説明

マッピングテーブル生成装置、車両周辺画像生成装置およびマッピングテーブル生成方法

【課題】車両周辺画像において各撮像画像の繋ぎ目にズレを余り生じさせないような高精度のマッピングテーブルを、目標物を正確な位置に配置するという手間をかけずに生成することができる「マッピングテーブル生成装置、車両周辺画像生成装置およびマッピングテーブル生成方法」を提供する。
【解決手段】撮像範囲が重なるように配置した複数のカメラによって、複数の目標物が各撮像画像に撮像された複数の撮像画像の歪みを補正した複数の歪補正画像を視点変換し各画像内で目標物に係る画素領域の形状等を実際の目標物の形状等に基づき調整した第1画像と、各画像間で同一の目標物の形状等を一致させた第2画像と、車両の画素領域を除去した第3画像とを順次生成し、歪補正画像と第1画像、第1画像と第2画像、および、第2画像と第3画像とを関係付ける複数のパラメータからマッピングテーブルを生成するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッピングテーブル生成装置、車両周辺画像生成装置およびマッピングテーブル生成方法に関し、特に、車両に設置した複数のカメラによって撮像される複数の撮像画像から車両周辺画像を生成するときに参照されるマッピングテーブルを生成する場合に好適なマッピングテーブル生成装置、車両周辺画像生成装置およびマッピングテーブル生成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の前後左右に複数のカメラを設置し、複数のカメラにより車両の前後左右の周辺を撮影した複数の撮像画像から当該車両の上方正面を視点とする車両周辺画像を生成する技術が知られている。この技術では、複数の撮像画像の各画素(画素位置)と、生成されるべき車両周辺画像の各画素とを対応付けたテーブル(以下、マッピングテーブルという)を予め格納し、複数の撮像画像を取得した際にマッピングテーブルを参照して、複数の撮像画像から車両周辺画像を生成する。マッピングテーブルは、車両とその周辺に置くターゲットボード(サイズ、パターンなどは既知)との相対的な位置関係を既知の情報として、撮像画像上のターゲットボードの位置などから各カメラの設置位置を推定し、推定した各カメラの設置位置に基づいて車両の出荷前に生成される。
【0003】
しかしながら、高精度のマッピングテーブルを生成するためには、車両とターゲットボードとの相対的な既知の位置関係に従ってターゲットボードを正確に配置しなければならないが、ターゲットボードを正確な位置に配置するのは困難であり、手間もかかるという問題があった。なお、ターゲットボードを正確に配置するために、例えば、別途の器具などを用意する方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2001−285681号公報
【0004】
また、カメラ毎の設置位置を推定してマッピングテーブルを生成した場合、そのマッピングテーブルを参照して生成される車両周辺画像には、各カメラの各撮像画像の継ぎ目部分にズレが生じるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものである。すなわち、ターゲットボードを正確な位置に配置するという手間をかけずに高精度のマッピングテーブルを生成すること、および、生成される車両周辺画像において各カメラの各撮像画像の繋ぎ目部分にズレを余り生じさせないようなマッピングテーブルを生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明では、車両周辺画像において隣接して結合される2つの画像の元となる撮像画像の重複領域内に同一の被写体が撮像された複数の撮像画像の歪みを補正した複数の歪補正画像であって、それぞれが既知の形状およびサイズの被写体である複数の目標物に係る複数の画素領域を有する複数の歪補正画像から、車両の上方正面を視点とした複数の画像であって、各画像において各目標物に係る画素領域の形状を当該目標物の形状に一致させるともに、各画像において複数の目標物に係る画素領域のサイズの比率を当該複数の目標物のサイズの比率に一致させた複数の第1画像を生成し、歪補正画像と第1画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第1パラメータを取得し、複数の第1画像から、複数の画像であって、複数の画像間において同一の目標物に係る画素領域の形状およびサイズを一致させた複数の第2画像を生成し、第1画像と第2画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第2パラメータを取得し、複数の第2画像から、複数の第2画像を処理した複数の画像であって、処理後の複数の画像を結合した結合画像において車両に係る画素領域が除去されるように複数の第2画像を処理した複数の第3画像を生成し、第2画像と第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第3パラメータを取得し、取得した第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータを用いてマッピングテーブルを生成するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成した本発明によれば、車両に設置された複数のカメラの設置位置を推定し、マッピングテーブルを生成するのではなく、実際に、車両周辺画像を生成すべく複数のカメラによって撮像された撮像画像に基づいて画像の位置合わせが行われ、位置合わせの過程で得られる種々のパラメータを用いてマッピングテーブルが生成される。これにより、複数のカメラの設置位置を推定するために前提となるターゲットボードを正確な位置に配置するという困難かつ手間のかかる作業が不要となり、複数のカメラによって撮像される位置にターゲットボードを配置するだけで、高精度のマッピングテーブルを生成することができる。
【0008】
また、上記のように構成した本発明によれば、隣接する画像との継ぎ目部分のズレが生じないように上述の位置合わせが行われ、位置合わせの過程で得られる種々のパラメータを用いてマッピングテーブルが生成される。これにより、生成される車両周辺画像において各カメラの各撮像画像の繋ぎ目部分にズレを余り生じさせないようなマッピングテーブルを生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の車両周辺画像生成装置10の構成例を示す図である。図2は、複数のカメラ、ターゲットボード500などの配置例を示す図である。車両周辺画像生成装置10は、車両に搭載される。
【0010】
図1に示すように、車両周辺画像生成装置10は、車両の前方を撮像する前方カメラ110a、車両の右側方を撮像する右側方カメラ110b、車両の後方を撮像する後方カメラ110cおよび車両の左側方を撮像する左側方カメラ110d、マッピングテーブル格納部120、車両画像格納部130、歪補正画像生成部140、車両周辺画像生成部150、表示部160を備えるとともに、マッピングテーブル生成装置20(本発明のマッピングテーブル生成装置に相当)を備えて構成される。以下、前方カメラ110a、右側方カメラ110b、後方カメラ110cおよび左側方カメラ110dを総称して「4つのカメラ」という。4つのカメラはそれぞれ、焦点距離が短いレンズ(例えば、魚眼レンズ)を有する。
【0011】
車両周辺画像生成装置10は、前方カメラ110aによって撮像された撮像画像(以下、「前方撮像画像」という)の歪みを補正した画像(以下、「前方歪補正画像」という)、右側方カメラ110bによって撮像された撮像画像(以下、「右側方撮像画像」という)の歪みを補正した画像(以下、「右側方歪補正画像」という)、後方カメラ110cによって撮像された撮像画像(以下、「後方撮像画像」という)の歪みを補正した画像(以下、「後方歪補正画像」という)および左側方カメラ110dによって撮像された撮像画像(以下、「左側方撮像画像」という)の歪みを補正した画像(以下、「左側方歪補正画像」という)から、入力画像の画素位置と出力画像の画素位置とを対応付けたテーブル(以下、「マッピングテーブル」という)を参照して、当該車両の上方正面を視点とする画像(以下、「車両周辺画像」という)を生成する。以下、前方撮像画像、右側方撮像画像、後方撮像画像および左側方撮像画像を総称して「撮像画像」という。また、前方歪補正画像、右側方歪補正画像、後方歪補正画像および左側方歪補正画像を総称して「歪補正画像」という。
【0012】
換言すれば、車両周辺画像生成装置10によって生成される車両周辺画像は、前方歪補正画像をマッピングテーブルによって再標本化(または再配列)した画像(以下、「前方再配列画像」という)と、右側方歪補正画像をマッピングテーブルによって再標本化した画像(以下、「右側方再配列画像」という)と、後方歪補正画像をマッピングテーブルによって再標本化した画像(以下、「後方再配列画像」という)と、左側方歪補正画像をマッピングテーブルによって再標本化した画像(以下、「左側方再配列画像」という)とを結合した画像である。なお、前方再配列画像は、右側方再配列画像および左側方撮像画像と車両周辺画像において隣接して結合される。また、後方再配列画像は、右側方再配列画像および左側方撮像画像と車両周辺画像において隣接して結合される。以下、前方再配列画像、右側方再配列画像、後方再配列画像および左側方再配列画像を総称して「再配列画像」という。
【0013】
4つのカメラはそれぞれ、車両の異なる位置であって、車両周辺画像において隣接して結合される再配列画像の元となる2つの撮像画像の重複撮像領域において同一の被写体が撮像されるような位置にそれぞれ設置される。すなわち、4つのカメラは、車両周辺画像において隣接して結合される2つの再配列画像の元となる撮像画像を撮像するカメラどうしが同一の被写体を撮像し得る共通の撮像範囲(以下、「共通撮像範囲」という)を有するように、車両上に設置される。
【0014】
具体的には、4つのカメラは、図2(a)に示す位置に設置される。すなわち、前方再配列画像と右側方再配列画像とは車両周辺画像において隣接して結合されるので、図2(a)に示すように、前方カメラ110aおよび右側方カメラ110bは、共通撮像範囲300a(ハッチングを付した範囲、以下、同様)を有するような位置に設置される。同様に、右側方再配列画像と後方再配列画像とは車両周辺画像において隣接して結合されるので、右側方カメラ110bおよび後方カメラ110cは、共通撮像範囲300bを有するような位置に設置される。後方再配列画像と左側方再配列画像とは車両周辺画像において隣接して結合されるので、後方カメラ110cおよび左側方カメラ110dは、共通撮像範囲300cを有するような位置に設置される。左側方再配列画像と前方再配列画像とは車両周辺画像において隣接して結合されるので、左側方カメラ110dおよび前方カメラ110aは、共通撮像範囲300dを有するような位置に設置される。
【0015】
4つのカメラは、前方撮像画像、右側方撮像画像、後方撮像画像および左側方撮像画像を歪補正画像生成部140に供給する。
【0016】
歪補正画像生成部140は、4つのカメラから前方撮像画像、右側方撮像画像、後方撮像画像および左側方撮像画像を取得する。歪補正画像生成部140は、前方撮像画像、右側方撮像画像、後方撮像画像および左側方撮像画像を取得した場合に、予め用意している所定の内部パラメータを用いて、それぞれの歪みを補正した前方歪補正画像、右側方歪補正画像、後方歪補正画像および左側方歪補正画像を生成する。
【0017】
歪補正画像生成部140は、前方歪補正画像、右側方歪補正画像、後方歪補正画像および左側方歪補正画像を車両周辺画像生成部150およびマッピングテーブル生成装置20に供給する。なお、歪補正画像生成部140は、ユーザからの指示を受け付ける操作部(非図示)がマッピングテーブルを生成すべき旨のユーザからの指示を受け付けた場合に、前方歪補正画像、右側方歪補正画像、後方歪補正画像および左側方歪補正画像をマッピングテーブル生成装置20に供給することが好ましい。
【0018】
マッピングテーブル格納部120は、マッピングテーブルを格納する。具体的には、マッピングテーブル格納部120は、マッピングテーブル生成装置20によって生成されたマッピングテーブルを格納する。車両画像記憶部130は、車両周辺画像に合成される車両の画像(以下、「車両画像」という)を格納する。
【0019】
車両周辺画像生成部150は、歪補正画像生成部140から前方歪補正画像、右側方歪補正画像、後方歪補正画像および左側方歪補正画像を取得する。車両周辺画像生成部150は、前方歪補正画像、右側方歪補正画像、後方歪補正画像および左側方歪補正画像を取得した場合に、マッピングテーブル格納部120に格納されたマッピングテーブルを参照して、上述の如く車両周辺画像を生成し、生成した車両周辺画像に車両画像記憶部130に記憶された車両画像を合成して表示部160に供給する。表示部160は、車両周辺画像生成部150から車両画像が合成された車両周辺画像を取得し、表示する。
【0020】
マッピングテーブル生成装置20は、図1に示すように、第1画像生成部210、第2画像生成部220、第3画像生成部230、パラメータ取得部260、パラメータ格納部270およびマッピングテーブル生成部280を備えて構成される。
【0021】
第1画像生成部210は、歪補正画像生成部140から歪補正画像を取得する。具体的には、第1画像生成部210は、既知の形状およびサイズであるターゲットボード(本発明の目標物に相当)が、各カメラの各共通撮像範囲に1個以上配置された状態で、4つのカメラによって撮像された4つの撮像画像の歪みを補正した4つの歪補正画像を歪補正画像生成部140から取得する。すなわち、第1画像生成部210は、各共通撮像範囲に配置された1個以上のターゲットボードが撮像されている前方撮像画像に係る前方歪補正画像、右側方撮像画像に係る右側方歪補正画像、後方撮像画像に係る後方歪補正画像、および、左側方撮像画像に係る左側方歪補正画像を歪補正画像生成部140から取得する。
【0022】
第1画像生成部210は、歪補正画像生成部140から取得した前方歪補正画像から、車両の上方正面を視点とした画像であって、前方歪補正画像上の複数のターゲットボードに係る複数の画素領域の形状をそれぞれのターゲットボードの形状に一致させるともに、前方歪補正画像上の複数のターゲットボードに係る複数の画素領域のサイズの比率を複数のターゲットボードのサイズの比率に一致させた画像(以下、「前方第1画像」という)を生成する。
【0023】
同様に、第1画像生成部210は、歪補正画像生成部140から取得した右側方歪補正画像から、車両の上方正面を視点とした画像であって、右側方歪補正画像上の複数のターゲットボードに係る複数の画素領域の形状をそれぞれのターゲットボードの形状に一致させるともに、右側方歪補正画像上の複数のターゲットボードに係る複数の画素領域のサイズの比率を複数のターゲットボードのサイズの比率に一致させた画像(以下、「右側方第1画像」という)を生成する。
【0024】
同様に、第1画像生成部210は、歪補正画像生成部140から取得した後方歪補正画像から、車両の上方正面を視点とした画像であって、後方歪補正画像上の複数のターゲットボードに係る複数の画素領域の形状をそれぞれのターゲットボードの形状に一致させるともに、後方歪補正画像上の複数のターゲットボードに係る複数の画素領域のサイズの比率を複数のターゲットボードのサイズの比率に一致させた画像(以下、「後方第1画像」という)を生成する。
【0025】
同様に、第1画像生成部210は、歪補正画像生成部140から取得した左側方歪補正画像から、車両の上方正面を視点とした画像であって、左側方歪補正画像上の複数のターゲットボードに係る複数の画素領域の形状をそれぞれのターゲットボードの形状に一致させるともに、左側方歪補正画像上の複数のターゲットボードに係る複数の画素領域のサイズの比率を複数のターゲットボードのサイズの比率に一致させた画像(以下、「左側方第1画像」という)を生成する。以下、前方第1画像、右側方第1画像、後方第1画像および左側方第1画像を総称する場合に「第1画像」という。第1画像生成部210は、生成した第1画像を第2画像生成部220に供給する。
【0026】
第2画像生成部220は、第1画像生成部210から第1画像を取得する。第2画像生成部220は、第1画像生成部210から取得した同一のターゲットボード(共通撮像範囲に配置されたターゲットボード)に係る画素領域を有する4つの第1画像から、同一のターゲットボードに係る画素領域の形状およびサイズを一致させた4つの第2画像(以下、前方第1画像から生成される画像を「前方第2画像」、右側方第1画像から生成される画像を「右側方第2画像」、後方第1画像から生成される画像を「後方第2画像」、左側方第1画像から生成される画像を「左側方第2画像」、総称する場合に「第2画像」という)を生成する。第2画像生成部220は、生成した第2画像を第3画像生成部230に供給する。
【0027】
第3画像生成部230は、第2画像生成部220から第2画像を取得する。第3画像生成部230は、第2画像生成部220から取得した第2画像から、前方第2画像、右側方第2画像、後方第2画像および左側方第2画像をそれぞれ処理した画像であって、処理後の各画像を結合した結合画像において車両に係る画素領域が除去されるように第2画像を処理した4つの画像(以下、前方第2画像から生成される画像を「前方第3画像」、右側方第2画像から生成される画像を「右側方第3画像」、後方第2画像から生成される画像を「後方第3画像」、左側方第2画像から生成される画像を「左側方第3画像」、総称する場合に「第3画像」という)を生成する。
【0028】
パラメータ取得部260は、第1画像生成部210が第1画像を生成した後に、歪補正画像と第1画像とを関係付ける関係式(以下、「第1関係式」という)において前方歪補正画像と前方第1画像とを関係付けるパラメータ(以下、「前方第1パラメータ」という)を第1画像生成部210から取得し、パラメータ格納部270に格納する。同様に、パラメータ取得部260は、第1関係式において右側方歪補正画像と右側方第1画像とを関係付けるパラメータ(以下、「右側方第1パラメータ」という)、第1関係式において後方歪補正画像と後方第1画像とを関係付けるパラメータ(以下、「後方第1パラメータ」という)、および、第1関係式において左側方歪補正画像と左側方第1画像とを関係付けるパラメータ(以下、「左側方第1パラメータ」という)を第1画像生成部210から取得し、パラメータ格納部270に格納する。以下、前方第1パラメータ、右側方第1パラメータ、後方第1パラメータおよび左側方第1パラメータを総称して第1パラメータという。
【0029】
また、パラメータ取得部260は、第2画像生成部220が第2画像を生成した後に、第1画像と第2画像とを関係付ける関係式(以下、「第2関係式」という)において前方第1画像と前方第2画像とを関係付けるパラメータ(以下、「前方第2パラメータ」という)を第2画像生成部220から取得し、パラメータ格納部270に格納する。同様に、パラメータ取得部260は、第2関係式において右側方第1画像と右側方第2画像とを関係付けるパラメータ(以下、「右側方第2パラメータ」という)、第2関係式において後方第1画像と後方第2画像とを関係付けるパラメータ(以下、「後方第2パラメータ」という)、および、第2関係式において左側方第1画像と左側方第2画像とを関係付けるパラメータ(以下、「左側方第2パラメータ」という)を第2画像生成部220から取得し、パラメータ格納部270に格納する。以下、前方第2パラメータ、右側方第2パラメータ、後方第2パラメータおよび左側方第2パラメータを総称して第2パラメータという。
【0030】
また、パラメータ取得部260は、第3画像生成部230が第3画像を生成した後に、第2画像と第3画像とを関係付ける関係式(以下、「第3関係式」という)において前方第2画像と前方第3画像とを関係付けるパラメータ(以下、「前方第3パラメータ」という)を第3画像生成部230から取得し、パラメータ格納部270に格納する。同様に、パラメータ取得部260は、第3関係式において右側方第2画像と右側方第3画像とを関係付けるパラメータ(以下、「右側方第3パラメータ」という)、第3関係式において後方第2画像と後方第3画像とを関係付けるパラメータ(以下、「後方第3パラメータ」という)、および、第3関係式において左側方第2画像と左側方第3画像とを関係付けるパラメータ(以下、「左側方第3パラメータ」という)を第3画像生成部230から取得し、パラメータ格納部270に格納する。以下、前方第3パラメータ、右側方第3パラメータ、後方第3パラメータおよび左側方第3パラメータを総称して第3パラメータという。第1関係式、第2関係式、第3関係式、第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータについては後述する。
【0031】
パラメータ格納部270は、パラメータ取得部260により取得された第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータを格納する。
【0032】
マッピングテーブル生成部280は、パラメータ格納部270から、パラメータ取得部260によって取得された第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータを取得する。マッピングテーブル生成部280は、取得した第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータから、マッピングテーブルを生成し、マッピングテーブル格納部120に格納する。なお、マッピングテーブル生成部280の動作の詳細は後述する。
【0033】
以下、上記のように構成したマッピングテーブル生成装置20の動作について具体例を用いて詳細に説明する。図3は、図1に示すマッピングテーブル生成装置20の動作の一例を示すフローチャートである。図4は、前方撮像画像、前方歪補正画像、前方第1画像および右側方第1画像の一例を模式的に示した図である。図5は、前方第2画像および右側方第2画像の一例を模式的に示した図である。図6は、第3画像の一例を模式的に示した図である。図7は、歪補正画像と第1画像とを関係付ける第1関係式、第1画像と第2画像とを関係付ける第2関係式の一例を示した図である。図8は、第2画像と第3画像とを関係付ける第3関係式、歪補正画像と第3画像とを関係付ける関係式の一例を示す図である。
【0034】
図3に示すフローチャートは、図2(a)に示す状態(既知の形状およびサイズであって既知のスプライト柄を表面に有するターゲットボード500aが共通撮像範囲300aに配置され、既知の形状およびサイズであって既知のスプライト柄を表面に有するターゲットボード500bが共通撮像範囲300bに配置され、既知の形状およびサイズであって既知のスプライト柄を表面に有するターゲットボード500cが共通撮像範囲300cに配置され、既知の形状およびサイズであって既知のスプライト柄を表面に有するターゲットボード500dが共通撮像範囲300dに配置されている状態)で撮像された前方撮像画像、右側方撮像画像、後方撮像画像、および、左側方撮像画像を歪補正画像生成部140が4つのカメラから取得することにより開始する。
【0035】
また、各ターゲットボード500上のスプライト柄は同一(スプライト柄を構成する黒丸の数、大きさ、位置は同一)であるものとする。また、各黒丸の数は、図2(b)に示す例において25個であるが、25個以外であってもよい。なお、図4、図5、図6においてターゲットボード500上のスプライト柄は省略している。
【0036】
図3において、歪補正画像生成部140は、前方撮像画像から、前方撮像画像の歪みを補正させた前方歪補正画像を生成する(ステップS100)。具体的には、歪補正画像生成部140は、図4(a)に示す前方撮像画像(ターゲットボード500dに係る画素領域510d、ターゲットボード500aに係る画素領域510a、および、当該車両の一部に係る画素領域410を有する)から、内部パラメータ(画像主点、焦点距離などのパラメータ)を用いて、図4(b)に示す前方歪補正画像(ターゲットボード500dに係る画素領域520d、ターゲットボード500aに係る画素領域520a、および、当該車両の一部に係る画素領域420を有する)を生成する。同様に、歪補正画像生成部140は、右側方撮像画像、後方撮像画像および左側方撮像画像から、右側方歪補正画像、後方歪補正画像および左側方歪補正画像を生成する(ステップS100)。歪補正画像生成部140は、生成した歪補正画像を第1画像生成部210に供給する。
【0037】
第1画像生成部210は、歪補正画像生成部140から歪補正画像を取得する。そして、第1画像生成部210は、取得した前方歪補正画像から前方第1画像を生成する(ステップS110)。
【0038】
具体的には、第1画像生成部210は、図4(b)に示す前方歪補正画像から、車両の上方正面を視点とした画像であって、ターゲットボード500dに係る画素領域520dの形状およびターゲットボード500aに係る画素領域520aの形状をターゲットボード500dおよびターゲットボード500aのそれぞれの形状に一致させるとともに、画素領域520dと画素領域520aとのサイズの比率をターゲットボード500dとターゲットボード500aとのサイズの比率に一致させた図4(c)に示す前方第1画像(ターゲットボード500dに係る画素領域530d、ターゲットボード500aに係る画素領域530a、および、当該車両の一部に係る画素領域430を有する)を生成する。
【0039】
より詳しくは、第1画像生成部210は、まず、図4(b)に示す前方歪補正画像上のターゲットボード500dに係る画素領域520d、および、ターゲットボード500aに係る画素領域520aに存在する25個の黒丸の領域(以下、「黒丸領域」という)をエッジ抽出により求める。
【0040】
次に、第1画像生成部210は、画素領域520dに存在する所定の2つの黒丸領域の中心間を結ぶ複数の距離(例えば、画素領域520dにおいて、中央に存在する黒丸領域の中心と右上角に存在する黒丸領域の中心とを結ぶ距離(以下、「距離a」という)、中央に存在する黒丸領域の中心と右下角に存在する黒丸領域の中心とを結ぶ距離(以下、「距離b」という)、中央に存在する黒丸領域の中心と左下角に存在する黒丸領域の中心とを結ぶ距離(以下、「距離c」という)、および、中央に存在する黒丸領域の中心と左上角に存在する黒丸領域の中心とを結ぶ距離(以下、「距離d」という))を算出する。
【0041】
同様に、1画像生成部210は、画素領域520aに存在する所定の2つの黒丸領域の中心間を結ぶ複数の距離(例えば、画素領域520aにおいて、中央に存在する黒丸領域の中心と右上角に存在する黒丸領域の中心とを結ぶ距離(以下、「距離e」という)、中央に存在する黒丸領域の中心と右下角に存在する黒丸領域の中心とを結ぶ距離(以下、「距離f」という)、中央に存在する黒丸領域の中心と左下角に存在する黒丸領域の中心とを結ぶ距離(以下、「距離g」という)、および、中央に存在する黒丸領域の中心と左上角に存在する黒丸領域の中心とを結ぶ距離(以下、「距離h」という))を算出する。
【0042】
そして、第1画像生成部210は、画素領域520d上において算出した複数の距離の比率(例えば、距離a:距離b:距離c:距離d)がターゲットボード500d上の実際の当該複数の距離の比率(例えば、図2(c)の距離A:距離B:距離C:距離D。なお、図2(c)では、説明上、黒丸を白丸にて示す)と一致し、画素領域520a上において算出した複数の距離の比率(例えば、距離e:距離f:距離g:距離h)がターゲットボード500a上の実際の当該複数の距離の比率(距離A:距離B:距離C:距離D)と一致し、かつ、画素領域520d上において算出した距離(例えば、距離a)と当該距離に対応する画素領域520a上の距離(例えば、距離aに対応する距離e)との比率(例えば、距離a:距離e)がターゲットボード500d上の当該距離とターゲットボード500a上の当該距離との比率(距離A:距離A=1:1)と一致するように、図4(b)に示す前方歪補正画像を視点変換した画像を回転、シフトさせることにより、図4(c)に示す前方第1画像を生成する。
【0043】
同様に、第1画像生成部210は、右側方歪補正画像、後方歪補正画像および左側方歪補正画像から、右側方第1画像、後方第1画像および左側方第1画像を生成する(ステップS110)。なお、図4(d)は、第1画像生成部210により生成された右側方第1画像(ターゲットボード500aに係る画素領域532a、ターゲットボード500bに係る画素領域532b、および、当該車両の一部に係る画素領域432を有する)を示す。
【0044】
なお、ターゲットボード500dとターゲットボード500aとが同一の形状およびサイズであるときは、第1画像生成部210は、図4(b)に示す前方歪補正画像から、前方歪補正画像上のターゲットボード500dに係る画素領域520dの形状およびサイズとターゲットボード500aに係る画素領域520aの形状およびサイズとを一致させることにより前方第1画像を生成してもよい。
【0045】
第1画像生成部210は、生成した第1画像を第2画像生成部220に供給する。また、第1画像生成部210は、歪補正画像から第1画像を生成したときの回転量およびシフト量をパラメータ取得部260に供給する。
【0046】
パラメータ取得部260は、第1パラメータとして、歪補正画像から第1画像を生成したときの回転量およびシフト量を第1画像生成部210から取得する(ステップS120)。具体的には、パラメータ取得部260は、前方歪補正画像と前方第1画像との関係に係る前方第1パラメータ(Δrx1a,Δry1a,Δrz1a,Δtx1a,Δty1a,Δtz1a)、右側方歪補正画像と右側方第1画像との関係に係る右側方第1パラメータ(Δrx1b,Δry1b,Δrz1b,Δtx1b,Δty1b,Δtz1b)、後方歪補正画像と後方第1画像との関係に係る後方第1パラメータ(Δrx1c,Δry1c,Δrz1c,Δtx1c,Δty1c,Δtz1c)、および、左側方歪補正画像と左側方第1画像との関係に係る左側方第1パラメータ(Δrx1d,Δry1d,Δrz1d,Δtx1d,Δty1d,Δtz1d)を第1画像生成部210から取得する。パラメータ取得部260は、取得した第1パラメータをパラメータ格納部270に格納する。
【0047】
なお、歪補正画像と第1画像との関係は、図7(a)に示す第1関係式によって示される。座標(x0n,y0n,z0n)は各カメラのカメラ座標系における歪補正画像の座標である。具体的には、座標(x0a,y0a,z0a)は前方カメラ110aのカメラ座標系における前方歪補正画像の座標、座標(x0b,y0b,z0b)は右側方カメラ110bのカメラ座標系における右側方歪補正画像の座標、座標(x0c,y0c,z0c)は後方カメラ110cのカメラ座標系における後方歪補正画像の座標、座標(x0d,y0d,z0d)は左側方カメラ110dのカメラ座標系における左側方歪補正画像の座標を示す(図8(b)において同じ)。
【0048】
座標(x1n,y1n,z1n)は車両の上方正面を視点とする座標系における第1画像の座標である。具体的には、座標(x1a,y1a,z1a)は上記座標系における前方第1画像の座標、座標(x1b,y1b,z1b)は上記座標系における右側方第1画像の座標、座標(x1c,y1c,z1c)は上記座標系における後方第1画像の座標、座標(x1d,y1d,z1d)は上記座標系における左側方第1画像の座標を示す(図7(b)において同じ)。
【0049】
Aは回転を行う行列、Bはシフトを行う行列を示す。第1パラメータを構成するΔrx1n(n=a,b,c,d)、Δry1n(n=a,b,c,d)およびΔrz1n(n=a,b,c,d)は、歪補正画像から第1画像への回転成分の変化量を示し、第1パラメータを構成するΔtx1n(n=a,b,c,d),Δty1n(n=a,b,c,d)およびΔtz1n(n=a,b,c,d)は歪補正画像から第1画像へのシフト成分の変化量を示す。
【0050】
第2画像生成部220は、第1画像生成部210から第1画像を取得する。そして、第2画像生成部220は、第1画像から第2画像を生成する(ステップS130)。
【0051】
具体的には、第2画像生成部220は、前方第1画像上のターゲット500aに係る画素領域(図5(a)に示す画素領域530a)の形状およびサイズが右側方第1画像上のターゲット500aに係る画素領域(図5(a)に示す画素領域532a)の形状およびサイズと一致し、右側方第1画像上のターゲット500bに係る画素領域(図5(a)に示す画素領域532b)の形状およびサイズが後方第1画像上のターゲット500bに係る画素領域(非図示)の形状およびサイズと一致し、後方第1画像上のターゲット500cに係る画素領域(非図示)の形状およびサイズが左側方第1画像上のターゲット500cに係る画素領域(非図示)の形状およびサイズと一致し、かつ、左側方第1画像上のターゲット500dに係る画素領域(非図示)の形状およびサイズが前方第1画像上のターゲット500dに係る画素領域(図5(a)に示す画素領域530d)の形状およびサイズと一致するように、前方第1画像、右側方第1画像、後方第1画像および左側方第1画像を回転、シフトさせることにより、前方第2画像、右側方第2画像、後方第2画像および左側方第2画像を生成する。
【0052】
なお、図5(a)は、画素領域530aと画素領域532aとを一致させる回転、シフトの様子を模式的に示したものである。また、図5(b)は、第2画像生成部220により生成された前方第2画像(ターゲットボード500dに係る画素領域540d、ターゲットボード500aに係る画素領域540a、および、当該車両の一部に係る画素領域440を有する)の一例である。また、図5(c)は、第2画像生成部220により生成された右側方第2画像(ターゲットボード500aに係る画素領域542a、ターゲットボード500bに係る画素領域542b、および、当該車両の一部に係る画素領域442を有する)の一例である。
【0053】
なお、ターゲットボード500a、ターゲットボード500b、ターゲットボード500cおよびターゲットボード500dが同一の形状およびサイズであるときは、第2画像生成部220は、各ターゲットボード500に係る画素領域の形状およびサイズが一致するように、前方第1画像、右側方第1画像、後方第1画像および左側方第1画像を回転、シフトさせることにより、前方第2画像、右側方第2画像、後方第2画像および左側方第2画像を生成してもよい。
【0054】
第2画像生成部220は、生成した第2画像を第3画像生成部230に供給する。また、第2画像生成部220は、第1画像から第2画像を生成したときの回転量およびシフト量をパラメータ取得部260に供給する。
【0055】
パラメータ取得部260は、第2パラメータとして、第1画像から第2画像を生成したときの回転量およびシフト量を第2画像生成部220から取得する(ステップS140)。具体的には、パラメータ取得部260は、前方第1画像と前方第2画像との関係に係る前方第2パラメータ(Δrx2a,Δry2a,Δrz2a,Δtx2a,Δty2a,Δtz2a)、右側方第1画像と右側方第2画像との関係に係る右側方第2パラメータ(Δrx2b,Δry2b,Δrz2b,Δtx2b,Δty2b,Δtz2b)、後方第1画像と後方第2画像との関係に係る後方第2パラメータ(Δrx2c,Δry2c,Δrz2c,Δtx2c,Δty2c,Δtz2c)、および、左側方第1画像と左側方第2画像との関係に係る左側方第2パラメータ(Δrx2d,Δry2d,Δrz2d,Δtx2d,Δty2d,Δtz2d)を第2画像生成部220から取得する。パラメータ取得部260は、取得した第2パラメータをパラメータ格納部270に格納する。
【0056】
なお、第1画像と第2画像との関係は、図7(b)に示す第2関係式によって示される。座標(x2n,y2n,z2n)は車両の上方正面を視点とする座標系における第2画像の座標である。具体的には、座標(x2a,y2a,z2a)は上記座標系における前方第2画像の座標、座標(x2b,y2b,z2b)は上記座標系における右側方第2画像、座標(x2c,y2c,z2c)は上記座標系における後方第2画像の座標、座標(x2d,y2d,z2d)は上記座標系における左側方第2画像の座標を示す(図8(a)において同じ)。Cは回転を行う行列、Dはシフトを行う行列を示す。第2パラメータを構成するΔrx2n(n=a,b,c,d)、Δry2n(n=a,b,c,d)およびΔrz2n(n=a,b,c,d)は、第1画像から第2画像への回転成分の変化量を示し、第2パラメータを構成するΔtx2n(n=a,b,c,d),Δty2n(n=a,b,c,d)およびΔtz2n(n=a,b,c,d)は第1画像から第2画像へのシフト成分の変化量を示す。
【0057】
第3画像生成部230は、第2画像を第2画像生成部220から取得する。具体的には、第3画像生成部230は、図6(a)に示す前方第2画像、図6(b)に示す右側方第2画像、図6(c)に示す後方第2画像、および、図6(d)に示す左側方第2画像を取得する。ここで、前方第2画像、右側方第2画像、後方第2画像および左側方第2画像を単純に結合させた場合、車両の上方正面を視点とする車両の周辺の画像が生成されるものの、生成される画像において、前方第2画像上の車両の一部に係る画素領域440、右側方第2画像上の車両の一部に係る画素領域442、後方第2画像上の車両の一部に係る画素領域444、および、左側方第2画像上の車両の一部に係る画素領域446が存在してしまうことになる。そこで、第3画像生成部230は、第2画像から車両の一部に係る画素領域を除去した第3画像を生成する(ステップS150)。
【0058】
具体的には、第3画像生成部230は、図6(a)に示す前方第2画像が図6(i)に示す結合画像の一部となるように、前方第2画像上の車両の一部に係る画素領域440が除去されるように前方第2画像をシフトさせることにより図6(e)に示す前方第3画像(ターゲットボード500dに係る画素領域550d、および、ターゲットボード500aに係る画素領域550aを有する)を生成する。
【0059】
同様に、第3画像生成部230は、図6(b)に示す右側方第2画像が図6(i)に示す結合画像の一部となるように、右側方第2画像上の車両の一部に係る画素領域442が除去されるように前方第2画像をシフトさせることにより図6(f)に示す前方第3画像(ターゲットボード500aに係る画素領域552a、および、ターゲットボード500bに係る画素領域552bを有する)を生成する。
【0060】
同様に、第3画像生成部230は、図6(c)に示す後方第2画像が図6(i)に示す結合画像の一部となるように、後方第2画像上の車両の一部に係る画素領域444が除去されるように後方第2画像をシフトさせることにより図6(g)に示す後方第3画像(ターゲットボード500bに係る画素領域554b、および、ターゲットボード500cに係る画素領域554cを有する)を生成する。
【0061】
同様に、第3画像生成部230は、図6(d)に示す左側方第2画像が図6(i)に示す結合画像の一部となるように、左側方第2画像上の車両の一部に係る画素領域446が除去されるように左側方第2画像をシフトさせることにより図6(h)に示す後方第3画像(ターゲットボード500cに係る画素領域556c、および、ターゲットボード500aに係る画素領域556aを有する)を生成する。なお、図6(i)に示す結合画像は、車両の一部に係る画素領域が除去されることによって生成される車両周辺画像である(中央部分は車両画像が合成される)。第3画像生成部230は、第2画像から第3画像を生成したときのシフト量をパラメータ取得部260に供給する。
【0062】
パラメータ取得部260は、第3パラメータとして、第2画像から第3画像を生成したときのシフト量を第3画像生成部230から取得する(ステップS160)。具体的には、パラメータ取得部260は、前方第2画像と前方第3画像との関係に係る前方第3パラメータ(Δrx3a,Δry3a,Δrz3a,Δtx3a,Δty3a,Δtz3a)、右側方第2画像と右側方第3画像との関係に係る右側方第3パラメータ(Δrx3b,Δry3b,Δrz3b,Δtx3b,Δty3b,Δtz3b)、後方第2画像と後方第3画像との関係に係る後方第3パラメータ(Δrx3c,Δry3c,Δrz3c,Δtx3c,Δty3c,Δtz3c)、および、左側方第2画像と左側方第3画像との関係に係る左側方第3パラメータ(Δrx3d,Δry3d,Δrz3d,Δtx3d,Δty3d,Δtz3d)を第3画像生成部230から取得する。パラメータ取得部260は、取得した第3パラメータをパラメータ格納部270に格納する。
【0063】
なお、第2画像と第3画像との関係は、図8(a)に示す第3関係式によって示される。座標(x3n,y3n,z3n)は車両の上方正面を視点とする座標系における第3画像の座標である。具体的には、座標(x3a,y3a,z3a)は上記座標系における前方第3画像の座標、座標(x3b,y3b,z3b)は上記座標系における右側方第3画像、座標(x3c,y3c,z3c)は上記座標系における後方第3画像の座標、座標(x3d,y3d,z3d)は上記座標系における左側方第3画像の座標を示す(図8(b)において同じ)。Eは回転を行う行列、Fはシフトを行う行列を示す。第3パラメータを構成するΔrx3n(n=a,b,c,d)、Δry3n(n=a,b,c,d)およびΔrz3n(n=a,b,c,d)は、第2画像から第3画像への回転成分の変化量を示し、第3パラメータを構成するΔtx3n(n=a,b,c,d),Δty33n(n=a,b,c,d)およびΔtz3n(n=a,b,c,d)は第2画像から第3画像へのシフト成分の変化量を示す。ただし、第3画像は、第2画像を回転させていないので、Δrx3n,Δry3n,Δrz3nはゼロとなる。
【0064】
マッピングテーブル生成部280は、第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータをパラメータ格納部270から取得する。マッピングテーブル生成部280は、歪補正画像と第3画像とを関係付ける図8(b)に示す関係式におけるパラメータ(Δrxn,Δryn,Δrzn,Δtxn,Δtyn、Δtzn)であって前方歪補正画像と前方第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータ(Δrxa,Δrya,Δrza,Δtxa,Δtya,Δtza)を算出する。
【0065】
具体的には、マッピングテーブル生成部280は、前方第1パラメータ(Δrx1a,Δry1a,Δrz1a,Δtx1a,Δty1a,Δtz1a)、前方第2パラメータ(Δrx2a,Δry2a,Δrz2a,Δtx2a,Δty2a,Δtz2a)および前方第3パラメータ(Δrx3a,Δry3a,Δrz3a,Δtx3a,Δty3a,Δtz3a)の各要素を加算して、前方歪補正画像と前方第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータ(Δrx1a+Δrx2a,Δry1a+Δry2a,Δrz1a+Δrz2a,Δtx1a+Δtx2a+Δtx3a,Δty1a+Δty2a+Δty3a,Δtz1a+Δtz2a+Δtz3a)を算出する(Δrx3a,Δry3a,Δrz3aはゼロ)。
【0066】
マッピングテーブル生成部280は、算出した前方歪補正画像と前方第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータを図8(b)に示す関係式に適用し、前方歪補正画像の各画素位置の変換後の画素位置(再標本化したときの画素位置)を算出する。例えば、マッピングテーブル生成部280は、ニアレストネイバー(nearest neighbor)、バイリニア補間(bilinear interpolation)、バイキュービック補間(bicubic interpolation)などの補間法を使用して、変換後の画素位置を算出する。マッピングテーブル生成部280は、前方歪補正画像の画素位置とその変換後の画素位置とを対応付けたテーブル(以下、「前方テーブル」という)を生成する。
【0067】
同様に、マッピングテーブル生成部280は、右側方歪補正画像と右側方第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータ(Δrxb,Δryb,Δrzb,Δtxb,Δtyb,Δtzb)を算出し、右側方歪補正画像の画素位置とその変換後の画素位置とを対応付けたテーブル(以下、「右側方テーブル」という)を生成する。また、マッピングテーブル生成部280は、後方歪補正画像と後方第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータ(Δrxc,Δryc,Δrzc,Δtxc,Δtyc,Δtzc)を算出し、後方歪補正画像の画素位置とその変換後の画素位置とを対応付けたテーブル(以下、「後方テーブル」という)を生成する。さらに、マッピングテーブル生成部280は、左側方歪補正画像と左側方第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータ(Δrxd,Δryd,Δrzd,Δtxd,Δtyd,Δtzd)を算出し、左側方歪補正画像の画素位置とその変換後の画素位置とを対応付けたテーブル(以下、「左側方テーブル」という)を生成する。
【0068】
そして、マッピングテーブル生成部280は、生成した前方テーブル、右側方テーブル、後方テーブルおよび左側方テーブルを合わせてマッピングテーブルとして生成する(ステップS170)。そして本フローチャートは終了する。なお、マッピングテーブル生成部280は、生成したマッピングテーブルをマッピングテーブル格納部120に供給する。
【0069】
以上、本実施形態によれば、実際に、車両周辺画像を生成すべく複数のカメラによって撮像された撮像画像に基づいて画像の位置合わせが行われ、位置合わせの過程で得られる第1パラメータ、第2パラメータおよび第3パラメータを用いてマッピングテーブルが生成される。これにより、ターゲットボード500を共通撮像範囲に配置するだけで、高精度のマッピングテーブルを生成することができる。
【0070】
なお、本実施形態によれば、第2画像生成部220によって、隣接して結合される画像どうしにおいて、ターゲットボード500の位置合わせが行われ、つまり、隣接して結合される画像どうしにズレが生じないように位置合わせが行われ、位置合わせの過程で得られる第2パラメータを用いてマッピングテーブルが生成される。これにより、生成される車両周辺画像において4つのカメラの4つの撮像画像の繋ぎ目部分にズレを余り生じさせないようなマッピングテーブルを生成することができる。
【0071】
また、本実施形態において、マッピングテーブル生成装置20は4つのカメラによって撮像される4つの撮像画像に基づいてマッピングテーブルを生成するが、車両周辺画像において隣接して結合される再配列画像の元となる撮像画像を撮像するカメラどうしが共通撮像範囲を有するように車両上に設置される、という条件を満たす限りにおいて3つまたは5つ以上のカメラによって撮像される3つまたは5つ以上の撮像画像に基づいてマッピングテーブルを生成してもよい。
【0072】
また、本実施形態は、マッピングテーブル生成装置20は、マッピングテーブル格納部120、車両画像格納部130、歪補正画像生成部140、車両周辺画像生成部150などとともに両周辺画像生成装置10に内蔵される形態であるが、マッピングテーブル生成装置20が両周辺画像生成装置10に内蔵されない形態、つまり、マッピングテーブル生成装置20がマッピングテーブル格納部120、車両画像格納部130、歪補正画像生成部140、車両周辺画像生成部150などと別体である形態であってもよい。
【0073】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態の車両周辺画像生成装置の構成例を示す図である。
【図2】複数のカメラ、ターゲットボードなどの配置例を示す図である。
【図3】図1に示すマッピングテーブル生成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】前方撮像画像、前方歪補正画像、前方第1画像および右側方第1画像の一例を模式的に示した図である。
【図5】前方第2画像および右側方第2画像の一例を模式的に示した図である。
【図6】第3画像の一例を模式的に示した図である。
【図7】歪補正画像と第1画像とを関係付ける第1関係式、第1画像と第2画像とを関係付ける第2関係式の一例を示した図である。
【図8】第2画像と第3画像とを関係付ける第3関係式、歪補正画像と第3画像とを関係付ける関係式の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
10 車両周辺画像生成装置
20 マッピングテーブル生成装置
120 マッピングテーブル格納部
130 車両画像格納部
140 歪補正画像生成部
150 車両周辺画像生成部
160 表示部
210 第1画像生成部
220 第2画像生成部
230 第3画像生成部
260 パラメータ取得部
270 パラメータ格納部
280 マッピングテーブル生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の上方正面を視点とする車両周辺画像の生成に用いられる複数の撮像画像を撮像するためにそれぞれが上記車両の異なる位置に設置された複数のカメラであって上記複数の撮像画像のうち上記車両周辺画像において隣接して結合される2つの画像の元となる上記撮像画像の重複撮像領域内に同一の被写体が撮像されるようにそれぞれが上記車両の異なる位置に設置された複数のカメラによって撮像された上記複数の撮像画像の歪みを補正した複数の歪補正画像から、上記車両周辺画像を生成するときに参照するマッピングテーブルを生成するマッピングテーブル生成装置であって、
各撮像画像が複数の上記重複撮像領域を有する複数の上記撮像画像であって、上記各撮像画像上の各重複撮像領域内に既知の形状およびサイズの被写体である目標物が撮像されている上記複数の上記撮像画像に係る複数の上記歪補正画像から、上記車両の上方正面を視点とした複数の画像であって、各画像内において上記各撮像画像上の上記各重複撮像領域内に撮像されている各目標物に係る画素領域の形状を当該各目標物の形状に一致させるともに、上記各画像内において上記各撮像画像上の上記複数の重複撮像領域内に撮像されている複数の目標物に係る画素領域のサイズの比率を当該複数の目標物のサイズの比率に一致させた複数の第1画像を生成する第1画像生成部と、
上記第1画像生成部によって生成された複数の上記第1画像から、複数の画像であって、上記複数の画像間において上記複数の第1画像上の同一の上記目標物に係る画素領域の形状およびサイズを一致させた複数の第2画像を生成する第2画像生成部と、
上記第2画像生成部によって生成された上記複数の第2画像から、上記複数の第2画像を処理した複数の画像であって、処理後の上記複数の画像を結合した結合画像において上記車両に係る画素領域が除去されるように上記複数の第2画像を処理した複数の第3画像を生成する第3画像生成部と、
上記第1画像生成部が上記歪補正画像から上記第1画像を生成した後に、上記歪補正画像と上記第1画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第1パラメータを取得し、上記第2画像生成部が上記第1画像から上記第2画像を生成した後に、上記第1画像と上記第2画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第2パラメータを取得し、上記第3画像生成部が上記第2画像から上記第3画像を生成した後に、上記第2画像と上記第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第3パラメータを取得するパラメータ取得部と、
上記パラメータ取得部によって取得された上記第1パラメータ、上記第2パラメータおよび上記第3パラメータを用いて上記マッピングテーブルを生成するマッピングテーブル生成部とを備えたことを特徴としたマッピングテーブル生成装置。
【請求項2】
車両の上方正面を視点とする車両周辺画像の生成に用いられる複数の撮像画像を撮像するためにそれぞれが上記車両の異なる位置に設置された複数のカメラであって上記複数の撮像画像のうち上記車両周辺画像において隣接して結合される2つの画像の元となる上記撮像画像の重複撮像領域内に同一の被写体が撮像されるようにそれぞれが上記車両の異なる位置に設置された複数のカメラと、
上記複数のカメラによって撮像される上記複数の撮像画像から、上記複数の撮像画像の歪みを補正した複数の歪補正画像を生成する歪補正画像生成部と、
上記歪補正画像生成部によって生成された上記複数の歪補正画像から上記車両周辺画像を生成するときに参照するマッピングテーブルを格納するマッピングテーブル格納部と、
上記歪補正画像生成部によって生成された上記複数を用いて、上記マッピングテーブル格納部に格納された上記マッピングテーブルを参照することにより上記車両周辺画像を生成する車両周辺画像生成部と、
各撮像画像が複数の上記重複撮像領域を有する複数の上記撮像画像であって、上記各撮像画像上の各重複撮像領域内に既知の形状およびサイズの被写体である目標物が撮像されている上記複数の上記撮像画像に係る複数の上記歪補正画像から、上記車両の上方正面を視点とした複数の画像であって、各画像内において上記各撮像画像上の上記各重複撮像領域内に撮像されている各目標物に係る画素領域の形状を当該各目標物の形状に一致させるともに、上記各画像内において上記各撮像画像上の上記複数の重複撮像領域内に撮像されている複数の目標物に係る画素領域のサイズの比率を当該複数の目標物のサイズの比率に一致させた複数の第1画像を生成する第1画像生成部と、
上記第1画像生成部によって生成された複数の上記第1画像から、複数の画像であって、上記複数の画像間において上記複数の第1画像上の同一の上記目標物に係る画素領域の形状およびサイズを一致させた複数の第2画像を生成する第2画像生成部と、
上記第2画像生成部によって生成された上記複数の第2画像から、上記複数の第2画像を処理した複数の画像であって、処理後の上記複数の画像を結合した結合画像において上記車両に係る画素領域が除去されるように上記複数の第2画像を処理した複数の第3画像を生成する第3画像生成部と、
上記第1画像生成部が上記歪補正画像から上記第1画像を生成した後に、上記歪補正画像と上記第1画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第1パラメータを取得し、上記第2画像生成部が上記第1画像から上記第2画像を生成した後に、上記第1画像と上記第2画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第2パラメータを取得し、上記第3画像生成部が上記第2画像から上記第3画像を生成した後に、上記第2画像と上記第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第3パラメータを取得するパラメータ取得部と、
上記パラメータ取得部によって取得された上記第1パラメータ、上記第2パラメータおよび上記第3パラメータを用いて上記マッピングテーブルを生成するマッピングテーブル生成部とを備えたことを特徴とした車両周辺画像生成装置。
【請求項3】
車両の上方正面を視点とする車両周辺画像の生成に用いられる複数の撮像画像を撮像するためにそれぞれが上記車両の異なる位置に設置された複数のカメラであって上記複数の撮像画像のうち上記車両周辺画像において隣接して結合される2つの画像の元となる上記撮像画像の重複撮像領域内に同一の被写体が撮像されるようにそれぞれが上記車両の異なる位置に設置された複数のカメラによって撮像された上記複数の撮像画像の歪みを補正した複数の歪補正画像から、上記車両周辺画像を生成するときに参照するマッピングテーブルを生成するマッピングテーブル生成方法であって、
各撮像画像が複数の上記重複撮像領域を有する複数の上記撮像画像であって、上記各撮像画像上の各重複撮像領域内に既知の形状およびサイズの被写体である目標物が撮像されている上記複数の上記撮像画像に係る複数の上記歪補正画像から、上記車両の上方正面を視点とした複数の画像であって、各画像内において上記各撮像画像上の上記各重複撮像領域内に撮像されている各目標物に係る画素領域の形状を当該各目標物の形状に一致させるともに、上記各画像内において上記各撮像画像上の上記複数の重複撮像領域内に撮像されている複数の目標物に係る画素領域のサイズの比率を当該複数の目標物のサイズの比率に一致させた複数の第1画像を生成する第1画像生成ステップと、
上記第1画像生成ステップによって生成された複数の上記第1画像から、複数の画像であって、上記複数の画像間において上記複数の第1画像上の同一の上記目標物に係る画素領域の形状およびサイズを一致させた複数の第2画像を生成する第2画像生成ステップと、
上記第2画像生成ステップによって生成された上記複数の第2画像から、上記複数の第2画像を処理した複数の画像であって、処理後の上記複数の画像を結合した結合画像において上記車両に係る画素領域が除去されるように上記複数の第2画像を処理した複数の第3画像を生成する第3画像生成ステップと、
上記第1画像生成ステップにより上記歪補正画像から上記第1画像を生成した後に、上記歪補正画像と上記第1画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第1パラメータを取得し、上記第2画像生成ステップにより上記第1画像から上記第2画像を生成した後に、上記第1画像と上記第2画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第2パラメータを取得し、上記第3画像生成ステップにより上記第2画像から上記第3画像を生成した後に、上記第2画像と上記第3画像とを関係付ける関係式におけるパラメータである第3パラメータを取得するパラメータ取得ステップと、
上記パラメータ取得ステップによって取得された上記第1パラメータ、上記第2パラメータおよび上記第3パラメータを用いて上記マッピングテーブルを生成するマッピングテーブル生成ステップとを備えたことを特徴としたマッピングテーブル生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−104323(P2009−104323A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274182(P2007−274182)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】