説明

マルチセルコンピューティングシステムにおけるクロック分配

【課題】マルチセルコンピューティングシステムにおけるクロック分配を実現する。
【解決手段】
本発明に係るシステムは、複数のプロセッサを有する複数の処理セルを備える。処理セルは、a)抽出されたクロックが複製されて、それぞれが処理セルのプロセッサに供給される複数のクロックを提供することと、b)抽出されたクロックが、クロック源と共に位相情報として使用されて、処理セルのプロセッサに供給される複数のクロックを提供することとの少なくとも1つで使用される、抽出されたクロックを受信する。抽出されたクロックは、データと結合され、少なくとも2つの処理セルがスイッチを介して互いに通信することを可能にするリンクにより処理セルへ送信された、符号化されたクロックから抽出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチセルコンピューティングシステムにおけるクロック分配に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチセルコンピュータシステムのさまざまなセルに提供されるクロックは、クロックが故障すると、そのクロックを使用するすべてのセルが故障することから、単一故障点(single point of failure)と呼ばれる場合がある。さらに、クロックの冗長性が望ましい状況では、クロック源からさまざまなセルへ冗長クロックを分配することによって、費用、チップにおけるピン数等が追加される可能性がある。このような問題を解決するために、1つのソリューションとして、セルごとにクロック源を使用するものがあり、その結果、異なるクロック源から独立したクロックが得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、クロック源が異なるために、クロックはもはや同期せず、すなわち、ドリフトする。すなわち、クロックは、異なる周期を有効にする(assert)。重要な用途では、小さなクロックドリフトであっても許容することができず、これら独立したクロックを同期させてドリフトを除去することには、複雑なメカニズムが必要とされる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施の形態は、マルチセルシステムの処理セルにおけるCPUへのクロックの分配に関する。一実施の形態では、各セルは、エージェントと呼ばれるインターフェースを含む。スイッチと呼ばれる複数のインターフェースは、セルのエージェントと共に、セルを接続する。クロック源は、クロックをスイッチに提供し、スイッチは、クロックを複製して、複製されたクロックを自身のポートに提供する。スイッチの各ポートは、複製されたクロックを受信し、この複製されたクロックを符号化して、セルの各エージェントへリンクを介して送信する。セルの各エージェントは、符号化されたクロックを受信して、この符号化されたクロックを復号し、その結果、復号された、又は抽出されたクロックが得られる。エージェントは、次に、抽出されたクロックを複製して、抽出されたクロックの複製をセルの複数のCPUに提供する。その結果、システムのすべてのセルのCPUは、すべてが、クロック源によって提供されるクロックと同期されたクロックを受信する。抽出されたクロックを位相情報として使用すること、スケーリング、冗長性等を含む他の実施の形態も開示される。
【0005】
本発明は、限定ではなく例として、添付図面の図に示される。添付図面において、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下の説明では、説明の目的で、本発明の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が述べられる。しかしながら、本発明は、これらの具体的な詳細がなくても実施できることが当業者には明らかであろう。それ以外の場合には、本発明を分かりにくくすることを回避するために、既知の構造及びデバイスは、ブロック図の形で示されている。
【0007】
[概要]
図1は、本発明の実施の形態を実施できるシステム100を示している。このシステム100は、複数の処理セル、たとえばセル110(1)〜110(N)、及び、複数のインターフェース又はスイッチ120、たとえば120(1)〜120(L)を含む。システム100は、複数のプロセッサ又はCPU(中央処理装置、図示せず)が個々のプロセスを同時に完了できるSMP(対称型マルチプロセシング)システムである。アイドルなCPUには、任意のタスクを割り当てることができ、付加的なCPUを追加して、性能を改善することができ、増加した負荷を取り扱うことができる。或るCPUがスレッドを初期化することができ、その後、別のCPUでそのスレッドが実行される。1つ又は複数の処理セル110を区画化して、オペレーティングシステムを実行するシステムを形成することができる。
【0008】
クロック源102は、クロックCLKを各ライン105でスイッチ120に提供する。スイッチ120のそれぞれは、次に、このクロックCLKを、符号化された形で且つデータと結合させて、ライン135で、各セル110のエージェント140に提供する。各セル110は、符号化され且つデータと結合されたクロックを受信すると、このようなクロックを抽出、すなわちクロックを復号し、復号されたクロックを複製し、複製されたクロックを自身のCPU(図示せず)に提供する。このような符号化/復号されたクロックの詳細を以下で説明することにする。一実施の形態では、クロックCLKは、200MHzで動作し、コンピュータシステムのバックプレーン基板に存在する。しかしながら、本発明の実施の形態は、クロックCLKの速度に限定されるものでもなければ、クロックCLKが存在する場所に限定されるものでもない。
【0009】
処理セル110は、複数のCPU、メモリ、キャッシュ等(これらのすべては図示せず)、及び、エージェント140を含む。処理セル110は、自身のエージェント140を介してスイッチ120とインターフェースする。一実施の形態では、スイッチ120は、エージェント140に相当する。しかしながら、本発明の実施の形態は、スイッチ120、エージェント140の構造に限定されるものでもなければ、それらが相当するものであるかどうかに限定されるものでもない。スイッチ120及びエージェント140の双方によって、たとえばパラレルバス及び/又はシリアルバスを有する異なるアーキテクチャのCPUを同じシステム、たとえばシステム100で使用することが可能になる。
【0010】
スイッチ120によって、複数のセル110を接続することが可能になり、必要に応じて、スイッチ120によって接続された1つ又は複数のセル110は、オペレーティングシステムイメージを実行する独立したコンピュータシステムとして動作することができる。また、スイッチ120は、他のI/Oインターフェースにも連結される。このI/Oインターフェースから、PCIデバイス、PCIエクスプレスデバイス、ブートROM等を含むI/Oデバイスをスイッチ120に接続することができる。
【0011】
リンク135は、一実施の形態では符号化された形でデータ及びクロックCLKをセル110に分配するための手段である。リンク135は、複数のビットを含み、スイッチ120からエージェント140へ(及びエージェント140からスイッチ120へ)ビット「レーン」でデータを運ぶ。ビットレーンの各々は一方向である。リンク135は、全体では双方向である。実施態様に応じて、リンク135は、フロントサイドバス、共有バス、コンピュータスケーラブルインターフェース(CSI)等と呼ばれる場合がある。
【0012】
[第1の実施の形態−抽出されたクロックを使用してCPUに直接供給する]
図2は、スイッチ120の一実施の形態であるスイッチ200を示している。このスイッチ200は、複数のポート210を含む。これらのポート210のそれぞれは、セル110とインターフェースするのに使用される。図2は、スイッチ200がJ個のセル110とインターフェースすることを示している。
【0013】
ポート210は、アウトバウンドポート210O及びインバウンドポート210Iを含む。アウトバウンドポート210Oは、パラレル入力を受け取ってシリアル出力を提供するので、一般に並直列変換器と呼ばれる。逆に、インバウンドポート210Iは、シリアル入力を受け取ってパラレル出力を提供するので、一般に直並列変換器と呼ばれる。その結果、ポート210は、サーデス(SERDES;SERializer/DESerializer(並直列変換器/直並列変換器))と呼ばれる場合がある。アウトバウンドポート210Oは、ライン235Oを介してエージェント140へデータを送信する一方、インバウンドポート210Iは、ライン235Iを介してエージェント140からデータを受信する。ライン235O及びライン235Iは、図1のライン135の一部である。
【0014】
クロック分配器240は、ライン105(図1)でクロックCLKを受信し、このクロックを複製し、複製されたクロックをそれぞれライン245でアウトバウンドポート210Oに提供する。一実施の形態では、各アウトバウンドポート210Oは、8B10Bアルゴリズムを使用してライン245でクロックCLKを符号化し、この符号化されたクロックを、他のデータと共にライン235Oでビットストリームにより、エージェント300(図3)のライン335Iへ送信する。実際には、スイッチ200がJ個の処理セル110とインターフェースする場合、ライン245にJ個の複製されたクロックCLKが存在し、J個の処理セル110のJ個のエージェント300のJ個のライン335IにJ個の符号化されたクロックCLKが存在する。一実施の形態では、8B10B符号化アルゴリズムが使用される。しかしながら、他のさまざまな符号化メカニズムが、本発明の実施の形態の範囲内にあり、本発明は、特定の符号化アルゴリズム/メカニズムに限定されるものではない。
【0015】
バス220は、当該技術分野では既知であり、スイッチ120の異なる要素間、処理セル110間、及び他のコンポーネント間、並びにそれら異なる要素、処理セル110、及び他のコンポーネントの間でデータを移動させることを可能にする。図面を分かりにくくすることを回避するために、バス220は、それのみ単独で存在するように示されている。すなわち、他のどのコンポーネントにも接続されていない。しかしながら、当業者は、たとえば、CPU、メモリ、I/Oデバイス、サーデス210等を含む異なる要素にバス220を、適宜、接続できることが分かる。実際には、一実施の形態では、(上述した)クロックと結合されるデータは、バス220から得られる。
【0016】
図3は、処理セル110の内部にあるエージェント140の一実施の形態であるエージェント300を示している。スイッチ200と同様に、エージェント300は、複数のポート又はサーデス310を含み、ポート310は、アウトバウンドポート310O及びインバウンドポート310Iを含む。しかしながら、例示として、図3には、1つのポート310しか示されてない。アウトバウンドポート310Oは、ライン335Oを介してスイッチ200へデータを送信する一方、インバウンドポート310Iは、ライン335Iを介してスイッチ200からデータを受信する。ライン335O及びライン335Iは、図1のライン135の一部である。さらに、スイッチ200がエージェント300に接続されると、スイッチ200のライン235Oは、エージェント300のライン335Iに接続され、スイッチ200のライン235Iは、エージェント300のライン335Oに接続される。
【0017】
符号化されたクロックCLK及びデータを含むビットストリームをライン335Iで受信する各インバウンドポート310Iは、そのビットストリームをデータ及びクロックに分割する。インバウンドポート310Iは、次に、符号化されたクロックCLKを復号して、復号されたクロックCLKをライン315で提供する。例示として、ライン315のクロックCLKは、復号されたクロック又は抽出されたクロックと呼ばれる。
【0018】
クロック分配器340は、クロックCLKをライン315で受信し、このクロックを複製して、複製されたクロックをそれぞれライン345で、処理セル110の各CPU350に提供する。たとえ、ライン345の抽出されたクロックCLKとライン105のクロックCLKとの位相がずれる場合があっても、ライン345のこれらのクロックCLKは、クロックジェネレータ102によってライン105で提供されるクロックCLKと同期しており、たとえば、同じ周期を有する。実際には、抽出されたクロックCLKをライン345で受信する処理セル110のCPU350は、ライン105のクロックと同期したクロックを有する。
【0019】
バス320は、バス220と同様に、エージェント300の異なる要素間及び処理セル110間並びにそれら異なる要素と処理セル110との間でデータを移動させることを可能にする。さらに、図面を分かりにくくすることを回避するために、バス320は、それのみ単独で存在するものとして示されているが、実際には、バス320は、バス220と同様に他のさまざまなコンポーネントに接続されている。
【0020】
本発明のこの実施の形態は、セルのCPUに提供されるライン345のクロックCLKが、シリアルリンク335Iから抽出されたクロックから複製されることから、各セル110にクロック源を必要としないので有利である。
【0021】
[第2の実施の形態−抽出されたクロックを位相ロックとして使用する]
本発明の実施の形態は、ライン315(図3)の抽出されたクロックCLKを位相情報としても使用して、異なる処理セル110のクロックを同期させ、したがって、このようなセル間のクロックドリフトを除去する。処理セル110を実装するチップの温度変化は、クロックドリフトの1つの原因である。
【0022】
図4は、一実施の形態による、ライン315の抽出されたクロックCLKが位相情報としてどのように使用されるかを示す図400を示している。クロック源410は、CPU450によって使用される周波数で動作するクロックCLK’をライン415で提供する。この周波数は、例示として、400MHzである。位相ロック機能420が、ライン415のクロックCLK’をライン315のクロックCLKの位相と同期させ、同期されたクロックCLK”をライン425に複製するように、ライン315のクロックCLKは、位相ロック情報として使用される。
【0023】
セル110ごとに1つのクロック源410を提供することによって、たとえライン315の抽出されたクロックCLKに関係する他の回路が動作していなくても、CPU450は依然として動作する。たとえば、たとえライン315の抽出されたクロックCLKが動作していなくても、クロック源410は、クロックCLK’をライン415で独立して提供し、したがって、クロックCLK”をライン425で独立して提供する。その結果、ライン425にクロックCLK”を有する処理セル450は、機能し続ける。さらに、回路400を各セル110で使用することができ、異なるセル110のCPUは、クロックCLK”をライン425で提供する点に関して同じメカニズムを使用するので、同じセル及び別のセルの双方のCPU450へのライン425のこれらのクロックCLK”は、クロック源410によって提供されるライン415のクロックCLK’に対してドリフトしない。
【0024】
[スケーリング]
本発明のさまざまな実施の形態では、ライン105(図1)、245、235O(図2)、335I、315、及び345(図3)のクロックは、異なる速度で動作する。この理由は、処理セル110間でより高速なデータ転送速度を有するには、通常、リンク135(235O及び335I)で非常の速い速度、たとえば2〜5GHzを有することが望ましいからである。さらに、クロック源102は、リンク135のレンジよりもはるかに小さな指定レンジ、たとえば200MHz〜1GHzでリンク105のクロックCLKを提供することが一般的である。加えて、コスト及び特定の用途を考慮した実施態様に応じて、CPU350を含むセル110のCPUは、リンク135の周波数レンジよりも低い広い周波数レンジ、たとえば400MHz〜1GHzで動作する場合がある。その結果、クロック源102からライン105でクロックCLKを受信する本発明の実施の形態は、スケーリング技法を提供して、CPU350用に所望の速度をライン345で達成する。たとえば、ライン105のクロックCLKは、200MHzで動作することができ、リンク235O(又は335I)は2GHzで動作することが一般的である一方、CPU350は、ライン345で400MHzの速度を要求する。本発明の実施の形態は、ライン105のクロック源が200MHzであっても、CPU350が400MHzの所望の速度でクロックを受信できるように、スケールアップ技法及びスケールダウン技法を使用する。たとえば、たとえクロック分配器240が200MHzで動作するクロックCLK105を受信しても、クロック分配器240は、速度を10倍にスケールアップして、ライン245又はライン235Oの速度が2GHzとなるようにする。ライン245のクロックは、ライン245のクロックをライン235Oに送信するアウトバウンドポート210Oの入力としての機能を果たすので、ライン245のクロック速度は、ライン235Oのクロック速度と同じである。さらに、ライン335Iのクロック速度は、ライン315のクロックCLKのクロック速度と同じであり、2GHzである。ライン345の所望のクロック速度が400MHzである場合、クロック分配器340は、ライン315のクロックを5分の1にスケールダウンして、2GHzからライン345の400MHzにする。本発明の実施の形態は、スケーリングされるクロックを入力として有するカウンタを使用して適切な出力ビットを選択する等の既知のスケーリング技法を使用する。すなわち、実施の形態は、高速のクロック速度には下位ビットを選択し、低速のクロック速度には上位ビットを選択する等を行う。
【0025】
本発明の実施の形態は、たとえばライン105、245、345等の異なるポイントにおけるさまざまな速度の要望を認識するが、各ポイントにおける特定の速度に限定されるものではない。
【0026】
[冗長性]
図5は、一実施の形態による、クロック源102の冗長性を示す図500を示している。発振器5210は、デフォルトクロック源としての機能を果たす一方、発振器5220は、フェイルオーバクロック源としての機能を果たす。すなわち、一般に、クロックセレクタ5230は、発振器5210を選択してクロックCLKをライン105(図1)で提供し、発振器5210が故障した場合に、クロックセレクタ5230は、発振器5220を選択してクロックCLKをライン105で提供する。本発明の実施の形態によれば、マルチプレクサ等のさまざまなメカニズムが、クロックセレクタ5230としての機能を果たすことができる。さらに、発振器5210及び5220は、例示としてのみ使用され、ライン105のクロックCLKのフェイルオーバメカニズム/冗長性を提供する他のさまざまなメカニズムが、本発明の実施の形態の範囲内にある。
【0027】
図6は、一実施の形態による、図1のさまざまな要素の冗長性を示す図600を示している。上記で示したように、ライン135は、ライン235O(又は335I)及びライン235I(又は335O)を含む。図6は、サーデス210に対応して、フェイルオーバサーデス、たとえば210Fがあり、サーデス310に対応して、フェイルオーバサーデス310Fがあることを示している。ライン245のクロックCLKに対応して、ライン245FにフェイルオーバクロックCLKがある。同様に、ライン235O(又は335I)に対応して、フェイルオーバライン235OF(又は335IF)があり、ライン235I(又は335O)に対応して、フェイルオーバライン235IF(又は335OF)がある。さらに、ライン315の抽出されたクロックCLKに対応して、ライン315FのフェイルオーバクロックCLKがある。加えて、クロックセレクタ610は、ライン315(又は315F)のクロックを、図3のクロック分配器340又は図4の位相ロック420への入力として選択する。
【0028】
図5と同様に、さまざまな方法を使用して、図6で説明したフェイルオーバメカニズムを提供することができ、本発明の実施の形態は、特定の方法に限定されるものではない。
【0029】
本発明の実施の形態は、異なる処理セルへクロックを分配する際のコストを節減できるので、他の手法よりも有利である。また、実施の形態は、クロックドリフトの問題も除去する。同じセル110及び異なるセル110のライン345のクロックは、ライン105のクロックと同期される。同様に、同じセル及び異なるセルのライン425のクロックは、ライン105のクロックと同期される。
【0030】
上記明細書では、本発明をその特定の実施の形態に関して説明した。しかしながら、本発明のより広い精神及び範囲から逸脱することなく、実施の形態にさまざまな修正及び変更を行えることは明らかである。したがって、この明細書及び図面は、限定としてではなく例示としてみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態を実施できる機構を示す図である。
【図2】一実施の形態によるスイッチを示す図である。
【図3】一実施の形態による、処理セルの内部のエージェントを示す図である。
【図4】一実施の形態による、抽出されたクロックを位相情報として使用することを示す機構を示す図である。
【図5】一実施の形態による、クロック源の冗長性を示す機構を示す図である。
【図6】図3及び図4の要素の冗長性を示す機構を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
100・・・システム
102・・・クロック源
105(1),105(2)・・・ライン
110(1),110(2),110(l),110(N)・・・処理セル
120(1),120(2),120(L)・・・スイッチ
135(1),135(2),135(l),135(N)・・・ライン
140(1),140(2),140(l),140(N)・・・エージェント
200・・・スイッチ
210(1),210(J)・・・ポート
220・・・バス
235I(1),235O(1)・・・ライン
235I(J),235O(J)・・・ライン
240・・・クロック分配器
245(1),245(J)・・・ライン
300・・・エージェント
310(1)・・・ポート
315・・・ライン
320・・・バス
335O(1),335I(1)・・・ライン
340・・・クロック分配器
345(1),345(K)・・・ライン
350(1),350(K)・・・CPU
410・・・クロック源
420・・・位相ロック
425(1),425(K)・・・ライン
450(1),450(K)・・・処理セル
5210,5220・・・発振器
5230・・・クロックセレクタ
610・・・クロックセレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数のプロセッサ(350、450)を有する複数の処理セル(110)を備え、
各処理セル(110)は、以下の方法、すなわち、
a)抽出されたクロック(315)が複製されて、それぞれが前記処理セル(110)のプロセッサ(350)に供給される複数の第1のクロック(345)を提供することと、
b)前記抽出されたクロック(315)が、第1のクロック源(410)と共に位相情報として使用されて、それぞれが前記処理セル(110)のプロセッサ(450)に供給される複数の第2のクロック(425)を提供することと
の少なくとも1つで使用される、前記抽出されたクロック(315)を受信し、
前記抽出されたクロック(315)は、データと結合され、少なくとも2つの処理セル(110)がスイッチ(120)を介して互いに通信することを可能にするリンク(135)により前記処理セルへ送信された、符号化されたクロックから抽出されたものである
システム。
【請求項2】
前記符号化されたクロックは、8B10Bアルゴリズムを使用して符号化されたものである
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記リンク(235O、235I、335I、335O)は、フェイルオーバリンク(235OF、235IF、335IF、335OF)に関連付けられ、
前記符号化されたクロックは、符号化されたフェイルオーバクロックに関連付けられ、
前記抽出されたクロック(315)は、抽出されたフェイルオーバクロック(315F)に関連付けられ、
前記第1のクロック源(102)は、第1のフェイルオーバクロック源に関連付けられる
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
符号化されてデータと結合されている複数のクロックを複数のリンク(135)により提供するための手段と、
それぞれがエージェント(140)を有する複数の処理セル(110)であって、処理セル(110)の各エージェント(140)は、クロックを抽出し、前記抽出されたクロックを複製して、前記処理セル(110)の複数のプロセッサ(350)に複数の複製されたクロック(345)を提供し、少なくとも2つの処理セル(110)における前記複数の複製されたクロック(345)は、符号化されてデータと結合されている前記複数のクロックを前記複数のリンク(135)により提供するクロック源(102)によって提供されるクロック(105)と同期されている、複数の処理セル(110)と
を備えるシステム。
【請求項5】
前記複製されたクロック(345)は、前記複数の符号化されて結合されたクロックが動作する第2の周波数からスケールダウンされた第1の周波数で動作し、前記第2の周波数は、前記クロック源(102)によって提供される前記クロック(105)が動作する第3のクロック周波数からスケールアップされる
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記クロック源(102)が、フェイルオーバクロック源に関連付けられることと、
前記複数のリンク(235IF、235OF、335IF,335OF)の1つのリンクが、フェイルオーバリンク(235IF、235OF、335IF,335OF)に関連付けられることと、
前記抽出されたクロック(315)が、抽出されたフェイルオーバクロック(315F)に関連付けられることと
の少なくとも1つが行われる
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
符号化されてデータと結合されている複数のクロックを複数のリンク(135)により提供するための手段と、
それぞれがエージェント(140)を有する複数の処理セル(110)であって、処理セル(110)の各エージェント(140)は、符号化されて結合されたクロックを抽出し、前記抽出されたクロック(315)を第1のクロック源(410)と共に位相情報として使用して、前記処理セル(110)の複数のプロセッサ(450)に複数の第1のクロック(425)を提供し、少なくとも2つの処理セル(110)における前記複数の第1のクロック(425)は、符号化されてデータと結合されている前記複数のクロックを前記複数のリンク(135)により提供する第2のクロック源(102)によって提供されるクロック(105)と同期される、複数の処理セル(110)と
を備えるシステム。
【請求項8】
前記第1のクロック(425)は、前記複数の符号化されて結合されたクロックが動作する第2の周波数からスケールダウンされた第1の周波数で動作し、前記第2の周波数は、前記クロック源(102)によって提供される前記クロック(105)が動作する第3のクロック周波数からスケールアップされる
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のクロック源(410)が、第1のフェイルオーバクロック源に関連付けられることと、
前記第2のクロック源(102)が、第2のフェイルオーバクロック源に関連付けられることと、
前記複数のリンクの1つのリンク(235I、235O、335O,335I)が、フェイルオーバリンク(235IF、235OF、335OF,335IF)に関連付けられることと、
前記抽出されたクロック(315)が、抽出されたフェイルオーバクロック(315F)に関連付けられることと
の少なくとも1つが行われる
請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
第1のクロック(105)を提供する第1のクロック源(102)と、
スイッチ(120)であって、前記スイッチ(120)は、前記第1のクロック(105)を受信し、前記第1のクロック(105)を複製して、前記スイッチ(120、200)の複数のポート(210)に複数の第2のクロック(245)を提供し、ポート(210)が、第2のクロック(245)を符号化して、符号化された第3のクロックをリンク(135、235O)に提供し、その結果、複数のリンク(135、235O)に複数の符号化された第3のクロックが得られる、スイッチ(120)と、
複数のエージェント(140)であって、各エージェントが、前記複数のリンクの1つのリンク(135)から、符号化された第3のクロックを受信し、この符号化された第3のクロックを復号して、抽出されたクロック(315)を提供し、それによって、それぞれが1つのエージェント(140)に対応する複数の抽出されたクロック(315)が得られる、複数のエージェント(140)と、
複数の処理セル(110)であって、各処理セルが、前記複数のエージェントの1つのエージェント(140)を含み、それによって、前記複数の処理セルの各処理セル(110)は、前記複数の抽出されたクロックの1つの抽出されたクロック(315)に対応する、複数の処理セル(110)と
を備え、
処理セル(110)に対応する抽出されたクロック(315)は、以下の方法、すなわち、
a)前記抽出されたクロック(315)が複製されて、それぞれが前記処理セル(110)のプロセッサ(350)に供給される複数の第4のクロック(345)を提供すること、
b)前記抽出されたクロック(315)が、第2のクロック源(410)と共に位相情報として使用されて、それぞれが前記処理セル(110)のプロセッサ(450)に供給される複数の第5のクロック(425)を提供すること
の少なくとも1つで使用される
システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−164786(P2007−164786A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329248(P2006−329248)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】