説明

マスク及び液晶表示装置の製造方法

【課題】配向方向の異なる複数の配向領域を備える配向膜を容易に形成できるマスク及び液晶表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】照射光を透過する開口16aを有し、開口16aに重なり、照射光を一の偏光方向を有する偏光光に偏光する偏光部19を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク及び液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、明るい場所では外光を利用し、暗い場所ではバックライトなどの内部の光源を利用して表示を視認可能とした半透過反射型の液晶表示装置が利用されている。この半透過反射型の液晶表示装置では、反射型と透過型とを兼ね備えた表示方式を採用しており、周囲の明るさに応じて反射モードまたは透過モードのいずれかの表示方式に切り替えることにより、消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示が行えるようにしたものである。
【0003】
ところで、このような半透過反射型の液晶表示装置では、1つのサブ画素領域内で透過表示を行う透過表示領域と反射表示を行う反射表示領域とが設けられているが、透過表示領域と反射表示領域とで電圧印加時と非印加時とにおける表示状態を一致させる必要がある。
そこで、透過表示領域と反射表示領域とで対応する領域に設けられた配向膜に対して異なる配向処理を施し、液晶分子の配向方向を異ならせることで各領域における表示状態を一致させる方法がある。このように、液晶分子を一定方向に均一に配向させる方法としては、配向膜にラビング処理を施す方法や、所定の波長の偏光光を照射することにより配向膜に偏光光の偏光方向に応じた配向を行う光配向処理を施す方法がある。
【特許文献1】特開2004−287336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の配向膜の形成方法においても、以下の課題が残されている。すなわち、上述のように透過表示領域と反射表示領域とで異なる配向処理を施す場合など、光配向処理によって複数の配向領域に対して異なる配向処理を施すとき、偏光光の偏光方向及び照射領域を調整する必要がある。このため、配向方向の異なる複数の配向領域を有する配向膜を形成する工程を短縮化することが望まれている。
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、配向方向の異なる複数の配向領域を備える配向膜を容易に形成できるマスク及び液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかるマスクは、配向膜形成材料層に照射光を照射する光配向工程を備える液晶表示装置の製造方法に用いられるマスクであって、前記照射光を透過する開口と、該開口に重なり、前記照射光を一の偏光方向を有する偏光光に偏光する偏光部を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明では、照射光を偏光させる偏光部をマスクと一体化することで、マスクの開口領域とこの開口領域を透過する偏光光の偏光方向とのズレを抑制して、偏光光の照射位置と偏光方向とを精度よく調整できる。また、異なる偏光方向を有する偏光光を異なる照射領域に照射する際、開口形状が異なると共に他の偏光方向に変更させる偏光部を有する他のマスクを交換すればよく、偏光部をマスクから分離した場合と比較して交換作業に要する時間を短縮化できる。
【0008】
また、本発明のマスクは、前記偏光部が、無機材料で構成されていることが好ましい。
この発明では、偏光部を無機材料で構成することで、偏光部の照射光に対する耐光性を向上させることができる。
【0009】
また、本発明のマスクは、前記マスクの一方の側に、前記開口を規定する遮光パターンが設けられており、前記マスクの他方の側に、前記偏光部が設けられていることとしてもよい。
この発明では、一方に開口を規定する遮光パターンを設け、他方に偏光部を設けることで両者を一体化する。
【0010】
また、本発明のマスクは、前記一方の側に、前記遮光パターンを保護する保護膜を保持する枠体が設けられていることが好ましい。
この発明では、保護膜を設けて塵などをこの上面に付着させることで、塵などの像が偏光光の照射領域に写り込むことを防止する。
【0011】
また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、配向方向の異なる複数の配向領域が設けられた配向膜を有する液晶表示装置の製造方法であって、前記照射光を透過する開口と、前記開口に重なり前記照射光を一の偏光方向を有する偏光光に偏光する偏光部と、を備える第1マスクを介して、光源からの照射光を配向膜形成材料層に照射する第1光配向工程と、前記第1マスクの開口に対応する配向領域とは異なる配向領域に対応する開口と、前記一の偏光方向とは異なる偏光方向を有する偏光光に偏光させる偏光部と、を備える第2マスクを介して、前記光源からの照射光を前記配向膜形成材料層に照射する第2光配向工程と、を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明では、上述と同様に、異なる偏光方向を有する偏光光を異なる照射領域に照射する際、第1マスクと開口形状が異なると共に他の偏光方向に偏光させる偏光部を有する第2マスクに交換することで、偏光部をマスクから分離した場合と比較して容易に偏光方向及び照射領域を変更することができる。このため、配向方向の異なる配向領域を複数有する配向膜を容易に形成することが可能となる。したがって、液晶表示装置の製造工程の短縮化が図れる。
また、偏光部をマスクと一体化することで配向膜形成材料層の照射領域とこの照射領域に照射される偏光光の偏光方向との調整精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明によるマスク及び液晶表示装置の製造方法の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0014】
〔液晶表示装置の製造装置〕
まず、本実施形態におけるマスクについて、図1及び図2を参照しながら説明する。ここで、図1はマスクを用いた露光装置を示す概略構成図、図2はマスクを示す断面図である。
露光装置1は、後述する液晶表示装置20の配向膜66、73を形成するための露光装置であって、いわゆるステッパ露光を行う露光装置となっている。そして、露光装置1は、図1に示すように、光源2と、フライアイレンズ3と、第1及び第2マスク4A、4Bと、投影レンズ5と、ステージ6とを備えている。また、露光装置1は、光源2及びフライアイレンズ3の間の光路上に配置された反射ミラー7と、フライアイレンズ3及び第1及び第2マスク4A、4Bの間の光路上に配置された反射ミラー8とを備えている。
【0015】
光源2は、例えば波長365nmの紫外線を照射する超高圧水銀ランプで構成されたランプ2aと、ランプ2aによる照射光を集光する楕円鏡2bとを備えている。
フライアイレンズ3は、光源2からの照射光の照度分布を均一化させる構成となっている。
【0016】
第1及び第2マスク4A、4Bは、それぞれ保持部材11により着脱可能に保持されており、互いに交換可能となっている。すなわち、保持部材11から第1マスク4Aを取り外して第2マスク4Bを保持部材11に固定することで、第1マスク4Aと第2マスク4Bとを交換するように構成されている。そして、第1及び第2マスク4A、4Bは、フライアイレンズ3によって照度分布が均一化された照射光を開口の形状に応じて投影レンズ5に向けて透過させる構成となっている。
また、第1マスク4Aは、図2に示すように、例えばガラスなどの透光性材料で構成された平板状の基体15と、基体15の一方の側に形成されたマスク部16と、基体15の一方の側にマスク部16を囲むように形成された枠体17と、枠体17に張設された保護膜18と、基体15の他方の側に形成された偏光部19とを備えている。
【0017】
マスク部16は、例えばクロムのように光源2から照射される紫外線を遮断する遮光材料をパターニングした遮光パターンによって構成されており、照射光を照射する領域に応じた形状の開口16aが形成されている。
また、枠体17は、例えばプラスチックなどで形成され、平面視で矩形状となるように立設されている。
そして、保護膜18は、マスク部16に塵などが付着することを防止するために設けられている。すなわち、保護膜18は、この上面に塵などを付着させることで、塵などの像が偏光光の照射領域に写り込むことを防止する。
偏光部19は、無偏光である照射光を所定の偏光方向を有する直線偏光に偏光する構成となっており、例えばクロムなどの無機材料によって形成された無機材料膜をパターニングすることによって形成されている。また、偏光部19は、その透過軸が照射光の光軸に対して直交するように配置されている。
なお、第2マスク4Bは、第1マスク4Aと同様の構成を有しており、そのマスク部16の開口形状及び偏光部19の透過軸が第1マスク4Aの開口形状及び偏光部19の透過軸と異なっている。
【0018】
投影レンズ5は、図1に示すように、第1及び第2マスク4A、4Bを透過した照射光の像が拡散することを防止して解像度を向上させるために設けられており、ステージ6上に配置された後述する基板本体61、71上に集光させる構成となっている。なお、第1及び第2マスク4A、4Bを透過した照射光の像の十分な解像度が得られれば、投影レンズ5を設けなくてもよい。
ステージ6は、後述する配向膜66、73を形成するための配向膜形成材料層81、82がそれぞれ表面に形成された基板本体61、71を支持している。ここで、ステージ6は、配向膜形成材料層81、82の面方向が照射光の光軸に対して直交するように基板本体61、71を支持している。
【0019】
〔液晶表示装置〕
次に、上述した露光装置1によって形成された配向膜を有する液晶表示装置を、図3から図6を参照しながら説明する。ここで、図3は液晶表示装置の等価回路図、図4は液晶表示装置のサブ画素領域を示す部分拡大平面構成図、図5は図4のA−A’矢視断面図、図6はサブ画素領域における液晶分子の配向状態を示す平面図である。
【0020】
本実施形態における液晶表示装置20は、IPS(In-Plane Switching)方式を用いた半透過反射型のカラー液晶表示装置であって、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を出力する3個のサブ画素で1個の画素を構成する液晶表示装置である。ここで、表示を構成する最小単位となる表示領域を「サブ画素領域」、一組(R、G、B)のサブ画素から構成される表示領域を「画素領域」と称する。
【0021】
まず、液晶表示装置20の概略構成について説明する。液晶表示装置20は、図3に示すように、画素表示領域を構成する複数のサブ画素領域がマトリックス状に配置されている。
また、液晶表示装置20の画素表示領域を構成する複数のサブ画素領域には、それぞれ画素電極21と、画素電極21をスイッチング制御するためのTFT素子22とが形成されている。そして、TFT素子22は、ソースが液晶表示装置20に設けられたデータ線駆動回路23から延びるデータ線24に接続され、ゲートが液晶表示装置20に設けられた走査線駆動回路25から延びる走査線26に接続され、ドレインが画素電極21に接続されている。
データ線駆動回路23は、データ線24を介して画像信号S1、S2、…、Snを各画素に供給する。また、走査線駆動回路25は、走査線26を介して走査信号G1、G2、…Gmを各画素に供給する。ここで、データ線駆動回路23は、画像信号S1〜Snをこの順に線順次で供給してもよく、互いに隣接する複数のデータ線24同士に対してグループごとに供給してもよい。また、走査線駆動回路25は、走査信号G1〜Gmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
【0022】
液晶表示装置20は、スイッチング素子であるTFT素子22が走査信号G1〜Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線24から供給される画像信号S1〜Snが所定のタイミングで画素電極21に書き込まれる構成となっている。
そして、画素電極21を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1〜Snは、画素電極21と液晶を介して対向配置された後述する共通電極43との間で一定期間保持される。ここで、保持された画像信号S1〜Snがリークすることを防止するため、画素電極21と後述する共通電極43との間に形成される液晶容量と並列接続されるように蓄積容量27が付与されている。この蓄積容量27は、TFT素子22のドレインと容量線41との間に設けられている。
【0023】
次に、液晶表示装置20の詳細な構成について説明する。液晶表示装置20は、図5に示すように、素子基板31と、素子基板31と対向配置された対向基板32と、素子基板31と対向基板32との間に挟持された液晶層33と、素子基板31の外面側(液晶層33と反対側)に設けられた偏光板34と、対向基板32の外面側に設けられた偏光板35とを備えている。そして、液晶表示装置20は、素子基板31の下面側から照明光が照射される構成となっている。
ここで、液晶層33は、素子基板31と対向基板32とが対向する領域の縁端に沿って設けられたシール材(図示略)によって素子基板31と対向基板32との間に封止されている。
【0024】
そして、液晶表示装置20の各サブ画素領域には、図4に示すように、Y軸方向に延びるデータ線24と、X軸方向に延びる走査線26及び容量線41とが平面視でほぼ格子状に配線されている。
また、これらデータ線24、走査線26及び容量線41によって囲まれる平面視でほぼ矩形状の領域(サブ画素領域)のうちほぼ下半分の平面領域(図4に示すY軸方向で二分した領域のうち+Y側の領域)には、反射層42が形成されている。
反射層42は、図4及び図5に示すように、アルミニウムや銀などの光反射性を有する金属膜をパターン形成したものである。そして、サブ画素領域のうち反射層42と平面視において重なる領域が反射表示領域Rを構成し、他の領域が透過表示領域Tを構成している。反射層42としては、その表面に凹凸を形成して光散乱性を付与したものを用いることが好ましく、このようにすることで反射表示における視認性を向上させることが可能となる。
【0025】
また、液晶表示装置20のサブ画素領域には、平面視でほぼ櫛歯状であって図4に示すY軸方向に延在する画素電極21と、平面視でほぼ櫛歯状であって画素電極21と噛み合うようにY軸方向に延在する共通電極43とが形成されている。
これら画素電極21及び共通電極43は、例えばITO(酸化インジウムスズ)などの透光性導電材料で構成されている。なお、画素電極21及び共通電極43は、透光性導電材料のほか、クロムなど他の導電材料を用いてもよい。
【0026】
画素電極21は、データ線24及び容量線41に沿って延在する平面視でほぼL字状の基端部21aと、基端部21aから分岐されて斜め方向に延在する複数本(2本)の帯状電極21bと、基端部21aから分岐されて−X方向に延在する複数本(3本)の帯状電極21cと、基端部21aのうち容量線の近傍から−Y方向に延出したコンタクト部21dとを備えている。
共通電極43は、走査線26と平面視で重なる位置に形成されて図4に示すX軸方向に延在する本線部43aと、本線部43aから延出されてサブ画素領域の辺端に沿ってY軸方向に延在する基端部43bと、基端部43bから分岐されて斜め方向に延在する複数(3本)の帯状電極43cと、基端部43bから分岐されて+X方向に延在する複数本(2本)の帯状電極43dとを備えている。帯状電極43cは、帯状電極21bと互いが平行となるように交互に形成されている。また、帯状電極43dは、帯状電極21cと互いが平行となるように交互に形成されている。なお、帯状電極21b、21c、43c、43dの本数は設計に応じて適宜設定される。
【0027】
したがって、サブ画素領域では、図4に示すように、画素電極21及び共通電極43を構成する帯状電極21b、21c、43c、43dの延在方向が、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異なる方向となっている。すなわち、反射表示領域Rに配置された帯状電極21b、43cは斜め方向に延びて形成されており、透過表示領域Tに配置された帯状電極21c、43dは帯状電極21b、43cとその延在方向が交差するように図4に示すX軸方向に延びて形成されている。そして、液晶表示装置20は、帯状電極21b、21cと帯状電極43c、43dとの間に電圧を印加し、これによって生じるXY面方向(基板平面方向)の電界(横電界)によって液晶を駆動する構成となっている。
【0028】
TFT素子22は、図4に示すように、データ線24及び走査線26の交差部近傍に設けられており、走査線26と平面視で重なる領域に部分的に形成されてアモルファスシリコン膜からなる半導体層45と、半導体層45と一部が平面視で重なるように形成されたソース電極46及びドレイン電極47とを備えている。また、走査線26は、半導体層45と平面視で重なる領域において、TFT素子22のゲート電極として機能している。
【0029】
ソース電極46は、図4及び図5に示すように、平面視でほぼ逆L字状を有する配線であって、データ線24から分岐して半導体層45と導通している。また、ドレイン電極47は、図4に示す−Y側の端部においてサブ画素領域の辺端に沿って延在する接続配線48と導通しており、接続配線48を介してサブ画素領域の反対側の端縁部に形成された容量電極49と導通している。
容量電極49は、平面視でほぼ矩形状を有しており、容量線41と平面視で重なると共に容量電極49上に画素電極21のコンタクト部21dと平面視で重なるように形成されている。そして、容量電極49は、コンタクト部21dと重なる位置に設けられたコンタクトホール51を介して画素電極21と導通している。また、容量電極49と容量線41とによって蓄積容量27が形成されている。
【0030】
そして、素子基板31は、図5に示すように、例えばガラスや石英、プラスチックなどの透光性材料で構成され基板本体(基板)61を基体としており、基板本体61の内面側(液晶層33側)に反射層42が設けられている。そして、基板本体61上には、この反射層42を覆うように酸化シリコンなどの透光性絶縁材料で構成された第1層間絶縁膜62が形成されている。
【0031】
第1層間絶縁膜62上には、走査線26及び容量線41が形成されており、これらを覆うように酸化シリコンなどの透光性絶縁材料で構成されたゲート絶縁膜63が形成されている。
ゲート絶縁膜63上には、走査線26と積層方向で重なるように半導体層45、ソース電極46及びドレイン電極47が設けられると共に、容量線41と積層方向で重なるように容量電極49が形成されている。そして、ゲート絶縁膜63上には、これらを覆うように酸化シリコンなどの透光性絶縁材料で構成された第2層間絶縁膜64が形成されている。
【0032】
第2層間絶縁膜64上のうち平面視で反射層42と重なる領域には、例えばアクリル樹脂などの透光性絶縁材料で構成された液晶層厚調整層65が形成されている。
液晶層厚調整層65は、反射表示領域Rにおける液晶層33の層厚と透過表示領域Tにおける液晶層33の層厚とを異なる厚さとし、液晶層33を透過する光に付与される位相差を反射表示領域Rと透過表示領域Tとのそれぞれで最適化する機能を有するものである。そして、液晶層厚調整層65は、その層厚が反射表示領域Rにおける液晶層33の位相差が1/4波長となる値となっている。なお、透過表示領域Tにおける液晶層33の位相差は、1/2波長となっている。
【0033】
また、第2層間絶縁膜64及び液晶層厚調整層65上には、画素電極21及び共通電極43が形成されている。そして、画素電極21は、第2層間絶縁膜64に形成されたコンタクトホール51を介して容量電極49と導通している。また、第2層間絶縁膜64上には、これらを覆うように配向膜66が形成されている。
【0034】
配向膜66には、上述した露光装置1を用いた光配向処理が施されている。ここで、配向膜66は、図6に示すように、反射表示領域Rで矢印R1方向(図6に示すX軸方向)、透過表示領域Tで矢印R2方向に配向されている。すなわち、配向膜66は、反射表示領域Rに対応する領域と透過表示領域Tに対応する領域との複数(2種)の配向領域が形成されており、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異なる配向処理が施されている。
また、配向膜66は、例えば偏光光を照射することで光二重化反応によって偏光方向に応じて配向されるクマリン誘導体などを含有する樹脂材料や、偏光光を照射することで光異性化反応によって偏光方向に応じて配向されるアゾベンゼン誘導体などを含有する樹脂材料などで構成されている。
【0035】
一方、対向基板32は、図5に示すように、例えばガラスや石英、プラスチックなどの透光性材料で構成され基板本体(基板)71を基体としており、基板本体71の内面側(液晶層33側)にカラーフィルタ層72が設けられている。そして、カラーフィルタ層72上には、配向膜73が形成されている。
【0036】
カラーフィルタ層72は、サブ画素領域内で色度の異なる2種以上の領域に区画されていることが好ましい。すなわち、透過表示領域Tに対応して第1色材領域が設けられ、反射表示領域Rに対応して第1色材領域よりも色度の大きな第2色材領域を用いる構成としてもよい。これにより、カラーフィルタ層72を1回のみ透過する透過表示領域Tでの表示光と、カラーフィルタ層72を2回透過する反射表示領域Rでの表示光との色度に差が生じることを防止でき、反射表示と透過表示での見映えをそろえて表示品質を向上させることができる。
また、カラーフィルタ層72上には、透光性樹脂材料などからなる平坦化膜を形成することが好ましい。これにより、対向基板32の表面を平坦化でき、サブ画素領域内における駆動電圧を均一にしてコントラストの低下を抑制できる。
【0037】
配向膜73は、上述した配向膜66と同様に光配向処理が施されている。ここで、配向膜73の配向方向は、配向膜66と同様となっている。したがって、配向膜66、73の間に設けられている液晶層33のうち反射表示領域Rと対応する領域に配置されている液晶分子33aは、図6に示す矢印R1方向(X軸方向)に水平配向している。また、液晶層33のうち透過表示領域Tと対応する領域に配置されている液晶分子33aは、図6に示す矢印R2方向となっている。
【0038】
また、偏光板34は、その透過軸が図6に示すY軸方向と同方向となっている。そして、偏光板35は、その透過軸が偏光板34の透過軸と直交するように、図6に示すX軸方向と同方向となっている。
【0039】
〔液晶表示装置の製造方法〕
次に、上述した液晶表示装置20の製造方法について説明する。なお、本実施形態では、配向膜66、73を形成する第1及び第2光配向工程について主に説明する。
【0040】
まず、従来の液晶表示装置の製造方法と同様に、基板本体61上に反射層42を形成し、これを覆うように第1層間絶縁膜62を形成する。そして、第1層間絶縁膜62上に走査線26及び容量線41を形成し、これを覆うようにゲート絶縁膜63を形成する。さらに、ゲート絶縁膜63上に半導体層45、ソース電極46及びドレイン電極47と、容量電極49とを形成し、これを覆うように第2層間絶縁膜64を形成する。その後、第2層間絶縁膜64上に液晶層厚調整層65を形成し、第2層間絶縁膜64及び液晶層厚調整層65上に画素電極21及び共通電極43を形成する。
【0041】
次に、第2層間絶縁膜64及び液晶層厚調整層65上に配向膜66を形成する。ここでは、最初に第2層間絶縁膜64及び液晶層厚調整層65上に、例えばクマリン誘導体のように光二重化反応によって配向される樹脂材料や、アゾベンゼン誘導体のように光異性化反応によって配向される樹脂材料を塗布して乾燥させることで配向膜形成材料層81を形成する。そして、配向膜形成材料層81に対して光配向処理を施す第1及び第2光配向工程を行うことにより、第2層間絶縁膜64及び液晶層厚調整層65を覆う配向膜66を形成する。この第1及び第2光配向工程については、後述する。以上のようにして、素子基板31を形成する。
【0042】
また、基板本体71上にカラーフィルタ層72を形成し、カラーフィルタ層72上に配向膜73を形成する。ここでは、最初に配向膜66を形成する工程と同様に、カラーフィルタ層72上に、光二重化反応によって配向される樹脂材料や光異性化反応によって配向される樹脂材料を塗布して乾燥させることで配向膜形成材料層82を形成する。そして、配向膜形成材料層82に対して第1及び第2光配向工程を行うことによりカラーフィルタ層72を覆う配向膜73を形成する。以上のようにして、対向基板32を形成する。
その後、上述のように形成した素子基板31及び対向基板32で液晶層33を挟持し、この液晶層33を上述したシール材で封止する。そして、素子基板31及び対向基板32のそれぞれの外面に偏光板34、35を配置する。以上のようにして、液晶表示装置20を製造する。
【0043】
続いて、上述した露光装置1を用いた第1及び第2光配向工程について、図7を参照しながら詳細に説明する。ここで、図7(a)、(b)はそれぞれ配向膜形成材料層に照射する偏光光の偏光方向及びマスクの開口状態を示す説明図である。
最初に、第1配向工程を行なう。ここでは、配向膜形成材料層81が形成された基板本体61をステージ6上に載置し、ステージ6により支持固定する。また、保持部材11で第1マスク4Aを支持固定する。そして、光源2からの無偏光である照射光を第1マスク4Aの偏光部19で所定の偏光方向を有する直線偏光とし、ステージ6上に載置された基板本体61の配向膜形成材料層81に照射する。ここでは、第1マスク4Aのマスク部16によって配向膜形成材料層81のうち透過表示領域Tと対応する領域が遮光されており、第1マスク4Aの偏光部19によって偏光される偏光光の偏光方向が図7(a)に示す矢印R3方向となっている。
【0044】
このような偏光方向を有する偏光光を配向膜形成材料層81のうち反射表示領域Rと対応する領域に照射すると、配向膜形成材料層81がクマリン誘導体のように光二重化反応によって配向される樹脂材料で構成されている場合には、偏光光の偏光方向に沿って分子レベルの溝が形成されることで配向される。これにより、配向膜形成材料層81のうち反射表示領域Rと対応する領域が、矢印R3方向に沿って配向される。
なお、配向膜形成材料層81がアゾベンゼン誘導体のように光異性化反応によって配向される樹脂材料で構成されている場合には、偏光光の偏光方向に対して直交する方向に配向される。ここで、光二重化反応により配向されるクマリン誘導体以外の他の樹脂材料に偏光光を照射した際の配向方向は、含有する誘導体における遷移双極子モーメントに応じて決定されるため、偏光方向と同一の方向に限られないが、誘導体の種類に応じて定められた所定の一方向となる。また、光異性化反応により配向されるアゾベンゼン誘導体以外の他の樹脂材料に偏光光を照射した際の配向方向も、偏光方向に対して直交する方向に限られないが、誘導体の種類に応じて定められた所定の一方向となる。したがって、所望する方向に配向されるように偏光方向を調整した偏光光を照射する。
【0045】
次に、第2配向工程を行う。ここでは、第1マスク4Aを保持部材11から離脱させ、第2マスク4Bを保持部材11に取り付けることで第1及び第2マスク4A、4Bを交換する。ここで、第2マスク4Bのマスク部16によって配向膜形成材料層81のうち反射表示領域Rと対応する領域が遮光されており、第2マスク4Bの偏光部19によって偏光される偏光光の偏光方向が図7(b)に示す矢印R4方向(X軸方向)となっている。
このとき、第2マスク4Bのマスク部16及び偏光部19がそれぞれ基体15上に一体的に形成されているため、第1マスク4Aと第2マスク4Bとを保持部材11から着脱させるだけで偏光光の偏光方向及び偏光光の照射領域を容易に変更される。そして、一体的に形成されていることで、第1マスク4Aから第2マスク4Bへの交換後の偏光光の偏光方向及び照射領域の調整精度が向上する。
そして、このような偏光方向を有する偏光光を配向膜形成材料層81のうち透過表示領域Tと対応する領域に照射すると、配向膜形成材料層81のうち透過表示領域Tと対応する領域が矢印R4方向(X軸方向)に沿って配向される。
【0046】
その後、光配向処理が施された配向膜形成材料層81に対して焼成処理を施し、配向膜66を形成する。以上のように、第1マスク4Aと第2マスク4Bとを交換することで偏光光の偏光方向及び照射領域を調整しているので、光配向処理によって配向膜66を形成する第1及び第2光配向工程が短縮化される。
なお、配向膜73を形成する第1及び第2光配向工程は、配向膜66を形成する第1及び第2光配向工程と同様であるため、その説明を省略する。
【0047】
〔液晶表示装置の動作〕
次に、以上のように構成された液晶表示装置20の動作について説明する。ここで、図8は、液晶表示装置の画素電極に電圧を印加した状態(選択状態)における液晶分子の配向状態を示す平面図である。
【0048】
液晶表示装置20は、上述したようにIPS方式を用いた液晶表示装置であって、TFT素子22を介して画素電極21に画像信号(電圧)を印加することで、画素電極21と共通電極43との間に基板面方向の電界を生じさせ、この電界によって液晶を駆動する。そして、液晶表示装置20は、サブ画素領域ごとに透過率または反射率を変化させて画像表示を行う。
【0049】
図6に示すように、画素電極21に電圧を印加しない状態において、液晶層33のうち反射表示領域Rと対応する領域に配置されている液晶分子33aは、図6に示す矢印R1方向(X軸方向)に水平配向している。また、液晶層33のうち透過表示領域Tと対応する領域に配置されている液晶分子33aは、図6に示す矢印R2方向となっている。
そして、図8に示すように、液晶層33に対して画素電極21及び共通電極43を介して電界を作用させると、反射表示領域Rでは、図8に示す矢印R5方向に沿う電界が作用し、この矢印R5に沿って液晶分子33aが配向する。一方、透過表示領域Tでは、帯状電極21c、43dの延在方向が反射表示領域Rにおける帯状電極21b、43cの延在方向と異なっているため、反射表示領域Rとは異なる矢印R6方向(X軸方向)に沿う電界が作用し、この矢印R6に沿って液晶分子33aが配向する。
【0050】
次に、液晶表示装置20における表示動作について具体的に説明する。ここで、図9は、液晶表示装置の動作説明図である。なお、図9における矢印は、液晶表示装置に入射する光及び液晶表示装置中を進行する光の偏光状態を平面的に示したものである。また、図9中の左右方向が図6または図8のX軸方向に対応し、上下方向が図6または図8のY軸方向に対応する。
【0051】
まず、透過表示(透過表示モード)について説明する。液晶表示装置20において、照明光は、偏光板34を透過することで偏光板34の透過軸に沿う直線偏光に変換され、液晶層33に入射する。
そして、液晶層33がオフ状態(非選択状態)であれば、液晶層33に入射した直線偏光は、液晶層33により所定の位相差(1/2波長)を付与され、入射時の偏光方向から90°回転した直線偏光に変換されて液晶層33から射出する。そして、この直線偏光は、偏光板35の透過軸と平行であるため、偏光板35を透過して表示光として視認され、サブ画素領域が明表示となる。
【0052】
一方、液晶層33がオン状態(選択状態)であれば、液晶層33に入射した直線偏光は、入射時と同一の偏光状態で液晶層33から射出する。そして、この直線偏光は、直線偏光と直交する透過軸を有する偏光板35に吸収され、サブ画素領域が暗表示となる。
【0053】
次に、反射表示(反射表示モード)について説明する。反射表示において、偏光板35の上方(外側)から入射した光は、偏光板35を透過することで偏光板35の透過軸に沿う直線偏光に変換され、液晶層33に入射する。
そして、液晶層33がオフ状態(非選択状態)であれば、液晶層33に入射した直線偏光は、入射時と同一の偏光状態で反射層42に達する。その後、反射層42で反射した直線偏光は、再び液晶層33を透過して偏光板35に戻る。この直線偏光は、偏光板35の透過軸と平行であるため、偏光板35を透過して表示光として視認され、サブ画素領域が明表示となる。
【0054】
一方、液晶層33がオン状態(選択状態)であれば、液晶層33に入射した直線偏光は、液晶層33により所定の位相差(1/4波長)が付与され、左回りの円偏光に変換されて反射層42に達する。この左回りの円偏光が反射層42で反射すると、回転方向が反転するため、反射層42から液晶層33に入射する光は右回りの円偏光となっている。その後、右回りの円偏光は、液晶層33の作用により所定の位相差(1/4波長)が付与され、入射時の偏光方向から90°回転した直線偏光に変換されて液晶層33から射出する。そして、この直線偏光は、直線偏光と直交する透過軸を有する偏光板35に吸収され、サブ画素領域が暗表示となる。
【0055】
以上のように、本実施形態における第1及び第2マスク4A、4B及び液相表示装置の製造方法によれば、マスク部16と偏光部19とを一体化することで、それぞれの開口領域と偏光部19で偏光される偏光光の偏光方向とのずれを抑制し、偏光光の照射位置と偏光方向とを精度よく調整できる。そして、第1マスク4Aから開口形状及び偏光する偏光光の偏光方向の異なる第2マスク4Bに交換するだけで偏光方向及び照射領域を変更することができるので、偏光部19を第1及び第2マスク4A、4Bから分離した場合と比較して交換に要する時間の短縮化が図れる。このため、配向方向の異なる配向領域を複数有する配向膜66、73を容易に形成でき、液晶表示装置20の製造工程を短縮できる。
ここで、偏光部19が無機材料によって構成されているため、偏光部19の耐光性が向上する。また、保護膜18を枠体17に張設することで、マスク部16に塵などが付着することを防止して保護膜18の上面に塵などを付着させることで、塵などの像が偏光光の照射領域に写り込むことを防止できる。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態ではステッパ露光を行う露光装置であったが、例えば図10に示すような等倍一括露光を行うMPA(Mirror Projection Mask Aligner)のような露光装置90であってもよい。
この露光装置90は、光源2と等倍ミラー光学系91と第1及び第2マスク4C、4Dとステージ6とを備えている。そして、等倍ミラー光学系91は、照射光の光軸に沿って光源2側から順に配置された台形ミラー92と2つの凹面鏡93、94と円弧状のスリット95aが形成されたスリット部材95とを備えている。また、第1及び第2マスク4C、4Dは、保持部材11によって着脱可能に保持されている。
この露光装置90でも、第1及び第2マスク4C、4Dを交換することで偏光光の照射領域及び偏光方向を変更しながら配向膜形成材料層81、82への偏光光の照射を行う。
ここで、配向膜形成材料層81、82は、アゾベンゼン誘導体を含有する樹脂材料で構成されていることが好ましい。これは、アゾベンゼン誘導体を含有する樹脂材料が可逆性を有しているため、配向膜形成材料層81、82のうち反射表示領域Rと対応する領域に偏光光を照射するときに誤って透過表示領域Tと対応する領域に照射した場合であっても、透過表示領域Tと対応する領域に偏光光を照射することで透過表示領域Tにおける所定の配向方向とすることができるからである。
【0057】
また、マスクの偏光部は、例えばクロムなどの無機材料からなる無機材料膜をパターニングすることで形成されているが、ワイヤグリッドによって構成されてもよく、照射光に対して十分な耐光性が得られれば、例えば樹脂材料などの有機材料で構成されてもよい。ここで、偏光部を樹脂材料からなる偏光板によって構成する場合には、偏光板を接着剤などによって基体表面に接着固定することで偏光部を形成してもよい。
また、2つのマスクを交換することによって反射表示領域に対応する領域と透過表示領域に対応する領域との2つの配向領域を有する配向膜を形成しているが、3以上のマスクを交換することで、3以上の配向領域を有する配向膜を形成してもよい。
また、マスクが枠体及び保護膜を有しているが、塵などが付着してその像が照射領域に写り込むことが防止できれば、これらを設けなくてもよい。
また、露光装置は、光源から偏光した紫外線を配向膜形成材料層に照射しているが、配向膜形成材料層を構成する材料に配向処理が施されれば、紫外線に限られない。
【0058】
また、液晶表示装置は、反射表示領域に液晶層厚調整層を設けることで反射表示領域と透過表示領域とにおけるリタデーションの調整を行っているが、液晶層厚調整層を設けずに素子基板の外側に1/4波長板を設け、液晶層の層厚を1/4波長分の位相差が生じる厚さとすることによって各領域におけるリタデーションの調整を行ってもよい。
また、液晶表示装置は、配向方向の異なる複数の配向領域を有する配向膜を備える液晶表示装置であれば、IPS方式を用いた半透過反射型の液晶表示装置に限らず、例えばFFS(Fringe-Field Switching)方式を用いた半透過反射型の液晶表示装置など、他の横電界によって液晶層を駆動する方式を用いた液晶表示装置であってもよい。そして、半透過反射型の液晶表示装置に限られない。さらに、液晶表示装置は、横電界によって液晶層を駆動する方式に限られない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明のマスクを用いた露光装置を示す概略構成図である。
【図2】図1のマスクを示す断面図である。
【図3】図1の露光装置を用いて製造される液晶表示装置の回路構成図である。
【図4】液晶表示装置のサブ画素領域を示す平面構成図である。
【図5】図4のA−A’矢視断面図である。
【図6】サブ画素領域における液晶分子の配向状態を示す平面図である。
【図7】照射する偏光光の偏光方向及びマスクの開口状態を示す説明図である。
【図8】サブ画素領域における液晶分子の配向状態を示す平面図である。
【図9】液晶表示装置の動作説明図である。
【図10】本発明を適用可能な他の露光装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0060】
2 光源、4A,4C 第1マスク(マスク)、4B,4D 第2マスク(マスク)、11 保持部材、16a 開口、17 枠体、18 保護膜、19 偏光部、20 液晶表示装置、66,73 配向膜、81,82 配向膜形成材料層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配向膜形成材料層に照射光を照射する光配向工程を備える液晶表示装置の製造方法に用いられるマスクであって、
前記照射光を透過する開口と、
該開口に重なり、前記照射光を一の偏光方向を有する偏光光に偏光する偏光部を備えることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記偏光部が、無機材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記マスクの一方の側に、前記開口を規定する遮光パターンが設けられており、
前記マスクの他方の側に、前記偏光部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のマスク。
【請求項4】
前記一方の側に、前記遮光パターンを保護する保護膜を保持する枠体が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のマスク。
【請求項5】
配向方向の異なる複数の配向領域が設けられた配向膜を有する液晶表示装置の製造方法であって、
前記照射光を透過する開口と、前記開口に重なり前記照射光を一の偏光方向を有する偏光光に偏光する偏光部と、を備える第1マスクを介して、光源からの照射光を配向膜形成材料層に照射する第1光配向工程と、
前記第1マスクの開口に対応する配向領域とは異なる配向領域に対応する開口と、前記一の偏光方向とは異なる偏光方向を有する偏光光に偏光させる偏光部と、を備える第2マスクを介して、前記光源からの照射光を前記配向膜形成材料層に照射する第2光配向工程と、を備えることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−20706(P2008−20706A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192725(P2006−192725)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】