説明

マザーパネル及び有機ELパネルの製造方法

【課題】 複数種類の各発光表示部に対して一括してエージング処理を行うことが可能なマザーパネル及び有機ELパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】 陽極及び陰極にて少なくとも有機発光層を含む機能層を挟持してなる複数の発光画素を有する発光表示部2a,2bをベース基板1上に列状に複数形成してなるマザーパネルである。第一,第二の発光表示部2a,2bの前記陽極と電源とを電気的に接続するための陽極導通ライン3と、第一,第二の発光表示部2a,2bの前記陰極と前記電源とを電気的に接続するための陰極導通ライン4と、をベース基板1上に形成する。陰極導通ライン4は第二の発光表示部2bの前記陰極を複数互いに接続し、前記電源によって第一の発光画素を修復可能な電圧値でエージング処理をする際に第二の発光画素を修復可能な修復エネルギーを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陽極及び陰極にて少なくとも有機発光層を含む機能層を挟持してなる複数の発光画素を有する発光表示部をベース基板上に列状に複数形成してなるマザーパネル及びこのマザーパネルを用いた有機ELパネルの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有機ELパネルとしては、例えば、少なくとも有機発光層を有する機能層をITO(indium Tin Oxide)等からなる陽極と、アルミニウム(Al)等からなる陰極とで狭持してなる有機EL素子を発光画素として透光性の支持基板上に複数形成してドットマトリクス型の発光表示部を構成するものが知られている(例えば特許文献1参照)。かかる有機EL素子は、前記陽極から正孔を注入し、また、前記陰極から電子を注入して正孔及び電子が前記発光層にて再結合することによって光を発するものである。また、前記有機EL素子は、前記陰極側から前記陽極側へは電流が流れにくい、いわゆるダイオード特性を有するものである。
【0003】
また、有機ELパネルの製造方法として、ベース基板上に前記発光表示部を複数列状に形成してマザーパネルを作製し、その後個々の前記発光表示部に応じて前記マザーパネルを切断して個々の有機ELパネルを得る、いわゆる多面取りによる製造方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、有機ELパネルは、製造工程上の欠陥部位や高リーク部位である不良部位が前記有機EL素子に形成されると、前記有機ELパネルを駆動させた際に電極間に短絡が起こり、前記有機EL素子の輝度ムラ等が発生して表示品質が低下するという問題点があった。前述の問題点を解決する方法としては、特許文献3に開示されるように、有機ELパネルの製造工程において、前記有機EL素子形成後に前記陽極と前記陰極との間に前記有機EL素子の発光に寄与する電圧とは逆方向の電圧(以下、逆バイアス電圧と言う)を印加して前記不良部位を未然に破壊、除去して前記有機EL素子を修復するエージング処理を行う方法が知られている。
【0005】
また、本願出願人は、印加する電圧の電圧値のほかに前記有機EL素子に蓄積される静電容量が前記エージング処理の適否に関わることを見出し、特許文献4にて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−315981号公報
【特許文献2】特開2004−63407号公報
【特許文献3】特開平4−14794号公報
【特許文献4】特開2007−141536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多面取りによる有機ELパネルの製造方法においては、特許文献2に開示されるように全ての前記発光表示部における各陽極と前記エージング処理のための電源とを接続する陽極導通ラインと、全ての前記発光表示部における各陰極と前記電源とを接続する陰極導通ラインと、を前記マザーパネルに形成し、全ての前記発光表示部の前記有機EL素子を一括して前記エージング処理を行うことが作業効率の面で好適である。
【0008】
しかしながら、多品種少量生産が要求されるなか生産性の向上や製造コストの低減を図るべく、前記マザーパネルに前記有機EL素子(発光画素)の面積が異なる複数種類の前記発光表示部を設ける場合、前記エージング処理に際して次のような問題点が生じる。すなわち、前記エージング処理において前記不良部位に働くエネルギー(以下、修復エネルギーPという)は、
P=a・C・V
となる(ここで、aはドット数及び配線抵抗などによって決定されるパネル定数であり、Cは前記有機EL素子の面積によって定まる静電容量であり、Vは逆バイアス電圧である。)。したがって、前記有機EL素子の面積が異なる複数種類の前記発光表示部のそれぞれに同一の修復エネルギーPを得ようとすれば印加する電圧値を前記有機EL素子の面積に応じて前記発光表示部の種類毎に異ならせる必要があり、1枚の前記マザーパネルに形成した複数種類の前記発光表示部に対して一括して前記エージング処理をすることができないという問題点があった。
【0009】
本発明は、前述の問題点に鑑みなされたものであり、有機ELパネルの製造工程において、有機EL素子の面積が異なる複数種類の発光表示部を1枚のマザーパネルに形成する場合であっても、前記各発光表示部に対して一括してエージング処理を行うことが可能なマザーパネル及び有機ELパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するために、陽極及び陰極にて少なくとも有機発光層を含む機能層を挟持してなる複数の発光画素を有する発光表示部をベース基板上に列状に複数形成してなるマザーパネルであって、前記発光表示部として、前記発光画素として第一の発光画素を有する第一の発光表示部と、前記発光画素として前記第一の発光画素よりも面積の小さい第二の発光画素を有する第二の発光表示部と、を前記ベース基板上に形成し、前記第一,第二の発光表示部の前記陽極と電源とを電気的に接続するための陽極導通ラインと、前記第一,第二の発光表示部の前記陰極と前記電源とを電気的に接続するための陰極導通ラインと、を前記ベース基板上に形成し、前記陰極導通ラインは前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続し、前記電源によって前記第一の発光画素を修復可能な電圧値でエージング処理をする際に前記第二の発光画素を修復可能な修復エネルギーを得ることを特徴とする。
【0011】
また、前記陰極導通ラインは、前記第二の発光部の前記陰極を複数互いに接続する接続部と、この接続部と前記電源との間に形成される抵抗部と、を備えてなることを特徴とする。
【0012】
また、前記陰極導通ラインは、同一の前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続してなることを特徴とする。
【0013】
また、前記陰極導通ラインは、前記第二の発光表示部の前記陰極の両端と接続されてなることを特徴とする。
【0014】
また、前記陰極導通ラインは、異なる前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続してなることを特徴とする。
【0015】
また、前記第一,第二の発光表示部の前記陽極及び前記陰極は、互いに交差するようにライン状に複数形成されてなることを特徴とする。
【0016】
本発明は、前記課題を解決するために、陽極及び陰極にて少なくとも有機発光層を含む機能層を挟持してなる複数の発光画素を有する発光表示部をベース基板上に列状に複数形成してなるマザーパネルを個々の前記発光表示部に応じて切断して個々の有機ELパネルを得る有機ELパネルの製造方法であって、前記発光表示部として、前記発光画素として第一の発光画素を有する第一の発光表示部と、前記発光画素として前記第一の発光画素よりも面積の小さい第二の発光画素を有する第二の発光表示部と、を前記ベース基板上に形成し、前記第一,第二の発光表示部の前記陽極と電源とを電気的に接続するための陽極導通ラインと、前記第一,第二の発光表示部の前記陰極と前記電源とを電気的に接続するための陰極導通ラインと、を前記ベース基板上に形成し、前記電源によって前記第一の発光画素を修復可能な電圧値でエージング処理をする工程を含み、前記陰極導通ラインが前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続するように形成されることで前記エージング処理の際に前記第二の発光画素を修復可能な修復エネルギーを得ることを特徴とする。
【0017】
また、前記陰極導通ラインは、前記第二の発光部の前記陰極を複数互いに接続する接続部と、この接続部と前記電源との間に形成される抵抗部と、を備えてなることを特徴とする。
【0018】
また、前記陰極導通ラインは、同一の前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続してなることを特徴とする。
【0019】
また、前記陰極導通ラインは、前記第二の発光表示部の前記陰極の両端と接続されてなることを特徴とする。
【0020】
また、前記陰極導通ラインは、異なる前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続してなることを特徴とする。
【0021】
また、前記第一,第二の発光表示部の前記陽極及び前記陰極は、互いに交差するようにライン状に複数形成されてなることを特徴とする。
【0022】
また、前記エージング処理において、前記電源から逆バイアス電圧を印加することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、有機ELパネルの製造工程において、有機EL素子の面積が異なる複数種類の発光表示部を1枚のマザーパネルに形成する場合であっても、前記各発光表示部に対して一括してエージング処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一の実施形態におけるマザーパネルを示す図。
【図2】同上第一の実施形態における第一の発光表示部を示す要部拡大図。
【図3】同上第一の実施形態における第二の発光表示部を示す要部拡大図。
【図4】同上第一の実施形態における第二の発光表示部を示す模式断面図。
【図5】同上第一の実施形態における有機ELパネルの製造方法を示す図。
【図6】本発明の第二の実施形態におけるマザーパネルを示す図。
【図7】同上第二の実施形態における第二の発光表示部を示す要部拡大図。
【図8】本発明の実施例と従来例とを比較した実験結果を示す図。
【図9】本発明の実施例と従来例とにおけるエージング処理の電圧値と修復エネルギーとの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第一の実施形態を添付図面に基づき説明する。図1は、ベース基板1上に第一,第二の発光表示部2a,2bがそれぞれ列状に複数形成された多面取り用のマザーパネルを示す図である。図2は、ベース基板1上に配置される第一の発光表示部2aを示す要部拡大図である。図3は、マザーパネルに配置される第二の発光表示部2bを示す要部拡大図である。図4は、第二の発光表示部2bの積層構造を示す要部断面図である。なお、断面図で図示しないが第一の発光表示部2aも第二の発光表示部2bと同様の積層構造を有する。
【0026】
ベース基板1は、長方形形状の透明ガラス材からなる電気絶縁性の基板である。ベース基板1上には、複数の第一,第二の発光表示部2a,2bと、第一の導通ライン(陽極導通ライン)3と、第二の導通ライン(陰極導通ライン)4とが形成されている。また、ベース基板1上には第一,第二の発光表示部2a,2bを各々気密的に覆う封止基板が配設されるが、図1及び図2においては封止基板を省略している。
【0027】
第一,第二の発光表示部2a,2bは、図2〜図4に示すように、ライン状に複数形成される陽極5と、絶縁層6と、隔壁7と、機能層8と、ライン状に複数形成される陰極9と、から主に構成され、各陽極5と各陰極9とが交差するとともに機能層8を陽極5と陰極9とで挟持する個所からなる複数の第一,第二の発光画素(有機EL素子)を備えるいわゆるパッシブマトリクス型の発光表示部である。また、各陰極9は、陰極配線部10と接続される。また、第一,第二の発光表示部2a,2bは、図4に示すように、封止基板11によって気密的に覆われている。第一,第二の発光表示部2a,2bは互いにサイズの異なる発光表示部であり、第二の発光表示部2bに備えられる前記第二の発光画素は、その面積が第一の発光表示部2aに備えられる前記第一の発光画素よりも小さいものとする。
【0028】
第一の導通ライン3は、例えばITO,クロム(Cr)あるいはアルミニウム(Al)等の導電材料またはこれら導電材料の積層体からなり、有機ELパネルの製造工程におけるエージング処理用の外部電源(図示しない)と第一,第二の発光表示部2a,2bの各陽極5とを電気的に一括接続するための部材であって、前記外部電源から供給される電圧を各陽極5に印加するものである。また、第一の導通ライン3は、前記外部電源と各陽極5との間に形成される第一の制限抵抗部3aを備える。第一の制限抵抗部3aは、例えばラダー抵抗となり第一の導通ライン3から各陽極5に印加される電圧を調整して各発光画素の破壊を防止するためのものである。第一の制限抵抗部3aは、後述する有機ELパネルの製造工程においてマザーパネルを個々の有機ELパネルに切断する際に各陽極5から分離されるものであり、抵抗値や接続の形態をそれぞれ個々に異なるものであってもよい。また、第一の導通ライン3の末端には、前記外部電源と電気的に接続するための第一の電源接続端子3bが設けられている。
【0029】
また、第一の導通ライン3は、図3に示すように、第二の発光表示部2bにおいて各陽極5と第一の制限抵抗部3aとの間に形成され、陽極5を複数互いに接続する第一の接続部3cを有する。本実施形態においては、第一の接続部3cは、第二の発光表示部2bの各陽極5の2本を1つに束ねて1つの第一の制限抵抗部3aに接続するものである。
【0030】
第二の導通ライン4は、例えばITO,クロム(Cr)あるいはアルミニウム(Al)等の導電材料またはこれら導電材料の積層体からなり、前記外部電源と第一,第二の発光表示部2a,2bの各陰極9とを陰極配線部10を介して電気的に一括接続するための部材であって、第一の導通ライン3とは電気的に分断されるように形成され、前記外部電源から供給される電圧を各陰極9に印加するものである。また、第二の導通ライン4は、前記外部電源と各陰極9との間に形成される第二の制限抵抗部4aを有する。第二の制限抵抗部4aは、例えばラダー抵抗となり第二の導通ライン4から各陰極9に印加される電圧を調整し、各発光画素の破壊を防止するためのものである。第二の制限抵抗部4aは、後述する有機ELパネルの製造工程においてマザーパネルを個々の有機ELパネルに切断する際に各陰極9から分離されるものであり、抵抗値や接続の形態をそれぞれ個々に異なるものであってもよい。また、第二の導通ライン4の端部には、前記外部電源と電気的に接続するための第二の電源接続端子4bが設けられている。
【0031】
また、第二の導通ライン4は、図3に示すように、第二の発光表示部2bにおいて各陰極9と第二の制限抵抗部4aとの間に形成され、陰極9を複数互いに接続する第二の接続部(接続部)4cを有する。本実施形態においては、第二の接続部4cは、第二の発光表示部2bの各陰極9の4本を1つに束ねて1つの第二の制限抵抗部4aに接続させるものである。
【0032】
陽極5は、ITO等の透光性の導電材料からなり、蒸着法やスパッタリング法等の手段によってベース基板1上に前記導電材料を層状に形成した後、フォトリソエッチング法等によって互いに略平行となるようにライン状に複数形成されてなる。各陽極5は、端部の一方側(図1における下方側)で第一の導通ライン3と接続される。
【0033】
絶縁層6は、例えばポリイミド系の電気絶縁性材料から構成され、陽極5と陰極9との間に位置するように陽極5上に形成され、両電極5,9の短絡を防止するものである。絶縁層6には、各発光画素を画定するとともに輪郭を明確にする開口部6aが形成されている。また、絶縁層6は、陰極配線部10と陰極9との間にも延設されており、陰極配線部10と陰極9とを接続させるコンタクトホール6bを有する。
【0034】
隔壁7は、例えばフェノール系の電気絶縁性材料からなり、絶縁層6上に形成される。隔壁7は、その断面が絶縁層6に対して逆テーパー形状となるようにフォトリソエッチング法等の手段によって形成されるものである。また、隔壁7は、陽極5と直交する方向に等間隔にて複数形成される。隔壁7は、その上方から蒸着法やスパッタリング法等によって機能層8及び陰極9となる金属膜を形成する場合に機能層8及び前記金属膜がライン状に切断される構造を得るものである。
【0035】
機能層8は、陽極5上に形成されるものであり、少なくとも有機発光層を有するものである。なお、本実施形態においては、機能層8は正孔注入層,正孔輸送層,有機発光層及び電子輸送層を蒸着法やスパッタリング法等の手段によって順次積層形成してなるものである。
【0036】
陰極9は、アルミニウム(Al)やマグネシウム銀(Mg:Ag)等の陽極5よりも導電率が高い金属性導電材料をスパッタリング法や蒸着法等の手段により陽極5と交差するようにライン状に複数形成してなるものである。陰極9は、前記導電材料にて形成される金属膜が隔壁7によって切断され、機能層8上に積層されるものと隔壁7上に積層されるものとに区分けされて形成される。また、陰極9は、絶縁層6に設けられるコンタクトホール6bを介して陰極配線部10と接続され、この陰極配線部10を介して第二の導電ライン4と接続されている。
【0037】
陰極配線部10は、例えば陽極5と同材料であるITO、クロム(Cr)あるいはアルミニウム(Al)等の導電材料またはこれら導電材料の積層体からなるものである。陰極配線部10は、コンタクトホール6bを介して陰極9と接続可能とするべく少なくとも陰極9との接続個所となる端部が絶縁層6を介して陰極9の下方に位置するように形成されている。なお、図3に示すように、第二の発光表示部2bについてはコンタクトホール6bと陰極配線部10とが陰極9の両端側に形成されており、第二の発光表示部2bの各陰極9はその両端が第二の導通ライン4と接続されている。
【0038】
封止基板11は、例えばガラス材料からなり、第一,第二の発光表示部2a,2bの各々を収納する複数の凹部11aと、この凹部11aの全周を取り巻くように形成される接合部11bとを備えており、接着剤11cを介してベース基板1上に配設される。封止基板11は、後にマザーパネルと共に切断して個々の封止部材を形成するための多面取り用の封止基板である。
【0039】
以上の各部によって複数の有機ELパネルを製造するためのマザーパネルが構成されている。
【0040】
次に、図5を用いてマザーパネルを用いた有機ELパネルの製造方法を説明する。
【0041】
まず、発光表示部形成工程S1にて、蒸着法やスパッタリング法等の手段によってベース基板1上に透光性の導電材料を層状に形成した後、フォトリソエッチング法等によって陽極5を形成する。また、同時にあるいは後に同様の方法で第一,第二の導通ライン3,4をベース基板1上に形成する。そして、陽極5に対応するように絶縁層6,隔壁部7及び機能層8を積層形成し、さらに、機能層8上に陰極9を積層形成して、前記第一,第二の発光画素を有する各第一,第二の発光表示部2a,2bを形成する。
【0042】
次に、封止工程S2にて、第一,第二の発光表示部2a,2bを個々に収納するように紫外線硬化性の接着剤11cを介してベース基板1上に封止基板11を配設固定する。これにより有機ELパネルを複数製造することが可能なマザーパネルが得られる。
【0043】
次に、エージング処理工程S3にて、第一,第二の導通ライン3,4と前記外部電源とを接続して第一,第二の導通ライン3,4間に電圧を所定時間印加し、不良部位を破壊、除去して第一,第二の発光表示部2a,2bの前記第一,第二の発光画素を修復するとともに発光輝度の経時変化を抑制して素子特性を安定させるエージング処理を行う。前記エージング処理においては、逆バイアス電圧を印加すると発光によって前記第一,第二の発光画素を構成する有機材料を劣化させることがなく好適である。
【0044】
前記エージング処理は、第一の発光表示部2aの前記第一の発光画素を修復可能な電圧値で行われる。ここで、パッシブマトリクス型の発光表示部においては、修復エネルギーPは主に不良部位と対向する陰極に接続される発光画素の合成容量に起因して定まる。従来は、前記第一の発光画素を修復可能な電圧値を前記エージング処理の基準とすると前記第一の発光画素よりも面積の小さい前記第二の発光画素を有する第二の発光表示部においては修復エネルギーPが不足して修復が十分に行われない。これに対し、本願発明者は、第二の発光表示部2bにおいては1つの第二の制限抵抗部4aに接続される陰極9の数を第一の発光表示部2aよりも増加させることで合成容量を増加させ、前記エージング処理において前記第一の発光画素を修復可能な電圧値の範囲内で前記第二の発光画素を修復可能な修復エネルギーPを得ることができることを見出した。なお、陽極5は陰極9よりも抵抗値が高いため不良部位と対向する陽極5に接続される発光画素の合成容量による修復エネルギーPへの寄与は低いものの、本実施形態のように第二の発光表示部2bにおいて1つの第一の制限抵抗部3aに接続される陽極5の数を第一の発光表示部2aよりも増加させることにより修復エネルギーPの更なる増加が期待できる。
【0045】
また、修復エネルギーPは、陰極9の電圧印加側、すなわち、第二の導通ライン4との接続側で大きく、接続側から離れるに従って小さくなる傾向にある。したがって、本実施形態のように第二の発光表示部2bにおいて各陰極9がその両端で第二の導通ライン4と接続されるようにすることで、修復エネルギーPの最小値を増加させ、修復エネルギーPのバラツキを抑制してより低い電圧値で前記エージング処理をすることができる。
【0046】
次に、検査工程S4にて、順方向の所定電圧を印加して、第一,第二の発光表示部2a,2bを全点灯させ、各第一,第二の発光表示部2a,2bの良否を判別する。なお、検査工程S4はエージング処理工程S5と同時に行ってもよい。
【0047】
そして、切断工程S5にて、ベース基板1と封止基板11とを第一,第二の発光表示部2a,2bに応じてスクライブ法等の手段によって切断する。このとき、第一,第二の導通ライン3,4はそれぞれ各陽極5及び各陰極9から分離される。なお、封止基板11は、個々の有機ELパネルが得られた状態で異方性導電膜等の接続部材を介してフレキシブルプリント配線(図示しない)と電気的に接続可能にするため各陽極5及び各陰極配線部10の端部に応じた第二の凹部(図示しない)が形成されており、切断工程S5において前記第二の凹部を切断して各陽極5及び各陰極配線部10の端部を露出させる。
【0048】
以上の工程によって、第一の発光表示部2aを有する第一の有機ELパネルと第二の発光表示部2bを有する第二の有機ELパネルとがそれぞれ得られる。
【0049】
かかるマザーパネル及びマザーパネルを用いた有機ELパネルの製造方法は、第二の導通ライン4が第二の発光表示部2bの陰極9を複数互いに接続するように配線されることで、前記第一の発光画素を修復可能な電圧値で前記エージング処理を行う際に前記第二の発光画素を修復可能な修復エネルギーPを得るものである。これにより、発光画素の面積が異なる複数種類の発光表示部2a,2bを1枚のマザーパネルに形成する場合であっても、各発光表示部2a,2bに対して一括して前記エージング処理を行うことが可能となり有機ELパネルの生産性を向上させることができるものである。
【0050】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。なお、前述の第一の実施形態と同一あるいは相当個所には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0051】
第二の実施形態が前述の第一の実施形態と異なる点は、図6及び図7に示すように、第二の発光表示部2bにおいて各陰極9は個々に第二の制限抵抗部4a及び第二の導通ライン4と接続され、また、図中の縦方向に隣接する2つの第二の発光表示部2bの陰極9を互いに接続するように接続配線部4dが形成されている点である。
【0052】
接続配線部4dは、第二の導通ライン4の一部として形成されるものであり、コンタクトホール6bを介して一端が一方の第二の発光表示部2bの陰極9と接続され、他端が他方の第二の発光表示部2bの陰極9と接続されるものである。
【0053】
かかる構成によっても、前述の第一の実施形態と同様に、前記エージング処理において不良部位と対向する陰極9に接続される前記第二の発光画素の合成容量を増加させ、前記エージング処理において前記第一の発光画素を修復可能な範囲で電圧が印加される場合であっても、前記第二の発光画素を修復可能な修復エネルギーPを得ることができる。
【実施例】
【0054】
以下、さらに本発明の実施例について説明する。まず、評価方法として、前記エージング処理による有機EL素子の修復がなされているか(不良部位が破壊、除去されているか)は、前記エージング処理により形成される破壊跡(以下、修復痕という)が形成されているか否かで判断可能である。この修復痕形成時に陽極と陰極とが接触しなければ修復は成功し、短絡などに起因する表示不良を生じさせることはない。また、修復痕は、非発光部位となるいわゆるピンホールとなるため、前記ピンホールが肉眼で認識できない程度の大きさとなることを要する。前記ピンホールの大きさが20μm以下であれば有機ELパネルの表示品質を低下させるものではないものと言える。評価基準として、パネルサイズ2.1インチの有機ELパネルを得るためのパッシブマトリクス型の発光表示部を複数配置したマザーパネルAを作製した。前記発光表示部は、ドットサイズ0.4×0.4mm、発光画素数32×128個、走査線(陰極)32ライン、信号線(陽極)128ライン、機能層厚200nm、陰極厚100nmで構成され、抵抗値10kΩの第一,第二の制限抵抗部で一括して前記エージング処理するための第一,第二の導通ラインと各陽極,各陰極とが接続される。なお、1つの第一,第二の制限抵抗部に対して1つの陽極,陰極が接続される。かかるマザーパネルAに対し、約100℃の高温で逆バイアス電圧30Vを印加する前記エージング処理を行った。このとき、各発光表示部は、図8に示すように、自己修復による修復痕が同発光表示部内に適度に分布を持ち生成され、修復痕発生率が約0.03個/mm程度であり、短絡を一切発症しなかった。これは修復が十分行われた事によるものである。また、修復痕サイズは10μm程度であり、表示品質への影響は生じなかった。以下、従来例及び実施例の評価方法として、評価基準との修復痕発生率の比較、短絡が発症するか否か及び修復痕サイズが表示品質に影響を与えない大きさか否かによって修復の適否を判断した。
【0055】
従来例として、サイズの異なる第一,第二の発光表示部がそれぞれ複数配置されたマザーパネルBを作製した。前記第一の発光表示部は、パネルサイズ2.0インチの第一の有機ELパネルを得るためのものであり、ドットサイズ0.35×0.35mm、ドットピッチ0.39×0.39mm、発光画素(第一の発光画素)数64×128個、走査線(陰極)64ライン、信号線(陽極)128ライン、機能層厚100nm、陰極厚100nm、1つの発光画素の静電容量0.023nF/dotで構成され、抵抗値5kΩの第一,第二の制限抵抗部で一括して前記エージング処理するための第一,第二の導通ラインと前記各陽極,陰極とが接続される。なお、1つの前記第一,第二の制限抵抗部に対して1つの前記陽極,陰極が接続される。前記第二の発光表示部は、パネルサイズ1.5インチの第二の有機ELパネルを得るためのものであり、ドットサイズ0.25×0.25mm、ドットピッチ0.27×0.27mm、発光画素(第二の発光画素)数64×128個、走査線(陰極)64ライン、信号線(陽極)128ライン、機能層厚100nm、陰極厚100nm、1つの発光画素の静電容量0.015nF/dotで構成され、抵抗値5kΩの第一,第二の制限抵抗部で前記第一,第二の導通ラインと前記各陽極,各陰極とが接続される。なお、1つの前記第一,第二の制限抵抗部に対して1つの前記陽極,陰極が接続される。かかるマザーパネルBに対し、約100℃の高温で逆バイアス電圧25Vを印加するエージング処理を行った。前述の評価方法で試験を行った結果、マザーパネルBにおいては、図8に示すように前記第一の発光表示部は修復痕発生率が0.03個/mmであり、短絡が発症せず、修復痕サイズは約10μm程度であり、十分に修復され表示品質への影響も生じなかったが、前記第二の発光表示部は修復痕発生率が0.01個/mm以下となるとともに短絡が発症し、修復痕サイズは1〜3μm程度であり、表示品質への影響はないものの十分に修復がなされなかった。
【0056】
また、修復に好適な修復エネルギーPの範囲には上限値及び下限値があり、修復エネルギーPが下限値以下となる場合は修復が不十分となり短絡が生じ、上限値以上となる場合は修復痕サイズが20μmを超えて表示品質に影響を与える。この上限値及び下限値は、主に機能層厚及び陰極厚によって定まる。本願発明者らの実験からは、例えばマザーパネルAの前記発光画素のように機能層厚200nm及び陰極厚100nmである有機EL素子については好適な修復エネルギーPの上限値は9×10−7Jであり、下限値は5×10−7Jであることがわかっている。また、同様に、マザーパネルBの前記第一,第二の発光画素のように機能層厚100nm及び陰極厚100nmである有機EL素子については好適な修復エネルギーPの上限値は2.5×10−7Jであり、下限値は1.8×10−7Jであることがわかっている。マザーパネルBについて好適な修復エネルギーPを得るための電圧値を試算した結果を図9に示す。試算の結果、前記第一の発光表示部については22〜26Vであり、前記第二の発光表示部については27〜31Vであった。従って、試算上においても従来例においては同一の電圧値で前記第一,第二の発光表示部を一括して前記エージング処理することはできないという結果が得られた。
【0057】
第一の実施例として、前述の第一の実施形態に従い、サイズの異なる第一,第二の発光表示部2a,2bがそれぞれ複数配置されたマザーパネルCを作製した。第一の発光表示部2aは、第一の接続部3cにて各陽極5の2本を1つに束ねて1つの第一の制限抵抗部3aに接続させたほかは、従来例の前記第一の発光表示部と同様に形成した。第二の発光表示部2bは、第二の接続部4cにて各陰極9の4本を1つに束ねて1つの第二の制限抵抗部4aに接続させたほかは、従来例の前記第二の発光表示部と同様に形成した。マザーパネルCに対し、約100℃の高温で逆バイアス電圧25Vを印加するエージング処理を行った。前述の評価方法で試験を行った結果、マザーパネルCにおいては、図8に示すように第一の発光表示部2aは修復痕発生率が0.03個/mmであり、短絡が一切発症せず、修復痕サイズは約10μm程度であり、十分に修復がなされ表示品質への影響も生じなかった。第二の発光表示部2bについても同様に、修復痕発生率が0.03個/mmであり、短絡が一切発症せず、修復痕サイズは5〜8μm程度であり、十分に修復がなされ表示品質への影響も生じなかった。
【0058】
また、マザーパネルCについて好適な修復エネルギーPを得るための電圧値を試算した結果を図9に示す。試算の結果、第一の発光表示部2aについては22〜26Vであり、第二の発光表示部2bについては25〜29Vであった。従って、試算上においても同一の電圧値(25〜26V)で第一,第二の発光表示部2a,2bを一括して前記エージング処理することができるという結果が得られた。
【0059】
第二の実施例として、前述の第二の実施形態に従い、サイズの異なる第一,第二の発光表示部2a,2bがそれぞれ複数配置されたマザーパネルDを作製した。第一の発光表示部2aは、第一の接続部3cにて各陽極5の2本を1つに束ねて1つの第一の制限抵抗部3aに接続させたほかは、従来例の前記第一の発光表示部と同様に形成した。第二の発光表示部2bは、接続配線部4dにて縦方向に隣接する2つの第二の発光表示部2bの陰極9を互いに接続させたほかは、従来例の前記第二の発光表示部と同様に形成した。マザーパネルDに対し、約100℃の高温で逆バイアス電圧25Vを印加するエージング処理を行った。前述の評価方法で試験を行った結果、マザーパネルDにおいては、図8に示すように第一の発光表示部2aは修復痕発生率が0.03個/mmであり、短絡が一切発症せず、修復痕サイズは約10μm程度であり、十分に修復がなされ表示品質への影響も生じなかった。第二の発光表示部2bについても同様に、修復痕発生率が0.03〜0.04個/mm程度であり、短絡が一切発症せず、修復痕サイズは約6〜10μm程度であり、十分に修復がなされ表示品質への影響も生じなかった。
【0060】
また、マザーパネルDについて好適な修復エネルギーPを得るための電圧値を試算した結果を図9に示す。試算の結果、第一の発光表示部2aについては22〜26Vであり、第二の発光表示部2bについては23.5〜27Vであった。従って、試算上においても同一の電圧値(23.5〜26V)で第一,第二の発光表示部2a,2bを一括して前記エージング処理することができるという結果が得られた。
【0061】
かかる実験結果によっても、本発明を適用することで、サイズの異なる複数種類の発光表示部に対して一括してエージング処理を行うことが可能であり、有機ELパネルの生産性を向上させることができることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、マザーパネル及び有機ELパネルの製造方法に好適である。
【符号の説明】
【0063】
1 ベース基板
2a 第一の発光表示部
2b 第二の発光表示部
3 第一の導通ライン
3a 第一の制限抵抗部
3b 第一の電源接続端子
3c 第一の接続部
4 第二の導通ライン
4a 第二の制限抵抗部
4b 第二の電源接続部
4c 第二の接続部
4d 接続配線部
5 陽極
6 絶縁層
7 隔壁
8 機能層
9 陰極
10 陰極配線部
11 封止基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極及び陰極にて少なくとも有機発光層を含む機能層を挟持してなる複数の発光画素を有する発光表示部をベース基板上に列状に複数形成してなるマザーパネルであって、
前記発光表示部として、前記発光画素として第一の発光画素を有する第一の発光表示部と、前記発光画素として前記第一の発光画素よりも面積の小さい第二の発光画素を有する第二の発光表示部と、を前記ベース基板上に形成し、
前記第一,第二の発光表示部の前記陽極と電源とを電気的に接続するための陽極導通ラインと、前記第一,第二の発光表示部の前記陰極と前記電源とを電気的に接続するための陰極導通ラインと、を前記ベース基板上に形成し、
前記陰極導通ラインは前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続し、前記電源によって前記第一の発光画素を修復可能な電圧値でエージング処理をする際に前記第二の発光画素を修復可能な修復エネルギーを得ることを特徴とするマザーパネル。
【請求項2】
前記陰極導通ラインは、前記第二の発光部の前記陰極を複数互いに接続する接続部と、この接続部と前記電源との間に形成される抵抗部と、を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のマザーパネル。
【請求項3】
前記陰極導通ラインは、同一の前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続してなることを特徴とする請求項1に記載のマザーパネル。
【請求項4】
前記陰極導通ラインは、前記第二の発光表示部の前記陰極の両端と接続されてなることを特徴とする請求項3に記載のマザーパネル。
【請求項5】
前記陰極導通ラインは、異なる前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続してなることを特徴とする請求項1に記載のマザーパネル。
【請求項6】
前記第一,第二の発光表示部の前記陽極及び前記陰極は、互いに交差するようにライン状に複数形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のマザーパネル。
【請求項7】
陽極及び陰極にて少なくとも有機発光層を含む機能層を挟持してなる複数の発光画素を有する発光表示部をベース基板上に列状に複数形成してなるマザーパネルを個々の前記発光表示部に応じて切断して個々の有機ELパネルを得る有機ELパネルの製造方法であって、
前記発光表示部として、前記発光画素として第一の発光画素を有する第一の発光表示部と、前記発光画素として前記第一の発光画素よりも面積の小さい第二の発光画素を有する第二の発光表示部と、を前記ベース基板上に形成し、
前記第一,第二の発光表示部の前記陽極と電源とを電気的に接続するための陽極導通ラインと、前記第一,第二の発光表示部の前記陰極と前記電源とを電気的に接続するための陰極導通ラインと、を前記ベース基板上に形成し、
前記電源によって前記第一の発光画素を修復可能な電圧値でエージング処理をする工程を含み、
前記陰極導通ラインが前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続するように形成されることで前記エージング処理の際に前記第二の発光画素を修復可能な修復エネルギーを得ることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
【請求項8】
前記陰極導通ラインは、前記第二の発光部の前記陰極を複数互いに接続する接続部と、この接続部と前記電源との間に形成される抵抗部と、を備えてなることを特徴とする請求項7に記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項9】
前記陰極導通ラインは、同一の前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続してなることを特徴とする請求項7に記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項10】
前記陰極導通ラインは、前記第二の発光表示部の前記陰極の両端と接続されてなることを特徴とする請求項9に記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項11】
前記陰極導通ラインは、異なる前記第二の発光表示部の前記陰極を複数互いに接続してなることを特徴とする請求項7に記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項12】
前記第一,第二の発光表示部の前記陽極及び前記陰極は、互いに交差するようにライン状に複数形成されてなることを特徴とする請求項7に記載の有機ELパネルの製造方法。
【請求項13】
前記エージング処理において、前記電源から逆バイアス電圧を印加することを特徴とする請求項7に記載の有機ELパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−176962(P2010−176962A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16771(P2009−16771)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】