説明

マンション管理システム

【課題】システムの費用及び運用を低コストで提供できるマンション管理システムの提供。
【解決手段】カードリーダ2で読み込んだ認証データを識別してドア開指令信号を出力するコントローラ1と、このドア開指令信号で解錠する電気錠を有するドア装置を備え、コントローラ1は通信回線Bを介して遠隔的に接続されるデータセンターCより該当認証データの更新を行うようにしたマンション管理システムにおいて、データセンターCに集合住宅Aの停電を認識する停電認識手段SBlと、この停電認識手段SBlで停電を認識した集合住宅Aの各コントローラ1へ、認証データの更新スケジュールを設定して送信するスケジュール設定装置7とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマンション管理システム係り、特に、停電発生後の更新処理に好適なマンション管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マンション等の集合住宅では、建物入り口の共同玄関や各居室の玄関に居住者及び居住者固有のカードを含む鍵によってのみ解錠可能なオートロック機能付きの自動ドアやドアを設け、建物や居室内に入れる人物を制限して無用な外来者を防ぐセキュリティシステムが設置されている。また、建物入り口のオートロック付き共同玄関に加え、各階にオートロック機能付きの共同玄関を設けた二重セキュリティを考慮したシステムも開示されている。
【特許文献1】特開平07−133683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような二重セキュリティを採用するマンションは大規模な高層マンションを対象としたものであり、装置が大規模で各コントローラに停電時に電源のバックアップ用の二次電源を設置する等、システムのコストも高くなるという問題や、システムを運用するために、管理人を常駐される等、運用面でのコストも高くなる問題があった。
【0004】
本発明の目的は、システムの費用及び運用を低コストで提供できるマンション管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、マンション等の集合住宅の各居室玄関に、居住者が持参するカードに記録される認証データを読み込むカードリーダと、記録されている認証データとカードリーダで読み込んだ認証データを識別し、ドア開指令信号を出力するコントローラと、このコントローラからのドア開指令信号で解錠する電気錠とで構成されるドア装置を備え、前記コントローラは通信回線を介して遠隔的に接続されるデータセンターより該当認証データの更新を行うようにしたマンション管理システムにおいて、前記データセンターに前記集合住宅の停電を認識する停電認識手段と、この停電認識手段で停電を認識した前記集合住宅の各コントローラヘ、前記認証データの更新スケジュールを設定して送信するスケジュール設定装置とを備えたものである。
【0006】
このようにしたので、データセンターが集合住宅の停電を認識すると、各コントローラヘ認証データの分析スケジュールを設定して送信するようにしたので、停電によってコントローラ内の認証データが消滅しても、データセンターでバックアップするので、電源バックアップ用二次電源の設置が不要となるとともに、更新スケジュールに基づいて各コントローラより更新依頼が発生するので、通信負荷を抑えることができ、トラブルが発生しにくい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、マンションの停電を認識したデータセンターは、各コントローラの認証データの更新スケジュールを設定して各コントローラヘ送信するようにしたので、通信負荷を抑えることができ、管理台数が増えても影響のない対応が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施する為の形態について図面を用いて説明する。
【0009】
図1は本発明を一実施形態の要部構成を示すブロック図で、図2は一実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【0010】
図において、マンションAの各居室の玄関には、居住者が持参する図示しないカードに記録される認証データを読み込むカードリーダ2と、図示しないカードに記録されている認証データとカードリーダ2で読み込んだ認証データとを識別し、ドア開指令信号を出力するコントローラであるドア制御装置1と、このドア制御装置1からのドア開指令信号で解錠する電気錠3が設けられている。
【0011】
また、ドア制御装置1は、記録されている認証データの更新の際に、通信回線であるインターネットBを介して遠隔的に接続されたデータセンターCに対して認証データ要求を行い、最新の認証データを取得すべく、通信装置4を起動し、データセンターCとの通信を行うように構成されている。
【0012】
次に、データセンターCは、インターネットB及びマンションAに設けられる通信装置4を介してドア制御装置1と通信を行う通信装置5と、マンションAのドア制御装置1から送られてくる認証データのスケジュールを設定するスケジュール設定装置7と、データセンターCで管理するマンションの全てのドア制御装置1に記憶される認証データを少なくとも記憶する記憶装置8と、通信装置5の通信制御や、スケジュール設定装置7の演算及び設定制御や、記憶装置8への読出し及び読込み指令等を行う通信制御装置6とで少なくとも構成されている。
【0013】
次に、本実施形態の動作の説明を図2のフローチャートを用いて行う。
【0014】
まず、マンションAにて停電が発生すると(ステップSAl)、インターネットBを介して接続されるデータセンターCに対して停電発報が送信される(ステップSA2)。
【0015】
データセンターCの通信制御装置6は、マンションAに停電が発生したと認識し、停電発報を通信装置5が受信すると(ステップSBl)、スケジュール設定装置7に対し、停電したマンションAの各ドア制御装置1に記憶される認証データを更新すべく、送信スケジュールを設定するよう指示し(ステップSB2)、スケジュール設定装置7はマンションAの各ドア制御装置1の認証データ更新のスケジュール設定を行う。ここで、認証データのスケジューリングは、ドア制御装置1毎に例えば3分で行うように設定する。また、停電したマンションAが復電し(ステップSA3)、ドア制御装置1から認証データの更新要求がデータセンターCへ送信されると(ステップSA4)、データセンターCでは認証データの更新要求を受信する(ステップSB4)。
【0016】
ステップSB4での更新要求がステップSB3でスケジュールが作成されているか判断し(ステップSB5)、作成されていれば、通信制御装置6は通信装置5及びインターネット及び通信装置4を介して、認証データを更新するスケジュールである例えば時刻データをドア制御装置1に送信するとともに、マンションAのスケジュールを消去する(ステップSB6)。
【0017】
また、ステップSB5でスケジュールが作成されていなければ、通信制御装置6は認証データをドア制御装置1に配信する。
【0018】
次に、ステップSA5でドア制御装置1がデータセンターCからスケジュールである更新の時刻データを受信すると(ステップSA5)、ドア制御装置1は認証データ送信要求が行える時刻まで待ち(ステップSA6)、時刻がきたらステップSA4に戻り、認証データの更新要求をデータセンターCへ送信する。以上の流れを経てステップSA8に進み、認証データを受信することで、データセンターCの通信に負荷をかけることはない。また、更新のスケジュールを作成したものに関しては、ステップSB4−ステップSB5−ステップSB7−ステップSA7の手順を踏んで、各ドア制御装置1の認証データが更新されるので、データセンターCの通信に負荷をかけることはない。
【0019】
また、ステップSB4での更新要求が同一マンションで、例えば10分間に5件送信された場合、当該マンションに停電が発生したと判断しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態の要部構成を示すブロック図である。
【図2】一実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0021】
A マンション
B インターネット
C データセンター
1 ドア制御装置
2 カードリーダ
3 電気錠
4,5 通信装置
6 通信制御装置
7 スケジュール設定装置
8 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンション等の集合住宅の各居室玄関に、居住者が持参するカードに記録される認証データを読み込むカードリーダと、記録されている認証データとカードリーダで読み込んだ認証データを識別し、ドア開指令信号を出力するコントローラと、このコントローラからのドア開指令信号で解錠する電気錠とで構成されるドア装置を備え、前記コントローラは通信回線を介して遠隔的に接続されるデータセンターより該当認証データの更新を行うようにしたマンション管理システムにおいて、
前記データセンターに前記集合住宅の停電を認識する停電認識手段と、
この停電認識手段で停電を認識した前記集合住宅の各コントローラヘ、前記認証データの更新スケジュールを設定して送信するスケジュール設定装置とを備えたことを特徴とするマンション管理システム。
【請求項2】
請求項1記載のマンション管理システムにおいて、
前記停電認識手段の停電認識は、前記集合住宅に設けられる停電検出装置の出力信号と、
前記集合住宅に配設される前記コントローラからの更新依頼が所定時間内に所定数を超えた場合の少なくとも一方としたことを特徴とするマンション管理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−37722(P2010−37722A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198074(P2008−198074)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】