説明

マイクロ波電力制御装置

【課題】 マグネトロンを備えるマイクロ波発振器が出力するマイクロ波の電力値を微細に調整可能なマイクロ波電力制御装置を提供すること。
【解決手段】 マグネトロンを備えるマイクロ波発振器11が出力するマイクロ波電力をアプリケータ18に送る導波管系回路10に、マイクロ波発振器11からアプリケータ18に向かって順次接続したアイソレータ14、可変型リアクタンス素子30、パワーモニタ15からなるマイクロ波可変減衰器31を備えて構成したマイクロ波電力制御装置となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロンを備えるマイクロ波発振器が出力するマイクロ波の電力値を制御するマイクロ波電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来例として示したマイクロ波応用装置の簡略的な構成図である。
このマイクロ波応用装置は、マグネトロンを備えるマイクロ波発振器11から出力されたマイクロ波電力(この例では、2.45GHz帯)が、ランチャー導波管(方向性結合器)12、テーパー導波管13、アイソレータ14、パワーモニタ15、EHチューナ16を順次接続した導波管系回路10を介してアプリケータ18に送られる。
【0003】
上記ランチャー導波管12は、マイクロ波発振器11が備えるマグネトロンのアンテナを内装し、マイクロ波発振器11が出力したマイクロ波電力を結合させる。
ランチャー導波管12によって結合されたマイクロ波電力は、テーパー導波管13によって標準導波管に送られる。
【0004】
上記アイソレータ14は、図7に示すように、サーキュレータ14aとダミーロード14bから形成されており、アプリケータ18側からマイクロ波発振器11側に戻るマイクロ波電力を吸収する。
すなわち、アプリケータ18側に向かうマイクロ波電力は透過させるが、アプリケータ18側からマイクロ波発振器11側に向かうマイクロ波電力はサーキュレータ14aで曲げられダミーロード14bに進んで吸収される。
したがって、マイクロ波発振器11へ戻るマイクロ波電力はない。
【0005】
上記パワーモニタ15は、マイクロ波電力の進行波と反射波をモニタするものである。
上記EHチューナ16は、マイクロ波電力のインピーダンスを調整し、反射波の無い状態を実現するもので、Eチューナ16aとHチューナ16bとを備えている。
EHチューナ16のEチューナー16aは、図8に示すように、主導波管の仮想壁面D0から短絡面16cまでの距離L0を管内波長の0〜1/4とし、それぞれ自由に調整が可能となっている。
なお、図8はEチューナ16aについて示しているが、Hチューナ16bは主導波管のような構成となっていて、Eチューナー16aは主導波管のH面に、Hチューナー16bは主導波管のE面に、それぞれの中心が主導波管の同じ位置になるように配置してEHチューナー16が構成されている。
【0006】
このEHチューナ16は、パワーモニタ15の反射波の指示値を確認しながらEチューナ16aとHチューナ16bの短絡板位置を動かして反射波の指示値がゼロとなるように調整する。
マイクロ波電力の反射波がゼロとなれば、EHチューナ16から照射アンテナ17に向かうマイクロ波電力は、マイクロ波発振器11が発振したマイクロ波電力で、アイソレータ14を透過したマグネトロン11の発振電力となる。
照射アンテナ17からアプリケータ18内に照射されたマイクロ波電力は、ターンテーブル19に置かれたマイクロ波被処理物20に作用し、マイクロ波処理をする。
【0007】
上記したマイクロ波応用装置は、マグネトロンの陽極電流を制御してマイクロ波の電力値を調整している。
具体的には、マイクロ波発振器11の駆動回路21に備えたマグネトロンの陽極電圧調整回路によって、マグネトロンの陽極電流値をモニタしながら電圧調整してマイクロ波の電力値を増減する構成となっている。
この調整は、マイクロ波電力と陽極電流とが比例関係にあることを利用している。
【0008】
しかしながら、上記のように陽極電流値を制御する調整では、マイクロ波の電力値を微細にコントロールすることができない。
その理由は、マグネトロンが備える永久磁石(フェライト磁石)が、−0.2%/℃の温度係数をもっているため、マグネトロンのピーク陽極電圧も、マイクロ波出力もこの温度係数で変化する。
したがって、安定した出力を得るために、マイクロ波発振器11を20〜30分間連続運転して温度が平衡状態になったところから、マイクロ波処理作業に入ることになる。
【0009】
ところが、常温より高い温度で熱平衡状態になるので、安定した出力を得る状態におけるマイクロ波の電力値が若干低い値になってしまうと言う問題がある。
これを避けるために、マイクロ波電力を検出して、マイクロ波電圧を増減させて調整する方法もあるが、信頼性を確保するための工夫が必要になる。
【0010】
一方、陽極電流を変えて行うマイクロ波の電力値の調整には、マグネトロンのスペクトラムの問題がある。
すなわち、陽極電流を変えてマイクロ波の電力値を増減すると、基本波発振周波数(以下、「発振周波数」と呼ぶ)も、その発振周波数を含むスペクトラムも変化する。
図9は直流陽極電源でマグネトロンを駆動した場合のパフォーマンス特性とスペクトラムの例を示す。
なお、上側のスペクトラムの図は、横軸が周波数で、縦軸が周波数成分の強度を示す。
【0011】
この図から分かるように、マグネトロンを整合状態で運転しているにもかかわらず、直流陽極電流50mAから150mAの範囲でスペクトラムが大きく割れている。
そして、200mA以上では安定したスペクトラムになっている。
したがって、安定なスペクトラムが得られると推定される直流陽極電源であっても、実際に測定してみると、図9に示すような不安定なスペクトラムになっている。
【0012】
上記したスペクトラムの問題は、マグネトロン固有の特徴と推定され、どのマグネトロンでも観測される。
そして、同じ品種のマグネトロンであっても、発振周波数が上記のように変化を起こす陽極電流値(即ち、マイクロ波の電力値)が異なり、マグネトロンの陽極電源回路のタイプや回路定数によっても影響が異なる。
【0013】
マイクロ波応用装置の一例として、マイクロ波プラズマを利用した表面改質処理装置があるが、この装置のプラズマ強度はマイクロ波の電力値を増減して調整することから、上記したように、マグネトロンの発振周波数が2つに割れるスペクトラムの影響を受けてプラズマが不安定となるなどの問題がある。
【0014】
【特許文献1】特開2002−280196号公報
【特許文献2】特開2008−218362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記した実情にかんがみ、マグネトロンを備えるマイクロ波発振器が出力するマイクロ波の電力値を微細に調整可能なマイクロ波電力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記した目的を達成するため、本発明では、第1の発明として、マグネトロンを備えるイクロ波発振器が出力するマイクロ波電力をアプリケータに送る導波管系回路に、マイクロ波発振器からアプリケータに向かって順次接続したアイソレータ、可変型リアクタンス素子(可変型サセプタンス素子)、パワー測定手段からなるマイクロ波可変減衰器を備えて、マイクロ波の電力値を制御する構成としたことを特徴とするマイクロ波電力制御装置を提案する。
【0017】
第2の発明としては、マグネトロンを備えるマイクロ波発振器が出力するマイクロ波電力をアプリケータに送る導波管系回路に、マイクロ波発振器からアプリケータに向かって順次接続したアイソレータ、可変型リアクタンス素子(可変型サセプタンス素子)、パワー測定手段、アイソレータからなるマイクロ波可変減衰器を備えて、マイクロ波の電力値を制御する構成としたことを特徴とするマイクロ波電力制御装置を提案する。
【0018】
第3の発明としては、上記した第1又は第2の発明のマイクロ波電力制御装置において、前記可変型リアクタンス素子は、スタブチューナ、Eチューナ、Hチューナ、EHチューナのいずれかより形成したことを特徴とするマイクロ波電力制御装置を提案する。
【0019】
第4の発明としては、上記した第1又は第2の発明のマイクロ波電力制御装置において、前記パワー測定手段は、前記導波管に結合させた方向性結合器を介して取り出した進行波と反射波の両方または進行波或いは反射波のみの電力を測定して前記導波管内を伝播する進行波と反射波の両方または進行波或いは反射波のみの電力値を求めるパワーモニタなどのデバイスによって形成したことを特徴とするマイクロ波電力制御装置を提案する。
【0020】
第5の発明としては、上記した第1又は第2の発明のマイクロ波電力制御装置において、マイクロ波の電力値を制御するマグネトロンの陽極電流制御手段を備え、当該陽極電流制御手段と前記マイクロ波可変減衰器とを併用してマイクロ波電力値を制御する構成としたことを特徴とするマイクロ波電力制御装置を提案する。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明のマイクロ波電力制御装置は、アイソレータ、可変型リアクタンス素子、パワー測定手段を順次接続したマイクロ波可変減衰器を導波管系回路に備えた構成としてある。
したがって、パワー測定手段の指示値が所望の電力値になるように、可変型リアクタンス素子を調整して反射波電力を増減させると、この可変型リアクタンス素子からアプリケータに向かうマイクロ波電力を微細に制御でき、マイクロ波の電力値を所望の値に設定することができる。
なお、可変型リアクタンス素子で反射した反射電力はアイソレータで吸収する。
【0022】
第2の発明のマイクロ波電力制御装置は、マイクロ波発振器からアプリケータに向かって順次接続したアイソレータ、可変型リアクタンス素子、パワー測定手段、アイソレータからなるマイクロ波可変減衰器を導波管系回路に備えた構成としてある。
したがって、アプリケータ内に置いたマイクロ波被処理物の状況が変わり、導波管系回路内を伝播するマイクロ波電力の反射波が変化、つまり、反射波の位相と大きさが変化しても、反射波がアプリケータ側のアイソレータにより吸収されるので、可変型リアクタンス素子とマイクロ波発振器側のアイソレータとの間は、常に反射波のないマイクロ波電力状態を保持することができる。
【0023】
したがって、パワー測定手段がアプリケータに向かうマイクロ波電力の正しい指示値を示すので、その指示値に基づいて可変型リアクタンス素子によって反射波を増減し、この可変型リアクタンス素子からアプリケータに向かうマイクロ波電力を微細に制御し、マイクロ波の電力値を設定することができる。
このように、第2の発明によれば、マイクロ波被処理物の状況が変わり、反射波が変化した場合にも対応できるマイクロ波電力制御装置となる。
【0024】
因みに、第1の発明では、マイクロ波電力を照射し続けると被処理物の状況が変わって反射波が変化すると、パワー測定手段の指示値が影響を受けるので、従来の調整方法と同様に、アプリケータからの反射波をアプリケータとパワー測定手段との間に設置したEHチューナで打ち消した上で、可変型リアクタンス素子を調整して所望のマイクロ波電力値に設定することになる。
【0025】
第3の発明のマイクロ波電力制御装置は、上記した可変型リアクタンス素子については、スタブチューナ、Eチューナ、Hチューナ、EHチューナのいずれかにより形成したことを特徴とする発明となっている。
【0026】
第4の発明のマイクロ波電力制御装置は、上記したパワー測定手段について、前記導波管に結合させた方向性結合器を介して取り出した進行波と反射波の両方または進行波或いは反射波のみの電力を測定して前記導波管内を伝播する進行波と反射波の両方または進行波或いは反射波のみの電力値を求めるパワーモニタ等によって形成したことを特徴とする発明となっている。
【0027】
第5の発明のマイクロ波電力制御装置は、マグネトロンの陽極電流制御手段を使用してマイクロ波発振器が出力するマイクロ波の電力値をマイクロ波応用装置が必要とするマイクロ波電力の上限に設定した後、上記したマイクロ波可変減衰器を使用して必要なマイクロ波の電力値に減少調節する。
このようにすると、マイクロ波の電力値を調節する際の反射波の発生が最小になるので、エネルギーの省力化に有利となる。
【0028】
さらに、上記のようにマイクロ波の電力値を上限に設定した後、マイクロ波可変減衰器で減少制御すれば、マグネトロンの発振周波数と基本波発振スペクトラム波形が一定の状態を維持するので、照射するマイクロ波電力の周波数特性に敏感なアプリケータやマイクロ波被処理物に対し、マイクロ波電力の微細な調整が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、本発明の実施形態について図面に沿って説明する。
図1は、第1実施形態として示したマイクロ波応用装置の簡略構成図である。
本実施形態のマイクロ波応用装置は、従来例として示した図6のマイクロ波応用装置のアイソレータ14とパワーモニタ(パワー測定手段)15との間に可変型リアクタンス素子30を接続することによって、可変型リアクタンス素子30とアイソレータ14とでマイクロ波可変減衰器31を形成した点に特徴がある。
したがって、その他の構成は図6の従来例のマイクロ波応用装置と同構成であるので、同じ部材には同符号を付してその説明を省略する。
ただし、本実施形態のパワーモニタ15は、進行波と反射波の両方が測定できるパワー測定手段となっている。
【0030】
上記した可変型リアクタンス素子30は、図2に示す如く、導波管系回路(主導波管)10のE面(電界に平行な面)あるいはH面(磁界に平行な面)に副導波管30aを設け、副導波管30a内に移動可能な短絡板(バックプランジャ)30bを設けた構成としてあり、短絡板30bを可動させて、リアクタンスを0〜∞まで可変することができる。
【0031】
図3は、上記した可変型リアクタンス素子30のバックプランジャ距離(主導波管の仮想壁面D1から短絡板30bまでの距離)L1とリアクタンス量の関係を示す特性図である。
図4はバックプランジャ距離と反射電力係数及び透過電力係数の関係を示す特性図である。
なお、この図において、4Aが反射電力、4Bが透過電力を示している。
これらの特性図から分かるように、上記した可変型リアクタンス素子30は、バックプランジャ距離L1を10mmの位置に設定すると、透過電力が5%減り、95%となる。
【0032】
なお、図2は、H面に設けた可変型リアクタンス素子30について示したが、E面についても同様に設けることができ、また、E面とH面の両面に設けてEHチューナと同様に構成することもできる。
【0033】
上記のように構成したマイクロ波応用装置は、パワーモニタ15の反射波指示値がゼロまたはゼロに近くなるようにEHチューナ16を調節する。
【0034】
したがって、この調節により、パワーモニタ15が設置される場所では、反射波指示値がゼロまたはゼロ近くになって定在波が無視できるようになるので、パワーモニタ15が示す進行波電力値は、マイクロ波発振器11で発振したマイクロ波電力で、アイソレータ14を透過したマイクロ波電力(透過電力)を正しく示すことができる。
そして、この透過電力が、EHチューナ16以降のアプリケータ18内に照射されるので、この透過電力であるマイクロ波電力によってマイクロ波被処理物20が処理される。
【0035】
マイクロ波電力を調整する場合は、この状態、すなわち、EHチューナ16を調節して反射波指示値がゼロまたはゼロの近くに設定して、パワーモニタ15の進行波指示値がアイソレータ14の透過電力を正しく示すようになってから、この進行波指示値が所望の電力値になるように、可変型リアクタンス素子30を調整する。
【0036】
図5は、第2実施形態として示したマイクロ波応用装置の簡略構成図である。
本実施形態のマイクロ波応用装置は、図1に示したマイクロ波応用装置の可変型リアクタンス素子30とパワーモニタ15の間に、パワーモニタ33とアイソレータ32とを接続することによって、アイソレータ14、可変型リアクタンス素子30、パワーモニタ33、アイソレータ32、パワーモニタ15によってマイクロ波可変減衰器34を形成した点に特徴がある。
したがって、その他の構成は図1のマイクロ波応用装置と同構成であるので、同じ部材には同符号を付してその説明を省略する。
【0037】
このマイクロ波応用装置は、アイソレータ32でアプリケータ18からの反射波を吸収してマイクロ波発振器11側に反射波を透過させないので、アプリケータ18内のマイクロ波被処理物20の状態如何に関わらず、また、EHチューナ16の調整如何に関わらず、パワーモニタ33の設置場所では進行波しか伝播しないから、パワーモニタ33の指示値は正しい値を示す。
【0038】
すなわち、EHチューナ16は、透過したマイクロ波電力がEHチューナ16以降で全て吸収されるように調整する。
つまり、パワーモニタ15の反射波指示値がゼロになるように、このEHチューナ16を調整する。
【0039】
一方、マイクロ波可変減衰器34は、アイソレータ32でアプリケータ18からの反射波の影響を打ち消すことができるから、EHチューナ16の調整の適否に関わらず、パワーモニタ33の進行波指示値が所望の電力値なるように可変型リアクタンス素子30を独立させて調整してマイクロ波電力を制御し、アイソレータ32を透過する進行波電力を微調整することができる。
【0040】
これより、照射アンテナ17からアプリケータ18内に照射されたマイクロ波電力値が微妙に制御されることにより、マイクロ波被処理物20のマイクロ波処理精度を高めることができる。
なお、上記のように、パワーモニタ33は進行波だけが測定できる仕様でもよいので、それだけ安価なパワーモニタを使用することができる。
【0041】
以上、第1、第2実施形態のマイクロ波応用装置について説明したが、マイクロ波可変減衰器31、34による電力値の制御に加え、駆動回路21によってマグネトロンの陽極電流を増減して電力値を制御することにり、マイクロ波電力値を精度高く微細に調整することができる。
【0042】
また、既に述べたように、マグネトロンの陽極電流を制御してマイクロ波発振器が出力するマイクロ波の電力値をマイクロ波応用装置が必要とするマイクロ波電力の上限に設定した後、上記した、マイクロ波可変減衰器31、34を使用して必要なマイクロ波の電力値に減少調節すれば、マイクロ波の電力値を調節する際の反射波の発生が最小になるので、エネルギーの省力化に有利となる。
【0043】
さらに、上記のようにマイクロ波の電力値を上限に設定した後、マイクロ波可変減衰器31、34で減少制御すれば、マグネトロンの発振周波数と基本波発振スペクトラム波形が一定の状態を維持するので、スペクトラムに影響されずにマイクロ波の電力値の微細な調整が可能になる。
【0044】
また、本発明の実施に際しては、マイクロ波可変減衰器31、34を形成する可変型リアクタンス素子30としては、EHチューナを基本としたEチューナやHチューナを用いたが、スタブチューナも可変型リアクタンス素子の一種であり、リアクタンスを0〜∞まで可変することができるができるから、EHチューナに換えてスタブチューナを備えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
マイクロ波電力を利用して加熱や乾燥する装置、マイクロ波電力を供給してプラズマを発生させるプラズマ発生装置などに備えて、マイクロ波の電力値を制御するマイクロ波電力制御装置として適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1実施形態として示したマイクロ波応用装置の簡略構成図である。
【図2】上記マイクロ波応用装置に備えた可変型リアクタンス素子の拡大断面図である。
【図3】上記可変型リアクタンス素子のプランジャー距離とリアクタンス量との関係を示した特性図である。
【図4】上記可変型リアクタンス素子のプランジャー距離に対する反射電力係数及び透過電力係数の関係を示した特性図である。
【図5】第2の実施形態として示したマイクロ波応用装置の簡略構成図である。
【図6】従来例として示したマイクロ波応用装置の簡略構成図である。
【図7】図6のマイクロ波応用装置が備えるアイソレータを説明するための部分的な拡大断面図である。
【図8】図6のマイクロ波応用装置が備えるEHチューナの拡大断面図である。
【図9】直流陽極電源でマグネトロンを駆動した場合のパフォーマンス特性とスペクトラムの例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 導波管系回路
11 マイクロ波発振器
14 アイソレータ
14a サーキュレータ
14b ダミーロード
15 パワーモニタ
16 EHチューナ
18 アプリケータ
21 駆動回路
30 可変型リアクタンス素子
31 マイクロ波可変減衰器
32 アイソレータ
33 パワーモニタ
34 マイクロ波可変減衰器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネトロンを備えるイクロ波発振器が出力するマイクロ波電力をアプリケータに送る導波管系回路に、マイクロ波発振器からアプリケータに向かって順次接続したアイソレータ、可変型リアクタンス素子、パワー測定手段からなるマイクロ波可変減衰器を備えて、マイクロ波の電力値を制御する構成としたことを特徴とするマイクロ波電力制御装置。
【請求項2】
マグネトロンを備えるマイクロ波発振器が出力するマイクロ波電力をアプリケータに送る導波管系回路に、マイクロ波発振器からアプリケータに向かって順次接続したアイソレータ、可変型リアクタンス素子、パワー測定手段、アイソレータからなるマイクロ波可変減衰器を備えて、マイクロ波の電力値を制御する構成としたことを特徴とするマイクロ波電力制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載したマイクロ波電力制御装置において、
前記可変型リアクタンス素子は、スタブチューナ、Eチューナ、Hチューナ、EHチューナのいずれかより形成したことを特徴とするマイクロ波電力制御装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載したマイクロ波電力制御装置において、
前記パワー測定手段は、前記導波管に結合させた方向性結合器を介して取り出した進行波と反射波の両方または進行波或いは反射波のみの電力を測定して前記導波管内を伝播する進行波と反射波の両方または進行波或いは反射波のみの電力値を求めるパワーモニタなどのデバイスによって形成したことを特徴とするマイクロ波電力制御装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載したマイクロ波電力制御装置において、
マイクロ波の電力値を制御するマグネトロンの陽極電流制御手段を備え、当該陽極電流制御手段と前記マイクロ波可変減衰器とを併用してマイクロ波の電力値を制御する構成としたことを特徴とするマイクロ波電力制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−153322(P2010−153322A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333050(P2008−333050)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000114031)ミクロ電子株式会社 (37)
【Fターム(参考)】