説明

マイクロホンユニット

【課題】振動板に発生する応力を低減でき、感度変動の少ないマイクロホンユニットを提供する。
【解決手段】マイクロホンユニット1は、音圧によって変位する振動板122を有して音信号を電気信号に変換する電気音響変換部12と、電気音響変換部122を搭載する基板11と、外部音圧を導入する少なくとも1つの音孔14aを有して基板11が収容される筐体(例えばトップケース14とボトムケース15とからなる)と、基板11と筐体との接触箇所を減じるように基板11と筐体との間に配置され、基板11に発生する応力を低減する緩衝部材17と、備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された音を電気信号に変換する機能を備えたマイクロホンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、携帯電話やトランシーバ等の音声通信機器、又は音声認証システム等の入力された音声を解析する技術を利用した情報処理システム、或いは録音機器、といった音声入力装置にマイクロホンユニットが適用されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、マイクロホンユニットは、入力された音を電気信号に変換して出力する機能を有するものを指している。
【0003】
図12は、従来のマイクロホンユニットの構成例を示す概略断面図である。図12に示すように、従来のマイクロホンユニット100は、基板101と、基板101に実装されて音圧を電気信号に変換する電気音響変換部102と、基板101に実装されて電気音響変換部102で得られる電気信号の増幅処理等を行う電気回路部103と、基板101に実装される電気音響変換部102や電気回路部103を粉塵等から保護するカバー部材104と、を備える。なお、カバー部材104には音孔(貫通孔)104aが形成されており、外部の音が電気音響変換部102へと導かれるようになっている。
【0004】
電気音響変換部102には図示しない振動板が備えられ、マイクロホンユニット100は、音孔104aを介して入力された音圧によって振動する(変位する)振動板の振動に応じた電気信号を出力するようになっている。この振動板の張力に変動があると、マイクロホンユニット100の感度が変動する。詳細には、振動板の張力が小さくなると、振動板が振動し易くなって感度が向上する。一方、振動板の張力が大きくなると、振動板が振動し難くなって感度が低下する。
【0005】
マイクロホンユニットを大量生産するにあたっては、その感度が一定の範囲内となるように生産する必要があり、マイクロホンユニットの製造時に振動板の張力が変動して感度にバラツキがあっては不都合である。このため、従来のマイクロホンユニット100の製造にあたっては、振動板の張力を狙いの範囲内に保てるように製造する必要があった。
【0006】
なお、上述のマイクロホンユニット100とは構成が異なるマイクロホンユニットに対するものであるが、特許文献2には振動板の張力変化による性能劣化を防止する技術が開示されている。以下、簡単に、特許文献2に開示される構成について説明する。
【0007】
図13は、特許文献2に開示される(他の従来例の)マイクロホンユニットの構成を示す概略断面図である。図13に示すように、従来のマイクロホンユニット200は、振動板201と、振動板201が固着された振動板保持体202と、振動板201に隙間をおいて対向配置され振動板201との間でコンデンサを構成する固定極203と、インピーダンス変換器204を配置したプリント基板205と、これらの部材が組み込まれたユニットケース206とを有する。そして、マイクロホンユニット200においては、振動板201、振動板保持体202、固定極203を含む内部構成部材とプリント基板205との間に、弾性力のある導電性の付勢材207が介在する。
【0008】
このような構成では、付勢材207の存在によって、ユニットケース206内部の内部構成部材を確実に、且つ、バランス良く固定できるために、振動板201の張力変化による性能劣化が防止できるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−199353号公報
【特許文献2】特開2008−67128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、本発明者らは、上述した従来のマイクロホンユニット100(図12参照)を効率良く組み立てられること等を目的として、例えば図14に示すような構成のマイクロホンユニット300を開発している。図14は、本発明者らが開発中のマイクロホンユニットの構成例を示す概略断面図である。
【0011】
図14に示すように、本発明者らが開発中のマイクロホンユニット300は、電気音響変換部302及び電気回路部303が実装される基板301と、基板301を収容するボトムケース304と、ボトムケース304に収容され、電気音響変換部302を覆うように基板上に搭載されるトップケース305と、を備える。トップケース305には、音孔305aが形成されており、外部の音が電気音響変換部302へと導かれるようになっている。
【0012】
このような構成のマイクロホンユニット300は、基板301、トップケース305の順にボトムケース304に嵌め込むだけで、各部材間の位置合わせができるために、マイクロホンユニット300の組み立て作業が容易となる。
【0013】
しかしながら、このような構成のマイクロホンユニット300には、次のような問題点があることがわかった。すなわち、例えば、トップケース305をボトムケース304に嵌め込む際に、基板301に力が加わって基板301が変形(基板301に応力が発生)し、電気音響変換部302が備える振動板(図示せず)に応力が発生することがあった。そして、その結果、振動板の張力が変動してマイクホンユニット300の感度が変動することがあった。
【0014】
また、マイクロホンユニット300を音声入力装置の実装基板にフリップチップ実装する場合に、例えば270℃程度の高温でリフロー処理を行う場合がある。この場合、基板301とボトムケース304との線膨張係数に差が大きいと、リフロー時の加熱冷却処理によって基板301に応力が発生する。その結果、電気音響変換部302が備える振動板にも応力が発生し、振動板の張力が変動してマイクホンユニット300の感度が変動することがあった。その他、使用環境の変化等によっても基板301に応力が発生して、結果として、振動板にも応力が発生し、マイクロホンユニット300の感度が変動する場合があった。
【0015】
なお、以上のような問題は、特許文献1や2には示されておらず、このような問題を解消する構成については開示も示唆もされていない。
【0016】
そこで、本発明の目的は、振動板に発生する応力を低減でき、感度変動の少ないマイクロホンユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために本発明のマイクロホンユニットは、音圧によって変位する振動板を有して音信号を電気信号に変換する電気音響変換部と、前記電気音響変換部を搭載する基板と、外部音圧を導入する少なくとも1つの音孔を有して前記基板が収容される筐体と、前記基板と前記筐体との接触箇所を減じるように前記基板と前記筐体との間に配置され、前記基板に発生する応力を低減する緩衝部材と、を備えることを特徴としている。
【0018】
本構成によれば、緩衝部材によって基板に発生する応力が低減される構成となっているために、基板に発生する応力が原因となって生じる振動板の応力を低減できる。すなわち、本構成によれば、振動板の張力変動を抑制でき、感度変動の少ないマイクロホンユニットを提供することが可能となる。
【0019】
上記構成のマイクロホンユニットにおいて、前記筐体は、前記音孔が形成され、前記電気音響変換部が配置される前記基板の上面を覆って前記電気音響変換部が収容される内部空間を形成するカバー部材と、収容凹部を有し、前記基板を下側、前記カバー部材を上側として、前記基板及び前記カバー部材を前記収容凹部に収容する箱形部材と、からなることとしてもよい。
【0020】
本構成によれば、箱形部材に基板とカバー部材とを収容するだけで基板とカバー部材との位置関係が狙いの位置関係となるようなマイクロホンユニットを提供することが可能である。すなわち、本構成によれば、感度変動の少なさと、組み立て性の良さとを兼ね備えた、大量生産を行い易いマイクロホンユニットを提供することができる。
【0021】
上記構成のマイクロホンユニットにおいて、前記緩衝部材は、前記基板の上面と前記カバー部材との間に配置されて、前記基板と前記カバー部材とを非接触としていることとしてもよい。
【0022】
また、上記構成のマイクロホンユニットにおいて、前記緩衝部材は、前記基板の下面と前記収容凹部の底面との間に配置されて、前記基板と前記箱形部材との接触箇所を減じていることとしてもよい。
【0023】
更に、上記構成のマイクロホンユニットにおいて、 前記緩衝部材は、前記基板の側面と前記収容凹部の側面との間に配置されて、前記基板と前記箱形部材との接触箇所を減じていることとしてもよい。
【0024】
上記構成のマイクロホンユニットにおいて、前記基板には、前記振動板の下側に設けられる第1貫通孔と、前記第1貫通孔とは別に設けられる第2貫通孔と、が形成され、前記カバー部材には第1音孔と第2音孔との2つの音孔が形成され、前記収容凹部の底面の一部には溝部が形成され、前記筐体内には、前記第1音孔から前記内部空間を経て前記振動板の上面へと至る第1音道と、前記第2音孔から前記第2貫通孔、前記溝部、前記第1貫通孔を順に経て前記振動板の下面へと至る第2音道と、が形成されていることとしても良い。
【0025】
本構成によれば、2つの音孔を有して、振動板の上面に加わる音圧と振動板の下面に加わる音圧との音圧の差によって振動板が振動する構成のマイクロホンユニット(差動マイクロホンユニット)において、感度変動の少ない構成を実現できる。
【0026】
上記構成のマイクロホンユニットにおいて、前記筐体は第1音孔と第2音孔との2つの音孔を有し、前記筐体には、前記第1音孔から前記振動板の上面へと至る第1音道と、前記第2音孔から前記振動板の下面へと至る第2音道とが形成されていることとしてもよい。本構成によれば、2つの音孔を有して、振動板の上面に加わる音圧と振動板の下面に加わる音圧との音圧の差によって振動板が振動する構成のマイクロホンユニット(差動マイクロホンユニット)において、感度変動の少ない構成を実現できる。
【0027】
上記構成のマイクロホンユニットにおいて、前記緩衝部材は樹脂であることとしても良い。また、前記緩衝部材は接着剤であることとしてもよい。そして、これらの特性を有する前記緩衝部材としてシリコーン系樹脂を選択してもよい。
【0028】
上記構成のマイクロホンユニットにおいて、前記基板は、フィルム基板であることとしてもよい。本構成によれば、薄型のマイクロホンユニットであって、感度変動の少ないマイクロホンユニットを提供できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、振動板に発生する応力を低減でき、感度変動の少ないマイクロホンユニットを提供可能である。すなわち、本発明によれば、所望の感度特性を有するマイクロホンユニットを歩留まり良く製造することが可能であり、マイクロホンユニットの製造に要するコストを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明が適用された第1実施形態のマイクロホンユニットの外観構成を示す概略斜視図
【図2】図1のA−A位置における断面図
【図3】本発明が適用された第1実施形態のマイクロホンユニットの分解図
【図4】第1実施形態のマイクロホンユニットが備える基板の構成を示す概略平面図
【図5】第1実施形態のマイクロホンユニットの第1変形例を示す概略断面図
【図6】第1実施形態のマイクロホンユニットの第2変形例を示す概略断面図
【図7】第1実施形態のマイクロホンユニットの第3変形例を示す概略断面図
【図8】第1実施形態のマイクロホンユニットの第4変形例を示す概略断面図
【図9】本発明が適用された第2実施形態のマイクロホンユニットの構成を示す概略断面図
【図10】本発明が適用された第3実施形態のマイクロホンユニットの外観構成を示す概略斜視図
【図11】図10のB−B位置における断面図
【図12】従来のマイクロホンユニットの構成例を示す概略断面図
【図13】他の従来例のマイクロホンユニットの構成を示す概略断面図
【図14】本発明者らが開発中のマイクロホンユニットの構成例を示す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明が適用されたマイクロホンユニットの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1は、本発明が適用された第1実施形態のマイクロホンユニットの外観構成を示す概略斜視図である。図2は、図1のA−A位置における断面図である。図3は、本発明が適用された第1実施形態のマイクロホンユニットの分解図であり、図1のA−A位置で切った断面を用いて示している。図4は、第1実施形態のマイクロホンユニットが備える基板の構成を示す概略平面図であり、図4(a)は基板の上面を示し、図4(b)は基板の下面を示している。図1から図4を参照して、第1実施形態のマイクロホンユニットについて説明する。
【0033】
図1から図3に示すように、第1実施形態のマイクロホンユニット1は、大きくは、MEMS(Micro Electro Mechanical System)チップ12及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)13が搭載される基板11と、基板11を覆うように配置されるトップケース14と、基板11及びトップケース14が収容される箱形のボトムケース15と、を備えている。
【0034】
なお、トップケース14は本発明のカバー部材の実施形態であり、ボトムケース15は本発明の箱形部材の実施形態である。そして、ボトムケース15及びトップケース14が組み合わさって、本発明の筐体の実施形態となる。また、MEMSチップ12は本発明の電気音響変換部の実施形態である。
【0035】
平面視略矩形状の基板11は、絶縁性の部材で形成されている。基板11の材質は特に限定されるものではないが、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、シリコン基板、ガラス基板等を用いることができる。ただし、基板11の線膨張係数がMEMSチップ12の線膨張係数に近くなるように、基板11の材質を選択するのが好ましい。例えば、MEMSチップ12がシリコンで形成される場合には、基板11の線膨張係数が2.8ppm/℃程度となるように基板の材質を選択するのが好ましい。このように、基板11とMEMSチップ12との間の線膨張係数の差を小さくすることにより、例えばリフロー処理等の際に、両者の線膨張係数の差に由来してMEMSチップ12(振動板122)に応力が発生するのを低減することができる。
【0036】
また、基板11は、マイクロホンユニットを薄型とできるために、例えば50μm以下の厚みを有するフィルム基板とするのが好ましい。その他、基板11をフィルム基板で構成すると、例えば基板11の外周側に力が加わった際に、主に外周側が変形して(撓んで)、中央側の変形は小さいものに留められる場合がある。すなわち、基板11をフィルム基板とすることで、中央側に配置されるMEMSチップ12に不要な応力が発生する可能性を低減できるという利点が見込まれ、そのような意味からも基板11をフィルム基板とするメリットが認められる。
【0037】
基板11には図示しない配線パターンが形成されている。この配線パターンには、MEMSチップ12で得られた電気信号をASIC13へと入力するための配線、ASIC13に電源電力を供給するための配線、ASIC13での処理が行われた後に得られた電気信号を出力するための配線、及びGND接続用の配線等が含まれる。
【0038】
MEMSチップ12は、音圧によって変位する振動板を有して音信号を電気信号に変換する。本実施形態では、MEMSチップ12はシリコンチップからなる。MEMSチップ12は、図2に示すように、絶縁性のベース基板121と、振動板122と、絶縁層123と、固定電極124と、を有するコンデンサ型のマイクロホンである。
【0039】
ベース基板121には平面視略円形状の開口121aが形成されている。ベース基板121の上に設けられる振動板122は、音圧を受けて振動(上下方向に振動)する薄膜で、導電性を有して電極の一端を形成している。固定電極124は、絶縁層123を挟んで振動板122と対向するように配置されている。これにより、振動板122と固定電極124とは容量を形成する。なお、固定電極124には音波が通過できるように複数の音孔が形成されており、振動板122の上部側から来る音波が振動板122に到達するようになっている。
【0040】
振動板122の上面から音圧が加わると振動板122が振動するために、振動板122と固定電極124との間隔が変化し、振動板122と固定電極124との間の静電容量が変化する。このため、MEMSチップ12によって、音信号(音圧)を電気信号へと変換して取り出すことができる。
【0041】
なお、電気音響変換部としてのMEMSチップの構成は、本実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、本実施形態では振動板122の方が固定電極124よりも下となっているが、これとは逆の関係(振動板が上で、固定電極が下となる関係)となるように構成しても構わない。
【0042】
ASIC13は、MEMSチップ12の静電容量の変化に基づいて取り出される電気信号を増幅処理する集積回路である。ASIC13は、MEMSチップ12における静電容量の変化を精密に取得できるようにチャージポンプ回路とオペアンプとを含む構成としても良い。ASIC13で増幅処理された電気信号は、基板11に形成される配線パターンを介してマイクロホンユニット1の外部へと出力される。
【0043】
なお、第1実施形態のマイクロホンユニット1においては、MEMSチップ12及びASIC13は基板11にフリップチップ実装される構成となっている。ただし、この構成に限定される趣旨ではなく、MEMSチップ12及びASIC13がワイヤボンディング技術によって基板11に実装される構成等としても勿論構わない。
【0044】
トップケース14は、基板11のMEMSチップ12及びASIC13が搭載される上面11aを覆うように配置され、MEMSチップ12及びASIC13が収容される略直方体形状の内部空間20を形成する。本実施形態のトップケース14は、平面視、基板11とほぼ同一サイズとなっている。なお、トップケース14は基板11の上面に設けられる緩衝部材17(詳細は後述する)の上に載置された状態(すなわち、トップケース14と基板11とは非接触である)で、基板11の上面11aを覆うように配置されている。
【0045】
トップケース14には、上面に平面視略円形状の開口を有する貫通孔14aが形成されている。この貫通孔14aは、マイクロホンユニット1の外部で発生する外部音圧を内部空間20へと導入する音孔として機能する。以下、貫通孔14aのことを音孔14aと表現する。
【0046】
このようなトップケース14は、例えば樹脂で形成することができる。マイクロホンユニット1は、音声入力装置の実装基板(図示せず)に例えばリフロー処理によって実装される。リフロー処理は例えば270℃程度の高温で行われるため、マイクロホンユニット1がリフロー処理にて実装される場合には、トップケース14は耐熱性を有することが要求される。このような点を考慮して、トップケース14は、例えばLCP(Liquid Crystal Polymer;液晶ポリマ)やPPS(Polyphenylene sulfide;ポリフェニレンスルファイド)等の耐熱性を有する樹脂で形成するのが好ましい。
【0047】
ボトムケース15は、略直方体形状の収容凹部15aを有し、この収容凹部15aに基板11及びトップケース14が嵌め込まれて両者を収容する。収容凹部15aを上から平面視した場合、そのサイズは、基板11及びトップケース14のサイズとほぼ同等となっている。なお、ボトムケース15に収容される基板11は、基板11の下面11bに設けられる緩衝部材17(詳細は後述する)が収容凹部15aの底面15bと接触するように配置され、基板11の下面11aがボトムケース15と接触しないように収容凹部15aに配置されている。
【0048】
このようなボトムケース15は、例えば樹脂で形成することができる。上述したトップケース14の場合と同様に、ボトムケース15も耐熱性を有することが要求される場合があり、ボトムケース15は、例えばLCP(Liquid Crystal Polymer;液晶ポリマ)やPPS(Polyphenylene sulfide;ポリフェニレンスルファイド)等の耐熱性を有する樹脂で形成するのが好ましい。
【0049】
なお、ボトムケース15には、例えばインサート成形により一体的に形成される図示しない電極端子が設けられている。この電極端子には、マイクロホンユニット1に電力を供給する電源用の電極端子、マイクロホンユニット1で得られた電気信号を出力する出力用の電極端子、GND接続用の電極端子が含まれる。そして、これらの電極端子により、マイクロホンユニット1の外部から基板11に電源電力を供給したり、基板11から出力される電気信号をマイクロホンユニット1の外部に出力したりすることが可能となっている。
【0050】
図3に示すように、第1実施形態のマイクロホンユニット1を組み立てるにあたっては、まず、ボトムケース15の収容凹部15aに、MEMSチップ12、ASIC13等を搭載した基板11を落とし込む(嵌め込む)。次いで、基板11を覆うようにボトムケース15の収容凹部15aにトップケース14を嵌め込む。最後に、マイクロホンユニット1における音漏れを防止するために、トップケース14とボトムケース15との間にできる隙間を覆うように、ボトムケース15の側壁上部に、図1に示すように例えばエポキシ樹脂等からなる封止樹脂16を接着する。これにより、MEMSチップ12等が搭載された基板11が、トップケース14及びボトムケース15からなる筐体に包含(収容)されたマイクロホンユニット1が得られる。
【0051】
第1実施形態のマイクロホンユニット1では、ボトムケース15を用意して、基板11とトップケース14とをボトムケース15に嵌め込むだけで両者の位置関係を所望の関係として、マイクロホンユニットを組み立てられる。このため、マイクロホンユニット1を組み立てる際の作業効率を向上できる。
【0052】
ところで、図4に示すように、マイクロホンユニット1の基板11の上面11a及び下面11bにおいては、基板11の外周側に緩衝部材17が設けられている。なお、図4においては、一例として、上面11a及び下面11bの外周側に設けられる各緩衝部材17が、それぞれ、連続して外周全域に設けられる構成を示しているが、この構成に限定される趣旨ではない。すなわち、基板11の上面11a及び下面11bの外周側に設けられる各緩衝部材17は、いずれも連続している必要はなく、外周側の適当な位置に断続的に設けられる構成としてもよい。
【0053】
マイクロホンユニット1において、緩衝部材17は基板11に発生する応力を低減する目的で設けられている。ここで、基板11に応力が発生する場合として、例えば、マイクロホンユニット1を組み立てる際に、トップケース14を基板11に向けて押さえつける場合や、マイクロホンユニット1を音声入力装置の実装基板にリフロー処理にて実装する場合等が挙げられる。なお、リフロー処理にて応力が発生するのは、例えば基板11とボトムケース15との間の線膨張係数が違うことに由来する。
【0054】
緩衝部材17は、上述のように基板11に発生する応力を低減するためのものであり、基板11に加わる力を吸収できるように柔軟性に富む材質のものが選択される。より詳細には、緩衝部材17としては、基板11、トップケース14及びボトムケース15よりも剛性が小さい材質のものが選択され、好ましい材料として例えばシリコーン系樹脂を選択することができ、その他、アクリル系やエポキシ系の樹脂等を選択することもできる。
【0055】
なお、上述のように、マイクロホンユニット1は、音声入力装置の実装基板に例えばリフロー処理によって実装される場合があり、リフロー処理時の高温環境に耐えられるように、緩衝部材17は耐熱性を有する材質のものを選択するのが好ましい。また、緩衝部材17として、接着剤としての機能を有するものを選択しても良い。更に、緩衝部材17として、導電性を有するものを選択するのが好ましい。これにより、マイクロホンユニット1における電気回路用の配線を単純な構成とし易い。
【0056】
例えば、シリコーン系樹脂を緩衝部材17として選択した場合、緩衝部材17は両面に接着性を有するシート状のものとできる。この場合には、例えば、図4に示すように、所望の形状に切り出した緩衝部材17を予め基板11の上面11a及び下面11bに貼り付けた状態とし、基板11をボトムケース15に嵌め込めば、容易にマイクロホンユニット1を組み立てることができる。
【0057】
なお、緩衝部材17は、上述したようなシート状のものに限定される趣旨ではなく、例えば液状のものであってもよい。この場合には、マイクロホンユニット1における緩衝部材17は塗布することによって得ればよい。また、マイクロホンユニット1は封止樹脂16でトップケース14とボトムケース15を接着固定する(基板11も固定される)構成であり、緩衝部材17は、必ずしも接着性を有さなくてもよい。
【0058】
以上のように、第1実施形態のマイクロホンユニット1では、基板11と筐体(トップケース14及びボトムケース15からなる)との接触箇所を減じるように緩衝部材17を配置している。そして、このように構成することで、基板11に発生する応力を低減することができ、MEMSチップ12において出来るかぎり不要な応力が発生しないようにできるのである。すなわち、第1実施形態のマイクロホンユニット1によれば、マイクロホンユニット1の組み立て時等におけるマイク感度の変動を抑制することができるのである。
【0059】
また、緩衝部材17は柔軟性に富むために、緩衝部材17と各部材(基板11、トップケース14、及びボトムケース15)とが接触する部分には隙間が生じにくい。このために、緩衝部材17の配置の仕方にもよるが、緩衝部材17によって封止性能を向上して、音響リークを低減することが期待できる。また、緩衝部材17の封止性能を利用して、マイクロホンユニット1における封止樹脂16を設けない構成とすることも可能であり、生産性の向上を図ることも可能である。
【0060】
(第1実施形態のマイクロホンユニットの変形例)
第1実施形態のマイクロホンユニット1において、緩衝部材17は、筐体との関係において基板11に発生する応力を減じるように配置されればよく、第1実施形態に示した構成に限定されることなく、その構成は変形可能である。すなわち、基板11に発生する応力を低減すべく、緩衝部材17は基板11と筐体との接触箇所を減じるように配置されればよい。以下、この変形例について説明しておく。
【0061】
図5は、第1実施形態のマイクロホンユニットの第1変形例を示す概略断面図である。第1変形例においては、基板11とトップケース14との間にのみ緩衝部材17が配置される構成であり、基板11とトップケース14とを非接触とするものである。すなわち、この場合も基板11と筐体との接触箇所を減じるように緩衝部材17が配置されているのであり、緩衝部材17によって基板11に発生する応力の低減が可能である。
【0062】
図6は、第1実施形態のマイクロホンユニットの第2変形例を示す概略断面図である。第2変形例においては、基板11の下面11aとボトムケース15の収容凹部15aの底面15bとの間にのみ緩衝部材17が配置される構成である。そして、緩衝部材17は基板11の下面11bの広範囲(全域、或いは、ほぼ全域)に亘って設けられている。これにより、基板11の下面11bとボトムケース15とを非接触とするものである。すなわち、この場合も基板11と筐体との接触箇所を減じるように緩衝部材17が配置されているのであり、緩衝部材17によって基板11に発生する応力の低減が可能である。
【0063】
図7は、第1実施形態のマイクロホンユニットの第3変形例を示す概略断面図である。第3変形例においても、第2変形例と同様に、基板11の下面11aとボトムケース15の収容凹部15aの底面15bとの間にのみ緩衝部材17が配置される構成である。ただし、第2変形例の構成と異なり、基板11の下面11b側に設けられる緩衝部材17は、基板11の外周側にのみ設けられている。この場合も、基板11の下面11bとボトムケース15とを非接触とし、基板11と筐体との接触箇所を減じるように緩衝部材17が配置されて、緩衝部材17によって基板11に発生する応力の低減が可能である。
【0064】
この第3変形例の構成では、緩衝部材17が基板11の外周側にのみ設けられるために、基板11の下面11bとボトムケース15の収容凹部15aの底面15bとの間に空間23が形成される。この場合、MEMSチップ12の振動板122の下側に、基板11を貫通する貫通孔(リーク孔)を設けることによって、この空間23を背室として使用することができる。このため、背室の容積を大きくすることが可能であり、マイク感度の向上を図ることも可能である。なお、この背室の容積を大きくする構成は、先に示した第1実施形態の構成(例えば図2参照)でも得られる。
【0065】
図8は、第1実施形態のマイクロホンユニットの第4変形例を示す概略断面図である。第4変形例においては、基板11の側面11cとボトムケース15の収容凹部15aの側面15dとの間に緩衝部材17が設けられている。このため、第4変形例のマイクロホンユニットは、基板11の上面11a及び下面11bに加えて、基板11の側面11cとも接触するように緩衝部材17が設けられ、基板11はトップケース14及びボトムケース15(すなわち筐体)と非接触となっている。
【0066】
この場合も、基板11と筐体との接触箇所を減じるように緩衝部材17が配置されているのであり、緩衝部材17によって基板11に発生する応力の低減が可能である。なお、基板11に発生する応力低減という意味では、本構成のように基板11が筐体とが接触する箇所が無いように構成するのがより好ましい。
【0067】
また、緩衝部材17を基板11の側面11cとボトムケース15の収容凹部15aの側面15dとの間に配置する場合、緩衝部材17をディスペンサ等によって充填して得る構成としても構わない。
【0068】
(第2実施形態)
図9は、本発明が適用される第2実施形態のマイクロホンユニットの構成を示す概略断面図である。第2実施形態のマイクロホンユニット2においては、トップケース14は、ボトムケース15に嵌め込まれるのではなく、基板11が嵌め込まれたボトムケース15を覆うように被せられる構成となっている。この構成と、この構成に附随して変更される構成とを除く他の構成は第1実施形態のマイクロホンユニット1と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0069】
第2実施形態のマイクロホンユニット2では、基板11はトップケース14とは接触せず、トップケース14から直接的に力を受けない。このために、このマイクロホンユニット2では、筐体との関係が原因となって基板11に発生する応力を低減するために、基板11とボトムケース15との接触箇所を減じるように緩衝部材17を配置すればよい。そこで、基板11の下面11bとボトムケース15の収容凹部15aの底面15bとの間に緩衝部材17を配置する構成としている。
【0070】
なお、このマイクロホンユニット2では、第1実施形態のマイクロホンユニット1のようにトップケース14によって基板11を押さえて固定する構成でない。このため、マイクロホンユニット2では、緩衝部材17は基板11とボトムケース15とを接合するべく、接着剤としての機能を有するのが好ましい。
【0071】
また、第2実施形態では、基板11の下面11bとボトムケース15の収容凹部15aの底面15bとの間に配置される緩衝部材17は基板11の外周に配置する構成としているが、第1実施形態の第2変形例で示したように、基板11の下面11bの広範囲に亘って設けてもよい。更に、第1実施形態の第4変形例のように、基板11の側面11cとボトムケース15の収容凹部15aの側面15dとの間に緩衝部材17を配置する構成としても構わない。
【0072】
第2実施形態のマイクロホンユニット2によれば、例えばマイクロホンユニット2を音声入力装置にリフロー処理によって実装する場合において、基板11に発生する応力を低減できる。すなわち、第2実施形態のマイクロホンユニット2によれば、マイクロホンユニット2の実装時等におけるマイク感度の変動を抑制することができるのである。
【0073】
(第3実施形態)
図10は、本発明が適用された第3実施形態のマイクロホンユニットの外観構成を示す概略斜視図である。図11は、図10のB−B位置における断面図である。図10及び図11を参照して第3実施形態のマイクロホンユニット3について説明する。
【0074】
第1及び第2実施形態のマイクロホンユニット1、2は、振動板122の上面から入力される音圧によって振動板122を振動させて電気信号を取り出す構成であった。これに対して、第3実施形態のマイクロホンユニット3は、振動板122の上面及び下面から入力される音圧の差によって振動板122を振動させて電気信号を取り出す構成(差動マイクロホンユニット)となっている。そして、第3実施形態は、このような差動マイクロホンユニットに本発明が適用された場合の実施形態である。
【0075】
第3実施形態のマイクロホンユニット3も、第1及び第2実施形態と同様に、大きくは、MEMSチップ12及びASIC13が搭載される基板11と、基板11を覆うように配置されるトップケース14と、基板11及びトップケース14が収容される箱形のボトムケース15と、を備えている。トップケース14及びボトムケース15は筐体を構成する。
【0076】
このうち、MEMSチップ12及びASIC13の構成は第1及び第2実施形態の構成とほぼ同様であり、その説明は省略する。
【0077】
基板11に使用される材質や、基板11に設けられる配線パターン等は第1及び第2実施形態のマイクロホンユニット1、2と同様であるが、基板11に第1貫通孔11dと第2貫通孔11eが形成されている点が、第1及び第2実施形態のマイクロホンユニット1、2とは異なる。第1貫通孔11dは、MEMSチップ12が備える振動板122の下面側に形成され、第2貫通孔11eは第1貫通孔11dに対して所定の間隔をあけて形成される。
【0078】
トップケース14に使用される材質は第1及び第2実施形態のマイクロホンユニット1、2と同様である。ただし、第1及び第2実施形態の構成と異なり、平面視略楕円形状の2つの音孔14a、14bが形成されている。第1音孔14aは、トップケース14の上面に開口を有して、トップケース14の凹部空間20と連通する。第2音孔14bは、トップケース14の上面の開口と下面の開口とを連通する。このトップケース14は、凹部空間20がMEMSチップ12及びASIC13が収容される内部空間を形成するように、また、第2音孔14bが基板11に形成される第2貫通孔11eと連通するように被せられる。
【0079】
ボトムケース15に使用される材質や、ボトムケース15が略直方体形状の収容凹部15a及び電極端子を有する点は、第1及び第2実施形態のマイクロホンユニット1、2と同様である。ただし、第3実施形態のマイクロホンユニット3が備えるボトムケース15は、収容凹部15aの底面15bに溝部15cが形成される点で、第1及び第2実施形態の構成と異なる。この溝部15bは、収容凹部15aに収容された基板11に形成される第1貫通孔11dを介して振動板122と連通すると共に、第2貫通孔11eを介して第2音孔14bと連通するように設けられている。
【0080】
このように構成される第3実施形態のマイクロホンユニット3の外部で発生した音声は、第1音孔14a、内部空間20を経て振動板122の上面へと至る(第1音道21)。また、第2音孔14b、第2貫通孔11e、溝部15c、第1貫通孔11dを経て振動板122の下面へと至る(第2音道22)。そして、振動板122の上面に加わる音圧と下面に加わる音圧の音圧差に応じて振動板122が振動して、振動膜122と固定電極124との間の静電容量が変化し、入射した音圧に基づく電気信号が取り出されるようになっている。
【0081】
ところで、第3実施形態のマイクロホンユニット3においても、第1実施形態の場合と同様に、基板11の上面11aとトップケース14とが非接触となるように、両者の間に緩衝部材17が配置されている。また、基板11の下面11bとボトムケース15の収容凹部15aの底面15bとが非接触となるように、両者の間に緩衝部材17が配置されている。
【0082】
このために、例えばマイクロホンユニット3の組み立て時に加わる外力によって基板11に発生する応力を低減することができる。また、例えばマイクロホンユニット3を音声入力装置にリフロー処理によって実装する場合において、基板11とボトムケース15との間の線膨張係数差に由来して基板11に発生する応力を低減できる。そして、このように基板11に発生する応力を低減することにより、MEMSチップ12で発生する応力も低減できる。すなわち、第3実施形態の構成によれば、差動マイクロホンユニットにおいて、マイク感度の変動の少ない構成を実現できる。
【0083】
なお、この第3実施形態の場合においても、緩衝部材17の配置の仕方については第1実施形態で示した変形例と同様の変更が可能である。
【0084】
(その他)
以上に示した実施形態は本発明の適用例を示したものであり、本発明の適用範囲は、以上に示した実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的を逸脱しない範囲で、以上に示した実施形態について種々の変更を行っても構わない。
【0085】
例えば、以上に示した実施形態では、MEMSチップ12とASIC13とは別チップで構成したが、ASIC13に搭載される集積回路はMEMSチップ12を形成するシリコン基板上にモノリシックで形成するものであっても構わない。
【0086】
また、以上に示した実施形態では、音圧を電気信号に変換する音響電気変換部が、半導体製造技術を利用して形成されるMEMSチップ12である構成としたが、この構成に限定される趣旨ではない。例えば、電気音響変換部はエレクトレック膜を使用したコンデンサマイクロホン等であっても構わない。
【0087】
また、以上の実施形態では、マイクロホンユニットが備える電気音響変換部(本実施形態のMEMSチップ12が該当)の構成として、いわゆるコンデンサ型マイクロホンを採用した。しかし、本発明はコンデンサ型マイクロホン以外の構成を採用したマイクロホンユニットにも適用できる。例えば、動電型(ダイナミック型)、電磁型(マグネティック型)、圧電型等のマイクロホン等が採用されたマイクロホンユニットにも本発明は適用できる。
【0088】
その他、マイクロホンユニットの形状は本実施形態の形状に限定される趣旨ではなく、種々の形状に変更可能であるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明のマイクロホンユニットは、例えば携帯電話、トランシーバ等の音声通信機器や、入力された音声を解析する技術を採用した音声処理システム(音声認証システム、音声認識システム、コマンド生成システム、電子辞書、翻訳機、音声入力方式のリモートコントローラ等)、或いは録音機器やアンプシステム(拡声器)、マイクシステムなどに好適である。
【符号の説明】
【0090】
1、2、3 マイクロホンユニット
11 基板
11a 基板の上面
11b 基板の下面
11c 基板の側面
11d 第1貫通孔
11e 第2貫通孔
12 MEMSチップ(電気音響変換部)
14 トップケース(カバー部材、筐体の一部)
15 ボトムケース(箱形部材、筐体の一部)
15a 収容凹部
15b 収容凹部の底面
15c 溝部
15d 収容凹部の側面
14a 音孔、第1音孔
14b 第2音孔
17 緩衝部材
20 内部空間
21 第1音道
22 第2音道
122 振動板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音圧によって変位する振動板を有して音信号を電気信号に変換する電気音響変換部と、
前記電気音響変換部を搭載する基板と、
外部音圧を導入する少なくとも1つの音孔を有して前記基板が収容される筐体と、
前記基板と前記筐体との接触箇所を減じるように前記基板と前記筐体との間に配置され、前記基板に発生する応力を低減する緩衝部材と、
を備えることを特徴とするマイクロホンユニット。
【請求項2】
前記筐体は、
前記音孔が形成され、前記電気音響変換部が配置される前記基板の上面を覆って前記電気音響変換部が収容される内部空間を形成するカバー部材と、
収容凹部を有し、前記基板を下側、前記カバー部材を上側として、前記基板及び前記カバー部材を前記収容凹部に収容する箱形部材と、
からなることを特徴とする請求項1に記載のマイクロホンユニット。
【請求項3】
前記緩衝部材は、前記基板の上面と前記カバー部材との間に配置されて、前記基板と前記カバー部材とを非接触としていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロホンユニット。
【請求項4】
前記緩衝部材は、前記基板の下面と前記収容凹部の底面との間に配置されて、前記基板と前記箱形部材との接触箇所を減じていることを特徴とする請求項2又は3に記載のマイクロホンユニット。
【請求項5】
前記緩衝部材は、前記基板の側面と前記収容凹部の側面との間に配置されて、前記基板と前記箱形部材との接触箇所を減じていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のマイクロホンユニット。
【請求項6】
前記基板には、前記振動板の下側に設けられる第1貫通孔と、前記第1貫通孔とは別に設けられる第2貫通孔と、が形成され、
前記カバー部材には第1音孔と第2音孔との2つの音孔が形成され、
前記収容凹部の底面の一部には溝部が形成され、
前記筐体内には、前記第1音孔から前記内部空間を経て前記振動板の上面へと至る第1音道と、前記第2音孔から前記第2貫通孔、前記溝部、前記第1貫通孔を順に経て前記振動板の下面へと至る第2音道と、が形成されていることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のマイクロホンユニット。
【請求項7】
前記筐体は第1音孔と第2音孔との2つの音孔を有し、
前記筐体には、前記第1音孔から前記振動板の上面へと至る第1音道と、前記第2音孔から前記振動板の下面へと至る第2音道とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロホンユニット。
【請求項8】
前記緩衝部材は樹脂であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のマイクロホンユニット。
【請求項9】
前記緩衝部材は接着剤であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のマイクロホンユニット。
【請求項10】
前記緩衝部材は、シリコーン系樹脂であることを特徴とする請求項8又は9に記載のマイクロホンユニット。
【請求項11】
前記基板は、フィルム基板であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のマイクロホンユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−15107(P2011−15107A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156479(P2009−156479)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】