マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板を備えた撮像装置、及びその撮像装置を備えた電子機器
【課題】レンズ形成の自由度を高めることが可能なマイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板を備えた撮像装置、及びその撮像装置を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】マイクロレンズ14が形成される領域522の周囲に反射膜18を有する下地パターン17を形成する工程と、下地パターン17が形成された基板12上にポジ型の感光性材料で感光層52を形成する工程と、感光層52のうちマイクロレンズ14に対応する領域以外の領域を、感光層52を挟んで基板12とは反対側から露光する工程と、露光された感光性材料を現像する工程と、感光性材料の表面を加熱により曲面状に変形させることでマイクロレンズ14を形成する工程と、を含む。
【解決手段】マイクロレンズ14が形成される領域522の周囲に反射膜18を有する下地パターン17を形成する工程と、下地パターン17が形成された基板12上にポジ型の感光性材料で感光層52を形成する工程と、感光層52のうちマイクロレンズ14に対応する領域以外の領域を、感光層52を挟んで基板12とは反対側から露光する工程と、露光された感光性材料を現像する工程と、感光性材料の表面を加熱により曲面状に変形させることでマイクロレンズ14を形成する工程と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板を備えた撮像装置、及びその撮像装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に複数のマイクロレンズを形成したマイクロレンズ基板は、撮像装置や表示装置等の各種の電子機器に利用される。例えば、特許文献1には、生体認証装置(静脈センサー)として使用される撮像装置にマイクロレンズ基板を設置した構成が開示されている。
【0003】
また、特許文献2に記載のマイクロレンズの製造方法では、フォトリソグラフィ技術を利用して形成された感光性材料のパターンを加熱して表面を曲面状に変形させることでマイクロレンズを形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−36058号公報
【特許文献2】特開2006−235084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載のマイクロレンズの製造方法では、所望のマイクロレンズの曲率半径にするために、膜厚を細かく管理したり、最適な材料を選定したりしなければならないという問題がある。よって、上記特許文献に記載の方法だけでは、マイクロレンズの使用範囲(曲率半径の製造範囲)を拡大することが難しいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法は、基板のうちマイクロレンズが形成される領域の周囲に反射性材料で反射膜を形成する反射膜形成工程と、前記反射膜が形成された前記基板上にポジ型の感光性材料で感光層を形成する感光層形成工程と、前記感光層のうち前記マイクロレンズに対応する領域以外の領域を、前記感光層を挟んで前記基板とは反対側から露光する露光工程と、露光された前記感光性材料を現像する現像工程と、前記感光性材料の表面を加熱により曲面状に変形させることで前記マイクロレンズを形成する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
この方法によれば、基板上のマイクロレンズが形成される領域の周囲に反射膜を形成するので、露光工程において反射膜の表面で反射した光の照射により、反射膜の略縁を外形とする逆台形の形状に感光層を露光することができる。よって、反射膜を形成しない場合と比較して、加熱工程における感光層の高さを増加させることが可能となり、マイクロレンズの曲率半径を小さくすることができる。その結果、膜厚を調整したり、材料を選定したりすることなく、マイクロレンズの曲率半径の範囲を拡大することができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記反射膜形成工程は、前記基板上の反射防止膜上に前記反射膜を形成することが好ましい。
【0010】
この方法によれば、反射防止膜上に反射膜を形成するので、反射防止膜の基板側において光が乱反射することを抑えることができる。よって、マイクロレンズの曲率がばらつくことを抑えることができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記反射膜形成工程は、前記マイクロレンズが形成される領域を包囲する閉じた形状に前記反射膜を形成することが好ましい。
【0012】
この方法によれば、反射膜を閉じた形状に形成するので、露光工程において、感光層のうちマイクロレンズに対応する領域の周縁に、反射膜の表面からの反射光が均一に照射される。したがって、例えば、反射膜が離間した複数の膜で構成される場合と比較して、適切な断面形状のマイクロレンズ前駆体を形成することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記反射膜形成工程では、前記反射膜を円環状に形成することが好ましい。
【0014】
この方法によれば、円環状に形成するので、露光工程において、感光層のうちマイクロレンズに対応する領域の周縁に、反射膜の表面からの反射光が均一に照射される。したがって、より適切な断面形状のマイクロレンズ前駆体を形成することができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記露光工程は、前記マイクロレンズに対応する領域に遮光部が重なるマスクを使用し、前記遮光部の周縁は、前記反射膜の内周縁と外周縁との間に位置することが好ましい。
【0016】
この方法によれば、遮光部の周縁が反射膜の内周縁と外周縁との間に位置するから、露光工程において、感光層のうちマイクロレンズに対応する領域の周縁に、反射膜の表面からの反射光を充分に照射することが可能である。
【0017】
[適用例6]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記反射膜形成工程は、前記基板を覆う光反射性の反射膜を形成する工程と、前記反射膜を選択的に除去することで、前記反射膜と、前記マイクロレンズ基板の位置合わせに使用されるアライメントマークとを一括的に形成する工程とを含むことが好ましい。
【0018】
この方法によれば、反射膜とアライメントマークとが共通の工程で形成されるから、反射膜とアライメントマークとを別工程で形成する場合と比較してマイクロレンズ基板の製造工程が簡素化されるという利点がある。
【0019】
[適用例7]本適用例に係る撮像装置は、上記に記載のマイクロレンズ基板の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板を備えたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、上記したマイクロレンズ基板の製造方法を用いているので、マイクロレンズの曲率半径の範囲を拡大することが可能になり、例えば、曲率半径が小さい場合、焦点距離を短くすることが可能となり、その結果、薄型の撮像装置を提供することができる。加えて、1枚の基板に焦点深度の異なるマイクロレンズを備えた撮像装置を提供することができる。
【0021】
[適用例8]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の撮像装置を備えたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、上記した撮像装置を備えているので、薄型の電子機器を提供することができたり、広範囲の距離を撮像することが可能な電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】マイクロレンズ基板、及びマイクロレンズ基板を備えた撮像装置の構造を示す模式断面図。
【図2】マイクロレンズ基板における遮光基板との対向面の平面図。
【図3】図2におけるマイクロレンズ基板のA−A'線に沿う模式断面図。
【図4】マイクロレンズ基板の製造方法を工程順に示す模式断面図。
【図5】下地パターンとマスクの遮光部との位置関係を示す平面図。
【図6】マイクロレンズ基板の製造方法のうち一部の工程を示す模式断面図。
【図7】マイクロレンズ基板の製造方法のうち一部の工程を示す模式断面図。
【図8】マイクロレンズの半径とマイクロレンズの高さとの関係を示すグラフ。
【図9】生体認証装置の構成を示すブロック図。
【図10】(a)は電子機器としての携帯型電話機を示す斜視図、(b)は電子機器としてのパーソナルコンピューターを示す概略図。
【図11】変形例のマイクロレンズ基板の構造を示す模式平面図。
【図12】変形例のマイクロレンズ基板の構造を示す模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
【0025】
<マイクロレンズ基板、撮像装置、及び電子機器の構成>
図1は、マイクロレンズ基板、及びマイクロレンズ基板を備えた撮像装置の構造を示す模式断面図である。図2は、マイクロレンズ基板における遮光基板との対向面の平面図である。図3は、図2におけるマイクロレンズ基板のA−A'線に沿う断面図である。以下、マイクロレンズ基板、及びマイクロレンズ基板を備えた撮像装置(及び電子機器)の構造を、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0026】
図1に示すように、撮像装置100は、認証処理のために生体(例えば、指)200の静脈像を撮像する、例えば、電子機器としての生体認証装置(静脈センサー)に用いられるものであり、マイクロレンズ基板10と遮光基板20と受光基板30とを具備する。マイクロレンズ基板10は、受光基板30と生体200との間に介在し、遮光基板20はマイクロレンズ基板10と受光基板30との間に介在する。
【0027】
図1〜図3に示すように、マイクロレンズ基板10は、基板12と複数のマイクロレンズ14と複数の下地パターン17とを含んで構成される。基板12は、例えばガラス基板等の光透過性の板状部材である。
【0028】
複数のマイクロレンズ14の各々は、入射光を集光する凸レンズであり、図2に示すように、基板12の表面13にアレイ状に配列している。複数の下地パターン17の各々は、基板12の表面13にマイクロレンズ14毎に配置されている。
【0029】
各下地パターン17は、図2に示すように、平面視でマイクロレンズ14を包囲する円環状のパターンであり、光反射性を有する反射膜18と、光の反射を抑える反射防止膜19とが積層されている。なお、反射防止膜19は、生体200側に配置されており、反射膜18からの反射光によってノイズが発生することを防いでいる。
【0030】
図1に示す遮光基板20は、光透過性の基板22と、基板22の表面に形成された遮光層24とを含んで構成されている。遮光層24は、遮光性の材料で形成される。遮光層24のうち各マイクロレンズ14の光軸に対応する箇所には開口部26が形成されている。
【0031】
マイクロレンズ基板10と遮光基板20とは、図示しないスペーサーを介して、相互に対向して配置されている。よって、マイクロレンズ14は、基板22の表面23に対して間隔をあけて対向配置されている。
【0032】
図1に示す受光基板30は、基板32と、基板32の表面に形成された複数の受光素子34とを含んで構成されている。また、受光基板30は、遮光基板20に対して間隔をあけて対向している。各受光素子34は、マイクロレンズ14の光軸に対応する位置に形成され、入射光の光量に応じた検出信号を生成する。
【0033】
以上の構成において、図1に矢印αで示すように、所定の位置(例えば、生体200を挟んでマイクロレンズ基板10とは反対側)に配置された光源(図示略)による照射光が生体200の内部の静脈にて透過または反射して基板12に入射する。照射光は、各マイクロレンズ14で集光されたうえで遮光層24の開口部26を通過して、受光素子34に到達する。すなわち、生体200の静脈像が撮像される。
【0034】
<マイクロレンズ基板の製造方法>
図4は、マイクロレンズ基板の製造方法を工程順に示す模式断面図である。図5は、下地パターンとマスクの遮光部との平面的な位置関係を示す模式平面図である。図6及び図7は、製造方法のうち一部の工程を示す模式断面図である。以下、マイクロレンズ基板の製造方法を、図4〜図7を参照しながら説明する。
【0035】
まず、図4(a)に示す工程では、基板12上に、後に下地パターン17となる反射膜18a(反射膜前駆体膜)及び反射防止膜19aを形成する。具体的には、基板12の表面13に光の反射を抑える反射防止膜19aを形成し、反射防止膜19a上に光反射性の反射膜18aを形成する。
【0036】
反射膜18aの材料としては、例えば、アルミニウム(Al)や銀(Ag)や金(Au)等の高反射性の金属材料が好適である。反射防止膜19aの材料としては、例えば、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)や有機系材料(例えば、アクリル系樹脂30%を含む有機溶媒のアクリル系樹脂)などが挙げられる。
【0037】
また、反射膜18a及び反射防止膜19aの形成方法としては、スパッタリング法や真空蒸着法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の、公知の成膜技術が任意に採用される。
【0038】
次に、図4(b)に示す工程(反射膜形成工程)では、基板12上に下地パターン17を形成する。具体的には、基板12の表面13のうちマイクロレンズ14が形成されるべき領域を包囲するように、反射膜18及び反射防止膜19を有する円環状の下地パターン17を形成する。下地パターン17の形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィ技術等の公知のパターニング技術を用いることができる。なお、マスク蒸着等の方法で基板12の表面13に直接的に複数の下地パターン17を形成することも可能である。
【0039】
次に、図4(c)に示す工程(感光層形成工程)では、基板12上に感光層52を形成する。具体的には、下地パターン17が形成された基板12の表面13の全域を覆うように感光層52を形成する。感光層52は、露光部分が除去されるポジ型の感光性材料を用いる。具体的には、アクリルやポリイミド等の高分子樹脂材料が感光層52の材料として好適である。感光層52の形成方法としては、例えば、スピンコート法やロールコート法等の公知の成膜技術を用いることができる。
【0040】
次に、図4(d)に示す工程(露光工程)では、感光層52を露光する。具体的には、感光層52を挟んで基板12とは反対側から、感光層52を選択的に露光する。感光層52の露光には、例えば、遮光部62を有するマスク60が使用される。遮光部62は、感光層52のうち、マイクロレンズ14に対応する各領域(マイクロレンズ14が形成されるべき領域)522に重なる部分に配置されている。つまり、感光層52のうち、領域522を除外した領域が露光される。
【0041】
なお、図5に示すように、遮光部62は、直径Dbの円形状に形成されて円環状の下地パターン17と同心に配置される。直径Dbは、下地パターン17の内径(マイクロレンズ14に対応する領域522の略直径)Di以上の寸法で下地パターン17の外径Doを下回る寸法に選定される。したがって、遮光部62の周縁は、平面視で下地パターン17の内周縁と外周縁との間に位置する。
【0042】
遮光部62の周縁が反射膜18の内周縁と外周縁との間に位置するから、露光工程において、感光層52のうちマイクロレンズ14に対応する領域の周縁に、反射膜18の表面からの反射光を充分に照射することが可能である。
【0043】
次に、図4(e)に示す工程(現像工程)では、感光層52を現像(パターニング)する。具体的には、感光層52のうち、図4(d)に示す工程で露光された領域が除去される。これにより、基板12上に、遮光部62で遮光された領域522に対応する複数のマイクロレンズ前駆体72が形成される。
【0044】
具体的には、図6に示すように、マスク60(遮光部62)を透過して、感光層52のうち領域524に入射した光は、感光層52の内部を直進したうえで下地パターン17に到達し、下地パターン17を構成する反射膜18の表面で反射(散乱)する。
【0045】
下地パターン17の表面での反射光は、感光層52のうち領域524の周縁部に照射される。よって、図7に示すように、マイクロレンズ前駆体72の側面722は、表面13から離れた位置ほど、マイクロレンズ前駆体72の直径(断面積)が増加するように、表面13に対して傾斜する。
【0046】
すなわち、マイクロレンズ前駆体72の上面の面積Am1は、底面の面積(すなわち下地パターン17の内側の面積)Am2を上回る。概略的には、表面13に垂直な断面でのマイクロレンズ前駆体72の断面形状は、上底が下底を上回る逆台形状となる。
【0047】
次に、図4(f)に示す工程(加熱工程)では、基板12上にマイクロレンズ14を完成させる。具体的には、マイクロレンズ前駆体72を加熱(リフロー処理)することで軟化(溶融)させる。マイクロレンズ前駆体72は、加熱により流動し、表面張力の作用で表面が曲面状に変形する。このとき、底面の面積Am2(図7参照)は、殆ど変わらない。その後、マイクロレンズ前駆体72を冷却することにより、マイクロレンズ14が完成する。
【0048】
熱処理の温度は、例えば、150℃〜250℃である。以上の工程によって製造されたマイクロレンズ基板10と、別途製造された遮光基板20とが、図1のように相互に対向して配置される。
【0049】
図6及び図7を参照して説明したように、リフロー処理(加熱)を施した際、下地パターン17によってマイクロレンズ14の底面の面積Am2を略固定することが可能となるので、マイクロレンズ14の表面の曲率を、従来と比較して小さくすることができる。その結果、マイクロレンズ14の設計範囲を広げることができる。
【0050】
図8は、マイクロレンズの半径とマイクロレンズの高さとの関係を、マイクロレンズ前駆体の膜厚別に示すグラフである。以下、マイクロレンズの半径とマイクロレンズの高さとの関係を、図8を参照しながら説明する。
【0051】
図8に示すように、グラフの横軸は、マイクロレンズ14の半径値を示しており、図示右側にいくに従って半径値が大きくなっていることを示している。グラフの縦軸は、マイクロレンズ14の高さを示しており、図示上側にいくに従って高さが高くなっていることを示している。このようなマイクロレンズ14の半径値と高さとの関係を、マイクロレンズ前駆体72の膜厚毎に示している。
【0052】
グラフAは、マイクロレンズ前駆体72の厚みが5.0μmであり、下地パターン17が形成されていない場合のマイクロレンズを測定したものである。グラフBは、マイクロレンズ前駆体72の厚みが5.0μmであり、下地パターン17が形成されている場合のマイクロレンズ14を測定したものである。
【0053】
グラフCは、マイクロレンズ前駆体72の厚みが3.5μmであり、下地パターン17が形成されていない場合のマイクロレンズを測定したものである。グラフDは、マイクロレンズ前駆体72の厚みが3.5μmであり、下地パターン17が形成されている場合のマイクロレンズ14を測定したものである。
【0054】
以上のように、マイクロレンズ前駆体72の厚みが5.0μmの場合、下地パターン17を構成する反射膜18及び反射防止膜19を設けた場合の方が、従来のマイクロレンズの半径値と比較して、小さな半径値(曲率)のマイクロレンズを形成することが可能となる。これにより、従来のマイクロレンズの設計範囲と比較して、設計範囲を拡大することができる。
【0055】
一方、マイクロレンズ前駆体72の厚みが3.5μmの場合も同様に、下地パターン17を構成する反射膜18及び反射防止膜19を設けた場合の方が、従来のマイクロレンズの半径値と比較して、小さな半径値(曲率)のマイクロレンズを形成することが可能となる。これにより、従来のマイクロレンズの設計範囲と比較して、設計範囲を拡大することができる。
【0056】
また、下地パターン17を形成することにより、所望の曲率のマイクロレンズ14を形成することができるので、膜厚(マイクロレンズ前駆体72の膜厚)を細かく管理したり、材料を選定したりすることを省略することができ、マイクロレンズ基板10の製造工程を簡素化することが可能である。
【0057】
<生体認証装置>
次に、上記実施形態の撮像装置を備えた生体認証装置の例につき、図9を参照して説明する。図9は生体認証装置の構成を示すブロック図である。
【0058】
図9に示すように、本実施形態の生体認証装置80は、記憶部81、撮像部82、発光部83、認証実行部84、およびこれら各部を制御する制御部85を有する。撮像部82、発光部83は撮像装置100に相当し、撮像部82はマイクロレンズ基板10、遮光基板20、受光基板30を含むものであり、発光部83は光源に相当する。
【0059】
発光部83は、制御部85から伝達される信号に基づいて、光(近赤外光)を指に向けて射出する。撮像部82は、制御部85から伝達される制御信号に基づいて撮影動作を開始し、撮像された静脈パターンを制御部85に出力する。
【0060】
制御部85は、記憶部81に格納されたプログラムに基づいて信号の演算処理、信号伝送といった各種の処理を実行し、撮像部82から出力される静脈パターンを認証実行部84に伝達する。
【0061】
記憶部81は、ハードディスク、半導体メモリー(DRAM(Dynamic Random Access Memory)、またはSRAM(Static Random Access Memory))といった記憶装置である。記憶部81には、生体認証を実現するためのプログラム、画像構成を実現するためのプログラム、認証時に用いられる予め登録された静脈パターン、および認証履歴といった情報が格納される。
【0062】
認証実行部84は、撮像部82によって撮像され出力された静脈パターン(画像情報)と予め登録された生体の静脈パターン(画像情報)とを照合して、撮像された静脈パターンが登録された生体のものか否か判定する。静脈認証の方法は、静脈パターンの類似性を判別する各種方法に依存する。
【0063】
生体認証装置80は、上記実施形態の撮像装置100を備えているので、指の内部における静脈パターン(生体情報)を鮮明な状態で入手することができる。したがって、認証実行部84は、予め登録された静脈パターンごとに、撮像された静脈パターンとの間で類似性を判別し、高い認証精度を実現することができる。また、より高い認証精度を実現し、不正行為を防止することができる。
【0064】
<電子機器>
次に本実施形態の電子機器について、図10を参照して説明する。図10(a)は電子機器としての携帯型電話機を示す斜視図、同図(b)は電子機器としてのパーソナルコンピューターを示す概略図である。
【0065】
図10(a)に示すように、本実施形態の電子機器としての携帯型電話機300は、表示部301、操作ボタン302および生体認証装置80を備えている。生体認証装置80は、携帯型電話機300の本体に搭載された撮像装置100に指を触れさせることによって取得された静脈パターンを用いて、例えば、携帯型電話機300のロック状態を解除したり、金融決済の際の個人認証を行うことができる。
【0066】
図10(b)に示すように、本実施形態の電子機器としてのノート型のパーソナルコンピューター400は、表示部411、入力ボタン412および生体認証装置80を備えている。生体認証装置80は、パーソナルコンピューター400の本体に組み込まれた撮像装置100に指を触れさせることによって取得された静脈パターンを用い、例えば、パーソナルコンピューター400にログインしたり、金融決済の際の個人認証を行うことができる。
【0067】
上記携帯型電話機300および上記パーソナルコンピューター400は、室内、屋外を問わず静脈パターンを撮影できる撮像装置100を有する生体認証装置80を備えているため、あらゆる環境下で高精度に個人認証を行うことができる。それゆえに、不正な使用行為を防止することができる。
【0068】
以上詳述したように、本実施形態のマイクロレンズ基板10の製造方法、マイクロレンズ基板10の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板10を備えた撮像装置100、及びその撮像装置100を備えた電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
【0069】
(1)本実施形態のマイクロレンズ基板10の製造方法によれば、マイクロレンズ14が形成される領域522の周囲に反射膜18を有する下地パターン17を形成するので、露光工程において反射膜18の表面で反射した光の照射により、反射膜18の略縁を外形とする逆台形の形状に感光層52を露光することができる。よって、反射膜18を形成しない場合と比較して、加熱工程における感光層52の高さを増加させることが可能となり、マイクロレンズ14の曲率半径を小さくすることができる。その結果、マイクロレンズ前駆体72の膜厚を調整したり、感光層52の材料を選定したりすることなく、マイクロレンズ14の曲率半径の範囲(設計範囲)を拡大することができる。加えて、下地パターン17の大きさを変えたり、反射膜18を形成しなかったりすることにより、同じプロセスであっても、面内に異なる曲率をもったマイクロレンズ14を容易に形成することができる。
【0070】
(2)本実施形態のマイクロレンズ基板10の製造方法によれば、反射防止膜19上に反射膜18を形成するので、露光工程において、反射防止膜19の基板側の光が乱反射することを抑えることができる。よって、マイクロレンズ14の曲率がばらつくことを抑えることができる。
【0071】
(3)本実施形態のマイクロレンズ14を備えた撮像装置100によれば、マイクロレンズ14の曲率半径の範囲を拡大することが可能になり、例えば、曲率半径が小さい場合、焦点距離を短くすることが可能となり、その結果、薄型の撮像装置100を提供することができる。加えて、1枚の基板に焦点深度の異なるマイクロレンズ14を備えた撮像装置100を提供することができる。
【0072】
(4)本実施形態の電子機器によれば、上記した撮像装置100を備えているので、薄型の電子機器を提供することができたり、広範囲の距離を撮像することが可能な電子機器を提供することができる。
【0073】
なお、実施形態は上記に限定されず、以下のような形態で実施することもできる。
【0074】
(変形例1)
上記したように、下地パターン17は、マイクロレンズ14が形成される領域を包囲する円環状のパターンであることに限定されず、例えば、図11に示すように、マイクロレンズ14が形成される領域を除く全ての領域に形成するようにしてもよい。
【0075】
図11は、マイクロレンズ基板(下地パターン)の構造を示す模式平面図である。図11に示すマイクロレンズ基板110の下地パターン117は、基板112上に反射防止膜119が形成されており、反射防止膜119上に反射膜118が形成されている。つまり、マイクロレンズ14が形成される領域のみ下地パターン117が形成されてない。
【0076】
これによれば、上記した実施形態の効果に加えて、マイクロレンズ14間に、別途BMを配置することなく、BMを配置した場合と同じ効果を得ることができる。また、光反射性の高い材料を多く用いており、熱の伝達が早く蓄熱作用があるため、加熱(リフロー処理)時にマイクロレンズの形状を均一にすることができる。
【0077】
(変形例2)
上記したように、下地パターン17は、平面的に連続した円環状に形成することに限定されず、例えば、図12に示すような形状であってもよい。図12は、下地パターンの変形例の構造を示す模式平面図である。
【0078】
図12(a)に示す下地パターン17は、マイクロレンズ14が形成される領域を多角形(例えば、六角形)の環状に形成している。また、図12(b)に示す下地パターン17は、閉じた環状の形状ではなく、複数に離間する円環形状に形成している。
【0079】
なお、感光層52のうち領域524(図6参照)の周縁に下地パターン17での反射光を均一に照射するという観点からすると、下地パターン17を閉じた形状(例えば円形や多角形の環状)に形成した構成が好適である。
【0080】
(変形例3)
上記したように、下地パターン17は、反射膜18と反射防止膜19との積層構成であることに限定されず、例えば、反射膜18のみの構成であってもよい。この構成によれば、比較的に乱反射が少ない場合に適用することが可能となり、製造工程を簡略化することができる。
【0081】
(変形例4)
上記したように、下地パターン17を形成する方法として、下地パターン17のために反射防止膜19aと反射膜18aを積層してパターニングする方法に限定されず、例えば、貼り合わせ時のマークの形成に用いた形成層を下地パターン17として適用するようにしてもよい。この方法によれば、下地パターン17とアライメントマークとが共通の工程で形成されるから、下地パターン17とアライメントマークとを別工程で形成する場合と比較してマイクロレンズ基板10の製造工程を簡素化することができる。
【符号の説明】
【0082】
10,110…マイクロレンズ基板、12,22,112…基板、13…表面、14…マイクロレンズ、17,117…下地パターン、18,18a,118…反射膜、19,19a,119…反射防止膜、20…遮光基板、23…表面、24…遮光層、26…開口部、30…受光基板、32…基板、34…受光素子、52…感光層、60…マスク、62…遮光部、72…マイクロレンズ前駆体、80…生体認証装置、81…記憶部、82…撮像部、83…発光部、84…認証実行部、85…制御部、100…撮像装置、112…基板、200…生体、300…携帯型電話機、301,411…表示部、302…操作ボタン、400…パーソナルコンピューター、412…入力ボタン、522,524…領域、722…側面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板を備えた撮像装置、及びその撮像装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に複数のマイクロレンズを形成したマイクロレンズ基板は、撮像装置や表示装置等の各種の電子機器に利用される。例えば、特許文献1には、生体認証装置(静脈センサー)として使用される撮像装置にマイクロレンズ基板を設置した構成が開示されている。
【0003】
また、特許文献2に記載のマイクロレンズの製造方法では、フォトリソグラフィ技術を利用して形成された感光性材料のパターンを加熱して表面を曲面状に変形させることでマイクロレンズを形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−36058号公報
【特許文献2】特開2006−235084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載のマイクロレンズの製造方法では、所望のマイクロレンズの曲率半径にするために、膜厚を細かく管理したり、最適な材料を選定したりしなければならないという問題がある。よって、上記特許文献に記載の方法だけでは、マイクロレンズの使用範囲(曲率半径の製造範囲)を拡大することが難しいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法は、基板のうちマイクロレンズが形成される領域の周囲に反射性材料で反射膜を形成する反射膜形成工程と、前記反射膜が形成された前記基板上にポジ型の感光性材料で感光層を形成する感光層形成工程と、前記感光層のうち前記マイクロレンズに対応する領域以外の領域を、前記感光層を挟んで前記基板とは反対側から露光する露光工程と、露光された前記感光性材料を現像する現像工程と、前記感光性材料の表面を加熱により曲面状に変形させることで前記マイクロレンズを形成する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
この方法によれば、基板上のマイクロレンズが形成される領域の周囲に反射膜を形成するので、露光工程において反射膜の表面で反射した光の照射により、反射膜の略縁を外形とする逆台形の形状に感光層を露光することができる。よって、反射膜を形成しない場合と比較して、加熱工程における感光層の高さを増加させることが可能となり、マイクロレンズの曲率半径を小さくすることができる。その結果、膜厚を調整したり、材料を選定したりすることなく、マイクロレンズの曲率半径の範囲を拡大することができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記反射膜形成工程は、前記基板上の反射防止膜上に前記反射膜を形成することが好ましい。
【0010】
この方法によれば、反射防止膜上に反射膜を形成するので、反射防止膜の基板側において光が乱反射することを抑えることができる。よって、マイクロレンズの曲率がばらつくことを抑えることができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記反射膜形成工程は、前記マイクロレンズが形成される領域を包囲する閉じた形状に前記反射膜を形成することが好ましい。
【0012】
この方法によれば、反射膜を閉じた形状に形成するので、露光工程において、感光層のうちマイクロレンズに対応する領域の周縁に、反射膜の表面からの反射光が均一に照射される。したがって、例えば、反射膜が離間した複数の膜で構成される場合と比較して、適切な断面形状のマイクロレンズ前駆体を形成することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記反射膜形成工程では、前記反射膜を円環状に形成することが好ましい。
【0014】
この方法によれば、円環状に形成するので、露光工程において、感光層のうちマイクロレンズに対応する領域の周縁に、反射膜の表面からの反射光が均一に照射される。したがって、より適切な断面形状のマイクロレンズ前駆体を形成することができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記露光工程は、前記マイクロレンズに対応する領域に遮光部が重なるマスクを使用し、前記遮光部の周縁は、前記反射膜の内周縁と外周縁との間に位置することが好ましい。
【0016】
この方法によれば、遮光部の周縁が反射膜の内周縁と外周縁との間に位置するから、露光工程において、感光層のうちマイクロレンズに対応する領域の周縁に、反射膜の表面からの反射光を充分に照射することが可能である。
【0017】
[適用例6]上記適用例に係るマイクロレンズ基板の製造方法において、前記反射膜形成工程は、前記基板を覆う光反射性の反射膜を形成する工程と、前記反射膜を選択的に除去することで、前記反射膜と、前記マイクロレンズ基板の位置合わせに使用されるアライメントマークとを一括的に形成する工程とを含むことが好ましい。
【0018】
この方法によれば、反射膜とアライメントマークとが共通の工程で形成されるから、反射膜とアライメントマークとを別工程で形成する場合と比較してマイクロレンズ基板の製造工程が簡素化されるという利点がある。
【0019】
[適用例7]本適用例に係る撮像装置は、上記に記載のマイクロレンズ基板の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板を備えたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、上記したマイクロレンズ基板の製造方法を用いているので、マイクロレンズの曲率半径の範囲を拡大することが可能になり、例えば、曲率半径が小さい場合、焦点距離を短くすることが可能となり、その結果、薄型の撮像装置を提供することができる。加えて、1枚の基板に焦点深度の異なるマイクロレンズを備えた撮像装置を提供することができる。
【0021】
[適用例8]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の撮像装置を備えたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、上記した撮像装置を備えているので、薄型の電子機器を提供することができたり、広範囲の距離を撮像することが可能な電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】マイクロレンズ基板、及びマイクロレンズ基板を備えた撮像装置の構造を示す模式断面図。
【図2】マイクロレンズ基板における遮光基板との対向面の平面図。
【図3】図2におけるマイクロレンズ基板のA−A'線に沿う模式断面図。
【図4】マイクロレンズ基板の製造方法を工程順に示す模式断面図。
【図5】下地パターンとマスクの遮光部との位置関係を示す平面図。
【図6】マイクロレンズ基板の製造方法のうち一部の工程を示す模式断面図。
【図7】マイクロレンズ基板の製造方法のうち一部の工程を示す模式断面図。
【図8】マイクロレンズの半径とマイクロレンズの高さとの関係を示すグラフ。
【図9】生体認証装置の構成を示すブロック図。
【図10】(a)は電子機器としての携帯型電話機を示す斜視図、(b)は電子機器としてのパーソナルコンピューターを示す概略図。
【図11】変形例のマイクロレンズ基板の構造を示す模式平面図。
【図12】変形例のマイクロレンズ基板の構造を示す模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
【0025】
<マイクロレンズ基板、撮像装置、及び電子機器の構成>
図1は、マイクロレンズ基板、及びマイクロレンズ基板を備えた撮像装置の構造を示す模式断面図である。図2は、マイクロレンズ基板における遮光基板との対向面の平面図である。図3は、図2におけるマイクロレンズ基板のA−A'線に沿う断面図である。以下、マイクロレンズ基板、及びマイクロレンズ基板を備えた撮像装置(及び電子機器)の構造を、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0026】
図1に示すように、撮像装置100は、認証処理のために生体(例えば、指)200の静脈像を撮像する、例えば、電子機器としての生体認証装置(静脈センサー)に用いられるものであり、マイクロレンズ基板10と遮光基板20と受光基板30とを具備する。マイクロレンズ基板10は、受光基板30と生体200との間に介在し、遮光基板20はマイクロレンズ基板10と受光基板30との間に介在する。
【0027】
図1〜図3に示すように、マイクロレンズ基板10は、基板12と複数のマイクロレンズ14と複数の下地パターン17とを含んで構成される。基板12は、例えばガラス基板等の光透過性の板状部材である。
【0028】
複数のマイクロレンズ14の各々は、入射光を集光する凸レンズであり、図2に示すように、基板12の表面13にアレイ状に配列している。複数の下地パターン17の各々は、基板12の表面13にマイクロレンズ14毎に配置されている。
【0029】
各下地パターン17は、図2に示すように、平面視でマイクロレンズ14を包囲する円環状のパターンであり、光反射性を有する反射膜18と、光の反射を抑える反射防止膜19とが積層されている。なお、反射防止膜19は、生体200側に配置されており、反射膜18からの反射光によってノイズが発生することを防いでいる。
【0030】
図1に示す遮光基板20は、光透過性の基板22と、基板22の表面に形成された遮光層24とを含んで構成されている。遮光層24は、遮光性の材料で形成される。遮光層24のうち各マイクロレンズ14の光軸に対応する箇所には開口部26が形成されている。
【0031】
マイクロレンズ基板10と遮光基板20とは、図示しないスペーサーを介して、相互に対向して配置されている。よって、マイクロレンズ14は、基板22の表面23に対して間隔をあけて対向配置されている。
【0032】
図1に示す受光基板30は、基板32と、基板32の表面に形成された複数の受光素子34とを含んで構成されている。また、受光基板30は、遮光基板20に対して間隔をあけて対向している。各受光素子34は、マイクロレンズ14の光軸に対応する位置に形成され、入射光の光量に応じた検出信号を生成する。
【0033】
以上の構成において、図1に矢印αで示すように、所定の位置(例えば、生体200を挟んでマイクロレンズ基板10とは反対側)に配置された光源(図示略)による照射光が生体200の内部の静脈にて透過または反射して基板12に入射する。照射光は、各マイクロレンズ14で集光されたうえで遮光層24の開口部26を通過して、受光素子34に到達する。すなわち、生体200の静脈像が撮像される。
【0034】
<マイクロレンズ基板の製造方法>
図4は、マイクロレンズ基板の製造方法を工程順に示す模式断面図である。図5は、下地パターンとマスクの遮光部との平面的な位置関係を示す模式平面図である。図6及び図7は、製造方法のうち一部の工程を示す模式断面図である。以下、マイクロレンズ基板の製造方法を、図4〜図7を参照しながら説明する。
【0035】
まず、図4(a)に示す工程では、基板12上に、後に下地パターン17となる反射膜18a(反射膜前駆体膜)及び反射防止膜19aを形成する。具体的には、基板12の表面13に光の反射を抑える反射防止膜19aを形成し、反射防止膜19a上に光反射性の反射膜18aを形成する。
【0036】
反射膜18aの材料としては、例えば、アルミニウム(Al)や銀(Ag)や金(Au)等の高反射性の金属材料が好適である。反射防止膜19aの材料としては、例えば、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)や有機系材料(例えば、アクリル系樹脂30%を含む有機溶媒のアクリル系樹脂)などが挙げられる。
【0037】
また、反射膜18a及び反射防止膜19aの形成方法としては、スパッタリング法や真空蒸着法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の、公知の成膜技術が任意に採用される。
【0038】
次に、図4(b)に示す工程(反射膜形成工程)では、基板12上に下地パターン17を形成する。具体的には、基板12の表面13のうちマイクロレンズ14が形成されるべき領域を包囲するように、反射膜18及び反射防止膜19を有する円環状の下地パターン17を形成する。下地パターン17の形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィ技術等の公知のパターニング技術を用いることができる。なお、マスク蒸着等の方法で基板12の表面13に直接的に複数の下地パターン17を形成することも可能である。
【0039】
次に、図4(c)に示す工程(感光層形成工程)では、基板12上に感光層52を形成する。具体的には、下地パターン17が形成された基板12の表面13の全域を覆うように感光層52を形成する。感光層52は、露光部分が除去されるポジ型の感光性材料を用いる。具体的には、アクリルやポリイミド等の高分子樹脂材料が感光層52の材料として好適である。感光層52の形成方法としては、例えば、スピンコート法やロールコート法等の公知の成膜技術を用いることができる。
【0040】
次に、図4(d)に示す工程(露光工程)では、感光層52を露光する。具体的には、感光層52を挟んで基板12とは反対側から、感光層52を選択的に露光する。感光層52の露光には、例えば、遮光部62を有するマスク60が使用される。遮光部62は、感光層52のうち、マイクロレンズ14に対応する各領域(マイクロレンズ14が形成されるべき領域)522に重なる部分に配置されている。つまり、感光層52のうち、領域522を除外した領域が露光される。
【0041】
なお、図5に示すように、遮光部62は、直径Dbの円形状に形成されて円環状の下地パターン17と同心に配置される。直径Dbは、下地パターン17の内径(マイクロレンズ14に対応する領域522の略直径)Di以上の寸法で下地パターン17の外径Doを下回る寸法に選定される。したがって、遮光部62の周縁は、平面視で下地パターン17の内周縁と外周縁との間に位置する。
【0042】
遮光部62の周縁が反射膜18の内周縁と外周縁との間に位置するから、露光工程において、感光層52のうちマイクロレンズ14に対応する領域の周縁に、反射膜18の表面からの反射光を充分に照射することが可能である。
【0043】
次に、図4(e)に示す工程(現像工程)では、感光層52を現像(パターニング)する。具体的には、感光層52のうち、図4(d)に示す工程で露光された領域が除去される。これにより、基板12上に、遮光部62で遮光された領域522に対応する複数のマイクロレンズ前駆体72が形成される。
【0044】
具体的には、図6に示すように、マスク60(遮光部62)を透過して、感光層52のうち領域524に入射した光は、感光層52の内部を直進したうえで下地パターン17に到達し、下地パターン17を構成する反射膜18の表面で反射(散乱)する。
【0045】
下地パターン17の表面での反射光は、感光層52のうち領域524の周縁部に照射される。よって、図7に示すように、マイクロレンズ前駆体72の側面722は、表面13から離れた位置ほど、マイクロレンズ前駆体72の直径(断面積)が増加するように、表面13に対して傾斜する。
【0046】
すなわち、マイクロレンズ前駆体72の上面の面積Am1は、底面の面積(すなわち下地パターン17の内側の面積)Am2を上回る。概略的には、表面13に垂直な断面でのマイクロレンズ前駆体72の断面形状は、上底が下底を上回る逆台形状となる。
【0047】
次に、図4(f)に示す工程(加熱工程)では、基板12上にマイクロレンズ14を完成させる。具体的には、マイクロレンズ前駆体72を加熱(リフロー処理)することで軟化(溶融)させる。マイクロレンズ前駆体72は、加熱により流動し、表面張力の作用で表面が曲面状に変形する。このとき、底面の面積Am2(図7参照)は、殆ど変わらない。その後、マイクロレンズ前駆体72を冷却することにより、マイクロレンズ14が完成する。
【0048】
熱処理の温度は、例えば、150℃〜250℃である。以上の工程によって製造されたマイクロレンズ基板10と、別途製造された遮光基板20とが、図1のように相互に対向して配置される。
【0049】
図6及び図7を参照して説明したように、リフロー処理(加熱)を施した際、下地パターン17によってマイクロレンズ14の底面の面積Am2を略固定することが可能となるので、マイクロレンズ14の表面の曲率を、従来と比較して小さくすることができる。その結果、マイクロレンズ14の設計範囲を広げることができる。
【0050】
図8は、マイクロレンズの半径とマイクロレンズの高さとの関係を、マイクロレンズ前駆体の膜厚別に示すグラフである。以下、マイクロレンズの半径とマイクロレンズの高さとの関係を、図8を参照しながら説明する。
【0051】
図8に示すように、グラフの横軸は、マイクロレンズ14の半径値を示しており、図示右側にいくに従って半径値が大きくなっていることを示している。グラフの縦軸は、マイクロレンズ14の高さを示しており、図示上側にいくに従って高さが高くなっていることを示している。このようなマイクロレンズ14の半径値と高さとの関係を、マイクロレンズ前駆体72の膜厚毎に示している。
【0052】
グラフAは、マイクロレンズ前駆体72の厚みが5.0μmであり、下地パターン17が形成されていない場合のマイクロレンズを測定したものである。グラフBは、マイクロレンズ前駆体72の厚みが5.0μmであり、下地パターン17が形成されている場合のマイクロレンズ14を測定したものである。
【0053】
グラフCは、マイクロレンズ前駆体72の厚みが3.5μmであり、下地パターン17が形成されていない場合のマイクロレンズを測定したものである。グラフDは、マイクロレンズ前駆体72の厚みが3.5μmであり、下地パターン17が形成されている場合のマイクロレンズ14を測定したものである。
【0054】
以上のように、マイクロレンズ前駆体72の厚みが5.0μmの場合、下地パターン17を構成する反射膜18及び反射防止膜19を設けた場合の方が、従来のマイクロレンズの半径値と比較して、小さな半径値(曲率)のマイクロレンズを形成することが可能となる。これにより、従来のマイクロレンズの設計範囲と比較して、設計範囲を拡大することができる。
【0055】
一方、マイクロレンズ前駆体72の厚みが3.5μmの場合も同様に、下地パターン17を構成する反射膜18及び反射防止膜19を設けた場合の方が、従来のマイクロレンズの半径値と比較して、小さな半径値(曲率)のマイクロレンズを形成することが可能となる。これにより、従来のマイクロレンズの設計範囲と比較して、設計範囲を拡大することができる。
【0056】
また、下地パターン17を形成することにより、所望の曲率のマイクロレンズ14を形成することができるので、膜厚(マイクロレンズ前駆体72の膜厚)を細かく管理したり、材料を選定したりすることを省略することができ、マイクロレンズ基板10の製造工程を簡素化することが可能である。
【0057】
<生体認証装置>
次に、上記実施形態の撮像装置を備えた生体認証装置の例につき、図9を参照して説明する。図9は生体認証装置の構成を示すブロック図である。
【0058】
図9に示すように、本実施形態の生体認証装置80は、記憶部81、撮像部82、発光部83、認証実行部84、およびこれら各部を制御する制御部85を有する。撮像部82、発光部83は撮像装置100に相当し、撮像部82はマイクロレンズ基板10、遮光基板20、受光基板30を含むものであり、発光部83は光源に相当する。
【0059】
発光部83は、制御部85から伝達される信号に基づいて、光(近赤外光)を指に向けて射出する。撮像部82は、制御部85から伝達される制御信号に基づいて撮影動作を開始し、撮像された静脈パターンを制御部85に出力する。
【0060】
制御部85は、記憶部81に格納されたプログラムに基づいて信号の演算処理、信号伝送といった各種の処理を実行し、撮像部82から出力される静脈パターンを認証実行部84に伝達する。
【0061】
記憶部81は、ハードディスク、半導体メモリー(DRAM(Dynamic Random Access Memory)、またはSRAM(Static Random Access Memory))といった記憶装置である。記憶部81には、生体認証を実現するためのプログラム、画像構成を実現するためのプログラム、認証時に用いられる予め登録された静脈パターン、および認証履歴といった情報が格納される。
【0062】
認証実行部84は、撮像部82によって撮像され出力された静脈パターン(画像情報)と予め登録された生体の静脈パターン(画像情報)とを照合して、撮像された静脈パターンが登録された生体のものか否か判定する。静脈認証の方法は、静脈パターンの類似性を判別する各種方法に依存する。
【0063】
生体認証装置80は、上記実施形態の撮像装置100を備えているので、指の内部における静脈パターン(生体情報)を鮮明な状態で入手することができる。したがって、認証実行部84は、予め登録された静脈パターンごとに、撮像された静脈パターンとの間で類似性を判別し、高い認証精度を実現することができる。また、より高い認証精度を実現し、不正行為を防止することができる。
【0064】
<電子機器>
次に本実施形態の電子機器について、図10を参照して説明する。図10(a)は電子機器としての携帯型電話機を示す斜視図、同図(b)は電子機器としてのパーソナルコンピューターを示す概略図である。
【0065】
図10(a)に示すように、本実施形態の電子機器としての携帯型電話機300は、表示部301、操作ボタン302および生体認証装置80を備えている。生体認証装置80は、携帯型電話機300の本体に搭載された撮像装置100に指を触れさせることによって取得された静脈パターンを用いて、例えば、携帯型電話機300のロック状態を解除したり、金融決済の際の個人認証を行うことができる。
【0066】
図10(b)に示すように、本実施形態の電子機器としてのノート型のパーソナルコンピューター400は、表示部411、入力ボタン412および生体認証装置80を備えている。生体認証装置80は、パーソナルコンピューター400の本体に組み込まれた撮像装置100に指を触れさせることによって取得された静脈パターンを用い、例えば、パーソナルコンピューター400にログインしたり、金融決済の際の個人認証を行うことができる。
【0067】
上記携帯型電話機300および上記パーソナルコンピューター400は、室内、屋外を問わず静脈パターンを撮影できる撮像装置100を有する生体認証装置80を備えているため、あらゆる環境下で高精度に個人認証を行うことができる。それゆえに、不正な使用行為を防止することができる。
【0068】
以上詳述したように、本実施形態のマイクロレンズ基板10の製造方法、マイクロレンズ基板10の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板10を備えた撮像装置100、及びその撮像装置100を備えた電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
【0069】
(1)本実施形態のマイクロレンズ基板10の製造方法によれば、マイクロレンズ14が形成される領域522の周囲に反射膜18を有する下地パターン17を形成するので、露光工程において反射膜18の表面で反射した光の照射により、反射膜18の略縁を外形とする逆台形の形状に感光層52を露光することができる。よって、反射膜18を形成しない場合と比較して、加熱工程における感光層52の高さを増加させることが可能となり、マイクロレンズ14の曲率半径を小さくすることができる。その結果、マイクロレンズ前駆体72の膜厚を調整したり、感光層52の材料を選定したりすることなく、マイクロレンズ14の曲率半径の範囲(設計範囲)を拡大することができる。加えて、下地パターン17の大きさを変えたり、反射膜18を形成しなかったりすることにより、同じプロセスであっても、面内に異なる曲率をもったマイクロレンズ14を容易に形成することができる。
【0070】
(2)本実施形態のマイクロレンズ基板10の製造方法によれば、反射防止膜19上に反射膜18を形成するので、露光工程において、反射防止膜19の基板側の光が乱反射することを抑えることができる。よって、マイクロレンズ14の曲率がばらつくことを抑えることができる。
【0071】
(3)本実施形態のマイクロレンズ14を備えた撮像装置100によれば、マイクロレンズ14の曲率半径の範囲を拡大することが可能になり、例えば、曲率半径が小さい場合、焦点距離を短くすることが可能となり、その結果、薄型の撮像装置100を提供することができる。加えて、1枚の基板に焦点深度の異なるマイクロレンズ14を備えた撮像装置100を提供することができる。
【0072】
(4)本実施形態の電子機器によれば、上記した撮像装置100を備えているので、薄型の電子機器を提供することができたり、広範囲の距離を撮像することが可能な電子機器を提供することができる。
【0073】
なお、実施形態は上記に限定されず、以下のような形態で実施することもできる。
【0074】
(変形例1)
上記したように、下地パターン17は、マイクロレンズ14が形成される領域を包囲する円環状のパターンであることに限定されず、例えば、図11に示すように、マイクロレンズ14が形成される領域を除く全ての領域に形成するようにしてもよい。
【0075】
図11は、マイクロレンズ基板(下地パターン)の構造を示す模式平面図である。図11に示すマイクロレンズ基板110の下地パターン117は、基板112上に反射防止膜119が形成されており、反射防止膜119上に反射膜118が形成されている。つまり、マイクロレンズ14が形成される領域のみ下地パターン117が形成されてない。
【0076】
これによれば、上記した実施形態の効果に加えて、マイクロレンズ14間に、別途BMを配置することなく、BMを配置した場合と同じ効果を得ることができる。また、光反射性の高い材料を多く用いており、熱の伝達が早く蓄熱作用があるため、加熱(リフロー処理)時にマイクロレンズの形状を均一にすることができる。
【0077】
(変形例2)
上記したように、下地パターン17は、平面的に連続した円環状に形成することに限定されず、例えば、図12に示すような形状であってもよい。図12は、下地パターンの変形例の構造を示す模式平面図である。
【0078】
図12(a)に示す下地パターン17は、マイクロレンズ14が形成される領域を多角形(例えば、六角形)の環状に形成している。また、図12(b)に示す下地パターン17は、閉じた環状の形状ではなく、複数に離間する円環形状に形成している。
【0079】
なお、感光層52のうち領域524(図6参照)の周縁に下地パターン17での反射光を均一に照射するという観点からすると、下地パターン17を閉じた形状(例えば円形や多角形の環状)に形成した構成が好適である。
【0080】
(変形例3)
上記したように、下地パターン17は、反射膜18と反射防止膜19との積層構成であることに限定されず、例えば、反射膜18のみの構成であってもよい。この構成によれば、比較的に乱反射が少ない場合に適用することが可能となり、製造工程を簡略化することができる。
【0081】
(変形例4)
上記したように、下地パターン17を形成する方法として、下地パターン17のために反射防止膜19aと反射膜18aを積層してパターニングする方法に限定されず、例えば、貼り合わせ時のマークの形成に用いた形成層を下地パターン17として適用するようにしてもよい。この方法によれば、下地パターン17とアライメントマークとが共通の工程で形成されるから、下地パターン17とアライメントマークとを別工程で形成する場合と比較してマイクロレンズ基板10の製造工程を簡素化することができる。
【符号の説明】
【0082】
10,110…マイクロレンズ基板、12,22,112…基板、13…表面、14…マイクロレンズ、17,117…下地パターン、18,18a,118…反射膜、19,19a,119…反射防止膜、20…遮光基板、23…表面、24…遮光層、26…開口部、30…受光基板、32…基板、34…受光素子、52…感光層、60…マスク、62…遮光部、72…マイクロレンズ前駆体、80…生体認証装置、81…記憶部、82…撮像部、83…発光部、84…認証実行部、85…制御部、100…撮像装置、112…基板、200…生体、300…携帯型電話機、301,411…表示部、302…操作ボタン、400…パーソナルコンピューター、412…入力ボタン、522,524…領域、722…側面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板のうちマイクロレンズが形成される領域の周囲に反射性材料で反射膜を形成する反射膜形成工程と、
前記反射膜が形成された前記基板上にポジ型の感光性材料で感光層を形成する感光層形成工程と、
前記感光層のうち前記マイクロレンズに対応する領域以外の領域を、前記感光層を挟んで前記基板とは反対側から露光する露光工程と、
露光された前記感光性材料を現像する現像工程と、
前記感光性材料の表面を加熱により曲面状に変形させることで前記マイクロレンズを形成する加熱工程と、
を含むことを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記反射膜形成工程は、前記基板上の反射防止膜上に前記反射膜を形成することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記反射膜形成工程は、前記マイクロレンズが形成される領域を包囲する閉じた形状に前記反射膜を形成することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記反射膜形成工程では、前記反射膜を円環状に形成することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記露光工程は、前記マイクロレンズに対応する領域に遮光部が重なるマスクを使用し、
前記遮光部の周縁は、前記反射膜の内周縁と外周縁との間に位置することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記反射膜形成工程は、前記基板を覆う光反射性の反射膜前駆体膜を形成する工程と、
前記反射膜前駆体膜を選択的に除去することで、前記反射膜と、前記マイクロレンズ基板の位置合わせに使用されるアライメントマークとを一括的に形成する工程とを含むことを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の撮像装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
基板のうちマイクロレンズが形成される領域の周囲に反射性材料で反射膜を形成する反射膜形成工程と、
前記反射膜が形成された前記基板上にポジ型の感光性材料で感光層を形成する感光層形成工程と、
前記感光層のうち前記マイクロレンズに対応する領域以外の領域を、前記感光層を挟んで前記基板とは反対側から露光する露光工程と、
露光された前記感光性材料を現像する現像工程と、
前記感光性材料の表面を加熱により曲面状に変形させることで前記マイクロレンズを形成する加熱工程と、
を含むことを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記反射膜形成工程は、前記基板上の反射防止膜上に前記反射膜を形成することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記反射膜形成工程は、前記マイクロレンズが形成される領域を包囲する閉じた形状に前記反射膜を形成することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記反射膜形成工程では、前記反射膜を円環状に形成することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記露光工程は、前記マイクロレンズに対応する領域に遮光部が重なるマスクを使用し、
前記遮光部の周縁は、前記反射膜の内周縁と外周縁との間に位置することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法であって、
前記反射膜形成工程は、前記基板を覆う光反射性の反射膜前駆体膜を形成する工程と、
前記反射膜前駆体膜を選択的に除去することで、前記反射膜と、前記マイクロレンズ基板の位置合わせに使用されるアライメントマークとを一括的に形成する工程とを含むことを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法を用いて製造されたマイクロレンズ基板を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の撮像装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−252183(P2012−252183A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125104(P2011−125104)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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