説明

マルチ微粒子

オキシコドンのマルチ微粒子は、(a)オキシコドン、(b)水不溶性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体、(c)可塑剤、(d)潤滑剤および(e)水透過性調整剤を適切に含有する混合物の押し出しによって作ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチ微粒子に関するものであり、特にオキシコドンの制御放出をもたらす押し出しマルチ微粒子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オキシコドンは、4,5-エポキシ-14-ヒドロキシ-3-メトキシ-17メチルモルフィナン-6-oneであって、アヘンアルカロイド・テバインに由来する。オキシコドンは、主要な作用が鎮痛作用である、純粋なアゴニスト・オピオイドであって、通常塩酸オキシコドンとして投与される。オキシコドンの塩酸塩は、自由に水に溶解する(6〜7ml中に1g)、白色無臭の結晶性粉末である。
【0003】
オキシコドンは、中等度から重度の疼痛の治療に適応される。長期間にわたり、鎮痛薬が連続的な24時間持続的に供給される必要があるときに、制御放出オキシコドン製品は疼痛管理を可能にする。
【0004】
オキシコドンの制御放出をもたらすオキシコドンの製剤は、例えばWO 9310765に記載されている。典型的には顆粒化の手順が使用される。実施例3では、10mgの塩酸オキシコドンを含む錠剤が、塩酸オキシコドン、ラクトース、ポビドン、Eudragit RS 30 D、トリアセチン、ステアリルアルコール、タルク、そして、ステアリン酸マグネシウムの混合物から調剤されている。実施例4では、20mgの塩酸オキシコドンを含む錠剤を調剤するために、調整された量の同じ成分が使用されている。これにより得られる生成物は、異なる薬力学的、薬物動態学的特性を示す。
【0005】
実例として、10mgおよび20mgのオキシコドン錠剤のin vitro での放出率は、WO 9310765において以下のように与えられる:
【0006】
【表1】

【0007】
このような放出率を有するこの種の錠剤が、商品の基礎を形成する。制御放出オキシコドン錠剤は、12時間以上にわたってオキシコドンの制御放出をもたらすようにデザインされている、オキシコンチン(登録商標)錠剤として利用可能である。
【0008】
オキシコドンは、オキシコンチン(登録商標)錠から、60%〜87%の経口的なバイオアベイラビリティで吸収される。即時放出型の経口剤形に対する、オキシコンチン(登録商標)錠の相対的な経口的バイオアベイラビリティは100%である。薬物動態学的研究において、健常なボランティアに反復投薬すると、定常状態の濃度は、24〜36時間以内で成し遂げられた。
【0009】
10mg、20mg、40mg、80mgおよび160mgの錠剤強度について、血漿濃度のピーク(Cmax)および吸収の程度(バイオアベイラビリティ)の両方に関して、AUCが、以下のデータによって示されるように用量比例性が決定された。
【0010】
【表2】

【0011】
オキシコドンは、広範囲にわたって代謝され、抱合型および非抱合型の代謝産物として主に尿中へ排出される。オキシコンチン錠(登録商標)投与後の、オキシコドンの見かけの排出半減期は、即時放出型オキシコドンの3.2時間に対し、4.5時間であった。
【0012】
非経口服用量と比較して、オキシコドンの経口服用量の約60%〜87%が、中央コンパートメントに到達する。この高い経口バイオアベイラビリティは、全身到達前の代謝および/または初回通過代謝が低いために得られる。健常ボランティアにおいて、即時放出型オキシコドン吸収半減期は0.4時間である。一方、オキシコンチン錠(登録商標)は、0.6および6.9時間という2つの見かけの吸収半減期を有する二相性吸収パターンを呈しており、錠剤からのオキシコドンの初期の放出の後に、持続性の放出が続くことを示している。
【0013】
WO 9310765の実施例において使用される顆粒化の手順とは別に、他の技術がオキシコドン製剤の製造のために存在する。改良された薬剤放出特性を有する均一寸法のマルチ微粒子は、すなわち、溶融押し出し技術と呼ばれる技術によって製造できる。溶融押し出しは、軟化された混合物を押し出すことによってマルチ微粒子を製造するための、無溶媒合成の単一段階製造方法であり、特に薬剤放出の改質に有用である。適切なポリマーおよび添加剤を選択することによって、溶融押し出し技術は、制御放出製剤のために中程度から高度の溶解性の薬剤の薬剤放出を遅延させるだけでなく、水に難溶性の薬剤の溶解性を高め、それに伴いバイオアベイラビリティを高めることが可能である。
【0014】
溶融押し出し技術の基幹となるのは、マトリックス中で溶解または分散した形で存在する組み込み薬剤の結合剤として作用する熱可塑性物質を使用することである。低いガラス転移温度(Tg)を有する熱可塑性ポリマーは、溶融押し出しによる処理に好まれる。熱感度が高い薬剤および他の必要な添加物の安定性という観点においても、より低い処理温度は好まれる。可塑剤を任意に追加すれば、より低い温度での処理を容易にするために、ポリマーガラス転移温度をさらに低下させることも可能である。
【0015】
実例として、WO 9614058は持効性医薬品製剤を規定しており、それは、溶融押し出しされた治療活性を持つ薬剤の混合物、アルキルセルロースまたはアクリル/メタクリル酸ポリマーまたは共重合体からなる群から選択される一つ以上の物質、セラック、ゼイン、硬化ヒマシ油、硬化植物油、およびそれらの混合物;および、更なる遅延効果をもたらすような、天然または合成ワックス、脂肪酸、脂肪族アルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の疎水性可融性キャリアであって、30度〜200度の融点を持つような可融性キャリアから構成される。溶融押し出しされた混合物は、望ましい治療効果をもたらすために、前記の治療活性を持つ薬剤を有効量含む単位投与量に分割され、約8時間から24時間という期間にわたって、前記の治療活性を持つ薬剤を持続放出する。
【0016】
さらに、WO 9614058は、経口投与に適する持効性医薬品押し出し物を調整する方法を記載している。該方法は以下の:
治療活性を持つ薬剤を、(1)アルキルセルロース、アクリル/メタクリル酸ポリマーおよび共重合体、セラック、ゼイン、硬化ヒマシ油、硬化植物油、およびそれらの混合物からなる群から選択される物質、および、(2)天然または合成ワックス、脂肪酸、脂肪族アルコールおよびそれの混合物からなる群から選択された可融性キャリアと共に混合することであって;前記の遅延のための薬剤は30度〜200度の間の融点を持ち、かつ治療活性を持つ薬剤の放出をさらに遅くするために十分な量が含まれており;
前記混合物を押し出すために、前記混合物が軟化するのに十分な温度へ前記混合物を加熱すること、;
0.1-3mmの直径を有する繊維として、前記の被加熱混合物を押し出し;前記繊維を冷却し;そして、0.1〜0.5mmの長さをもつ前記押し出し物を非球面型マルチ微粒子を形成するように前記繊維を分離すること;そして、
前記非球面型マルチ微粒子を、前記治療活性を持つ薬剤の有効量を含む単位投与量、すなわち約8時間から24時間にわたって、前記の治療活性を持つ薬剤を持続放出する前記単位投与量に分割すること、という工程を含む。
【0017】
この方法は、オキシコドン(オピオイド鎮痛薬)に適用することができて、典型的には、マトリックス中の主要な遅延効果を有するポリマーとして、Eudragitポリメタクリレートを使用する。Eudragitポリメタクリレートは、特に活性成分の放出を制御するために、医薬品組成物において広く使用されている。このように、WO 9614058のいくつかの実施例では、20mgの塩酸オキシコドンを有する制御放出カプセルまたは錠剤は、混合物の押し出し加工によって調製される。実施例11および13において、塩酸オキシコドンは、Eudragit RS PO、Eudragit L 100およびステアリン酸と共に混合される。実施例12の混合物は、さらにタルクを含む。
【0018】
オキシコンチン(登録商標)錠のいくつか又は全ての薬物動態学的/薬力学的性質に近似し、カプセルに充填するために用いることのできるオキシコドンのマルチ微粒子を調整する手段を供給する必要性がある。本発明の関連目的は、WO 9310765の実施例3および4の放出特性に近い、in vitroでの放出特性をオキシコドンにもたらすような、オキシコドン医薬品組成物を調製する方法を提供することである。
【発明の概要】
【0019】
本発明によれば、我々は、マルチ微粒子と称される、複数のオキシコドン粒子を提供する。
【0020】
一つの態様では、我々は、初期のオキシコドン放出量が多く、かつ全体としてのオキシコドン放出量も多いオキシコドン・マルチ微粒子を提供する。放出特性は、例えばヒトの胃液またはヒトの腸の環境をシュミレートした、in vitro の調節された条件の下でのオキシコドンの放出という観点で表現されうる。生理的pH(例えば約1.2または約6.8のpH)における放出が試験されうる。試験方法はまた、体内を通過する間に、胃から腸への移動を反映するようにデザインされうる。
【0021】
特に、我々は、水透過性調整剤を含めることで、オキシコンチン(登録商標)錠といくらかの生物学的等価性を示すオキシコドンのマルチ微粒子を押し出し加工することが可能になることを発見した。マルチ微粒子は、オキシコンチン(登録商標)錠に似た薬物動態学的および/または薬力学的特性を有しうる。特に、マルチ微粒子は、オキシコンチン(登録商標)錠に近いin vitroでの放出率を有しうる。
【0022】
関連態様として、我々は、通常では薬学的に許容される塩の形のオキシコドン、アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体、可塑剤、潤滑剤および水透過性調整剤を含むオキシコドン・マルチ微粒子を提供する。概して、特に溶解の後期で、水透過性調整剤は、水透過性を改善し、薬物放出を促進するのに役立つ。水透過性調整剤は、薬物の分泌速度を調整するのにも役立つ。
【0023】
オキシコドンは、薬学的に許容される塩、好ましくは塩酸塩または遊離塩基の形でありうる。
【0024】
マルチ微粒子は、好ましくは、押し出し可能な混合物の押し出し加工によって入手できる。この種の押し出し加工は、WO 9614058において開示されている、溶融押し出しと称される種類の方法でありえる。実際には、ポリマーは、軟化するが、実際に溶解するわけではない可能性がある。
【0025】
本発明のマルチ微粒子は、カプセル剤の中を充填するために使われうる。そこで本発明は、一日あたり1回または2回の服用に適したカプセル剤を提供する。制御放出製剤の他の剤形も提供されうる。剤形は、好ましくは単位用量形態であって、好ましくはオキシコンチン(登録商標)錠といくらかの生物学的等価性を示す。その剤形は、オキシコンチン(登録商標)錠に似た薬物動態学的および/または薬力学的特性を有しうる。特に、その剤形は、オキシコンチン(登録商標)錠に近いin vitroでの放出率を有しうる。
【0026】
本発明の更なる態様において、患者を本発明の制御放出製剤で治療する方法が提供される。この方法は、オキシコドンによる鎮痛治療を必要とする患者に本発明の剤形を投与することを含む。
【0027】
関連態様として、我々は、通常は薬学的に許容可能な塩の形で、オキシコドンの押し出し可能な混合物の押し出し加工を備える、オキシコドン・マルチ微粒子を調合するための製法を提供する。この混合物は、水透過性を改善するための水透過性調整剤を含み、かつ、アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体、可塑剤、潤滑剤および水透過性調整剤を適切に含有する。
【発明の詳細な説明】
【0028】
本発明のオキシコドン・マルチ微粒子のin vitroでの放出率は、好ましくは、オキシコンチン(登録商標)錠のそれに類似する。オキシコンチン(登録商標)錠の放出率は、初期の放出率が高く、かつ全体の放出率も高いことを特筆すべきである。オキシコドンの放出は、約1〜約7のpH範囲においては、実質的にpHに依存しないことが望ましい。この目的で、“実質的にpHに依存しない放出”とは、ある製剤において、pH 6.8の模擬腸液の中で試験したときに、どんな瞬間においても、製剤中に最初に含まれるオキシコドンの量のうち放出されたオキシコドンの量の百分率が、pH 1.2の模擬胃液の中で試験したときに、その製剤中に最初に含まれるオキシコドンの量に基づき、放出されたオキシコドンの量の百分率と実質的に等しいことを意味する。それぞれの量が±30%(より好ましくは±20%、そして最も好ましくは±15%)異なるときに、放出量は実質的に等しいとする。
【0029】
特に明記しない限り、我々は無酵素でpH1.2のUSPの模擬胃液900ml中で、37度、100rpmにおいて、Ph. Eur.バスケット溶解装置を用いるという、特定された試験方法で放出率を測定する。あるバリエーションにおいては、溶出溶媒は、無酵素のpH 6.8の模擬腸液である。
【0030】
pH 1.2の模擬胃液では、本発明のオキシコドン・マルチ微粒子は、初期の放出率の高さを反映して、典型的には1時間後に少なくとも15%のオキシコドンを放出する。オキシコドン・マルチ微粒子は、1時間後にオキシコドンの少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも35%を放出することが望ましい。
【0031】
本発明のオキシコドン・マルチ微粒子は、初期の放出率の高さを反映して、典型的には2時間後に少なくとも30%のオキシコドンを放出する。オキシコドン・マルチ微粒子は、2時間後にオキシコドンの少なくとも40%、より好ましく少なくともは50%、最も好ましくは少なくとも55%を放出することが望ましい。
【0032】
本発明のオキシコドン・マルチ微粒子は、初期の放出率の高さを反映して、典型的には4時間後に少なくとも60%のオキシコドンを放出する。オキシコドン・マルチ微粒子は、4時間後にオキシコドンの少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも80%を放出することが望ましい。
【0033】
本発明のオキシコドン・マルチ微粒子は、全体の放出量の多さを反映して、典型的には10時間後に少なくとも75%のオキシコドンを放出する。オキシコドン・マルチ微粒子は、10時間後にオキシコドンの少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を放出することが望ましい。
【0034】
さらにまた、8時間後にオキシコドンの少なくとも85%が放出されることが望ましい。本発明のオキシコドン・マルチ微粒子は、全体の放出量の多さを反映して、12時間後に100%のオキシコドンを放出可能である。
【0035】
本発明の好適なマルチ微粒子は、(a)オキシコドン、(b)水不溶性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体、(c)可塑剤、(d)潤滑剤および(e)水透過性調整剤を含む。この成分を選択することによって、マルチ微粒子を調製することが可能になり、それによってカプセル剤はオキシコドンを含有し、そしてオキシコンチン(登録商標)錠のin vitroにおける、望ましくはin vivoにおける放出特性に似たものとなる。特に、水透過性調整剤を含むような組み合わせが、十分なオキシコドンの初期放出を可能にし、一方で、溶解の後期において活性成分の全放出量の高さを維持することを可能にする。
【0036】
他の薬学的に許容される塩類を用いることも可能だが、塩酸オキシコドンはオキシコドンのより好ましい形態である。
【0037】
水不溶性アンモニウム・メタクリル酸エステル共重合体(アンモニオメタクリル酸塩共重合体とも称される)は、Eudragit RS POであることがふさわしい。それは、以下の特性をもつ:
不溶性ないし難溶性であり、
水の有孔性または透過性が低く、
薬剤および他の添加剤と共存可能であり、
適温で、ないし適切な可塑剤がある場合にはより低い温度で、押し出し可能であり、
所定の貯蔵期間および所定の条件において安定であり、
熱に対して安定である。
【0038】
特に、Eudragit RS POは、低い水透過性を持つ熱可塑性ポリマーであって、マトリックス中に埋め込まれたオキシコドンの放出を有意に遅らせることができる。それは、マトリクス製剤のための低い透過性を有する、pHに依存しないポリマー粉末と記述される。それは、アクリル/メタクリル酸エステルの共重合体であって、透過性を制御するための4価アンモニウム基を低量含み、平均分子量は約15万である。
【0039】
可塑剤は、ポリマーを押し出すことをより容易にするために、不溶性アンモニウム・メタクリル酸エステル共重合体を軟化するのに役立つ。この目的で、抗張力の減弱、より低い軟化温度、およびポリマーのガラス転移温度(Tg)の減少をもたらすために、典型的な可塑剤を不溶性アンモニウム・メタクリル酸エステル共重合体と混合することができる。それは、ポリマーの内部を滑らかにすることによって、凝集力を減らすのに役立つ。可塑剤は、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびセトステアリルアルコールなどの水不溶性固体;ソルビトール、スクロースおよび高分子量ポリエチレングリコールなどの水可溶性固体;セバシン酸ジブチルおよびクエン酸トリブチルなどの水不溶性液体;およびクエン酸トリエチル、プロピレングリコールおよび低分子量ポリエチレングリコールなどの水可溶性液体の中から通常選択される。ステアリルアルコールが、より好ましい可塑剤である。他の好適な可塑剤は、PEG 6000のように、できれば4000〜10000の範囲の分子量を持つ、高分子量ポリエチレングリコールである。
【0040】
潤滑剤は、可塑化されたポリマー混合物と押し出し機械内表面との間の摩擦を減らす加工助剤である。潤滑剤は、通常固体であって、ステアリン酸、グリセリルベヘネート(主にジべヘン酸グリセリル)、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクおよびシリコーン二酸化物(溶融シリカ)の中から適切に選択される。押し出し加工製剤の中に潤滑剤が存在すると、混合、混練、および運搬が改善し、凝着力が減少する。低温から中温において、滑らかに潤滑化して押し出し加工することで、バッチからバッチへの再現性は改善し、製品および器材両方に対する負荷が減少する。おそらく塩の形のステアリン酸は、好適な潤滑剤である。他の好適な潤滑剤はグリセリルベヘネートであって、オキシコドンのin vitroでの放出におけるpH感受性を小さくする。
【0041】
可塑剤は潤滑剤としてしばしば作用し、そして、潤滑剤は可塑剤としてしばしば作用しうる。
【0042】
可塑剤および潤滑剤の選択は、得られた押し出しマルチ微粒子の特性に影響を及ぼす。例えば、可塑剤がステアリルアルコールで、潤滑剤がステアリン酸である場合、お互いの量や比率、そしてメタクリル酸アンモニウムとの相対比が、薬剤の放出率を有意に改善しうる。我々は、ステアリルアルコール濃度がより高くなると、ポリマー混合物のTgが減少することを発見したが、このTgの減少が薬剤放出率に影響を及ぼすと信じている。しかしながら、ステアリン酸濃度がより高くなると、オキシコドンの放出率を変化させるだけでなく、混合、混練および押し出し加工をも改善しうる。我々は、ステアリルアルコールだけを犠牲にして、ステアリン酸の比率をより高くすると、オキシコドンの放出率と全放出量が有意に減少することを発見した。
【0043】
水透過性調整剤は、剤形からの薬剤の分泌を調整する。典型的に、特に溶解の後期において、水透過性調整剤は薬剤放出を高める役割を果たすが、水透過性調整剤はある瞬間においては放出を遅らせる役割を果たす可能性があることをも我々は想定している。押し出しマルチ微粒子の水透過性を改良するために使用する薬剤の具体例として、不溶性親水性ウィッキング剤、水和してゲルを形成することで水運動を制御するゲル化剤、PEG 6000のような高分子量ポリエチレングリコール、またはEudragit RL POのような水透過性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体(アンモニオメタクリル酸塩共重合体とも称される)があげられる。Eudragit RL POは、マトリクス製剤のための高い透過性を有する、pHに依存しないポリマー粉末と記述される。それは、アクリル/メタクリル酸エステルの共重合体であって、透過性をもたらすための4価アンモニウム基を含み、平均分子量は約15万である。
【0044】
例えば、微結晶性セルロース、高粘性ヒドロキシプロピルメチル・セルロースや高粘性ポリマー(エチレンオキサイド)のような高分子量ヒドロゲル、および水透過性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体が、その活性物質の全放出量を高めるために用いられる。この最後の点において、水透過性を改変するための薬剤(e) として使用されるアンモニウム・メタクリル酸塩共重合体は、成分(b)として使われる水不溶性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体と同じポリマーではなく、4価アンモニウム基による置換の違いによって、より水透過度が高い。
【0045】
微結晶性セルロースは、水の拡散および置換を改善して、その結果、薬剤放出を増強する。微結晶性セルロースは不溶性であるが、親水ウィッキング剤として作用する。微結晶性セルロースの代替剤として、クロスカルメローセ・ナトリウム、クロスポビドン、ソディウムスターチグリコレートがある。
【0046】
高分子量グレード(高粘性)のヒドロキシプロピルメチル・セルロース(HPMC)は、最初に、水運動を制御するために厚いゲルを形成するために水和する。水和したゲルは、それから段階的に溶解するか、および/または、多孔性かつ高浸透性の構造を残して時間とともに腐食する。この仮説に従い、高粘性HPMCはより早い時間に薬剤放出を有意に増やすのではなく、より遅い時点での薬剤放出を高めるのだと信じられている。ポリエチレンオキシド、ペクチン、ローカストビーンガムまたはキサンタンガムを含む、他のゲル化剤も候補物質である。
【0047】
Eudragit RL PO は、水透過性の高いアナログであり、薬物の放出率と全放出量を有意に高めることができる。
【0048】
成分(a)から(e)の5つの成分の総重量に基づき、適切な量の百分率は以下の表のように与えられる。
【0049】
【表3】

【0050】
他の添加剤は、また、一連の定められた規格の中でマルチ微粒子を生産するために用いることができる。ラクトース、微結晶性セルロースおよびリン酸カルシウムなどの充填剤は、広く使われている医薬品賦形剤であって、放出率および/または全放出量を改良するために、本発明において使うことができる。放出率を調整し、および/または全放出量を改変するために、放出を改変する他の薬剤をも検討してよい。
【0051】
好適な製剤は、望ましくは塩酸塩の形のオキシコドン、水不溶性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体としてEudragit RS PO、可塑剤としてステアリルアルコール、潤滑剤としてグリセリルベヘネートおよび水透過性調整剤としてEudragit RL POを含む。
【0052】
本発明のマルチ微粒子の製造のために、成分は混合されて、押し出される。この方法の詳細はWO 9614058に記載されており、それは特定の参照文献として全て本願に引用して援用する。
【0053】
本発明では、我々は、共回転ないし逆回転ネジを有しうる、2軸押し出し機を使用するのを好む。基本的に、粉状の混合物は、通常例えば10度から20度という比較的低い温度で、バレルの第1の部分にフィーダーによって送られ、高温バレルに定常的に粉が流入することを確実にする。フィーダーは、押し出し機へ混合物を均一に流しこむ。変則的で変動する供給率がさまざまな物性(例えば密度および気孔率)を有するマルチ微粒子を生産しうるので、一貫性が望まれる。
【0054】
より好ましい押し出し機は、混合物を運搬、混合、圧縮、加熱、軟化する作業のために、2軸ネジを(好ましくは逆回転ネジ)有するように設計されている。混合物の成分および押し出し加工条件の選択に従い、混合物は融解したり軟化したりするかもしれない。この押し出し加工過程の重要な役割を果たすネジは、種々のスクリュー要素および混練機の要素から選択される様々なより小さい要素から成り立つ。混合および混練時間は、スクリュー要素及びおそらくこね混ぜ機要素のタイプ、長さおよび配置を変えることによって、かなり変化しうる。滞在時間を短くして、中等度から低度の力で処理することが、たとえ熱感受性薬剤が共に存在する場合でも、安全な加工処理と安定な製品を得るのに貢献する。利用できる押し出し機の具体例としては、Leistritz社、Brabender社、Randcastle社、Kurimoto社によって製造される押し出し機が挙げられる。
【0055】
ネジ回転速度は、生産されるマルチ微粒子の品質という点において役割を果たすかもしれない。混合物の供給速度の適切に補正せずに高回転速度にすると、様々な薬剤放出速度を有する高多孔度マルチ微粒子を生じる可能性がある。一方、ネジ回転速度が遅いと、不必要な長い滞留時間を誘発するであろう。押し出し機バレルに接続されたバキュームは、軟化された混合物中に閉じ込まれた空気を除去するのに望ましく、したがって、高密度の非多孔性マルチ微粒子が生産される。
【0056】
押し出しヘッドは、典型的には、決まった直径の多数のストランドを生産するように設計されている。開口部の数、形状および直径は、予め定められた規格を満たすように変化させてよい。
【0057】
スクリュー回転数に加えて、他の主な影響力をもつパラメータは、スクリューのトルク、個々のバレル温度および押し出しヘッドの圧力および温度である。
【0058】
本発明の1つの切断加工手順によれば、押し出されたストランドは、コンベア上のダイヘッドから運び去られる。繊維の直径は、混合物の供給速度、ダイヘッド開口部の直径、スクリュー回転数、バレル温度、ニップ・ロール速度および運搬速度に影響を受ける。運搬は、押し出されたストランドを、レーザー・ゲージまたは望ましい直径(例えば1.0mm)を成し遂げるための他の測定装置へと担送するのに適している。この運搬過程の間、ストランドは徐々に冷えていくが、本質的には可撓性のままである。可撓性のストランドはレーザー測定装置上で、ペレタイザ供給ニップ・ロールとペレタイザへの入り口の間に、統合性を保つ。製剤によっては、急速に冷やされたストランドは、ニップ・ロールおよびペレタイザを通過する間に統合性を失って粉砕され、むらのある形状の不規則な大きさのマルチ微粒子となる可能性がある。
【0059】
ストランドは、ニップ・ロールによってペレタイザへと供給される。ペレタイザは、例えば回転刃カッターを使用することで、供給されたストランドを所定の長さ(例えば1.0mm)に切断する。ストランドの供給速度およびペレタイザ・カッター速度は、マルチ微粒子の長さを決定する。
【0060】
概して、粉のフィーダー、押し出し機、運搬機、レーザー・ゲージおよびペレタイザの間の共同及び相互作用は、最終的なマルチ微粒子製品の量、品質および再現性に影響を及ぼす重要なパラメータである。
【0061】
押し出されたストランドが概してダイヘッドから運び去られるという、切断加工手順によってできるマルチ微粒子は、円柱の形態をとる。
【0062】
他の好ましい切断加工手順において、加圧下で、依然軟化した状態でダイヘッドの開口部から現れた時に、カッターは押し出された混合物を切断する。カッターは、開口部を通過するためにダイヘッドの表層を一掃するような、一つ以上の刃を有するロータリカッターであることが望ましい。2本の真逆の刃が好まれる。押し出し開口部に対する内表面と外表面との境界面は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような非付着性材料で覆われているのが理想的である。切断された押し出し分子は、膨張して冷却するにつれて丸い表層を形成する傾向がある。押し出す圧力、押し出し速度およびカッター刃のスピードを適当に調整することよって、球面またはほぼ球面のマルチ微粒子が得るように調整することが可能である。あるいは、必要に応じて、この過程をロッドを生産するために作動させることができる。一実施態様において、押し出し物を冷却し凝固を速めるための、低温の空気の気流が、ダイヘッドの表層に向けられている。
【0063】
この方法によって生産される球面マルチ微粒子は、多くの考えられる利点をもつ:
バッチからバッチへの再現性の改善。
より簡単なコーティング、およびコーティング量の減量。
より良好なカプセル充填量、およびより高い収率。
高温での安定性の増大。
異物混入耐性(tamper resistance)の増加。
下流処理の減少。
ストランドを運搬してペレット化する間に生じるいくつかの問題点、例えば異なる長さのペレットへと粉々になったストランドおよび静電気、を減らすか除去すること。
【0064】
マルチ微粒子は、各個人の単位投与量が、哺乳類、望ましくはヒト患者に鎮痛をもたらすのに十分な用量のオキシコドンを含有するような単位投与量に分割されうる。オキシコドンの適切な用量は、5〜400mg、特に5mg、10mg、20mg、40mg、80mgまたは160mgの単位用量である。この点において、単位投与量は、患者に鎮痛および/または無痛をもたらすための治療的活性薬剤の有効量を含有する。患者に与えられるオキシコドンの用量は、患者の体重、痛みの重症度、代謝状況および他に投与されている治療薬剤の性質といった、多数の因子のために変動するであろう。
【0065】
ある好ましい実施例では、マルチ微粒子は、各単位投与量を含む硬いゼラチンカプセルに満たされる。カプセルに充填する量は、80〜500mg、より好ましくは120〜500mgの範囲であることが望ましい。本発明のバリエーションにおいて、マルチ微粒子の単位投与量は、例えば、圧縮、錠剤への成型加工、または押し出し製品から座薬形態への成型によって、他の固形の医薬品投薬製剤に組み込むことができる。
【0066】
本発明のカプセルまたは他の単位投与形態は、約12時間の間隔で投与するように設計されることが望ましい。このためには、900mlの水溶性緩衝液(pH1.6〜7.2)中で、37度、100回転数/分の条件で、USPパドル法(米国薬局方XXII 1990を参照)で測定したときに、1時間後に放出されたオキシコドンが12.5〜42.5%(重量)、2時間後に放出されたオキシコドンが25〜56%(重量)、4時間後に放出されたオキシコドンが45〜75%(重量)、6時間後に放出されたオキシコドンが55〜85%(重量)であるような、in vitroでのオキシコドンの溶解速度を、単位投与量形態が有することが適当である。さらにまた、我々は、剤形投与後2〜4.5時間の間に、in vivoで得られたオキシコドンの血漿濃度がピーク値となることを好む。
【0067】
この種のオキシコドン製剤に望まれる特性についての詳細はWO 9310765に記載されており、それは特定の参照文献によって全て本願に引用して援用する。
【0068】
pH 1.2の模擬胃液で、我々の指定された方法を用いると、放出率は、適切には以下のようになる:
【0069】
【表4】

【0070】
【表5】

【0071】
【表6】

【0072】
pH 6.8の模擬腸液で、我々の指定された方法を用いると、放出率は、適切には以下のようになる:
【0073】
【表7】

【0074】
【表8】

【0075】
【表9】

【0076】
約12時間間隔の投与に代わりに、本発明のカプセルまたは他の単位投与形態は、約24時間の間隔で投与するように設計される。このためには、37度pH1.6〜7.2の900mlの水溶性緩衝液中で、100回転数/分の条件でUSPバスケット法で測定したときに、1時間後に0%〜約40%、4時間後に約8%〜約70%、8時間後に約20%〜約80%、12時間後に約30%〜約95%、18時間後に約35%〜約95%、24時間後に約50%以上であるようなin vitroでのオキシコドンの溶解速度を、単位投与量形態が有することが適当である。さらにまた、我々は、剤形投与後、定常状態の約2時間〜約17時間の間に、生体内で得られたオキシコドンの血漿濃度がピーク値となることを好む。
【0077】
この種のオキシコドン製剤に望まれる特性についての詳細はWO 02087512に記載されており、それは特定の参照文献によって全て本願に引用して援用する。
【0078】
バリエーションにおいて、本発明はオキシコドンおよび異物混入(tampering)の防止に有効なオキシコドン拮抗剤を含む単位投与量を提供するものである。この点に関しては、WO 0313433に言及されており、それは特定の参照文献によって全て本願に引用して援用する。特に、単位投与量は、オキシコドンおよびナルトレキソンを含むことができる。例えばナロキソンのような、従来技術において周知の他のオピオイド拮抗剤を用いてもよい。
【0079】
本発明は、オキシコドンの押し出しマルチ微粒子および、ナルトレキソンなどのオキシコドン拮抗剤の押し出しマルチ微粒子を提供する。ナルトレキソン・マルチ微粒子は、従来の投与法ではナルトレキソンを放出せず、例えば非放出性のコーティングを有する。両者の割合は、視覚的、物理的に同一であることが望ましい。
【0080】
本発明の重要な態様は、約350mg以下のオキシコドン・マルチ微粒子および約200mg以下の異物混入防止(tamper-proof)オキシコドン拮抗剤マルチ微粒子からなる、500mg未満の単位投与量が充填されたカプセル剤である。例えば、120〜300mgのオキシコドン・マルチ微粒子および125〜175mgの異物混入防止(tamper-proof)オキシコドン拮抗剤マルチ微粒子を含むことができる。
【実施例】
【0081】
標準化された条件
以下の実験的操作において、塩酸オキシコドン混合物の押し出し加工のために標準化された条件が設定された。押し出し機は、2.6kg/hの供給速度で直径1mmおよび長さ1mmのペレットを産生する、140回転数/分のLeistritz 18製であった。
【0082】
ネジの図面を、ディストリビュータLeistritz USAの製造コードによって示されたコンポーネントを用いて、図1に示す。目的は、混合上の問題を回避するために、混合成分であるGGC2またはZSを追加して加え混合を最適化することと、湿潤の問題を回避するためにFDを含めることで滞留時間を増やすことである。
【0083】
押し出し機は10のゾーンからなり、ゾーン1は図1の0〜5Dまで広がり、ゾーン2は図1の5D〜10Dまで広がり、以下同様で、ゾーン8は図1の35D〜40Dまで広がり、そしてゾーン9と10は押し出し機の頭部に位置する。
【0084】
【表10】

【0085】
実施例9〜11では、温度は有意に上昇した。供給速度およびスクリュー速度は通常は一定に保たれたが、コンベヤ速度、ニップ・ロール速度およびペレタイザー速度はダイプレートから現れた時の押し出し物の特性に従って変化した。(これは押し出し物がふくらむ方法に高く依存しており、それゆえ前述のバッチと関連づけるのは難しい)
【0086】
オキシコドン押出マルチ微粒子製剤(表参照)の2つの薬剤の容量(8. 3重量%および25重量%)は、10mgおよび40mgの用量となるよう計画された。
【0087】
8.3%のオキシコドン容量に対して、以下の試験バッチが準備された。ここで、重量は単位投与量あたりのmgで示している。
【0088】
【表11】

【0089】
【表12】

【0090】
【表13】

【0091】
25%のオキシコドン負荷のために、以下の試験バッチが準備された。ここで、重量は単位投与量あたりのmgで示している。
【0092】
【表14】

【0093】
【表15】

【0094】
放出率の研究
実施例1〜19のオキシコドン押し出しマルチ微粒子の溶解は、無酵素pH1.2のUSP模擬胃液900ml中で、37度、100rpmにおいて、Ph. Eur.バスケット溶解装置を用いて試験した。標準化されたHPLC手順が、測定に用いられた。
【0095】
加えて、実施例9のオキシコドン押し出しマルチ微粒子の溶解は、無酵素pH6.8の模擬腸液900ml中で、37度、100rpmにおいて、Ph. Eur.バスケット溶解装置を用いて試験した。その上で、標準化されたHPLC手順が、測定に用いられた。
【0096】
in vitroでの放出率を測定し、添付の図2〜9および図17〜19にプロットされている結果を得た。
【0097】
Eudragit RL PO
塩酸オキシコドンの容量が8.3%のときは、押し出しマルチ微粒子120mg中に、5,8または20mgのEudragit RL POが存在すると、有意に放出率が上昇した(図3参照)。同様に、オキシコドンの容量が25%のマルチ微粒子の場合、押し出しマルチ微粒子160mg中に、3または5mgのEudragit RL POが存在すると、放出率に同程度の効果があった。(図4参照)
【0098】
微結晶性セルロース
120mg中10または13mgのオキシコドン押し出しマルチ微粒子、そして160mg中8または12mgのオキシコドン押し出しマルチ微粒子をそれぞれ、8.3%および25%の塩酸オキシコドン含有製剤において使用した。塩酸オキシコドンの放出率と全放出量に対する微結晶性セルロースの効果は、8.3%および25%の薬物容量について、それぞれ図5および6に示されている。
【0099】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
8.3%および25%の薬物容量の押し出しマルチ微粒子について、それぞれ、120mg中8または12mg、および160mg中8または12mgの濃度の高粘性HPMC(HPMCK100M)を使用した。溶解放出研究は、塩酸オキシコドンの全体放出量は、後期により顕著であったことを示している(図7および8を参照)。
【0100】
グリセリルベヘネート
実施例9〜11の製剤の溶解データは図17〜19に示されており、グリセリルベヘネートが含まれていると、全放出量が多くなる上、初期の放出量も高くなることを示している。図17において、SGFは模擬胃液の結果を示し、SIFは模擬腸液の結果を示す。オキシコドンの放出が実質的にpHに依存していないことが分かる。
【0101】
現在好まれている製品は実施例9、10、および11であり、実施例10および11が最も好まれている。
【0102】
バイオアベイラビリティの研究
実施例2,5および8の製剤は、オキシコンチン(登録商標)錠とともに、第一相バイオアベイラビリティ研究において調査され、それぞれB、A、Cと同定した。この研究は、24人の健康な男性と女性の被験者を対象とした、4期の無作為の不完全ブロック・クロスオーバー研究であった。実施例2、実施例5、実施例8の10mgカプセル2個(計20mg)の単回服用、またはオキシコンチン(登録商標)錠20mgが被験者に投与された。各々の試験製剤は、一晩絶食後または高脂肪の朝食後に投与された。
【0103】
この研究から得られた、in vivoでの血漿分布の平均値は図10〜16に示されており、パラメータの平均値は以下の表に要約されている。これらの製剤およびオキシコンチン(登録商標)錠のin vitroでの溶解データは、図9に示されている。
【0104】
【表16】

【0105】
【表17】

【0106】
実施例8を除いては、オキシコンチン(登録商標)錠と比較しても、各々をお互いに比較しても、オキシコドン製剤は、AUCtおよびAUCINFの観点で、オキシコドンと等価なバイオアベイラビリティを示した。図10は、3つの製剤は全て、12時間後に同様の平均血漿オキシコドン濃度を有することを示しており、3つの製剤は全て12時間用の製品として開発されるポテンシャルを有することを示唆する。図11は、実施例5の絶食条件が、AUCt、AUCINFおよびCmaxの観点で、オキシコンチン(登録商標)錠に最も類似していることを示している。
【0107】
実施例20 異物混入耐性(tamper resistance)製品
押し出しオキシコドン・マルチ微粒子および押し出しナルトレキソンまたはナロキソン・マルチ微粒子の共カプセル化は、異物混入耐性(tamper resistance)の組み合わせ製品ために用いることができる。
【0108】
WO 03013433にて説明したように、オキシコドン・マルチ微粒子およびナルトレキソン・マルチ微粒子は、一段階または二段階の充填過程を用いて、カプセルに充填することができる。充填しうるナルトレキソン・マルチ微粒子の量は150mgであり、8mgのナルトレキソンを含む。オキシコドン用量を10mg〜40mgの範囲とするための、オキシコドン・マルチ微粒子の推奨される充填量は以下の通りである(以下の表も参照のこと)
1. 120mgおよび240mgのマルチ微粒子中、オキシコドン用量がそれぞれ10mgおよび20mgである、8.3%(重量/重量)薬剤負荷のマルチ微粒子。
2a. 120mg中、オキシコドン用量が40mgである、33.3%(重量/重量)薬剤負荷のマルチ微粒子、または、
2b. 160mg中、オキシコドン用量が40mgである、25%(重量/重量)薬剤負荷のマルチ微粒子。
【0109】
さらに、カプセル充填量が各々以下のような、5 mgおよび80mgのオキシコドン用量を考慮してもよい。
1. 60mg中、オキシコドン用量が5mgである、8.3%(重量/重量)薬剤負荷のマルチ微粒子。
2a. 240mg中、オキシコドン用量が80mgである、33.3%(重量/重量)薬剤負荷のマルチ微粒子、または、
2b. 320mg中、オキシコドン用量が80mgである、25%(重量/重量)薬剤負荷のマルチ微粒子。
【0110】
33.3%(重量/重量)の薬剤負荷のために、以下の、20.Aおよび20.Bで表された試験製剤が調剤された。ここで、重量は単位投与量あたりのmgである。
【0111】
【表18】

【0112】
これらの2つの製剤は、はじめは、より強力価の製剤の原理を検定するために、Eudragit RL POなしで製造された。これらの製剤からの溶解の分布は、最低限要求される速度より遅いが、本発明に従って水透過性調整剤を使用することで、容易に改善されうる。
【0113】
一段階処理または、望ましくは二段階充填処理を用いることによって、オキシコドンおよびナルトレキソン・マルチ微粒子を所要の比率でカプセルに充填することができる。一段階の充填処理においては、マルチ微粒子のそれぞれの比率は、手動か好ましくは自動のプロセスによって、予め混合してカプセルに充填することができる。より好ましい二段階の充填処理においては、第一段階において、手動か好ましくは自動のプロセスによって、1つめのタイプのマルチ微粒子を充填することができる。第二段階において、再度手動か好ましくは自動のプロセスを使うことで、2つめのタイプのマルチ微粒子を充填することができる。
【0114】
薬剤負荷に基づいたカプセル強度の範囲に対する、理論上の充填量は、以下の表で与えられる。
【0115】
【表19】

【0116】
【表20】

【0117】
実施例21:代替のカッター処理過程
この実施例において、代替のカッター処理過程が使用された。押し出し物は、図8に示されているように、Leistritz 18製押し出し機のダイヘッドの12個の開口部から現れる。2本の刃を有するロータリカッターは、押し出された混合物が、加圧下で、依然融解された状態でダイプレートの開口部から現れた時に切断するために用いられる。刃は、開口部を通過するためにダイヘッドの表層を一掃する。切断された押し出し分子は、膨張して冷却するにつれて丸い表層を形成する傾向がある。
【0118】
【表21】

【0119】
温度や冷却速度を含めた押し出し加工パラメータの適当に調整することによって、球面または実質的に球面のマルチ微粒子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
以下の実験的についての項目において、添付図面について言及する。
【図1】図1は、実施例において使用したLeistritz 18製の2軸押し出し機のうちの1台の概略図である。
【図2】図2は、ステアリルアルコールの効果、すなわち、オキシコドン押し出し加工マルチ微粒子の放出率に対するステアリン酸の比率を示す。
【図3】図3は、8.3%(重量/重量)のオキシコドンを含む押し出しマルチ微粒子からの塩酸オキシコドンの放出率に対するEudragit RL PO の効果を示す。
【図4】図4は、25%(重量/重量)のオキシコドンを含む押し出しマルチ微粒子からの塩酸オキシコドンの放出率に対するEudragit RL PO の効果を示す。
【図5】図5は、8.3%(重量/重量)のオキシコドンを含む押し出しマルチ微粒子からの塩酸オキシコドンの放出率に対する微結晶性セルロースの効果を示す。
【図6】図6は、25%(重量/重量)のオキシコドンを含む押し出しマルチ微粒子からの塩酸オキシコドンの放出率に対する微結晶性セルロースの効果を示す。
【図7】図7は、8.3%(重量/重量)のオキシコドンを含む押し出しマルチ微粒子からの塩酸オキシコドンの放出率に対する高粘性HPMCの効果を示す。
【図8】図8は、25%(重量/重量)のオキシコドンを含む押し出しマルチ微粒子からの塩酸オキシコドンの放出率に対する高粘性HPMCの効果を示す。
【図9】図9は、本発明のマルチ微粒子の3つのバッチと、オキシコンチン錠(登録商標)製品のin vitroでの溶解データを示す。
【図10】図10は、図9の3つのバッチと、オキシコンチン錠(登録商標)製品のin vivoでのデータを示す。
【図11】図11は、図9の3つのバッチと、オキシコンチン錠(登録商標)製品のin vivoでのデータを示す。
【図12】図12は、図9の3つのバッチと、オキシコンチン錠(登録商標)製品のin vivoでのデータを示す。
【図13】図13は、図9の3つのバッチと、オキシコンチン錠(登録商標)製品のin vivoでのデータを示す。
【図14】図14は、図9の3つのバッチと、オキシコンチン錠(登録商標)製品のin vivoでのデータを示す。
【図15】図15は、図9の3つのバッチと、オキシコンチン錠(登録商標)製品のin vivoでのデータを示す。
【図16】図16は、図9の3つのバッチと、オキシコンチン錠(登録商標)製品のin vivoでのデータを示す。
【図17】図17は、in vitroでの更なる溶解曲線を示す。
【図18】図18は、in vitroでの更なる溶解曲線を示す。
【図19】図19は、in vitroでの更なる溶解曲線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシコドンを含み、初期のオキシコドン放出量が多く、かつ全体としてのオキシコドン放出量も多いマルチ微粒子。
【請求項2】
無酵素でpH1.2のUSPの模擬胃液900ml中で、37度、100rpmにおいて、Ph. Eur.バスケット溶解装置を用いるという、特定の試験方法によって試験した時に、4時間後に少なくとも60%のオキシコドンを放出する、請求項1記載のマルチ微粒子。
【請求項3】
特定の試験方法によって試験した時に、4時間後に少なくとも70%のオキシコドンを放出する、請求項2記載のマルチ微粒子。
【請求項4】
特定の試験方法によって試験した時に、4時間後に少なくとも80%のオキシコドンを放出するような、請求項3記載のマルチ微粒子。
【請求項5】
特定の試験方法によって試験した時に、12時間後に100%のオキシコドンを放出する、請求項1〜4記載のいずれか一つの請求項に記載のマルチ微粒子。
【請求項6】
特定の試験方法によって試験した時に、10時間後に95%のオキシコドンを放出するような、請求項1〜4記載のいずれか一つの請求項に記載のマルチ微粒子。
【請求項7】
特定の試験方法によって試験した時に、8時間後に少なくとも85%のオキシコドンを放出するような、請求項6記載のマルチ微粒子。
【請求項8】
オキシコンチン(登録商標)錠に似たいくつかの薬物動態学的/薬力学的特性を有するオキシコドンのマルチ微粒子。
【請求項9】
オキシコンチン(登録商標)錠の模倣体を調製することを、押し出し加工によって可能にするような水透過性調整剤を含有する、オキシコドンのマルチ微粒子。
【請求項10】
(a)オキシコドン、(b)水不溶性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体、(c)可塑剤、(d)潤滑剤および(e)水透過性調整剤、を含むマルチ微粒子。
【請求項11】
オキシコドンが薬学的に許容される塩として存在する、請求項10記載のマルチ微粒子。
【請求項12】
オキシコドンが塩酸オキシコドンとして存在する、請求項11記載のマルチ微粒子。
【請求項13】
該可塑剤が、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ソルビトール、スクロース、高分子量ポリエチレングリコール、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、プロピレングリコールおよび低分子量ポリエチレングリコールの中から選択される、請求項10〜12のいずれか一つの請求項に記載のマルチ微粒子。
【請求項14】
該可塑剤がステアリルアルコールである、請求項13記載のマルチ微粒子。
【請求項15】
該可塑剤が高分子量ポリエチレングリコールである、請求項13記載のマルチ微粒子。
【請求項16】
該潤滑剤がグリセリルベヘネート、タルクおよびシリコーン二酸化物から選択される、請求項10〜15のいずれか一つの請求項に記載の記載のマルチ微粒子。
【請求項17】
該潤滑剤がグリセリルベヘネートである、請求項16記載のマルチ微粒子。
【請求項18】
該潤滑剤がステアリン酸またはステアリン酸塩である、請求項10〜15のいずれか一つの請求項に記載のマルチ微粒子。
【請求項19】
該水透過性調整剤は、不溶性親水性ウィッキング剤、水和してゲルを形成することで水運動を制御するゲル化剤、高分子量ポリエチレングリコール、または水透過性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体から選択される、請求項10〜18のいずれか一つの請求項に記載の記載のマルチ微粒子。
【請求項20】
該水透過性調整剤は、微結晶性セルロース、クロスカルメローセ・ナトリウム、クロスポビドン、ソディウムスターチグリコレート、高分子量ヒドロゲル、高粘性ポリ(エチレンオキサイド)、および水透過性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体の中から選択される、請求項19に記載のマルチ微粒子。
【請求項21】
該水透過性調整剤は、水透過性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体である、請求項20記載のマルチ微粒子。
【請求項22】
5つの成分の総重量に基づき、成分(a)から(e)の百分率が以下の表のとおり与えられる、請求項10〜21のいずれか一つの請求項に記載のマルチ微粒子。
塩酸オキシコドン 3〜50
水不溶性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体 25〜85
可塑剤 1〜30
潤滑剤 1〜25
水透過性調整剤 1〜40
【請求項23】
5つの成分の総重量に基づき、成分(a)から(e)の百分率が以下の表のとおり与えられる、請求項22記載のマルチ微粒子。
塩酸オキシコドン 5〜40
水不溶性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体 35〜75
可塑剤 3〜25
潤滑剤 2〜25
水透過性調整剤 1〜30
【請求項24】
5つの成分の総重量に基づき、成分(a)から(e)の百分率が以下の表のとおり与えられる、請求項23記載のマルチ微粒子。
塩酸オキシコドン 7.5〜35
水不溶性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体 50〜65
共重合体
可塑剤 5〜15
潤滑剤 2〜25
水透過性調整剤 1〜20
【請求項25】
オキシコドン、Eudragit RS PO、ステアリルアルコール、グリセリルベヘネートおよびEudragit RL POを含む、請求項1〜24のいずれか一つの請求項に記載のマルチ微粒子。
【請求項26】
請求項1〜24のいずれか一つの請求項に記載のマルチ微粒子を含む、単位投与量の形態の医薬品組成物。
【請求項27】
該単位投与量は、ヒト患者に鎮痛をもたらすのに十分な用量のオキシコドンを提供する、請求項26記載の医薬品組成物。
【請求項28】
一つ以上の点において、オキシコンチン(登録商標)錠と生物学的に同等である、請求項27記載の医薬品組成物。
【請求項29】
オキシコドンの十分な用量は5〜400mgである、請求項27または28に記載の医薬品組成物。
【請求項30】
オキシコドンの単位投与量は5 mg、10 mg、20 mg、40 mg、80 mgまたは160 mgである、請求項29記載の医薬品組成物。
【請求項31】
前記マルチ微粒子を充填したカプセルの形態である、請求項26〜30のいずれか一つの請求項に記載の医薬品組成物。
【請求項32】
該マルチ微粒子は硬ゼラチンカプセルの中に充填され、各カプセルは単位投与量を含有する、請求項31記載の医薬品組成物。
【請求項33】
該カプセル中の充填量は120〜500mgである、請求項32記載の医薬品組成物。
【請求項34】
約12時間間隔で投与するように意図されている、請求項26〜33のいずれか一つの請求項に記載の医薬品組成物。
【請求項35】
900mlの水溶性緩衝液(pH1.6〜7.2)中で、37度、100回転数/分の条件で、USPパドル法(米国薬局方XXII 1990を参照)で測定したときに、1時間後に放出されるオキシコドンが12.5〜42.5%(重量)、2時間後に放出されるオキシコドンが25〜56%(重量)、4時間後に放出されるオキシコドンが45〜75%(重量)、6時間後に放出されたオキシコドンが55〜85%(重量)であるような、in vitroでのオキシコドンの溶解率を単位投与量形態が有する、請求項34記載の医薬品組成物。
【請求項36】
投与後2〜4.5時間の間に、生体内(in vivo)で得られたオキシコドンの血漿濃度がピーク値となる、請求項35記載の医薬品組成物。
【請求項37】
無酵素でpH1.2のUSPの模擬胃液900ml中で、37度、100rpmにおいて、Ph. Eur.バスケット溶解装置を用いるという、特定の試験方法によって試験した時に、オキシコドンの放出率が以下の下限値および上限値を満たす、請求項34記載の医薬品組成物。

【請求項38】
pH 1.2で特定の試験によって試験した時に、オキシコドンの放出率が以下の下限値および上限値を満たす、請求項37記載の医薬品組成物。

【請求項39】
pH 1.2で特定の試験によって試験した時に、オキシコドンの放出率が以下の下限値および上限値を満たす、請求項38記載の医薬品組成物。

【請求項40】
無酵素でpH6.8の模擬腸液900ml中で、37度、100rpmにおいて、Ph. Eur.バスケット溶解装置を用いるという、特定の試験方法によって試験した時に、オキシコドンの放出率が以下の下限値および上限値を満たす、請求項34〜39のいずれか一つの請求項に記載の医薬品組成物。

【請求項41】
pH 6.8で特定の試験によって試験したときに、オキシコドンの放出率が以下の下限値および上限値を満たす、請求項40記載の医薬品組成物。

【請求項42】
pH 6.8で特定の試験によって試験したときに、オキシコドンの放出率が以下の下限値および上限値を満たす、請求項41記載の医薬品組成物。

【請求項43】
約24時間間隔で投与するように意図されている、請求項26〜33のいずれか一つの請求項に記載の医薬品組成物。
【請求項44】
37度pH1.6〜7.2の900mlの水溶性緩衝液中で、100回転数/分の条件でUSPバスケット法で測定したときに、1時間後に0%〜約40%、4時間後に約8%〜約70%、8時間後に約20%〜約80%、12時間後に約30%〜約95%、18時間後に約35%〜約95%、24時間後に約50%以上であるようなin vitroでのオキシコドンの溶解率を、単位投与量形態が有する、請求項43記載の医薬品組成物。
【請求項45】
定常状態で、投与後約2時間〜約17時間において、生体内(in vivo)で得られるオキシコドンの血漿濃度がピーク値に達するような、請求項44記載の医薬品組成物。
【請求項46】
請求項26〜45のいずれか一つの請求項に記載の医薬品組成物の有効量を投与することからなる、疼痛の軽減をもたらす方法。
【請求項47】
請求項26〜45のいずれか一つの請求項に記載の医薬品組成物の有効量を投与することからなる、鎮痛をもたらす方法。
【請求項48】
(a)オキシコドン、(b)水不溶性アンモニウム・メタクリル酸塩共重合体、(c)可塑剤、(d)潤滑剤および(e)水透過性調整剤を含有する混合物を調整すること、および該混合物を押し出し加工することからなる、マルチ微粒子を調整する工程。
【請求項49】
請求項1〜25のいずれか一つの請求項に記載のマルチ微粒子、およびオキシコドン拮抗剤のマルチ微粒子から構成される、単位投与量の形態の医薬品組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2007−520429(P2007−520429A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516468(P2006−516468)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002705
【国際公開番号】WO2005/000310
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】