マットレス収縮管理
【課題】患者保持装置が椅子状態の離床位置(チェアイグレスポジション)に移動する間にサイズが変化する膨張式マットレスを有する患者保持装置を提供する。
【解決手段】患者保持装置は、リニアアクチュエータの動作により、足側デッキ部分を、大腿デッキ部分に対して相対的に移動させて、大腿デッキ部分の表面と足側デッキ部分の表面が可変の角度102を形成するようになり、水平方向ベッド位置から椅子状態の離床位置への病院用ベッドの移行において、大腿部分の袋組立品34および足側部分の袋組立品32が収縮する。
【解決手段】患者保持装置は、リニアアクチュエータの動作により、足側デッキ部分を、大腿デッキ部分に対して相対的に移動させて、大腿デッキ部分の表面と足側デッキ部分の表面が可変の角度102を形成するようになり、水平方向ベッド位置から椅子状態の離床位置への病院用ベッドの移行において、大腿部分の袋組立品34および足側部分の袋組立品32が収縮する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、膨張式マットレスを含む、患者保持装置に関連する。さらに具体的に言えば、本開示は、患者保持装置が椅子状態の離床位置(チェアイグレスポジション)に移動する間にサイズが変化する膨張式マットレスを有する患者保持装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
例えば、病院用ベッドなどの患者保持装置には、デッキ部分のサイズを変化させるための伸長可能または格納可能なデッキ部分が含まれ得る。例えば、患者保持装置には、患者保持装置上の患者の足を保持する足支えとしての役目をする足側デッキ部分が伸長可能または格納可能な、下腿を保持するデッキ部分が含まれ得る。Hill−Rom(登録商標) TotalCare(登録商標)ベッドなど、椅子状態の離床位置へ移動する患者保持装置では、足側デッキ部分は、足側デッキ部分が概ね垂直の位置に下降した時に床と衝突するのを防ぐために格納し得る。
【0003】
病院用ベッドが、椅子状態の離床位置へ移動するとき、病院用ベッドのマットレスの脚部は、離床の過程中に患者の脚に対して障害を呈する場合がある。マットレスはまた、ベッドの脚部の格納時に、サイズが小さくならなければならない。膨張式マットレスの場合には、マットレスを収縮させて、マットレスのサイズを減少させ得る。マットレスの素材は、脚部が収縮するときに、マットレスの脚部に空気によって提供される支持が不足するために、ときには床に垂れ下がることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、添付した請求項に詳説した1つ以上の特徴および/または単独あるいは任意の組み合わせにより特許性のある主題を構成し得る下記の特徴を開示する。
【0005】
本開示によれば、患者保持装置は、圧縮空気供給源、膨張式保持構造、および格納管理システムを含む。膨張式保持構造は、圧縮空気供給源と流体連通する袋組立品(bladder assembly)とを含む。格納管理システムは、袋組立品の膨張および収縮時に膨張式保持構造のサイズおよび位置を制御するための、袋組立品と釣り合って膨張式保持構造に作用するバイアス部材を含む。
【0006】
一部の実施態様において、患者保持装置はさらに、袋組立品内の圧力を変化させる圧縮空気供給源を制御するためのコントローラを含む。
【0007】
袋組立品は、長さ、幅、および深さを含み得る。格納管理システムは、深さ寸法を最小化するために、袋組立品に作用する弾性材料を含み得る。格納管理システムはまた、長さ寸法を最小化するためにも袋組立品に作用し得る。
【0008】
一部の実施態様において、格納管理システムのバイアス部材は、袋組立品の袋(bladder)内に形成される開口部を通過する。格納管理システムはさらに、袋組立品の袋内に形成される開口部を通過するバイアス部材の第一の端に結合されたアンカーを含み得る。格納管理システムはさらに、バイアス部材の第二の端に結合されたリテイナーを含み得る。バイアス部材は、袋の膨張および収縮時に袋の位置およびサイズを制御するために、リテイナーを袋に対して圧迫して、リテイナーがアンカーの方に向けて圧迫させられるようにし得る。
【0009】
一部の実施態様において、袋組立品は複数の隣接した袋を含み、バイアス部材は、それぞれの袋内に形成された開口部を通過する。リテイナーは、第一の袋に対して圧迫させられ、その第一の袋が隣接した袋に作用する。袋組立品の膨張および収縮時に袋組立品の位置およびサイズを制御するために、順次それぞれの袋が隣接した袋に作用する。
【0010】
一部の実施態様において、それぞれの袋は、それぞれの袋の開口部が隣接した袋の開口部と整列して複数の袋を通過する経路を形成するよう、複数の開口部が形成される。格納管理システムは、複数のバイアス部材を含み得るが、それぞれのバイアス部材は複数の袋により形成された別個の経路を通過する。それぞれのバイアス部材は、アンカーおよびリテイナーに結合し得るが、各リテイナーは袋組立品に作用して、袋組立品の膨張および収縮時に袋組立品の位置およびサイズを制御する。
【0011】
一部の実施態様において、患者保持装置はさらに、デッキ部分の長さを変化させるために延長および格納するアクチュエータと、圧力供給源およびアクチュエータに連結されたコントローラとを持つ可変長のデッキ部分を含む。コントローラは、袋組立品の膨張および収縮をアクチュエータの伸長および格納により調整する。
【0012】
格納管理システムはさらに、袋組立品の膨張および収縮時に袋組立品の深さを管理するために袋組立品に作用する深さ制御組立品を含み得る。深さ制御組立品は、袋組立品上に横たわる上側リテイナーおよび袋組立品の反対の横方向の側面に位置する一対のバイアス部材を含み得る。バイアス部材は、上側リテイナーを圧迫させて袋組立品を連動させ、袋組立品内の圧力により加わる力と深さ制御組立品により加わる力との間の釣り合いを維持することにより、袋組立品の深さを制御する。
【0013】
一部の実施態様において、深さ制御組立品のバイアス部材は、それぞれ一端で上側リテイナーと、反対側の端でデッキとに固定されている。
【0014】
深さ制御組立品はさらに、下側リテイナーを含み得る。バイアス部材は、それぞれ一端で上側リテイナー、また他端で下側リテイナーに固定され得る。次に、バイアス部材は、両方のリテイナーを圧迫させて、袋組立品内の圧力により加わる力と深さ制御組立品により加わる力との間の釣り合いを維持することにより、袋組立品の深さを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、伸長可能および格納可能な足側デッキ部分を含む患者保持装置の斜視図であり、患者保持装置は椅子状態の離床位置に移動可能である。
【図2】図2は、足側デッキ部分が上昇位置にある図1の患者保持装置の一部の側面図である。
【図3】図3は、図2と類似した図で、足側デッキ部分を下降及び格納した状態で、患者保持装置のマットレスの脚部が折りたたまれている。
【図4】図4は、袋本体内に形成された2つの開口部を含む袋の斜視図である。
【図5】図5は、図1の患者保持装置の足側端部の上面図であり、一部を除去して、袋組立品が膨張した状態で、マットレスの足側端部の袋組立品が見える。
【図6】図6は、袋組立品を部分的に膨張させた、図5の袋組立品の上面図である。
【図7】図7は、図6の線7−7に沿って切り取った図6の患者保持装置のマットレス断面図である。
【図8】図8は、格納管理システムを含むマットレスの別の実施態様の断面図である。
【図9】図9は、マットレスの深さが格納管理システムによって低減されている、図8と類似した図である。
【図10】図10は、格納管理システムを含むマットレスのさらに別の実施態様の断面図である。
【図11】図11は、マットレスの深さが格納管理システムによって低減されている、図10と類似した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1で示す病院用ベッド10として例証的に実施した患者保持装置は、下部フレーム12と下部フレーム12に対して相対的に移動可能な上部フレーム14とを含む。上部フレーム14は、2対のリフトアーム16および18上にそれぞれ保持されている。リフトアーム16は、概して下部フレーム12の足側端部108に位置し、リフトアーム18は、概して下部フレーム12の頭側端部110に位置する。病院用ベッド10の足側端部108および頭側端部110への言及は、方向の言及をすることを意図するものであって、病院用ベッド10の特定の任意の表面または要素に言及するものではない。図1の病院用ベッド10は、図1に示すとおり水平方向ベッド位置から椅子状態の離床位置に移動可能で、そこで病院用ベッド10の足側デッキ部分20が図3に示す概ね垂直な位置に下降する。病院用ベッド10に保持された患者は、病院用ベッド10の足側端部108から、座った姿勢で病院用ベッド10を離床又は退出し得る。
【0017】
図2〜図3に示すとおり、病院用ベッド10の足側デッキ部分20は、ベース22と、ベース22に対して相対的に移動可能で足側デッキ部分20の長さを変化させるエクステンダー24とを含む。足側デッキ部分20は、マットレス28の少なくとも一部分を保持する保持面26を定義する。保持面26は、サイズを変更可能で、足側デッキ部分20の長さを長くするためにエクステンダー24がベース22に対して相対的に移動するにつれてサイズが大きくなる。エクステンダー24は、ベース22で保持され、図1に示す完全な伸長位置と、図3に示す格納位置との間でベース22に対して相対的に移動可能である。
【0018】
ここで図2を参照するが、足側デッキ部分20は、足側デッキ部分20のベース22に対する第一の端112で接続されたアクチュエータ30によって作用するとき長さが変わる。アクチュエータ30の第二の端114は、エクステンダー24に接続されている。アクチュエータ30は、足側デッキ部分20を伸長及び格納させて、足側デッキ部分20の長さおよび保持面26のサイズを変化させる。
【0019】
足側デッキ部分20の伸長および格納は、さまざまな身長の患者を収容するために病院用ベッド10の長さを修正するために使用することができ、足側デッキ部分20が図3に示すとおり概ね垂直な位置に移動したとき、足側デッキ部分20を格納するために使用することもできる。図2および図3に示すとおり、足側デッキ部分20は、上部フレーム14上に保持され、上部フレーム14に対して相対的に旋回する。リニアアクチュエータ82は、足側デッキ部分20を保持するクランク84を、足側デッキ部分20に旋回するよう結合されているアーム86とクランク84のリンク88とを介して回転させる。リニアアクチュエータ82は、本体92に対して相対的に伸長及び格納するロッド90を含み、アクチュエータ82は、クランク84のリンク94に作用し、これが軸96を中心にクランクを回転させることになる。リニアアクチュエータ82の動作により、足側デッキ部分20を、大腿デッキ部分98に対して相対的に移動させて、大腿デッキ部分98の表面100と足側デッキ部分20の表面26が可変の角度102を形成するようになる。表面26と表面100との間の角度102は、足側デッキ部分20が病院用ベッド10上で仰向けの姿勢の患者を保持する位置にあるときに表面26および100の間で形成される平角に対して可変的である。図3に示すとおり、角度102は、足側デッキ部分20を病院用ベッド10が椅子状態の離床位置になるよう下降したとき、凡そ270°の大きさにまでなり得る。図2に示す椅子状態の離床位置において、上部フレーム14が椅子状態の離床位置まで下降したとき、足側デッキ部分20は完全に格納され、床104からの大腿デッキ部分98の高さ130を減少させる。
【0020】
上部フレーム14は、床104に対して傾斜角を変更可能で、少なくとも約7°増加して角度128を形成する。一部の実施態様において、角度128は、少なくとも15°にもし得る。この姿勢において、大腿デッキ部分98は、図3に示すとおり概ね水平の位置であり、椅子状態の離床位置を形成する。足側デッキ部分20が完全に格納された状態で、高さ130は、患者が病院用ベッド10の足側端部108から離床する位置を提供するために減少する。
【0021】
ここで図2を参照するが、マットレス28は、足側部分の袋組立品32、大腿部分の袋組立品34、および座席部分の袋組立品36を含む。マットレス28はまた、図3に示すとおり頭側部分の袋組立品39を含む。図2のマットレス28を図3のマットレス28と比較したときの差異に言及するが、図1の水平方向ベッド位置から図3の椅子状態の離床位置への病院用ベッド10の移行において、大腿部分の袋組立品34および足側部分の袋組立品32が、それぞれいくらかのレベルで収縮することがわかる。例えば、足側部分の袋組立品32の収縮により、足側部分の袋組立品32と、病院用ベッド10の足側端部108から離床しようとする患者との衝突が低減される。足側部分の袋組立品32の収縮は、足側部分の袋組立品32の領域でのマットレス構造の管理において課題を提起する。なぜなら、収縮によって、足側部分の袋組立品32を覆うために通常は使用される余分な材料が結果的に垂れ下がる状態になり、病院用ベッド10を退出する患者がつまずく危険をもたらす可能性があるからである。
【0022】
説明のための一実施態様において、袋38は、袋38の本体44内に形成される2つの開口部40および42を含む。袋38の本体44は、マットレス28上に保持されている患者の脚を保持する。図5に示すとおり、例示した足側部分の袋組立品32は、それぞれの袋38のそれぞれの開口部40が一列に並んで第一の経路を形成するように互いに隣接して配置された、5個の袋38を含む。同様に、それぞれの袋38の開口部42は、第二の経路を形成する。マットレス28は、マットレス28のベース50(図7に図示)に固定された2個のアンカー46および48を含む格納管理システム62を含む。弾性鎖52は、アンカー46に固定され、袋38の開口部40に位置する。第二の弾性鎖54は、アンカー48に固定され、隣接した袋38の開口部42内に位置する。鎖52は、フットボード60に最も近い袋38の足側端部108側に位置するリテイナー56に固定される。鎖54は、フットボード60に最も近い袋38の足側端部108側に位置するリテイナー58に固定される。リテイナー56および58は、マットレス28の残りの部分に対して浮動した状態にある。
【0023】
ここで、図6を参照するが、鎖52および54は、袋38の位置およびサイズを制御するために収縮すると袋38に作用する。足側部分の袋組立品32にあるすべての袋38は、互いに流体連通しているため、すべて同一の圧力である。リテイナー56および58は、フットボード60に最も近い袋38に作用し、それを隣の袋38に接して圧迫させる。袋38を収縮させたとき、袋38のサイズおよび位置を維持するために足側部分の袋組立品32が鎖52および54と釣り合った状態のままであるよう、鎖52および54は、袋38に作用する一定の力を提供する。
【0024】
図6に示す構成では、足側デッキ部分20は格納されており、足側部分の袋組立品32内の空気の容積が減少するように、足側部分の袋組立品32は通気されている。ところが、足側部分の袋組立品32内の圧力が必ずしも減少するわけではないことに注意すべきである。鎖52および54の張力により、足側部分の袋組立品32の動作圧力よりも弱い袋38に作用する圧力が生じ、鎖は袋38内の圧力を認識できるほどは増大させず、足側部分の袋組立品32の位置を制御するだけである。
【0025】
ここで図7を参照するが、足側端部108に最も近い袋38を、足側端部108から図示したもので、袋38に作用するリテイナー56および58を示している。リテイナー56および58は、開口部40および42を通過する鎖52および54と連動し、板56および58にそれぞれファスナー76および78で固定されたポリマー製の板である。袋38は、本体44およびマットレス28の溝68内に位置するキー66を含む。マットレス28は例証的に発泡体側壁70および72と発泡体ベース50とを含む。側壁70、72および溝68の形状は、マットレス28の縦方向の長さに沿った袋38の方向の維持を助ける。
【0026】
側壁70、72にはそれぞれ、図6に示すとおり、足側デッキ部分20が格納されるとつぶれる、オープンスペースになった多数の穿孔80が形成されている。こうして、側壁70および72は、収縮時に袋38を保持し誘導するために必要な形状を維持する。図7からわかるとおり、マットレスは、マットレス28の構成要素を包む丈夫な亜麻布(ticking)132で包まれている。
【0027】
図8および図9に示す袋組立品132の別の実施態様において、袋138は上側リテイナー142および下側リテイナー144を含む格納管理システム140で包まれている。上側リテイナー142および下側リテイナー144は、袋組立品132の反対側に位置する第一のバイアス部材146および第二のバイアス部材148で接続されている。図8および図9では1つの袋138のみが見えるが、足側部分の袋組立品32の構成と同様に、複数の袋138が互いに隣接して位置し得ることが理解されるべきである。袋組立品132内の空気の容積が減少したとき、格納管理システム140は、袋138をまとめて保持し、図8と図9との深さ150の変化で示すとおり、袋組立品132の深さ150を減少させることにより、袋138の位置を制御する。バイアス部材146および148は、袋組立品132が収縮したとき、袋138の位置を制御するのに十分な力を発生させる。
【0028】
さらに、図10および図11に示す別の実施態様において、袋組立品162のための格納管理システム160は、マットレス228の反対側に位置する2個のバイアス部材164および166を含む。格納管理システム160はまた、バイアス部材164および166を足側デッキ部分20に固定する2個のアンカー168および170も含む。2個のリテイナー172および174は、丈夫な亜麻布176の上部表面180にわたり張力178が生じるように、バイアス部材164および166をマットレス228の丈夫な亜麻布176に固定する。袋組立品162が収縮すると、バイアス部材164および166によって、マットレス228の深さ182が減少するように、丈夫な亜麻布176の上部表面180が足側デッキ部分20の方向に引っ張られる。すべての余分な材料が、丈夫な亜麻布176の上部表面180とバイアス部材164および166との間に引き込まれてそこに収納され、材料がデッキ部分20の近接位置に維持されるようになる。
【0029】
一部の実施態様において、足側部分の袋組立品32に関連して開示された袋を貫く開口部の使用は、格納管理システム140および160と関連して使用することもできることが意図されている。こうして、複合的な格納管理システムは、袋組立品の長さと深さの両方を複合的格納管理システムによって制御し得るように、格納管理システム140または160と併用する格納管理システム62と類似した格納管理システムを含み得る。
【0030】
一定の例証的な実施態様について上記に詳細に説明してきたが、下記の請求項で説明および定義されるこの開示内容の範囲および精神内で、変形や変更が存在する。
【技術分野】
【0001】
本開示は、膨張式マットレスを含む、患者保持装置に関連する。さらに具体的に言えば、本開示は、患者保持装置が椅子状態の離床位置(チェアイグレスポジション)に移動する間にサイズが変化する膨張式マットレスを有する患者保持装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
例えば、病院用ベッドなどの患者保持装置には、デッキ部分のサイズを変化させるための伸長可能または格納可能なデッキ部分が含まれ得る。例えば、患者保持装置には、患者保持装置上の患者の足を保持する足支えとしての役目をする足側デッキ部分が伸長可能または格納可能な、下腿を保持するデッキ部分が含まれ得る。Hill−Rom(登録商標) TotalCare(登録商標)ベッドなど、椅子状態の離床位置へ移動する患者保持装置では、足側デッキ部分は、足側デッキ部分が概ね垂直の位置に下降した時に床と衝突するのを防ぐために格納し得る。
【0003】
病院用ベッドが、椅子状態の離床位置へ移動するとき、病院用ベッドのマットレスの脚部は、離床の過程中に患者の脚に対して障害を呈する場合がある。マットレスはまた、ベッドの脚部の格納時に、サイズが小さくならなければならない。膨張式マットレスの場合には、マットレスを収縮させて、マットレスのサイズを減少させ得る。マットレスの素材は、脚部が収縮するときに、マットレスの脚部に空気によって提供される支持が不足するために、ときには床に垂れ下がることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、添付した請求項に詳説した1つ以上の特徴および/または単独あるいは任意の組み合わせにより特許性のある主題を構成し得る下記の特徴を開示する。
【0005】
本開示によれば、患者保持装置は、圧縮空気供給源、膨張式保持構造、および格納管理システムを含む。膨張式保持構造は、圧縮空気供給源と流体連通する袋組立品(bladder assembly)とを含む。格納管理システムは、袋組立品の膨張および収縮時に膨張式保持構造のサイズおよび位置を制御するための、袋組立品と釣り合って膨張式保持構造に作用するバイアス部材を含む。
【0006】
一部の実施態様において、患者保持装置はさらに、袋組立品内の圧力を変化させる圧縮空気供給源を制御するためのコントローラを含む。
【0007】
袋組立品は、長さ、幅、および深さを含み得る。格納管理システムは、深さ寸法を最小化するために、袋組立品に作用する弾性材料を含み得る。格納管理システムはまた、長さ寸法を最小化するためにも袋組立品に作用し得る。
【0008】
一部の実施態様において、格納管理システムのバイアス部材は、袋組立品の袋(bladder)内に形成される開口部を通過する。格納管理システムはさらに、袋組立品の袋内に形成される開口部を通過するバイアス部材の第一の端に結合されたアンカーを含み得る。格納管理システムはさらに、バイアス部材の第二の端に結合されたリテイナーを含み得る。バイアス部材は、袋の膨張および収縮時に袋の位置およびサイズを制御するために、リテイナーを袋に対して圧迫して、リテイナーがアンカーの方に向けて圧迫させられるようにし得る。
【0009】
一部の実施態様において、袋組立品は複数の隣接した袋を含み、バイアス部材は、それぞれの袋内に形成された開口部を通過する。リテイナーは、第一の袋に対して圧迫させられ、その第一の袋が隣接した袋に作用する。袋組立品の膨張および収縮時に袋組立品の位置およびサイズを制御するために、順次それぞれの袋が隣接した袋に作用する。
【0010】
一部の実施態様において、それぞれの袋は、それぞれの袋の開口部が隣接した袋の開口部と整列して複数の袋を通過する経路を形成するよう、複数の開口部が形成される。格納管理システムは、複数のバイアス部材を含み得るが、それぞれのバイアス部材は複数の袋により形成された別個の経路を通過する。それぞれのバイアス部材は、アンカーおよびリテイナーに結合し得るが、各リテイナーは袋組立品に作用して、袋組立品の膨張および収縮時に袋組立品の位置およびサイズを制御する。
【0011】
一部の実施態様において、患者保持装置はさらに、デッキ部分の長さを変化させるために延長および格納するアクチュエータと、圧力供給源およびアクチュエータに連結されたコントローラとを持つ可変長のデッキ部分を含む。コントローラは、袋組立品の膨張および収縮をアクチュエータの伸長および格納により調整する。
【0012】
格納管理システムはさらに、袋組立品の膨張および収縮時に袋組立品の深さを管理するために袋組立品に作用する深さ制御組立品を含み得る。深さ制御組立品は、袋組立品上に横たわる上側リテイナーおよび袋組立品の反対の横方向の側面に位置する一対のバイアス部材を含み得る。バイアス部材は、上側リテイナーを圧迫させて袋組立品を連動させ、袋組立品内の圧力により加わる力と深さ制御組立品により加わる力との間の釣り合いを維持することにより、袋組立品の深さを制御する。
【0013】
一部の実施態様において、深さ制御組立品のバイアス部材は、それぞれ一端で上側リテイナーと、反対側の端でデッキとに固定されている。
【0014】
深さ制御組立品はさらに、下側リテイナーを含み得る。バイアス部材は、それぞれ一端で上側リテイナー、また他端で下側リテイナーに固定され得る。次に、バイアス部材は、両方のリテイナーを圧迫させて、袋組立品内の圧力により加わる力と深さ制御組立品により加わる力との間の釣り合いを維持することにより、袋組立品の深さを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、伸長可能および格納可能な足側デッキ部分を含む患者保持装置の斜視図であり、患者保持装置は椅子状態の離床位置に移動可能である。
【図2】図2は、足側デッキ部分が上昇位置にある図1の患者保持装置の一部の側面図である。
【図3】図3は、図2と類似した図で、足側デッキ部分を下降及び格納した状態で、患者保持装置のマットレスの脚部が折りたたまれている。
【図4】図4は、袋本体内に形成された2つの開口部を含む袋の斜視図である。
【図5】図5は、図1の患者保持装置の足側端部の上面図であり、一部を除去して、袋組立品が膨張した状態で、マットレスの足側端部の袋組立品が見える。
【図6】図6は、袋組立品を部分的に膨張させた、図5の袋組立品の上面図である。
【図7】図7は、図6の線7−7に沿って切り取った図6の患者保持装置のマットレス断面図である。
【図8】図8は、格納管理システムを含むマットレスの別の実施態様の断面図である。
【図9】図9は、マットレスの深さが格納管理システムによって低減されている、図8と類似した図である。
【図10】図10は、格納管理システムを含むマットレスのさらに別の実施態様の断面図である。
【図11】図11は、マットレスの深さが格納管理システムによって低減されている、図10と類似した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1で示す病院用ベッド10として例証的に実施した患者保持装置は、下部フレーム12と下部フレーム12に対して相対的に移動可能な上部フレーム14とを含む。上部フレーム14は、2対のリフトアーム16および18上にそれぞれ保持されている。リフトアーム16は、概して下部フレーム12の足側端部108に位置し、リフトアーム18は、概して下部フレーム12の頭側端部110に位置する。病院用ベッド10の足側端部108および頭側端部110への言及は、方向の言及をすることを意図するものであって、病院用ベッド10の特定の任意の表面または要素に言及するものではない。図1の病院用ベッド10は、図1に示すとおり水平方向ベッド位置から椅子状態の離床位置に移動可能で、そこで病院用ベッド10の足側デッキ部分20が図3に示す概ね垂直な位置に下降する。病院用ベッド10に保持された患者は、病院用ベッド10の足側端部108から、座った姿勢で病院用ベッド10を離床又は退出し得る。
【0017】
図2〜図3に示すとおり、病院用ベッド10の足側デッキ部分20は、ベース22と、ベース22に対して相対的に移動可能で足側デッキ部分20の長さを変化させるエクステンダー24とを含む。足側デッキ部分20は、マットレス28の少なくとも一部分を保持する保持面26を定義する。保持面26は、サイズを変更可能で、足側デッキ部分20の長さを長くするためにエクステンダー24がベース22に対して相対的に移動するにつれてサイズが大きくなる。エクステンダー24は、ベース22で保持され、図1に示す完全な伸長位置と、図3に示す格納位置との間でベース22に対して相対的に移動可能である。
【0018】
ここで図2を参照するが、足側デッキ部分20は、足側デッキ部分20のベース22に対する第一の端112で接続されたアクチュエータ30によって作用するとき長さが変わる。アクチュエータ30の第二の端114は、エクステンダー24に接続されている。アクチュエータ30は、足側デッキ部分20を伸長及び格納させて、足側デッキ部分20の長さおよび保持面26のサイズを変化させる。
【0019】
足側デッキ部分20の伸長および格納は、さまざまな身長の患者を収容するために病院用ベッド10の長さを修正するために使用することができ、足側デッキ部分20が図3に示すとおり概ね垂直な位置に移動したとき、足側デッキ部分20を格納するために使用することもできる。図2および図3に示すとおり、足側デッキ部分20は、上部フレーム14上に保持され、上部フレーム14に対して相対的に旋回する。リニアアクチュエータ82は、足側デッキ部分20を保持するクランク84を、足側デッキ部分20に旋回するよう結合されているアーム86とクランク84のリンク88とを介して回転させる。リニアアクチュエータ82は、本体92に対して相対的に伸長及び格納するロッド90を含み、アクチュエータ82は、クランク84のリンク94に作用し、これが軸96を中心にクランクを回転させることになる。リニアアクチュエータ82の動作により、足側デッキ部分20を、大腿デッキ部分98に対して相対的に移動させて、大腿デッキ部分98の表面100と足側デッキ部分20の表面26が可変の角度102を形成するようになる。表面26と表面100との間の角度102は、足側デッキ部分20が病院用ベッド10上で仰向けの姿勢の患者を保持する位置にあるときに表面26および100の間で形成される平角に対して可変的である。図3に示すとおり、角度102は、足側デッキ部分20を病院用ベッド10が椅子状態の離床位置になるよう下降したとき、凡そ270°の大きさにまでなり得る。図2に示す椅子状態の離床位置において、上部フレーム14が椅子状態の離床位置まで下降したとき、足側デッキ部分20は完全に格納され、床104からの大腿デッキ部分98の高さ130を減少させる。
【0020】
上部フレーム14は、床104に対して傾斜角を変更可能で、少なくとも約7°増加して角度128を形成する。一部の実施態様において、角度128は、少なくとも15°にもし得る。この姿勢において、大腿デッキ部分98は、図3に示すとおり概ね水平の位置であり、椅子状態の離床位置を形成する。足側デッキ部分20が完全に格納された状態で、高さ130は、患者が病院用ベッド10の足側端部108から離床する位置を提供するために減少する。
【0021】
ここで図2を参照するが、マットレス28は、足側部分の袋組立品32、大腿部分の袋組立品34、および座席部分の袋組立品36を含む。マットレス28はまた、図3に示すとおり頭側部分の袋組立品39を含む。図2のマットレス28を図3のマットレス28と比較したときの差異に言及するが、図1の水平方向ベッド位置から図3の椅子状態の離床位置への病院用ベッド10の移行において、大腿部分の袋組立品34および足側部分の袋組立品32が、それぞれいくらかのレベルで収縮することがわかる。例えば、足側部分の袋組立品32の収縮により、足側部分の袋組立品32と、病院用ベッド10の足側端部108から離床しようとする患者との衝突が低減される。足側部分の袋組立品32の収縮は、足側部分の袋組立品32の領域でのマットレス構造の管理において課題を提起する。なぜなら、収縮によって、足側部分の袋組立品32を覆うために通常は使用される余分な材料が結果的に垂れ下がる状態になり、病院用ベッド10を退出する患者がつまずく危険をもたらす可能性があるからである。
【0022】
説明のための一実施態様において、袋38は、袋38の本体44内に形成される2つの開口部40および42を含む。袋38の本体44は、マットレス28上に保持されている患者の脚を保持する。図5に示すとおり、例示した足側部分の袋組立品32は、それぞれの袋38のそれぞれの開口部40が一列に並んで第一の経路を形成するように互いに隣接して配置された、5個の袋38を含む。同様に、それぞれの袋38の開口部42は、第二の経路を形成する。マットレス28は、マットレス28のベース50(図7に図示)に固定された2個のアンカー46および48を含む格納管理システム62を含む。弾性鎖52は、アンカー46に固定され、袋38の開口部40に位置する。第二の弾性鎖54は、アンカー48に固定され、隣接した袋38の開口部42内に位置する。鎖52は、フットボード60に最も近い袋38の足側端部108側に位置するリテイナー56に固定される。鎖54は、フットボード60に最も近い袋38の足側端部108側に位置するリテイナー58に固定される。リテイナー56および58は、マットレス28の残りの部分に対して浮動した状態にある。
【0023】
ここで、図6を参照するが、鎖52および54は、袋38の位置およびサイズを制御するために収縮すると袋38に作用する。足側部分の袋組立品32にあるすべての袋38は、互いに流体連通しているため、すべて同一の圧力である。リテイナー56および58は、フットボード60に最も近い袋38に作用し、それを隣の袋38に接して圧迫させる。袋38を収縮させたとき、袋38のサイズおよび位置を維持するために足側部分の袋組立品32が鎖52および54と釣り合った状態のままであるよう、鎖52および54は、袋38に作用する一定の力を提供する。
【0024】
図6に示す構成では、足側デッキ部分20は格納されており、足側部分の袋組立品32内の空気の容積が減少するように、足側部分の袋組立品32は通気されている。ところが、足側部分の袋組立品32内の圧力が必ずしも減少するわけではないことに注意すべきである。鎖52および54の張力により、足側部分の袋組立品32の動作圧力よりも弱い袋38に作用する圧力が生じ、鎖は袋38内の圧力を認識できるほどは増大させず、足側部分の袋組立品32の位置を制御するだけである。
【0025】
ここで図7を参照するが、足側端部108に最も近い袋38を、足側端部108から図示したもので、袋38に作用するリテイナー56および58を示している。リテイナー56および58は、開口部40および42を通過する鎖52および54と連動し、板56および58にそれぞれファスナー76および78で固定されたポリマー製の板である。袋38は、本体44およびマットレス28の溝68内に位置するキー66を含む。マットレス28は例証的に発泡体側壁70および72と発泡体ベース50とを含む。側壁70、72および溝68の形状は、マットレス28の縦方向の長さに沿った袋38の方向の維持を助ける。
【0026】
側壁70、72にはそれぞれ、図6に示すとおり、足側デッキ部分20が格納されるとつぶれる、オープンスペースになった多数の穿孔80が形成されている。こうして、側壁70および72は、収縮時に袋38を保持し誘導するために必要な形状を維持する。図7からわかるとおり、マットレスは、マットレス28の構成要素を包む丈夫な亜麻布(ticking)132で包まれている。
【0027】
図8および図9に示す袋組立品132の別の実施態様において、袋138は上側リテイナー142および下側リテイナー144を含む格納管理システム140で包まれている。上側リテイナー142および下側リテイナー144は、袋組立品132の反対側に位置する第一のバイアス部材146および第二のバイアス部材148で接続されている。図8および図9では1つの袋138のみが見えるが、足側部分の袋組立品32の構成と同様に、複数の袋138が互いに隣接して位置し得ることが理解されるべきである。袋組立品132内の空気の容積が減少したとき、格納管理システム140は、袋138をまとめて保持し、図8と図9との深さ150の変化で示すとおり、袋組立品132の深さ150を減少させることにより、袋138の位置を制御する。バイアス部材146および148は、袋組立品132が収縮したとき、袋138の位置を制御するのに十分な力を発生させる。
【0028】
さらに、図10および図11に示す別の実施態様において、袋組立品162のための格納管理システム160は、マットレス228の反対側に位置する2個のバイアス部材164および166を含む。格納管理システム160はまた、バイアス部材164および166を足側デッキ部分20に固定する2個のアンカー168および170も含む。2個のリテイナー172および174は、丈夫な亜麻布176の上部表面180にわたり張力178が生じるように、バイアス部材164および166をマットレス228の丈夫な亜麻布176に固定する。袋組立品162が収縮すると、バイアス部材164および166によって、マットレス228の深さ182が減少するように、丈夫な亜麻布176の上部表面180が足側デッキ部分20の方向に引っ張られる。すべての余分な材料が、丈夫な亜麻布176の上部表面180とバイアス部材164および166との間に引き込まれてそこに収納され、材料がデッキ部分20の近接位置に維持されるようになる。
【0029】
一部の実施態様において、足側部分の袋組立品32に関連して開示された袋を貫く開口部の使用は、格納管理システム140および160と関連して使用することもできることが意図されている。こうして、複合的な格納管理システムは、袋組立品の長さと深さの両方を複合的格納管理システムによって制御し得るように、格納管理システム140または160と併用する格納管理システム62と類似した格納管理システムを含み得る。
【0030】
一定の例証的な実施態様について上記に詳細に説明してきたが、下記の請求項で説明および定義されるこの開示内容の範囲および精神内で、変形や変更が存在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者保持装置であって、
圧縮空気供給源と、
前記圧縮空気供給源と流体連通する袋組立品を含む膨張式保持構造と、
袋組立品の膨張および収縮時に前記膨張式保持構造のサイズおよび位置を制御するための、袋組立品と釣り合って膨張式保持構造に作用するバイアス部材を含む格納管理システムとを備える
ことを特徴とする患者保持装置。
【請求項2】
前記患者保持装置がさらに、前記袋組立品内の圧力を変化させる圧縮空気供給源を制御するためのコントローラを含むことを特徴とする、請求項1に記載の患者保持装置。
【請求項3】
前記袋組立品が、長さ、幅、および深さを有し、格納管理システムが、深さ寸法を最小化するよう前記袋組立品に作用する弾性繊維を含むことを特徴とする、請求項1に記載の患者保持装置。
【請求項4】
前記格納管理システムが、前記長さ寸法を最小化するように前記袋組立品にも作用することを特徴とする、請求項3に記載の患者保持装置。
【請求項5】
前記袋組立品が、長さ、幅、および深さを有し、前記格納管理システムに、前記長さ寸法を最小化するよう前記袋組立品に作用する弾性繊維を含むことを特徴とする、請求項1に記載の患者保持装置。
【請求項6】
バイアス部材が前記袋組立品の袋内に形成される開口部を通過することを特徴とする、請求項5に記載の患者保持装置。
【請求項7】
前記格納管理システムが、前記袋組立品の袋内に形成された前記開口部を通過する前記バイアス部材の第一の端に結合されたアンカーをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の患者保持装置。
【請求項8】
前記格納管理システムが、前記袋内に形成された前記開口部を通過する前記バイアス部材の第二の端に結合されたリテイナーをさらに含み、その前記バイアス部材が前記リテイナーを前記袋に接して圧迫させ、前記袋の膨張および収縮時に前記袋の位置およびサイズを制御するように、前記リテイナーが前記アンカーの方へ向いて圧迫させられることを特徴とする、請求項7に記載の患者保持装置。
【請求項9】
前記袋組立品が、複数の隣接した袋を含み、前記バイアス部材がそれぞれの前記袋内に形成される開口部を通過し、前記リテイナーが第一の前記袋に接して圧迫させられ、またその前記第一の袋が隣接した袋に作用し、順次それぞれの前記袋が隣接した袋に作用して、前記袋組立品の膨張および収縮時に前記袋組立品の位置およびサイズを制御することを特徴とする、請求項8に記載の患者保持装置。
【請求項10】
それぞれの前記袋に複数の開口部が形成され、それぞれの前記袋の前記開口部が隣接した前記袋の前記開口部と整列して、複数の前記袋を通過する経路を形成し、前記格納管理システムが複数の前記バイアス部材を含み、それぞれの前記バイアス部材が複数の前記袋内に形成された別個の経路を通過することを特徴とする、請求項9に記載の患者保持装置。
【請求項11】
それぞれの前記バイアス部材は、アンカーおよびリテイナーに結合され、各リテイナーが前記袋組立品に作用して、前記袋組立品の膨張および収縮時に前記袋組立品の位置およびサイズを制御することを特徴とする、請求項10に記載の患者保持装置。
【請求項12】
前記患者保持装置が、デッキ部分の長さを変化させるために伸長及び格納するアクチュエータを有する可変長のデッキ部分と、前記圧力供給源および前記アクチュエータに接続されたコントローラとをさらに備え、その前記コントローラが前記袋組立品の膨張および収縮を前記アクチュエータの伸長および格納により調整することを特徴とする、請求項11に記載の患者保持装置。
【請求項13】
前記格納管理システムが、前記袋組立品に作用して前記袋組立品の膨張および収縮時に前記袋組立品の深さを管理する深さ制御組立品をさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載の患者保持装置。
【請求項14】
前記深さ制御組立品が前記袋組立品上に横たわる上側リテイナーと前記袋組立品の反対の横方向の側(lateral sides)に位置する一対のバイアス部材とを備え、その前記バイアス部材が前記上側リテイナーを圧迫して、前記袋組立品と連動して、前記袋組立品内の圧力により生じる力と前記深さ制御組立品により生じる力との間の釣り合いを維持することにより、前記袋組立品の深さを制御することを特徴とする、請求項13に記載の患者保持装置。
【請求項15】
前記深さ制御組立品がさらに下側リテイナーと、それぞれの一端が前記上側リテイナーに固定されて他端が前記下側リテイナーに固定された前記バイアス部材とを備え、その前記バイアス部材が両方の前記リテイナーを圧迫して、前記袋組立品内の圧力により生じる力と前記深さ制御組立品により生じる力との間の釣り合いを維持することにより、前記袋組立品の深さを制御することを特徴とする、請求項14に記載の患者保持装置。
【請求項16】
前記深さ制御組立品の前記バイアス部材が、それぞれ一端が前記上側リテイナーと、反対側の端が前記デッキと固定されることを特徴とする、請求項14に記載の患者保持装置。
【請求項17】
前記格納管理システムが、前記袋組立品に作用して前記袋組立品の膨張および収縮時に前記袋組立品の深さを管理する深さ制御組立品を備える
ことを特徴とする、請求項1に記載の患者保持装置。
【請求項18】
前記深さ制御組立品が前記袋組立品上に横たわる上側リテイナーと前記袋組立品の反対の横の側に位置する一対のバイアス部材とを備え、その前記バイアス部材が前記上側リテイナーを圧迫し、前記袋組立品内の圧力により生じる力と前記深さ制御組立品により生じる力との間の釣り合いを維持することにより、前記袋組立品の深さを制御するよう前記袋組立品と連動することを特徴とする、請求項17に記載の患者保持装置。
【請求項19】
前記深さ制御組立品がさらに下側リテイナーと、それぞれ一端が前記上側リテイナーと、反対側の端が前記下側リテイナーとに固定された前記バイアス部材とを備え、その前記バイアス部材が両方の前記リテイナーを圧迫して、前記袋組立品内の圧力により生じる力と前記深さ制御組立品により生じる力との間の釣り合いを維持することにより、前記袋組立品の深さを制御することを特徴とする、請求項18に記載の患者保持装置。
【請求項20】
患者保持装置がさらに、デッキ部分の長さを変化させるために伸長及び格納するアクチュエータを有する可変長の前記デッキ部分と、前記圧力供給源および前記アクチュエータに接続されたコントローラとを備え、その前記コントローラが前記袋組立品の膨張および収縮を前記アクチュエータの伸長および格納により調整し、また前記深さ制御組立品の前記バイアス部材がそれぞれ一端が前記上側リテイナーと、反対側の端が前記デッキとに固定されることを特徴とする、請求項18に記載の患者保持装置。
【請求項1】
患者保持装置であって、
圧縮空気供給源と、
前記圧縮空気供給源と流体連通する袋組立品を含む膨張式保持構造と、
袋組立品の膨張および収縮時に前記膨張式保持構造のサイズおよび位置を制御するための、袋組立品と釣り合って膨張式保持構造に作用するバイアス部材を含む格納管理システムとを備える
ことを特徴とする患者保持装置。
【請求項2】
前記患者保持装置がさらに、前記袋組立品内の圧力を変化させる圧縮空気供給源を制御するためのコントローラを含むことを特徴とする、請求項1に記載の患者保持装置。
【請求項3】
前記袋組立品が、長さ、幅、および深さを有し、格納管理システムが、深さ寸法を最小化するよう前記袋組立品に作用する弾性繊維を含むことを特徴とする、請求項1に記載の患者保持装置。
【請求項4】
前記格納管理システムが、前記長さ寸法を最小化するように前記袋組立品にも作用することを特徴とする、請求項3に記載の患者保持装置。
【請求項5】
前記袋組立品が、長さ、幅、および深さを有し、前記格納管理システムに、前記長さ寸法を最小化するよう前記袋組立品に作用する弾性繊維を含むことを特徴とする、請求項1に記載の患者保持装置。
【請求項6】
バイアス部材が前記袋組立品の袋内に形成される開口部を通過することを特徴とする、請求項5に記載の患者保持装置。
【請求項7】
前記格納管理システムが、前記袋組立品の袋内に形成された前記開口部を通過する前記バイアス部材の第一の端に結合されたアンカーをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の患者保持装置。
【請求項8】
前記格納管理システムが、前記袋内に形成された前記開口部を通過する前記バイアス部材の第二の端に結合されたリテイナーをさらに含み、その前記バイアス部材が前記リテイナーを前記袋に接して圧迫させ、前記袋の膨張および収縮時に前記袋の位置およびサイズを制御するように、前記リテイナーが前記アンカーの方へ向いて圧迫させられることを特徴とする、請求項7に記載の患者保持装置。
【請求項9】
前記袋組立品が、複数の隣接した袋を含み、前記バイアス部材がそれぞれの前記袋内に形成される開口部を通過し、前記リテイナーが第一の前記袋に接して圧迫させられ、またその前記第一の袋が隣接した袋に作用し、順次それぞれの前記袋が隣接した袋に作用して、前記袋組立品の膨張および収縮時に前記袋組立品の位置およびサイズを制御することを特徴とする、請求項8に記載の患者保持装置。
【請求項10】
それぞれの前記袋に複数の開口部が形成され、それぞれの前記袋の前記開口部が隣接した前記袋の前記開口部と整列して、複数の前記袋を通過する経路を形成し、前記格納管理システムが複数の前記バイアス部材を含み、それぞれの前記バイアス部材が複数の前記袋内に形成された別個の経路を通過することを特徴とする、請求項9に記載の患者保持装置。
【請求項11】
それぞれの前記バイアス部材は、アンカーおよびリテイナーに結合され、各リテイナーが前記袋組立品に作用して、前記袋組立品の膨張および収縮時に前記袋組立品の位置およびサイズを制御することを特徴とする、請求項10に記載の患者保持装置。
【請求項12】
前記患者保持装置が、デッキ部分の長さを変化させるために伸長及び格納するアクチュエータを有する可変長のデッキ部分と、前記圧力供給源および前記アクチュエータに接続されたコントローラとをさらに備え、その前記コントローラが前記袋組立品の膨張および収縮を前記アクチュエータの伸長および格納により調整することを特徴とする、請求項11に記載の患者保持装置。
【請求項13】
前記格納管理システムが、前記袋組立品に作用して前記袋組立品の膨張および収縮時に前記袋組立品の深さを管理する深さ制御組立品をさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載の患者保持装置。
【請求項14】
前記深さ制御組立品が前記袋組立品上に横たわる上側リテイナーと前記袋組立品の反対の横方向の側(lateral sides)に位置する一対のバイアス部材とを備え、その前記バイアス部材が前記上側リテイナーを圧迫して、前記袋組立品と連動して、前記袋組立品内の圧力により生じる力と前記深さ制御組立品により生じる力との間の釣り合いを維持することにより、前記袋組立品の深さを制御することを特徴とする、請求項13に記載の患者保持装置。
【請求項15】
前記深さ制御組立品がさらに下側リテイナーと、それぞれの一端が前記上側リテイナーに固定されて他端が前記下側リテイナーに固定された前記バイアス部材とを備え、その前記バイアス部材が両方の前記リテイナーを圧迫して、前記袋組立品内の圧力により生じる力と前記深さ制御組立品により生じる力との間の釣り合いを維持することにより、前記袋組立品の深さを制御することを特徴とする、請求項14に記載の患者保持装置。
【請求項16】
前記深さ制御組立品の前記バイアス部材が、それぞれ一端が前記上側リテイナーと、反対側の端が前記デッキと固定されることを特徴とする、請求項14に記載の患者保持装置。
【請求項17】
前記格納管理システムが、前記袋組立品に作用して前記袋組立品の膨張および収縮時に前記袋組立品の深さを管理する深さ制御組立品を備える
ことを特徴とする、請求項1に記載の患者保持装置。
【請求項18】
前記深さ制御組立品が前記袋組立品上に横たわる上側リテイナーと前記袋組立品の反対の横の側に位置する一対のバイアス部材とを備え、その前記バイアス部材が前記上側リテイナーを圧迫し、前記袋組立品内の圧力により生じる力と前記深さ制御組立品により生じる力との間の釣り合いを維持することにより、前記袋組立品の深さを制御するよう前記袋組立品と連動することを特徴とする、請求項17に記載の患者保持装置。
【請求項19】
前記深さ制御組立品がさらに下側リテイナーと、それぞれ一端が前記上側リテイナーと、反対側の端が前記下側リテイナーとに固定された前記バイアス部材とを備え、その前記バイアス部材が両方の前記リテイナーを圧迫して、前記袋組立品内の圧力により生じる力と前記深さ制御組立品により生じる力との間の釣り合いを維持することにより、前記袋組立品の深さを制御することを特徴とする、請求項18に記載の患者保持装置。
【請求項20】
患者保持装置がさらに、デッキ部分の長さを変化させるために伸長及び格納するアクチュエータを有する可変長の前記デッキ部分と、前記圧力供給源および前記アクチュエータに接続されたコントローラとを備え、その前記コントローラが前記袋組立品の膨張および収縮を前記アクチュエータの伸長および格納により調整し、また前記深さ制御組立品の前記バイアス部材がそれぞれ一端が前記上側リテイナーと、反対側の端が前記デッキとに固定されることを特徴とする、請求項18に記載の患者保持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−139486(P2012−139486A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−268792(P2011−268792)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【出願人】(503278256)ヒル−ロム サービシズ,インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−268792(P2011−268792)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【出願人】(503278256)ヒル−ロム サービシズ,インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]