マウントフランジの端面修正方法
【課題】 マウントフランジの寿命を縮めず、端面修正の時間を増大させることのないマウントフランジの端面修正方法を提供することである。
【解決手段】 マウントフランジの端面修正方法であって、研削部材とマウントフランジの端面とを対向させてフランジ端面修正治具を保持テーブルで保持する保持ステップと、該保持テーブル及び該フランジ端面修正治具と該マウントフランジとの間に電圧を印加する電圧印加ステップと、該研削部材と該マウントフランジの端面とを当接させるために該保持テーブルと該マウントフランジとを接近する方向に相対移動させる相対移動ステップと、該研削部材と該端面とが接触した際の電気的導通を検知する導通検知ステップと、該導通検知ステップにおいて検知された電気的導通に基づいて、端面修正開始の基準位置を決定する基準位置決定ステップと、該マウントフランジを回転させて該研削部材により該端面を研削して修正する修正ステップと、を具備したことを特徴とする。
【解決手段】 マウントフランジの端面修正方法であって、研削部材とマウントフランジの端面とを対向させてフランジ端面修正治具を保持テーブルで保持する保持ステップと、該保持テーブル及び該フランジ端面修正治具と該マウントフランジとの間に電圧を印加する電圧印加ステップと、該研削部材と該マウントフランジの端面とを当接させるために該保持テーブルと該マウントフランジとを接近する方向に相対移動させる相対移動ステップと、該研削部材と該端面とが接触した際の電気的導通を検知する導通検知ステップと、該導通検知ステップにおいて検知された電気的導通に基づいて、端面修正開始の基準位置を決定する基準位置決定ステップと、該マウントフランジを回転させて該研削部材により該端面を研削して修正する修正ステップと、を具備したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削装置の切削ブレードがマウントされるマウントフランジの端面を修正するマウントフランジの端面修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面にIC、LSI等の電子回路が複数形成された半導体ウエーハや、電子部品、光学部品に使用される樹脂基板、ガラス基板、各種セラミックス基板等の被加工物は、切削装置によって個々のチップに分割され、分割されたチップは各種電気機器に広く利用されている。
【0003】
切削装置は、被加工物を保持する保持テーブル(チャックテーブル)と、保持テーブルに保持された被加工物を切削する切削手段とを具備しており、切削手段は、ダイアモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の超砥粒を金属や樹脂等で固めた砥石部(切刃)を有する切削ブレードと、切削ブレードを高速回転させるスピンドルとを備えている(例えば、特開2000−252240号公報参照)。
【0004】
切削ブレードはマウントフランジを介してスピンドルの先端に装着され、例えば30000rpm等の高速で切削ブレードが回転しつつ被加工物へ切り込むことで切削が遂行される。
【0005】
より詳細には、ハブブレードと呼ばれる円盤状基台の外周に円環状の砥石(切刃)が配設された切削ブレードは、スピンドルの先端に着脱可能に装着されたマウントフランジに装着されてナットで固定される。
【0006】
また、ワッシャーブレードと呼ばれる円環状に成形された砥石部からなる切削ブレードは、マウントフランジと着脱フランジとで挟持された状態でスピンドルの先端にナットで固定される。
【0007】
このように、切削ブレードはマウントフランジに接触した状態でスピンドルの先端に装着される。従って、マウントフランジの切削ブレードに接触する端面が平坦ではない場合や、マウントフランジの端面とスピンドルの軸線とのなす角度が直角でない場合には、スピンドル回転時に切削ブレードがばたつき、精密な加工ができないという問題がある。
【0008】
このような問題を解決するために、マウントフランジの端面を修正するためのフランジ端面修正治具が提案されている(特許第3472390号公報参照)。このフランジ端面修正治具は、マウントフランジの端面を研削するための研削部材(研削チップ)と、研削部材を固定する固定部と、固定部を支持する支持部とから構成されている。
【0009】
研削部材をマウントフランジの端面に当接させて、マウントフランジを回転させつつ研削部材で研削することで、マウントフランジの端面が平坦化されるとともに、スピンドルの軸線とマウントフランジ端面とのなす角度が直角に修正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−252240号公報
【特許文献2】特許第3472390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したフランジ端面修正治具を用いた従来のマウントフランジ端面修正方法では、研削部材とマウントフランジの端面とを作業者が当接させており、当接の有無は目視で確認していた。そのため、マウントフランジの端面に研削部材を必要以上に押し当ててしまい、端面を傷つけてしまうことがあった。
【0012】
端面を傷つけてしまうと端面修正で削らねばならない端面の量が増え、マウントフランジの寿命が縮むとともに、端面修正に掛かる時間も増大するという問題が生じる。一方、端面と研削部材とが当接していない場合には、端面修正に掛かる時間が増大するという問題がある。
【0013】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マウントフランジの寿命を縮めず、端面修正の時間を増大させることのないマウントフランジの端面修正方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、回転可能に支持されたスピンドルの先端に固定され、導電性保持テーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードをマウントする導電性マウントフランジの端面を、研削部材を有する導電性フランジ端面修正治具を用いて修正するマウントフランジの端面修正方法であって、該研削部材と該端面とを対向させて該フランジ端面修正治具を該保持テーブルで保持する保持ステップと、該保持テーブル及び該フランジ端面修正治具と該マウントフランジとの間に電圧を印加する電圧印加ステップと、該研削部材と該マウントフランジとを当接させるために該保持テーブルと該マウントフランジとを接近する方向に相対移動させる相対移動ステップと、該研削部材と該端面とが接触した際の電気的導通を検知する導通検知ステップと、該導通検知ステップにおいて検知された電気的導通に基づいて、端面修正開始の基準位置を決定する基準位置決定ステップと、該マウントフランジを回転させて該研削部材により該端面を研削して修正する修正ステップと、を具備したことを特徴とするマウントフランジの端面修正方法が提供される。
【0015】
好ましくは、前記導通検知ステップは、該端面の最下点に該研削部材を当接させることにより実施し、前記基準位置決定ステップは、該マウントフランジを所定距離下降させる上下位置合わせステップと、該保持テーブルを前記スピンドルの軸線方向と直交する方向に該マウントフランジの該端面を横切る位置まで移動させる左右位置合わせステップとを含む。
【0016】
好ましくは、前記修正ステップは、該研削部材を前記スピンドルの軸線方向と直交する方向に該端面を横切って複数回往復移動させる端面研削ステップと、該マウントフランジを該スピンドルの軸線方向に所定距離インデックス送りするインデックス送りステップとを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、研削部材とマウントフランジの端面との電気的導通を検出することで両者の当接を確認するため、必要以上に研削部材を端面に押し当てることがなく、マウントフランジの寿命を縮めることがないとともに、端面と研削部材とが当接しないことが防止されるため、端面修正にかかる時間を増大させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のマウントフランジの端面修正方法が適用されるマウントフランジを有する切削装置の外観斜視図である。
【図2】ダイシングテープを介して環状フレームにより支持された半導体ウエーハの斜視図である。
【図3】ハブブレードがマウントフランジに装着された状態の断面図である。
【図4】ワッシャーブレードがマウントフランジに装着された状態の断面図である。
【図5】本発明のマウントフランジの端面修正方法のフローチャートである。
【図6】フランジ端面修正治具の斜視図である。
【図7】保持テーブルにフランジ端面修正治具を装着する様子を示す分解斜視図である。
【図8】相対移動ステップを説明するための断面図である。
【図9】導通検知ステップを説明するための断面図である。
【図10】基準位置決定ステップの説明図である。
【図11】端面修正ステップの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のマウントフランジの端面修正方法が適用されるのに適した切削ユニットを具備した切削装置2の外観を示している。
【0020】
切削装置2の前面側には、オペレータが加工条件等の装置に対する指示を入力するための操作手段4が設けられている。装置上部には、オペレータに対する案内画面や後述する撮像手段によって撮像された画像が表示されるCRT等の表示手段6が設けられている。
【0021】
図2に示すように、ダイシング対象のウエーハWの表面においては、第1のストリートS1と第2のストリートS2とが直交して形成されており、第1のストリートS1と第2のストリートS2とによって区画されて多数のデバイスDがウエーハW上に形成されている。
【0022】
ウエーハWは粘着テープであるダイシングテープTに貼着され、ダイシングテープTの外周縁部は環状フレームFに貼着されている。これにより、ウエーハWはダイシングテープTを介してフレームFに支持された状態となり、図1に示したウエーハカセット8中にウエーハが複数枚(例えば25枚)収容される。ウエーハカセット8は上下動可能なカセットエレベータ9上に載置される。
【0023】
ウエーハカセット8の後方には、ウエーハカセット8から切削前のウエーハWを搬出するとともに、切削後のウエーハをウエーハカセット8に搬入する搬出入手段10が配設されている。ウエーハカセット8と搬出入手段10との間には、搬出入対象のウエーハが一時的に載置される領域である仮置き領域12が設けられており、仮置き領域12には、ウエーハWを一定の位置に位置合わせする位置合わせ手段14が配設されている。
【0024】
仮置き領域12の近傍には、ウエーハWと一体となったフレームFを吸着して搬送する旋回アームを有する搬送手段16が配設されており、仮置き領域12に搬出されたウエーハWは、搬送手段16により吸着されてチャックテーブル18上に搬送され、このチャックテーブル18に吸引されるとともに、複数の固定手段(クランプ)19によりフレームFが固定されることでチャックテーブル18上に保持される。
【0025】
チャックテーブル18は、回転可能且つX軸方向に往復動可能に構成されており、チャックテーブル18のX軸方向の移動経路の上方には、ウエーハWの切削すべきストリートを検出するアライメント手段20が配設されている。
【0026】
アライメント手段20は、ウエーハWの表面を撮像する撮像手段22を備えており、撮像により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の処理によって切削すべきストリートを検出することができる。撮像手段22によって取得された画像は、表示手段6に表示される。
【0027】
アライメント手段20の左側には、チャックテーブル18に保持されたウエーハWに対して切削加工を施す切削手段(切削ユニット)24が配設されている。切削手段24はアライメント手段20と一体的に構成されており、両者が連動してY軸方向及びZ軸方向に移動する。
【0028】
切削手段24は、回転可能なスピンドル26の先端に切削ブレード(ハブブレード)28が装着されて構成され、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。切削ブレード28は撮像手段22のX軸方向の延長線上に位置している。
【0029】
25は切削が終了したウエーハWを洗浄装置27まで搬送する搬送手段であり、洗浄装置27では、ウエーハWを洗浄するとともにエアノズルからエアを噴出させてウエーハWを乾燥する。
【0030】
図3を参照すると、ハブブレード28がマウントフランジ30に装着された状態の断面図が示されている。マウントフランジ30がスピンドル26の先端部に装着され、ボルト32で固定されている。マウントフランジ30は外周部に形成された端面30aとボス部30bを有している。
【0031】
切削ブレード28はハブブレードと呼ばれ、円形ハブ34aを有する円形基台34と、円形基台34の外周にニッケル母材中にダイアモンド砥粒が分散された切刃(砥石部)36が電着されて構成されている。
【0032】
切削ブレード28の装着穴をマウントフランジ30のボス部30bに挿入して、切削ブレード28をマウントフランジ30の端面30aに当接させ、ナット38をマウントフランジ30のボス部30bに形成された雄ねじに螺合することにより、切削ブレード28がスピンドル26の先端部に装着されたマウントフランジ30に取り付けられる。
【0033】
図4を参照すると、ワッシャーブレード40がマウントフランジ30に装着された状態の断面図が示されている。ワッシャーブレード40をマウントフランジ30のボス部30bに挿入し、その外側から着脱フランジ41をマウントフランジ30のボス部30bに挿入してマウントフランジ30と着脱フランジ42とでワッシャーブレード40を挟持し、ナット38をマウントフランジ30のボス部30bに形成された雄ねじに螺合することにより、ワッシャーブレード40がマウントフランジ30に装着される。
【0034】
図3及び図4に示したように、切削ブレード28,40はマウントフランジ30に接触した状態でスピンドル26の先端に装着される。従って、マウントフランジ30の切削ブレード28,40に接触する端面30aが平坦でない場合や、マウントフランジ30の端面30aとスピンドル26の軸線とのなす角度が直角でない場合には、スピンドル26回転時に切削ブレード28,40がばたつき、精密な加工ができないという問題がある。
【0035】
本発明のマウントフランジの端面修正方法は、マウントフランジ30の端面30aを修正してこのような問題を解決せんとしたものであり、以下図5乃至図11を参照して、本発明実施形態のマウントフランジの端面修正方法について詳細に説明する。
【0036】
図5を参照すると、本発明実施形態に係るマウントフランジの端面修正方法のフローチャートが示されている。図6はフランジ端面修正治具の斜視図、図7はフランジ端面修正治具を保持テーブル(チャックテーブル)に装着する様子を示す分解斜視図である。
【0037】
図6に示すように、フランジ端面修正治具42は、SUS等の金属から形成された支持基台44に固定された支持部材46上に研削部材(研削チップ)50を搭載し、研削部材50上に保持部材48を搭載して、ねじ52を支持部材46に形成したねじ穴に螺合することにより、研削部材50を支持部材46と保持部材48とで挟持して構成される。支持部材46及び保持部材48もSUS等の金属から形成されており、研削部材50も導電性を有している。
【0038】
研削部材50は、ホワイトアランダム(WA)やグリーンカーボランダム(GC)等の砥粒を樹脂と導電性材料との混合剤で固めて構成される。導電性樹脂を使用する場合には、砥粒を導電性樹脂材中に分散しこれを固めて構成してもよい。代替案として、研削部材50を超硬材から形成してもよい。
【0039】
このように構成されたフランジ端面修正治具42は、図1に示したチャックテーブル18を取り外して、代わりに装着された導電性の保持テーブル(チャックテーブル)54に図7に示すように吸引保持される。
【0040】
保持テーブル54は、十字状に形成された放射状溝56aと、複数の同心状円形溝56bを有している。放射状溝56a及び円形溝56bとも図示しない負圧吸引源に接続されている。
【0041】
再び図5のフローチャートを参照すると、まずステップS10で、図8に示すようにフランジ端面修正治具42の研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとを対向させて、フランジ端面修正治具42を保持テーブル54で吸引保持する。次いで、ステップS11に示すように、保持テーブル54及びフランジ端面修正治具42とマウントフランジ30との間に電源58により所定電圧を印加する。
【0042】
次いで、ステップS12に進んで研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとを当接させるために、保持テーブル54とマウントフランジ30とを接近する方向に相対移動させる。本実施形態では、保持テーブル54は図1のX軸方向にのみ稼動であるため、マウントフランジ30を矢印Y方向に移動させる。
【0043】
マウントフランジ30を矢印Y方向に移動していくと、図9に示すようにフランジ端面修正治具42の研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとが接触する。これにより、閉回路が形成されるため、導通検出回路60が電気的導通を検出し(ステップS13)、フランジ端面修正治具42の研削部材50とマウントフランジ30の端面30aが接触したことが確認される。導通検出回路60は、例えば電流計、又は豆ランプ等で構成される。
【0044】
本実施形態では、ステップS13の導通検知ステップは、図10(A)に示すようにマウントフランジ30の端面30aの最下点に研削部材50を当接させることにより実施する。
【0045】
導通検出回路10で導通を検出して、フランジ端面修正治具42の研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとの接触を確認したならば、切削装置2のコントローラがスピンドル26の矢印Y方向の移動を直ちに停止する。そして、電気的導通に基づいて、端面修正開始の基準位置を決定するステップS14の基準位置決定ステップを実施する。
【0046】
この基準位置決定ステップは、図10(B)に示すマウントフランジ30をZ軸方向に所定距離下降させる上下位置合わせステップと、図10(C)に示す研削部材50をスピンドル26の軸線方向と直交する方向、即ち図1のX軸方向にマウントフランジ30の端面30aを横切る位置まで移動させる左右位置合わせステップとから構成される。
【0047】
図10(C)に示すようにフランジ端面修正治具42の研削部材50を基準位置に移動してから、ステップS15のマウントフランジ30を回転させて研削部材50により端面30aを研削して修正する修正ステップを実行する。
【0048】
この修正ステップは、図11に示すようにマウントフランジ30を矢印A方向に回転させつつ研削部材50をスピンドル26の軸線方向と直交する方向、即ち矢印X方向に端面30aを横切って複数回往復移動させる端面研削ステップと、マウントフランジ30をスピンドル26の軸線方向に所定距離インデックス送りするインデックス送りステップとから構成される。端面研削ステップとインデックス送りステップとの繰り返しでマウントフランジ30の端面30aの修正が行われる。
【0049】
尚、ステップS13の導通検知ステップを、図10(B)に示すZ方向位置における端面30aに研削部材50を当接させることにより実施してもよい。この場合には、図10(B)に示す上下位置合わせステップを省略することができる。
【0050】
上述したマウントフランジの端面修正方法の実施形態によると、研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとが接触した際の電気的導通を検出することにより両者の当接を確認できるため、必要以上に研削部材50を端面30aに押し当てることがなく、マウントフランジ30の寿命を縮めることがないとともに、端面30aと研削部材50とが当接しないことが防止されるため、マウントフランジ30の端面修正にかかる時間を増大させることがない。
【符号の説明】
【0051】
28 切削ブレード(ハブブレード)
30 マウントフランジ
30a 端面
40 ワッシャーブレード
41 着脱フランジ
42 フランジ端面修正治具
50 研削部材(研削チップ)
54 保持テーブル
60 導通検出回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削装置の切削ブレードがマウントされるマウントフランジの端面を修正するマウントフランジの端面修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面にIC、LSI等の電子回路が複数形成された半導体ウエーハや、電子部品、光学部品に使用される樹脂基板、ガラス基板、各種セラミックス基板等の被加工物は、切削装置によって個々のチップに分割され、分割されたチップは各種電気機器に広く利用されている。
【0003】
切削装置は、被加工物を保持する保持テーブル(チャックテーブル)と、保持テーブルに保持された被加工物を切削する切削手段とを具備しており、切削手段は、ダイアモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の超砥粒を金属や樹脂等で固めた砥石部(切刃)を有する切削ブレードと、切削ブレードを高速回転させるスピンドルとを備えている(例えば、特開2000−252240号公報参照)。
【0004】
切削ブレードはマウントフランジを介してスピンドルの先端に装着され、例えば30000rpm等の高速で切削ブレードが回転しつつ被加工物へ切り込むことで切削が遂行される。
【0005】
より詳細には、ハブブレードと呼ばれる円盤状基台の外周に円環状の砥石(切刃)が配設された切削ブレードは、スピンドルの先端に着脱可能に装着されたマウントフランジに装着されてナットで固定される。
【0006】
また、ワッシャーブレードと呼ばれる円環状に成形された砥石部からなる切削ブレードは、マウントフランジと着脱フランジとで挟持された状態でスピンドルの先端にナットで固定される。
【0007】
このように、切削ブレードはマウントフランジに接触した状態でスピンドルの先端に装着される。従って、マウントフランジの切削ブレードに接触する端面が平坦ではない場合や、マウントフランジの端面とスピンドルの軸線とのなす角度が直角でない場合には、スピンドル回転時に切削ブレードがばたつき、精密な加工ができないという問題がある。
【0008】
このような問題を解決するために、マウントフランジの端面を修正するためのフランジ端面修正治具が提案されている(特許第3472390号公報参照)。このフランジ端面修正治具は、マウントフランジの端面を研削するための研削部材(研削チップ)と、研削部材を固定する固定部と、固定部を支持する支持部とから構成されている。
【0009】
研削部材をマウントフランジの端面に当接させて、マウントフランジを回転させつつ研削部材で研削することで、マウントフランジの端面が平坦化されるとともに、スピンドルの軸線とマウントフランジ端面とのなす角度が直角に修正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−252240号公報
【特許文献2】特許第3472390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したフランジ端面修正治具を用いた従来のマウントフランジ端面修正方法では、研削部材とマウントフランジの端面とを作業者が当接させており、当接の有無は目視で確認していた。そのため、マウントフランジの端面に研削部材を必要以上に押し当ててしまい、端面を傷つけてしまうことがあった。
【0012】
端面を傷つけてしまうと端面修正で削らねばならない端面の量が増え、マウントフランジの寿命が縮むとともに、端面修正に掛かる時間も増大するという問題が生じる。一方、端面と研削部材とが当接していない場合には、端面修正に掛かる時間が増大するという問題がある。
【0013】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マウントフランジの寿命を縮めず、端面修正の時間を増大させることのないマウントフランジの端面修正方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、回転可能に支持されたスピンドルの先端に固定され、導電性保持テーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードをマウントする導電性マウントフランジの端面を、研削部材を有する導電性フランジ端面修正治具を用いて修正するマウントフランジの端面修正方法であって、該研削部材と該端面とを対向させて該フランジ端面修正治具を該保持テーブルで保持する保持ステップと、該保持テーブル及び該フランジ端面修正治具と該マウントフランジとの間に電圧を印加する電圧印加ステップと、該研削部材と該マウントフランジとを当接させるために該保持テーブルと該マウントフランジとを接近する方向に相対移動させる相対移動ステップと、該研削部材と該端面とが接触した際の電気的導通を検知する導通検知ステップと、該導通検知ステップにおいて検知された電気的導通に基づいて、端面修正開始の基準位置を決定する基準位置決定ステップと、該マウントフランジを回転させて該研削部材により該端面を研削して修正する修正ステップと、を具備したことを特徴とするマウントフランジの端面修正方法が提供される。
【0015】
好ましくは、前記導通検知ステップは、該端面の最下点に該研削部材を当接させることにより実施し、前記基準位置決定ステップは、該マウントフランジを所定距離下降させる上下位置合わせステップと、該保持テーブルを前記スピンドルの軸線方向と直交する方向に該マウントフランジの該端面を横切る位置まで移動させる左右位置合わせステップとを含む。
【0016】
好ましくは、前記修正ステップは、該研削部材を前記スピンドルの軸線方向と直交する方向に該端面を横切って複数回往復移動させる端面研削ステップと、該マウントフランジを該スピンドルの軸線方向に所定距離インデックス送りするインデックス送りステップとを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、研削部材とマウントフランジの端面との電気的導通を検出することで両者の当接を確認するため、必要以上に研削部材を端面に押し当てることがなく、マウントフランジの寿命を縮めることがないとともに、端面と研削部材とが当接しないことが防止されるため、端面修正にかかる時間を増大させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のマウントフランジの端面修正方法が適用されるマウントフランジを有する切削装置の外観斜視図である。
【図2】ダイシングテープを介して環状フレームにより支持された半導体ウエーハの斜視図である。
【図3】ハブブレードがマウントフランジに装着された状態の断面図である。
【図4】ワッシャーブレードがマウントフランジに装着された状態の断面図である。
【図5】本発明のマウントフランジの端面修正方法のフローチャートである。
【図6】フランジ端面修正治具の斜視図である。
【図7】保持テーブルにフランジ端面修正治具を装着する様子を示す分解斜視図である。
【図8】相対移動ステップを説明するための断面図である。
【図9】導通検知ステップを説明するための断面図である。
【図10】基準位置決定ステップの説明図である。
【図11】端面修正ステップの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のマウントフランジの端面修正方法が適用されるのに適した切削ユニットを具備した切削装置2の外観を示している。
【0020】
切削装置2の前面側には、オペレータが加工条件等の装置に対する指示を入力するための操作手段4が設けられている。装置上部には、オペレータに対する案内画面や後述する撮像手段によって撮像された画像が表示されるCRT等の表示手段6が設けられている。
【0021】
図2に示すように、ダイシング対象のウエーハWの表面においては、第1のストリートS1と第2のストリートS2とが直交して形成されており、第1のストリートS1と第2のストリートS2とによって区画されて多数のデバイスDがウエーハW上に形成されている。
【0022】
ウエーハWは粘着テープであるダイシングテープTに貼着され、ダイシングテープTの外周縁部は環状フレームFに貼着されている。これにより、ウエーハWはダイシングテープTを介してフレームFに支持された状態となり、図1に示したウエーハカセット8中にウエーハが複数枚(例えば25枚)収容される。ウエーハカセット8は上下動可能なカセットエレベータ9上に載置される。
【0023】
ウエーハカセット8の後方には、ウエーハカセット8から切削前のウエーハWを搬出するとともに、切削後のウエーハをウエーハカセット8に搬入する搬出入手段10が配設されている。ウエーハカセット8と搬出入手段10との間には、搬出入対象のウエーハが一時的に載置される領域である仮置き領域12が設けられており、仮置き領域12には、ウエーハWを一定の位置に位置合わせする位置合わせ手段14が配設されている。
【0024】
仮置き領域12の近傍には、ウエーハWと一体となったフレームFを吸着して搬送する旋回アームを有する搬送手段16が配設されており、仮置き領域12に搬出されたウエーハWは、搬送手段16により吸着されてチャックテーブル18上に搬送され、このチャックテーブル18に吸引されるとともに、複数の固定手段(クランプ)19によりフレームFが固定されることでチャックテーブル18上に保持される。
【0025】
チャックテーブル18は、回転可能且つX軸方向に往復動可能に構成されており、チャックテーブル18のX軸方向の移動経路の上方には、ウエーハWの切削すべきストリートを検出するアライメント手段20が配設されている。
【0026】
アライメント手段20は、ウエーハWの表面を撮像する撮像手段22を備えており、撮像により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の処理によって切削すべきストリートを検出することができる。撮像手段22によって取得された画像は、表示手段6に表示される。
【0027】
アライメント手段20の左側には、チャックテーブル18に保持されたウエーハWに対して切削加工を施す切削手段(切削ユニット)24が配設されている。切削手段24はアライメント手段20と一体的に構成されており、両者が連動してY軸方向及びZ軸方向に移動する。
【0028】
切削手段24は、回転可能なスピンドル26の先端に切削ブレード(ハブブレード)28が装着されて構成され、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。切削ブレード28は撮像手段22のX軸方向の延長線上に位置している。
【0029】
25は切削が終了したウエーハWを洗浄装置27まで搬送する搬送手段であり、洗浄装置27では、ウエーハWを洗浄するとともにエアノズルからエアを噴出させてウエーハWを乾燥する。
【0030】
図3を参照すると、ハブブレード28がマウントフランジ30に装着された状態の断面図が示されている。マウントフランジ30がスピンドル26の先端部に装着され、ボルト32で固定されている。マウントフランジ30は外周部に形成された端面30aとボス部30bを有している。
【0031】
切削ブレード28はハブブレードと呼ばれ、円形ハブ34aを有する円形基台34と、円形基台34の外周にニッケル母材中にダイアモンド砥粒が分散された切刃(砥石部)36が電着されて構成されている。
【0032】
切削ブレード28の装着穴をマウントフランジ30のボス部30bに挿入して、切削ブレード28をマウントフランジ30の端面30aに当接させ、ナット38をマウントフランジ30のボス部30bに形成された雄ねじに螺合することにより、切削ブレード28がスピンドル26の先端部に装着されたマウントフランジ30に取り付けられる。
【0033】
図4を参照すると、ワッシャーブレード40がマウントフランジ30に装着された状態の断面図が示されている。ワッシャーブレード40をマウントフランジ30のボス部30bに挿入し、その外側から着脱フランジ41をマウントフランジ30のボス部30bに挿入してマウントフランジ30と着脱フランジ42とでワッシャーブレード40を挟持し、ナット38をマウントフランジ30のボス部30bに形成された雄ねじに螺合することにより、ワッシャーブレード40がマウントフランジ30に装着される。
【0034】
図3及び図4に示したように、切削ブレード28,40はマウントフランジ30に接触した状態でスピンドル26の先端に装着される。従って、マウントフランジ30の切削ブレード28,40に接触する端面30aが平坦でない場合や、マウントフランジ30の端面30aとスピンドル26の軸線とのなす角度が直角でない場合には、スピンドル26回転時に切削ブレード28,40がばたつき、精密な加工ができないという問題がある。
【0035】
本発明のマウントフランジの端面修正方法は、マウントフランジ30の端面30aを修正してこのような問題を解決せんとしたものであり、以下図5乃至図11を参照して、本発明実施形態のマウントフランジの端面修正方法について詳細に説明する。
【0036】
図5を参照すると、本発明実施形態に係るマウントフランジの端面修正方法のフローチャートが示されている。図6はフランジ端面修正治具の斜視図、図7はフランジ端面修正治具を保持テーブル(チャックテーブル)に装着する様子を示す分解斜視図である。
【0037】
図6に示すように、フランジ端面修正治具42は、SUS等の金属から形成された支持基台44に固定された支持部材46上に研削部材(研削チップ)50を搭載し、研削部材50上に保持部材48を搭載して、ねじ52を支持部材46に形成したねじ穴に螺合することにより、研削部材50を支持部材46と保持部材48とで挟持して構成される。支持部材46及び保持部材48もSUS等の金属から形成されており、研削部材50も導電性を有している。
【0038】
研削部材50は、ホワイトアランダム(WA)やグリーンカーボランダム(GC)等の砥粒を樹脂と導電性材料との混合剤で固めて構成される。導電性樹脂を使用する場合には、砥粒を導電性樹脂材中に分散しこれを固めて構成してもよい。代替案として、研削部材50を超硬材から形成してもよい。
【0039】
このように構成されたフランジ端面修正治具42は、図1に示したチャックテーブル18を取り外して、代わりに装着された導電性の保持テーブル(チャックテーブル)54に図7に示すように吸引保持される。
【0040】
保持テーブル54は、十字状に形成された放射状溝56aと、複数の同心状円形溝56bを有している。放射状溝56a及び円形溝56bとも図示しない負圧吸引源に接続されている。
【0041】
再び図5のフローチャートを参照すると、まずステップS10で、図8に示すようにフランジ端面修正治具42の研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとを対向させて、フランジ端面修正治具42を保持テーブル54で吸引保持する。次いで、ステップS11に示すように、保持テーブル54及びフランジ端面修正治具42とマウントフランジ30との間に電源58により所定電圧を印加する。
【0042】
次いで、ステップS12に進んで研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとを当接させるために、保持テーブル54とマウントフランジ30とを接近する方向に相対移動させる。本実施形態では、保持テーブル54は図1のX軸方向にのみ稼動であるため、マウントフランジ30を矢印Y方向に移動させる。
【0043】
マウントフランジ30を矢印Y方向に移動していくと、図9に示すようにフランジ端面修正治具42の研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとが接触する。これにより、閉回路が形成されるため、導通検出回路60が電気的導通を検出し(ステップS13)、フランジ端面修正治具42の研削部材50とマウントフランジ30の端面30aが接触したことが確認される。導通検出回路60は、例えば電流計、又は豆ランプ等で構成される。
【0044】
本実施形態では、ステップS13の導通検知ステップは、図10(A)に示すようにマウントフランジ30の端面30aの最下点に研削部材50を当接させることにより実施する。
【0045】
導通検出回路10で導通を検出して、フランジ端面修正治具42の研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとの接触を確認したならば、切削装置2のコントローラがスピンドル26の矢印Y方向の移動を直ちに停止する。そして、電気的導通に基づいて、端面修正開始の基準位置を決定するステップS14の基準位置決定ステップを実施する。
【0046】
この基準位置決定ステップは、図10(B)に示すマウントフランジ30をZ軸方向に所定距離下降させる上下位置合わせステップと、図10(C)に示す研削部材50をスピンドル26の軸線方向と直交する方向、即ち図1のX軸方向にマウントフランジ30の端面30aを横切る位置まで移動させる左右位置合わせステップとから構成される。
【0047】
図10(C)に示すようにフランジ端面修正治具42の研削部材50を基準位置に移動してから、ステップS15のマウントフランジ30を回転させて研削部材50により端面30aを研削して修正する修正ステップを実行する。
【0048】
この修正ステップは、図11に示すようにマウントフランジ30を矢印A方向に回転させつつ研削部材50をスピンドル26の軸線方向と直交する方向、即ち矢印X方向に端面30aを横切って複数回往復移動させる端面研削ステップと、マウントフランジ30をスピンドル26の軸線方向に所定距離インデックス送りするインデックス送りステップとから構成される。端面研削ステップとインデックス送りステップとの繰り返しでマウントフランジ30の端面30aの修正が行われる。
【0049】
尚、ステップS13の導通検知ステップを、図10(B)に示すZ方向位置における端面30aに研削部材50を当接させることにより実施してもよい。この場合には、図10(B)に示す上下位置合わせステップを省略することができる。
【0050】
上述したマウントフランジの端面修正方法の実施形態によると、研削部材50とマウントフランジ30の端面30aとが接触した際の電気的導通を検出することにより両者の当接を確認できるため、必要以上に研削部材50を端面30aに押し当てることがなく、マウントフランジ30の寿命を縮めることがないとともに、端面30aと研削部材50とが当接しないことが防止されるため、マウントフランジ30の端面修正にかかる時間を増大させることがない。
【符号の説明】
【0051】
28 切削ブレード(ハブブレード)
30 マウントフランジ
30a 端面
40 ワッシャーブレード
41 着脱フランジ
42 フランジ端面修正治具
50 研削部材(研削チップ)
54 保持テーブル
60 導通検出回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に支持されたスピンドルの先端に固定され、導電性保持テーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードをマウントする導電性マウントフランジの端面を、研削部材を有する導電性フランジ端面修正治具を用いて修正するマウントフランジの端面修正方法であって、
該研削部材と該端面とを対向させて該フランジ端面修正治具を該保持テーブルで保持する保持ステップと、
該保持テーブル及び該フランジ端面修正治具と該マウントフランジとの間に電圧を印加する電圧印加ステップと、
該研削部材と該マウントフランジの端面とを当接させるために該保持テーブルと該マウントフランジとを接近する方向に相対移動させる相対移動ステップと、
該研削部材と該端面とが接触した際の電気的導通を検知する導通検知ステップと、
該導通検知ステップにおいて検知された電気的導通に基づいて、端面修正開始の基準位置を決定する基準位置決定ステップと、
該マウントフランジを回転させて該研削部材により該端面を研削して修正する修正ステップと、
を具備したことを特徴とするマウントフランジの端面修正方法。
【請求項2】
前記導通検知ステップは、該端面の最下点に該研削部材を当接させることにより実施し、
前記基準位置決定ステップは、該マウントフランジを所定距離下降させる上下位置合わせステップと、
該研削部材を前記スピンドルの軸線方向と直交する方向に該マウントフランジの該端面を横切る位置まで移動させる左右位置合わせステップと、
を含む請求項1記載のマウントフランジの端面修正方法。
【請求項3】
前記修正ステップは、該マウントフランジを回転させつつ該研削部材を前記スピンドルの軸線方向と直交する方向に該端面を横切って複数回往復移動させる端面研削ステップと、
該マウントフランジを該スピンドルの軸線方向に所定距離インデックス送りするインデックス送りステップと、
を含む請求項1又は2記載のマウントフランジの端面修正方法。
【請求項1】
回転可能に支持されたスピンドルの先端に固定され、導電性保持テーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードをマウントする導電性マウントフランジの端面を、研削部材を有する導電性フランジ端面修正治具を用いて修正するマウントフランジの端面修正方法であって、
該研削部材と該端面とを対向させて該フランジ端面修正治具を該保持テーブルで保持する保持ステップと、
該保持テーブル及び該フランジ端面修正治具と該マウントフランジとの間に電圧を印加する電圧印加ステップと、
該研削部材と該マウントフランジの端面とを当接させるために該保持テーブルと該マウントフランジとを接近する方向に相対移動させる相対移動ステップと、
該研削部材と該端面とが接触した際の電気的導通を検知する導通検知ステップと、
該導通検知ステップにおいて検知された電気的導通に基づいて、端面修正開始の基準位置を決定する基準位置決定ステップと、
該マウントフランジを回転させて該研削部材により該端面を研削して修正する修正ステップと、
を具備したことを特徴とするマウントフランジの端面修正方法。
【請求項2】
前記導通検知ステップは、該端面の最下点に該研削部材を当接させることにより実施し、
前記基準位置決定ステップは、該マウントフランジを所定距離下降させる上下位置合わせステップと、
該研削部材を前記スピンドルの軸線方向と直交する方向に該マウントフランジの該端面を横切る位置まで移動させる左右位置合わせステップと、
を含む請求項1記載のマウントフランジの端面修正方法。
【請求項3】
前記修正ステップは、該マウントフランジを回転させつつ該研削部材を前記スピンドルの軸線方向と直交する方向に該端面を横切って複数回往復移動させる端面研削ステップと、
該マウントフランジを該スピンドルの軸線方向に所定距離インデックス送りするインデックス送りステップと、
を含む請求項1又は2記載のマウントフランジの端面修正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−11299(P2011−11299A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158085(P2009−158085)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]