。好ましくは、攪拌機は渦を生み出すために十分なスピードで回転する。コールズ(Cowles)型攪拌機が特に有効である。プレミックスおよび固体成分はその後、所望のサイズを有するマイクロファイバーを含有するマイクロファイバースラリーを製造するために有効量の時間攪拌される。所望のマイクロファイバーサイズを含有するスラリーが得られた後、固体成分を除去することができる。
【0046】
一般に、固体成分は先ず、攪拌装置の攪拌チャンバーに入れられ、次にプレミックスがそれに加えられる。しかしながら、添加の順序は決定的に重要であるわけではない。例えば、液体媒体および固体成分を組み合わせ、出発原料がそれに加えられる前に攪拌装置に加えることができるか、または出発原料および固体成分を組み合わせ、液体媒体がそれに加えられる前に攪拌装置に加えることができる。同様に、固体成分、液体媒体、および出発原料を組み合わせ、次に攪拌装置に加えることができる。
【0047】
攪拌中に、出発原料は任意の固体成分と繰り返し接触し、該成分によってドロドロにされる。当業者は、例えば、攪拌機またはメディアミルなどの、本発明の方法に従って用いることができる攪拌装置のタイプに精通している。
【0048】
攪拌装置はバッチまたは連続で運転することができる。バッチ磨砕機はよく知られている。好適な磨砕機には、オハイオ州アクロンのユニオン・プロセス社(Union Process,Inc.of Akron,Ohio)によって供給されるモデルNo.01、1−S、10−S、15−S、30−S、100−Sおよび200−Sが含まれる。かかる装置の別の供給業者はニュージャージー州クリフトンのグレン・ミルス社(Glen Mills Inc.of Clifton,New Jersey)である。好適なメディアミルには、ペンシルバニア州リーディングのプレミア・ミルズ(Premier Mills of Reading,Pennsylvania)によって供給されるスーパーミル(Supermill)HMおよびEHPモデルが含まれる。
【0049】
磨砕機が用いられる場合、固体成分の攪拌は一般に、撹拌アームの先端スピードおよび提供される撹拌アームの数によって制御される。典型的な磨砕機は4〜12のアームを有し、撹拌アームの先端スピードは一般に約150fpm〜約1200fpm(約45メートル/分〜約366メートル/分)の範囲である。好ましい磨砕機は6つのアームを有し、約200fpm〜約1000fpm(約61メートル/分〜約305メートル/分)、より好ましくは約300fpm〜約500fpm(約91メートル/分〜約152メートル/分)の範囲の先端スピードで運転される。
【0050】
メディアミルが用いられるとき、固体成分の攪拌は一般に、撹拌アームまたはディスクの先端スピードおよび提供される撹拌アーム/ディスクの数によって制御される。典型的なメディアミルは4〜10のアーム/ディスクを有し、撹拌アーム/ディスクの先端スピードは一般に約1500fpm〜約3500fpm(約457メートル/分〜約1067メートル/分)、好ましくは約2000fpm〜約3000fpm(約610メートル/分〜約914メートル/分)の範囲である。
【0051】
攪拌チャンバーに用いられる固体成分の量は「ロード」と呼ばれ、攪拌チャンバーの実容積ではなく嵩容積によって測定される。例えば、100%ロードは、固体成分がかなりのエアポケットを含有するので、チャンバー容積の約60%を占めるにすぎないであろう。メディアミルまたは磨砕機の攪拌チャンバーに加えられるロードは、フルロードを基準にして約40%〜約90%、好ましくは約75%〜約90%の範囲である。ボールミルについてのロードは、フルロードを基準にして約30%〜約60%の範囲である。実際には、パーセントロードは、先ず攪拌チャンバーを固体成分で満たしてフルロードの重量を測定し、次に所望ロードの重量をフルロードのパーセントとして特定することによって決定される。
【0052】
好ましくは、マイクロファイバースラリーの液体媒体には、水性および非水性溶剤、モノマー、水、樹脂、ポリマー、キャリア、ポリマー前駆体、ならびにそれらのブレンドおよび混合物から選択される少なくとも1つの液体が含まれる。本質的に、高温で液体へ変換することができる固体をはじめとして、液体形態にあるまたは液体へ変換することができる任意の材料を液体媒体として使用することができる。当業者は、液体媒体として使用することができる材料に精通している。ポリエステルへの組み入れに好適なマイクロファイバースラリーを調製するのに好適なポリマー前駆体および方法は、参照により本明細書に既に援用されている、「微細パルプを含有するポリマー前駆体分散系および該分散系の製造方法(Polymer Precursor Dispersion Containing a Micropulp and Method of Making the Dispersion)」という表題の共同所有の特許出願第10/428,294号明細書に開示されている。好ましいポリマー前駆体はエチレングリコールである。同様に、マイクロファイバーおよび/またはミクロ粉末を製造するのに用いられる繊維がマイクロファイバースラリーを調製するためにその中に分散させられ得る液体媒体は、水性および非水性溶剤、モノマー、水、樹脂、ポリマー、キャリア、ポリマー前駆体、ならびにそれらのブレンドおよび混合物から選択することができる。
【0053】
必要とされる液体媒体の量は一般に、スラリーの量および製造中のスラリーのマイクロファイバー重量パーセントに依存する。すなわち、必要とされるマイクロファイバースラリーの量および製造中のマイクロファイバースラリーの所望のマイクロファイバー重量パーセントは、どれだけ多くの液体媒体がマイクロファイバースラリーを製造するのに使用される必要があるかを決定する。当業者は、所望のマイクロファイバー重量パーセントを有する所望量のマイクロファイバースラリーを製造するために必要とされる液体媒体の量を決定することができる。
【0054】
任意の固体成分は好ましくは球形形状を有する。しかしながら、固体成分の形状は決定的に重要であるわけではなく、例えば、回転楕円体、ダイアゴナル、不規則形状粒子、およびそれらの組み合わせを含む。固体成分の最大平均サイズは、用いられる攪拌装置のタイプに依存する。しかしながら、一般に、固体成分の最大平均サイズは直径が約0.01mm〜約127mmの範囲である。
【0055】
例えば、磨砕機が用いられるとき、固体成分のサイズは一般に、直径が約0.6mm〜約25.4mmと変わる。メディアミルが用いられるとき、直径は一般に約0.1〜3.0mm、好ましくは0.2〜2.0mmと変わる。ボールミルが用いられるとき、直径は一般に約3.2〜76.2mm、好ましくは3.2〜9.5mmと変わる。
【0056】
固体成分は一般に液体媒体と化学的に相溶性であり、典型的にはガラス、アルミナ;酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、セリウム安定化酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、溶融ジルコニア・シリカ、スチール、ステンレススチール、砂、炭化タングステン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、めのう、ムライト、フリント、ガラス状シリカ、硝酸ボラン、セラミックス、クロム鋼、炭素鋼、鋳造ステンレススチール、プラスチック樹脂、およびそれらの組み合わせから選択される材料でできている。固体成分の製造に好適なプラスチック樹脂には、ポリスチレン、ポリカーボネート、およびポリアミドが含まれるが、それらに限定されない。固体成分に好適なガラスには、鉛フリーソーダ石灰、ホウケイ酸塩、および黒ガラスが含まれる。ケイ酸ジルコニウムは溶融させるまたは焼結させることができる。
【0057】
最も有用な固体成分は、炭素鋼、ステンレススチール、炭化タングステン、またはセラミックでできた球である。必要ならば、同じか異なるかどちらかのサイズを有する、同じか異なるかどちらかの材料でできている球の混合物を用いることができる。球径は約0.1mm〜76.2mm、好ましくは約0.4mm〜9.5mm、より好ましくは約0.7mm〜3.18mmの範囲であることができる。固体成分は、例えば、グレン・ミルス社、ニュージャージー州クリフトン;フォックス・インダストリーズ社、ニュージャージー州フェアフィールド(Fox Industries,Inc.,Fairfield,New Jersey);およびユニオン・プロセス、オハイオ州アクロンをはじめとする、様々な製造業者から容易に入手可能である。
【0058】
スラリーを製造する際に、ミクロ粉末は乾燥粉末としてか、ミクロ粉末含有スラリーとしてかのどちらかで加えることができる。
【0059】
乾燥粉末としてのミクロ粉末は、繊維がマイクロファイバーへ小さくされる前に有機および/または無機繊維出発原料と組み合わせることができるか、または有機および/または無機繊維出発原料から既に製造されたマイクロファイバースラリーと組み合わせることができるかのどちらかである。乾燥粉末および液体媒体は次に、通常の混合およびポンプ送液装置によって有機および/または無機繊維出発原料か、既に調製されたマイクロファイバー含有スラリーかのどちらかと組み合わせることができる。
【0060】
ミクロ粉末スラリーが用いられる場合、スラリーは好ましくは、スラリーの総重量を基準にして少なくとも約0.5重量%のミクロ粉末を含有する。しかしながら、ミクロ粉末スラリーは、スラリーの総重量を基準にして約50重量%以下のミクロ粉末を含有することができ、ここで、ミクロ粉末の量の実用的な上限は、スラリー粘度および材料処理能力によって決定される。より好ましくは、スラリーは、スラリーの総重量を基準にして少なくとも約1重量%のミクロ粉末、さらにより好ましくは少なくとも約2重量%のミクロ粉末を含有する。また、スラリーは好ましくは、スラリーの総重量を基準にして約25重量%もしくはそれ未満のミクロ粉末、より好ましくは約20重量%もしくはそれ未満のミクロ粉末、さらにより好ましくは約10重量%もしくはそれ未満のミクロ粉末を含有する。幾つかの好ましい実施形態では、スラリーは、スラリーの総重量を基準にして約0.5重量%〜約50重量%、好ましくは約1重量%〜約25重量%、さらにより好ましくは約1重量%〜約20重量%、最も好ましくは約1重量%〜約10重量%のミクロ粉末を含有する。ミクロ粉末スラリーは、繊維がマイクロファイバーへ小さくされる前に有機および/または無機繊維出発原料と組み合わせることができるか、有機および/または無機繊維出発原料から既に製造されたマイクロファイバースラリーと組み合わせることができるかのどちらかである。ミクロ粉末スラリー、液体媒体、ならびに有機および/または無機繊維出発原料か、既に調製されたマイクロファイバー含有スラリーかのどちらかを、通常の混合およびポンプ送液装置で組み合わせることができる。
【0061】
ミクロ粉末スラリーは一般に、マイクロファイバーを含有するスラリーの調製について本明細書で上に記載されたものと同じ方法によって調製される。すなわち、一般にミクロ粉末は液体媒体および任意の固体成分と接触させられ、引き続きミクロ粉末、液体媒体および任意の固体成分をボールミルなどのミル中で攪拌してミクロ粉末を液体媒体中に実質的に一様に分散させる。しかしながら、当業者は、ミクロ粉末スラリーを調製するための他の許容される方法に精通している。例えば、ミクロ粉末および液体媒体は先ず組み合わせてプレミックスを形成することができる。プレミックスはその次に固体成分と組み合わせ、攪拌装置中で攪拌することができる(攪拌装置が磨砕機であるとき)。あるいはまた、プレミックスはその次に、既に固体成分を含有する攪拌装置にフィードすることができる(メディアミルを用いるとき)。攪拌装置の性質にかかわらず、所望のサイズおよび一様な分布を有するミクロ粉末を含有するミクロ粉末スラリーを製造するために有効量の時間攪拌された後に、固体成分は除去される。
【0062】
マイクロファイバースラリーを調製するために用いられる方法のように、ミクロ粉末、固体成分、および液体媒体が組み合わせられる順番は決定的に重要であるわけでない。加えて、マイクロファイバースラリーを調製するために用いられる同じ撹拌タンクミキサー、固体成分、液体媒体、および攪拌装置を用いてミクロ粉末スラリーを調製することができる。マイクロファイバースラリーに加えるべき液体媒体の量を決定するために用いられる同じ方法を、ミクロ粉末スラリーに加えるべき液体媒体の量を決定するために用いることができる。
【0063】
ミクロ粉末およびマイクロファイバーの両方を含有するスラリーは好ましくは、スラリーの総重量を基準にして、少なくとも約0.01重量%のマイクロファイバーおよび少なくとも約0.5重量%のミクロ粉末を含有する。しかしながら、このスラリーは、スラリーの総重量を基準にして、約15重量%以下のマイクロファイバーおよび約50重量%以下のミクロ粉末を含有することができ、ここで、スラリー中のマイクロファイバーおよびミクロ粉末の量の実用的な上限は、粘度および材料ハンドリングによって決定される。より好ましくは、スラリーは、スラリーの総重量を基準にして、少なくとも約0.2重量%のマイクロファイバーおよび少なくとも約2重量%のミクロ粉末を含有する。スラリーは好ましくは、スラリーの総重量を基準にして、約15重量%もしくはそれ未満のマイクロファイバーおよび約30重量%もしくはそれ未満のミクロ粉末、より好ましくは約10重量%もしくはそれ未満のマイクロファイバーおよび約25重量%もしくはそれ未満のミクロ粉末、さらにより好ましくは約5重量%もしくはそれ未満のマイクロファイバーおよび20重量%もしくはそれ未満のミクロ粉末を含有する。
【0064】
幾つかの好ましい実施形態では、マイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーは、スラリーの総重量を基準にして、約0.01〜約15重量%マイクロファイバーおよび約0.5〜約50重量%ミクロ粉末、好ましくは約0.2〜約15重量%マイクロファイバーおよび約1〜約30重量%ミクロ粉末、より好ましくは約0.2〜約10重量%マイクロファイバーおよび約2〜約25重量%ミクロ粉末、さらにより好ましくは約0.2〜約5重量%マイクロファイバーおよび約2〜約20重量%ミクロ粉末、最も好ましくは約0.2〜約2.5重量%マイクロファイバーおよび約5〜約20重量%ミクロ粉末を含有する。
【0065】
ミクロ粉末およびマイクロファイバーの両方を含有するスラリーは一般に、マイクロファイバー含有スラリーまたはミクロ粉末含有スラリーの調製について本明細書で上に記載されたものと同じ方法によって調製される。しかしながら、マイクロファイバー含有スラリーが有機および/または無機繊維出発原料の代わりに使用される場合、許容されるミクロ粉末およびマイクロファイバー含有スラリーは、マイクロファイバー含有スラリー、液体媒体、およびミクロ粉末を撹拌タンクミキサー中で単に予備混合することによって製造することができる。
【0066】
プレミックスは、ミクロ粉末およびマイクロファイバー含有スラリーを製造するために固体成分とさらに攪拌される必要はない。しかしながら、有機および/または無機繊維出発原料の代わりにマイクロファイバースラリーを撹拌タンクミキサー中で液体媒体およびミクロ粉末と組み合わせることによって製造されたプレミックスは、場合により固体成分を含有する攪拌装置の攪拌チャンバーに搬送し、マイクロファイバー含有スラリーまたはミクロ粉末含有スラリーの調製について本明細書で上に記載されたものと同じ方法に従ってさらに処理することができる。好ましくは、ミクロ粉末は攪拌が始まる前に加えられる。
【0067】
有機および/または無機繊維出発原料がマイクロファイバー含有スラリーの代わりに使用される場合、有機および/または無機繊維出発原料は先ず撹拌タンクミキサー中で液体媒体と予備混合され、次に攪拌装置の攪拌チャンバーへ搬送される。ミクロ粉末は、場合により撹拌タンクミキサー中で有機および/または無機繊維出発原料および液体媒体と予備混合することができる。好ましくは、ミクロ粉末は、攪拌前に加えられ、サイズ減少が開始される。好ましくは、攪拌チャンバーは固体成分を含有する。
【0068】
マイクロファイバースラリーまたはミクロ粉末スラリーを調製するために用いられる方法のように、同じ撹拌タンクミキサー、固体成分、液体媒体、および攪拌装置を、マイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーを調製するのに用いることができる。加えて、マイクロファイバーまたはミクロ粉末含有スラリーに加えるべき液体媒体の量を決定するために用いられる同じ方法を、ミクロ粉末およびマイクロファイバー含有スラリーに加えるべき液体媒体の量を決定するのに用いることができる。
【0069】
固体成分が使用される場合、ミクロ粉末ならびに有機および/または無機繊維出発原料か、マイクロファイバー含有スラリーのマイクロファイバーかのどちらかが、攪拌されながら任意の固体成分と繰り返し接触し、そして固体成分によってドロドロにされるであろう。様々な攪拌装置を用いることができるが、メディアミル(半連側プロセス用)または磨砕機(バッチプロセス用)が好ましい。攪拌装置はバッチまたは連続で運転することができる。
【0070】
磨砕機が本発明のマイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーを調製するのに用いられるとき、固体成分は好ましくは磨砕機の攪拌チャンバーへ注ぎ込まれる。繊維、ミクロ粉末、および液体媒体は次に、撹拌タンクミキサー中で原料のどれも予備混合することなく磨砕機の攪拌チャンバーに直接加えることができる。しかしながら、原料のどれも、磨砕機の攪拌チャンバーに加えられる前に撹拌タンクミキサー中で予備混合することができる。固体成分は、例えば、磨砕機の少なくとも1つの撹拌アームによって攪拌状態に維持される。
【0071】
メディアミルがマイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーを調製するのに用いられるとき、繊維またはマイクロファイバー、ミクロ粉末、および液体媒体は好ましくは撹拌タンクミキサー中で予備混合され、次にメディアミルの攪拌チャンバーへポンプ送液される。プレミックスを攪拌チャンバーへポンプ送液する前に、固体成分が攪拌チャンバーに加えられる。プレミックスおよび固体成分はその次に、ミルの少なくとも1つの撹拌アーム/ディスクによって攪拌される。固体成分は、例えば、ミルの少なくとも1つの撹拌アームによって攪拌状態に維持される。
【0072】
表面積の幾らかの増加およびフィブリル化にもかかわらず、繊維長さのみを主として小さくする傾向がある従来の研削または細断法とは違って、本発明の方法での繊維またはマイクロファイバーサイズ減少は、繊維の長さの減少と一緒に実質的により小さい直径の繊維への有機および/または無機繊維/マイクロファイバーの両縦の分離に起因する。平均して、1、2もしくはさらにより大きい桁の繊維長さおよび/または直径減少は、有機および/または無機繊維出発原料で達成することができる。
【0073】
攪拌工程は、所望のサイズ/長さを有する実質的に一様に分散されたミクロ粉末およびマイクロファイバーを含有するスラリーを製造するために有効量の時間続行される。ミルを用いるとき、マイクロファイバー、および少なくともミクロ粉末を含有する液体媒体を攪拌装置に繰り返し通すことによってマイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーを追加的に製造することが望ましいかもしれない。ミルが用いられるとき、個別の成分がミル中に実際に存在する時間が製品のサイズを決定する。
【0074】
任意の固体成分が使用されるとき、マイクロファイバーの表面は十分に濡らされ、最小限の凝集体または塊ありでスラリー中に一様に分配される/分散される。同様に、少なくとも1つのミクロ粉末も最小限の凝集体または塊ありでスラリー中に一様に分配される/分散される。
【0075】
垂直メディアミルが用いられるとき、マイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーが製造される速度は、攪拌工程の間ずっと固体成分を、垂直メディアミルのチャンバーの底部および最上部近くに典型的に連結された外部通路を通して循環させることによって加速させることができる。固体成分が攪拌される速度は、出発原料の物理的および化学的構成、固体成分のサイズおよびタイプ、許容されるスラリーを製造するために利用可能な時間の長さ、ならびに所望のマイクロファイバーのサイズに依存する。
【0076】
満足できるマイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーを得るときに、固体成分は一般にスラリーから除去される。典型的には、固体成分は攪拌チャンバー中に留まる。しかしながら、幾つかの通常の分離法には、固体成分が通過するのを防ぎながら、マイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーが通過するのに十分に小さい開口部を有する網目スクリーンが含まれる。固体成分を除去した後、マイクロファイバーおよびミクロ粉末スラリーは直接使用することができる。典型的には、スラリーは、目視により観察することができる極わずかな粗粒子またはシードを含有するにすぎないであろう。
【0077】
マイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーはまた、染料、顔料、酸化防止剤、可塑剤、UV吸収剤、安定剤、レオロジー調整剤、フロー剤、金属フレーク、強化剤、フィラー、およびカーボンブラックを含むが、それらに限定されない通常の添加剤を含有することもできる。使用される通常の添加剤のタイプおよび量は勿論、マイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーの意図される用途およびそれから製造されつつある最終製品の所望の特性に依存するであろう。これら通常の添加剤の1つもしくはそれ以上を予備混合工程中か、攪拌工程の前、攪拌工程中、または攪拌工程の終了時のいずれかに添加できることは理解される。
【0078】
ミクロ粉末およびマイクロファイバー含有スラリーは、化粧品、マニキュア液、ペイントコーティング組成物、繊維、フィルム、モノフィラメント、成形部品をはじめとする、様々な製品を製造するために使用することができ、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、およびエラストマーを含む、樹脂、およびポリマー材料をはじめとする、様々な材料で使用することができる。
【実施例】
【0079】
本発明は次の実施例でさらに明確にされる。これらの実施例はあくまでも例として与えられていることが理解されるべきである。上記の議論およびこれらの実施例から、当業者は本発明の本質的特性を解明することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、それを様々な用途および条件に合わせるために本発明の様々な変更および修正を行うことができる。結果として、本発明は、本明細書で下に記述される例示的な実施例によって限定されず、むしろ本明細書で下に含有される特許請求の範囲によって明確にされる。
【0080】
比較例1
ミクロ粉末を含有するプレミックススラリーを、エチレングリコールおよび3%テフロン(Teflon)(登録商標)PTFEミクロ粉末(デュポン、デラウェア州ウィルミントンによって販売されるゾニール(Zonyl)(登録商標)1600N MP)をプレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給されるタンク・コールズ・ブレードミキサーに加え、それで予備混合することによって調製した。コールズ・ブレードミキサーは、約100〜約1000rpmの範囲のスピードで動作する高速攪拌機を含有した。重量百分率はスラリーの総重量を基準にした。当業者は、所望のミクロ粉末重量百分率を得るために加えるべきミクロ粉末の量をどのようにして決定するかを知っている。
【0081】
プレミックスは非常に塊が多く、決して均一ではなく、攪拌しない場合エチレングリコールから分離することが観察された。PTFEミクロ粉末は容器の底部に迅速に沈降することが観察された。
【0082】
プレミックスをその後、プレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給されるプレミア(Premier)SMLメディアミル(1.5Lスーパーミル(Supermill))に加えた。しかしながら、プレミックスを加える前に、プレミックスのサンプルを集めてプレミックス中に含有されるPTFEミクロ粉末の粒度を測定した。さらに、プレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給される商品名ミル・マテス(Mill Mates)で入手可能な1035mlの1.0mm固体セラミック球形媒体を、プレミックスを加える前にメディアミルに加えた。ベックマン・コールター社、カリフォルニア州フラートン(Beckman Coulter,Inc.,Fullerton,California)によって供給されるベックマン・コールターLS200粒度分析器を用いてプレミックス中に含有されるミクロ粉末粒子のサイズを分析した。
【0083】
所与のミル・セットアップ、すなわち、ミルタイプ、媒体タイプ、処理スピードなどに対してミクロ粉末の粒度を、メディアミルの粉砕チャンバーでのプレミックスの滞留時間によって制御した。滞留時間はミル空隙率、全液体バッチサイズ、および全ランタイムの関数である。
【0084】
8500グラムの初期バッチサイズを8時間再循環してランさせた。8時間後に、第2サンプルを集めて生じたスラリー中に含有されるミクロ粉末粒子のサイズを分析した。生じたスラリーのPTFEミクロ粉末は再び容器の底部に沈降することが観察された。
【0085】
テフロン(登録商標)ミクロ粉末スラリーサンプル中に含有されるミクロ粉末粒子の平均粒度を表Aに示す。テフロン(登録商標)ミクロ粉末スラリーサンプル中に含有されるミクロ粉末粒子の粒度分布を描くグラフを図1に示す。
【0086】
実施例1
ミクロ粉末および繊維を含有するプレミックススラリーを、エチレングリコール、デュポン、デラウェア州ウィルミントンによって販売される1.5%ケブラー(登録商標)パルプ1F543および1.5%テフロン(登録商標)PTFEミクロ粉末(デュポン、デラウェア州ウィルミントンによって販売されるゾニール(登録商標)1600N MP)をプレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給されるコールズ・ブレードミキサーで予備混合することによって調製した。コールズ・ブレードミキサーは、約100〜約1000rpmの範囲のスピードで動作する高速攪拌機を含有した。重量百分率はスラリーの総重量を基準にした。
【0087】
プレミックスをその後、プレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給されるプレミアSMLメディアミル(1.5Lスーパーミル)に加えた。メディアミルは、5つのプラスチックデュスク・セットアップおよび1.38リットル作業容量を有した。プレミックスを加える前に、プレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給される商品名ミル・マテスで入手可能な1035mlの1.0mm固体セラミック球形媒体を、ミルが75%ロードの球形媒体を含有するようにミルに加えた。
【0088】
所与のミル・セットアップ、すなわち、ミルタイプ、媒体タイプ、処理スピードなどに対してミクロ粉末の粒度を、メディアミルの粉砕チャンバーでのプレミックスの滞留時間によって制御した。滞留時間はミル空隙率、全液体バッチサイズ、および全ランタイムの関数である。
【0089】
プレミックスをメディアミルに加えた後、プレミックスおよび固体媒体を8時間攪拌した。生じたスラリーは安定であるように見え、比較例1のミクロ粉末スラリーよりはるかに粘稠であった。目に見える分離または沈降は全くなかった。
【0090】
ベックマン・コールター社、カリフォルニア州フラートンによって供給されるベックマン・コールターLS200粒度分析器を用いて生じたスラリー中に含有されるミクロ粉末粒子のサイズを測定した。テフロン(登録商標)ミクロ粉末およびケブラー(登録商標)マイクロファイバー含有スラリー中に含有されるミクロ粉末粒子の平均粒度を表Aに示す。テフロン(登録商標)ミクロ粉末およびケブラー(登録商標)マイクロファイバー含有スラリー中に含有されるミクロ粉末粒子の粒度分布を描くグラフを図1に示す。
【0091】
粒度分析器がマイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリー中に存在するケブラー(登録商標)マイクロファイバーとテフロン(登録商標)ミクロ粉末粒子とを区別できなかったことを指摘することは重要である。結果として、最大および最小ミクロ粉末粒子を具体的に特定することはできなかったが、最大粒子は約70ミクロンへ、そして70ミクロンサイズ粒子が実はケブラー(登録商標)マイクロファイバーであるならば、もしかすると70ミクロンより小さいさえの粒度へ明らかに小さくされた。スラリー中の最大テフロン(登録商標)ミクロ粉末粒子の実サイズは測定することができなかったが、ミクロ粉末粒子のサイズは、テフロン(登録商標)ミクロ粉末のみを含有し、そしてケブラー(登録商標)繊維/マイクロファイバーを全く含有しない比較例1プレミックスおよびスラリーよりかなり小さい、70ミクロンもしくはそれ未満であった。
【0092】
【表1】

【0093】
テフロン(登録商標)ミクロ粉末含有スラリープレミックスは、最大の測定粒度が>600ミクロンであって、43ミクロンの平均ミクロ粉末粒度を有した。プレミックスを8時間の研削にかけた後、ミクロ粉末粒子の平均粒度は、最大の測定粒度が194ミクロンであって、17ミクロンに低下した。
【0094】
テフロン(登録商標)ミクロ粉末およびケブラー(登録商標)マイクロファイバー含有スラリープレミックスを8時間の研削にかけた後、スラリーは、最大の測定粒子が70ミクロンのサイズを有して、10ミクロンの平均粒度を含有した。
【0095】
比較例1および実施例1のスラリーを製造するのに使用したゾニール(登録商標)1600Nミクロ粉末は、12ミクロンの開始平均ミクロ粉末粒度を有した。表Aのデータは、研削される前に比較例1スラリー中に含有されるミクロ粉末がエチレングリコールと予備混合されたときにかなりの量の凝集を一見したところ受けたことを示す。表Aのデータはさらに、比較例1スラリープレミックス中に含有される凝集ミクロ粉末がスラリープレミックスを8時間の研削にかけることによって減少したことを示す。しかしながら、生じた比較例1ミクロ粉末スラリーは、17ミクロンの平均粒度の粒子を依然として含有し、194ミクロンほどに大きく凝集する。さらに、比較例1スラリー中に含有されるミクロ粉末はエチレングリコールから容易に分離し、容器の底部に沈降することが観察された。
【0096】
表Aのデータはさらに、実施例1で製造されたエチレングリコール中のミクロ粉末および繊維を共研削すると、ミクロ粉末およびマイクロファイバー含有スラリーは、比較例1スラリーの17ミクロンおよび47ミクロン平均粒度よりかなり小さい、10ミクロンの平均粒度を有したことを示す。
【0097】
表Aデータはさらに、実施例1スラリーの最大測定粒子は70ミクロンであったが、比較例1スラリーの最大測定粒子は>600ミクロンおよび194ミクロンであったことを示す。再び、実施例1の最大粒子についての70ミクロン測定値は、比較例1の最大粒子についての>600ミクロンおよび194ミクロン測定値よりかなり小さい。さらに、比較例1のスラリーと対照的に、実施例1スラリーは見かけの粒子分離が全くなしで安定であることが観察された。
【0098】
粒度分析器はマイクロファイバーとミクロ粉末粒子とを区別することができないが、最大粒子は約70ミクロンに、そして70ミクロンサイズ粒子が実はケブラー(登録商標)マイクロファイバーであるならば、もしかすると70ミクロンより小さいさえの粒度に明らかに小さくされた。加えて、最大テフロン(登録商標)ミクロ粉末粒子の実サイズは実施例1のマイクロファイバーおよびミクロ粉末含有スラリーについて測定することができないが、ミクロ粉末粒子のサイズは、テフロン(登録商標)ミクロ粉末のみを含有し、そしてケブラー(登録商標)繊維/マイクロファイバーを全く含有しなかった比較例1スラリーのミクロ粉末粒子よりかなり小さい、70ミクロンもしくはそれ未満であるに違いない。
【0099】
比較例1および実施例1のスラリーは同じ処理条件および手順下にそして同じ装置などで調製されたので、ケブラー(登録商標)繊維がより良好な安定性および分散ミクロ粉末粒子の減少した分離だけでなく、実施例1スラリーのより小さいミクロ粉末粒度にも貢献したと考えられる。
【0100】
実施例2
マイクロファイバーおよびミクロ粉末スラリーを、1重量%ケブラー(登録商標)パルプ(デュポン、デラウェア州ウィルミントンによって販売されるマージ1F543)、20重量%二酸化チタン(デュポン、デラウェア州ウィルミントンによって販売されるTi−ピュアR−706(Ti−Pure R−706))、および79重量%脱イオン水をプレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給されるコールズ・ブレードミキサーで予備混合することによって調製した。コールズ・ブレードミキサーは、約100〜約1000rpmの範囲のスピードで動作する高速攪拌機を含有した。重量百分率はスラリーの総重量を基準にした。当業者は、所望のマイクロファイバー、ミクロ粉末、および脱イオン水重量百分率を得るために加えるべき繊維、ミクロ粉末および脱イオン水の量をどのようにして決定するかを知っている。
【0101】
プレミックスをプレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給されるプレミアSMLメディアミル(1.5Lスーパーミル)に加えた。プレミックスを加える前に、ミルを0.7〜1.2mmCe−安定化ジルコニア媒体で75容量%まで満たした。ミルの先端スピードを731.5メートル毎分(2400fpm)にセットした。プレミックスを296g/分の処理量で720分間再循環してランさせた。ランの全体にわたって、スラリーの7つの1Lサンプルを別個のサンプル瓶に集め、スラリー中に含有される粒子の沈降挙動を研究するために平面上に置いた。10ヶ月後に、沈降を、サンプル瓶の底部から沈降固形分の最上部レベルまでの距離をサンプル瓶の底部から液体メニスカスまでの距離で割った比によって定量化した。沈降研究結果を表Bにまとめる。
【0102】
比較例2
二酸化チタン・プレミックススラリーを、20重量%二酸化チタンミクロ粉末(デュポン、デラウェア州ウィルミントンによって販売されるTi−ピュアR−706)および80重量%脱イオン水をプレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給されるコールズ・ブレードミキサーで予備混合することによって調製した。コールズ・ブレードミキサーは、約100〜約1000rpmの範囲のスピードで動作する高速攪拌機を含有した。重量百分率はスラリーの総重量を基準にした。当業者は、所望のミクロ粉末、および脱イオン水重量百分率を得るために加えるべきミクロ粉末および脱イオン水の量をどのようにして決定するかを知っている。
【0103】
プレミックスをプレミア・ミル社、ペンシルバニア州リーディングによって供給されるプレミアSMLメディアミル(1.5Lスーパーミル)に加えた。プレミックスを加える前に、ミルを0.7〜1.2mmCe−安定化ジルコニア媒体で75容量%まで満たした。ミルの先端スピードを731.5メートル毎分(2400fpm)にセットした。プレミックスを296g/分の処理量で720分間再循環してランさせた。ランの全体にわたって、スラリーの7つの1Lサンプルを別個のサンプル瓶に集め、スラリー中に含有される粒子の沈降挙動を研究するために平面上に置いた。8ヶ月後に、沈降を、サンプル瓶の底部から沈降固形分の最上部レベルまでの距離をサンプル瓶の底部から液体メニスカスまでの距離で割った比によって定量化した。沈降研究結果を表Bにまとめる。
【0104】
【表2】

【0105】
表Bに示されるように、実施例2サンプル瓶中の固形分の高さは、ミル時間が増えるにつれて増加した。すなわち、実施例2サンプルの固形分高さ対液体高さ比はミル時間が増加したときに0.5から1.0へ増加した。しかしながら、比較例2サンプルの固形分高さ対液体高さは、ミリング時間が増加したときに増加しなかった。ミリング時間が増加するにつれての実施例2比の増加は、ケブラー(登録商標)マイクロファイバーが二酸化チタンを水中に分散させるために使用できることを示唆する。
【0106】
2つの実施例2サンプルおよび2つの比較例2サンプルのレオロジー特性を、TAインスツルメンツ(TA Instruments)、デラウェア州ニューキャッスル(TA Instruments,New Castle,Delaware)によって供給されるTAインスツルメンツAR2000N回転流動計を用いて研究した。結果を図2にまとめる。
【0107】
実施例3
攪拌機、真空ジェットおよびオートクレーブのクラベス(clave)部分の上方に置かれたモノマー蒸留釜付き公称4000ポンド垂直オートクレーブを用いて、粉砕ケブラー(登録商標)(ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド))(デュポン、デラウェア州ウィルミントンから入手可能な)マイクロファイバーおよびゾニールMP−1600(デュポン、デラウェア州ウィルミントンから入手可能な細分されたPTFEミクロ粉末)を含有するポリマーの幾つかのバッチを製造した。
【0108】
モノマー蒸留釜におおよそ1500リットル(おおよそ3800ポンド)のジメチルテレフタレート(DMT)およびおおよそ650リットルのエチレングリコールを装入した。さらに、おおよそ420ポンドの1%ケブラー(登録商標)スラリー(エチレングリコール中1%繊維)およびおおよそ1400ポンドの14%ゾニール(登録商標)MP−1600Nスラリー(エチレングリコール中14%PTFEミクロ粉末)を釜に加えた。最後に、エチレングリコール中の溶液としての酢酸マンガンをエステル交換触媒として加え、そしてエチレングリコール中の溶液としての三酸化アンチモンを重縮合触媒として加えた。釜中の原料のすべてをブレンドへ攪拌した。釜の温度を約180分の期間にわたっておおよそ250℃に上げた。大気圧をエステル交換反応の間ずっと釜中で維持した。推定1300ポンド(おおよそ700リットル)のメタノール留出物を回収した。生成した溶融モノマー、ビス(2−ヒドロキシエチルテレフタレート)を次にモノマー蒸留釜からオートクレーブのクラベス部分に落とした。
【0109】
原料を混合し、攪拌し、そして温度をおおよそ295℃の最終重合温度に上げることによって重合させた。圧力を約180分の期間にわたって約1mm Hgの最終圧力に下げた。生じたポリマーを、33穴キャスティングプレートを通してストランドへ押し出し、それを次に急冷し、カットし、箱に詰めた。
【0110】
生じたポリマーを溶液法によって試験して約0.58の固有粘度(IV)を有することが分かった(グッドイヤー(Goodyear)法)。生じたポリマーはさらに、示差走査熱量測定(DSC)法によって約125℃の結晶化温度および約258℃の溶融温度を有することが分かった。
【0111】
実施例4〜8
攪拌機、真空およびオートクレーブのクラベス部分の上方に置かれたモノマー蒸留釜付き公称100ポンドオートクレーブを用いて、粉砕ケブラー(登録商標)マイクロファイバーおよびゾニールMP−1600N(PTFE)ミクロ粉末を含有するポリマーの幾つかのバッチを製造した。生じた実施例4〜8ポリマーの組成物を表Cに示した。
【0112】
実施例4〜8ポリマーを製造する際に、65ポンドのエチレングリコールと一緒にDMTを釜に装入した。次に、ケブラー(登録商標)の1%スラリー(エチレングリコール中1%繊維)マイクロファイバーおよびゾニール(登録商標)MP−1600Nを釜に加える。ゾニール(登録商標)MP−1600Nは粉末形態で釜に加えた。最後に、エチレングリコール中の溶液としての酢酸マンガンをエステル交換触媒として加え、そしてエチレングリコール中の溶液としての三酸化アンチモンを重縮合触媒として加えた。
【0113】
釜の温度を約240℃に上げ、おおよそ15リットルのメタノール留出物を回収する。生成した溶融モノマー、ビス(2−ヒドロキシエチルテレフタレート)を次にモノマー蒸留釜からオートクレーブのクラベス部分に落とした。
【0114】
原料のすべてを混合し、攪拌し、そして温度を約285℃の最終重合温度に上げることによって重合させた。圧力を約1mm Hgの最終圧力に下げた。ポリマーを、33穴キャスティングプレートを通してストランドへ押し出し、それを急冷し、カットし、箱に詰めた。ポリマーを結晶化させ、水平混転反応器で固相重合させた。ポリマーを135℃で結晶化させ、約237℃で24時間の全加熱時間固相重合させた。
【0115】
実施例4〜8ポリマーのそれぞれについて表Cに示されるピーク結晶化温度および融点温度をDSC法によって測定した。表Cに示されるような実施例4〜8ポリマー組成物のそれぞれのX線電子分光法(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)(ESCA))は、各ポリマーの表面を分析することによって測定された。これらの結果は、フルオロポリマーがポリマーサンプル中に含有されていることを裏付けたし、ここで、「F原子%」は観察されるフッ素原子の百分率を定量化し、「F/C比」はサンプルに観察されるフッ素原子対炭素原子の比を定量化する。
【0116】
【表3】

【0117】
実施例9〜14
134.75gビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、0.0468g酢酸マンガン(II)四水和物、および0.0365g酸化アンチモン(III)を250mlガラスフラスコに加えた。表Dは、各250mlフラスコに加えたマイクロファイバーおよびミクロ粉末の量を特定する。生じた反応混合物を次に撹拌した。反応混合物をその後、遅い窒素パージ下に180℃に加熱し、約0.5時間保持した。反応混合物を次に285℃に加熱し、再び約0.5時間保持した。最後に、反応混合物を、表Dに示す時間撹拌しながら285℃で段階的にフル真空(100ミリトル未満)にした。真空を解除し、反応マスを室温に冷却した。
【0118】
実施例9〜14反応生成物のそれぞれの実験室相対粘度(LRV)および結晶融点を得て、表Dに示した。結晶融点はDSC法を用いて得た。表Dデータは、マイクロファイバーおよびミクロ粉末原料の粉末またはスラリー形態を用いて様々な方法によって製造したポリエステル組成物を例証する。特に、実施例12および14によって示されるように、2つのスラリーの組み合わせは、必要とされる真空時間の減少によって明らかであるように本方法を改良する。
【0119】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】様々なミクロ粉末含有スラリーのミクロ粉末粒度分布を例示するグラフである。
【図2】マイクロファイバーを含有しない二酸化チタンスラリーと比較してマイクロファイバーを含有する二酸化チタンスラリーのレオロジー特性を例示するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの液体媒体、少なくとも1つのマイクロファイバー、および少なくとも1つのミクロ粉末を含んでなるマイクロファイバーおよびミクロ粉末スラリー。
【請求項2】
0.01〜15重量%の少なくとも1つのマイクロファイバーを含んでなる、請求項1に記載のスラリー。
【請求項3】
スラリーの総重量を基準にして、0.5〜50重量%の少なくとも1つのミクロ粉末を含んでなる、請求項1に記載のスラリー。
【請求項4】
スラリーの総重量を基準にして、0.2〜15重量%の少なくとも1つのマイクロファイバーおよび2〜30重量%の少なくとも1つのミクロ粉末を含んでなる、請求項1に記載のスラリー。
【請求項5】
液体媒体が水性溶剤、非水性溶剤、モノマー、水、樹脂、ポリマー、ポリマー前駆体、キャリア、およびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載のスラリー。
【請求項6】
少なくとも1つのマイクロファイバーが有機マイクロファイバーを含んでなる、請求項1に記載のスラリー。
【請求項7】
有機マイクロファイバーが脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリフルオロカーボン、フェノール系誘導体、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレントリアゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロース、綿、絹、羊毛、およびそれらの混合物から選択されるポリマー材料を含んでなる、請求項6に記載のスラリー。
【請求項8】
有機マイクロファイバーがポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、およびそれらの混合物から選択される芳香族ポリアミドポリマーを含んでなる、請求項6に記載のスラリー。
【請求項9】
少なくとも1つのマイクロファイバーが無機マイクロファイバーを含んでなる、請求項1に記載のスラリー。
【請求項10】
無機マイクロファイバーがアルミナ、シリカ、ガラス、カーボン、ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの材料を含んでなる、請求項9に記載のスラリー。
【請求項11】
少なくとも1つのミクロ粉末が有機材料、無機材料、微粉鉱物、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの材料を含んでなる、請求項1に記載のスラリー。
【請求項12】
有機材料がPTFE、PTFEホモポリマー、PTFE共重合体、変性PTFE、およびそれらの混合物から選択される、請求項11に記載のスラリー。
【請求項13】
無機材料が沈澱シリカ、溶融シリカ、ケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸第二鉄または第一鉄、二酸化チタン、酸化アルミニウム、および酸化亜鉛から選択される、請求項11に記載のスラリー。
【請求項14】
微粉鉱物が粘土、タルク、炭酸カルシウムおよび雲母から選択される、請求項11に記載のスラリー。
【請求項15】
染料、顔料、酸化防止剤、可塑剤、UV吸収剤、安定剤、レオロジー調整剤、フロー剤、金属フレーク、強化剤、フィラー、およびカーボンブラックから選択される少なくとも1つの通常の添加剤をさらに含んでなる、請求項1に記載のスラリー。
【請求項16】
マイクロファイバーが0.01〜100ミクロンの体積平均長さを有する、請求項1に記載のスラリー。
【請求項17】
マイクロファイバーがアスペクト比10:1〜1000;1、より好ましくは10:1〜500;1、そしてさらにより好ましくは25:1〜300;1を有する、請求項1に記載のスラリー。
【請求項18】
ミクロ粉末が0.01〜100ミクロンの平均直径を有する、請求項1に記載のスラリー。
【請求項19】
請求項1に記載のマイクロファイバーおよびミクロ粉末スラリーから製造される材料。
【請求項20】
材料、樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、およびエラストマーから選択される、請求項19に記載の材料。
【請求項21】
請求項19に記載の材料から製造される製品。
【請求項22】
化粧品、マニキュア液、ペイントコーティング組成物、繊維、フィルム、モノフィラメント、成形部品から選択される、請求項19に記載の製品。
【請求項23】
少なくとも1つのマイクロファイバー、少なくとも1つのミクロ粉末および液体媒体を含んでなるスラリーの製造方法であって、少なくとも1つの繊維を含んでなる出発原料を少なくとも1つの液体媒体と予備混合してプレミックスを形成する工程と、
少なくとも1つのミクロ粉末をプレミックスに加える工程と、
プレミックスおよびミクロ粉末を固体成分とマイクロファイバーおよびミクロ粉末を含有するスラリーを製造するために有効量の時間攪拌する工程と、
固体成分を除去する工程と
を含んでなる方法。
【請求項24】
出発原料が少なくとも1つの有機繊維を含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
有機繊維が脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリフルオロカーボン、フェノール系誘導体、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレントリアゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロース、綿、絹、羊毛、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのポリマー材料を含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つの有機繊維がポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、およびそれらの混合物から選択される芳香族ポリアミドポリマーである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
出発原料が少なくとも1つの無機繊維を含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
無機繊維がアルミナ、シリカ、ガラス、カーボン、ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの材料を含んでなる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つのミクロ粉末が有機材料、無機材料、微粉鉱物、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの材料を含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
有機材料がPTFE、PTFEホモポリマー、PTFE共重合体、変性PTFE、およびそれらの混合物から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
無機材料が沈澱シリカ、溶融シリカ、ケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸第二鉄または第一鉄、二酸化チタン、酸化アルミニウム、および酸化亜鉛から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
微粉鉱物が粘土、タルク、炭酸カルシウムおよび雲母から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
液体媒体が水性溶剤、非水性溶剤、モノマー、水、樹脂、ポリマー、ポリマー前駆体、キャリア、それらの混合物、およびそれらのブレンドから選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
染料、顔料、酸化防止剤、可塑剤、UV吸収剤、安定剤、レオロジー調整剤、フロー剤、金属フレーク、強化剤、フィラー、またはカーボンブラックから選択される少なくとも1つの通常の添加剤を提供する工程をさらに含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項35】
請求項23に記載の方法によって製造されるスラリー。
【請求項36】
少なくとも1つのマイクロファイバー、少なくとも1つのミクロ粉末および少なくとも1つの液体媒体を含んでなるスラリーの製造方法であって、マイクロファイバースラリー、少なくとも1つのミクロ粉末を、少なくとも1つのマイクロファイバーおよび少なくとも1つのミクロ粉末を含有するスラリーを製造するために有効量の時間混合する工程を含んでなる方法。
【請求項37】
前記マイクロファイバースラリーおよび前記少なくとも1つのミクロ粉末が別の液体媒体と混合される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
スラリーおよび少なくとも1つのミクロ粉末を固体成分と攪拌する工程をさらに含んでなる、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
マイクロファイバースラリーが少なくとも1つの有機マイクロファイバーを含んでなる、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つの有機マイクロファイバーが脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリフルオロカーボン、フェノール系誘導体、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレントリアゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロース、綿、絹、羊毛、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのポリマー材料を含んでなる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1つの有機マイクロファイバーがポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、またはそれらの混合物から選択される芳香族ポリアミドポリマーを含んでなる、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
マイクロファイバースラリーが少なくとも1つの無機マイクロファイバーを含んでなる、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
少なくとも1つの無機マイクロファイバーがアルミナ、シリカ、ガラス、カーボン、ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの材料を含んでなる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも1つのミクロ粉末が有機材料、無機材料、微粉鉱物、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの材料を含んでなる、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
有機材料がPTFE、PTFEホモポリマー、PTFE共重合体、変性PTFE、およびそれらの混合物から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
無機材料が沈澱シリカ、溶融シリカ、ケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸第二鉄または第一鉄、二酸化チタン、酸化アルミニウム、および酸化亜鉛から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
微粉鉱物が粘土、タルク、炭酸カルシウムおよび雲母から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
液体媒体が水性溶剤、非水性溶剤、モノマー、水、樹脂、ポリマー、ポリマー前駆体、キャリア、それらの混合物、およびそれらのブレンドから選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項49】
染料、顔料、酸化防止剤、可塑剤、UV吸収剤、安定剤、レオロジー調整剤、フロー剤、金属フレーク、強化剤、フィラー、またはカーボンブラックから選択される少なくとも1つの通常の添加剤を提供する工程
をさらに含んでなる、請求項36に記載の方法。
【請求項50】
請求項36に記載の方法によって製造されるスラリー。
【請求項51】
少なくとも1つのマイクロファイバー、少なくとも1つのミクロ粉末および第1液体媒体を含んでなるスラリーの製造方法であって、マイクロファイバースラリーを少なくとも1つの第2液体媒体と予備混合してプレミックスを形成する工程と、少なくとも1つのミクロ粉末をプレミックスに加える工程と
を含んでなる方法。
【請求項52】
第1液体媒体および第2液体媒体の少なくとも1つが2つもしくはそれ以上の液体のブレンドである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
第1液体媒体および第2液体媒体が同一ではない、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
プレミックスおよび少なくとも1つのミクロ粉末を固体成分と少なくとも1つのマイクロファイバーおよび少なくとも1つのミクロ粉末を含有するスラリーを製造するために有効量の時間攪拌する工程と、固体成分を除去する工程と
をさらに含んでなる、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
請求項51に記載の方法によって製造されるスラリー。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−527109(P2008−527109A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550558(P2007−550558)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/000809
【国際公開番号】WO2006/076355
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】